真っ青な空と濃い緑の高い木々に囲まれた十数面のコート。
あまりのコントラストの見事さに見とれてしまう。
いい風も吹いてる。

「あと1時間行きましょうか?!」

元気だなあ。
初めて一緒にテニスをした二人は多分60間近。
一人は最近協会からテニス界への貢献で表彰されたばかりの紳士。
テニスのプレーはオーソドックス。
とりあえずと、もう数年テニスをやってない長男のアエロプロドライブを抜き出して来たけど、張りっ放しのポリでキツい。

二周り目のシングルス。
一周り目でへばって空ゲロが出そうになったままサーブを打つ。
(あれっ?この間習った”今時のサーブ”打ってたぞ!スピードは遅いけど……)
何か楽しくなって来た。
単純にプレーしている事が嬉しい。
勝負でも仕事でもないテニスってこうなのか。

(こういう感覚ってラポールって言うんだっけなあ)
ベンチで二人のシングルスを冷やかしながら、以前ちょっと齧った知識が頭を過る。
(二人にも仕事中の顔があって、そこではハイパーラポールの人間関係があるんだよな)
(でもハイパーラポールはいつかネガティヴラポールになって……)
いかん、いかん、何を無粋なこと考えているんだ!
おっ、時間かな。

「ありがとうございました!楽しかったです!また遊んでください!」