ミツツボアリ
2022年11月18日

2016年から飼育中のミツツボアリ。
飼育を始めて6年が経ち、蟻マシーンを7台ほど連結しています。
この巣の女王アリはもうすぐ7歳。
卵もたくさん産むし、まだまだ元気。
この日は蜜壺役が多い部屋に女王がいて、ちょうど働きアリから口移しで食料をもらっているところを撮影できました。
撮影していて気が付きましたが、蜜壺役はみんなこちらを向いてぶら下がっています。
他の部屋の個体も、大体がこちら側を向いていて、不思議に思いよく観察したところ、おそらく天井の斜面で高い方に前脚を引っかけているようです。
偶然にも蟻マシーンの天井は奥に行くほど低くなるようになっているので、皆がこちらを向いてぶら下がっていたようです。
この向きだと撮影もしやすいし良かったです。
2022年04月10日

蜜を腹部に溜めたミツツボアリ。

いつ見ても美しいです。
このように、とにかく美しいミツツボアリですが、この美しさを最大限に引き出して撮影する方法があります。
それは逆光にすること!!

普通の蟻マシーンで飼育するとこんな感じ。
これでも十分美しいのですが。

逆光で撮影することで美しさが倍増するのです。

腹部の蜜に光が入ることで、まるで電球のようにキラキラ輝くのです。

2018年の昆虫大学でもこの方法で展示を行いました。
あれから4年・・・。
今年は昆虫大学が7/2(土)〜3(日)に東京・浅草橋の東商センターにて開催予定です!

そこで、今回もミツツボアリを展示するために、ミツツボアリ用蟻マシーンを製作しました。
今回も良い巣ができました。

試しにミツツボアリを入れて逆光で撮影。
こちらはそのまま光を当てて撮影したもの。

こちらは紙を置いて光を当てて撮影したもの。
製作した巣を見ていたら、これって他のアリにも良さそう!と思ったのです。
他のアリも蜜を貯めた腹部は逆光で撮影すると美しいので、これで飼育をして撮影をすれば、飼育しているアリたちが一段と美しく撮れると思うのです。
あと、巣の空間が通常の蟻マシーン2号ミニより広いので、大型種や広い空間を好むトゲアリなどに良さそうです。

と言うことで、量産できるようにしました。
いろいろなアリを飼育してみて、良さそうであれば販売をしようと思います。

もちろん通常の蟻マシーン2号ミニと連結できます。
2020年11月03日

宝石のようにキラキラ輝くミツツボアリ。
数日前にも登場しましたが、あの日から継続して撮影していた個体がいました。

このように少し膨れた個体もたくさんいますが、このような個体はこれ以上膨れることはありません。
大きな蜜壺になれるのは、選ばれた個体だけなのです。

所々にいる、上と下で色の違う個体。
以前から気になっているのですが、これって上半分は空気が入っているのでしょうか?

そして、腹部が垂れているのに萎んでいる個体を発見。
体色が薄いことからも羽化して間もない個体だと分かります。
蜜壺役が膨れるときは、以前紹介したように羽化直後に一気に膨れるので、この個体を日々観察して、膨れる様子を撮影してみました。
体の大きさや垂れ具合から、かなり巨大な蜜壺になりそうです。

餌場にアントサプリを置くと、すぐに働きアリが集まり、その後巣内の蜜壺役へ口移しで貯蔵します。

翌日。
少しふっくらしてきました。

撮影を始めて四日後。
立派な蜜壺になりました。
まだまだ膨れそうです。
2020年10月29日
2018年10月13日

最高に楽しかった「昆虫大学 2018」。
土曜日は6歳の息子も一緒に行きました。
初日は途中参加となってしまいましたが、前日に展示用のアリたちは搬入していたので、多くの人に見て頂けたかと思います。
そして、昆虫大学には14時すぎに到着。
途中からの出展となってしまった理由は・・・

4歳の息子の運動会があったためです。申し訳ありません。
毎年運動会が雨のため中止となり、開催できたのは今年が初めてでした。
晴れたのは嬉しかったのですが、とにかく暑くて大変でした。
おそらくイベントで僕は真っ赤な顔をしていたと思いますが、酔っぱらっていたわけではなく日焼けです(笑)

今回AntRoomでは初展示(おそらく日本初)となるミツツボアリを持っていきました。
今までもミツツボアリをイベントで展示したいと考えたことはあったのですが、ミツツボアリはとにかく輸送が難しいので断念していました。
それは、蜜で膨れた蜜壺役は、自分で歩くことができたいため、輸送の衝撃で天井から落ちてしまうと床に転がりっぱなしになってしまうのです。
本来は天井にぶら下がっているのに、床に転がってしまった可愛そうな姿で展示をするわけにはいかず展示は行わなかったのです。
しかし、今回は自分でも展示をしたい気持ちが強かったため、超厳重に梱包をして、超安全運転でゆっくり会場まで運び、1匹も天井から落とすことなく運ぶことに成功したのです。
アリを運ぶのに、こんなに振動に気を使ったのは初めてでした。
意外と天井にしがみ付く力が強いことも分かったので、またどこかのイベントで展示をするかもしれません。

そして、ただ見て頂くだけではなく、皆さんに美しいミツツボアリの姿を撮影してもらいたい!そして、小さな生きものを撮る楽しさを知ってもらいたい!という気持ちを込めてセッティングを行いました。
撮影するのに大切なのは、高価な機材よりも光の使い方だと思っています。

一眼を使わなくてもスマホのカメラでも、ミツツボアリを素敵に写せるように考えた展示でした。
使用した石膏巣は、今年の一月にミツツボアリ撮影用に製作した蟻マシーンです。
ミツツボアリの美しさを最大限に写すには、やはり逆光しかないと思っていますので、裏から光が当てられる作りとなっています。
裏からは弱めにLEDライトを当てて、光を和らげるためと背景を作るために、蟻マシーンの裏にはトレーシングペーパーを張りました。
光を当てることで、蜜で膨れた腹部がまるで宝石のように輝くのです。
この輝きは正面からの光では再現できません。

それ以外で今回工夫したのがこちら。
「撮影OK」ポップです(笑)
イベントでアリを展示すると皆さん礼儀正しい方ばかりで、「撮影してもよいですか?」「はい!たくさん撮ってください」という会話が一日に数え切れないほどあるのです。
以前から考えていたポップでしたが、今回は撮影をして頂くことを目的とした展示ですので、製作しておいて良かったです。

昆虫界のアイドル坂本さんもミツツボアリを間近で見てくれました。

本当に多くの方にミツツボアリを撮影して頂き、ツイッターでは美しいミツツボアリの写真がたくさん紹介されています。
同じアリを同じライティングで撮影していても、撮る人によって様々な構図などがあり、見ていると勉強になります。
ちなみに、ミツツボアリの左で展示しているのは巨大パラポネラです。
こちらもブログで度々紹介しているもので、女王アリ1匹から2年半大切に飼育をしてきたコロニーです。
その巨大な体と、毒の強さから怖がられることの多いアリですが、とっても子育て上手で、とっても可愛いアリなのです。

ミツツボアリを持つ、昆虫大学学長メレ山メレ子さん。
以前からメレ子学長がミツツボアリを見たがっていたことも今回展示したかった理由の一つ。
実は2年前の昆虫大学の時にも、学長が「ミツツボアリを見たい!」と話していたのです。
しかし、2年前はまだコロニー規模も小さく、蜜壺個体も数匹しかいなかったため、この状態で展示をしても、見た人はそれほど感動しないのではないかと思い断念していました。
あれから2年間大切に育てた結果、今回の展示ができたのです。
学長にも喜んでもらえて良かったです。
ちなみに展示したのは蟻マシーン2号ミニ1台でしたが、あれは一部を切り離して持っていったもので、コロニー全体では5台を連結して飼育をしています。



いろいろ盛りだくさんで本当に楽しいイベント。
今回は初日は途中参加で、2日目も開催ギリギリに到着したためゆっくり見て回ることができませんでした。
様々な方が公演をする昆虫夜学では、なんとヒアリ警察さんも登場したようで行けずに残念でした。

いつも楽しいあまのじゃくとへそまがりさんブース。

クモバエのブローチ!?すごい完成度です。
クモバエとは、このようにコウモリの体に寄生するハエです。

昆虫料理研究会。
あれ?あそこで昆虫を美味しそうに調理しているあの方は!?

昆虫食の愛さんです!

先週のクレイジージャーニーでは同じ回で放送がありました。
食品になったツムギアリの女王アリを見せてもらったり、いろいろな話を聞くことができました。

カラフルで美味しそうなお菓子や料理の数々。
上にいろいろなものが乗せてあり、乗っているのはもちろん?虫です。

愛さんからごちそうして頂いた昆虫料理。
上にはヨーロッパイエコオロギやイナゴが乗せてあります。
息子が「食べたい!」と言って、コオロギだけを口に入れて噛み続けています。

とても的確で分かりやすい感想でした(笑)
「昆虫大学2018」に来て頂いた皆さま、そしてAntRoomのアリを見て頂いた皆さま、アリの話をしてくれた皆さま、本当にありがとうございました!!
2018年09月09日
久々の登場ミツツボアリです。
飼育を開始して1年10ヶ月が経ちました。
飼育を始めた時は働きアリは20匹ほどでしたが、現在は働きアリが何匹いるのか分からないほどに増えていて、ざっと数えて2000匹以上はいるようです。

今年の1月に、撮影用の蟻マシンを製作して連結しましたが・・・。

現在では見事に多くの蜜壺個体が天井からぶら下がっています。

蜜で膨れた大きな腹部が、まるで宝石のように美しいです。
こんど時間のある時にちゃんと撮影しようと思います。
飼育を開始して1年10ヶ月が経ちました。
飼育を始めた時は働きアリは20匹ほどでしたが、現在は働きアリが何匹いるのか分からないほどに増えていて、ざっと数えて2000匹以上はいるようです。

今年の1月に、撮影用の蟻マシンを製作して連結しましたが・・・。

現在では見事に多くの蜜壺個体が天井からぶら下がっています。

蜜で膨れた大きな腹部が、まるで宝石のように美しいです。
こんど時間のある時にちゃんと撮影しようと思います。
2018年02月11日

飼育中のミツツボアリ。
1月ごろから各部屋で蜜壺個体が育ち始めましたが、現在はここまで大きく膨れています。
1ヶ月前に撮影した写真と見比べると、とても大きく成長したことが分かります。
最近は樹液も与えているため色が濃くなりました。

この部屋は、一番下の部屋で最も多くの蜜壺個体がぶら下がっていた部屋です。
女王アリはいつもこの部屋にいたのですが、今まで以上に蜜壺個体が増えてきたことで居場所が狭くなってしまい、女王アリは上の部屋に移動をしました。

働きアリの数が増え、羽化する働きアリが大きくなってきたことで、蜜壺個体も巨大化してきています。
この中で大きな個体は、体長13mm、膨れた腹部は直径10mmもあります。
先日、昆虫写真家の山口進さんにお会いした時、オーストラリアの砂漠でミツツボアリの巣を掘った話を聞きました。
1.8mほどの深い場所に蜜壺個体がいる巣穴があり、食べてみるとキャンディーのように甘くてとても美味しかったようです。
AntRoomで飼育中のミツツボアリはアメリカ産ですが、オーストラリアのミツツボアリとは属も異なります。
オーストラリアのミツツボアリはオオアリ属で、見た目も大きさも日本のクロオオアリによく似ています。
大型なので、もちろん蜜壺の大きさも巨大!
いつかオーストラリアに行って、砂漠を掘って野生のミツツボアリを観察&試食してみたいです。

山口さんがオーストラリアで掘って撮影したミツツボアリは、美しい写真で「珍奇な昆虫」の中でも紹介されています。
いつか僕も山口さんが撮影したミツツボアリのように美しく撮影してみたいです。
他にも世界中の虫が登場するのですが、日本のアリと関係を持つシジミチョウ、ツムギアリの巣で暮らすアリノスシジミ、奴隷狩りをするサムライアリ、キノコを育てるハキリアリ、そして少し前にNHKダーウィンが来た!でも紹介された、ウツボカズラの消化液の中を泳いで食料を探すアリなど、アリ好きにとっても大興奮する内容ですので、ぜひご覧ください。
2018年02月03日
2018年01月30日

最近、各部屋で蜜壺役が育てられているミツツボアリ。
順調に腹部が蜜で膨れてきています。
現在は蟻マシーン2号ミニを2台連結して飼育をしているのですが、働きアリの数が600匹を超えて狭くなってきたので増築をすることにしました。
増築に使う蟻マシーンは通常の物ではなくミツツボアリ用に製作しました。

こちらがミツツボアリ用に製作した蟻マシンです。
部屋の奥行きを伸ばしたことで、裏面まで繋がっています。
これは裏から観察できるようにしたわけではなく撮影用です。
ミツツボアリの透明な腹部を美しく撮影するために、裏から光を当てて逆光で撮影できるようにしたのです。
部屋の高さはもう少し低くすれば良かったです・・・。

増築完了!
この部屋の天井に、たくさんの蜜壺役がぶら下がる日が楽しみです。
2018年01月13日

飼育1年2ヶ月が経ったミツツボアリ。
今までは、一番下の女王アリのいる部屋に蜜壺役がたくさん育てられていたのですが、最近は状況に変化がありました。
その変化とは!?

各部屋で蜜壺役が育ち始めたのです!
ここに写っている蜜壺役たちは、羽化して1〜2週間ほどの若い個体で、まだ膨らみ始めたばかりですので、これからどんどん大きくなるはずです。
現在働きアリの数は600匹ほどで、蜜壺個体を数えてみたところ50〜60匹でしたので、全体の1割ほどが蜜壺化していることになります。

隣に連結してある蟻マシーンへチューブが繋がる部屋にも蜜壺役がたくさん育てられてきています。
不思議なことに、この左に連結してある蟻マシーンでは蜜壺役は1匹もいません。
そして、もう一つの変化。
コロニーが大きくなった最近は、羽化する働きアリが大型化してきています。
1枚目の写真に写っている繭も大きさに差があり、大きな繭もたくさんあるのが分かります。
今までは働きアリの大きさはケアリほどだったのが、最近羽化する大型個体は、ちょっと小さめのクロヤマアリサイズになってきました。
これらの大型個体が蜜壺役になれば、直径1cmを超えるのではないかと楽しみです。
今後の成長が楽しみです。
2017年11月26日

久々に登場のミツツボアリです。
飼育を始めてちょうど1年が経ちました。
1年前は働きアリ20匹ほどでしたが、現在働きアリは500匹ほどに増え蜜壺役もたくさん増えています。
蟻マシーン2号ミニを二台連結して飼育をしていますが、そろそろ増築が必要です。

巨大に膨れている蜜壺役の腹部がすごいですね。
女王アリは常に一番下の部屋にいますが、女王の周りに多くの蜜壺個体が集まります。
小さな働きアリが下にたくさんいますが、元々これぐらいの大きさの個体も蜜壺役に選ばれると、こんなに巨大に膨らむのです。

透明な腹部をよく見ると、裏側にいる個体が透けて見えています。
蜜壺役の中で大きな個体の腹部は直径8〜9mmほどあります。
それにしても一日中動かずぶら下がっているというのもすごいですね。
この細い脚先で、この重さを支えているのもすごいです。
2017年11月09日
2017年06月10日

去年から飼育をしているミツツボアリのコロニーですが、2ヶ月前からついに腹部に蜜を貯蔵する蜜壺役の働きアリが現れました!
現在7匹の蜜壺役が誕生しています。

まさに蜜壺ですね。
もはや歩くことはできず、ず〜っとこの状態のまま動きません。
蟻マシーン2号ミニで飼育中ですが、石膏なので通常のアリであれば問題なく歩けますが、蜜壺役は天井にぶら下がるので、そのままでは重たい体を支えられないと思ったので天井にはあらかじめ針でガリガリと傷を付けていましたが、予想通りその傷を利用してぶら下がっています。
ミツツボアリについて、ずっと気になっていることがありました。
このように腹部が膨れるのは、羽化した時から特別な個体なのか?それとも普通の個体が徐々に貯蔵するようになるのか?一体どれくらいの時間をかけてここまで膨らむのか?などなど。

この写真を見ると天井に付いている個体の腹部が少し膨れています。
飼育を始めた去年は、このように少し腹部の大きな個体が徐々に貯蔵を始めるのだと思っていたのですが、実際は全く違っていたのです。
これらの個体は、これ以上膨れることはありません。
では、どんな個体が、どのように膨れるのか?

右下にいるのが蜜壺役となる個体で、腹部が膨れ始めてたった数日です。
実はこの個体は、特別な個体ではなく羽化した直後なのです!
つまり、体が固まる前に短期間で一気に膨らませていたのです。

羽化して1週間以内にはここまで膨らみます。
蜜壺役となる個体は、生まれつき特別な個体と言うわけではなく、働きアリの数がある程度増えてくると、一部の羽化したばかりの個体に一気に大量のエサを与えて腹部を伸ばしていたのです。