亡念のザムド

それでも人は
己に言い続けなければならない
考えろと------

油泥海に囲まれた小さな島、先端島(せんたんとう)
70年前の戦いで南大陸自由圏に吸収されたこの島で、アキユキは母と二人暮し。
父親は現在別居中で、小さな診療所を一人営んでいる。

ある日、アキユキは親友のハルやフルイチと通学中、共に爆破事件に巻き込まれる。
爆発によって生まれた謎の光を腕に受け、アキユキはザムドと呼ばれるバケモノに
変身してしまう。自我を失い暴走するザムドの元に訪れたのは赤い髪をした異国の少女
、ナキアミだった・・・・・・。ナキアミはザムドの暴走を止め、国際郵便船ザンパニ号へと
アキユキを連れ帰る。

ザムドの力を制御できるようになることと、いつか先端島に戻る事を目的に、アキユキ
はアキユキはザンパニ号の仲間達と世界を巡っていくのだった。

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* 監督:宮地昌幸
* アニメーションディレクター:奥村正志
* キャラクターデザイン:倉島亜由美
* ザムド・メカニックデザイン:橋本誠一
* メカニックデザイン:山根公利
* ヒトガタデザイン:水畑健二
* 音楽:大島ミチル



■今更だが亡念のザムドが面白い。

■個人的には完全にストライクゾーンど真ん中。久し振りに続きが気になって仕方が無いアニメに出会えて幸せだわぁ。キャラクターが好みなのが一番だけど、練りこまれた世界観と作画の素晴らしさもポイントが高い。自分が大好きな主人公が大きな渦に巻き込まれるタイプの大河ドラマ風な作りなのも良い感じですよ。何つっても一つの大きな乗り物に乗って(ホワイトベース!・・・ザムドではは国際郵便船という設定)移動していく事で話が進んでいく、所謂富野監督的ロードムービーの形を忠実になぞりつつ、キャラはエウレカセブンに近い感じで美味しいとこ取り。あと、ナウシカとかラピュタと言った宮崎アニメの王道も感じさせる辺り、もう一度繰り返しますがかなり美味しいとこ取りの充実した作品になってると思います。

■いま4話まで見終わったところですが、主人公の体に取り付いた“ヒルコ(蛭子)”と呼ばれる異形の生命体?が日本の神話をストーリーに取り込んだ展開を予感させて非常に興味深い

『古事記』において国産みの際、イザナギ(伊耶那岐命)とイザナミ(伊耶那美命)との間に生まれた最初の神。しかし、子作りの際に女神であるイザナミから声をかけた事が原因で不具の子に生まれたため、葦の舟に入れられオノゴロ島から流されてしまう。次に生まれたアハシマとともに、二神の子の数には入れないと記されている。

■ヒルコに寄生されて暴走するアキユキに突如空から飛行物体に乗って現れた紅い髪の少女ナキアミは、アキユキにこう言う。

「生きたければ、そう強く願え」
「生きたければ考えろ。でなければ石になってしまうぞ」

■ヒルコがどういう物体で、どうして生まれてきたのかは今後のお楽しみですが、人間(生命体)の意志を具体的な世界への干渉として動かせる力への変換装置としての機能があるような気がしますが、気のせいかも?

■それに留まらず、多彩な民族を作品に登場させる事によって民俗学的(フォークロア)なテーマや、民族と繋がりの深い宗教の問題にも浅からず踏み込んでくれそうな予感があってこちらも目が離せない。南大陸自由圏と少数民族的な単純な対立構造に陥らない、もう少し深い展開を期待したいところですが、あんまり最初から期待しすぎるのもアレか。しかしヒロインのナキアミの国籍が不明なのは意味深だ。

■そう言えば1話でアキユキがザムドに取り付かれるきっかけとなったのが、白髪の少女ナズナが自爆テロを起こしたからなのだが、ナズナが所属する謎の組織(組織と言うか共同体か、若しくは宗教団体か)の子供たちは何故か全員白髪と言うのも謎めいている。フルイチの言葉によれば同時期に突如先端島に現れた飛行隊は「北の侵攻」と言っていたがナズナが所属する団体と何か関係があるのだろうか?

■配信の仕方が特殊すぎるので、ダレにでもお勧めできないのが非常に残念ですが、「ナウシカ」「ラピュタ」「キングゲイナー」「エウレカセブン」辺りに引っかかる人は、恐らくかなり楽しめるのではないかな。映像のクオリティーも文句なしで高いですから。

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こちらはPVです。