2017年02月10日
巨大パラポネラが恐れる小さな敵

南米のジャングルを代表する巨大なアリと言えば、やはりパラポネラ(サシハリアリ)ですね。
同じく南米には、さらに巨大なディノポネラもいるのですが、生息範囲が広くて個体数が多いのはパラポネラです。

体長25mmと巨大で、太く頑丈なアゴを持ち、スズメバチに匹敵するほどの猛毒を持ちます。
ペルーでもフレンチギアナでも刺されてしまいましたが、とにかく痛いです。
今まで数多くのアリに刺されましたが、今のところアリの中ではパラポネラが一番痛かったです。
現地でパラポネラの巣を掘った時、巣穴から大量の働きアリが怒って出てきましたが、以前刺された時の痛みを思い出し途中で掘るのを諦めてしまいました。
そんな恐ろしいパラポネラですが、パラポネラが恐れる敵が存在します。
巨大パラポネラが恐れる敵は、どんに巨大ですごい武器を持つのか?
実はその敵は、たった数ミリしかないとても小さな虫なのです。

パラポネラの巣を掘っている時に多数集まってきて襲いかかっていたのです。
この写真に、その敵が写っています。
どこにいるのかお分かりでしょうか?
左上に写っている小さなコバエ。
実はこんな小さな虫が、パラポネラが恐れる敵なのです!

このコバエは、アリの体内に寄生するノミバエの一種。
日本にも何種もいて、それぞれが特定のアリに寄生します。
以前紹介したケアリに寄生するナマクビノミバエもこの仲間です。

パラポネラに寄生するこちらのノミバエは、しつこくアリの周りを飛び回り、隙を見ては体に飛び乗ります。
しかし、パラポネラもこの小さな敵の存在には気が付いているようで、一瞬でも体に触れられると狂ったように暴れて振り落とそうとします。
こうなるとノミバエも産卵はできません。

しかし、傷ついたりして弱っている個体は、ノミバエが体に乗っても払い落すことができません。

このような弱った個体には、複数のノミバエが集まってくるのです。

産卵中のノミバエ。
アリの腹部の節の間に産卵管を差し込んで卵を産みつけます。
今まで見てきたアリ寄生のノミバエは、産卵は一瞬触れる程度で、肉眼では分からないほどの早業で行われるのですが、この種はずいぶんのんびりと産みつけています。
卵を産みつけられると、体内をハエの幼虫に食べられ、約3週間ほどで成虫が羽化して出てきます。