2010年05月06日

シロアリ特集

最近シロアリのお問い合わせを多く頂きますので、シロアリを紹介させていただきます。
体がやわらかくて高栄養なシロアリは、アリも大好物です。
エサにも最適なシロアリですが、アリと同じように種類や習性は様々で、飼育をしていてもとても面白い生き物でもあります。
シロアリの世界も、とても奥が深いのです。

ボルネオ産の巨大シロアリです。
この兵隊アリは体長1.5cmもある種類で、剃刀のような切れ味のある大顎を持ちます。
シロアリ兵隊

















シロアリはアリとはまったく違う生き物ですが、コロニーには産卵役の女王を中心に、多くの働きアリや兵隊アリがいて、繁殖期には翅の生えた女王とオスが結婚飛行を行い、巣の中でキノコを育てる種類がいるなど、アリと共通点が多くあるのも事実です。

アリと異なる部分は以下のようなことがあります。

・シロアリは、女王と王様が夫婦で暮らす。
・アリはハチの仲間、シロアリはゴキブリに近縁。
・シロアリは不完全変態なので、孵化した瞬間から成虫と同じ形をしている。
・体内にバクテリアが共生していて(バクテリアのいない種類もいる)、他の生き物が消化できない木材などのセルロースを分解して栄養分に変えることができる。

ヤマトシロアリ

ヤマトシロアリ


















分布が広くて、都会でも普通にいるシロアリです。
湿った雑木林などで、やわらかく朽ちた木を食べています。
このように、朽木を割るとすぐに見つけることのできるヤマトシロアリですが、巣の中心部は地中深くにあるため、女王を見つけるのはとても難しいです。

ヤマトシロアリの副女王働きアリ、兵隊アリ以外に、短い翅のある個体がいることがありますが、これはニンフと呼ばれる階級で、脱皮をすると翅アリになり、巣から飛び立ち結婚飛行を行います。
しかし、何らかの理由で女王がいなくなると、ニンフは副女王と呼ばれる階級に成長して、女王の代わりに産卵を行うのです。


※写真左が副女王

副女王の産卵数は女王に比べると少ないのですが、多くの福女王が現れるため産卵数は多くなります。

飼育下でも福女王は簡単に現れますが、春に採集したニンフは、脱皮をするまでの期間が短いため、羽アリへと成長することが多いです。
女王と王様

















これが結婚飛行後に、翅を落として歩く女王と王様です。
このまま2匹一緒に移動をして、地中にもぐって巣を作ります。

女王と王様

















成熟したコロニーの女王と王様。

ヤマトシロアリ歳をとった女王は、卵巣が発達して腹部がソーセージのように長くなります。
最終的には、自分では移動が困難なまでに成長するのです。
このような姿になった女王は、毎日ものすごい量の卵を産み続けます。

イエシロアリ

イエシロアリ
イエシロアリの若い女王と兵隊アリです。
木造の家を食べることで有名なシロアリです。
ヤマトシロアリも家に害を与えることがありますが、コロニー数が圧倒的に多いイエシロアリの方が害があるようです。


エサとする木材は、湿ったものを好みますが、乾燥した木材を食べる時は、水を運んできて、湿らせてから食べるのです。

写真の女王は若いので腹部は伸びていませんが、成長すると腹部が伸びで、凄まじい数の卵を産みます。

イエシロアリ

オオズアリと戦う兵隊アリです。
兵隊アリは、敵と戦う時に乳白色の液体を出します。



コウシュンシロアリ

コウシュンシロアリ兵隊アリは1cm以上と、日本産のシロアリの中では大型種です。
コロニーの規模はとても小さく、数百程度です。
この種類の女王がどれほど大きくなるのか、はっきりとは分かりませんが、今まで見つけた女王は、腹部の伸びた個体はいませんでした。
写真の全身が赤茶の個体が女王と王様です。

コウシュンシロアリ

ヤマトシロアリと大きさを比較してみました。
左がコウシュンシロアリです。





タカサゴシロアリ

タカサゴシロアリ


石垣島や西表島に生息をするタカサゴシロアリは、樹上生活をするシロアリで、木の幹などにコブ状の大きな巣を作ります。

湿ったジャングルでは、多くの巣を見つけることができます。

この巣はとても丈夫で、細かい網目状に部屋が作られています。
兵隊アリは角のような突起をもっていて、敵に乳白色の液体を吹きかけます。




巣

















タカサゴシロアリとクロクサアリは、作り方は違いますが、とてもよく似た巣を作ります。


【ニトベシロアリ】

ニトベシロアリ

















ニトベシロアリ石垣島や西表島に生息をする小型なシロアリで、兵隊アリの顎は左右非対称になっています。
この顎は、まるでアギトアリのようパチンと勢いよく閉じることができ、その反動で敵を退治するようです。
このときに硬いものに顎がぶつかると、自分の体が後ろに飛ばされるほどの力があります。

【タイワンシロアリ】

AntRoomブログでも度々紹介している、まるでハキリアリのように、巣の中でキノコを栽培するシロアリです。

タイワンシロアリタイワンシロアリ








菌園には様々な大きさの働きアリが暮らしています。
白くて丸いのは菌糸の塊です。
左は結婚飛行を終えたばかりの若い夫婦です。
クチキゴキブリ
シロアリはゴキブリの仲間と聞いても、あまり似ていない気もしますが、この女王を見るとクチキゴキブリになんとなく似ていると思いませんか?


タイワンシロアリ


西表島でのタイワンシロアリの生息環境です。

地中20〜30cmの深さに菌園を作って暮らしています。
コロニーが大きくなると、菌園がいくつも作られるため、女王は滅多に採集することはできません。

働きアリたちは、地上にある朽木を食べて、その糞を栄養分に菌糸を育てるのです。




タイワンシロアリ



















タイワンシロアリ
タイワンシロアリの女王と王様です。
最大で4cm以上になる、日本最大級のシロアリです。
女王は常に多くの働きアリに囲まれていて、働きアリは産卵された卵を、卵置き場へと運びます。



タイワンシロアリタイワンシロアリ









菌園の上に置かれた数万個の卵の山。
しかも、成熟した女王は、数日の間にこれくらいの卵を産卵するのです。
物凄い産卵数です。

この卵塊の中には、卵によく似た球体が混じっているのですが、これは卵に擬態した菌類なのです。
この菌は、シロアリたちに卵と同じように大切に扱われます。

タイワンシロアリ
タイワンシロアリの飼育ケース。
ハキリアリを飼育をするときと同じように、石膏を敷いたプラスチックケースを連結して使います。
左上がエサ場で、ここには朽木や枯れ葉を入れます。


働きアリはここでエサを食べて、右下の菌園のあるケースに戻って、糞をして菌園の世話をします。女王もこの菌園の部屋にいるのです。

タイワンシロアリの菌園ハキリアリの菌園









シロアリは糞を栄養分に、ハキリアリは切り取った葉を栄養分に菌園を作ります。
作り方は違っても、行っていることは同じです。

シミハエハエ





シロアリの菌園には、様々な生き物が同居をしています。
シミやトビムシが多いのですが、中には翅が退化して、シロアリのように柔らかい腹部のハエなども暮らしています。

海外のシロアリ

シロアリのアリ塚



















オーストラリアのケアンズで見たアリ塚です。
世界には数メートルにもなる、硬くて頑丈なアリ塚を作るシロアリが、多く生息しています。
中には数え切れないほど、大量のシロアリが暮らしています。

シロアリ女王


これだけ巨大な巣を作る、シロアリの女王も特大サイズです!

頭部と胸部は、タイワンシロアリと同じくらいの大きさですが、腹部がすごい。
全長8cmにもなり、もう自分では移動することはできません。

毎日数千〜数万の卵を産卵すると言われています。






アリとシロアリは、まったく違う生き物ですが、生活方法や習性には、似ているところも多くあります。

コメント一覧

1. Posted by benten   2010年05月08日 10:17
はじめまして、僕も先日奄美でコウシュンシロアリを見つけたのですが最初あまりの大きさに驚きました。
シロアリも奥が深いのですね、次はニトベシロアリを見てみたいものです。

ブログもやっているのでよろしければ見てください。
2. Posted by taku   2010年05月08日 11:59
はじめましてAntRoomの島田と申します。
HPご覧いただきありがとうございます。

ニトベシロアリを載せ忘れていたのを思い出しました!!
追加しました(笑)

奄美には日本最大種のオオシロアリがいますね。
いつか見つけてみたいですです。

ブログ是非見させて頂きます!!
3. Posted by benten   2010年05月17日 21:01
takuさんにコメントされて気になってしらべてみたのですが奄美で採ってきたのはどうやらオオシロアリのようです。
コウシュンシロアリは分布域が違っているみたいですね。
それにしても大きなシロアリです。

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