2019年02月09日

ハシリハリアリの手厚い子育て

ハシリハリアリ
ダンゴムシやワラジムシを専門に食べるハシリハリアリです。
狩りや食べ方を観察していると、これらを長年専門に食べてきたことがよく分かります。
ダンゴムシやワラジムシを見つけると、まずは触角で触って大きさを確かめるような行動をします。
あまりに大きい場合は、襲うことなく何もせず離れます。
自分の体長よりも少し大きいくらいであれば、噛みつき毒針で刺します。
ハシリハリアリの毒はこれらの獲物には強力に効くようで、刺された直後にまったく動けなくなります。
自分より大きくて重い相手の動きを一瞬で止めてしまうと言うのはすごいことですね。
巣に運ばれた後は食べるのですが、巣にすでに食べている最中の獲物がある場合は、食べずに巣に置いておきます。
そして、食べ始める時はまず頭部を切り離します。
大きな獲物の場合、頭部を切り離すのも簡単ではありませんが、首辺りを毒針で何度も刺すのです。
おそらく毒には皮や肉を溶かしたりする効果があるのかもしれません。
そしてしばらくすると、頭部の下に片方のアゴを刺し、まるでビールの栓を栓抜きで開けるかのようにテコの原理で頭部を切り取るのです。
その後は、ヨロイオオムカデがヤスデを食べる時のように、一節ずつ中身を食べて節を切り取りながら食べ続けていきいます。
ハシリハリアリの幼虫も、同じくワラジムシやダンゴムシを食べますが、成虫が幼虫にエサを与える方法も変わっています。

ハシリハリアリの子育て方法
この写真は子育て中なのですが、右の個体がアゴで獲物であるワラジムシを咥えています。
このワラジムシは頭部を切り取られていて、上の個体が中身を食べています。
そして、左の個体はアゴで幼虫を咥えていて、幼虫にワラジムシの中身を食べさせているのです。
幼虫が食べている間は、ずっとアゴで咥えたままです。
今のところ、幼虫へエサを与える時はすべてこの方法で、他のアリのように幼虫の近くや口元にエサを運ぶことはしないようです。
幼虫を獲物の所まで運ぶアリは他にもいるのですが、幼虫が食べている間、ずっと幼虫を咥えたままというのは初めて見ました。
エサの所まで幼虫を運ぶアシナガアリや、ジュズフシアリなどは、運んだあとは置きっぱなしです。
一匹ずつこのように与えるのは手厚い育児ですが、とても手間のかかる効率の悪い方法にも思えます。
このような育児だと、こんなことがおこるのです・・・。
ハシリハリアリ
エサを与えるための順番待ちです。
赤矢印の2匹は幼虫にエサを食べさせていて、その下にいる青矢印の4匹は幼虫をアゴで咥えたまま順番待ちをしています。
ハシリハリアリはアリの中でもコロニー規模がとても小さくて、成虫も幼虫も数十匹程度です。
幼虫の数が少ないからこそできる育児なのかもしれません。
働きアリよりも、はるかに多い数を産卵するアリなら、このような時間と手間のかかる育児はできないと思われます。

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