11月17日の事件発生から1ヶ月以上に亘り、周辺住民を恐怖に陥れた奈良女児誘拐殺害事件は、誘拐容疑で小林容疑者が逮捕されたことをもって一応の終焉を迎えた。
下記リンクの手記は、毎日新聞の記者が事件を取材時に小林容疑者と接触があり、その様子と人物像について書かれたものである。
皮肉にも記者は、
小林容疑者が勤めていた毎日新聞の販売所を拠点に、取材を重ねていた。実際に小林容疑者とも話をし、情報を収集していたそうである。
しかし、記者は、小林容疑者の素行に多少の不審な点はあったにせよ、全体的にはこれといった大きな問題点を発見できず、見過ごしてしまったそうだ。

記者も欺かれた…小林容疑者の素顔

犯罪者自身も、自分がどれ程酷いことをしているのか、本当の意味で理解はしていないだろう。
女児の写真を両親に送りつける行為は、全うな人間であれば決して出来ない。しかしまた、携帯電話の写メールがあまりに容易に出来てしまったために、事の重大性を見過ごしてしまったとも言える。
この事件は、犯人の残虐性を抜きには語れないが、同時にさまざまな分野での技術革新が、事件をハイテク化、簡略化し、犯罪者自身の心理として、行為の重大性、残虐性を認知しにくい弊害を起こしているとも言えるだろう。
道具は改良されて、次第に便利となるが、同時に人間の堕落と思考能力の低下を招く。使い方一つで、善にも悪にもなるのである。
今回の事件は、道具の扱い次第で、誰もが犯罪者になるうる証左ともいえるのではないか。

「災い転じて福となる」

災の字に象徴されるように、災害と犯罪続きの一年であったが、来年こそはいい年となることを願いたい。

〔参 考〕

筑紫哲也の他事総論H16.12.13

excite辞書”災い”

ことばとかたちの部屋”災い転じて福となる” 譚振山故事選より