青山貞一ブログ

独立系メディア「今日のコラム」に連動するブログ

2005年05月

英セラフィールド再処理施設から漏れる放射能汚染(6)

英セラフィールド再処理施設から
漏れる放射能汚染(6)  青山貞一
 
 
 
 以下はあるメーリングリストでのやりとりである. 


●●さん

青山です。

 独立系メディア「今日のコラム」に書いたセラフィールドの事故ですが、その後、私のブログにも転送してみました。

●今日のコラム
http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/aoyama--col3008.html

◆青山ブログ
http://blog.livedoor.jp/aoyama211111/archives/22046425.html



 セラフィールド事件は、私がコラム化する前から反原発団体らが地道に翻訳などをされ、HP上に掲載していました。また、河野太郎衆議院議員がガーデアンの記事を自分で抄訳し、ご自身のメルマガに書かれていました。

 にもかかわらず、今回の私のセラフィールドのコラムが、あっという間に1200以上のブログやホームページに転載され、それぞれ大きな話題となっています。友人の坂本龍一さんもご自身のブログからリンクされています。

 私は今まで何100と言うコラムを書いてきましたが、今回のコラムほど波及効果があるコラムはないように思えます。それはなぜでしょうか?

 以下は私見です。

 私がブログを本格的に始めたのは、わずかこの4月に入ってからです。セラフィールドのコラムを書いたのも5月下旬です。

 ご承知かどうか分かりませんが、今春からブログが日本社会で爆発的にはやりだしました。私自身、連日、独立系メディア「今日のコラム」を執筆してきましたが、ブログの魅力に抗しきれず、この春から毎日ではありませんが、「今日のコラム」をブログに転送しはじめたのです。

 私のセラフィールドのコラムを引用、転載あるいはリンクしているWEBををグーグルを使って調査すると、どうも通常のWeb(ホームページ)より圧倒的に個人のブログでの引用、転載、リンクが多いのです。

 もし、これが事実だとすれば、次のようなことが容易に想定できます。

 すなわち、今後一億総ブログ時代となれば、まさにホリエモン氏の言い分ではありませんが、インターネットがもつ波及力で、しかるべき内容を持つ記事なりコラムは、燎原の火のごとく次々に日本中を駆けめぐるはずです。黙っていても。

 今回は、英国のザ・タイムズやガーデンアンと言う新聞がネタでした。

 日本の朝日、毎日、読売、日経、東京など主要新聞や主要テレビネットワークはまったく報じていませんでした。しかし、ブログなり通常のWEBにしっかりと、かつ読みたくなる記事やコラムを書けば、それなりに日本の隅々までそのエッセンスは届く可能性があると思います。

 これは日本国内の記事、それも日本のメディアが外国、世界に伝えたがらない、伝えない記事についても同様でしょう。外国語に翻訳し、個人ブログなどに書くことにより世界中のひとびとが日本初の重要な情報を共有できる時代が来ていることを意味します。

 その意味で、大マスコミが「営業上観点」などから重要な出来事を記事にしなくとも、私たちが、しっかりと目を見開き、1GBから2GBの超巨大メモリーを無償で提供しているIT企業の「ブログ」(まさにホリエモン氏の言い分)をもとに、戦争であれなんれあれ、重要な出来事を世界中のひとびとが共有できる時代がすぐそこに来ていると思えます。

 もちろん、いかなる場合でも、この種の話で最も大切なことは一次情報、すなわち現場を歩き、取材し、調査することです。

 しかしこれとてけっして不可能なことではないと思います。

 というのも、世界中どんなところにも人が生活し、ひとが住んでいることを考えれば、現場にいるひとが、上記のようにブログを使い、何語であれ記事なりコラムなり調査報告を書けばよいのです。複数であればあるほどよいでしょう!

 
ホリエモン騒ぎの最中、渦中のホリエモン氏は、毎日新聞社の独占インタビューで次のように話しています。

 「我々は、操作をせずに、読み手と書き手をマッチングさせるだけ」そうなれば、確かに新聞社の意図的な情報操作はできなくなる。その一方で、埋もれていた記事の発掘、少数者の声などは表に出てこない。が、堀江氏は「いいじゃないですか、それで。そういうもんじゃないですか、情報って」 「読者の関心が低いゴミみたいな記事を無理矢理載せたってしょうがない」と頓着しない。毎日新聞ドクセンインタビューより

 
同時に、友人の田中康夫氏も当時、次のように述べていました。

 「政治や経済や社会を批判しながら、自身への批評は受け入れようとしなかったマスメディアは、護送船団「記者クラブ」なる保護貿易主義の鎖国状態下で「カルテル」を組んできた集団と言えます。記者クラブ所属の新聞、TVに携わる者のみがジャーナリストに非ず、市民誰もが表現者、との哲学に基づいて「『脱・記者クラブ』宣言」を4年前に発した僕と同じ”トロツキスト”な体制内変革をホリエモンは今回、敢行しているのです。ブログ日記の中で彼は以下の趣旨を語っています。」

 記者クラブ制度にあぐらをかき、視聴率や発行部数にばかりに目を奪われ、事の本質を見失い、本来、国民、読者が知りたいことを知らせてこなかった日本の大マスメディアは、今なお、ホリエモンを笑えない、と思う。日本のマスメディアがセラフィールド問題を報道しない理由が河野太郎代議士が冒頭()その1)に言されたことであるなら、私たちは、この国の行く末路が暗澹たるものとなることを自覚しなければならない。

 そのためにも、ジャーナリスト・ギルド社会を破壊し、いつでも、どこでも、誰でも書き手になるユビキタス・ジャーナリスト社会を構築しようではないか!

連載終わり

どこまで続く日本原電の情報隠蔽体質〜英セラフィールド再処理施設事件〜

どこまで続く日本原電の情報隠蔽体質
〜英国セラフィールドにある核廃棄物再処理施設の大事故〜 
 
独立系メディア今日のコラム
 
 
   やっとのことで、日本のマスコミ(朝日新聞)に英セラフィールド関連の大きな記事が掲載された。

 日本の原発関連産業はどこまで情報隠蔽そして情報操作体質から抜けきれないのだろうか?

 くだんの河野太郎代議士も、自身のメルマガ(ごまめの歯ぎしり)の最新号で以下のように怒りを露わにしている。関連する部分を全文以下に示す。

 「日本原電が、福井県敦賀市と茨城県東海村の中学生を先日大事故を起こしたイギリスのセラフィールドにある再処理工場に連れて行こうと、その事故のことは隠したまま、教育委員会を通じて募集を始めた!

日本のマスコミがこの事故のことを全く報道しないものだから、教育委員会はそんなことに気がつかず、日本原電の誘いを受けて募集を始めたらし
い。

漏れた溶液にはプルトニウム200キロとウラン20トンが含まれていて、施設の再開のめどは全く立っていないというところへ、中学生をだまくらかして連れて行こうというのだろうか。

日本の原子力村の人間はお粗末すぎるぜ。」
 

中学生向け英再処理施設見学
事故説明せず募集 日本原電

朝日新聞 2005年05月26日


 日本原子力発電の原発がある福井県敦賀市と茨城県東海村の中学生計10人に今夏、英国の核燃料再処理工場などを訪問してもらうツアーを、同原電が計画している。ところが、目的地の再処理工場では4月に使用済み核燃料の溶液が大量に漏れる事故が起きたばかりで、操業停止の状態。同社や系列の財団が5月16日から市と村の教育委員会を通じて募集を始めたが、事故についての説明は一切なく、両市村教委は「事故のことは知らなかった。状況を聞いて対応を決めたい」と困惑している。

 日本原電と系列の財団法人は、敦賀市と東海村の中学生を対象に、英国に約10日間派遣する事業を03年から2年に1度実施し、今年で2回目。旅費は1人30万円以上かかるとみられ、10万円は参加者が負担し、残りを日本原電が補助する。

 今年は7月29日から8月7日の9泊10日の日程で、再処理工場のあるセラフィールド周辺に4日間滞在し、うち1日はセラフィールド事業所を訪れる。後半はロンドンなどを観光する。

 両市村の教員2人と日本原電社員2人が引率する計画で、両市村教委を通じて5月16日から月末まで募集しており、すでに計4人の応募を受け付けたという。

 ところが、セラフィールドにある「ソープ」と呼ばれる再処理工場で、プルトニウムにウランを混合した酸化物(MOX)燃料の原料製造の前工程の配管が破損し、使用済み核燃料の硝酸溶液が約83立方メートル漏れているのが4月中旬に見つかり、同工場は操業を停止している。

 英紙タイムズによると、漏れた溶液にはプルトニウムとウラン計20トンが含まれ、このうちプルトニウムは約200キロ。無人作業区域内のため、従業員への被曝(ひばく)や外部への放射能漏れはないが、漏れた部屋は強い放射能で汚染されている。

 回収には数カ月かかるとみられ、操業再開のめどは立っていないという。地元メディアは工場がこのまま閉鎖される可能性もあると指摘している。

 IAEA(国際原子力機関)などが策定した事故の国際評価尺度ではレベル3(重大な異常事象)と発表されている。日本国内の原子力施設の事故では、99年のJCOウラン加工工場の臨界事故のレベル4が最高で、95年の高速増殖原型炉「もんじゅ」のナトリウム漏れ事故はレベル1だった。

 この事故について日本原電は両市村教委に一切説明していなかった。両市村教委は「事故が事実かどうかなどを確認したうえで今後の対応を検討したい」と話している。日本原電は「外部への放射能漏れはないと聞いているので問題はないと考えている。市村教委には今後説明したい」としている。

 NPO法人「原子力資料情報室」の沢井正子さんは「放射能汚染が強く事故発生から1カ月以上たっているのにいまだに溶液が回収されていない。そんなところに見学に行くのは、とても理解できない」と話した。


環境オンブズマンと環境アドボカシーの提唱と実践

環境オンブズマンと環境アドボカシーの提唱と実践
                  青山貞一
 
初出:環境と正義 2005年春号(日本環境法律家連盟)
 
  私は三十年程前から、環境オンブズマンと環境アドボカシーを提唱し自ら実践してきた。

 言うまでもなくオンブズマンの起源は北欧にある。北欧ではオンブズマンは「議会を監視するひと」と言う意味だが、それが米国に伝搬する過程で行政の諸活動を監視するひと、すなわち行政オンブズマンとなった。

 私が最初に行政オンブズマンにであったのは、今から約三十年前、米国ワシントン州シアトル市の行政オンブズマン局であった。当時、シアトル市では、行政及び地下鉄事業のような公益事業全般について、市民からの各種苦情を受け付ける行政オンブズマンがいた。受理後、スタッフが行政とは別に一定期間内に独自の調査を行い行政オンブズマンに調査結果を報告する。

 行政オンブズマンには独自の権限とスタッフそれに予算が与えられていた。オンブズマンはその報告をもとに関連する行政組織、職員等に各種の勧告を行い、結果を住民に報告していた。 日本でも相当前に、「日本最初が好き」な川崎市が行政オンブズマン制度を設けたことがある。確か初代のオンブズマンは女性だった。

 その後、ご承知のように日本には全国市民オンブズマン連絡事務局等もでき、弁護士や行政書士等が中心となって地方行政や地方議会の監視が活発化している。

 私は環境行政改革フォーラムと言うNPOを1992年に友人らと設立、環境分野でオンブズマン活動を徹底して行ってきた。たとえば環境に関連する国、自治体の各種調査、分析、アセスメントなど業務発注の監視、環境関連審議会、審査会の監視、国、地方の環境関連法、条例の制定過程への意見書、公述人としての関与による監視など多岐にわたっている。最近では行政事件訴訟法改正に関連した首相官邸ヒヤリングにもNPOの立場から公述してきた(ジュリスト臨時増刊参照)。

 他方、環境アドボカシーだが、この起源は1960年代の米国にさかのぼる。米国社会には、弁護士や都市計画の専門家が中心となり、カリフォルニアやニューイングランドの市街地で盛んに行われた再開発などの公共事業により理不尽に立ち退きを迫られる黒人やマイノリティー、さらに社会経済的な弱者を救済する目的で、アドボケイト・プランニング(advocate planning)ないしアドボカシー(advocacy)が盛んに行われた。

 アドボカシー・プランニングを行うひとをアドボケイト・プランナーと呼び、各地の弁護士によってつくられた地方事務所そして建築家や都市計画家の個人設計事務所がその舞台となっていた。いずれもボランティアで活動に当たっていた。

 私が最初に地方事務所を訪れたのは、やはり今から約30年も前になる。ロサンゼルスのリトル・トウキョーだ。当時、日本人街の再開発が行われていた。多くの貧しい日系人や零細商店がその再開発事業によって立ち退きを迫られていた。今で言う地上げも横行していた。激しい反対運動で地上げがうまく行かない時、事業者側は日本人のプランナーを使い、同じ日本人であることを利用し、説得に乗り出した。私が訪問したのはその説得が始まったときだった。

 アドボケイト・プランナーは、住民団体と事業者の間に入りさまざまな紛争調整、利害調整、専門的支援を行う。私と同年代の読者なら覚えていると思うが、昔の米国の映画に「いちご白書」(Strawberry Statement)と言うのがある。実はこの映画の中で、アドボケイト・プランニングが素材として取り上げられていたのである。

 1970年代以降、アドボケイト・プランニングは変節する。大きな理由は、まったくのボランティアでは活動の持続が難しいことである。かと言って、行政、民間を問わず事業者側から報酬をもらっては、いくら第三者性を強調しても、なかなか住民側の信頼性が得られない。

 ところで、私が米国で経験し学んだ上記2つの活動、すなわち行政オンブズマンとアドボケイト・プランナーを何とかして、日本、それも東京など大都市で実践することを考えた。今から25年も前のことである。

 当時、東京ではあちこちで建築紛争、道路拡幅をめぐる紛争、それに公共緑地、公共空地への民間ホテルの建設ラッシュがあった。最初に手がけたのは、東京都品川区の自宅近くの事例である。

 当時、武蔵小山商店街にあった東京電力の資材置き場で巨大マンションが建設されることになった。事業者、設計事務所、ゼネコンと零細商店、住民との間に入り、1年と3ヶ月、東京都、品川区の建築部局に建築確認をスタンバイさせる中で、日影、日照、通風、電波障害、景観、自動車排ガスなど、環境面を考慮してもらい、最終的に大幅な階数と容積の削減、そして周辺住民用集会室、屋上日光浴広場及び自転車置き場の設置などを事業者に納得してもらった。

 当時は建築基準法改正前、もとより行政手続法もなく、行政側は実に1年以上も私の環境アドボケイトプランニングに協力してくれた。東京都都市計画局以外に品川区役所、東京電力品川支所が間接的に支援してくれたことが大きいかった。

 次に手がけたのは、目黒駅近くの国立自然教育園の隣にあった西武のプリンスホテルが所有する緑地に高層ホテルが建築されそうになったときである。白金幼稚園の海園長からの依頼で行ったアドボケイト・プランニングである。当時、東京都職員研修所で環境アセスメント研修をしていた。そこで研修生全員を現地を視察してもらい、先生や父兄もいる幼稚園でひとりひとり自分なりの政策提言をしてもらった。その結果、私も思いも寄らぬ具体案がでてきた。

 この政策提言がきっかけとなり、東京都がホテル用地を起債、縁故債を発行し全面買収することになった。当時の金で数百億円にもなる。現在、東京都庭園美術館となっている緑地は、当時のアドボカシーの一つの成果でもある。緑地保全だけでなく、アールデコの歴史的建造物も一帯として保存された。

 その後も本業の環境総合研究所の仕事の合間に、信じられない程多くの環境アドボカシーを手がけた。その中には渋谷区にあったサッポロビール跡地に恵比寿ガーデンプレイスなる巨大再開発事業への7年に及ぶ継続的なかかわりや都市高速中央環状道路、圏央道はじめ道路事業、さらにこの10年は川崎公害訴訟、東京大気汚染公害訴訟などにも、本業の成果を生かして環境アドボカシーを行った。

 その結果、首都圏だけで環境アドボカシーが50カ所以上に及んだ。有名な所沢ダイオキシン事件や湾岸戦争時の現地環境調査、さらに諫早湾干拓事業水門解放時の潮流調査もその一部である。

 最初、米国で存在を知った行政オンブズマンと都市計画アドボカシーを、こうして私は日本社会でまがりなりに実践することができた。その背景には、志を同じくする友人の弁護士や池田こみちさんや鷹取敦さんなど研究所の同僚の存在がある。

 環境弁護士の皆さんに、環境オンブズマンと環境アドボカシーをぜひとも、日本社会に根付かせて頂きたいと心から祈願している。

E-サロン(環境行政改革フォーラム6月例会)のご案内

NPO/環境行政改革フォーラム http://eforum.jp/ では、この6月11日(土)にEーサロンを以下の要領で行います。懇親、親睦をかね、ふるってご参加下さい。

E−サロン(E-forum6月例会)

1.内 容: 検証:終わりなき戦争の傷跡 ビデオ上映+コメント+議論

  .戰肇淵狎鐐莉結から30年〜枯れ葉剤がベトナムに残したもの〜
   (テレビ朝日、出演:中村悟郎、長野智子、鳥越俊太郎、ベトナム、米国
    現地取材による調査報道 、2005年5月15日放映、約25分)

  ▲ぅ薀でベトナムの悪夢再び!?〜検証!恐怖の劣化ウラン弾〜
   (テレビ朝日、出演:藤田祐幸、長野智子、鳥越俊太郎、イラク、米国
    現地取材による調査報道 、2005年5月15日放映、約25分)

  水源に17年放置された焼却灰の山〜静岡市吉津〜
   (日本テレビ、現地調査報道、2005年4月19日放映、約16分)

2.開催月日:2005年6月11日(土)

3.開催時間:午後3時から午後5時(予定)


4.開催場所:E-forum事務局(環境総合研究所)屋上大会議室

   JR山手線、東急目黒線、東京メトロ線、都営三田線の目黒駅から
   徒歩6分、道順:http://eritokyo.jp/eri-map1.html

5.定 員:最大35名

6.会 費:E-forum会員は無料、非会員は1000円(会場費)


7.その他:各自お茶、水等をご持参下さい。
      会合中の飲み物のサービスは致しませんせん。

8.参加希望:鷹取敦幹事、takatori@eritokyo.jp までメールでご連絡下さい。

日本のマスコミが報じない英国セラフィールド再処理工場の放射能汚染(5)

日本のマスコミが報じない
英国セラフィールド核廃棄物
再処理工場の放射能汚染(5)
 
独立系メディア今日のコラム  青山貞一
 
 
 セラフィールドの核廃棄物再処理施設では、10年以上も前から施設周辺及び周辺海域への放射能汚染が問題となっていた。

 以下は、グリーンピースによる英国及びフランスにある核廃棄物再処理施設から海域に排出される放射性廃棄物の拡散状況をコンピュータグラフィックスで示したものである。

●英仏の核廃棄物再処理施設から海域に
 拡散する放射性廃棄物のシミュレーション。
  出典:greenpeace.org

以下は、それらを伝える調査報告書及び英国系マスコミの記事である。以下では時系列的に示している。

 残念ながら以下についても日本のマスコミはほとんど報道していない!
セラフィールド再処理工場による海洋汚染の実態
  出典:アイルランド放射線防護研究所 報告書・データ 1982〜2001

●セラフィールドにおける放射線リスク、新たな健康調査により確認される
 出典:CORE プレスリリース(2002年6月19日) 
    
(COREはイギリス・セラフィールド周辺の住民でつくられる環境団体)

セラフィールドの将来に対する二重の脅威──Double threat ...
  出典:ジェフリー・リーン、ジェイソン・ニセ
      2003年3月2日 インディペンデント紙


●セラフィールドの「汚れた」貯蔵プールがもたらしている恐れ
  出典:環境論説委員 ロブ・エドワーズ
      
サンデー・ヘラルド 2003年7月13日

 

●原子力ストライキはセラフィールドを閉鎖するかもしれない
  
労働者達は長期に渡る賃金闘争で、30年間で初めてのストライキを投票に付す
  出典:2003年10月26日 オブザーバー Oliver Morgan産業記者

 

●国検査院報告、セラフィールドMOX工場閉鎖も選択肢
  出典:英ガーディアン 2004.10.18、農業情報研究所
    
 (Sellafield's £600m nuclear fuel factory faces
      closure before opening,
The Guardian,10.18)

●英仏関連核廃棄物再処理Web
  出典:美浜の会
  
 
 

日本のマスコミが報じない英国セラフィールド再処理工場の放射能汚染(4)

日本のマスコミが報じない英国セラフィールド核廃棄物
再処理工場の放射能汚染(4)
 
独立系メディア今日のコラム
 
 
 以下は、河野太郎代議士が2005年5月10日号のメルマガで提起された英国セラフィールドのソープ核廃棄物再処理施設の閉鎖に関する英ガーディアン紙の記事の全文である。

 暫定翻訳は池田こみち氏(環境総合研究所副所長)及び斉藤真実氏(環境総合研究所研究員)が行った。

膨大な放射性物質の漏洩によりソープ工場が閉鎖へ
ガーディアン紙 2005年5月9日
環境特派員 ポール・ブラウン


 セラフィールドにある高濃度の放射性核燃料再処理工場で、濃縮された硝酸に溶解した状態の高放射性核燃料が、オリンピックプールの半分もの量が漏洩するという事故が起き、閉鎖に追い込まれている。非常に危険な混合液は、およそ20トンものウラニウムとプルトニウム燃料を含んでおり、破損したパイプから巨大なステンレスの容器(入れ物)に漏れ出しているために、非常に放射性レベルの汚染度が高く、中に入ることができない状態となっている。漏れ出した液体を回収し、パイプを修復するためには、数ヶ月が必要と見られ、21億ポンドもするプラントの修復には、特殊なロボットによる高度な作業が必要とされている。(記事つづく)

       ---------------------------------------------

 放射性物質の漏洩は、一般市民にとってそれほど危険ではないが、納税者としては財政面で大きな痛手となるはずである。というのも、一日に100万ポンド以上と計算されているソープ工場(酸化物燃料再処理工場:THORP,Thermal Oxide Reprocessing Plant)の収入で、この余分な各施設の事故処理費用をまかなわなければならないからである。工場の閉鎖は原子力産業にとって最悪の事態なのである。英国は、温室効果ガスを2010年までに1990年レベルの20%削減するという目標の達成に苦労している。風力発電施設を大規模に整備してはいるものの、まだまだいくつかの石炭火力発電施設の規模縮小によって発電能力は打撃を受けている。

 そこで、新しい原子力発電所を建設するかどうかの意思決定は、第三期トニー・ブレア政権における重大で微妙な問題となっている。

 昨日、原子力(エネルギーの)選択に関する閣僚へのブリーフィングペーパーが漏れたところによると、野党のマーガレット・ベケット氏(環境・食品及び農村問題担当相)の反対のために、新しい原子力発電施設による温室効果ガスの削減効果については、今のところまだ検討されていないとのことである。

 4月1日に英国核燃料公社(BNFL)から処理工場の所有権を引き継いだ特殊法人である核施設廃止措置局(NDA)は、今年22億ポンドの処理費(浄化費用)を予算化した。これは、運営初年度の予算であり、そのうちの5億6000万ポンドはソープ工場の収入が当てにされていた。

 NDAの広報官リチャードフリン氏は、「もし工場からの収入が得られなければ、(漏洩事故)処理計画を見直さなければならないのは明白である。」としている。

 NDAにかわってセラフィールドの工場を運営するためにつくられた管理会社であるイギリス原子力グループ社(BNG)は、金曜日、政府の安全規制担当部門である原子力施設監督局(NII)と会合をもち、どのように漏れ出した放射性物質を除去し(吸いとり)、破損したパイプを修理するかについて議論した。同社は、行政当局の承認を得た上でなければ作業を行うことができない。

 工場の異常は4月19日、工場のオペレータが硝酸のなかに溶けた使用済みの燃料の全量を計量できなかったことによりはじめて気づいた。それは、プラントの各施設を移動しながら、数箇所の遠心分離機において、ウラニウム、プルトニウム、そして廃棄物とに計量され、区分されているものと想定されていた。工場内の遠隔カメラが漏れを発見した。

 大半の物質がウラニウムであるにもかかわらず、燃料はおよそ200kgのプルトニウムを含んでおり、この量は20個の核兵器を製造できる量に匹敵する。また、この量は、核物質が悪人の手に落ちることがないように防衛するための国際的な保護規定(安全規定)に従って回収・回復されなければならないものである。液体については、吸い上げて除去し、作業が終了するまで保管されなければならないがこの作業方法については、工夫が必要である。

 会社は、どのようにしてこの漏洩が起こったのかについて調査を行うための聴聞委員会を設置した。一方で、NIIも別の委員会を設置し、指示されたとおりの適切な手順を守っていたかどうかについて追求を行う。

 ソープ工場は、膨大な使用済み燃料からウラニウムとプルトニウムを製造している一方で、ごくわずかな量しか反応炉の燃料として再利用できていなかった。評論家たちは、この工場は、12年前に稼動したときの設計能力どおり運転されておらず、非経済的であり、また、命令を達成するスケジュールが何年も大幅に遅れていたことも批判している。

 この指摘は顧客の怒りをかい、BNGは顧客の一人であるドイツ人が経営するブロックドルフ発電所から提訴され、使用済み燃料の保管料として、一日あたり2,772ポンドの支払いを求められた。同社は、この問題は1年以上前に処理されるべきだったと主張している。

 ソープ工場は、12年間にわたり、5,644トンの燃料を処理してきたが、最初の10年は、7,000トンが目標となっていた。昨年、同社は、年間の725トンの目標を達成することができず、590トンにとどまった。

 放射性環境に反対するカンブリア州民(Cumbrians)のマーチンフォワード氏は、「NDAは、”ナイーブ”にソープ工場からの収入を当てにしてきた。”再処理は、明らかにNDAの公的なクリーンアップ支出(remit)とは相容れないものであり、最新のソープ工場の事故の結果として、自腹を切って負担すべきである。”と主張している。新しい所有者たちは、納税者に対して最大のサービスをするべきであり、ソープ工場はただちにすべて閉鎖すべきである。

 セラフィールドのBNG社長バリー・スネルソン氏は、工場を閉鎖するように指示し、「工場が安全で安定した状態であると人々に再度安心していただくために努力する。」と述べた。


 なお、日本では2005年5月11日に共同通信が配信した以下の記事が報道されただけである。

英核施設で放射性溶液漏れ 4月に異常発見、汚染なし
(共同通信)

 【ロンドン10日共同】

 9日の英科学誌ニューサイエンティスト(電子版)などによると、英中西部セラフィールドにある使用済み核燃料の再処理施設「ソープ」の無人区域内で放射性の液体が漏れる事故があり、作業が無期限に停止された。

 同誌によると、英国内で原子力の安全を監視する機関の当局者は「従業員は無事で、放射能による大気汚染もない」と確認している。

 英紙ガーディアンによると、異常が発見されたのは先月中旬で、遠隔操作のカメラで調べたところ、パイプから液が漏れているのが発見された。

 ニューサイエンティストによると、漏れた放射性溶液は約83立方メートルで、大量のプルトニウムやウランを含んでいた。

[ 2005年5月11日1時34分


 上記の共同通信の記事を報道した日本のマスコミは、現在までの調査によれば、以下の通りである。他のメディアで報道している場合は、メールでaoyama@eritokyo.jp 青山貞一まで記事のURLをお送り下さい。
 
 はっきしりているのは、インターネット系のニュースが共同通信の記事をそのまま掲載していたことである。さらに共同通信の速報を追っかけその詳細を取材、調査した記事は今のところ皆無となっている。

 
京都新聞、佐賀新聞、山陽新聞河北新報岩手新聞東奥日報
 ヤフーニュース、ライブドアニュース、エキサイトニュース、gooニュース
 
つづく

 インフォシークニュース

独立系「メディア」最新号(2005.5.18)

 

 独立系「メディア」最新号(2005.5.18) http://eritokyo.jp/independent/aoyama-column1.htm
 

●日本のマスコミが報じない英核廃棄物再処理施設の甚大な放射能漏洩
 
 日本の原子力発電所から出る核廃棄物の大部分は現在、英仏の再処理
 施設に持ち込まれ処理されている。英国側の再処理拠点、セラフィー
 ルド再処理施設では「プルトニウム30kgが紛失する」など、放射
 性物質の施設、敷地外への漏洩が問題となっている。
 この間、英国を代表するザ・タイムズ、ガーデアンなど主要マスコミ
 は大々的にこれらを報道してきたが、なぜか日本にマスコミにはまっ
 たくと言ってよいほど報道していない。衆議院議員の河野太郎氏は、
 これを自身のメルマガ「ごまめの歯ぎしり」で問題提起、それを受け
 英新聞報道をもとに日本のマスコミが報じないその実態を伝える!
 
 英セラフィールド再処理施設から漏れ出る放射能汚染(その1)
 〜河野太郎衆議院議員の問題提起〜
 
http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/aoyama--col3008.html
 
 英セラフィールド再処理施設から漏れ出る放射能汚染(その2)
 〜その位置と施設の概要〜
 
http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/aoyama--col3009.html
 
 英セラフィールド再処理施設から漏れ出る放射能汚染(その3)
 〜プルトニウム30kgを紛失〜
 
http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/aoyama--col3010.html
 
 英セラフィールド再処理施設から漏れ出る放射能汚染(その4)
 〜膨大な放射能物質漏洩〜
 
http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/aoyama--col3011.html
 
 英セラフィールド再処理施設から漏れる放射能汚染(その5)
 〜環境汚染の実態〜
 
http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/aoyama--col3013.html
 

神奈川県山北町に計画されている巨大廃棄物処理施設 〜エコループ〜

 関連資料の全面公開 
 大蔵省幹部→環境省事務次官→地球・人間環境フォーラム理事長→
 神奈川県知事を歴任した岡崎洋氏後が重厚長大企業、ゼネコン、市
 町村、県などを巻き込み推進する巨大廃棄物処理施設、エコループ。
 岡崎洋氏は、その事業の中核企業、株式会社エコループセンターの
 代表取締役。その事業概要の実態を入手した膨大な資料で明らかに
 する!
 
http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/gomibenren-hp-1011.html
 
 エコループに対する地元住民・弁護士・研究者等による
 第二回目の会合状況を地元新聞から伝える。
 
http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/aoyama-col3148.html
 

●市町村、都道府県無視の環境省主導の「3Rイニシアティブ閣僚会議」
 
 池田こみち:3Rイニシアティブ閣僚会議、傍聴記(1日目)
 
http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/ikeda-co0211.html
 
 池田こみち:3Rイニシアティブ閣僚会議、傍聴記(2日目)
 
http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/ikeda-co0212.html
 
 池田こみち:3Rイニシアティブ閣僚会議報告概要
 
http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/ikeda-co0213.html
 

■E−サロン(E-forum月例会)ご案内
 
 NPO/NGO環境行政改革フォーラム http://www.eforum.jp/e-forum-menu1.htm
 では毎月一回の月例会を開催します。どなたでも参加できます。
 ふるってご参加下さい。
 
1.開催内容:
  検証:終わりなきダイオキシン禍(催奇形性、発ガン性)
  ビデオ上映+コメント+議論
  .戰肇淵狎鐐莉結から30年〜枯れ葉剤がベトナムに残したもの〜
   (テレビ朝日、出演:中村悟郎、長野智子、鳥越俊太郎、
        ベトナム、米国などへの現地取材による調査報道報道、
    2005年5月15日放映、約25分)
  ⊃絽擦烹隠掲放置された焼却灰の山〜静岡市吉津〜
   (日本テレビ、現地調査報道、2005年4月19日放映、約16分)

 
2.開催月日:2005年6月11日(土)

 
3.開催時間:午後3時から午後5時(予定)

 
4.開催場所:E-forum事務局(環境総合研究所)屋上大会議室
   JR山手線、東急目黒線、東京メトロ線、都営三田線の目黒駅から
   徒歩6分、道順:
http://eritokyo.jp/eri-map1.html

 
5.定 員:最大35名

 
6.会 費:E-forum会員は無料、非会員は1000円(会場・資料費)

 
7.その他:各自お茶、水等をご持参下さい。
      会合中の飲み物のサービスは致しませんせん。

 
8.参加希望:鷹取敦幹事、takatori@eritokyo.jp までご連絡下さい。
 

日本のマスコミが報じない英国セラフィールド再処理工場の放射能汚染(3)

日本のマスコミが報じない
英国セラフィールド核廃棄物
再処理工場の放射能汚染(3) 青山貞一
 
独立系メディア今日のコラム
 
 
 英国の主要新聞、ザ・タイムズ紙は、2005年2月17日号で「セラフィールドはプルトニウム30キログラムを「紛失」─原子力監査公表」と言う見出しで以下の記事を出した。日本語訳はグリーン・アクション(大阪)である。

The Times, February 17, 2005
ザ・タイムス (英国)2005年2月17日


セラフィールドはプルトニウム30キログラムを「紛失」─原子力監査公表
Nuclear audit says Sellafield has 'lost' 30kg of plutonium
By Angela Jameson, Industrial Correspondent

 英国の主要な核施設であるセラフィールドがプルトニウム30キログラムを「失くして」いる事実を示すデータが本日公表された。

 英国内の全原子力施設における年1回の核物質に関する監査が明らかにしたところによると、核爆弾7、8個を作るのに十分な量のプルトニウムが、昨年「不明量(所在不明の量)」として分類されていた。

 このように大量のプルトニウムがどこかへ行ってしまっているという事実が明るみに出ることは、おそらく英国原子力グループと貿易産業省にとっては、独立の核施設廃止措置局(Nuclear Decommissioning Authority - NDA)設立にともなう原子力産業の大規模な再構築を、この数週間内に完成しようとしている時期であるだけに、非常に恥ずべきことである。

 このような食い違いは、セラフィールドでは、2003年に19キログラムあり、過去10年間の累積紛失量は約50キログラムとなる。この施設を操業する英国核燃料公社(BNFL)は、この問題をおそらく単なる「記録上の損失」、つまり「在庫計算上の問題」として済ませようとするだろう。

 しかし、独立の専門家たちは今回の発覚は深く憂慮するものであると語った。「彼らは、今回の問題を監査問題であるとみなしているが、テロリズムへの恐怖に対する今日の風潮を考えれば、彼らはこのようなことには異常なほど熱心になるはずなのに」と、独立系原子力コンサルタントのジョン・ラージは述べた。

 また、核兵器の専門家フランク・バーナビー博士は次のように述べた、「所在不明の物質はいつもあることだが、今回の量は劇的な展開だ」「使用済み核燃料を再処理すべきでない大きな理由は、『不明量』がどのくらいなのか分からなくなるからだ」。

 セラフィールドにあるすべての核物質は、汚染した貯蔵プールの中身やあらゆる排出物も含めて、国際原子力機関(IAEA)によって承認された指針に従って、毎年測定されている。

 「ちょうど貸借対照表のようなもので、私たちはどれだけ入り、どれだけ出ていったかを計算している」とある関係者は述べている。

 収支が合わないという事実は、悪質なことが起こったことを意味しているわけではないが、恥ずべきことであり、見苦しいことだ。核物資が不適切に転用されたことを暗に意味しているわけではなく、また施設内で警備が破られたことを意味しているわけでもない。

 施設にどれだけの物質が存在するかに関するデータを常時保持することは慎重を要するし、また間違いを起こしやすい作業だ。各原子炉内に約5年間あった使用済み核燃料棒は、再処理のためにセラフィールドに運び込まれる。

 それらは、処理される前に最長で4年間、貯蔵プールで冷却される。この工程では、燃料棒を細かく切断し、それらを酸に溶かして、溶液をウラン、プルトニウム、高レベル廃棄物の三つの流れに分ける。

 この工程の各段階で、物質は重量測定され、プルトニウム含有量が計算される。放射能を扱うので、これらすべてが、遮蔽物越しに遠隔操作でなされなければならない。

 この工程の最終段階で、回収されたプルトニウム重量が、投入した総量の概算とつりあわなければならない。それらの数値が一致することは滅多にない。しかし、食い違いが今年ほど大きくなることもまず無いことだ。

 小さな測定の誤りが、今年のように、大きな誤差に増えていってしまうことがありうるのだ。

 IAEAは、「不明量」に関する許容レベルの基準をプルトニウム処理量の約3%を超えてはいけないと規定している。セラフィールドでは、大量の使用済み核燃料が再処理されるので、今年の食い違いはこの基準内に収まるだろう。関係者によると、昨年、「不明量」の物質はセラフィールド工場を通り抜けた量のおよそ0.1%であった。「要するに、なにも紛失していないし、なにも施設から持ち出されていないということだ」と関係者はタイムズ紙に話した。

 貿易産業省のスポークスマンは30キログラムの「紛失」は「新しい在庫評価システム」に起因するものだと述べた。

 国内原子力施設の警備が9・11以降、強化されてきた。しかし、新たなデータによると、昨年、警備上の問題が45回起きている。情報公開法に基づいて明らかにされた資料によると、それらには、許可されていないアクセス事件や機微な情報の窃盗が含まれている。

 国内原子力警備安全局が出したデータによると、人為ミスが深刻な警備上の問題をもたらしていると示唆している。

 今後3年間、核施設の経営を引き継ぐために民間会社による入札が行われていく中で、健康安全委員会が原子力施設の安全性に懸念を示している。


 上記のザ・タイムズ記事では、「核爆弾7、8個を作るのに十分な量のプルトニウム」が紛失したことを報じている。これだけとってもきわめて重要な情報である。

 しかし、日本のマスコミは、このような重大な事実を報じなかった。日本のマスコミが報じなかったのは、河野太郎代議士の「約20トンのウラニウムとプルトニウムを含むオリンピックサイズのプールの半分の量の放射性物質がイギリスのセラフィールドの再処理工場で漏れ、施設が閉鎖された」事実だけでなく、ずっと前から何も報じてこなかったのである。

 しかも、この英国のセラフィールドには、日本の原子力発電所の使用済み核廃棄物の多くが再処理するために業務委託されているのである。すなわち、日本のマスコミは、一方で北朝鮮の核問題を喧しく連日連夜報道しながら、現実に起こっている核拡散、核漏洩、それも日本と密接に関係にある事案について、まったく押し黙っているのである。

 つづく

日本のマスコミが報じない英国セラフィールド再処理工場の放射能汚染(2)

日本のマスコミが報じない
英国セラフィールド核廃棄物
再処理工場の放射能汚染(2)
 
独立系メディア今日のコラム
 
 
 まず、英国のセラフィールドにある再処理施設の位置を確かめてみよう。以下の図は英国及びその周辺国におけるセラフィールドの位置を示している。対岸にはアイルランドがある。

出典:www.shutsellafield.com/ history.htm

 セラフィールドはロンドンの北北西、リバプールとグラスゴーの間にある。


セラフィールドの位置(1)


セラフィールドの位置(2)


セラフィールドの位置(3)

 さらに拡大すると、セラフィールド再処理施設は、河川を通じて海に面していることがよく分かる。以下の地図で灰色部分全体が再処理施設を含む全体の敷地を示している。


セラフィールドの位置(4)

 
以下にセラフィールド再処理施設の写真を示すので、ご覧頂きたい。


セラフィールド再処理施設の全景
出典:英科学博物館HP


 参考:セラフィールド遠景(写真)
 出典:http://www.nrpa.no/bildearkiv/ 300dpi/Sellafield%20Kk...

 
参考:セラフィールド航空写真
 出典:http://www.visitcumbria.com/wc/sellafield-1515b.jpg

 
参考:セラフィールド遠景2(写真)
 出典:http://www.nuclearfreeplymouth.org.uk/decommission/sellafield.jpg 

 次に、セラフィールドの「再処理施設」について日本政府の関連機関、科学技術振興機構のHPからその概要を見てみよう。

セラフィールドの再処理施設 出典:科学技術振興機構HP

<概要>
 英国のセラフィールドサイトでは、1950年代から第一工場(B−204) および第二工場(B−205) の再処理工場を運転し、多量の天然ウラン金属燃料の処理実績を持っている。また酸化物燃料用の大型工場THORPを1994年1月に運転開始した。

 当初、海洋で拡散希釈させる方式で相当量の放射性廃液を放出していたが、その放出放射能低減化を図るため各種の廃液処理プラントを新設してきた。1980年から放出放射能は減り始め1985年には約百分の一にまで下がった。その後も放出放射能低減化の努力を続けている。

<本文>
 ウインズケールのサイトは英国イングランド北西部のアイリッシュ海に面する海浜に位置しているが、現在はこのサイトはウインズケールからセラフィールドと改称している。第二次大戦直後、英国はセラフィールドの
プルトニウム生産炉からの使用済燃料要素を処理するため、セラフィールド再処理第一工場(B−204:前処理施設)を建設した。この工場は1952年から1964年まで運転された。

 また酸化物燃料の
再処理が可能になるよう改造された、1973年に運転停止となった。


セラフィールド再処理施設の外観

 1955年英国の原子力発電計画がマグノックス型(黒鉛減速炭酸ガス冷却型)炉を使用することで発足し、これに対応する再処理工場の新設が必要とされた。このためセラフィールド第二工場(B−205) が建設され1964年から稼働中である。現在も幾多の改良、補強を加えて操業を続けており5トン/日、1,500トン/年の処理能力を有する。累計約3万トン の使用済み燃料を再処理している。

 改良型ガス炉(AGR)の出現で酸化物燃料の再処理が必要になったので、B−204 建屋に前処理施設を増設した。この施設は、1969年8月に運転を開始し1トン/日の処理能力があった。約90トンの酸化物燃料を処理したが、1973年9月揮発性ルテニウム(RuO4)による汚染事故が発生し、以後運転は中止された。この施設での運転経験は次のプラントの設計に活用されている。

 英国原子燃料会社(
BNFL)は、次期発展策として新しい酸化物燃料再処理工場(THORP,Thermal Oxide Reprocessing Plant)の建設を1976年に申請した。THORPは公称能力千2百トン/年、最初の10年間で6千トンの処理を予定している(7千トンに修正)。1983年、受入れ・貯蔵施設から建設が開始され1992年に建設が終了した。

 その後英国政府が公開審議を実施するなどしたため、運転許可が遅れた。英国政府は1993年12月THORPを含むセラフィ−ルド・サイトからの
放射性物質放出基準申請を認め、THORPの全面運転開始を決定した。BNFLはこの決定を受けて1994年1月に操業を開始した。

 上記の説明では、問題となっている酸化物燃料用の大型工場THORP(ソープ工場)は1994年1月に操業を開始したことになっている。

 河野太郎代議士が指摘する「約20トンのウラニウムとプルトニウムを含むオリンピックサイズのプールの半分の量の放射性物質がイギリスのセラフィールドの再処理工場で漏れ、施設が閉鎖された」とされている工場はそのソープ工場である。

 日本のマスコミが沈黙するのは、セラフィールドのソープ工場である。

つづく

日本のマスコミが報じない英国セラフィールド再処理工場の放射能汚染(1)

日本のマスコミが報じない英国セラフィールド核廃棄物再処理工場の放射能汚染(1)
 
独立系メディア今日のコラム
 
 
  現在、日本のマスコミは北朝鮮(DPRK)の核開発や核廃棄物の再処理によるプルトニウム生産を連日喧しく報道している。もちろん、隣国、DPRKの核問題は重要な問題である。

 だが、日本のマスコミがこの間、日本が密接に関わる核廃棄物の再処理問題に関してほとんど報道していない重要な事実がある。それは英国のセラフィードにある核廃棄物の再処理施設からの放射能物質の漏洩問題である。

 セラフィールド再処理工場には、日本から多くの原発の使用済み核廃棄物が再処理するために委託され、現地に送り込まれている。この事実だけをとっても、日本のマスコミが報道すべきことは当然のことである。

 どういう訳か、 日本のマスコミは、この世紀の再処理工場重大事故をまったく報道せず、押し黙っている。

 この間、「ザ・タイムズ」、「ガーディアン」など、英国を代表する新聞各紙は、セラフィールド核廃棄物再処理工場からの放射能汚染問題を大々的に報道してきた。
 
 ところで河野太郎衆議院議員は、ご自身のメルマガ、
ごまめの歯ぎしりの5月10日号などで、セラフィールドを次のように述べている。当人の希望で部分引用禁となっているので関連する号の全部を示す。ご覧頂きたい。
ごまめの歯ぎしり メールマガジン版
  河野太郎の国会日記
 
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約20トンのウラニウムとプルトニウムを含むオリンピックサイズのプールの半分の量の放射性物質がイギリスのセラフィールドの再処理工場で漏れ、施設が閉鎖された。

極めて強い放射能が出ているため、施設内に人が入れず、清掃には特殊なロボットが必要で、しかも数ヶ月かかる見込みだ。

一方、日本国内の再処理についてはマスコミは議論を世の中に伝えもしない!!

再処理にかかる費用を払うのは国民なのに、必要性もリスクも議論がないままに集金が始まろうとしている。

やっぱりホリエモンがどこかのマスコミを買収する方が日本のためになるような気がする。

イギリスではブレア首相がいつブラウン蔵相にバトンタッチするかが話題になっている。オーストラリアではハワード首相がコステロ蔵相にバトンタッチするかどうかが話題になり始めた。

小泉首相の任期は来年9月だが、これは自民党の党内ルール、つまり派閥政治の最中に派閥の親分がみんな総理になりたいから作ったルールだ。党改革の一環に、総裁選出のルール変更も盛り込む必要がある。安倍党改革本部長は言い出しにくいかもしれないが。

明日からいよいよ郵政が再開する。

ごまめの歯ぎしり メールマガジン版
  河野太郎の国会日記

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連休後初めての自民党の役員連絡会。

幹事長から郵政法案に関しては、党議拘束がかかっていることが確認されたとの発言。特に異論はなかった。

8月中旬までの会期延長が決定的との噂。
臓器移植法改正にむけてはグッドニュースだ。まだ特別委員会の設置をはじめ、ハードルは多い。

万が一、法案否決ならば解散、総選挙という話が官邸関係者から漏れ伝わる。自民党が負けるだろうが、小泉総裁は改革に抵抗する政治勢力をぶっつぶして使命を終える。

キャッシュカードの偽造・盗難に関して座長案が示される。まだまだ修正が必要だ。個人の「過失」なる概念が示されたが、すぐに撃ち落とされた。個人は保護するが法人は保護しないなどの部分も削除されることになる。その一方、盗難カードについては示された案ではなりすましを防げない。盗難の補償に関しては、何らかの形で警察に被害届を出し、事情聴取を受ける必要がある。

セラフィールド。

日本からの再処理委託分はどうなるのか等、我が国にも影響が大きい事故である。特に事故処理に五千億円、一説では一兆円かかるとのこと。六ヶ所村での同様の事故があればこのくらいの費用がかかるわけだ。なぜ、日本のマスコミは奇妙に黙っているのか?

NGOによれば、イギリス政府に先駆けてアイルランド政府が事故の詳細を発表したという説もある。漏洩発見から発表までの経緯は未だ不明だ。

電力会社の広告宣伝費がそれだけマスコミにとっておいしいということは、電力料金がその分高い訳だ。もっと競争をエネルギー業界に導入しなければならないのではないか。

ホリエモン、もう一度がんばれ。

つづく

 

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