2015年05月30日
ヒキガエルのウンチは面白い!
虫の少ない街中にも多く生息するアズマヒキガエル Bufo japonicus。
身近にこんなに大きなカエルが生息しているって、よく考えればすごいことだと思います。
ヒキガエルたちは虫の少ない街中で、一体何を食べているのでしょうか?
それを知るために、最も簡単なのが糞を調べることです。
採集したヒキガエルを、浅く水を張った容器に入れると2〜3日ほどで糞をします。
水の中の糞は、すぐにバラバラになりますので、ピンセットで出てきたものを集めてみました。
ヒキガエルの糞から取り出した消化のできなかった虫など。
種類を見ると、夜に草むらで見かける虫が一通り出てきています。
体の割に小さな獲物が多い中、最も大きいのはアオオサムシでした。
あんなに臭くて刺激のある匂いを出すオサムシを飲み込むとはすごいですね。
好んで食べているのか、それとも虫が少ない場所なので仕方なく食べているのかが気になるところ。
もっと虫が多い山のヒキガエルの糞からもたくさん出るようなら好んで食べているのでしょう。
コガネムシの一種。
コメツキの一種。
マダラカマドウマの後脚と産卵管。
小型ゴミムシの一種。
ヤスデの一種。
ハサミムシの一種。
いくつも出てきたのですが、これは何?植物の破片?
枯れ葉も多く出てきましたが、これは虫を食べるときに一緒に食べてしまったものです。
このように外骨格の堅い甲虫は、消化できない部分も多いようですが、それでも少しでも軟らかい部分は消化されています。
中でも驚いたのがビロウドコガネやゾウムシたちです。
ほぼ無傷で出てきています。
堅いゾウムシと言えばカタゾウなどが有名ですが、普通のゾウムシもかなり堅いようですね。
そして、ハエの幼虫やシャクトリムシなども、消化されずに出てきていました。
このように糞を見ると、大体何を食べているのか分かりますが、ミミズなど消化の良さそうなものは出てこないので、これがすべてではありません。
それでも、糞を見れば、どんな環境で暮らしているのかが大体分かります。
この糞をしたヒキガエルは、近所でも比較的虫の多い公園で暮らしていたので、捕食している虫も多かったのですが、虫がほとんどいなそうな街中の花壇で採集したヒキガエルの糞を調べたところ、ほぼダンゴムシしか出てきませんでした。
生息場所によって、食べている虫の種類や量は大きく変わります。