
ーーーーベルトによるチェア張替えについてーーーー
当店では販売する椅子はもちろんのことお客様からのご依頼の椅子の張替えも行っているのですが
その張替え方法について少しご説明したいと思います

まずは当店によるチェアの座面や背面張替えに置いては大きく下記の2種類の方法を用いています

①底部分にベルトを張り込み、その上にウレタンクッションを重ねて仕上げる
②底部分の形に板を切り出し、その上にウレタンクッションを重ねて仕上げる
(①だと座った際に少し沈み込む感じの柔らかさ、②だと少し硬めの座り心地に仕上がります)
全て説明すると長くなりそうですので今回の記事では
①のベルトを用いた方法についてご紹介したいと思います!


大まかに説明すると主に椅子の張替というのは上の写真のような順番で行われます。
まずは既存の生地を剥がしていくところから始まるのですが、
この作業が椅子の修復に置いて一番手がかかるかもしれません

何せ数百とある釘やタッピングなどの生地やベルトを固定している金具を
一つ一つ手作業で抜いていくのですから…

ちなみにこのハイバックチェアの元の状態はコチラ↓↓↓

主に座面生地のダメージが大きいですね…

美しい生地が使われているのでもったいないのですが全て剥がしていきます。

釘抜作業が終わり、生地やらスポンジやらが剥がせれば次は本体のチェックに移ります

100年近く前の、しかも椅子は体重を支える家具ですので
脚や背もたれなどの接合部に緩みが出てグラグラ動いている場合が多いです。
その患部、またダメージによっては全てのパーツを分解して
再接着してクランプによる締め直し作業でしっかりと固定しなおします


乾燥を待っていよいよベルトの張り込み作業です

写真のハイバックチェアですが、座面はゴムベルトで
背面はナイロン製のベルトとゴムベルトを組み合わせて張りました。
体重のかかり方や本体の強度なども考慮しながら
ベルトを引っ張りながら張り込んでいきます。

次は張ったベルトの上にウレタンクッションを固定していきます。
白いクッションのみを使用しているように見えますが、
3種類ほどの硬さの違うウレタンクッションを3~5層に重ねて強度・柔らかさを調節しています

クッションの固定が終われば最後に生地を張って張替作業は完了となります。
そのあとに本体木部にワックスをかけたり
床への接地面の調整を行ったものが下記の写真となります


今回のハイバックチェアには落ち着いたブルーグリーンベースの織の生地を選びました。
元の生地も良かったですが、今回張替えた生地も華やかでアンティークらしい風合いがマッチしていて
なかなかお気に入りの仕上がりです

↓↓↓このハイバックチェアの商品ページはこちらになります↓↓↓
ds46-4 【在庫8脚】クイーンアンハイバックチェア
今回はベルトによる椅子の張替メンテナンスについてご説明しました

①ベルトを使って張り替える方法と②底板を製作して張り替える方法の違いですが、
座面を張り込む枠組みの強度にもよります。
というのも幅4㎝程のベルトを何本も引っ張りながらとめていきますので、
座面枠組みには常に引っ張られている負荷がかかっている状態です。
そこに人が座るのですから、枠組みがしっかりした材質・造りでないと
ベルトによる張替えは難しくなってきます

そういった場合や椅子のデザイン的にベルトを張るのが難しい場合は
②底部分の形に板を切り出し、その上にウレタンクッションを重ねて仕上げる
という方法を取ります。
どちらが良い悪い等はなく、基本的には椅子の状態や構造をチェックして
より椅子に合った張り方を判断させて頂いています

次の記事では②の底板を製作して張り替える方法の紹介をさせて頂きますね

気になる方は是非チェックしてみて下さいね

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