2015年09月20日
巣を乗っ取るアメイロケアリ
アメイロケアリやヒゲナガアメイロケアリは、結婚飛行を終えた女王アリはトビイロケアリの巣などに侵入して、その巣の女王アリをころして巣を乗っ取ります。

巣に侵入する前に、ケアリの働きアリをころして体に匂い付けを行うヒゲナガアメイロケアリ Lasius meridionalisの女王アリ。
クロオオアリの巣を乗っ取るトゲアリなどと同じく、初期のみ他種のアリを利用する一時的社会寄生です。
巣を乗っ取った後は、寄種の働きアリの寿命が尽きると、その後寄種のアリを利用することはありません。
トゲアリの場合、クロオオアリの女王に噛みつき攻撃してころすのに対し、アメイロケアリは過去に観察したところ、直接ころすのではありません。
アメイロケアリが侵入して1ヶ月ほど経ったころ、突然トビイロケアリの働きアリたちが、自分の母親である女王を攻撃してころしてしまうのです。
これはトビイロケアリの働きアリが、アメイロケアリを女王として受け入れた証拠です。
アメイロケアリの女王は、本物の女王よりも、女王として受け入れられる何らかの特殊な技を持っているようです。

トビイロケアリの巣の乗っ取りに成功したアメイロケアリ Lasius umbratusの女王アリ。
しかし、このように巣を乗っ取るのは決して楽なことではなく、ほとんどの女王たちは巣に侵入すると、働きアリたちに見破られ攻撃されころされてしまうのです。
そこまで苦労して乗っ取らなくても、他のアリのように単独で巣を作ればよいのに、と思ってしまうこともあるのですが、乗っ取りには大きなメリットがあるのです。
幸運にも乗っ取りに成功した場合、一気に数千、数万の働きアリを手に入れることができるのです。
結婚飛行後に単独で巣を作るアリのほとんどは、初期の段階で外敵に襲われたりで消滅してしまいます。
このような大規模なコロニーに育つことに成功する女王アリは1%にも満たないかもしれません。
そのように苦労して築きあげたコロニーを、一瞬で奪うことができるのです。
そして、このように大きなコロニーに育ったということは環境も最適なはずです。
たくさんの仲間、豊富なエサ、快適な環境を奪うことで、女王アリは全エネルギーを産卵に注ぐことができるのです。

6月に結婚飛行を終えたアメイロケアリからは、たくさんの働きアリが羽化しています。
アメイロケアリの女王は黒いのですが、働きアリは黄色です。

中心の個体は、トビイロケアリから口移しでエサをもらっています。

ここにある繭は、すべてアメイロケアリの繭です。

小さな幼虫や卵も数え切れないほどあります。

結婚飛行を終えて、たった3ヶ月しか経っていないのに、信じられない勢いで繁殖しています。
同じくケアリ属のトビイロケアリなどは、女王は単独で巣を作り子育てをして、最初に羽化する働きアリは20匹ほど。
しかし、同じサイズのアメイロケアリは、すでに500匹もの働きアリが羽化し、卵、幼虫、繭も数え切れないほどあります。
秋ごろには、アメイロケアリの数は1000匹を超えるはずです。
こんなにも短期間でコロニーが大きくなるのは、すべて乗っ取りのおかげなのです。
アリを飼育していると、年々女王アリの産卵数が増えますが、実はこれは女王の年齢よりも、周りにいる働きアリの数が影響しているのです。
以前、結婚飛行直後のクロヤマアリの女王に、特殊な方法で1000匹ほどの働きアリを同居させたところ、結婚飛行直後の若い女王では考えられないほど大量の卵を産みました。
アメイロケアリも、飼育するときに同居させるトビイロケアリの数が多ければ多いほど、羽化する働きアリが多くなります。
今回紹介したアメイロケアリの女王アリには、500匹のトビイロケアリを同居させていますが、野外ではトビイロケアリの大きな巣には数万匹の働きアリがいますので、そのような巣を乗っ取った場合は、さらに勢いよく増えたのだと思います。
考えてみれば当たり前のことで、子育てをするのは働きアリなので、世話役の働きアリが少ないのに、大量の卵を産んでも育てられる数には限りがあるのです。

巣に侵入する前に、ケアリの働きアリをころして体に匂い付けを行うヒゲナガアメイロケアリ Lasius meridionalisの女王アリ。
クロオオアリの巣を乗っ取るトゲアリなどと同じく、初期のみ他種のアリを利用する一時的社会寄生です。
巣を乗っ取った後は、寄種の働きアリの寿命が尽きると、その後寄種のアリを利用することはありません。
トゲアリの場合、クロオオアリの女王に噛みつき攻撃してころすのに対し、アメイロケアリは過去に観察したところ、直接ころすのではありません。
アメイロケアリが侵入して1ヶ月ほど経ったころ、突然トビイロケアリの働きアリたちが、自分の母親である女王を攻撃してころしてしまうのです。
これはトビイロケアリの働きアリが、アメイロケアリを女王として受け入れた証拠です。
アメイロケアリの女王は、本物の女王よりも、女王として受け入れられる何らかの特殊な技を持っているようです。

トビイロケアリの巣の乗っ取りに成功したアメイロケアリ Lasius umbratusの女王アリ。
しかし、このように巣を乗っ取るのは決して楽なことではなく、ほとんどの女王たちは巣に侵入すると、働きアリたちに見破られ攻撃されころされてしまうのです。
そこまで苦労して乗っ取らなくても、他のアリのように単独で巣を作ればよいのに、と思ってしまうこともあるのですが、乗っ取りには大きなメリットがあるのです。
幸運にも乗っ取りに成功した場合、一気に数千、数万の働きアリを手に入れることができるのです。
結婚飛行後に単独で巣を作るアリのほとんどは、初期の段階で外敵に襲われたりで消滅してしまいます。
このような大規模なコロニーに育つことに成功する女王アリは1%にも満たないかもしれません。
そのように苦労して築きあげたコロニーを、一瞬で奪うことができるのです。
そして、このように大きなコロニーに育ったということは環境も最適なはずです。
たくさんの仲間、豊富なエサ、快適な環境を奪うことで、女王アリは全エネルギーを産卵に注ぐことができるのです。

6月に結婚飛行を終えたアメイロケアリからは、たくさんの働きアリが羽化しています。
アメイロケアリの女王は黒いのですが、働きアリは黄色です。

中心の個体は、トビイロケアリから口移しでエサをもらっています。

ここにある繭は、すべてアメイロケアリの繭です。

小さな幼虫や卵も数え切れないほどあります。

結婚飛行を終えて、たった3ヶ月しか経っていないのに、信じられない勢いで繁殖しています。
同じくケアリ属のトビイロケアリなどは、女王は単独で巣を作り子育てをして、最初に羽化する働きアリは20匹ほど。
しかし、同じサイズのアメイロケアリは、すでに500匹もの働きアリが羽化し、卵、幼虫、繭も数え切れないほどあります。
秋ごろには、アメイロケアリの数は1000匹を超えるはずです。
こんなにも短期間でコロニーが大きくなるのは、すべて乗っ取りのおかげなのです。
アリを飼育していると、年々女王アリの産卵数が増えますが、実はこれは女王の年齢よりも、周りにいる働きアリの数が影響しているのです。
以前、結婚飛行直後のクロヤマアリの女王に、特殊な方法で1000匹ほどの働きアリを同居させたところ、結婚飛行直後の若い女王では考えられないほど大量の卵を産みました。
アメイロケアリも、飼育するときに同居させるトビイロケアリの数が多ければ多いほど、羽化する働きアリが多くなります。
今回紹介したアメイロケアリの女王アリには、500匹のトビイロケアリを同居させていますが、野外ではトビイロケアリの大きな巣には数万匹の働きアリがいますので、そのような巣を乗っ取った場合は、さらに勢いよく増えたのだと思います。
考えてみれば当たり前のことで、子育てをするのは働きアリなので、世話役の働きアリが少ないのに、大量の卵を産んでも育てられる数には限りがあるのです。
コメント一覧
1. Posted by tot 2015年09月20日 11:39
3カ月でここまでくるのは凄いです。
寄主の数もそうですが、女王自体も当たりの女王だと思います。
アメイロケアリを飼育していますが、トビイロケアリがいなくなってからが難しいです。
働きアリの数がのびません…
急にハードルが上がる気がします。
寄主の数もそうですが、女王自体も当たりの女王だと思います。
アメイロケアリを飼育していますが、トビイロケアリがいなくなってからが難しいです。
働きアリの数がのびません…
急にハードルが上がる気がします。
2. Posted by 名無し 2015年09月22日 19:38
アメイロケアリの女王から働き蟻に感染する菌、ウィルス、アーキアの存在が女王の同調蟻の急速な拡大に関与していると予想されますが、どうなんですかね?
3. Posted by taku 2015年09月26日 08:47
totさま
返事が遅くなってしまい申し訳ありませんでした。
あの後もどんどん羽化が続き、産卵もすごい数が続いています。
アメイロケアリの数が増えてくると、トビイロケアリは端の方へ追いやられているような感じで、子育てなどは主にアメイロケアリたちが行っています。
今後の成長が楽しみです。
返事が遅くなってしまい申し訳ありませんでした。
あの後もどんどん羽化が続き、産卵もすごい数が続いています。
アメイロケアリの数が増えてくると、トビイロケアリは端の方へ追いやられているような感じで、子育てなどは主にアメイロケアリたちが行っています。
今後の成長が楽しみです。
4. Posted by taku 2015年09月26日 08:48
そのような菌があるのですか??