愛犬と飼い主さんが歯周病で苦しまないために・・・
年に2回の日本小動物歯科研究会症例発表会に参加してきました
内科や外科、眼科、皮膚科などの勉強会は日常的に開催されていますが歯科分野となるとまだまだ殆ど開催されていないのが現状です。
そんな中日本全国から歯科を勉強されてる獣医さんが一同に集まるのが先日私が参加してきた学会となります。
その中でのトピックスを御紹介します。
3歳以上のワンちゃんの約8割は歯周病である
とよく言われていますが、それはかなり昔のアメリカのしかも大型犬のデーターとの事です。
今の小型犬が中心の日本の現状は
1歳を超えたワンちゃんの約9割が歯周病であるとの事です。
私の勉強会用のスライドも訂正です!
また毎回議論になりますが「無麻酔歯石除去の是非」に関しても討論が行われました。
結論はダメなものはダメで、施術者が如何なる理由を付けようが無麻酔下での歯石除去はやるべきではありません。
あと著名な獣医歯科専門医の先生が言ってた言葉に
「獣医師指導で歯周病は予防できる」と言うのがあります。
2013年にアメリカ動物病院協会が犬・猫の歯科治療に関してのガイドラインを出しています。
当院でもこのガイドラインに沿って全身麻酔下での予防歯科を推奨しています。
残念ながら当院に歯科初診で来院される患者さんの多くは重度歯周病患者さんです
「この子の歯は顎の骨が溶けてるので抜歯手術となります・・・」
この様なお話をさせて頂くと多くの飼い主さんが驚かれます。
おそらく若い時期から年に1回の麻酔下での適切なスケーリング処置を行っているとこの様な事はなくなるはずです。
全身麻酔の安全性と同時に「今年も綺麗なお口でしたね」と言える様に我々獣医師はもっともっと啓蒙して行かないといけません。
無麻酔下での歯石除去は歯周病治療ではなく、動物病院での歯周病診断・治療を遅らせる結果となります。
動物にとって何が優しい治療なのか?
デンタルケアに関しては動物病院とトリミングサロンのそれぞれの役割を考え直す必要があります。
animal21 at 11:45
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