こんばんは、岡崎葵メダカの店長、天野です。

 当店ではこれまで新たなメダカについてはその作出経過や特徴などをメダカ愛好家の皆様にご理解いただけるように発表時にお伝えしてきています。

 今回販売する垂水さんのメダカ、マリアージュキッシングワイドフィンについてもこのブログでお伝えしていきますが、マリアージュロングフィンについてもリリースした時に当店のブログで詳しい説明をしていますのでそちらのブログも併読していただければ一層理解が深まると思いますのでここでリンクを張っておきますね。

垂水ブリード鱗光ロングフィン×モルフォF2の販売について

マリアージュロングフィンについて


 それでは今日の話題はマリアージュキッシングワイドフィンについて、その特徴を作出者である垂水さんご本人による図解&文章による説明をお伝えします。


 最初に尾筒の部分の太さについて解説です。画像はメス個体です。


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 赤で書いてあるのが一般的な普通種の輪郭線です。
 
 次にこれまでの一般的なマリアージュロングフィンとマリアージュキッシングワイドフィンとの違いを図解&垂水さんの言葉でお伝えします。


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 以下は垂水さんによる解説文章です。

 マリアージュ・キッシングワイドフィンは大まかに言うと、赤ラインが従来のメダカのラインで、背ビレと、尻ビレの先(尾ビレまでの尾筒と言われる細い部分)が、短くなる事で、寸胴な体型になりました。
尾筒が短くなった要因は、背ビレと尻ビレがワイドに広がったためだと考えています。

尾筒が単純に短くなって、ダルマ体型になった訳ではありません。


 上記解説でかなり理解が進んだと思います。


 次に紹介するのは作出と命名経緯についてです。垂水さんご本人の説明文です。


【マリアージュ・キッシングワイドフィンの作出と命名経緯について】
マリアージュロングフィンの選別交配を進める中で、より派手なロングフィンに改良するため、①ヒレの分岐が激しく、ロングフィンの発現が良いもの。②ヒカリ体型に比べ見劣りする普通体型の背ビレを改善するため、ヒカリ因子の影響が現れた幅広の背ビレを持つ種親を選ぶ。③尻ビレの分岐していない部分が帯状に長いハイフィンタイプを種親に選ぶ。を、行いました。狙って作った訳ではありませんでしたが、結果、この3つの形質の融合から、マリアージュ・キッシングワイドフィンの特徴である、尻ビレの条数を増やし、幅広(ワイド)にする形質が現れ、尻ビレや背ビレが尾ビレと密接し、尾筒と呼ばれる部分を無くし、体高のある太い体型が誕生したのではないかと考えています。
そのヒレ同士の姿が、近づいてキスする恋人に見える事から、キスする幅広(ワイド)なヒレ→「キッシングワイドフィン」と呼ぶ事にしました。


 これまでの解説を踏まえて下の画像(雌雄個体で垂水さんから届いた親メダカの画像です)をご覧くださればマリアージュロングフィンとの違いが納得できると思います。


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 上がオス、下がメスのマリアージュキッシングワイドフィンです。


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 今回販売予定のマリアージュキッシングワイドフィンはその特徴を伸ばすべく選別した親メダカから採卵&育種をF3~4まで累代してきた個体です。

 かなりの固定率だとの事です。


 ※続く