IMG_20161112_142716

2016年11月12日。今日は割りと特別な一日でした。「この世界の片隅に」が公開初日を迎えたから。

思い返せば2015年の3月にクラウドファンディングでこの作品の映画製作費を募っていたのをみて何故か気まぐれに、でも迷いなく少しお金を出そうと思ったのが始まり。その後も出資支援者にたいして密な情報提供を続けてくれたし、イベントも様々なところで行っていたので、都合が付く場合は参加したりして、ゆるゆると映画が出来上がっていく過程を端っこの方で応援させてもらってた。特に熱心に応援していると言う自覚も無い程度の温度感ではありましたが、これまで体験したことがない作品との関わり方に実は結構興奮していた。

作品の出来に関してはあまり意識はしないようにしていた。傑作になるような予感もあったし、もしかしたら自分が好みの作品では無い可能性もちらっと頭をよぎったり。でも、そのうちに公開された予告編をみて「これはきっと大丈夫だ」と安心していた。

公開初日の1番上映。一般で見れる一番早いタイミングでみようとチケットをネットで予約。その時点ではまだあまり席は埋まっておらず、少し心配になりながら劇場に向かったんだけど、いざ入場してみると7〜8割は席が埋まっていて、関係者でも無いのになぜかホッとしてしまった。

さて、作品の出来ですが、安心してください。素晴らしい出来です。まったく派手さが無いので多分「君の名は」みたいに若い層の熱狂的な支持を受けることは無いと思いますが、これは時間を掛けて広く深く広がっていくタイプの作品だと思います。多分なんですけど、普段アニメを見慣れていない層のほうが受け入れやすい作りにはなってるかと。ただ、劇場の初週の入は何かと大事だと思うので、出来れば興味のある人は早めに観に行ってほしいなぁ、と思います。

個人的には何気ない日常の生活をこれ以上無いくらい丁寧にしっかりと描いていてもうそれだけで大満足。子供の頃から他の男の子たちと違ってそとで走り回るよりは、家の中で母親の家事を見たり、手伝ったり料理をしたりするほうが好きだった自分としてはこう言う作品には無条件でやられます。やっと「赤毛のアン」と肩をならべる作品が出来たなぁと言う気分です。これを「日常系」というと、最近はやりの萌キャラの日常ギャグと区別がつかなくなるので、「生活系アニメ」とでも言っておきますか。多分「よつばと!」なんかもどちらかというとこっちのカテゴリーに入るのかな?

そして「すずさん」の可愛らしさ。この可愛さは漫画でも十分可愛いのに、動きと「のんちゃん」の素晴らしい声が加わって悶絶物の可愛らしさになってます。本当に本当に可愛いので是非劇場のスクリーンで。

すずさんが健気に生きてる世界をずっと見ていたいと言う衝動に駆られます。映画を見終わった瞬間もう一度みたいと思ったくらい。ずっとあの世界に浸っていたい。そう言う気持ちが持てたら、多分この作品が作られた意義は必然的に達成されると思います。世の中には絶対に傷つけたくないほど素晴らしものがある。その素晴らしいものはちゃんとフィルムに焼き付けられてました。損なわれる痛みと共に。立ち上がる強さと一緒に。

この世界の片隅に 劇場アニメ絵コンテ集
「この世界の片隅に」製作委員会
双葉社
2016-11-02