2008年05月12日

あるディルタニア連邦兵士の記憶 (1)

 うだるような暑さで、舗装されたアスファルトがドロドロに溶けるのを見た。カイバーの夏のある日の日常だった。

 ヴァレフォール全域を襲った一大カタストロフィー、俗に「ロストアルテミス」と呼称される事象は、祖国ディルタニア連邦だけでなく、当然のようにここ、シェイフィナリアにも牙を向いていたが、民草は相変わらず教皇ベルニシェルスを慕い続けていた。現地人曰く、「教皇様がナルヴェの加護でラグナレクからこの国を守った」のだという。コップ一杯の水が半分に減ったことを、まだ水は半分も残っている、と考える民族らしい。

 未だに前時代的な風習と趣を数多く残し、都市部も石造りの歴史ある宗教的な建築物ばかりの街に、似つかわしくない兵員輸送車両がゆっくりと走る。DAPC-3、既に陳腐化した兵器だが、これが我々のいわば「愛車」だ。走るたびにゲロを吐く兵士がいるほどのじゃじゃ馬な走行を誇り、エンジンはときどき異音を奏で始める。そして車載の12.9mm機関銃は異様な動作と共に弾を吐き出す行為をあきらめる、これで三洲帝国主義と闘うというのだから、聞いて呆れるほかない。

 ディルタニア連邦陸軍シェイフィナリア方面軍、第二次派遣群。セルヴァナント協定だとかいう条約に基づき、急遽編成された粗野で野蛮な愚連隊である。

 我々の「愛車」はヴァスクリスィエーニイ戦車支援戦闘車と並べば、それなりの威圧感はある。近代と歴史観の折衷案のような、ここノゥトネレス市を軍用車両が通る。こんなサマになる風景は他にない。俺たちが「愛車」の上に出て座り、VS-76小銃を構えて睨み付けるだけでも威圧感があるに違いない。事実、俺たちはそうしてみたし、 Valentin Stanislava博士の名に違わないように威圧感を与えたつもりだった。

 パロンシュレイヒ教を信仰する民衆は、俺たちを指差して同じ発音の何かの単語で呼んだ。路上に吐くだけ吐いて、酔いを醒ました友人と俺は話していた。あれは俺たちを恐れて、何かここの宗教のカミサマの名前を、俺たちと「愛車」のあだ名にしているのさ、と。まるで番犬のようだ。いや、飼い主からも崇められる、なんというか自分が強くなったような気分で満たされた。辺境の島国で、何とラクで、何と意義のある任務だろう。俺たちは胸を高鳴らせた。嗚呼、誇り高きディ連邦!向前進!向前進!革命氣勢不可阻擋!

 後に通訳に訊いたところ、現地住民は俺たちを見て「汚物を撒き散らすだけの太った豚」と言っていたらしいことは、俺たちだけの秘密となった。

 ヴァレフォール暦19年8月。ディルタニア連邦人民の誰もが経験するはずの、かったるい兵役義務という青春の1ページに過ぎないと、この時は俺たちの誰もが、そう信じて疑わなかったのだ。

                 *

 ノゥトネレス市を抜け、未開発の地域を通って「愛車」がディ連邦軍の駐屯地に到着した頃、待ち受けていたのは「歓迎」だった。優秀な戦力にて構成され、無事にここシェイフィナリアで「ロストアルテミス」を乗り越えた優等生の第一次派遣軍も、すっかりと眼が血走り、獰猛な獣と化していた。ボロボロのディ連邦軍の軍服も、代替品の支給が長らく途絶えていたこともあり、交換のしようがなく、またそうした惨状は、駐留軍の備品全般にも言えた。当然、そうした備品の不足または老朽化は、兵士の精神状態に甚大なる被害を与えていたのは、見ればわかることだった。

 駐屯地のゲートが閉められたとき、第二次派遣軍は、猛獣の檻に放り込まれて閉じ込められたひ弱な小鳥のような気分にならざるをえなかった。「愛車」は停車、セッズルード出身のドライバーを残した乗員8名を降ろし、倉庫へと向かい後姿を小さくしていった。

 そして待ち受けていた「歓迎」とは、喜びと鬱憤と、今まで災害期間を本土で比較的、あくまでも比較的には安全に過ごせた後輩への嫉妬を、放出したかのような、先輩の、こぶしだった。まるでパチンコのゴムを、実際の時間にして数年間、それほどまでに長く引っ張り続けて、一気に手を離したような、そういう威力だった。無限に広がる空間をただ直進するだけのパチンコから放たれた弾は、そうそう当たるものではないが、運悪くこのこぶしという弾は、斜め45度から俺の頬へと弧を描いて直撃、俺の体を回転させながら後方へと吹っ飛ばした。災難というのは、あるものだ。

                 *

 駐屯地内の相応の階級の上官が偉そうに鎮座して書類を眺めて事務処理をこなす部屋に呼び出され、なぜか俺は散々に叱られ、事情を説明するも聞き入れられず、革命精神の注入だとか言って、まるで三洲帝国主義が革新労働党員だか何だかを弾圧したときに、若者たちが三洲大使館に押し寄せたときの映像で皆が皆持っていたと思われるゲバルト棒、言うなれば角材を髣髴させるような、というのは完全に俺の見間違いだが、それを思わせるような恐怖感をまざまざと俺に感じさせる、棍棒のような物で背中を一発ブン殴られたのである。何故だ。不可抗力じゃないか。不条理だ。そんなものが革命同志将校様に通じるはずもなく、要は「面倒ごとを起こすなボケ」というのが要旨であった。

 因みに俺に痛恨の一撃を与えたそれは、後に保安部の警棒であったことが明らかになったが、今の俺の精神状態からはどうでもいいことだった。

                 *

 射撃訓練にはあのゲロを吐きながらもたくましくSV-76を構え続けたシェンジョウ出身の同志がいた。相変わらず訛りがキツく、いつでも暇さえあれば領袖李徳勝語録を暗唱していた。彼は完璧主義者で、的にSV-76の弾丸が当たらなければ、いつまでで撃ち続ける。少しづつ、少しづつ的の中心部分へと着弾地点が近づいており、良好なペースだった、彼にとっては。しかし既にとっくの昔に上官からの「撃ちかた止め」の号令が出ていなければ、彼が私と同じく保安部謹製の棍棒で2,3発ほどぶん殴られることも無かっただろうに。



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2008年03月11日

V.C.19 4/13 [T2317] シルヴァレヌ外務卿記者会見概要

■【V.C.19 4/13 [T2317] シルヴァレヌ外務卿記者会見概要】

シルヴァレヌ・クレスドゥラ外務卿会見概要

1 発表事項
 各国の外交活動も再開され、世界は復興へと向けて動いています。シェイフィナリアは襟を整え、今まで以上に国際貢献を行い世界平和を希求していきます。

2 質疑応答

Q: 域外派兵新法について、今後の外交の幅を狭めることはないのか。

A: 幅を狭める、という言い方は意地悪ですね。今後、世界で何らかの事態があった場合、正当性があるかどうかを国際的な判断も考慮して、行動をしていくということです。

Q: 「国際的な判断」とは何か。皇立護神軍の指揮者は周辺諸国民か、はたまた国際連合か。

A: いえ、そういうことではありません。

Q: そういうことではないか。条件のうち1つ目に国連安保理決議が武力行使の根拠となるとしている。

A: いえ、そういうことではありますがね。元老院の3/5でも域外派兵は可能です。

Q: 有事に呑気に元老院など開いている余裕があるのか。迅速な判断と即時の行動ができなければ、皇立護神軍は張子の虎となるのではないか。

A: 迅速な判断と即時の行動を最優先しなければならない事態、それを政務院ではシェイフィナリア領内への直接侵攻およびそれへの明確な行動が確認された場合であると認識しており、これについては自衛のための域外派兵を認めているところでございます。

Q: 政務卿、政務卿、政務卿!自衛と一言いえば、皇立護神軍は教皇旗を掲げた爆撃機を世界のどこへでも飛ばして侵略できるということでしょうか!拡大解釈可能な文言であるとおもいます!

A: いえ、それは極論です…。そもそも護神軍は爆撃機を保有しておりませんし、必要性のない派兵をそもそも…

Q: 三洲の圧力でセクトレアセア空爆に参加したじゃないかー!何のための法律だ、政務卿辞任しろ!

A: いえ、いえ。あなた方は信用できないのですか。政府が信用できないのですか、あなたたちは…

Q:そうか、SIF R/ET-19Valrhonaだ!あれとあわせて侵略する下準備なんだ!

A: 会見終わります。。

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2007年10月14日

セルヴァナント・インテリジェント

[政治]契約聖典改正 - 政務院設置は近代化の先駆
[社会]歌手アリーセ・アーベントロートの挑戦
[外交]「アルベニックは卑劣で狡猾」ルーフェスティ外務卿、痛烈に批判
[国際]西ディルタニア動乱収束へ
[社説]進む一体化 皇立護神軍はディ連邦の属兵か
[経済]リルバーン石油 本格進出へ

【執政者評議会の英断 政治制度の抜本的改革は近代化へ一歩前進】
 [VC17 - ノゥトネレス市]ヴァルクナレ・ディファロン(賢人の執政者評議会)は政務院の創設を決議した。
 これに基づき元老院が憲法「契約聖典」の国政の項目を改正、ベルニシェルス教皇が改正憲法の施行を宣言した。これによりシルヴァレヌ・クレスドゥラは外務卿を解任、新たに政務卿に就任する。シルヴァレヌ政務卿を筆頭とし、アールフィルド元老院議員が枢密卿、ルーフェスティ議員が外務卿、またクラウル議員が内務卿に就任、ユリウス・ネイリア軍務卿は続投する。各院の院長は基本的に政務院の評議員を兼任し、政務卿を指導者として国政の遂行に当たる。
 これで元老院を議会、政務院を内閣、法務院を司法として先進諸国における事実上の三権分立を模した新しい政治制度が発足したことになる。
 ヴァルクナレ・ディファロンの位置づけはそれらの権力機関の上に超法規的に君臨するものではなく、先に改正された「契約聖典」において「政治への勧告権と行政監督者の罷免権を有する、宗教評議自治共同体の良心」として法的に規定がなされ、その規模と権限を自ら縮小した。

【保守層に宣戦布告 歌手アリーセの挑戦】
 [VC17 - エステルプラッテ クラルヴェルンブロードキャスト]ヴァレフォール17年1月から聖地ハティクヴェンヅィアを巡礼し、先日帰国した聖歌歌いのアリーセ・アーベントロート氏(23)が、今月中にもシングル「不老不死の霊薬」で歌手デビューを果たすことについて、賞賛と懐疑の声が聞こえてくる。
 アリーセの美しい歌声がエンターテイメントとして広く大衆に届くことになることを喜ぶファンがいる一方で、聖職者の資格を持つ人間の芸能界デビューにはエステルの保守派層が反発している。
 「全然気にしてません。聞いて頂ければその様な意見も無くなるでしょう」と保守層の意見に強気の反論をするのは当のアリーセ氏。
 曲調や歌詞なども宗教色の強い物になる様で、若い世代向けの現代語訳聖歌、というジャンルになりそうだ。

【「アルベニックは卑劣で狡猾」 ルーフェスティ外務卿】
 「当事者不在で人民裁判よりも劣悪」とアルベニックを徹底的に批判するのは、新任のルーフェスティ・バーソロミュー外務卿だ。新任当初の記者会見からの武闘派発言からは、政務院がアルベニック問題を重要視していることが伺える。
 外務卿は国交正常化会議がシェイフィナリアの発言があくまでも侮辱だという固定観念を前提としている点を指摘し、「『血を流していない』発言の前には『大した』という程度を表す語句があ」り、そして「高次な政治的議論の場で『アルベニック軍の将兵が血を流していない』という次元での意図を発することは常識的に考えてありえない」と鋭く反論。
 一方でシェイフィナリア政府代表の発言を侮辱だと流布するアルベニック政府に対し、「我々はシオン軍事政権への対処という緊急課題の議論を最優先にするという理由から『非道な軍』または『国土は非道な軍人に荒らされ』る、などという発言も議論することさえ徹底的に避けてきた」と逆にアルベニック側の有志連合軍への侮辱ともとれる発言を紹介し、またそれらの追及を声高に叫ばないことで同じレベルにまで下がらないということをアピール。
 この就任後初の記者会見は公式声明として国際的に報じられており、今までアルベニックの主張ばかりが報道されて遅れをとっていたシェイフィナリアが、攻勢に出たことを象徴している。

【西ディルタニア動乱収束へ】
 [VC17 - ヤード赤い星通信 シーニグラード支局]ユークトバニアの反革命政権はディルタニア連邦と雲龍の友邦により駆逐された。戦線政府と民主化機構が、先進民主ユークトバニアを建設する。

[社説]【進む一体化 皇立護神軍はディルタニア連邦の属兵か】
 準政務卿を兼任することになったユリウス軍務卿は、実益優先での国防増強に努めている。例えばディルタニア連邦軍の駐留是認や、ディルタニア連邦製兵器の採用である。
 これは言ってしまえば、国家の防衛を隣国に放り投げたことにはならないか。
 ヤードゴニエやディルタニア連邦軍の防衛をあてにするあまり、皇立護神軍の指揮権を安易に彼らに渡そうとしている。西ディルタニア動乱で皇立護神軍がヤードゴニエ軍の指揮下になったことが軽く流されているのも、そうしたことへの心理的ハードルが低くなっていることの証拠だ。
 ひとつ間違えれば主体性の喪失にも見える。政府の刷新に伴って、シェイフィナリアは皇立護神軍のありかたについて見直す必要性がある。

【リルバーン石油進出】
 リルバーン石油が石油採掘の資金を投資すると発表した。


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2007年10月08日

V.C.16 1/1 [T1921] シルヴァレヌ外務卿記者会見概要

■【V.C.16 1/1 [T1921] シルヴァレヌ外務卿記者会見概要】

シルヴァレヌ・クレスドゥラ外務卿会見概要

1 発表事項

 あけましておめでとうございます。ネルヴィルの戦火と我が国の国際貢献の在り方の大幅な変化、そして議会政治の試験導入など様々なことがあった15年に別れを告げ、また新しい16年が始まろうとしています。政府閣僚も気を引き締め、あらゆる困難に地道に対処していく所存です。

2 質問事項

Q:元老院で決議があって以降、国内でもアルベニックへの敵視政策がみられます。外務院としてはアルベニックへのどのような対応をしていくおつもりでしょうか。

A:大変残念としか言いようがありませんが、アルベニックが国際的に非難されるに値するような、他国の軍事作戦を妨害するための明確なアクションをとったのは事実です。更にそれを追及する議論で「兵士の名誉」という問題を持ち上げ、そうしたはぐらかし行為は無意味であるとする我々の主張を、更に議論の主題に据えようとする、こうした発言の積み重ねもまた目に余るところでした。むしろ「永久的な国交断絶」という、少々理解しがたい発言をなさったのもあちら側でして、こうした行動にシェイフィナリア政府として意思表示をしていく、というのは国家として当然の対応であると、そのように考えておりまして、国民の皆様方からのご理解も得られると確信しております。

Q:セルヴァナント国防協定の再審議要請について、ディルタニア連邦議会はどのように反応するとお考えですか。

A:私どものような公職者が、他国の議会に口を出すのはあまり儀礼的に好ましいことであるとは承知しておりませんが、いずれにせよ我々のこれまでの努力が実ることを切に願っております。

Q:そもそもディルタニア連邦と外交的、軍事的に締結することで、メリットが得られているでしょうか。

A:たしかにシオン戦争などではディルタニア連邦の理解を得られることができず、結果としてこのような安全保障体制への国民の皆様方からの不信感が募っていることも重々承知です。しかし地域的にもすぐ近隣にある大国と安全保障上の協力関係を保つことも重要ですし、また兵器の安価で優先的な輸入をも可能としています。ディルタニア連邦の軍事力が、フェイルディラシア共同体への経済的隷従を退き、そしてまたフェイルディラシア共同体の経済力が、ディルタニア連邦の軍事力への過度な依存を防ぐ、こうした絶妙なバランスを保つことにより、小国として独立を維持していく、そうしたことが可能になっていくと考えており、やはりそうした方針の上でも連邦との提携が最重要となっています。ディルタニア連邦一部構成国が、我が国へ不信感を持っていることも承知です。こうした構成国自治政府にご理解とご協力を得られるように働きかけていくのが外務院の仕事であるとも思っています。

Q:リベッカ=アルテミス二重帝国で起きた革命についてどのようにお考えですか。

A:リベッカアルテミス同君連合体の崩壊が起こったわけではありますが、幾度とない革命と粛清、そうした政情不安定に起因する周辺国の軍事介入、というのはあの地域における歴史でありまして、衝撃を隠し得ない、という表現は必ずしも正確ではありません。起こるべくして起こったというべきかもしれません。現状にて皇族は散らばり、我が国やフェムトにも多数の政治家が亡命し、革命政権はその正統性を資本主義圏のみならず共産圏からも否定されており、国際的には無政府に等しい状況が続いています。資本主義圏も今回の裏切りともとれる行為に失望し、当該地域を見捨て、共産圏へ対峙するラインを既にリルバーンまで後退させたようにも見えます。共産圏としては信頼性に著しく欠けたユークトバニア革命政権よりも、確実に同地域内への影響力を及ぼせる自由ユークトバニア委員会を政府として承認したいようです。いずれにせよ、軍隊を持つことを禁じられ、軍備に関するノウハウも皆無のユークトバニアに存在するのは、わずかな防空レーダーと対空火器のみなわけでして、資本主義圏の見捨てたこの地域に影響力があるのは、国境を隔てた大国ディルタニ
ア連邦のみですし、この政情不安定を打開できるのは連邦のみであると考えています。シェイフィナリア政府としては援助などを行うのは、ディルタニア連邦による新政府樹立後であろうかと思います。


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2007年08月27日

政府、皇立護神軍の域外派兵強行 セトクレアセアに空爆 ドキュメンタリー「銃後の家族の心境」

【外務院「血と汗の国際貢献」強調 域外派兵の既成事実化か】

R/TS-1FS
写真 … 偵察戦術機 R/TS-1FS(資料提供:軍務院)

 [VC15 8月 - パルヴィレン] シルヴァレヌ外務卿は緊急の記者会見を開き、テレビで全土に「護神軍の域外派兵の国民への説明」と称した生放送を行った。

 軍事政権の圧制からフェムトとシオンを解放する有志連合に賛同の意を表し、有志連合の枠組みの中で、統合司令部との調整を図りながらも独自指揮権を有し、補助的な軍事活動と後方支援に専念する「血と汗の貢献」を表明した。

 補助的とは言えども直接的な軍事行動も指しており、皇立護神軍空軍の偵察戦術機R/TS-1FSクロイツプラスによる空爆作戦が、生放送中の時点で行われたとの発言もあり、プレスルームの報道陣は衝撃を隠せなかった。

 軍務院の発表ともあわせると、戦術機はカイバー海域からディルタニア連邦領空を通過し、ディルタニア連邦空軍の空中給油を受けながらネルヴィル海域に脱し、シオンへの空爆を行ったことになる。

 シオンの軍事政権の排除と、シェイフィナリアの完全な独立に伴う国際的責任を強調してはいるものの、実質的に三洲の強い要請に応じた形となっており、独立を是認させるために、三洲のご機嫌取りや密約に従って派兵を強行したとの見方も出ており、批判も少なくない。

 だがベルニシェルス教皇のシオン軍政を「悪魔」と示唆する発言が大きく影響し、総合的には有志連合軍への極めて限定的な作戦参加は支持されている傾向にある。

 他、ネルヴィル海域洋上では補給艦艇が三洲連合共和国に石油の補給を行っている。





【シルヴァレヌ=カザン協定締結か 宗教的背景】


 [8月 - グダスニク] シェイフィナリアとエステルプラッテは、「教皇領の聖地ハティクヴェンヅィアの死守、エステルプラッテの殉教」を掲げた、極めて宗教色の強い協定を締結した。パロンシュレイヒ契約者(信者)の多いエステルプラッテが、総本山であるシェイフィナリアを防衛するという、国連憲章上では片務安保に該当するものだ。法皇院は「パロンシュレイヒ教の前進」としてコメントした。




【家族にインタビュー 「パパ、無事に帰ってきて」】


 [8月 - ノゥトネレス] ここはあるノゥトネレス郊外の普通の家庭だ。ただ、あるひとつの事実を除いては。

 「夫がそのことを私たちに告げたのは、当日のことでした。ただ『行ってくる』とだけ」

 彼女の夫は選抜徴兵制で空軍の整備士となり、訓練を受けてパイロットに抜擢された。

 「私がアルメティ郊外の飛行場に行ったとき、彼はパイロットの服を着て、手を振っていました。彼の乗るR/TS-1戦闘機が飛び立ったその後、軍から説明を受けて初めて、真実を知らされたのです」

 ヴァレフォール暦6月のシオンのフェムト侵攻、そして7月の三洲軍のシオン空爆に始まるネルヴィル海域の戦渦の火は、遠く離れたカイバーの、平穏なシェイフィナリアの、そして平和な家庭にも、残酷にも決して無縁ではなかったのだ。

 「軍の人間は言いました、シェイフィナリア護神軍は電撃的に、創軍史上初の作戦を実施する、彼はそれに選ばれたのだと」

 そう、彼女の夫が旅立ったのはネルヴィル。フェムトに侵攻して日の浅い、軍国主義国家シオンだ。

 「家族の心配させたくない、絶対に、笑顔で帰ってくるのだと、そう信じているに違いないのです。だからこそ、軍の人間が『彼は妻にこのことを明かすのは帰ってきてからにしてほしいと言っていた』と仰ったのでしょう」

 彼女の瞳には涙が溜まっていた。彼女の周りでは、二人の幼子が無邪気にはしゃいでいる。

 「パパはお仕事に言っちゃったけど、無事に帰ってきてほしい」

 テレビ画面に、ニュース速報が流れた。「セトクレアセアのECMジャミングが停止、護神軍戦術機との通信回復 作戦成功」

 彼女は思わず泣きながら子供に抱きついたのだった。

 シェイフィナリアの血と汗の貢献には、こうした銃後の家族たちがいることを決して忘れてはならないのだと、改めて痛感させられた。




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2007年08月21日

カザン首相亡命、三洲撤退、セルヴァナント協定、シオン制裁論議

■【V.C.14 5/13 [T1729] シルヴァレヌ外務卿記者会見概要】

シルヴァレヌ・クレスドゥラ外務卿会見概要

1 発表事項
 エステルプラッテにおける悲しむべき内戦の、あらゆる戦災者の方々に、教皇は哀悼の意を述べました。パロンシュレイヒ教徒であるエレオノーラ首相は、シェイフィナリア列島へと一時的に退去することとなりました。ナルヴェ生誕の地、ハティクヴェンヅィアも訪れ、祖国の平和をお祈りになられていました。紛争の早期終結を願うばかりです。

2 質疑応答

Q: 皇都パルヴィレンにおいてユリウス軍務卿は突如として列島初の戒厳令を布告し、護神軍が大砲や戦車を駆って三洲の進駐軍との睨み合いを演じました。これについての説明をお願いします。

A: 私の記憶するところでは、皇立護神軍のシェイフィナリア本島のノゥトネレス、ハザクィアルに駐屯する第1師団および教導団による展開であったと聞いております。武装に関してはRS小銃とクフィレ・バラスト対戦車ライフルで武装した治安維持要員であったと聞いております。シェイフィナリアが保有しているのは戦車ではなくType-5兵員輸送車両でしょう。

Q: 質問に答えて下さい。この戒厳令は三洲占領統治に対するレジスタンスでしょうか。事実上の内紛であると。

A: いえいえ、まさか。市民の皆さまの安全を保護し、また三洲防衛任務軍が撤退なさっても、護神軍だけでも治安の維持が可能だと、そういうことへの立証にもつながるわけでしてね。教皇も戒厳令の布告は容認して下さっていますし。シェイフィナリアと三洲の関係が良好である証に、ウィルネゥツフ協約の締結があるでしょう。睨み合いだとかいうのは、完全にデマですね。

Q: 治安維持にクフィレ対戦車ライフルなど不要だ。ディルタニア連邦とセルヴァナント国防協定まで締結しており、これは三洲に対する明確な独立の意思表示だ。

A: それは軍務院に訊いて下さい。セルヴァナント国防協定とディルタニア連邦軍との連携は、シェイフィナリアとカイバーの安全保障上、必要不可欠であるからです。

Q: 三洲から独立なんてとんでもない。シェイフィナリアは赤化するぞ。エステルプラッテなど全世界で共産主義が再興している最中だ。ディルタニア連邦軍など駐留させたら、それこそ危険ではないか。

A: いえ、ですからウィルネゥツフ経済協約がありましてですね。

Q: 次期主力戦闘機はSilevを買わされるんだろう!シェイフィナリアをディルタニア連邦の衛生国にでもする気か!恥を知れ!

A: 我々は安全保障上の提携を結んだだけでして、依然として資本主義の放棄を考えてはおりません。独自外交として新興諸国への善隣友好も行っています。グレートレイリルやジョリーロージャーなどとも国交を樹立して大使館もできました。これでもただの属国だとでもおっしゃるのですか。

Q: シオンが資源を目的とした軍事侵攻を開始したようです。こうしたことは一度や二度ではなく、幾度と無くおこなわれており、全く反省の色がみられません。あろうことか一部のテロリスト国家までもがこれに同調しております。シオン軍政がこの世界に存在することを許していいのでしょうか。資源に困窮すれば戦争が認められてしまうことになります。断固阻止すべきであり、国際社会は武力制裁と政権解体を検討すべきです。

A: シオンの侵攻は誠に遺憾であるとしか言いようがありません。シェイフィナリアはシオンへの石油輸出の禁輸措置を取るのが、産油国として当然と考えております。ただしかしながら、武力制裁云々に我々が介入することは避ける方針です。

Q: 共産圏と歩調を合わせるという事ですか。

A: ええ、そういうことではなく、いえ、そういう側面も少なからずはあるのですが、いやそれが決して主な理由と言うことではなくて。

Q: 何度あの国が侵略をしたのだ。シェイフィナリアが国際社会で責任ある立場を占めたいのなら、三洲やフェイルディラシア等の諸国と協調すべきではないか。たかだか禁輸しかできない、断固とした立場を表明しない、もはや外務院は腑抜けだ!外務院の国連待機軍など解体しろ!

A: いえ、道義的には、道義的には侵攻したシオンへ武力制裁が当然かも知れませんが、あくまでも国益というものを鑑みてですね・・・

Q: シェイフィナリア国民の参政権が不十分で、シェイフィナリア国民はもはや怒りは頂点にある!ベルニシェルス教皇が、無能な新政府に踊らされている・・・!参政権も認めず、悪政ばかり続けるようなら、国民は黙ってはいないぞ!ナルヴェは常に我らとともにある!


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2007年08月10日

V.C.14 (T1688) 1月3日 シルヴァレヌ外務卿会見概要 (11時05分〜11時20分)

■【V.C.14 (T1688) 1月3日 シルヴァレヌ外務卿会見概要 (11時05分〜11時20分)】

シルヴァレヌ・クレスドゥラ外務卿会見概要

1 発表事項
 さようなら、流動のヴァレフォール13年。歓迎します、来るべき希望の14年。教皇に、祠祭者に、そして全てのナルヴェとの契約者に、福音の鐘が鳴らんことを。
 さて、昨年度はシェイフィナリアの近代化と外交業務の活発化に合わせ、外務院の職員には激務をこなしていただきました。列島とその周辺のカイバーを含む地域、そして世界の諸地域では、未だに多くの問題を抱えています。私たちはそれらと関わり、解決の糸口をともに探っていくこととなるでしょう。それがこれからの14年です。
 私は年末、ジョリー・ロージャー王国へと訪問し、両者の友好関係構築への努力の意思を確認いたしました。同じ君主制の国家として、そして同じ発展途上国として、共に歩むべきであると認識した次第です。
 私からは以上です。

2 質疑応答

Q: 外務卿、今年もよろしくお願いします。ジョリー・ロージャーやエステルプラッテなどの君主制国家との連携を深めておられるようですが、この意図はやはり途上国や君主制国家、宗教国家が列強二大陣営からの迫害にあっているという昨今の情勢を反映したものなのでしょうか。

A: たしかに先進諸国が横暴を振るって、いや、外交上の優位を保ち、それによって不利な局面に陥る国というのは少なからずあります。ですから、そうした国が結束し、先進諸国の、例えばSISA、DF、PKTOなどの陣営に、対抗しうる、といえば語弊がありますけれど、正確に言えば同等の発言力を得る、という点で、何らかのそうした結束が将来的、いや今すぐにでもなされるべき、というのは自明の理であります。

Q: 国連中心主義の外交方針はいかがなさいますか。

A: 依然としてシェイフィナリアはこの国連中心主義という鉄則を破るつもりはございませんし、また途上国等の諸国との連携の際にも、国連との協調は重要な課題であると認識しております。賢人の執政者評議会は、能動的に活躍できる国連参加専門の部隊として、国連待機軍というのを構想しておりまして、これは外務卿を最高指令官として、外務院の組織に編入される、純粋に平和維持と国際貢献に専念するものです。現在、軍務院との調整に入っております。

Q: 一連の宗教的対立に関しては?

A: ベルニシェルス教皇からの声明がなされるというお話もございますが、まだ私からこれについてどうこう述べると言うことはできません。


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2007年07月23日

V.C.13 6月ユリウス軍務卿記者会見

■【V.C.13 6月12日軍務院発表 ユリウス軍務卿会見概要 (21時15分〜21時17分)】

ユリウス・ネイリア軍務卿会見概要

1 発表事項
 なし

2 質疑応答

Q: 現在行われている次期主力戦闘機の選定について、どのようにお考えですか。

A: 現在配備されている兵器と互換性のある同規格の兵器から選定するため、共産圏からの輸入を必然とする。

Q: 共産圏のディルタニア連邦からは宗教を否定する発言が飛び出ています。シーサ、資本主義圏や君主制諸国からの反発があるものと思われますが。

A: 同規格で且つ安価な選択だ。宗教観の相違は知ったことではない。抗議は法皇院か外務院がすればいい。細かい面子のために国防は犠牲にできない。

Q: 三洲国政評議会の防衛任務部隊のパルヴィレン駐留が始まりました。どのようにお考えですか。

A: 考えも何もない。法皇と評議会の決めることだ。共同作戦だろうが、独立戦争だろうが、決定権は彼らにある。

Q: 今のは問題発言ではないですか。

A: 実際にそうであるのだから仕方がない。君は私に嘘をつけというのか。

Q: 治安情勢への疑念を三洲政府が指摘しています。

A: では私からは三洲の治安の悪化を指摘したい。

Q: まじめに質問に答えて下さい。

A: 本日の質疑応答は終了だ。


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2007年07月16日

V.C.13 3/9 外務院シルヴァレヌ外務卿会見概要

【V.C.13 3/9 外務院シルヴァレヌ外務卿会見概要 (13時08分〜13時27分)】

シェイフィナリア外務院シルヴァレヌ・クレスドラ外務卿記者会見概要

1 発表事項

 私は先日までは外務院で書記をするものと存じてはおりましたが、昨日付けをもって賢人の執政者評議会(Valknail Difelon)より外務卿への就任を命じられたものです。突然の決定には私としても戸惑いを隠し得ないものではありますが、任命式で教皇とお会いしたときから、この職務を最期まで全うすることを決心いたしました。これからをお見知りおきを御願いしますね。
 私から発表することは多くありません。まずはじめに、各国の交流協会についてです。国連委任統治領としての王制自治区は終了し、近代化とそれに伴う組織改変の一環として、各国に置かれた交流協会は順次、大使館へと昇格されます。三洲連合共和国、エステルプラッテ共和国のそれが対象となります。
 交流協会を統括していた内務院の部署は形式的に組織解体し、これらを新設の外務院に再編成し、対外懸案の処理を行う政府部署、つまりは外交局、外務省に対応する組織へと昇格するわけであります。
 この内務院の部署は年に1度だけ簡単な発表をする程度のものではございましたが、情勢の急激な変化に対応すべく、この年始の内務院交流部の発表は、定例化、つまりは頻繁な海外の報道記者の質問に答えるいわゆるプレス発表のような形で新たに引き継がれることになります。
 私からの発表は以上です。


2 質疑応答

Q(Wisper of Martyr誌): 初めての会見、ごくろうさまです。今後、外務卿としてはどのような対外政策を推し進めるお考えでしょうか。

A(シルヴァレヌ外務卿、以下同): 平和と独自性の維持、これが大前提ではないでしょうか。友好関係は多岐に渡って構築していく考えです。

Q(AESK): 今、「独自性」の維持、とおっしゃいましたが。これはシェイの「独立」を意味するものでしょうか。

A: いえ、決してそういうわけではございません。シェイフィナリアの文化や国民、その他の様々な点を総合的にみた、いわゆる「独自性」を保全する、そういう意味ですね。

Q(Seyfinalia Times誌): シェイフィナリアは正式に独立を宣言しましたが、三洲の軍隊の進駐を容認しましたよね。政治経済監督庁の継続を三洲国政評議会が決定したとも三洲誌は報じました。これは実質的な三洲の植民地統治が、国連からのお墨付きの期限が切れてからも行われるということですか。

A: いえ、これはですね、その。政治経済監督庁というのはですね、その名の通り、そもそもは政治と経済に指導をする、いや、助言をするとでも言いますか、そうした機関でですね。従来通りに勧告をする程度のものでありまして、シェイフィナリアの現状を維持するものです。

Q(同): 「従来通り」に植民地統治の「現状を維持する」ということですか。

A: いえ、いえ。ですから。そういった問題ではないでしょう。政経監督庁がシェイフィナリアの独自性には干渉しないという事ですよ。

Q(同): 三洲軍が駐留するんですよ。国連名義での統治時代より悪化している。

A: それはですね、違うのです。組織体系がですね、三洲軍や参謀本部に属するものではなくて、国政評議会の指揮下にある組織でありまして、きわめて民主的なものなのです。

Q(パヴェーダ・ズヴェズダー): 三洲国政評議会がシェイフィナリアの民主主義なのか。

A: そういうことではないのですよ。軍隊よりも安心できると。これは、ああ。ええ。

Q(三洲共同通信社): 国家防衛総軍が民主的ではないとでもいうのか。守護神たる総軍も国政評議会の防衛任務軍も、同じく民主的な手続きを経た規律ある軍隊だ。

A: いえ、決してそうした主張ではなくてですね、はい。安心感ですよ。ほら、感覚的なお話です。隣人からもらった鍵が指紋認証か、南京錠かというお話ですね。

Q(Altemis Gorvenment News): シェイフィナリアは国防努力と独立という言葉を知らないということに他なら無い。

A: 何をぬかすか、先日まで軍備すら持たなかったこの半万年属国、が、あ。いえ、今のはナシです。訂正してください。

Q(AGN): これは二重帝国への国辱だ!ぶっとばす

A: 空耳です。ディルタニアの辺境へお帰りください。ついでにまた空爆されてしま、え、あ、こっちの話ですので。

Q(機関誌興国): 西芝の買った油田の採掘権ですが、いつ頃に我が社との採掘作業が始まりますか。

A: 事業の認可などに関してのお話までは管轄外なので私の耳にはまだ届いていないのですが、港の再建設が実行されたときに、シェイフィナリア政府に振り込みを行ってから認可が降りるものと思って良いのではないでしょうか。

Q(Aster News): 多数の国の観光業者が目を付けているときいています。やはり文化的な面で外交を進めていくということは。

A: シェイフィナリア固有の珍しい文化や、宗教的な建築はやはり観るべきものがありましょう。外交を進める際に、他国の代表者の方に、これを観ていただきたい、というのは思うところですし、そうした外交上のお話を度外視しても、やはり多くの方に訪れて貰いたいですね。


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