2011年09月19日

コウモリの超音波

コウモリ(翼手目)には、大きく分けて2タイプがあります。
まずは大型で眼が大きなオオコウモリと呼ばれる大翼手亜目です。
このグループのコウモリたちは、主に果実を主食としていて、視力が発達していて眼でエサを探します。
日本では、南西諸島にクビワオオコウモリが生息しています。
初めて石垣島に行ったとき、街中をカラスのように巨大なヤエヤマオオコウモリが飛んでいる姿を見て、とても感動したのを覚えています。

そしてもう一つのタイプは、小翼手亜目である小型コウモリです。

ウサギコウモリ眼が小さな種類が多く、超音波を使った反響定位によって獲物を探します。
このグループは17もの科があり、世界中に800種以上が生息していて、食性は昆虫食が多いのですが、ヘラコウモリの仲間には、魚を主食とするウオクイコウモリ、恒温動物の血液を主食とするチスイコウモリ、ネズミなど小型哺乳類を食べるアラコウモリ、果実や昆虫を主食とする雑食の種類などが存在します。

日本にはアブラコウモリ、モモジロコウモリ、ユビナガコウモリ、ヤマコウモリ、ウサギコウモリなど36種類の小翼手亜目が生息しています。

小型哺乳類の最大の苦労は、常に高い体温を維持しないといけないことです。
大きな動物は、一度上げた体温を長時間維持することができるのに対して、小さな動物は熱を発生させる体積よりも、熱が奪われる表面積の割合が高くなるため、体に対して大量のエサを食べる必要があるのです。
小型コウモリと同じように、昆虫を主食とするトガリネズミなどの小型食虫目などは、1日に自分の体重よりの多くの昆虫を食べないと生きていけないのです。
そんな、小型哺乳類の共通の悩みを、小型コウモリたちはすごい方法で解決することができるのです。
それは体温を気温近くまで下げることで、代謝を下げることができるのです!!
たとえば、狩りに失敗してエサを食べられなかった日や、雨で狩りに行けない日、冬場でエサ昆虫が採れない時などは、このように体温を気温近くまで下げることで食べなくても大丈夫なのです。
その代償として、体温を下げて眠っている最中は、体が動かないので、たとえば外敵に襲われたときなどは逃げることができません。
コウモリは外敵の少ない、洞窟や木の洞などを住処にしているため、このような方法をとることができるのです。
小型コウモリについてはこちらもご覧ください。

超音波で真っ暗闇でも飛びながら獲物を探し出し、体温を自由自在に操って代謝を下げるなど、哺乳類とは思えないような特徴を持ったのが小型コウモリなのです!
本当にすごい生き物です。

そんな小型コウモリは、私たちの身近に生息していて、東京の街中でも簡単に観察することができます。
アブラコウモリもっとも普通に見られるのはアブラコウモリです。
体重6gほどしかない小型種で、夕方になるとエサを求めて飛び始めます。
エサとなるユスリカなどが多いのと、飲み水のある、池のある公園や川沿いなどで特に多く見つけることができます。

小型コウモリの観察で、あると楽しいのが、人間の耳では聞くことのできない超音波を聞くことのできる、バットディテクターと呼ばれる機械です。
バットディテクター
これは15年ほど前から使用しているもので、スイッチを入れると「ザーーー」と音が聴こえてくるので、人に見せると「壊れたラジオですか?」と言われますが、実はすごい機械なのです。
ダイヤルを聴きたい周波数に合わせると20〜160kHzの範囲の音を聴くことができます。

超音波の周波数はコウモリの種類によって変化があり、アブラコウモリは45kHz前後なのに対し、コキクガシラコウモリは100kHz以上の高い音を出しています。
また、オヒキコウモリ、ヤマコウモリ、ヒナコウモリなどは低い周波数を出すため、時々人の耳にも聴こえることがあります。
この音だけで、種類を確実に見分けるのは難しいのですが、生息環境などで大まかに分けることはできるかもしれません。

バットディテクターを使って、街中のアブラコウモリを観察してきました。



連続して聴こえるのがアブラコウモリの超音波です。
人の耳には一切聴こえない音ですが、こんなに賑やかな音が街中に聴こえていたのです。
この動画を再生して、約10秒のところで音がブイっと変化しますが、これはアブラコウモリがエサを食べた瞬間の音です。
バットディテクターと、実際のコウモリの動きを見ていると、エサを食べた瞬間がよく分かります。

コウモリ観察は楽しいです。

コメント一覧

1. Posted by さくま   2016年04月18日 00:36
バットディテクターというものがあるんですね。
アマゾンでみたら15万円くらいでした…

そちらの商品はいくらくらいでしたか?

ぜひ購入したいのですが、万を超えると買えません…
2. Posted by taku   2016年04月18日 03:32
うちのは3万円ほどだったと思います。
検索すると16,000円ほどのもあるようです。
3. Posted by 大沢啓子   2016年04月21日 19:30
今この写真のMini-3はもう販売していませんが、4万円くらいしましたよね。プラスティックのおもちゃみたいなのでコウモリ観察会で「いくらですか」「どこで買えるのですか」とよく聞かれましたが値段をいうと皆さんひきました。

今だったら一般向けとしてはBAT5 BAT DETECTORかな。
http://museum.shop-pro.jp/?pid=19585809
これでも19200円ですから、趣味でコウモリ観察するにはちょっと・・・東京近郊でもコウモリ観察会をけっこうやってますから参加してみるのもいいかも
4. Posted by taku   2016年04月21日 22:34
この機種はもう売っていないのですね。
これは18年くらい使っています。
そう言えばスマホのアプリでもバットディテクターがあるという話を聞いたことがあります。

コメントする

名前
URL
 
  絵文字
 
 
記事内検索
Archives
Recent Comments