成人発達障害・研究 あんしん

成人発達障害の現在・将来を考え、 情報発信を続けます。

2007年10月

成人発達障害   『就労を考える』   その2

昨日の続きです。

    就労にあたっての注意点        も教えて頂きました。

  1. 本人の得意なものを見つける。    自信を持たせる。

                                   
  2. 苦手なことは、あまりさせない。   自信をなくす。

  
  3. 共通した特徴を見つける。      行動をつぶさに観察


  4. 作業の行動化            カードや絵により指導


  5. ストレスマネジメント


  6. 目で見て分かるように工夫      位置,保管場所、などの表示


  7. 時間がかかる


  8. 周囲が一緒になって行なう。     理解だけでなく協力も


これらは、お世話になる職場に対する希望の数々ではあります。

 家庭では日常生活において、これらに類似した事をいつも心がけていますが、

就労のため、外に出て企業に託すとなると、よほどのご協力、ご理解を

お願いしなければなりません。 そして、その前にやるべき事の多さを改めて

思い知りました。 と

ここまでは、当然出てくるセミナー参加の感想になります。

次回は、視点を変えた発言を考えておりますので、宜しくお願い致します。

成人発達障害   『就労を考える』   その1

『発達障害の就労を考える』と云うセミナーのご案内を頂いたので参加して

来ました。講師は実行力のある障害専門官として、新聞、テレビにも出られた

福井県のハローワーク敦賀 本田 忠生氏でした。 内容については、同所が

国のモデル事業として平成17年から取り組んでこられた「地域障害者支援事業」

での成功例が主なものでした。
 
 しかし、この例は『発達障害』に特化したものではなく対象者が養護学校、福祉

施設、病院、市などにおられる障害者であって、その中に『発達障害をもつ』人
                                      
もいると云うことでした。

ただ、本年5月から厚生労働省がハローワーク窓口において、『発達障害』専門の

「就職チュータ」を派遣し、疑いのある人の早期発見を行なうと共に、特徴に

応じた援助を行い、本格的な就職支援に乗り出す方針を決めたと云う文字に、

先行きの明るさを覚えたものでしたが、はたして何時実現するのでしょうか。

 そう云いながら、配布された資料の中に、こんなものがありました。

  ハローワークが発達障害者の就労支援をする上での問題点として
   1. 一般の窓口を利用することが多い。
   2. 国や府県の支援制度の不整備(手帳取得のこと)
   3. 本人や保護者の協力が得にくい。
   4. 事業所(世間一般)の理解が得にくい。
       ハローワークの職員ですら理解者が少ない。
   5. ひとり一人が皆違う。(支援計画の多様化)
   6. 支援に時間がかかる。

これらについては、私どもは常々直面している事であり、あえて言わせ頂けば

これらをどのようにして乗り越えるのかを、お聞きしたかったものです。 

 






雑感  その12  受容と昇華   その2   堺の今井清行さん

私が今井さんを知ったのは、堺市の介護保険説明会にパネラーとして、お話されて

いたのを一般聴衆として参加してお聞きした時でした。お話には感銘を受けながら

も、一人の講師としての認識に過ぎませんでした。

 ところが、「あんしん」が『発達障害をもつ人むけのセミナー』を岸和田で開催

した時、一個人として申し込まれていたのを拝見し、強い驚きを持ちました。

 今井さんは、既に35年も前から障害児・者の支援に取り組まれており、

NPO法人、社会福祉法人の理事長をされるなど、多忙を極めるなか、私どもが 

行なうセミナーに参加して勉強されると云う姿勢に、深い感動を覚えたものでした。

 そういう出会いを得て、現在は総会のご案内を差し上げたり、現況報告をしたり、

困った時にはご相談をさせて頂くなど、親しくお付き合いをお願いしており、度々

ご助言、ご指導を頂戴しております。

 この前も、大阪南部に発達障害支援センターを作ろうとの運動に呼んで頂き、

話し合いの場に参加することが出来ました。

 この様に、常に問題意識をお持ちになり、積極的に物事に取り組まれ、そして

私ども後進に対し、適切なご助言、ご指導される姿こそ 昇華 と云うに

ふさわしいものだと思っております。

 これからも、ますますご活躍されますよう、願っております。


 

雑感  その11  受容と昇華   その1

ある本を読んでいて、ああこれだ と云う文章を見つけました。

障害児をもつ小児科医が書かれていたものですが、

    人が受け入れ難い事態に直面した時の心理的変化     として

 1.   驚き     2.   否定     3.   悲しみ

 4.   受容    事態を受け入れる。  その環境に慣れる。

 5.   昇華    この経験を皆んなの為に、役立てたいと思う。

                              とありました。

私が自分の経験や悔しさを一人だけのものにしたくない、皆んなに伝えて無駄な

道を歩いて欲しくないと思ったのは、いつの間にか 4.5.の域に入っていた

のだと知らされました。

先生はこうも云われています。どんなに医学が進歩しても、この世から障害児が

いなくなることはない。これは紛れも無い事実だ。例え障害をもって生まれた

としても、親にとっては自分の子供は大切であるし、その子を育てると云う事は

やり甲斐のあることなんだ。たとえそれがとても大変なことだとしても。

ボクは、一人でも多くの理解者を増やせるようにしている積りだ。

今すぐこんな気持ちになれないと思う。自分の家族のことだけで精一杯かも

知れない。でも、いつかは自分達のことだけでなく、他人のことも支えるように

なれると思う。  きっと、なれる筈です。     みんな、待ってるよ。

 皆さん如何ですか? 会に入ったり、話を聞きにいったりしてるうちに

 他人のことを支えようと云う気持ちが湧いてきませんか?

成人発達障害   『法律』 『制度』  そして 「無知」

発達障害をもつ人の15歳以上に寄り添うと、色んな事に出くわします。

 まずは高校選び、そして就職のこと。ここで療育手帳を始めて知ったと

すると、その取得に右往左往、それが取れたらハローワークの障害者窓口へ、

紹介を受けて職業センターの適性検査、そして登録、更に職業訓練開始、終了、

再びハローワークへ行き登録、運よく会社が見つかり、面接、試験雇用開始、

最後に目出度く本採用、これが絵に書いたような就労成功のお話です。

この間、親は全ての場面を相談相手もなく、孤軍奮闘。時間もかかります。

 ここまでくるのに、幾つもの役所や組織をまわり、『法律』や『制度』と

出会います。それらを恥と汗をかきながら潜りぬけて行かなければなりません。

 これらが終わってホッ とした時、また誰かがこの道を一から通るのかと云う

思いにかられ、この無駄を無くせればと思い、親の会などの集まりに出かけ、

お話をしたのですがあまり反応はありませんでした。

失望から止めようとした時、次の言葉を思い出しました。それは回っている時

  『法律や制度は備えてある。それを知らないのは無知だからだ』  と

無知とは何だ。それなら伝える役目をしてやる。それが原点になりました。

 だから『あんしん』のモットーは

        『法律や制度に強く、利用者や協力者に優しく』 です。

まだ強くも優しくもありませんが、原点の気持ちだけは負けません。




成人発達障害   『発達障害者支援法』   レッテル論争

支援法が成立する過程で、この法律が「早期発見」を行政の責務とする事に

ついて、「障害者のレッテル貼りにつながり、普通学級から排除されるなど、

差別と隔離を促す恐れがある。」との意見がでたそうです。

 このような意見が児,者 併せて100万人以上と云われるものの実態が

表にあらわれない理由ではないかと考えられます。

 一方では、「どんな形でもよいから手帳なるものが欲しい」との声があり、

かたや「レッテルを貼られ、差別が不安」と云う両極端を抱える『発達障害』

の難しさを見ることが出来ますが、私どもは「理念法」とはいえ、この国に

於いては法律を制定することが、なかなか難しいと云われる事実の中にあって

折角出来た法律が、障害をもつ人に一つでも役立つ事があるよう努力すべき

だと考えております。

 例えば、あまり大きく取り扱われていない『成人障害者』に対する手当てが

されるよう、積極的な活動を起こすなどが考えられます。


成人発達障害   『発達障害者支援法』について

『発達障害者支援法』の成立経過を読んでみました。

この法律は「理念法」だそうです。「実体法」なるものもあるのですか?

 発達障害となったら手帳が貰えるのか、なかったらサービスも受けられない

じゃないか と云う質問に対して,厚労省の人は 全ての発達障害の方がその

様な手帳を必要としているとは思えないし、個人的な意見として、現行の手帳

制度の意味が変わってきていて、障害者福祉からだんだん離れていっているのが

現状であると答えられていました。

 又、成立に苦労をされた議員さんは そもそも療育手帳は法律で決められた

ものではなくて、事務次官通知と云うのでやっている。だから将来の課題として

法律の見直しの時に、取り組まなければならない大切な課題である。そして

そこまで広げる時には、財務当局をどう説得するかと云う話も出てくる。  と

 現実に成人の人たちが抱える切実な視点(例えば 就労)から見ておられず、

これらのお答えからみて、発達障害手帳の実現はいつの事やら 

そうなると、今は outlandosのブログをよく読んで実行に移すことが

一番良いのではないでしょうか。

成人発達障害   『発達障害手帳が欲しい』

発達障害手帳について調べてみました。

ネットでは、yahoo セカンドライフ −らんたんー がありました。

 就労のために必要な障害手帳が是非欲しい   とあり、

そして、発達障害支援法に

  ◎  成人に対する診断確保規定の盛り込み

  ◎  専門医の確保

  ◎  発達障害者手帳の交付

  ◎  障害者枠での就労
                 を求めておられます。

全く同感です。 私どもの考えと一致します。

この声が届くよう、全国的な運動になればと思っています。

 もうひとつ、17年12月1日付朝日の読者投稿欄に、母親から

療育手帳が交付されなかったが、必要なものだと思うので、

判断基準を見直すか、発達障害手帳のようなものが欲しいと

云われております。

このような声に対し、発達障害者支援法はどう応えているのでしょうか?

成人発達障害   『手帳が交付されない』

今年の始め、NHKから問い合わせがありました。

障害手帳が取れないので、この問題を取り上げてほしいと云われているが、

「あんしん」ではどうなのか、と云うことでした。

当会でも「取れない人」「取っていたが取り消しになった人」がいると答えて

おきましたが、その後連絡はありませんでした。

そうする内、3月12日午後6時からのローカルニュースのなかで『手帳が交付

されない』と云うテーマで、放映されているのを見付けました。

 発達障害はI・Qをもって判定されると高い評価となり、交付されないケース

が多いとして、実例が報告されていました。

その中には、府県間で判断に大きな差があるとの説明もありました。

{ 特に大阪と兵庫(神戸を除く)は大きく、大阪は国と同じ判断 }

また、親達が交付を希望する理由として多かったのが、

  ◎ 将来就職するときの為

  ◎ 周囲(学校や行政)に理解して貰う時の証明  

                         などがありました。

 なかには、知能指数などから判断して交付する知的障害者むけの療育手帳

ではなく、発達障害手帳と云ったものがあればとの希望もありました。

  療育手帳については、詳しいことが ホームページの
  outlandos d’amour
  療育手帳 発達障害の場合

で説明されていますが、これは兵庫方式と同じようで、取得できるというもので

す。ぜひご覧になってください。
  

雑感  その10  一カ月が過ぎました。

今日で開設1カ月になります。

少し雑談をしてみます。 と云っても内容は成人発達障害の事になりますが、

最初のうち、すぐに書くことがなくなり、開店休業かと思っていましたが、

書き続ける中で、あれもこれもとイメージが膨らんでゆき、それを補完する為に

ネットなどを調べていると、また別のテーマが浮かんできます。    ただ

注意していることは『ボヤキと批判』にのみ,終始したくないと思っています。

人気ブログは流行語の多用が目につきます。

それに比べ当方は文章も長く、論文口調が続いています。

でも、このブログを、自身の不満のはけ口には、したくありません。

 まずは、これまでに溜めてきたものの報告(それを今、順不同で書き並べて

いるところです。)それと思いのあれこれを、もう少し続けていこうと思って

います。それがある程度整理できたら、少しではありますが、自分が行なって

きたこと、そして今の時点で取り組みたい事(理想ばかり述べていてもどうにも

ならないので、小さなことでも達成可能なことを・・・) と思っています。

 最後に感じていることは、ブログをご覧になっての感想を頂ければという事

です。私の文章が一人よがりになっていないか、ご意見をお聞きしたい。 ただ

批判ではなく前向きの声が欲しい。そして、ご一緒にこの立ち遅れている成人

支援に一つでも風穴を開けたい。

 これが、今の感想ではあります。

成人発達障害  『ソーシャルスキルトレーニング』 について  その4

さて、問題の『成人』です。これは二つに分かれます。

まず、15歳まで「トレーニング」を受けてきて、社会人になるケースです。

早期発見・早期支援が大事であるとして、

ここまで来た人がもう『トレーニング』が不要であるとは云えないと思います。

やはり、これからも何らかの手当てが必要ではないでしょうか。

『社会生活』という大きな風に立ち向かうとき、

どのような「トレーニング」が用意されているのでしょうか。

今の情勢を見るとき、この人たちもまた、

研究成果を出すための資料になるような気がしてなりません。

早くこの事に気づいた人たちが対策を講じて欲しいものです。


そして、もう一つのケースで、これまで何の手当てもされてこなかった

『成人』に、どんな『ソーシャルスキルトレーニング』があるのでしょうか。

人間形成上、一番大切な時期を空白のまま過ごしてきた人たちについて、

どう考え何をしてきたのか、関係者に答えて頂きたいものです。


医療の専門家の発言にこんなのがありました。

成人の患者であっても、児童精神科領域の経験がある医師でなくては難しいだろう

しかし、医師達は押し寄せる子供への対応で手一杯で、成人まで応じる余裕がない

特に成人になって、初めて診断を受けた場合には、被害念慮や攻撃的行動の噴出

など、さまざまな二次障害を抱えている事も稀ではなく、

エネルギーを要する治療が必要であることが多い。


進んでいる筈の医療分野ですら、対処する医師不足で、治療方法も難しいと

云われてしまうと、『社会性を身につける』という一見容易そうで、その実

奥の深い『トレーニング』を行なうのを、誰が担うのでしょうか?

成人発達障害  『ソーシャルスキルトレーニング』 について  その3

ネットからの援用です。

『ソーシャル』とは、「対人的なこと」や「人間関係に関すること」とあり、

『スキル』は、知識や経験に裏打ちされた技術、技能、即ち「コツ」である。

そして何を『トレーニング』するかと云うと、成人向けが無いため、

中高生向けを見ますと、

        「自分と相手の関係は」
        「会話のことばを学ぼう」
        「表情の裏の気持ちを知ろう」
        「ルールを理解する」
        「順番を守るには」
        「勝ち負けにこだわらない為に」
        「世の中を知ろう」          などがあり、

最後に「社会性を身につけてゆくこと」が、

「生きてゆく」うえで一番大切な事…と締めくくってありました。

成人向けについては、それぞれ皆さん方が、ご自分のものをお考え願います。

家庭生活、地域活動、職業スキル、日常行動、健康管理 などなど

考えれば気の遠くなるような事柄が続きます。


現在『ソーシャルスキルトレーニング』を取り入れているのは、

幼児、児童、生徒のようです。これは年齢別による固まりとしての把握が容易で、

今までの環境、境遇などがある程度推測されるため、

これまでに教える側に培われてきた一般教育のノウハウを加味すれば、

対応できるのではないでしょうか。


次に、義務教育が終われば、各自が自由に進むべき道を選んで行きます。

その事はこれまで行なってきた『トレーニング』が、

引き続き継続されるかと云う疑問に突き当たります。

これを論じるものを見聞きした事がありません。

                                  もう少し、続けます。
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