民主党の社会保障の方向を変えようという政策理解にはちょうどよかった一冊。

まずは以下目次(アマゾンから引用)
序章 問題の根源はどこにあるか―日本型雇用システムを考える(日本型雇用システムの本質―雇用契約の性質
日本の労務管理の特徴
日本型雇用システムの外側と周辺領域)
第1章 働きすぎの正社員にワークライフバランスを(「名ばかり管理職」はなぜいけないのか?
ホワイトカラーエグゼンプションの虚構と真実
いのちと健康を守る労働時間規制へ
生活と両立できる労働時間を
解雇規制は何のためにあるのか?)
第2章 非正規労働者の本当の問題は何か?(偽装請負は本当にいけないのか?
労働力需給システムの再構成
日本の派遣労働法制の問題点
偽装有期労働にこそ問題がある
均衡処遇がつくる本当の多様就業社会)
第3章 賃金と社会保障のベストミックス―働くことが得になる社会へ(ワーキングプアの「発見」
生活給制度のメリットとデメリット
年齢に基づく雇用システム
職業教育訓練システムの再構築
教育費や住宅費を社会的に支える仕組み
雇用保険と生活保護のはざま)
第4章 職場からの産業民主主義の再構築(集団的合意形成の重要性
就業規則法制をめぐるねじれ
職場の労働者代表組織をどう再構築するか
新たな労使協議制に向けて
ステークホルダー民主主義の確立)
ざっと以下に気になったことを。
  • 日本の雇用契約における雇用とは職務ではなくメンバーシップである。
  • ワークシェアリング。ワークをシェアする。シェアは誰と?正社員?労働者全体?
  • 整理解雇法理と解雇規制
  • 請負や派遣は、実態と法体系が合ってない。だからいろんな問題が発生する?
  • 生活給制度。政府と一部大企業や銀行のもたれあい。再分配の遅れ。労働者だけが置き去り。それが今吹き出してきてる感。
  • 生き方、働き方の多様性についていけなくなってきている雇用や賃金の制度。
  • 企業の正社員優先の従来制度は、女性や若年層の低賃金を、正社員である夫や父親の賃金を高いレベルで保障することで、ある意味肩代わりしてきた。
  • 民主党の子ども手当てなんかは、今まで企業が支払っていた家族手当を、政府が支払う形で再分配しだしたって事か。。。なら、扶養手当などの削減はある意味筋が通ってるのか・・・。
  • フレクシキュリティー = フレクシビリティ(柔軟性)+セキュリティ(安全性)
多分ここまで経済が地球規模になり、その距離が近接してきた以上、労働力の流動性はますます高くなる一方だと思う。そうなると、今までのような一部の大企業と国が持ちつ持たれつごまかしてきたような賃金制度や雇用制度では、もう立ち行かない。どこかで線を引いて、政府が制度として保証しないといけないだろうし、その一方、働く人たちは、正社員や非正規だとか、男女や年齢などで、労働者を差別するようなことはもうなしにして、全体で考えていく必要があるんだろうなぁ。

つまり、今や自分がいつどこでどういう立場になるかなんてわからなくなってきてて、だったら、どういう立場で働こうとも、生活できるような制度は必要になってくるし、そのために共闘しなくちゃねってこと。それが大事。

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