アンティーク・ローズの剪定

モス・ローズの剪定

Eugenie_Guinoisseau.jpg


【モス・ローズの特徴】

 起源 センティフォーリア系のバラの
     突然変異が最初

 花色 パープル,パープル・レッド,
     様々なピンク,白
 
 香り  花は強いオールド・ローズ香
     モスの部分はバルサム香
     
 樹高 コンパクトなものから大型シュラブまで
     
 葉   センティフォーリア・モス グレイ・グリーン
      ダマスク・モス 明るい緑 丸くて大きめ
      ポートランド・モス 明るい緑からやや濃い目の緑

 トゲ  茎の上部に近づくにつれて
      トゲの先端が鋭さをなくして苔状になる

      先端部にバルサムの香りの
            樹脂が蓄えられている

      ツボミを包むガクもモスで覆われる

 花季  センティフォーリア・モス 一季咲き
      ダマスク・モス 一季咲き/返り咲き
      ポートランド・モス 四季咲き/返り咲き 

 栽培最適ゾーン ゾーン5から9 (-29℃以上)

Dressden_Doll_Bud_1.jpg


【モス・ローズの剪定の基本】

折れた枝・枯れた枝・病気の枝は
見つけ次第切り取ります

爪楊枝より細くて黒ずんでいる枝先は
切り取ります

枝が順調に伸びることができるように
混みあった部分は古い枝を株元から
取り除きます

一季咲きか返り咲きか
枝が硬いか柔らかいか
によって剪定が異なります

Gloire_de_Moseux2.jpg


下にモス・ローズのタイプ別の剪定の方法を
まとめてみました

この通りにやらないと絶対にダメだ!
という訳ではありません

一応の参考になさってください

Gloire_de_Moseux4.jpg


【枝が柔らかめ一季咲き品種】

  夏・冬の特別な剪定は不要です
  (上記の基本の剪定はします)

  オベリスクなどに誘引することができます

  ヒップのつかないものは花がら摘みをします

『ロサ・センティフォーリア・ムスコサ』
『シェイラーズ・ホワイト・モス』
『グロワール・ド・ムソー』
『ブランシュ・モロー』など

【枝が柔らかめ返り咲き品種】

  夏・冬の特別な剪定は不要です
  (上記の基本の剪定はします)

  オベリスクなどに誘引することができます

  返り咲きの花のために
  花後にハサミを入れて切り戻します

『サレ』
『カトル・セゾン・ブラン・ムスー』など

【枝が柔らかめ四季咲き品種】

  上記の基本の剪定を行います

  冬剪定は樹形を整える程度に軽く切ります
  (樹高の4分の1から3分の1を切り落とす感じ)

  夏剪定は特に必要ありません
  ボーボーに茂りすぎることはまずありませんが
  茂った場合は交差している枝や
  株の内側に向かって伸びている枝を切って
  形を整えます

『ジェームス・ヴィーチ』など


Shailers_White_Moss.jpg


【枝が硬めの一季咲き品種】

  夏・冬の特別な剪定は不要です
  (上記の基本の剪定はします)

  大きく育ちすぎたら
  春の花後にひざくらいの高さに切り詰めます

  切り詰めたあとに柔らかい枝が出るので
  扱いやすくなります

  ヒップのつかないものは花がら摘みをします

『ウイリアム・ロブ』
『マダム・ルイーズ・レベック』
『キャプテン・ジョン・イングラム』
『インコンペアラブル』など

【枝が硬めの返り咲き品種】

 上記の基本の剪定を行います

 冬剪定はひざくらいの高さに切り詰めます

 夏剪定は特に必要ありません
 ボーボーに茂りすぎている株は
 交差している枝や
 株の内側に向かって伸びている枝を切って
 形を整えます

 返り咲きの花のために
 花後にハサミを入れて切り戻します

『ソフィー・ド・マールシィ』
『ユージェニー・ギノワッソー』
『ドゥイル・ド・ポールフォンテーン』
『マダム・デ・ラ・ローシュ・ランベール』など

【枝が硬めの四季咲き品種】

  上記の基本の剪定を行います

  冬剪定は樹形を整える程度に軽く切ります
  (樹高の4分の1から3分の1を切り落とす感じ)

  夏剪定は特に必要ありません
  ボーボーに茂りすぎることはまずありませんが
  茂った場合は交差している枝や
  株の内側に向かって伸びている枝を切って
  形を整えます

『ドレスデン・ドール』など


Deuil_de_Paul_Fontaine4_1.JPG


モス・ローズの代表選手のように思われている
『シャポー・ド・ナポレオン』は

厳密に言うとモス・ローズではなく
センティフォーリアに分類されるそうです

そう言われてみると
花首にモスがありません

Chapeau_de_Napoleon3_1.JPG




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ハイブリッド・パーペチュアルの剪定Part4超小型タイプ

Mme_Renahy45.jpg


【超小型タイプの剪定】 『マダム・ルナイー』の場合

作出  1889年 フランス
作出者 ギヨー
交配   不明
クラス  ハイブリッド・パーペチュアル 

Mme_Renahy44.jpg


『マダム・ルナイー』はともかくツボミが
つきまくります

体調不良の断末魔という感じでも
ツボミがつきます
もちろん体調良好のときもつきます

株が充実するまでは
体調良好でもツボミの数を制限したほうが
良いです

体調不良の兆しが見えたら
充実した株でも摘蕾します

Mme_Renahy17.JPG


冬剪定も夏剪定も不要です

折れた枝・枯れた枝・病気の枝は
切り取ります(厳寒期は避ける)

爪楊枝より細くて黒ずんでいる枝先は
切り取ります(厳寒期は避ける)

混みあった部分の枝を株元から
取り除く事態にはほとんどなりません
それぞれの枝を大事に育てます

数年経過して枝が混みあってきたら
古い枝を根元から取り除いて
新しい枝の生育する場所を
確保します

Mme_Renahy_1.jpg


香りは強いダマスク香
花は超美麗・連続咲き
魅力一杯の『マダム・ルナイー』ですが
残念ながら強健種ではありません

ハイブリッド・パーペチュアルの中では
後期の作出で
発表直後は出回った様子ですが
その後は広く栽培された形跡がありません

でも消滅はしなかった!
ちょっと手間がかかっても
後世に伝えたいバラですよね


Pavillon_de_Pregny24.jpg


特別出演『パヴィヨン・ド・プレイニー』
花姿が『マダム・ルナイー』に似ています
ルナイーのお母さんバラだろうと
思っています
クラスはブルボン・ノワゼット
こちらは栽培ラクラクです



ハイブリッド・パーペチュアルの剪定Part3大型タイプ

Larry_Daniels.jpg


【ハイブリッド・パーペチュアルの剪定の基本】

折れた枝・枯れた枝・病気の枝は
見つけ次第切り取ります(周年)

爪楊枝より細くて黒ずんでいる枝先は
切り取ります(周年)

枝が順調に伸びることができるように
混みあった部分は古い枝を株元から
取り除きます

大型タイプのハイブリッド・パーチェルアルの
剪定の方法をまとめてみました
この通りにやらないと絶対にダメだ!という訳
ではありません
一応の参考になさってください

Barbara_Worl_1.JPG


【大型シュラブ・タイプの剪定】

冬剪定 上記の基本の剪定を行います

      中型シュラブ・タイプとの違いは
      そのバラが大型になる能力が
      あるかどうかです

      剪定は中型シュラブとほぼ同様です

      伸ばしてつるバラのように使うことも
      できます

      枝が柔らかめの品種(バーバラ・ウオール、
      ラリー・ダニエルズなど)は強剪定で
      短く切り詰めても咲きます

生育期間中 花がら摘みをします
         (しっかりとした芽の上で切る) 

         樹形を乱す強い枝は切りそろえます

夏剪定  シュラブ・タイプのバラは基本的には
      夏の剪定は不要です

            新陳代謝が旺盛なので自然に樹形が
      まとまってきます           

      異様に太い枝がビヨーンと出た場合には
      その先端を切り落とすことによって
      すべての枝に養分をいきわたらせることが
      できます

      ボーボーに茂りすぎている株は
      交差している枝や
      株の内側に向かって伸びている枝を
      切って形を整えます

このタイプの品種
『バーバラ・ウオール』『ラリー・ダニエルズ』
『レーヌ・デ・ヴィオレ』
『スベニール・ダルフォンス・ラバレー』
『ジェームス・ブルゴー』など

James_Bourgalt_1.JPG


【大型つるタイプの剪定】

冬剪定 上記の基本の剪定を行います

      温暖地ではつるバラとして扱えます
      枝を整理して誘引します

      大型ブルボンよりさらに伸びるので
      寒冷地ではしっかりとした防寒対策が
      必要です

生育期間中 花がら摘みをします
       
         新しいシュートは垂直に伸ばします

         何年か花を咲かせた古い枝は
         古いものから順に株元から取り除き
         新しいシュートが育つスペースを確保します

夏剪定   特に必要ありません
      
このタイプの品種
『バロン・ジロード・ラン』
『ロジャー・ランベリン』など

Souvenir_dalphonse_lavallee.jpg


ハイブリッド・パーペチュアルは
1840年代から19世紀いっぱいまで
盛んに新品種が作られました

総品種数は4000に達したということです
オールド・ローズの中で一番
その数の多かったのがこの系統

やがてティー・ローズと交配されて
剣弁高芯のハイブリッド・ティーが
誕生します



ハイブリッド・パーペチュアルの剪定Part2中型タイプ

Ordelic_Vidal.JPG


【ハイブリッド・パーペチュアルの剪定の基本】

折れた枝・枯れた枝・病気の枝は
見つけ次第切り取ります(周年)

爪楊枝より細くて黒ずんでいる枝先は
切り取ります(周年)

枝が順調に伸びることができるように
混みあった部分は古い枝を株元から
取り除きます

中型ハイブリッド・パーチュアルの
剪定の方法をまとめてみました

この通りにやらないと絶対にダメだ!という訳
ではありません
一応の参考になさってください



La_Reine9.jpg


【中型直立タイプの剪定】

冬剪定 上記の基本の剪定を行います

      枝を切り詰めて樹形を整えます

      水平に切りそろえるより
      枝の長さを色々にして
      全体はコンモリとした型にしたほうがきれいです

      鉢栽培 樹高30cm~40cm程度
      地植え 樹高50cm程度

生育期間中 花がら摘みをします
         (しっかりとした芽の上で切る) 

         樹形を乱す強い枝は切りそろえます

夏剪定  夏の猛暑が過ぎたころに切ることによって
      つる性の成長を止めることができます
      (つる性の成長をすると秋花が咲きにくくなります)

      切り詰める高さは秋に鑑賞したい樹高の
      30センチ程度下

      樹高の4分の1から3分の1程度を
      切り落とす感じです

      その年に出た新しいシュートで
      一度もピンチをしていないものがあれば
      この時期にハサミを入れます

      ボーボーに茂りすぎている株は
      交差している枝や
      株の内側に向かって伸びている枝を
      切って形を整えます

このタイプの品種
『ラ・レーヌ』(『ラ・レーヌ・ヴィクトリア』とは別物)
『プリンセス・オブ・ウエールズ・HP』
『マーシャネス・オブ・ロンドンデリー』
『コンテス・セシル・ド・シャブリアン』など

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【中型シュラブ・タイプの剪定】

冬剪定 上記の基本の剪定を行います

      このタイプは枝が弓なりにしだれてきます
      切り詰めすぎると品種本来の樹形の
      美しさを引き出せません

      スペースがあればかなり浅めの剪定
      小さめにしたい場合はやや深めの剪定を
      しますが、ハイブリッド・ティーのようには
      切り詰めません

生育期間中 花がら摘みをします
         (しっかりとした芽の上で切る) 

         樹形を乱す強い枝は切りそろえます

夏剪定  シュラブ・タイプのバラは基本的には
      夏の剪定は不要です

             新陳代謝が旺盛なので自然に樹形が
      まとまってきます           

      異様に太い枝がビヨーンと出た場合には
      その先端を切り落とすことによって
      すべての枝に養分をいきわたらせることが
      できます

      ボーボーに茂りすぎている株は
      交差している枝や
      株の内側に向かって伸びている枝を
      切って形を整えます

このタイプの品種
『マダム・ボル』(『コンテ・ド・シャンボール』として
          売られているものが多い)
『フェルディナンド・ピシャール』
『オルデリック・ヴィータル』
『アンナ・フォン・ティースバッカ』など

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ハイブリッド・パーペチュアルは1830年代から
作出され始めました

それまでのフランスとイギリスは犬猿の仲

やがてナポレオンが失脚し
イギリスではヴィクトリア朝が栄え始めます

商業レベルでの友好ムードが高まり
フランスのバラがイギリスでも
広く流通するようになったようです

多くの育種家が新しいバラを競って発表して
バラの品種数が爆発的に増えます

それまでのバラになかった色
返り咲き・大輪が人気を集め
人々はこぞってハイブリッド・パーペチュアルを
育てたそうです



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ハイブリッド・パーペチュアルの剪定Part1小型タイプ

Abbe_Bramerel.JPG


【ハイブリッド・パーペチュアル系の特徴】

 起源 ポートランド系とチャイナ系の交配種と
     推定されている

 花色 淡いピンク・濃いピンク
     赤・紫赤・黒赤
     白花もあるが種類は少ない
     イエロー系はない

 香り  オールド・ローズ香
          
 樹高 1メートル未満のコンパクト・タイプ
     2メートル未満のシュラブ・タイプ
     2メートルを越えるつるタイプ

 葉   ガリカ・ローズのような
     ガサガサした質感のものから
     ティー・ローズのような
     肉厚でツルッとしたものまで様々     

 トゲ  密度は品種により異なる 
      ほとんどトゲなしのものから
      トゲトゲチャンピオンまで多様
      大きさも品種によって異なる
      形もさまざま

 花季  四季咲き・返り咲き 稀に一季咲きのものもある

 栽培最適ゾーン ゾーン7から10 (-18℃以上)
            寒冷地では防寒対策必要

Elisa_Boelle_1.jpg


【ハイブリッド・パーペチュアルの剪定の基本】

ハイブリッド・パーペチュアルは
多種多様なバラが
交配に使われています

オールド・ローズらしい特性をもつものから
ハイブリッド・ティーに近いものまで
各種あります

小枝が出やすくオールド・ローズの風情を
持つものは
ハイブリッド・ティーのような
極端な強剪定はしません

直立性の樹形で枝が太めのもの
(ハイブリッド・ティーに近いもの)は
強めの剪定が可能です
この場合もハイブリッド・ティーよりは
浅めの剪定です

折れた枝・枯れた枝・病気の枝は
見つけ次第切り取ります(周年)

爪楊枝より細くて黒ずんでいる枝先は
切り取ります(周年)

枝が順調に伸びることができるように
混みあった部分は古い枝を株元から
取り除きます

Champion_of_the_World3.jpg


ハイブリッド・パーチュアルの
タイプ別の剪定の方法を順次
まとめてみます

この通りにやらないと絶対にダメだ!という訳
ではありません
一応の参考になさってください

Arthur_de_Sansal8.jpg


【小型タイプの剪定】

冬剪定 上記の基本の剪定を行います

      枝先を切り落として樹形を整えます

      水平に切りそろえるより
      枝の長さを色々にして
      全体はコンモリとした型にしたほうがきれいです

      鉢栽培 樹高40cm~50cm程度
      地植え 樹高50cm程度

生育期間中 花がら摘みをします
         (しっかりとした芽の上で切る) 

         樹形を乱す強い枝は切りそろえます

夏剪定  必要ありません

      ボーボーに茂りすぎたときは
      交差している枝や
      株の内側に向かって伸びている枝を
      切って形を整えます

このタイプの品種
『チャンピオン・オブ・ザ・ワールド』
『アルチュール・ド・サンサール』
『エリザ・ボエル』など

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