2012年12月30日

ダンゴムシを食べるハシリハリアリ

ハシリハリアリ属Leptogenysは熱帯に多くの種類が生息していて、現在までに約300種が知られています。
グンタイアリやヒメサスライアリのように決まった巣を持たずに、狩りをしながら移動する放浪性のアリで、マレーシアには1cm以上になる大型種もいます。
地面を埋め尽くすほどの集団で狩りをする光景は迫力があります。
これらの大型種に刺された時は激痛で、その痛みはグンタイアリやヒメサスライアリを上回ります。
コロニー数が多くなる種類には、ハネカクシ、シミ、ワラジムシ、ムクゲキノコ、ノミバエ、カタツムリ、クモなど、多くの好蟻性生物が同居をしています。
しかし、日本には沖縄周辺にハシリハリアリLeptogenys confuciiの一種類が生息するだけで、しかもコロニー数が50匹以下のことが多くて、好蟻性生物なども知られていません。

ハシリハリアリLeptogenys confucii
沖縄のハシリハリアリLeptogenys confucii。
大きさは5mmほどで、細長い体型が特徴的。

ハシリハリアリLeptogenys confucii
細長い卵を運ぶ働きアリ。

初めて沖縄のハシリハリアリを飼育した時、エサをまったく食べないことに悩みました。
海外の多くの種類は、昆虫の他、ミミズやカタツムリまで何でも捕食するのです。
そのため、飼育をしたときはコオロギ、ゴキブリ、ハチノスツヅリガの幼虫、ミミズなどを与えてみたのですが、一切興味を示さなかったのです。
何度か飼育をしたものの、毎回同じ結果になってしまうのです。
エサが分からずに、長期飼育が難しかったので見つけても採集するのはやめました。
それからは、野外でコロニーを見つけるたびに、何かを食べていないか調べることにしました。
すると、巣の中にモリワラジムシの一種の残骸があったのです!!
その後も、いくつかの巣からワラジムシなどを見つけることができ、日本のハシリハリアリは陸生甲殻類を主食としていることが分かりました。
一度だけ、小型ムカデの食べかすを見つけたこともあるので、多少は他の生物を捕食することもあるようですが、主食は甲殻類で間違えないと思います。

ハシリハリアリLeptogenys confucii
コシビロダンゴムシを捕食するハシリハリアリ。
食性が判明したことで、飼育することができるようになりました。
今まで何も食べてくれなかった生き物が、このように捕食してくれるというのは嬉しい光景ですね。

ハシリハリアリLeptogenys confucii
上の腹部が大きいのが女王アリ、下が働きアリ。
ハシリハリアリの女王は羽化した時から翅がありません。
グンタイアリやヒメサスライアリの放浪性のアリと同じく、コロニーが大きく成長して新女王が羽化すると、交尾後に働きアリを引き連れて巣別れすることによってコロニーが増えていきます。
そのため、一見働きアリとの区別が難しいのです。

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