2014年05月31日
ゴキブリを狩る! エメラルドゴキブリバチ

熱帯に生息するエメラルドゴキブリバチAmpulex compressa。
名前の通りものすごく美しいハチで、群れで暮らす社会性ではなく、単独生活をする狩りバチです。

とにかく全身ピカピカ!
大きさも2cmと大型です。


アゴが下から生えていて変わった顔をしています。
実は日本にも同属のサトセナガアナバチAmpulex dissectorと、ミツバセナガアナバチAmpulex tridentataの2種が生息しています。
しかもサトセナガアナバチは関東にも生息しているのです!
これらセナガアナバチはゴキブリを狩り、麻酔で動けなくしてから卵を産みつけ、孵化した幼虫はゴキブリの体内を食べて成長します。
麻酔では、完全に動けなくするのではなく、決まった箇所を毒針で刺すことで、少しだけ動けるような状態にするのです。
麻痺させられたゴキブリは、その場でじっと立ち止まっていて動きませんが、突っついたり、引っ張ったりすると脚を動かして歩きます。
このハチは、自分よりもはるかに大きな獲物でも狩ることがありますが、重い獲物を引きずって運ぶのは大変なことで、このような状態にすることで、ハチがゴキブリの触覚付け根や、頭部周辺を咥えて引っ張ると、ゴキブリはまるで誘導されるかのように、自ら歩いて巣穴まで運ばれてしまいます。


獲物を見つけると、素早く走って追いかけて、胸部や翅に噛みつきます。
この時、下から生えるようなアゴが役立つのです!
胸部や翅などの薄い部分に、アゴを下から差し込み固定します。

胸部裏を毒針で刺します。

何度か刺します。

そして首も刺します。
すると、さっきまで大暴れしていたゴキブリが動かなくなりますが、ひっくり返ったりすることはなく、見た目は普通に静かにしているだけのように見えます。

このような状態になったゴキブリを、巣穴まで引っ張りながら運びます。
巣穴には試験管を使用しました。

運び終わったところ。
ゴキブリの触覚が短くなっていますが、これはハチがアゴで噛み切っています。
これにも理由があるようです。

最後に、体に卵を産みつけて、巣穴を土や砂で塞いで終了です。
あとは孵化した幼虫がゴキブリを食べて成長するのです。


卵を産みつける場所は決まっていて、毎回胸部裏に産みつけます。

麻酔をされて、死を待つだけのゴキブリたち。
一見普通に生きているように見えます。
グルーミングをしたり、エサを口元に置くと食べたり、脱皮もすることができるようです。
この後、ハチの幼虫に生きたまま体を食べられていくのです・・・。
ゴキブリを捕えてから、巣穴に運ぶまでの一連の動作には一切無駄がなく、長年の進化で取得した高度な狩りの技術を見ることができました。
エメラルドゴキブリバチについては、レプタイルズFan vol.2でも紹介しました。
つづく・・・