aohyama

fatmount's story

ぼちぼち書きます。

村上春樹

24 12月

【読書】小澤征爾さんと、音楽について話をする。〜才能×才能=∞

ゆーても、村上春樹である。

おんなじようにクラシックとジャズに造詣が深くて、
おんなじようにコレクター気質で珍しいのや名盤をいっぱい持ってても、
小澤征爾さんと話してこれだけのことを引き出せるのは、
やっぱり村上春樹ただひとり。

これは同じ時に命を重ねることができたことに感謝するしかないね。

読むと、音楽と文学の両方の神髄が詰まってる気がした。

小澤征爾さん曰く、
音楽、特にオーケストラは、人の音を聴くことに尽きる
と。

そして村上春樹さん曰く、
文章はリズムだ
と。

さらに、
リズムのよい文章を書くには耳がよくないとダメだ
と。

結局、音楽も文学も、聴くことがとっても大事だということね。

他にも心に残ったところをいくつか。
世の中には素敵な音楽とそれほど素敵じゃない音楽という二種類の音楽しかない。
「良き音楽」は、愛と同じように、いくらたくさんあっても多すぎるということはないのだから、そしてそれを大事な燃料として取り込み、生きるための意欲をチャージしている人々が、この世界には数えきれないほどたくさんいるのだから。
良き音楽にはスパークとマジックの両方が必要。
多分いい音楽もいい文章も、
食料や水のようになかったら生きていけないものじゃないかもしれない。
でも、この世には、それがないと本当の意味で生きてると実感できない、
そんな人たちは無数にいるのだ。

だから、この世には、音楽家と作家の両方が必要なのだ。


【今日のモノノフ】
朝から、西武BDBOX三昧。
そして夕方からは、地元の映画館でLV。
リア充のクリスマスですが、何か?笑


【今日のオススメ】
何回でもオススメする笑


23 3月

「小確幸」 〜積み重ねのない人生なんてない

ぼくの好きな言葉の一つに、「小確幸」というのがある。
これは、村上春樹氏のエッセイ『うずまき猫のみつけかた』 に出てくる言葉だ。

意味としては、「小さいけれど確かなしあわせ」。
まんまですわ^^;。

例えば、日々の暮らしの中で、こんなことってないかな?
  • 上司に怒られた。そのあと席に戻ってしばらくすると、
    同じ部署の素敵女子からメールで「ファイト♡」ってきた。
  • 夜寝る前にブログを書いてアップ。
    朝起きてカウンターを見ると、いつもの倍の数字を見つけた。
  • 敬愛する人のツイートに共感して、リツイートした。
    しばらくするとその当人から、お礼のメンション来た。
  • 朝起きたら、いい天気過ぎて写真撮ってアップしたら、
    いいね!がたくさんw

そんなとき、心の中で小さくガッツポーズ!
その時の気持ちが、「小確幸」なんだね。

あるとき、その「小確幸」について、少しご年配の方と、
話す機会があった。

ぼくは上のような感じで、「好きなんですよねぇ。この言葉」とかなんとか、
言ったんだと思う。

するとその方は、「村上春樹が言うからいいように聞こえるけど、
僕たち庶民が言ったところで、なんかしょぼいねぇ。小さいねぇ。」
というような意味合いのことを仰った。

まぁ、年配でお客様ということもあり、その場は、
「はは、そういうもんですかねぇ」なんて、曖昧に笑いながら、
その話はそれで終わった。

でもね、本当はこう言いたかった。
「でも、村上春樹さんは、別に今だから言ってるわけじゃなくて、
ずーっと昔からそういうふうに思ってこられた人で、
言わば、そういう積み重ねの結果、今の村上さんにつながってるんじゃないでしょうか」
と。 

他の人から見たら、ちっぽけなことかもしれない。
ささいなことかもしれない。とるに足らないことかもしれない。
でもそこに、自分なりの小さいけれど確かに感じる「善きもの」があれば、
それはたしかに自分の糧となる。

そして、それを積み重ねること。
辛いことや悲しいことが重なっても、自暴自棄にならず、
人を妬まず、考えることをやめず、
その小さな確かなことに幸せを感じる気持ちを失わないこと。

それができるなら、その先にこそ、
なにか大きなことに、つながっていくのかもしれない。

千里の道も一歩から。
積み重ねのない人生なんてない。
そんなお話。 


15 11月

【81】村上春樹 雑文集 - 小説家の本当

小説家の本当ってなんだろう?
村上さんは、小説家とは、
虚構世界を通してしか真実を語れない人種
と定義する。
そしてまた、自分のことを、99%小説家で1%市民とも語る。

この雑文集と題された本は、
そんな村上さんの、作家の本音(でもこれも嘘かも^^;)と、
市民の部分も少し混じってるかもしれない(これまた虚構かもね^^;)、
とても興味深い一冊となっている。

目次を見てみよう。
前書きーーーどこまでも雑多な心持ち
序文・解説など
 自己とは何か(あるいはおいしい牡蠣フライの食べ方)
 同じ空気を吸っているんだな、ということ
 僕らが生きている困った世界
 安西水丸はあなたを見ている
あいさつ・メッセージなど
 「四十歳になれば」ーーー群像新人文学賞・受賞の言葉
 「先はまだ長いので」ーーー野間文芸新人賞・受賞の言葉
 「ぜんぜん忘れてていい」ーーー谷崎賞をとったころ
 「不思議てあって、不思議でもない」ーーー朝日賞・受賞のあいさつ
 「今になって突然というか」ーーー早稲田大学坪内逍遙大賞・受賞のあいさつ
 「まだまわりにたくさんあるはず」ーーー毎日出版文化賞・受賞のあいさつ
 「枝葉が激しく揺れようと」ーーー新風賞・受賞のあいさつ
 自分の内側の未知の場所を探索できた
 ドーナッツをかじりながら
 いいときにはとてもいい
 「壁と卵」ーーーエルサレム賞・受賞のあいさつ
音楽について
 余白のある音楽は聞き飽きない
 ジム・モリソンのソウル・キッチン
 ノルウェイの木を見て森を見ず
 日本人にジャズは理解できているんだろうか
 ビル・クロウとの会話
 ニューヨークの秋
 みんなが海をもてたなら
 煙が目にしみたりして
 ひたむきなピアニスト
 言い出しかねて
 ノーホェア・マン(どこにもいけない人)
 ビリー・ホリディの話
『アンダーグラウンド』をめぐって
 東京の地下のブラック・マジック
 共生を求める人々、求めない人々
 血肉のある言葉を求めて
翻訳すること、翻訳されること
 翻訳することと、翻訳されること
 僕の中の『キャッチャー』
 準古典小説としての『ロング・グッドバイ』
 へら鹿を追って
 スティーヴン・キングの絶望と愛ーーー良質の恐怖表現
 ティム・オブライエンがプリンストン大学に来た日のこと
 バッハとオースターの効用
 グレイス・ベイリーの中毒的「歯ごたえ」
 レイモンド・カーヴァーの世界
 スコット・フィッツジェラルドーーージャス・エイジの旗手
 小説より面白い?
 たった一度の出会いが残してくれたもの
 器量のある小説
 カズオ・イシグロのような同時代作家を持つこと
 翻訳の神様
人物について
 安西水丸は褒めるしかない
 動物園のツウ
 都築響一的世界のなりたち
 蒐集する目と、説得する言葉
 チップ・キッドの仕事
 「河合先生」と「河合隼雄」
目にしたこと、心に思ったこと
 デイヴ・ヒルトンのシーズン
 正しいアイロンのかけ方
 にしんの話
 ジャック・ロンドンの入れ歯
 風のことを考えよう
 TONY TAKITANIのためのコメント
 違う響きを求めて
質問とその回答
 うまく歳をとるのはむずかしい
 ポスト・コミュニズムの世界からの質問
短いフィクションーーー『夜のくもざる』アウトテイク
 愛なき世界
 柄谷行人
 茂みの中の野ネズミ
小説を書くということ
 柔らかな魂
 遠くまで旅する部屋
 自分の物語と、自分の文体
 温かみを醸し出す小説を
 凍った海と斧
 物語の善きサイクル
解説対談 安西水丸x和田誠
とにかく、心に響きまくりなんだけど、
一番好きなのは、友人の娘の結婚式に送った言葉の件。

かおりさん、ご結婚おめでとうございます。ぼくも一度しか結婚したことがないので、詳しいことはよくわかりませんが、結婚というのは、いいときにはとてもいいものです。あまりよくないときには、ぼくはいつも何か別のことを考えるようにしています。でもいいときには、とてもいいものです。いいときがたくさんあることをお祈りしています。お幸せに。

同じ機会があれば、絶対使ってやろうと思ったね(笑)。

そして、超有名な、エルサレム賞受賞の挨拶も全文掲載されてる。
同じ国の人間として、こういう知性を持てた幸せを噛み締める瞬間だった。
世界の人に読んでもらいたい。そこには普遍的なことが書いてある。
人種や宗教
、国家を超えて、人の心に直接響く何かがあると思った。

何かって何?と問われると、ひとことでは言えないけど、
でも、それは、全ての人に理解してもらえるだろうし、
全ての人の中にある言葉だと思う。
それを聞くことで、自分の中に同じ思いが潜んでいることに気づいて欲しいし、
その同じ思いがあればこそ、希望は持てるかもしれない、そう感じて欲しい。

不思議なことに、村上さんの文章を読んだ後に、
ツイートすると、普段と違って、自分的には、
とても納得のいくものができたりすることがある。
思うに、多分、村上さんの、

もし音楽を演奏するように文章を書くことが出来たなら、それはきっと素晴らしいだろうな

というあたり、特にリズム重視ということが関係してる気がする。
ま、気のせいかもしれないけどね^^;。
でも、ノリが良くなる感じは多少なりともするんだよねーwww。 

まさに、この『
雑文集』は、村上春樹的なものが詰まってる。
小説が虚構を通して真実を語るものであるなら、
この雑文集は、村上春樹
の真実を語るものなのかもしれない。
と思わせるのもまた芸のうちってか(笑)。

とにかく茶の間に一冊的な本だね。
村上さんの小説よりは茶の間向けだとは思うな(笑)。

 
村上 春樹
新潮社 2011-01-31
¥ 1,470

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