
ゲートレッグテーブルとは、その名の通り天板を支える脚がゲート(門)のように開いていくことからそう呼ばれているテーブル。
その時々で天板の大きさを変えることが出来、半分だけ天板を上げた半円の状態でも使用できますので、お家の中でも様々な用途でお使い頂けるとっても魅力的なアイテム!
イギリスアンティークでは非常にスタンダードなアイテムとして良よく登場します。
さてさて今回修復していくのはこちらのゲートレッグテーブル。
t169 ラージゲートレッグテーブル 【商品ページ】


もう商品として上がっているのですが元はこんな感じでした。
一言でいうと…とても良い状態とは言えないですね…。というか酷いダメージです

100年以上前のテーブル、それもごく日常的に使うようなテーブルですので当然と言えば当然のダメージですね…。天板だけでも日焼け・輪ジミ・ヒビ・割れのオンパレードです。
なお割れについてはゲートレッグ特有の畳まれる天板が原因のようです。
というのも脚がきっちりと仕舞われていない状態で天板がずっと畳まれていたのではと推測。天板の一点に変に長い間重量が乗ってしまっていたのでしょう。
真っ二つとはいかないまでも天板が折れ曲がる箇所の付け根が何ヶ所か割れています。普通に使っていたらああはならないでしょうから…

写真では分かりにくいかもしれませんがこのゲートレッグテーブルとっても大きいんです。(直径は約145㎝程)
ラウンド型のゲートレッグでここまでの大きいサイズはあまり無いのではないのでしょうか?
しかも総無垢のオーク材で出来ていますので天板だけでも重さも相当なものです。
その重量が蝶番等にかかってくるのですから長年蓄積されたダメージはどれほどか…。
今回の修復は言わずもがな天板がどこまできれいに蘇るかにかかってきそうです。
まず先に天板の修復から取り掛かっていきます!

まずは天板を取り外し、脚部分と分けてしまいます。
アンティークの家具には基本的にマイナスネジが使用されていることが多いのですが、ものによってはネジの溝が大分浅くなっていたりネジ自体が腐食していたりというものがあるので慎重に取り外していきます。
取り外しにくいのは難点ですが、ネジ溝が浅くなっているのを見ると何回も繰り返し修復して使われてきたんだと実感します。当店でもきっちり締まって安全に使用できる限りオリジナルのマイナスネジを修復後もそのまま使用しますので。

無事に解体して、上の写真は天板の真ん中のパーツです。
蝶番の箇所にぐらつきがありましたので蝶番も全て取り外してみると…やはり蝶番部の木材が傷んでおりネジ穴が馬鹿になっていました。
蝶番自体も錆やダメージが大きかったので新しいものに交換します!よくこの重く大きい天板をあの蝶番で支えていたものです…。
ネジ穴を埋め、更に蝶番溝部分を埋め木して新しい蝶番がしっかり取付けられるようにしていきます。




この作業を6カ所同じようにして、埋め木をきっちり固定しています。
固定・乾燥が完了したらカンナやサンドペーパー等を使い、段差や出っ張りが出来ないよう面に合わせて削っていきます。ここで綺麗に処理しておかないと天板の開閉がつっかえて上手くいかなくなりますから。
裏面だけ先にダークオークで塗装していき、埋め木部分も合わせて塗ってしまえば蝶番部の修復は完了です!
このあと天板部・脚部へと修復を進めていく様子も近日中に公開していこうと思っています!

もしよろしければチェックしてみて下さい!
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