November 30, 2004

★nothing's clear『adjustructure』


※当エントリの情報は随時追加更新していきます
nothing's clear
adstructure


2004.11.30 OUT
4trks CDEP / AEMCD-018D / \1751 (tax in)
www.angelsegg.jp.org/nothingisclear

01. nothing's clear / 02. dual encoding / 03. exchange stone / 04. decay theory

nothing's clearカテゴリ
TEXT BY 荏開津 広
 レゲエやオブスキュアなジャズのDJ/コレクターとして知られていたnothing's clearのファースト・リリースは、彼らが親しんでいたストリート・ミュージックを出発点として、それをただ模倣したり、直接的な影響を示すのではなく、知的かつ勇敢な作品になった。
 シェイクスピアを好きで愛読している人間の書くものが、シェイクスピアのパスティーシュなのは、面白いかも知れないが知性的とは言い難いだろう。ディリンジャーを世界有数の「クールなアーティスト」と考えるnothing's clearは、同時に、意識的/無意識的に「自分たちが好きな音楽からなるべく離れて音楽を作ってみよう」と考えているように思える。それは音と向かい合って、彼らにとっての音楽とは何か?ということをなるべく遠くまで押し進めることに他ならないだろう。
 21世紀に音楽は変わる。優れたポップ・ミュージックを生んで来たユース・カルチャーがもう少しで変わる。(今)ユース・カルチャー(と呼ばれている何か)の意味がはっきりと問われる。その時、多分、まったく別の場所から生まれてあなたの耳に入り込んで来る音楽が浮かび上がって来る。nothing's clearのこの作品は、その予見であり、開けられたドアだ。大量殺戮によって異端/正統が揺らいでいる時代に誠実な活動をしようと試みるアーティストのあるレポート(その1)である。

TEXT BY 富樫信也
アンビエンスのプレゼンス
Presence of Ambience
nothing's clearの音は重く深く静かに聴く者を包み込む。でも、聴く者を束縛したり、不自由な牢獄に閉じ込めたりはしない。モードやファッションやムーヴメントに突き動かされてはいないから、その暗闇は筋の通った光に視える。横に流れ去る音ではなく、縦に断ち切る音。時間より空間を意識する音。不断に動き回るせわしない諸々の事象から身を離し、ふと立ち止まった時に聴こえてくる、かすかな「徴(しるし)」や「萌(きざし)」のような音。すぐそばに在るのに気づかれないアンビエンス。アンビエンスのプレゼンス。非在の偏在!? コンピュータ・プログラマーでも物理学者でもない、生粋のクラブ育ちの人間が作ったことが見え隠れする明快な主張を持ったサウンド・デザインからは、サイレント・ポエツやインドープサイキックスといった先人の成果から遠くここまで来たという感慨も受ける。“nothing is clear”という言葉は“everything is all right”という言葉とたぶん対になっている。

■nothing's clear www.nothingisclear.com www.angelsegg.jp.org/nothingisclear
DJでありコンセプト・メイカーの濱崎幸友とエンジニアの鈴木みゆきによるプロジェクト。1999年頃から共同制作を開始し青山〈MIX〉での“(0)117”によるフリーCDなどに楽曲を提供。04年には映像ディレクターの北岡一哉とHEADCASEを中心に集まったクリエイティヴ集団WHO I EMによる『I'VE GOT A FEELING』(cutting edge)に参加、「CHECK THE TECHNIC(nothing clear dub)」を残している。
■本作『adjustructure』では、在英エジプト人RASHA SHAHEEN(“21世紀ブリストルからのTHE SLITSへの回答”と評されたバンドMOOZのメンバー)とのコラボレートによる英語/アラブ語のポエトリーを収録。現在は、同じくブリストルのPAUL BRADLEY(ORGANELLES/THE BIG FISH)とのコラボレート作品を制作中。
■濱崎幸友:17歳で荏開津広、松岡徹、藤井悟らに出会い、青山のクラブ〈MIX〉のアシスタントとしてDJをスタート。〈MIX〉ほか、“(0)117”“DEATH DISCO”“DUB SCHOOL”“RUDIMENTS”〈SPUTNIK PAD LOW〉〈IDEE CAFE〉などでレギュラー/ゲストとしてDJを行なう。これまでにMIX TAPE『INCOMMUNICABLE』をシリーズで2種リリース。英国でも流通されるなど、80's NEW WAVE〜PUNK〜RARE GROOVE〜LOVERS ROCK〜ROOTS ROCK&DUB〜ELECTRONICA以降……と、自身の音楽遍歴を反映させつつ芯の通った内容に、高い評価が集まる。


dure pureDISC SHOP ZEROほか、一部のショップでは『adjustructure』お買い上げの方に特典CD-R『dure pure / pretention / cell』を差し上げます。※限定数に付き、枚数終了の場合はご了承ください。

『dure pure / pretention / cell』
雑誌『blast』でも取り上げられた「dure pure」、reggae chant等を彷彿とさせるピアニカとピアノが印象的な「pretention」、“細胞”とつけられた曲名のように、時間経過と共に湾曲されるていく「cell」。この3曲はnothing's clearの濱崎がチルアウトやラウンジなどのDJ時によくプレイしていた、nothing's clearのspecial-dubplate盤です。
1. dure pure (5:44)【試聴】 / 2. pretention (7:15)【試聴】 / 3. cell (8:04)【試聴】


■露出■
『vice』11月……レビュー「ポリティカルなメッセージを発することから逃げずに、しかも極上のチルアウト・サウンドをもって表現している意欲作。」
『remix』11月末売……紹介記事「心地よいフレーズや透明感のあるサウンドだけに耳を傾ければ休日のサウンドトラックとしても聴けるかもしれないけれど、ディープに聴こうとすれば、底はとて〜も深い。」
※LEFTFIELD CHARTにも掲載。
『FLYER』11月末……紹介記事「レゲエ〜ダブ〜ブリストルから今日のエレクトロニカまでを交差するような、ミニマルな緊張感が漂う、清冽なオトをクリエイトしている。」
『bounce』11月末……レビュー「INDOPEPSYCHICS、SILENT POETS、bolaなどを想起させる深い深い深い地底潜行。わずか4曲、25分の超濃密なアンビエンス。」
・『DAZED CONFUSED JAPAN』11月末……紹介記事
・『BARFOUT』12月17日……レビュー
・11/9〜16 インスタレーション『B.G.M. / communication-Before Gonna Mind』@SPUTNIK PAD LOW
・12/12 イベント『(0)117』@MIX……ライヴ

■nothing's clear『adjustructure』
DISC SHOP ZERO ★特典あり
HMV
TOWER RECORDS
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