青山貞一ブログ

独立系メディア「今日のコラム」に連動するブログ

2005年04月

静岡市吉津の「放置17年焼却灰の山!」番組、地元で放映されず!

   2005年4月19日、日本テレビ系で静岡市吉津地区で起こっている膨大な焼却灰を含む産廃の実質不法投棄問題に、地元住民団体が敢然と挑んでいる報道番組が放映されました。

 その焼却灰に含まれるダイオキシン類の濃度には、3000pg-TEQ/gを超過するものもありました。これらが最終的に安倍川に流れ込む藁科川の上流の土地のあちこちに不法投棄されているのです。

 焼却灰は廃棄物処理法では管理型処分場あるいは遮断型処分場に処分しなければならなくなっていますが、この大規模な焼却灰不法投棄行為を静岡市は「業者を指導している」と言うだけで実質的に17年間も放置してきたと言います。

 それだけではなく、この問題に敢然と闘う市民団体に、市役所幹部は、「ダイオキシンなど怖くない。危険なものではない。」と言いながら「みなさんこれを読みなさい」と、渡辺正氏の例の本やコピーを手渡し、さらに市役所幹部は、住民説明会で3000ピコ超の分析結果やそれを分析した民間機関を誹謗中傷する始末です。

 静岡市吉津地区の焼却灰の大規模不法投棄問題は、地元住民団体のひとりで自宅の際まで不法投棄の焼却灰が押し寄せている、NPO/NGO環境行政改革フォーラムの一般研究発表(早稲田大学理工学部で開催)で発表されました。また、当時、私とゴミ弁連会長の梶山正三弁護士が現地を視察し静岡市でこの問題の解決方策について講演してきました。

 本来、早期段階で刑事告訴(刑事告発)及び原状回復、さらに損害賠償請求などの訴訟を提起すべきものであり、梶山弁護士と私はそれを地元住民団体に提案しましたがが、地元住民団体がさもなくとも村八分的な扱いを現地で受けており、弱体なため、いまだ司法的対応はなされておりません。
 
 さらに驚いたことに、何と、このテレビ番組は、静岡市役所や産廃業者に気を遣ってか? 地元静岡では放映されないと言う信じられないことが起こっています。したがって、地元住民団体も番組そのものが見れないのです。

 このこと一つをとっても、今の静岡市の現状、実態が分かると言うものです。

「地球環境大賞」授賞式に参加して




 2005年4月14日、第14回目の
「地球環境大賞」授賞式に学長の代理で行って来きた。

 好天に恵まれ、まだサクラが残る明治記念館のお庭での秋篠宮ご夫妻との歓談があり、その後、授賞式、レセプションとすべてのプログラムに参加した。

 私の席は隣が秋篠宮家、宮内庁、前がトヨタ副社長、後ろが東京電力会長代理などで、少々、居心地が..だったが、ななかなすばらしい授賞式だった。



 この「地球環境大賞」はフジサンケイグループの主催、世界野生生物基金WWFジャパンが特別協力だが、私自身、4年ほどフジサンケイグループのシンクタンク部門の所長として在籍したこともあり、昨日は事務局にいる古巣の知人に会うことができた。

 レセプションでは、小池百合子環境大臣らの祝辞があり、大臣は、「地球温暖化対策との関連で申しあげますと、フジサンケイグループのみなさまは、ぜひこの夏より冷房温度を上げるために、ノーネクタイでラフな格好をお願いします」、と述べました。

 一瞬会場がシーンとなった。 その後、会場大爆笑となった。

 会場にはフジサンケイグループ会長の日枝氏、ニッポン放送社長の亀淵氏らフジサンケイグループの全幹部が主催者としており、おりしもホリエモン騒動との関連で大爆笑となったわけだ。



 肝心な
第14回の受賞者だが、優秀環境大学賞は、京都精華大学が受賞した。理由は学部でなく大学全体でEMS(ISO14001)を取得し教職員、学生を含め全体で活動していることにある。確かに大学全体となると武蔵工大は環境情報学部だけと言うことになる。



 優秀環境自治体賞は、静岡県三島市、優秀市民グループ賞は、とよなか市民環境会議アジェンダ21が受賞した。ちなみに私が着任している武蔵工大環境情報学部は優秀環境大学賞の第一回目受賞者であり、受賞者OBとして招待を受けた。

 なお、地球環境大賞は
松下電工、経済産業大臣賞はシャープ、環境大臣賞は大日本印刷、文部科学大臣賞は清水建設、経団連会長賞は、日本郵船、フジサンケイグループ賞は富士ゼロックス、地球環境会議が選ぶ優秀企業賞は新日鐵だ。

 ちょっと残念だったのは、レセプション会場の各テーブルに灰皿がおいてあり、受賞者の随行者らがプカプカとタバコをすっていたことだ。日本の男性は世界の先進国で一番喫煙率が高いのだが、もっとも身近なところでこれでは、いくら地球環境大賞を受賞しても??だと思う。

 それに、明治記念館の駐車場には主催者や受賞者の上場企業、列席したや政治家らの運転手付き黒塗り自動車が100台以上駐車していた。せめて授賞式の時くらい、電車で来てもよいと思う。開催場所の明治記念館は、信濃町駅から徒歩わずか5分なので。


フジテレビ 「クイズ$ミリオネア」スペシャルで田中康夫知事 15問 全問正解!


 東京など関東地方では、フジテレビ(JOCX、8チャンネル)、長野では長野放送(8チャンネル)で2005年4月7日放映された「クイズ$ミリオネア」スペシャルに出演した田中康夫長野県知事は、難問、奇問の15問、全部を正解し、何と賞金1000万円を獲得した。クイズに先立ち、知事は、獲得した賞金を両親に海外旅行をさせる資金にしたいと述べた。


田中康夫氏が獲得した1000万円の小切手

 「クイズ$ミリオネア」スペシャルは、みのもんた氏が司会、田中知事の応援には友人で俳優の菅原文太氏が出演した。 田中知事は、長野県特産の小布施ワイナリーのワインを番組中にみのもんた、菅原文太の両氏に振る舞い、一緒に飲むなど、信州名産品や長野県政大改革のPRに大貢献した。

 フジテレビによると「クイズ$ミリオネア」スペシャルの視聴率は、3時間の番組全体の平均視聴率が17.9%。知事が出演した部分は常時20%台。瞬間最大視聴率は25.6%を記録。最大視聴率は田中知事が最終問題である第15問目を回答するあたりだったと言う。日本全体の世帯で4世帯に1世帯が見ていた事になる。長野県にとってこれ以上の広告塔はないだろう。

 ちなみに、フジテレビによると、この週(4月4日〜10日)は期首特番が多かったが、全局の週刊視聴率で第7位。同1位の「めちゃ×2イケてるっ!スペシャル」も平均視聴率は20.9%なので、瞬間最大視聴率の25.6%はかなりの数字だ。

 これに対し地元新聞の信濃毎日新聞は、「田中知事が出演した民放クイズ番組が7日夜、放映され、県庁などに、「知事が芸能人のようにクイズ番組に出るのはいかがなものか」といった電話が相次いだ」と、
2005年4月8日朝刊で書いている。信毎が「批判相次ぐ」と大書するのは、いまにはじまったことで驚きはしない。

 田中知事によれば、「クイズ$ミリオネア」出演に対する批判メールは私的、公的アドレスを含めて現在まで2通のみ。残りの数多くのメールは何れも賞賛系とのこと。 広告代理店に勤務する専門家によれば、仮に全国放映で約40分にわたりゴールデンタイムでPR、CMを行なうすると、最低でも数千万円の広告的価値があると言う。信州・長野県を知事自らが率先し孤軍奮闘でPRしていることになる。

 これを「批判相次ぐ」など、実態とかけ離れた常套句で大書してよいものか? いつもながらのこととは言え、この種のタメ記事に疑問を超え、怒りを感ずるのは私だけではないはずだ。

 今回に限らず、地元メディアや県議会筋は、知事が全国放映のテレビに出演すると、まさに「タメにする批判」を連発する。しかし、全国47都道府県でこれほど広告塔となれる知事は、田中知事をおいて他にないだろう。後援会副会長の自宅にいた両親も大きく何度も紹介され、ほほえましい映像が全国に流れていた。

 何と言っても、最終問題以前に、田中知事に良く似たお母さんが紙吹雪のために紙を手でちぎっていた様子は、いかにも田中一家と言うところか。また難問の第15問で、後援会副会長のアドバイスが的確(正解)であり、田中知事が最終的にそのアドバイスに乗って回答し、全問正解したことも、政治姿勢に通ずるものがあるなどと思ったりした。 

写真展:ベトナム枯葉剤、30年間の記録


  知人の写真家、中村悟郎さんが「ベトナム枯葉剤、30年間の記録」と題して以下の写真展を東京で開催する。ぜひ、ご参加頂きたい。以下は、中村さんからのご案内。


 今年はベトナム戦争終結30周年(4月30日)の年でもあります。

 それを機に、この30年間撮り貯めた枯葉剤問題の写真をニコンサロンで展示いたします。

*時・所:
  ・4月11日〜23日東京銀座ニコンサロン  
   (地下鉄・東銀座下車、クレストビル2階、03-3248-3783) 
  ・4月28日〜5月10日大阪ニコンサロン
   (梅田・新サンケイビル06-6348-9698)

 当時出会った子どもたちは今は成人しましたが、障害を抱えたままです。亡くなった人も居ます。そうした人々をベトナム、アメリカ、韓国で訪ねました。

 韓国は米側の要請に応じて大部隊の海外派兵を行なった結果、兵士の多くがダイオキシンを浴びて復員しています。しかし米政府は補償しません。

 米連邦地裁は先月、ベトナムの枯葉剤被害者からの救済の訴えを却下しました。米国がやっているのはアメリカ兵を救済することだけです。

 お時間があればどうぞご覧ください。私自身は4月14日まで会場に居りますが、15日からベトナム取材に出ざるを得ず、5月2日には関空に帰って大阪会場に行くつもりです。失礼ばかりとなりますが、これもまたお許し頂ければと思います。

長野県議会が全面削除した環境保全研究所長の報酬への県議、知事の反論!

  長野県議会の2005年2月議会で、田中康夫知事に「是々非々」ならぬ「非々非々」の7会派は、こともあろうか人事権が及ばない環境保全研究所長の平成平成17年度の報酬全額を削除した。

 以下は、北山早苗県議(あおぞら)、宮川速雄県議(あおぞら)、田中康夫知事さらに「広報ながのけん」における反論である。

■北山早苗長野県議の反論 2005 年 4 月 6 日
2月県議会の検証<4>政務調査費190万円を使った言い訳広告
〜 さわやか早苗日記367 〜


 今回の削減の中で、私が最も残念に思うのは、環境保全研究所長の報酬である。

 昨年9月県会の一般質問の中で、私は「公害や環境の破壊を未然に防ごうと努力する住民の取り組みを支援する制度などを、検討して欲しい」と尋ねたところ、知事は「環境保全研究所が住民からの要望に基づいて環境測定を行い、データを提供する活動も、より積極的に行いたい」と答えてくれた。

 その時に大事なのは、研究所が県の機関であっても第3者的な立場で測定やデータの提供をすることだ。

 つまり、外界の感覚を持ち続けながら第3者的な立場で目を光らす人として、武蔵工業大学環境情報学部教授で環境総合研究所長である青山貞一氏が、非常勤でありながら長野県環境保全研究所の所長であることが、大変重要だったのだ。

■北山早苗長野県議の反論 
2005 年 4 月 8 日
2月県議会の検証<5>耳を貸さず誤認を押し通す県議の目的は?
〜 さわやか早苗日記368 〜


 (前回の続き)県議46人の政務調査費約190万円を用いた意見広告には、環境保全研究所長の報酬全額削減に付いて、『研究所は、春雨の有害物質誤検出・誤発表以来3ヶ月もの間、農産物や食品の検査ができなかった。所長である青山貞一氏は、月に3〜4日程度しか出勤せず(月の報酬40万円)、所長としての責任を果たしていない。議会は、何度も常勤で責任の取れる所長の配置を強くお願いし、常勤所長が実現した。』とある。

 中国産はるさめの誤検出、誤公表は、報告書にもあるが、現場部門と管理部門、現場と責任者との間の基本的な報告、連絡、相談が、長年行なわれていなかったことが原因あり、所長が非常勤であろうと、常勤であろうと関係のないことだ。

 また、環境保全研究所は、昨年4月に衛生公害研究所と自然保護研究所が、県の環境を保全する目的で一緒になったもの。青山所長の出勤日数は5〜10日/月であり、県議の広告は、旧衛生公害研究所に行った日数だけをカウントしたもので誤り。

 これ以外に、大学の研究室や土日に自宅で対応した知事、各部局への助言、県
庁職員への対応、調査解析、講演、審査員など多くの仕事を行っている。研究所長の業務はただ椅子に座っていることではない。常に外界の感覚を持ち続けながら第3者的な立場で目を光らせ、所長自らが行動し実践する意欲ある人であったからこそ、研究所が活発な研究機関に生まれ変わった。 

 月40万でそのような人材に働いてもらえるのは、県民にとって有利なことであり、非常勤だからこそ可能になる。

 それでも、県議達が常勤ということにこだわるのなら、あおぞらの宮川議員が、再議の際、報酬カット反対討論の中で、「常勤の所長を遇するために、己の身を削っても、2000万円の報酬を出そうという増額修正案が、何故、出し得なかったのか」と言うように(全文は下記から)、まず議員報酬をカットすべきだ。

 更に、「農産物」については、一般質問にもあったが、県内農家が出荷する農産物を流通前に環境保全研究所で検査する仕組みになっていると県議達は誤認し
ている。保全研は店頭に並んだ農産物の抜き打ち検査が仕事だ。

 このような検査の仕組みや青山所長の勤務・仕事内容について、生活環境委員会では理事者側が詳しく説明したが、県議達は解ろうとせず、意図的に耳を貸さないようであったと聞く。それは、『とにかく削ること』が目的だからである。

そしてその先の目標には県知事選や自分たちの選挙がある。

 私は、つくづく、県議というのは、県民や長野県のためではなく、選挙のために仕事をしているのだと感じる。県民の皆さんからは「目標に対して、回り道でも多くの意見を取りまとめて達成させてほしい」というご意見もいただいているが、非々非々県議達の目標が選挙である限り、それは難しいと言わざるを得ない。
 
 議会の役目は『チェック&提言』と一般的に言われる。ムダを削るだけでなく、将来を見据えた上で今必要な具体的提案をしていくのが必要なのに、ケチをつけるだけの県議会にはそれがない。「議会側に相談もないうちに予算案を決めた」と県議達は口を揃えて言う。しかし、一般県民に予算案に対して意見を聞く期間が設けられており、あおぞらでもその時に要望をあげている。

 もっとも昔は「先生の地元に**の予算付けました」なんてことが当たり前に行われ、それが議員達の地元選挙民に対する勲章だったと聞くが、今はそれも出来ない。過去の遺物を未だに夢見ているようでは、クイズ・ミリオネアで最終地点にまで見事に達してしまう智性勘性の鋭い知事に、かなうはずもない。


■田中康夫長野県知事の反論 2005年3月24日
長野県議会における知事による「再議」要旨


 次に、第6款生活環境費第1項地球環境費中の環境保全研究所長の報酬の減額についてであります。

 現在、環境保全研究所長を務める青山貞一氏は、地球の有限性に関する問題意識を共有する全世界の碩(せき)学が集うローマクラブの日本事務局を経て、フジテレビジョン系のシンクタンク所長として活躍された、環境問題の第一人者であります。

 氏は、環境保全研究所の業務に留(とど)まることなく、地理情報システム(GIS)の構築、コモンズ新産業創出事業選考委員等、さまざまな仕事にご尽力下さり、各部局や現地機関からの依頼に基づく講演もお引き受け下さり、幅広く県行政に貢献していただいております。この予算の減額は、県行政の遂行に甚大なる支障をきたすものであります。

 武蔵工業大学教授の重職にある氏の本県における活躍を評価し、ならば、常勤雇用を求めるべき、との意見も議会内にあるとお聞きしました。が、それこそは、より良き相対主義の心智=メンタリティからは程遠い、敢(あ)えて申し上げれば「『長野県』天動説」とも呼ぶべき、身勝手で絶対主義的な理屈ではないでしょうか。


■宮川速雄県議の反論 2005年3月24日
長野県議会における田中康夫知事の「再議」演説への賛成討論
平成17年2月一般会計予算案の再議に対する賛成討論


 先に可決された修正案のうち、環境保全研究所の管理運営費に関する修正案は、非常勤の特別職である所長の報酬・480万円を全額カットしたものですが、この結果による所長の不在は、長野県の目指す環境政策に重大な支障を来たすものとして、わが会派の林議員が強く反対しました。

 報酬の全額カットによってもたらす結果は、任命権者である知事の人事権への侵害であります。

 そもそも、この報酬は、長野県が進める環境政策に相応しい人物に長野県が信頼し、尊重して支払われるものであり、その雇用条件、就業形態、責任と権限及び報酬などは、要綱によって決めらるものです。その条件のひとつである、報酬を全額カットして、雇用を不能させる行為及び権限は、議会にはありません。

 つまり、知事の人事権への介入であります。

 長野県が、来年度の環境保全研究所の非常勤・特別職の就任を予定している青山貞一氏の長野県に対する貢献度は、環境問題に限らず、衛生部、経営戦略局、企画局、農政部、林務部、土木部、商工部など多岐に渡っており、その業績を過小評価すべきではありません。

 修正案の理由によれば、「中国産はるさめの誤検出、誤公表は、非常勤の所長であること」をことさら強調していますが、報告書にもある通り、これは、現場部門と管理部門、現場と責任者との間の基本的な報告、連絡、相談が、長年行なわれていなかったことが原因であり、これらが厳密に行なわれていれば防げたことです。つまり、所長が非常勤であろうと、常勤であろうと関係のないことで、そのような体質そのものが問題の本質なのです。

 とまれ、修正案の理由によれば、「再三、常勤の所長を求めた」とありますが、ならば、常勤の所長を遇するために、己の身を削っても、2000万円の報酬を出そうという増額修正案が、何故、出し得なかったのでしょうか。


■2005年3月26日発行の広報ながのけん


 

長野県議会が全面・大幅削除した田中知事肝いりの事業予算!

  長野県の2005年2月県議会は、理由にならない理由、わかりにくい理由、ひとことで言えば「タメにする理由」(あらかじめ批判することが理由であると言う意味)で田中知事の肝いり予算が全額あるいは大幅に削除された。

 常日頃、田中康夫知事バッシングの急先鋒でまさに「タメにする記事」を書きまくっている信濃毎日新聞だが、その信毎の記者でさえ2月議会について次ように書いている。
  
相次ぐ予算修正  理由分かりにくさ
公式の場  議論不足
2005.3.23信濃毎日朝刊記事抜粋
 今県会の委員会審議は22日の総務委員会で終了し、来年度県当初予算案の削除、減額の修正案の可決は5件に上る。本会議でも修正案が可決される見込みだ。予算修正は、田中知事に批判的な8会派(現7会派)の幹事長らが朝食会で情報交換するようになった昨年2月定例会以降、目立っているが、踏み込んだ審議に至らず、削る理由、削らない理由が分かりにくいケースもある。
 註:田中知事に批判的な8会派(現7会派)は、自由民主党県議団、
   県民クラブ・公明、緑のフォーラム、志昂会、県民協働・無所属ネット
   緑新会、政信会。これらの多くは田中知事に対し当初「是々非々」
   でのぞむとしていたが、現在は「非」的対応となっている。

 7会派による田中知事の肝いり予算の全面・大幅予算は、県民ニーズにそったものとは言えない。それはまさに「タメにする予算削除」であるからだ。すなわち田中色がもっとも濃厚な事業や人事の関連予算を、片っ端からろくな議論もせずに切り落とした。関連委員会で7会派の議員が多数をもっていることから、問答無用に近い方法で、全額・大幅削除を断行したと言うことだ。田中知事の肝いり予算の削除があらかじめあり、あとからとってつけたような理由をつけたと言うのが実態ではないのか。

 もっぱら、これほど酷い議会は、なかったものの、県議会における「タメにする議論」や「タメにする予算削除」は今にはじまったことではない。

 実際、この一年だけをとっても、田中知事が提出する全国に先駆けての条例案や政策それに施策を否決している。しかも、地元新聞と連携することで、議会が近くなると、にわかに唐突に、田中知事の政策をことごとく政局化させるような動きが顕著になってきた。すなわち次期(2006年夏)の知事選に絡め、知事の支持率を低下させたり、あたかも知事のスキャンダルであるかの如くにするのである。このような7会派とメディアの連携による卑劣なやり方がいかにおかしなものかを、多くの県民はすでに見抜いている。良識ある県民は、このような県庁所在地(長野市)で起こっている茶番劇に、もうへきへきとしているのである。

 友人で日本を代表とする見識ある月刊雑誌の編集長は、「いやはや、大変な議会ですね。これは田中知事への『いじめ』でしょうね。本当にお疲れ様でした」と言っている。編集長が言うように、いまの長野で行なわれていることは、知事を標的にした執拗な集団的な『いじめ』とも思えるのである。

 事実、長野県が実施している県民世論調査では、7会派が削除した事業が県民ニーズが高いことも明らかになっていると言う。逆説すれば、県民から選ばれたとことある度に公言している7会派議員が、少なくとも県民の代理人、代弁者として機能せず、また「是々非々」にもなっていないことを示すものだ。

 最近、「しなやか会」を退会した茅野実氏はじめ、7会派の県議の多く、さらに地元メディアは、ことさらそしてことあるたびに田中知事は「壊すだけで創る努力をしない」などと批判してきた。だが、今回の議会であらためて著となったことは、これでは田中知事や県政が新たな信州を創りたくても創りようもないと言うことであった。

 先に「今日のコラム」で報告した
長野県知事、総合実力・実績で47都道府県知事中ナンバーワンに!を見ると、これだけ理不尽な7会派の批判や反対の連続の中で、よくぞ信州・長野をこれだけ改革してきたものだ、と感心するのは筆者だけでない。「これでここ数年長野で起こっていること、知事がしてきたことが良く分かりました」と言う趣旨のメールが沢山寄せられている」

 ※
長野県知事、総合実力・実績で47都道府県知事中ナンバーワンに! 

 平成17年度一般会計予算の総額に比べれば全面・大幅削除された事業予算や人事関連所産は微々たるものだ、と言う趣旨のコメントが一部議員らが地元新聞に出した意見広告にあるようだ。しかし、逆説すれば、これは大部分の巨大予算についてはろくな議論もせず素通りさせ、田中知事の肝いり予算だけを標的にして「タメにする予算削除」したことを、世間に公言にたようなものではなかろうか。

 いずれにしても、田中知事に「是々非々」で対応する言っていた議員が、「非々非々」議員と化している。このような議員とメディアの言動に、本質が見えている多くの県民はウンザリとしているのである。

 7会派の議員らは、自分たちの前に「●●の壁」をつくり、それら県民、世論を知らない、知ろうとしない議員やメディアはおろかではないか。まさに今の長野ほど、ただ田中知事をバッシングすることに終始し、議員やメディアがその本分を忘れている地域は日本広しといえ、他にないのではないかと、憂慮する。県民不在であり、県民は実に不幸だ。

 また結果的に現職の環境保全研究所長の生首を切り落とす平成17年度報酬の全額削除は、地方公務員法や労働基準法に違反する可能性が大である。

 なぜなら、県議会には副知事、出納帳、教育委員長など議会承認事案でなく知事の専管的権限である人事権を同決議は、実質的に侵害している可能性が大であるからだ。常勤の地方公務員(一般公務員)は、地方公務員法、地方自治法でその身分がいくえにも厳重に守られている。他方、非常勤の現職特別行政職公務員は、いとも簡単に首となることを2月議会は示したとも言える。7会派議員による事実、実態から乖離した「タメにする理由」で人権さえ軽視したいわば政治的意図による報酬全額削除は、行政法、労働法の法理からも大きな疑義がある。

 知事は常々県職員に「バカ者、若者、よそ者」を大切にし、そこから多くを学べと言っている。だが、いわば「よそ者」への人権無視の理不尽な決議が、こともあろうか立法府(=議会)内でまかり通っているところに、今の長野県議会の常軌を逸した現実があると思えるのである。本コラムでも報告したように、常軌を逸したヤジを飛ばす議員らを放置し、他方、「よそ者」に対し問答無用で理不尽な決議をする7会派議員にはただただ呆れるばかりである。

 ※
田中康夫:怒号飛び交うわが長野県議会の悲しき姿
   田中康夫知事、異例の議長申し入れの背景(法的検討)   

 寂しいかな、これが長野県の実態であり現実である。

全国一の長野県知事の実力・実績と著しく乖離する県庁所在地でのタメ議論

  この一年、長野県ではマスメディアと県議会議員らによって田中知事と田中県政への激しいバッシングが連日連夜行われてきた。2005年2月の長野県議会では、反田中を旗幟鮮明にする会派が知事色の強い政策、施策、人事をねらい打ちにし、予算の大々的な削除、大方の人事の否決を行った。

 県議会の総務委員会などでは地元メディアが2月県議会に向けて、議会の開催前から執拗に知事追求記事を延々と掲載し続けた。各委員会でも主たる理由や説明もないまま、予算の大幅削除や人事案の否決が次々と行われた


 
予算全体額に比較すれば否決された額そのものは小さいものの、田中知事の肝いりで進められてきた政策、施策、人事がことごとくねらい打ちにされた感は否めない。しかも、県民にとって非常にわかりにくい議論と理由でそれらのバッシングが行われてきたところに2月議会の大きな特徴があると言ってよい。


 ※ 
どの政策、施策、人事が否決されたかは、
    広報ながのけん(PDF)最新号(2005.3.26)
    及び以下の田中知事の再議趣旨説明演説をご覧頂きたい。
 
    
2月県議会定例会再議提出にかかる知事説明要旨

 
北山早苗議員(会派:あおぞら)は、そのような会派の態度を指して、「是々非々」ならぬ「非々非々」会派、議員と呼んでいる。まさに言い得て妙である。現在長野県議会の会派、議員の多くが反田中色を鮮明にしているが、もとはと言えば、田中知事には「是々非々」で望むと言っていた。

 だが、この一年は、まさに田中知事が出す条例、政策、施策、人事をべからく否定する「非々非々」的な対応が顕著となっている。まさに「非々非々」そして「非々非々」会派化、議員化しているようだ。また総務委員会などの議論、審議は、あらかじめ「非々非々」議員、会派が委員会以前の段階で事前打ち合わせすることで、まさに「皆で渡れば怖くない」というような対応でバッシングが延々と繰り広げられた。


 
ところで、2月議会の最終日、宮川速雄議員(会派:あおぞら)は田中知事による「再議」主旨説明の後に次のような意見を表明した。すなわち、反田中会派がそこまで田中知事の目玉政策、施策、人事を拒否、否定するのなら、いっそのこと「知事の不信任を出せばいい」と。

 このような政治姿勢は、知事に対し「手続民主義」を説く、彼ら流の議会制民主主義を否定するものでもある。

  ※ 
2005.3.26毎日新聞長野県版記事抜粋
     提案された再議に対する討論では、宮川速雄議員(あおぞら)
     が「予算削除は弱者切り捨て、観光立県否定。あちこちの予算
     を切れ切れに削除するのではなく、知事不信任をなぜ出さない
     のか」

 それほど2005年2月の長野県議会では委員会、本会議ともに議論にならない問答無用なバッシングと単純多数決による田中知事の目玉政策、施策、人事への否決、大規模修正が相次いだのである。地元新聞はこれを以下のように書いている。


 
 ※ 2005.3.23信濃毎日朝刊記事抜粋
     相次ぐ予算修正 理由分かりにくさ 公式の場 議論不足
     今県会の委員会審議は22日の総務委員会で終了し、来年度
     県当初予算案の削除、減額の修正案の可決は5件に上る。
     本会議でも修正案が可決される見込みだ。予算修正は、田中
     知事に批判的な8会派(現7会派)の幹事長らが朝食会で情報
     交換するようになった昨年2月定例会以降、目立っているが、
     踏み込んだ審議に至らず、削る理由、削らない理由が分かりに
     くいケースもある。

 
今の長野県では県会とメディアによる一方的な田中知事や県政へのバッシングのため、田中知事や田中県政を客観的かつ冷静にその実力、実績を評価することができない状態に陥っていると言ってよい。ただ知事や県政を感情的に批判、非難、毀損する、「タメ」にする批判、非難が渦巻いている。さらに今の長野の県庁所在地周辺では、田中知事の理念にもとづく各分野の<政策>内容を、なにかにつけ<政局化>するような動きがまかり通っていると言ってよい

 
そんななか
今回の全国知事実力調査で分かったことは、利害関係がなく、政治的にも中立な第三者が客観的指標をもとに評価すれば、田中康夫知事の実力、実績が全国で群を抜き高かったことを示している。

 
これはとりもなおさず、マスメディアと県議会がことさら田中知事の実力と実績に目をつむり、県民の目と耳からそれらを徹底的に隠してきたことを示すものと言える。すなわち、重要な情報を県民に知らさず、情報を操作し、ひたすら本質的とは言えない問題で知事の揚げ足を取る。そうすることで知事の名誉や信頼性を毀損し、結果的に事の支持率を低下させてきたと考えられる。

 せっかく自民党本部や衆議院文部科学委員会が田中知事に講演を依頼したり、参考人意見を依頼しながら、自民党の県連が本部にねじ込み、講演や後述を辞めさせた事実からも察しがつくというものだ。

 さびしいかな、これが日本の地方改革の最前線における地方政治の実態である。 


 
長野県の「」「」「」「」「」のうち、国民及び県庁所在地以外の人々にであまり知られていない「」(政治)、「」(マスコミ)の実態及びそれらの「」、「」との関係を個別具体例を挙げ子細に紹介したい。また独立系メディア「今日のコラム」の独自の視点で、司法面からの検討を含め検証を行いたい

 
いずれにせよ、今後、県民自身によって上記の県庁所在地周辺における」「」「」「」「」相互のあり方が、厳しく問われることになるだろう!

 
こうご期待頂きたい。
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