11/9、大好きなテント劇団「どくんご」の作品「OUF!」福岡公演。5月の小倉公演から半年を経て、しかし作品はこなれた感じになるどころか、より強靭になり、スピード感、鋭さが増し、圧倒的になっていた。立ち見のままあっという間に最後の演奏の場面を迎えた。
プロローグとエピローグ前の劇団演奏に加わる。
異質でありつつ共にある。ときに軋みながらも。そのほうが「物語」はより豊かになり、深みと振幅を増し、ダイナミックになる。その場を共有する者たちがそれぞれに自分自身の中で自由に様々な異質な要素を統合し、再構築・再構成するとき、新しい物語、新しい歌が、そしてきっと新しい自分が、他者が、あるいは世界がそこに生まれるのだ。そもそもどくんごの作品自体がそうだ。
前作「君の名は」の時に購入した旅がらすくんのマントがいつの間にかなくなってしまって、と終演後に話していたら、後日、五月さんから新しいマントが届いた。添えられていたカードには演奏参加への丁寧な謝辞と共に、「特にポーレシュカは雑多な厳しい世界の広がりを感じて、…幸せな時間でした。役に立とうがたつまいが、夢みていい、祈っていい、と思ったりしました」と書かれていた。うれしかった。こちらこそ、ありがとうございました。新調したマントの旅がらす君と、またあちこち行きます。
どくんごは来年は一年間新作公演をやめるという。再来年の新しいどくんごとの出会いを、心待ちにしたい。

11/14、天城山荘にて、日本バプテスト連盟総会。三日目の朝の礼拝で前奏を担当。無伴奏で「だから希望がある」を。アルゼンチンの讃美歌、原題”Tenemos esperanza"(直訳「わたしたちは希望をもっている」、作詞:Federico J. Pagura、作曲 Homero Perera)。短く、1コーラスだけにしたが、曲の中にタンゴのノリ、ダンスのグルーヴが以前より強烈に感じられた。できればタンゴの歩き(カミナタ)をしながら弾きたいとさえ感じた。

11/15、生笑一座、曽根小学校。750名ものこどもたちと、保護者数十名、そして先生たち合わせて800名の前での公演。この日はなんと座長欠場にて、紹介から司会からインタビューから伴奏から歌のリードからまとめにいたるまでワタクシが担当。勿論初めてのこと。一座の皆さんが、気遣ってくださる。すみません。しかしまあこれまで何回となく見てきたのでなんとかやりおおせた。しかし2時間に及ぶプログラムを、1年生のこどもたちまでがしっかりきいてくれた。生笑一座のプログラムは、実は正味10分〜15分くらいずつ中身が展開していき、飽きない工夫がこらされているので、集中力が切れにくいのだけれど、それにしても1年生たちはよくがんばったなあ。どんどんこどもたちの中に分け入ってのインタビューも楽しかった。

11/18、デュオダイヤローグス、平尾アドリアーノ。ワタルさんが先日近藤直司さんと一緒にやったAll Blues、そしてチキリンデバチンの2曲が新曲。この夜はアドリアーノの響きのいい空間で、いつも以上に繊細で自由で深いやりとりに。マイクがない分、身体も自由に動かせる。楽しかった。久しぶりの福岡でのデュオだったのだけれど、これからまたあちこちでやりたいと思う。みなさんどうぞ宜しくお願いいたします。あ、開演前の近所でのカクウチも楽しかった。おほほ。

旅がらすくん