2015年01月10日
ムカデを狩るノコギリハリアリ

長いアゴ、小さな目、腰のくびれのないアリ。

ノコギリハリアリ Stigmatomma silvestriiです。
名前の通り、ギザギザとノコギリのようなアゴを持ちます。
アリに夢中になり始めた中学生のころ、最も憧れだったアリです。
初めて巣を発見した時の感動は忘れられません。
北海道から八重山諸島まで日本全国に生息しているのですが、見つけるのは簡単ではありません。
東京にも生息していて、街中の公園では見つけたことはありませんが、八王子付近の山などで見ることができます。

ノコギリのようなアゴで捕えるのはムカデ!

ノコギリハリアリはジュズフシアリやムカシアリと同じくムカデを専門に捕食します。

アゴで噛みついた直後に毒針で刺します。
ムカデが動き続ける限り何度でも刺します。

毒針が出ています。

最初は大暴れしていたムカデですが、何度も刺されるうちに徐々に動きが鈍くなってきます。
そして動かなくなったムカデを巣へ運びますが、面白い方法で運ぶことが分かりました。

ムカデの頭部近くを噛みついたノコギリハリアリは、そのまま引きずるようにムカデを引っ張ったところ、なんとムカデは脚を動かして、まるで誘導されるかのように歩いて運ばれたのです。
毒針で刺されたことにより、自らの意思で逃げたり歩いたりすることはできません。
この方法は、エメラルドゴキブリバチが大きなゴキブリを捕えたときと同じ方法です!!

この方法で、自分よりもはるかに長くて重い獲物でも簡単に巣に運ぶことができます。
これを見て思い出したことが。
過去に石垣島で1mmほどの小型なムカシアリがムカデを狩る場面に遭遇しました。
その時、こんなに小さなアリがムカデを楽々運ぶ姿に驚いたのですが、もしかしたらこれも半分麻痺させた状態で、引っ張って巣まで運んでいたのかもしれません。

母親が抱いて守っていた孵化したばかりのムカデを集団で襲って運ぶムカシアリ。
この写真を見ると、ムカデは自分の脚で歩いているようにも見えます。

巣の中に運びこんだムカデは、成虫と幼虫で捕食します。

ムカデを捕食する幼虫たち。
ちなみに、この写真と上の写真の2枚は新しい撮影機材で撮影しました。
ムカデが主食となると飼育するときはエサの確保が大変そう。と思う方も多いかと思いますが、実はそうでもありません。
ムカデって、実は身近にすごくたくさんいる生き物なのです。
近所の公園でエサ用のムカデを集めていますが、寒い冬でもたくさん見つかります。

落ち葉の積もった場所で、湿った土が見えるまで掘ります。

黒く湿った落ち葉や土をふるいで篩うと1〜3cmほどの小型ムカデがすぐに見つかります。
集めたムカデたちは、土と一緒にタッパーなどに入れておけば長期間ストックできますし、月に1回ほど行けば十分な数が確保できます。
ムカデを食べるアリは、ノコギリハリアリ以外にもジュズフシアリやムカシアリなどがいて、他にもトビムシを食べるウロコアリやハンミョウアリ、ダンゴムシを食べるハシリハリアリ、フサヤスデを食べるハナナガアリやキッカイアリ、クモの卵を食べるダルマアリなど、様々な偏食アリたちがいますが、どれも魅力的な種類ばかり!
こんなすごいアリたちを飼育できるのなら、エサ集めも苦にはなりません。
そして偏食のアリはエサの確保さえできれば、それさえ与えていれば栄養的には問題ないはずなので、果実や昆虫などを食べる雑食性のアリのように栄養価に気を配る必要もありません。
コメント一覧
1. Posted by うわめん 2015年01月10日 18:32
はじめまして。いつもアリの凄さに驚かされながら楽しくブログを拝見させて頂いている者です。
私もノコギリハリアリが憧れのアリで、つい最近採ることができ感動したのを覚えています。
このアリについてなのですが、近年ノコギリハリアリの仲間はAmblyopone,Stigmatomma,Xymmerの3属とされ、日本産のヒメノコギリハリアリ、ケシノコギリハリアリ、ヤイバノコギリハリアリ、ノコギリハリアリの4種全てがStigmatommaに位置づけられました。よってノコギリハリアリの属名はStigmatommaが妥当であると考えられます。
誠に身勝手ながら訂正の提案をさせて頂きたいと思います。ご無礼をお許しください。
私もノコギリハリアリが憧れのアリで、つい最近採ることができ感動したのを覚えています。
このアリについてなのですが、近年ノコギリハリアリの仲間はAmblyopone,Stigmatomma,Xymmerの3属とされ、日本産のヒメノコギリハリアリ、ケシノコギリハリアリ、ヤイバノコギリハリアリ、ノコギリハリアリの4種全てがStigmatommaに位置づけられました。よってノコギリハリアリの属名はStigmatommaが妥当であると考えられます。
誠に身勝手ながら訂正の提案をさせて頂きたいと思います。ご無礼をお許しください。
2. Posted by taku 2015年01月12日 12:02
ご覧頂きありがとうございます!
あっ!日本産アリ類図鑑にも書いてありましたね。
教えて頂きありがとうございます。
あっ!日本産アリ類図鑑にも書いてありましたね。
教えて頂きありがとうございます。
3. Posted by うわめん 2015年01月12日 13:20
すいません、出典を忘れていました。
おっしゃる通り日本産アリ類図鑑です。
おっしゃる通り日本産アリ類図鑑です。
4. Posted by yspider 2015年01月12日 20:03
非常に興味深い記事と相変わらず素晴らしいお写真をありがとうございます。
5. Posted by taku 2015年01月13日 10:40
いつもご覧いただきありがとうございます。
クモにも植物食がいるのですか!?
ありがとうございます、そのように言って頂けると嬉しいです。
クモにも植物食がいるのですか!?
ありがとうございます、そのように言って頂けると嬉しいです。
6. Posted by yspider 2015年02月01日 23:23
コガネグモ類が、網に付着した花粉を網を畳む際に一緒に摂食してしまうことは、古くから観察されていました。また、Evarcha属のハエトリグモは、わざわざ花を訪れて吸蜜するそうです。ただし、これらのクモの主食はあくまで昆虫。そうではなく、完全なる植物食のクモが中央アメリカから発見されたのです!
7. Posted by yspider 2015年02月01日 23:25
その名も「Bagheera kiplingi(バギーラキプリンギ)」。ハエトリグモの一種で、アリアカシアというアカシア類の葉に形成される「ベルティアンボディ」という器官を摂食するようです。この器官をにはタンパク質や糖質が豊富に含まれているようで、小さなバギーラキプリンギを養うのには十分だそう。
しかし、ご存知のことかもしれませんが、アリアカシアはアカシアアリというアリの一種と共生関係にあるそうです。アカシアアリにとって排除対象であるバギーラキプリンギは、自慢の視覚と優れた跳躍力で、アカシアアリの攻撃を避けながら暮らしているとのことです。
以外にもアリと繋がりましたね。
長々と失礼いたしました💦
しかし、ご存知のことかもしれませんが、アリアカシアはアカシアアリというアリの一種と共生関係にあるそうです。アカシアアリにとって排除対象であるバギーラキプリンギは、自慢の視覚と優れた跳躍力で、アカシアアリの攻撃を避けながら暮らしているとのことです。
以外にもアリと繋がりましたね。
長々と失礼いたしました💦
8. Posted by taku 2015年02月03日 10:59
アカシアを食べるハエトリグモ初めて知り感動です!
そんなクモがいるのですね。
アカシアアリは毒が強くて刺されると激痛らしいです。
そんなクモがいるのですね。
アカシアアリは毒が強くて刺されると激痛らしいです。