2011年01月16日

新種発見!

丸山さんから、以前石垣島のタイワンシロアリの菌園から見つけた、新種のシロアリノミバエ4種を記載した論文が出版されたとご連絡を頂きました!
論文の内容を見て、とても嬉しかったです。

タイワンシロアリ
写真:タイワンシロアリの夫婦

石垣島でアリ探しをしていると、地中からタイワンシロアリの菌園が見つかりました。
残念ながら、この菌園には女王シロアリはいませんでしたが、シミやハネカクシなどの好白蟻性昆虫が同居をしているため、菌園を持ち帰ることにしました。

その晩、ホテルに持ち帰った菌園を観察していると、何やら見慣れない昆虫が同居をしていることに気が付きました。
その昆虫は半透明の柔らかそうな腹部を持ち、じっくり見ても何の虫なのか、まったく分かりませんでした。
しかも、形が様々で、数種類いるようにも見えます。

東京に戻ってから、研究者の丸山さんに見てもらったところ、日本ではまだ発見されていないシロアリノミバエと言うことが分かり、詳しく調べてもらうことになりました。
すると、驚いたことに、4属4種もの新種のシロアリノミバエがいることが判明したのです!!
たった1個の菌園から、まさか4種類もの新種が見つかるとは、ものすごく驚いたのと同時に、ものすごく嬉しかったです。

その後の調査で、丸山さんと小松さんは、西表島のタイワンシロアリの巣から、これら4種のシロアリノミバエを合計134匹も採集することに成功し、石垣島と西表島に生息することが確認されました。

シロアリノミバエ
3種類のシロアリノミバエです。
上:シロアリノミバエ Clitelloxenia formosana
左:ドクロノミバエ Pseudotermitoxenia nitobei
右:マメダヌキノミバエ Horologiphora sinensis

Horologiphora sinensisPseudotermitoxenia nitobei

Clitelloxenia formosanaシロアリノミバエ

菌園をあるくシロアリノミバエたち。
腹部の質感はシロアリにそっくりで、とてもハエには見えません。

そして、もう一種の学名に島田の名前を付けて頂きました!!

写真を探したのですが、せっかく自分の名前を付けて頂いたのに、この種類だけ撮影していなかったようです…

小松さんが撮影した美しい写真をお借りしました。
ツキミノミバエ Selenophora shimadai
※小松さん撮影

ツキミノミバエ Selenophora shimadaiです。
新種を見つけて、名前を付けてもらえるなんて虫好きにとっては夢のようなことです。
一生忘れられない記念になりました。

今年も、小さな大発見を見逃さないように、観察や採集を頑張りたいと思います。

antroom at 00:31コメント(1)アリと暮らす生物(好蟻性昆虫など) | シロアリ 

コメント一覧

1. Posted by ゴトウ   2020年08月17日 00:12
5 シロアリがレモンゼリーの色なのを初めてみました。小学校のころの運動会の練習で校庭で列になってしゃがんで長い時間先生の号令かなにかを待ってたとき、隣の子が蟻食ってました。多分その日のうち一番太陽が近くて日陰もない校庭の白線の上に並ばせられてたので、蟻で水分をとろうとしていたのかなぁ、というのを思いつきました。新発見おめでとうございます。記事の日付見たら9年前でした。読むのが遅かったですけど、今日僕はもう寝る前に今読み終わって、拍手のボタンの機能をみつけていっぱいそれを押しました。

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