沖縄の吸血生物たち

山に行くと、カ、ブユ、アブ、ヌカカ、ダニ、ヒルなどの多くの吸血生物に出会います。
種類によって、吸血する生き物が様々で、人やイノシシなどの恒温動物から吸血する以外にも、爬虫類や両生類などの変温動物から吸血する生き物などもいます。

先月の沖縄では、多くの爬虫類や両生類を観察することができましたが、おまけを採集することができました。



このクロイワトカゲモドキの背中には、サシチョウバエが吸血していました。
数ミリしかない小バエのような虫ですが、血を吸って腹部が膨れています。
←以前見つけた、ミナミヤモリから吸血中のサシチョウバエ。
ここまで大量に付いているのは珍しいと思います。


このサシチョウバエは、東京大学でマラリアやリーシュマニア症という感染症や、その媒介昆虫を研究している三條場さんにお送りしました。
三條場さんにお聞きしたところ、すでに沖縄から数種類のサシチョウバエを採集されていて、現在種類の同定をしているとのことです。
また、クロイワトカゲモドキは、トリパノソーマという原虫を持っていると言われているようで、サシチョウバエがその媒介などもしている可能性があるようです。

このナミエガエルのも、吸血昆虫が付いているのが分かりますか？



←口元を拡大すると、小さなカが吸血中でした。
このナミエガエルからは、２匹のカが吸血していました。


このカは、富山県衛生研究所の山内さんに調べて頂くことになりました。
山内さんにお聞きしたところ、このカはチビカ類のメスと言うことで、現在種類を調べて頂いています。
沖縄のチビカ類は、カエルから吸血するときに、なんとカエルの鳴き声を聞いて獲物を探すと言うのです！
すごいですね。

こちらは、過去に沖縄採集を終えて、帰りの那覇空港で気が付いたマダニの一種です。
足の爪の根元に噛みついていました。
このダニについて山内さんにお聞きしたところ、沖縄でリュウキュウヤマガメから吸血するカメキララマダニのようです。
カメから吸血するダニですが、人からも吸血することがあるそうです。

吸血性生物の世界も、面白そうですね。
そういえば、カの中には、アリから口移しでエサをもらう種類がいるそうです。
カが口移しでエサをもらう姿を見てみたい！！

これらは、感染症などを媒介する恐れがあるため、山では刺されないように注意しましょう。

Comments

1. Posted by pekio   2010年12月02日 20:53

日本に住んで当たり前のように生活していると、蚊等がいてもそれほど深刻に考えませんが、感染の危険性を知らされると、蚊やダニの存在も軽視出来ませんネ！
まして、恒温動物ばかりではなく変温動物にさえも、吸血する蚊やダニがいる事を始めて知りました。

2. Posted by taku   2010年12月02日 22:33

こんばんは。

そうですね、日本ではそれほどでもありませんが、国によっては、カやダニによって、かなり危険な感染症になることがあります。
虫避け対策は重要ですね。

4. Posted by taku   2010年12月12日 11:16

sd様

メールをください。
よろしくお願いいたします。