青山貞一ブログ

独立系メディア「今日のコラム」に連動するブログ

2005年06月

むなしい干拓農地と失われた豊穣の海  池田こみち


むなしい干拓農地と失われた豊穣の海

池田こみち(文・写真)

掲載日:2005.6.28

 昨日、福岡高等裁判所は、漁民たちの最高裁への抗告を認め、ついに司法上の争いの場は最高裁判所へと最終段階に入ることになった。

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 国営諫早湾干拓事業(長崎県)の工事差し止めを巡る仮処分申請で、佐賀地裁の差し止め決定を取り消した福岡高裁決定を不服とする漁業者側の許可抗告について、福岡高裁(中山弘幸裁判長)は27日、最高裁への抗告を認めた。今後、最高裁で書面審理される。
(読売新聞ニュース2005.06.27より)
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 1999年から6年間継続してきたグリーンコープ連合による松葉ダイオキシン調査の最終的な報告会が6月から7月にかけて、九州各地で開催されており、6月23日は長崎県諫早市内で開催されたこともあり、よい機会なので、現地で活動している方に諫早湾周辺を案内して頂いた。

 まずは、高来町の高台から、諫早湾全体の様子を眺望した。(写真1)干拓地には夏草が生い茂り、一部ではジャガイモとタマネギの試験栽培が行われているとのことで、整然と区画されているエリアも見られた。諫早湾周辺地域は台地では、以前から高付加価値の市場力のある野菜づくりが有名だ。干拓地のような低く水はけの悪い土地でのジャガイモづくりは、連作が難しい作物であることを考えても、なかなか困難が予想される。試作品のジャガイモの味は「今ひとつ美味しくなかった」とは地元の人たち感想である。干拓事業は農地を分譲して事業採算をとることが前提だが、この時代、干拓地を購入してまで入植する人がどれだけいるのだろうか。リースでの干拓地利用については、若干の問い合わせもあると言うが。



 今年の梅雨は空梅雨で、本明川から流入する水量も少なく、水質悪化が心配される。そこで、締め切り堤防近くに降りてみることにした。潮受堤防の上は道路になっているが、現在は、一般の通行は認められていない。高来町地先の北部排水門の外は写真2〜4の通り、引き潮のため、死滅した貝殻が露出してほとんど生き物の姿は見られなかった。磯の香りも以前とは全く違っているように感じられた。







 そんな中、地元の漁師さんたち家族が干潟に出て、秋に撒いたアサリの稚貝の成長を確認しながら、収穫を行っていた。これも空梅雨で水温も上がり、水質が悪化すれば赤潮が直に発生し死滅してしまうので、それまでに収穫しなければならないと話していた。(写真5、6、7)







 一方、堤防の内側の干拓地は、台地から眺望したときより以上に、その広大さに驚かされる。一面の緑、葦や雑草が人の背丈ほども生い茂っている(写真8)。対岸にはうっすらと雲仙普賢岳も臨める。2500億円の巨費を投じて生まれた農地、ここで誰がどんな農業を営もうとしているのか、なかなかイメージしずらいものがある。旧堤防の上を進むと、旧干拓地の農地では水路の整備が進み、麦の収穫を終えた畑(写真9)はすっかり乾燥して人影もなかった。ただ、旧堤防から干拓地内に入る門を挟んで、事業者側のガードマンと軽トラックで乗り付けていた地元の人々との間にはなにやら険しい空気が流れていたのが気になった。







 さらに旧堤防上を進んで、森山町を流れる二反田川河口の水門「万灯樋門」に着いた(写真10)。改修されたばかりで真新しい。水門は二つとも開かれていて、二反田川の水はゆっくりと干拓地内を抜けて締め切りられた調整池に流れ込んでいる。(写真11、12)





 あれほど生き物でにぎわった諫早湾、今は冬になれば鴨類がわずかに飛来するだけで干潟の野鳥はほとんど見られなくなっているという。訪れたときも、シロサギ、ゴイサギなどサギ類が堤防外側でわずかに見られただけだった。広大な干拓農地の草むらにはヒバリ、ツバメなど小鳥たちの声が賑やかに響き渡っていた。堤防の外の海は川からの栄養分を絶たれ、潮流が変化し(滞り)、今まで海の機能を維持してきた生き物たちが死滅したため、水質が悪化し続け漁民の生活は成り立たなくなっている。
 どんなにコンクリートと鉄を打ち込んでもきっと元のような豊穣の海は戻らない。水門を開けて一時諫早湾が汚染されることは覚悟の上で、地元漁師たちは、自然が再び諫早湾に生気を取り戻してくれることを期待し差し止め裁判を闘い続けている。

 海沿いには「アサリ、タイラギ、揚巻、ムツゴロウ」などの看板を未だに掲げた海産物店があった。地元では全く取れないこれらの魚介類を地元で売る人々の寂しさが心に浸みた。今回の短い諫早湾探訪は、諫早湾魚介類、ムツゴロウへの鎮魂の石碑を見て終わった。

松葉謙三弁護士、柳田清二長野県議を刑事告訴 告訴状

松葉謙三弁護士、柳田清二長野県議を刑事告訴
全告訴状

 以下は、松葉謙三弁護士が2005年6月17日、長野地方検察庁に出された告訴状の全文です。どういうわけか、地元のメディアは、本件について詳報していないので、松葉謙三氏ご当人の承諾を得て告訴状の全文を掲載します。ただし、告訴状にある住所、電話番号、fax番号等は、●●などにより伏せてあります。
 

告 訴 状

長野地方検察庁 検事正 宮 沢 忠 彦 殿

下記のとおり告訴します

             平成17年6月17日

             告訴人 松  葉  謙  三

〒389−0102 長野県北佐久郡軽井沢町大字軽井沢●●●●●●

軽井沢法律事務所

電話 0267 ●● ●●●●
  
FAX 0267 ●● ●●●●

           告訴人  (弁護士) 松  葉  謙  三

〒385−0053 長野県佐久市野沢●●
          後援会「柳清会」気付

       被告訴人(長野県議会議員)柳 田 清 二


1、 告訴事実

被告訴人柳田清二は、長野県議会議員であるが、平成17年3月はじめ、平成16年度2月議会本会議において、当時長野県副出納長兼会計局長であった告訴人松葉謙三に対し、「偽オンブズマン」なる野次などを飛ばし、また、被告訴人の公式ホームページに「私の発した偽オンブズマンについて」なる表題で「オンブズマンとして堕落し、偽オンブズマンとなっていると私は考えている」などと掲載して、公然と告訴人を侮辱したものである


2、 罪名及び罰条

侮辱罪 刑法231条

3、   告訴の実情

  長野県議会の本会議では、議員らは、理事者らに対し「水ぶっかけてやれ」「この詐欺師笑わせんじゃねえぞ」「うそ八百、よく並べられるもんだ」「バカなことこいてんなあこの野郎、てめえの頭、改革しろ」「腹切れ」「能力無い奴は辞職しろ」「立て、こら、早く」「能力ねえんだよ」「この野郎、テメエの頭、改革しろ」など理事者を侮辱する野次を多発している。特に、被告訴人、清水保幸議員、清水洋議員らは、1時間に数十回も野次を乱発することが常態化している。さらには、委員会において、理事者を怒鳴りつける議員もいる。多くの議員は、職員を召使のように扱い、「議員は職員に対しどんなひどいことを言ってもよいが、職員はこれに反発してはならない」という考え方で、基本的人権の尊重、法の下の平等という憲法の原理すら理解しない議員が多く、県民の皆さんには理解できない、まさに前近代的組織といわざるを得ない。こういった考え方を変えない限り、正常な議会運営はできず、また県民のための議会の実現は不可能である。

  これらの野次や怒鳴りつけ行為は、下記の地方自治法132条、長野県議会規則118条、123条の「この法律又は会議規則に違反し、議事を妨害する」ことに該当することは、もちろん、刑法231条侮辱罪、民法709条不法行為に該当し、理事者の人権を侵害するので、このような行為は止めなければなりません。こういった人権を侵害し、議事を妨害する野次を議長が制止すべきであり、マスコミはこれを批判すべきですが、議長もマスコミも、ほとんど制止も批判もしない。このような状態を変えるには、告訴する以外に方法はない。


 こういった経過の中で、平成17年3月はじめの平成16年度2月議会本会議において、当時長野県副出納長兼会計局長であった告訴人の本会議中の答弁に対し、「偽オンブズマン」なる野次などを飛ばし、また、被告訴人の公式ホームページに「私の発した偽オンブズマンについて」なる表題で「オンブズマンとして堕落し、偽オンブズマンとなっていると私は考えている」などと掲載して、公然と告訴人を侮辱した。

この発言は、告訴人の人格権を侵害し、告訴人の気持ちを大きく傷つけた。告訴人は、被告訴人に対し、内容証明郵便で謝罪を求めたが、なんらの回答はなく、被告訴人まったく反省する姿勢は見られなかった。

以上の経過であり、被告訴人の行為は悪質であり、厳正な捜査の上、厳罰に処せられたく、告訴した次第である。


                        

1、長野県議会規則

(秩序及び品位の尊重)
弁護士、柳田清二長野県議を刑事告訴  告訴状い。

(議事妨害の禁止)

123条 何人も、会議中は、みだりに発言し、騒ぎ、その他議事の妨害となる言動をしてはならない。

2、地方自治法

〔議場の秩序維持〕
第129条 普通地方公共団体の議会の会議中この法律又は会議規則に違反しその他議場の秩序を乱す議員があるときは、議長は、これを制止し、又は発言を取り消させ、その命令に従わないときは、その日の会議が終るまで発言を禁止し、又は議場の外に退去させることができる。

〔言論の品位〕
第132条 普通地方公共団体の議会の会議又は委員会においては、議員は、無礼の言葉を使用し、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない。

【速報】松葉謙三弁護士(前長野県副出納帳兼会計局長)、柳田清二県議を刑事告訴!

柳田清二長野県議を刑事告訴!
 
 
   2005年6月17日、この春まで長野県の副出納帳兼会計局長だった弁護士の松葉謙三氏は、在任中の3月の県議会で柳田清二長野県議(県民クラブ・公明、佐久市)にあびせられたヤジに対し、刑法の侮辱罪で長野地方検察庁に刑事告訴した。

 以下は信濃毎日新聞の2005年6月18日の記事ダイジェストである。

 

「偽オンブズマン」やじ告訴−松葉氏

 元三重市民オンブズマン代表で、5月末まで県副出納長兼会計局長だった松葉謙三弁護士(62)=北佐久郡軽井沢町=が17日、3月の県会本会議で答弁中に「偽オンブズマン」とやじられたとして、柳田清二県議(県民クラブ・公明、佐久市)を侮辱罪で長野地検に告訴した。 地検は「告訴要件の有無を審査し、受理するか判断する」(田中良次席検事)としている。 
 
 いずれにしても、松葉謙三氏が刑事告訴した背景には、どうしようもなく下劣で侮辱的な長野県議会のヤジの日常化があると思える。

 松葉氏自身、3月の長野県議会本会議の質疑でヤジを浴びせた議員等に名誉毀損、侮辱罪等の法的措置を言及していた。

 今回の刑事告訴は以下の知事のコラムにもあるように、松葉氏に「偽オンブズマン....」などのヤジを飛ばした柳田清二長野県議会議員に向けられたものだ。なお、刑法の侮辱罪は、以下にあるように親告罪である。

刑法 

(侮辱)
第231条 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

(親告罪)
第232条 この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

 以下は、その実態と背景についての田中知事、北山県議、青山貞一の各コラム等である。

 長野県議会における見識を疑われる県議のヤジは今や全国的に有名となっている。その実態を知って頂く意味で、田中康夫知事が日刊ゲンダイの奇っ怪ニッポンに書いたコラムをまずご覧いただきたい。
            
怒号飛び交うわが長野県議会の哀しき姿
田中康夫
初出:日刊ゲンダイ連載【奇っ怪ニッポン】2005年3月10日 掲載

 「水ぶっかけてやれ」「能力無い奴は早く辞職しろ」「この詐欺師、笑わせんじゃねえぞ」「嘘八百、よく並べられるもんだ」「立て、こら、早く」「バカな事、こいてんな」「この野郎、テメエの頭、改革しろ」「にせオンブズマン、もう、辞めろ」「おら、お前、腹を切れ」。

 2年8カ月前に知事不信任決議を敢行し、その優れたる智性を全国に知らしめた長野県議会は、一昨年の統一地方選で改選された後も、相変わらずの状態が続いています。どころか、飛び交うヤジは、回を重ねる毎に激しさ増しているのです。

 地方自治法には、「第129条 普通地方公共団体の議会の会議中この法律又は会議規則に違反しその他議場の秩序を乱す議員があるときは、議長は、これを制止し、又は発言を取り消させ、その命令に従わないときは、その日の会議が終るまで発言を禁止し、又は議場の外に退去させることができる」「第132条 普通地方公共団体の議会の会議又は委員会においては、議員は、無礼の言葉を使用し、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない」 と2つの規定が記されています。

 が、少なくとも長野県議会に限っては、有名無実状態。背後の階上に位置する傍聴席からは、ヤジが鮮明には聞き取れず、若しくは居眠りをしている議員諸氏の姿も窺い知ることが出来ないためか、罵詈雑言と形容しても大袈裟ではないヤジを発しているか、或いは舟を漕いでいるか、その何れかの状態が、悲しい哉、大半の“選良”の議場における行動なのです。

 加えて今議会、総務部長の小林公喜氏を副知事職として提案した人事案件を巡り、自由民主党の平野成基議員は議場で、小林部長を「嘘つき呼ばわり」する有様です。「嘘つき」である「根拠」も示さぬ儘、思わせぶりな発言で執拗に小林氏を攻撃し、折からの風邪に加えて心労で小林氏がダウンすると、副議長を務める社会民主党の宮澤宗弘議員は、「確認」の為と称してか、彼の自宅や病院へ突如押し掛け、結果として更に精神的圧迫を与える始末です。

 全国で唯一、如何なる政党からも組合からも、更には補助金交付団体からも推薦、支持、支援を受けていない、即ち組織の後ろ盾を何ら有さぬ、正にウルトラ無党派な知事が、僕です。が、であればこそ、前任の知事と共に「政官業学報」と呼ばれる利権分配・現状追認の不透明なペンタゴンを形成してきた国会議員、県議会議員 、市町村長、業界団体、御用学者、報道機関といったアンシャンレジーム(旧体制)な面々にとっては、後顧の憂い無く、田中康夫はゴーマンだ、と罵詈雑言の限りを尽くせるのです。

 無論、県議や市町村長の中にも、僕の施策を指示する向きは少なからず存在します。が、それ以上に守旧派の危機意識は強く、それが前回御紹介した、僕の講演会を自民党県連が中止に持ち込む、といった暴挙が相次いでいる理由なのでしょう。
 
 さらに北山早苗長野県議は、ほとほとあきれ、ご自身のブログで次のようにヤジについて述べている。

北山早苗 さわやか早苗日記358

 前半略


 先週から県議会一般質問が始まったが、ますます創造的議論からはかけ離れていく県議会に、うんざりしてくる。

 口汚いヤジは相変わらず。「詐欺師が知事になるのと一緒じゃねえか」「水ぶっかけてやれ」「この詐欺師、笑わせんじゃねえぞ」「うそ八百、よく並べられるもんだ」「バカなことこいてんなあ、このやろー、てめえの頭、改革しろ」「腹切れ」

 ヤジばかりではない、任期付女性職員Nさんが退職した件では県民協働・無所属ネット代表質問で竹内議員が、Nさんが竹内議員に送って来たメールを紹介しながら質問した。

 Nさんは仕事上で色々あり、辞めたようで、感情のもつれがあったようだ。知事や人事担当総務部長がNさんのプライバシーに配慮しながら答えていても、竹内議員がメールを読んで聞いてくるので、プライバシーはあからさまになる。売り言葉に買い言葉のようなやりとりや、Nさんのとった大人げないと思われるような行動まで議会の場に出され、議事録に残るのは、果たしてNさんにとって良いことなのか?Nさんはそこまで想定していたのだろうか?

 他にも、任期付職員が職員バッジをつけ忘れて議場に来たことを質問で指摘したり、17年度採用の面接の真っ最中なのに、知事のやり方について問う質問をされるような場面もあった。バッジはなにも本会議の場で言う必要はないことだし、面接中の方に聞くにはあまりに酷とは思わないのか?県議は何でもやって良いと勘違いしている。

 バッジのことを言われた職員は謝り、面接中の職員は有利・不利には関係なく正直な気持ちを答えていた。もっとも知事側は、こんなことで人の評価を変えたりはしない。

 12月県会の委員会で非々非々県議たち標的になった『おはなしパケット号』がまた持ち出された。誰が書いたかわからないような文書を、元教育長が認めた文書だと読み上げた自民党小池議員、元教育長は「見ていないから、認めようがない」と言っていた。

 私が、「そんな文章を本会議場で読むのはおかしい!」と思わず言ったら、うしろの自民党平野県議から「(北山の)首締めろ!」との言葉が飛んで来た。「知事を殺める」と自分のHPに書いている平野議員らしいヤジだねと、皆が言っていた。
 
 さらに田中康夫知事は、長野県議会議長に対し、県議会に置けるヤジについて異例の意見申し入れを平成17年(2005年)5月20日に行っている。以下はその前文である。


長野県議会議長 萩 原 清 様

長野県知事 田 中 康 夫   
  

県議会における不規則発言(いわゆる野次)について


  表題の件に関し、平成17年(2005年)3月8日付「小林公喜総務部長の本会議欠席に伴う申し入れ」の中でも述べました様に、先の平成17年2月定例会では議場に於いて議員諸氏から「能力の無い奴は辞職しろ」「立て、こら、早く」「水ぶっかけてやれ」「能力ねえんだよ」「この詐欺師」「この野郎、テメエの頭、改革しろ」等々、耳を疑わざるを得ない不規則発言(いわゆる野次)が、理事者席に向かって繰り返し発せられました。
  これらは何れも、地方自治法並びに議会規則が規定する「品位を重んじなければならない」「無礼の言葉を使用してはならない」に違反する発言であり、本来は高い県民性を誇る筈の信州人を代表する方々が集う、神聖なる県議会本会議場に於ける言動とは、俄かに信じ難き代物であります。
  取り分け、柳田清二議員に於かれましては自らのホームページで、「『能力の無い奴は辞職しろ』、『偽オンブズマン』と野次を飛ばした」ことを自らお認めになり、「法律に照らし合わせ違法なら私を罰して頂きたい」とまで公言されています。極めて遺憾であります。
 6月議会を間近に控え、柳田清二議員の言動、及び議員諸氏の一連の不規則発言に関し、県議会のリーダーとして高い識見をお持ちでいらっしゃる萩原清議長のご見解を、平成17年5月31日(火)までに文書で具体的にお示し頂くと共に、「議会人」としての良識と良心、更には地方自治法並びに議会規則に基づき、自律的且つ自発的に善処頂けますよう、改めて強く要望いたします。
 なお、参考の為、地方自治法と議会規則を再掲致します。

・地方自治法
第129条 普通地方公共団体の議会の会議中この法律又は会議規則に違反しその他議場の秩序を乱す議員があるときは、議長は、これを制止し、又は発言を取り消させ、その命令に従わないときは、その日の会議が終るまで発言を禁止し、又は議場の外に退去させることができる。
第132条 普通地方公共団体の議会の会議又は委員会においては、議員は、無礼の言葉を使用し、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない。

・議会規則
第118条 議員は、議会の秩序及び品位を重んじなければならない。
第121条 議員は、会議中みだりに議席を離れてはならない。
第123条 何人も、会議中は、みだりに発言し、騒ぎ、その他議事の妨害となる言動をしてはならない。


 以下は私(青山貞一)が書いた田中康夫知事、異例の議長申し入れの背景と法的検討である。

田中康夫知事、異例の議長申し入れの背景
〜法的検討(その1)〜 

 青山貞一

 田中康夫知事の異例の申し入れ(以下参照)にもあるように、長野県議会の一部議員による下劣きわまりない侮辱的なヤジや人格攻撃的質問への県民、世論の批判が日増しに高まっている。本来議論、審議の場であるべき議場でのおよそ聞くに堪えないヤジの数々は、由々しき事態であると言って良い。

最近の主なヤジ

 以下は、北山早苗県議のHP(さわやか早苗日誌)より

「嘘つけ、何言ってやがるんだ、笑わせるんじゃねえぞ」(当たり前のことを当たり前に語り合える開かれた県政を目指す、と説明していた時。以下カッコ内は知事説明)

「おめえのせいだ」(国地方合わせた借金で、国家的破綻状態)

「なるわけねえじゃねえか」(田中県政による財政改革プログラムが実行されなければ、今年度に財政再建団体へ転落していた)

「しかし、くだらねえ文章考えたもんだな〜、てめえの頭溶かせ、題目ばっか並べんじゃねえよ」(過去を溶かし、現在を育み、未来を創る)

「何言ってやがるんだ、このやろ〜」(ばか者・よそ者・わか者)

「おい、その前に長野県でやってみろ、おめえ」(他の知事とも協力して、国へ具体的提言をして行く)

「おめえが行ってこい」(ブラジルに日本語教師を派遣)

「おめえがやめれば、もっと増えるわ」(林業の新規参入定着者が増えた)

「詐欺はおめえじゃねえか」(振り込め詐欺やヤミ金による消費者被害を防ぐ対策事業)

「完璧、自分に酔っている、このやろう」「おあい、3文小説家書いてんじゃねえぞ、獄中で書いてこい、獄中で」(山口村申請にあったっての無念な想い)


以下は田中康夫知事のコラム(奇っ怪ニッポン)より

「水ぶっかけてやれ」

「能力無い奴は早く辞職しろ」

「この詐欺師、笑わせんじゃねえぞ」

「嘘八百、よく並べられるもんだ」

「立て、こら、早く」

「バカな事、こいてんな」

「この野郎、テメエの頭、改革しろ」

「にせオンブズマン、もう、辞めろ」

「おら、お前、腹を切れ」

 今の長野県議会では、非常に遺憾なことだが、理念、政策、施策、予算の真摯な議論は見えず、「政策」的な議論を敢えて「政局」化しようとする一部議員と一部メディアによって、未だかつてない緊張に包まれていると言っても過言ではない。44名の議員が田中康夫知事の不信任を決議した2002年に近い状況が現出していると言ってもよい。

田中康夫知事、長野県議会議長に異例の申し入れ!
北山早苗:品位のかけらもない長野県議会
北山早苗:品位のかけらもない長野県議会
北山早苗:議員説明へのヤジ

 このようなヤジや人格攻撃的な質疑を議会は、不規則発言などとして処理し、不問に付そうとしていることが多いが、日本の法律や規則、自治体の条例はこれら議場におけるヤジや名誉毀損、侮辱的な言動をどう懲罰などとして規定しているのであろうか。以下に地方自治法の第6章 議 会及び議会規則から関連する部分を引用する。

 それによれば今の普通地方公共団体の議会は、地方自治法並びに会議規則及び委員会に関する条例に違反した議員に対し、議決により懲罰を科することができることになっているが、現下の長野県議会のように圧倒的多くの議員が反田中知事で結束しているような場合には、「品位のかけらもない」(北山議員)発言をしても人身攻撃的質問をしても、懲罰どころか不問に付されることが多く、いわば無法状態の呈していると言えよう。

 もちろん、地方自治法の規定以外に、法的には名誉毀損、侮辱などの不法行為を受けた理事者は、民法709上などで議員対し損害賠償を請求できる。

 周知のように、日本国憲法51条には院外無答責がある。しかし、名誉毀損裁判では、仮に公務員や特別公務員(議員等)であっても議会で述べたことが虚偽だったり、顕示した事実が真実でない場合には、相手が議員であっても不法行為が成立する。もちろん、上記損害賠償の対象となる。したがって、議会内だから何を言っても良いわけでない。また相手を特定してのヤジ発言も同様だ。

 つい最近、かの鈴木宗男議員を指して「日本一ダーティーな政治家」と述べた民主党の議員に東京地裁は不法行為を認め、損害賠償の判決を出した。このように、顕示した事実が真実でない場合には、議員であっても損害賠償は成立するのである。


以下地方自治法より抜粋。黄色く色を付けた部分は青山

第2編 第6章
第9節 紀 律

第129条 普通地方公共団体の議会の会議中この法律又は会議規則に違反しその他議場の秩序を乱す議員があるときは、議長は、これを制止し、又は発言を取り消させ、その命令に従わないときは、その日の会議が終るまで発言を禁止し、又は議場の外に退去させることができる。

2 議長は、議場が騒然として整理することが困難であると認めるときは、その日の会議を閉じ、又は中止することができる。


第130条 傍聴人か公然と可否を表明し、又は騒ぎ立てる等会議を妨害するときは、普通地方公共団体の議会の議長は、これを制止し、その命令に従わないときは、これを退場させ、必要がある場合においては、これを当該警察官に引き渡すことができる。

2 傍聴席が騒がしいときは、議長は、すべての傍聴人を退場させることができる。

3 前2項に定めるものを除く外、議長は、傍聴人の取締に関し必要な規則を設けなければならない。

第131条 議場の秩序を乱し又は会議を妨害するものがあるときは、議員は、議長の注意を喚起することができる。 

第132条 普通地方公共団体の議会の会議又は委員会においては、議員は、無礼の言葉を使用し、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない。

第133条 普通地方公共団体の議会の会議又は委員会において、侮辱を受けた議員は、これを議会に訴えて処分を求めることができる。


第2編 第6章 第10節 懲 罰

第134条 普通地方公共団体の議会は、この法律並びに会議規則及び委員会に関する条例に違反した議員に対し、議決により懲罰を科することができる。

2 懲罰に関し必要な事項は、会議規則中にこれを定めなければならない。 

第135条 懲罰は、左の通りとする。

1.公開の議場における戒告
2.公開の議場における陳謝
3.一定期間の出席停止
4.除名2 懲罰の動議を議題とするに当つては、議員の定数の8分の1以上の者の発議によらなければならない。

3 第1項第4号の除名については、当該普通地方公共団体の議会の議員の3分の2以上の者が出席し、その4分の3以上の者の同意がなければならない。 

第136条 普通地方公共団体の議会は、除名された議員で再び当選した議員を拒むことができない。

第137条 普通地方公共団体の議会の議員が正当な理由がなくて招集に応じないため、又は正当な理由がなくて会議に欠席したため、議長が、特に招状を発しても、なお故なく出席しない者は、議長において、議会の議決を経て、これに懲罰を科することができる。

以下は議会規則

第118条 議員は、議会の秩序及び品位を重んじなければならない。
第121条 議員は、会議中みだりに議席を離れてはならない。
第123条 何人も、会議中は、みだりに発言し、騒ぎ、その他議事の妨害となる言動をしてはならない。

大手新聞による市場支配を規制!?(3)〜日本の主要新聞の年度別・都道府県別の発行部数〜

大手新聞による市場支配を規制!?(3)
〜日本の主要新聞の年度別・都道府県別の発行部数〜
 
                                 青山貞一
 
  次に、日本の主要新聞の市場占有率はどうなっているのだろうか?
 
 表2の新聞発行部数等の全国データは、日本新聞協会の経営業務部調べによる1993年から2004年までの全国規模での新聞の発行部数である。 世帯数は3月31日現在の総務省自治行政局編「住民基本台帳人口要覧」によるデータである。1世帯あたりの部数は、発行部数を1世帯当たり部数で割った値である。

 ただし、以下の全国規模での発行部数データでは、一般紙を朝夕セットの部数としてカウントしている。
 
 表2からは、日本全体の発行部数は現在約5300万であること、1世帯あたりの部数はおおむね1部で年々、少しずつ減少していることが分かる
表2 新聞の発行部数と世帯数の推移            (単位=部) 
合計
種類別
世 帯 数
1世帯
あたり
部数
一 般 紙
スポーツ紙
1993 52,433,451 46,072,744 6,360,707 43,077,126 1.22
1994 52,600,502 46,224,993 6,375,509 43,665,843 1.20
1995 52,854,538 46,511,872 6,342,666 44,235,735 1.19
1996 53,555,803 46,975,839 6,579,964 44,830,961 1.19
1997 53,765,074 47,262,982 6,502,092 45,498,173 1.18
1998 53,669,866 47,289,617 6,380,249 46,156,796 1.16
1999 53,757,281 47,464,599 6,292,682 46,811,712 1.15
2000 53,708,831 47,401,669 6,307,162 47,419,905 1.13
2001 53,680,753 47,559,052 6,121,701 48,015,251 1.12
2002 53,198,444 47,390,027 5,808,417 48,637,789 1.09
2003 52,874,959 47,282,645 5,592,314 49,260,791 1.07
2004 53,021,564 47,469,987 5,551,577 49,837,731 1.06
各年10月、新聞協会経営業務部調べ
世帯数は総務省自治行政局編「住民基本台帳人口要覧」による(3月31日現在)

発行部数は朝夕刊セットを1部として計算

 次に、日本新聞協会による2004年10月時点での都道府県別の発行部数を表3に示す。
 表中、全国規模での2004年度の総発行部数は表2と同じであることが分かる。

表3 日本の新聞の県別発行部数
発行部数 普及度
合計
1世帯あたり
部数
全国 53,021,564 1.06
東京 6,204,959 1.07
大阪 4,095,042 1.12
北海道 2,235,101 0.89
青森 531,167 0.96
岩手 471,524 0.97
宮城 812,314 0.95
秋田 442,938 1.08
山形 462,638 1.19
福島 838,845 1.17
茨城 1,201,361 1.16
栃木 827,563 1.18
群馬 911,181 1.27
埼玉 2,799,644 1.05
千葉 2,466,991 1.05
神奈川 3,584,938 1.00
新潟 857,258 1.06
富山 454,741 1.24
石川 488,113 1.17
福井 311,684 1.20
山梨 356,942 1.12
長野 911,926 1.17
岐阜 823,934 1.17
静岡 1,477,137 1.10
愛知 2,992,935 1.14
滋賀 539,862 1.17
三重 791,054 1.18
京都 1,168,330 1.11
奈良 738,826 1.41
和歌山 464,681 1.13
兵庫 2,422,661 1.11
鳥取 263,817 1.22
岡山 787,074 1.07
広島 1,164,217 1.00
島根 319,999 1.20
山口 723,473 1.17
徳島 328,303 1.08
香川 434,015 1.11
愛媛 575,140 0.95
高知 291,492 0.85
福岡 2,095,616 1.04
佐賀 316,228 1.08
長崎 524,011 0.89
熊本 580,911 0.84
大分 452,290 0.94
宮崎 387,525 0.81
鹿児島 549,811 0.72
沖縄 461,005 0.92
海外 80,347  
出典:新聞協会業務担当調べ 2004年10月
つづく

NPO環境行政改革フォーラム 6月例会最終案内です!

 
NPO環境行政改革フォーラム6月例会最終案内です!
 
 環境行政改革フォーラム http://eforum.jp/ では、この6月11日(土)
にEーサロンを以下の要領で行います。懇親、親睦をかね、ふるってご参加下さい。

1.内 容: 検証:終わりなき戦争の傷跡 ビデオ上映を素材に議論します!
 
テレビ朝日のザ・スクープが久々見せたすべて現地取材の秀逸なドキュメント番組を素材に、戦争がもたらす孫子の代にわたる環境と健康への著しい影響を見事に映像で実証、検証します!フォトジャーナリストの中村悟郎さん(前岐阜大学教授)はE-forumメンバー! ピューリッツア賞報道部門賞に値するドキュメントであると思います(青山)。
 
.戰肇淵狎鐐莉結から30年〜枯れ葉剤がベトナムに残したもの〜
(テレビ朝日系、出演:中村悟郎、長野智子、鳥越俊太郎、ベトナム、米国への徹底した現地取材による調査報道 、2005年5月15日放映、約25分)
 
▲ぅ薀でベトナムの悪夢再び!?〜検証!恐怖の劣化ウラン弾〜
(テレビ朝日系、出演:藤田祐幸、長野智子、鳥越俊太郎、イラク、米国への徹底した現地取材及び調査による報道 、2005年5月15日放映、約35分)
 
 どういうわけか、取材地の地元で放映されない信じられない番組です。民家の隣や水源地に巨大な量のダイオキシンを含む焼却灰が放置されすでに17年。驚きの映像が続きます。地元住民団体の中心メンバー及び現地視察した専門家、弁護士らも環境行政改革フォーラムメンバーです。
 
水源に17年放置された焼却灰の山〜静岡市吉津〜
(日本テレビ系、現地調査報道、2005年4月19日放映、約16分)
 
2.開催月日:2005年6月11日(土)
3.開催時間:午後3時から午後5時(予定)2時30分開場
4.開催場所:E-forum事務局(環境総合研究所)屋上テラス大会議室
  JR山手線、東急目黒線、東京メトロ線、都営三田線の目黒駅から徒歩6分、道順:http://eritokyo.jp/eri-map1.html マンション受付通過後左手の第4号棟15階でエレベータを下りて屋上テラスを直進すると会議室があります。
5.定 員:最大35名 まだOKです!
6.会 費:E-forum会員は無料、非会員は1000円(会場費)
7.その他:各自お茶、水等をご持参下さい。
  会合中の飲み物のサービスは致しませんせん。
8.参加希望:鷹取 敦幹事、takatori@eritokyo.jp までメールでご連絡下さい。

仙台市松森工場全炉停止 高濃度ダイオキシン検出、3週間公表せず

 仙台市松森工場全炉停止
高濃度ダイオキシン検出、3週間公表せず
〜市長公約、早くも破綻〜
 
 
 仙台市泉区にある市の一般廃棄物清掃工場、松森清掃工場が試運転中に大事故をおこし、現在、3炉(200トン×3炉=600トン)すべてが運転を停止している。

 元々、仙台市では、生ゴミを堆肥化することなどにより新規大型焼却炉の立地は不要となる可能性が検討された。しかも生ゴミ堆肥化プラントの技術経済性の第三者評価も、東京のゴミ関係のコンサルタントに仙台市が委託し、コンサルタントからそのプラント(高速堆肥プラント)はかなりの評価を得ていたようだ。

 にもかかわらず、仙台市は突如、泉区松森の住宅地に隣接する土地に、住民らの激しい反対を押し切って、最終的に1日600トンの巨大な焼却炉を建設し試運転を強行したのである。

 
泉区松森の住民団体は、早期の段階から仙台市に松森清掃建設の白紙撤回を求めるとともに、仙台市に対し住民監査請求、宮城県に公害紛争調停を申請した。この辺の経緯は住民団体が作成した以下の表1を参照頂きたい。

表1 松森清掃工場建設に対する地元住民団体の初期の行動経過
1999/02/15 仙台市議会各会派への 『(仮称)松森工場建設計画の白紙撤回 』を求める請願結果
1999/03/17 藤井仙台市長に提出した 『(仮称) 松森工場建設計画の白紙撤回を求める陳情書 』  
1999/05/09 仙台市議会議員への 『 松森ごみ焼却場建設問題 』 に関する公開アンケート結果
1999/07/20 建設反対を訴え第1回目の総決起集会とデモ行進を行う。
1999/10/27 住民監査請求の実施経過。
1999/12/20 第2回目の 『 建設白紙撤回 』 を求める署名活動。 
(2000/01/19 仙台市に対して住民訴訟提訴! 同時に宮城県に対して公害調停申請手続きを行う。
2000/03/07 厚生省と自治省は税金の無駄遣いに補助金を止めてください!  
2000/02/27 「一定の理解を得た?」 嘘をつくな環境局長!私たちは、これから抗議行動を毎日続けます。
2000/04/23 仙台市役所前で建設反対の抗議デモを実施!
2001/04/30 住民側の証人・・・青山貞一氏の講演会を行いました! 

 2001年4月、住民側は私、青山貞一を公害調停の証人として仙台市側に要請する。同年4月30日、私は松森で講演会を実施した(表1最後の行参照)。

 しかし、市側は住民側が選定した証人を拒否する。市長側が私が証人になることを拒否した理由は、「青山氏は国とメーカーの言うことを信用しないから」だったそうである。とんでもないこじつけである。私に言わせれば、過去、国民は国やメーカーを信用してどれだけ酷い目に遭ってきたかこそ、重要な問題である。


 その後、住民側は、仙台市に出した監査請求が実質的に却下されたのを受け、行政訴訟(住民訴訟第一号訴訟)を仙台地裁に提起する。第一号訴訟は、周知のように差し止め訴訟である。が、仙台市は住民側と話し合っている最中は工事を強行しないという紳士協定を反故にし、基礎工事などに入った。原告側はやむなく第一号訴訟を第四号訴訟に切り替え裁判を続行した。

 仙台市側は公害紛争調停で青山貞一が証人になることを拒否したものの、仙台地裁の行政訴訟では原告、被告どちらかの一存で証人を決まることはできず、最終的に裁判長が青山貞一を証人に認めた。私は仙台地裁で松森清掃工場の必要性、妥当性、正当性の3つの分野で証拠をあげ疑義を呈する証言を行った。私が行った証言、また提出した証拠は、別途示したい。

 さて、松森清掃工場の焼却炉の型式はストーカー炉であり、三菱重工は仙台市が行った競争入札で落札した。が、その当初から私の友人の仙台市在住の全国市民オンブズマン連絡会議の弁護士らは、仙台市松森清掃工場の入札結果に疑義を呈していた。

 当時、東京のコンサルタント会社で元衆議院議員秘書が取締役を務める業際都市開発研究所は、各地の公共工事受注工作をめぐって暗躍していた。徳島県知事がこの一件で最終的に逮捕され、県知事を辞職したのは有名な話だ。そのいわくつきの業際都市開発研究所の取締役の備忘録に、仙台の廃棄物焼却炉関係のメモがあったのだ。当時、東京地検も捜査を行ったようだが、その後ウヤムヤになっており、未だ疑惑は晴れていない。

 業際都市開発研究所関係の詳細は、以下の記事を参照頂きたい。
  
○東京新聞:入札時からつきまとう影 仙台のごみ処理ピンチ
   ○共同通信:仙台の公共工事でも暗躍 重機大手が報酬3億約束
   ○共同通信:荏原など数社を捜索 業際研の脱税容疑に絡み


 ところで、仙台市長は、何と市議会などで松森清掃工場の排ガス中ダイオキシン濃度を国の規制値、0.1ng-TEQ/m3 ではなく、一桁低い 0.01ng-TEQ/m3 を遵守すると公言していた。

 周知のように、国のダイオキシン類対策特別措置法では、焼却炉の排ガスは年に一度事業者側が測定業者を依頼、測定し、県に届け出ればよいことになっている。したがって、仮に事業者である市自身が年に一回行う排ガス測定結果が、仮に0.01ng-TEQ/m3を下回っていたとし、それが正しい値で会った場合でも、年間365日×24時間=8760時間のうちの数時間の値が0.01ng-TEQ/m3を下回っていたにすぎない。他の時間帯に0.01ng-TEQ/m3を上回ることは十分ありうる。

 しかし、議会だけでなく裁判でも仙台市長再度は国の基準より一桁低い0.01ng-TEQ/m3以下を必ず守るので、問題ない、安全であると言い張ってきたのである。

 今回の大事故は、試運転中に起きたものだ。ストーカー炉は日本中で最も多く使われており、実績ある一般廃棄物焼却炉だ。そのストーカー炉で事故が起きたところに大きな課題がある。

 2005年6月8日の毎日新聞の記事によると、「1号炉は3月31日、『触媒反応塔』にたまった未燃ガスが異常燃焼したため緊急停止した。三菱側が4月上旬、煙道内部にたまった黒い物質をガーゼでふき取り、成分分析した結果、ダイオキシン濃度は1グラム当たり1・6ナノグラム(ナノは10億分の1)だった。」とある。

 これは、1号炉の「触媒反応塔」にたまった未燃ガスが異常燃焼したため緊急停止させたあと、煙道内にたまった物質を測定したところ1.6ng-TEQ/gと言う高濃度のダイオキシンを検出したが、市役所は比較的問題が少ない2,3号炉のダイオキシン濃度測定結果を住民側に提供したものの、肝心な1号炉の高濃度ダイオキシン類のデータは約一ヶ月近く隠していたことになる。

 なお、上記の2,3号炉の排ガスダイオキシン濃度は、トラブルが起こった後の4月7−9日に実施している。全炉が停止した状態での測定なので意味がない。

 仙台市は、「この分析結果から、事故時の排ガス中のダイオキシン濃度は1立方メートル当たり0・232ナノグラムと推計。通常運転時の自主基準(同0・01ナノグラム)の23倍に当たるが、同局は「ばいじんも含めて大気環境中への影響を試算した結果、環境基準を下回っている」などと、勝手な解釈、言い訳に終始している。

 しかし、上述のように藤井仙台市長は、議会、裁判のなかで排ガス濃度に関して0.01ng-TEQ/m3を遵守すると公言しているのであり、市役所の環境基準を下回っている云々と言う言い分はまったく問題のすり替えである。そもそも、1号炉のダイオキシン類濃度が、仮に市が推計した0・232ng-TEQ/m3が、自ら公約した0.01ng-TEQ/m3の23倍も上回る高濃度のダイオキシン類を環境中に放出していたことには変わりない。市長の公約に違反することは変わりない。

 仙台市は、本件に関し、
市のホームページで言い訳に終始しているが、現況再現のない正規プリュームモデルによる周辺地域への影響濃度予測結果などまったく意味がないことを知るべきである。そもそも、影響を受ける地域は小高い丘陵にあり、真っ平らを前提とする正規プリュームモデルは適用できない。

 丘陵地等複雑地形への大気汚染モデルの適用に係わる課題については、環境アセスメント学会誌の最新号(2005年8月公刊予定)に私が理論、実務を含め論文を執筆している。ちなみに、青山は環境アセスメント学会の理事、編集委員である。

 元来、ダイオキシンの大気環境基準は日本にしか存在していない。日本が敢えて環境基準を設定した理由は、1997年当時、世界の先進国主要都市の約10倍、スウェーデンの40〜50倍の高濃度であったわが国の都市部にあっては、何はともあれ暫定的に0.6pg-TEQ/m3と言う大気環境指針を設けざるを得なかったことにあり、先進諸外国の大気中ダイオキシンの水準は、おおむね日本の環境基準の1/10〜1/50の水準にある。また環境総合研究所が過去5年間継続している松葉を用いた大気中ダイオキシン調査でも九州地域などでは平均で0.0.1pg-TEQ/m3以下の水準にある。

 最後に、藤井市長のひとつまえの石井仙台市長は、ゼネコン汚職で93年に逮捕・起訴されるなど、仙台、宮城の地は昔から官製談合など政官業の癒着構造、利権構造が大いに問題となる土地柄である。

●1993年6月29日、東京地検特捜部、仙台市長石井亨をハザマ、清水建設、西松建設、三井建設の4社から1億円を収賄した容疑 で逮捕。

●1993年9月27日、東京地検特捜部、宮城県知事本間俊太郎を大成建設からの2,000万円収賄容疑で逮捕
 
 今回の市長選には藤井市長は引退を表明し出ないらしいが、上記のように市議会、市民に大見得を切って国のダイオキシン濃度基準の1/10以下を公言したことにつき市長はどう責任をとるのだろうか? 

 同様に私に対する反対尋問のなかでも、仙台市は焼却炉排ガス濃度として、、0.0000000...と気の遠くなるほど多くゼロをつけた排ガス中ダイオキシンデータを示した。もちろんこれらのデータは、三菱重工業が提供したものだ。

 三菱重工は、今回の一件についてどう釈明するのであろうか?

 いずれにしても、市民に0.01を公言したために、業者にバグフィルターだけでなく触媒塔まで付けさせダイオキシンを押し込めようとした策が完全に裏目に出たのが今回の事故である。
 
 
仙台・ごみ焼却場ばいじん問題:
ダイオキシン検出、3週間公表せず
◇松森工場、全炉停止−1号炉からダイオキシン


 毎日新聞2005.6.8 【小平百恵】

 仙台市泉区のごみ焼却場「松森工場」の全炉停止問題で、仙台市は事故が起きた1号炉の煙道の付着物からダイオキシンが検出された事実を、3週間にわたって公表していなかったことが7日、わかった。先月9日に三菱重工業から報告を受けたが、公表したのは同31日だった。この間の市議会でも説明しておらず、住民は「都合の悪いデータを隠そうとしている」と批判している。

 1号炉は3月31日、「触媒反応塔」にたまった未燃ガスが異常燃焼したため緊急停止した。三菱側が4月上旬、煙道内部にたまった黒い物質をガーゼでふき取り、成分分析した結果、ダイオキシン濃度は1グラム当たり1・6ナノグラム(ナノは10億分の1)だった。

 結果は2、3号炉の排ガス中に含まれるダイオキシン濃度測定結果とともに市環境局に報告され、2、3号炉の結果は、運転差し止めを求める住民の仮処分申請の審尋の中で引用したり、住民にも提供していた。

 しかし、1号炉の結果は同月20日の市議会経済環境委員会協議会でも公表せず、ダイオキシンが排出されたかどうかについての質問にも、「どのような状況かは不明で、(理論的に推計する)知見もない」と説明。同月31日に3号炉の機器故障が発覚した際の緊急会見で発表した。

 市環境局の高橋亨次長は「結果をどう評価したらいいか定まっておらず、地域環境への影響を解析するのに時間がかかった」と話している。

 住民団体「松森ごみ焼却場問題を考える会」の桑原信淑代表は「1号炉の緊急停止直後から質問してきたが回答はなかった。法廷にも都合のいい数値しか出しておらず、原因究明の妨げになる」と反発している。

 市はこの分析結果から、事故時の排ガス中のダイオキシン濃度は1立方メートル当たり0・232ナノグラムと推計。通常運転時の自主基準(同0・01ナノグラム)の23倍に当たるが、同局は「ばいじんも含めて大気環境中への影響を試算した結果、環境基準を下回っている」と説明している。

 

政争に終わらせてはいけない東京都の社会福祉法人問題(2)〜何が問題か〜

政争に終わらせてはいけない東京都の社会福祉法人問題(2)
〜何が問題か〜

 

◆まず東京都社会福祉総合学院とは?

 東京都は福祉人材を養成する事業を独自で行なうという前提で、東京都が全額を出資する東京都社会福祉事業団に都有地を無償で貸し付けた。さらにその土地の上に社会福祉事業団が東京都からの補助金で建設した施設が今回問題となっている東京都社会福祉総合学院である。

◆その学院と民間の学校法人との関係

 この東京都社会福祉総合学院は施設の建設中に当初計画が変更となり、学校教育を終え社会に一端出た後、最新の知識や高度な技術を習得するために行なわれるいわゆるリカレント教育に特化するということになった。その結果、東京都社会福祉総合学院は開校時、昼間はほとんど施設を利用しないことになっていた。

 東京都社会福祉総合学院は、翌年、昼間に空いた教室を民間の学校法人に貸し付けた。同時に、夜間行なっている学院の事業も、同じ民間の学校法人に運営委託するとしたのである。

 その後、民間の学校法人は東京都社会福祉事業団と5年間の定期建物賃貸借契約を結ぶとともに、新たな専門学校である臨床福祉専門学校を設立し昼間の空いた教室を使用し現在に至っている。

何が問題なのか?

 上記を前提に何が問題かを述べてみる。

 東京都は当初、社会福祉事業団が独自で事業を行なう前提で土地を無償で貸し付けた。しかし、社会福祉事業団の自主事業は夜間だけであり、昼間は民間の学校法人が設立した専門学校臨床福祉専門学校が建物を使用している。さらに社会福祉事業団が設置した社会福祉総合学院も同じ民間の学校法人が委託を受けている。

 すなわち、民間の学校法人が事実上、建物も土地も一体的に占有する状態になっている事になる。

 以上の説明では、一切補助金額など金銭面について触れていない。
次に、金銭面について説明しよう。

 社会福祉事業団は金融機関から融資を受け校舎を建設しているが、金融機関への金利を含めた返済は、すべて東京都からの補助金で行なっている。今後とも、民間の学校法人が施設を継続的に使い続けるとすると、東京都が民間の学校法人に補助金を出し続けることになる。包括的外部監査報告によると、その総額は21億円にのぼることになると言う。
さらに、包括外部監査は、建物のテナント料(賃貸料)自身が地代を考慮しないとしても、現在のテナント料の相場から見てかなり低いとしている。

つづく


政争に終わらせてはいけない東京都の社会福祉法人問題(1)〜事の発端〜

政争に終わらせてはいけない東京都の社会福祉法人問題(1)
〜事の発端〜
 
 
 7月上旬の東京都議選挙を控え、東京都議会では、外からでは訳が分からぬ政争が起きている。石原慎太郎と知事の副知事人事などに終演しつつあるこの問題の発端は、2005年2月23日、東京都の包括外部監査法人が公表した報告に記された東京都の外郭団体の運営を巡る疑義にあった。

 だが、いつの間にか、外郭団体の運営を巡る疑義、疑惑はどっかにすっ飛び、議会に設置されたいわゆる百条委員会での浜渦副知事の発言問題にすり替えられた感が強い。

 そこで、本コラムでは、本題、すなわち東京都の外郭団体問題に立ち返り、政争とは離れ一体何に疑義があり、疑惑があるのかにつき、可能な限り肉薄してみたい。

 永年、かなりの都民税を支払い続けている身としても、この問題は不可思議で看過できない!

事の発端!

 東京都議会は2005年3月末、一端定例会を閉会した。

 しかしその後、2005年2月23日になって東京都の包括外部監査報告が公表され、その中で東京都練馬区にある東京都社会福祉事業団が設置した
社会福祉総合学院の運営委託事項が取り上げられた。

 包括外部監査報告は、以下に示すように、監査結果で20項目にわたりその運営委託に係わる疑義を指摘している。

 社会福祉法人東京都社会福祉事業団の経営管理について

 第1 監査の概要

1 監査の種類
2 監査の対象

 第2 監査の結果

意見(2−1)指定管理者制度を見据えた人員配置の見直しの必要性について
意見(2−2)事業団施設と民間施設との比較による競争力の確保について
意見(2−3)指定管理者制度における管理代行方法の構築について
意見(2−4)指定管理者制度導入時における公募条件とプロセスについて
意見(2−5)児童の質的変化に対応した児童養護施設の体制の整備について
意見(2−6)児童養護施設の効率的な調理員の配置について
意見(2−7)障害者施設の調理費用の再検討について
意見(2−8)事業団の受託している施設間の食材単価の効果的な情報交換について
意見(2−9)授産施設の有効活用について
意見(2−10)障害者施設において利用者の能力をより発揮できる支援体制の充実化について
意見(2−11)東京都社会福祉総合学院通学課程の運営方法の抜本的な見直しについて
意見(2−12)東京都社会福祉総合学院の運営の改善について
指摘(2−1)学院における物品管理指導の改善について
意見(2−13)本部業務の改善等の必要性について
意見(2−14)管理会計を認識した損益計算書の作成と有効な活用について
意見(2−15)苦情解決の対応について
意見(2−16)児童養護施設の事故記録の整備と再発防止に向けた職員の意識啓発について
指摘(2−2)委託料により購入した物品の適切な管理について
意見(2−17)職員のメンタル面でのサポート体制の充実について
意見(2−18)より利用者の視点に立った福祉サービス第三者評価結果の情報提供について
意見(2−19)福祉サービス第三者評価結果の有効活用について
意見(2−20)ペイオフ解禁対策の実施について

 上記の包括的外部監査報告のなかで特に問題となったのは、以下の東京都社会福祉総合学院の運営の改善についてである。

意見(2−12)東京都社会福祉総合学院の運営の改善について


 学院の建物は、学院の委託事業および独自の福祉人材養成事業を学院の建物を用いて行うという条件のもと公募した結果、平成14年4月に特定の学校法人に5年間の定期建物賃貸借契約を結んで一括賃貸されており、建物の90パーセント相当部分は特定の学校法人が使用し、賃貸料収入は事業団の収益事業として計上されている。

 学院の建物は、特定の学校法人が継続的に使用する可能性があるが、借入金償還額および利息相当額は、すべて都からの補助金として事業団に支出されており、現況を維持すれば、今後、平成22年までに約18億円、累積で約21億円が都から支出されることが見込まれている。

 学院建物の賃貸料はプロポーザル方式による提案額を参考として決定されている。平成15年度の賃貸料は56,700千円であるのに対し、その維持コストは、東京都が所有する土地の地代を考慮しなくても現在の賃貸料より大きな費用であり、学院建物の建設経緯と福祉人材養成機関としての性質を考慮しても現在の賃貸料とは大きな乖離がある。

 施設の活用状況を見ても、1)シャワー設備付きアリーナ、2)防音装置付きピアノ練習室および3)OA室等の利用度はきわめて低いままになっている。

 よって、このような学院運営の実態を踏まえ、都からの補助を極力削減できるよう、学院の運営のあり方について抜本的な見直しを図られたい。

 この場合、現在の資産の活用方法については、事業団・局内だけではなく、都全体としての有効活用を含めて検討されたい。

 なお、事業団が契約を更新する場合には、賃貸料等の改定交渉を行うなどの対策を講じられたい。


 上記の包括的外部監査報告の内容を読んだだけで、すぐに問題の所在が分かるひとはまずいないだろう。そこで以下に問題の所在を解説する。

つづく


 

大手新聞による市場支配を規制!?(2)〜世界の大手新聞の発行部数は〜

大手新聞による市場支配を規制!?(2)
〜世界の大手新聞の発行部数は〜
 
 
  ところで肝心な世界の新聞の推定発行部数だが、日本の新聞の発行部数が異常に大きなことはよく知られている。

 表1は、2つの出典から日本及び主要先進国で発行されている新聞の推定発行部数を示したものである。

 以下の表から簡単に分かることは、米国のニューヨークタイムズ、ワシントンポストなどの一流紙ですら、その発行部数は100万〜200万部、英国のザ・タイムズ、ガーディアンは50万〜100万部、フランスのル・フィガロ、ル・モンドは50万部前後の部数であることだ。

 これに対し、我がニッポンの場合は、読売新聞が約1000万部、朝日新聞が約820万部、毎日新聞が400万部弱、日経新聞が300万部弱といずれも異常に発行部数が多い。

 読売、朝日、毎日、日経の主要4紙で優に2500万部を超えているのである。

つづく

表1 世界の主要新聞発行部数比較
新聞名 推定発行部数
出典1)
推定発行部数
出典2)
読売新 1016万部
10,044,990
朝日新聞 826万部
8,241,781
毎日新聞 394万部
3,931,178
日本経済新聞 296万部
2,820,347
中日新聞
2,747,683
サンケイ新聞
2,058,363
USAトゥデー() 167万部
北海道新聞 120万部
1,233,170
ニューヨークタイムズ() 107万部
西日本新聞
846,566
ワシントンポスト 78万部
静岡新聞
738,599
ザ・タイムズ() 73万部
中国新聞
721,174
東京新聞
613,099
10 神戸新聞 52万部
560,175
河北新報
505,437
京都新聞
503,506
新潟日報
498,743
信濃毎日新聞
476,966
11 ガーディアン() 39万部
12 ル・フィガロ() 38万部
13 ル・モンド() 37万部
14 ディー・ウェルト() 30万部
出典:
1)『週刊金曜日』−
19971017日号・黒薮哲哉
外国紙は1996年・日本紙は1997年の調査
2)
都道府県別新聞発行部数 2003年1−6月「社団法人ABC協会」「社団法人日本新聞協会」調べ

大手新聞による市場支配を規制!?(1)〜世界新聞協会の総会〜

大手新聞による市場支配を規制!?(1)〜世界新聞協会の総会〜
 
 
 サンケイ新聞の2005年6月1日号に大変興味深い記事が掲載されている。

 現在、韓国のソウルで開催されている世界新聞協会総会で、新聞を「言論権力」として市場規制の必要性を主張するノムヒョン(盧武鉉)大統領の演説が大きな波紋を広げている。

 その背景には大手新聞による市場支配を規制するため新たな新聞法が韓国で制定されたことがある。同法によれば最大部数の新聞は市場占有率が30%を超えてはならず、上位三紙も合計60%までと制限されていると言う。

 たまたま世界新聞協会の総会が韓国で開催されたこともあり、オライリー世界新聞協会会長は、これを「民主主義国家では常識的には理解しがたいことだ」と開会演説で述べ、両者の意見が真っ向から対立している。

 ノムヒョン大統領とオライリー会長の意見対立の背景、内容は以下のサンケイ新聞記事を読んで頂くこととして、我がニッポン国にこの問題を当てはめた場合、国民にとって一体どちらの言い分がニッポンの民主主義及び国益の観点から望ましいものとなるか、とくと考える必要がありそうだ。

 と言うのも、我がニッポン国にあって、今や新聞を中心にマスコミが第四の権力化していることは、誰の目にも明らかだろう。にも変わらず、その第四の権力を立法・行政・司法並に外部、内部から監視するシステムは、現状では実質皆無である。

つづく

韓国大統領「新聞権力は規制必要」 
世界新聞協会会長が真っ向対立


産経新聞 -2005年 6月1日

「民主国家として非常識」

 【ソウル=黒田勝弘】ソウルで開催されている世界新聞協会(WAN)総会で、新聞を「言論権力」として市場規制の必要性を主張する盧武鉉・韓国大統領の演説と、これを「民主主義国家では常識的には理解しがたいことだ」と批判するWAN会長の開会演説が真っ向から対立し、注目されている。儀礼が先立つ国際大会では異例のことで、盧大統領のまた一つの“型破り”として話題になっている。

 この対立の背景には盧政権が進めている「言論改革」をめぐる意見の違いがある。韓国では最近、大手新聞による市場支配を規制するため新たな新聞法が制定された。それによると最大部数の新聞は市場占有率が30%を超えてはならず、上位三紙も合計60%までと制限されている。

 政府は「市場正常化のための公正取引上の措置」としているが、大手三紙(朝鮮日報、中央日報、東亜日報)など新聞界では政権に批判的な大手紙に対するからめ手の“いじめ”として反発してきた。

 WAN総会は三十日開幕したが、盧大統領は祝賀演説で新聞の強力な影響力について「権力といってもいい」と述べ、「言論権力の乱用を防ぐ制度的装置と言論人の倫理的姿勢、および節制がきわめて重要だ」として、国家や政治権力ではなく言論の持つ力に対する“懸念”を強調した。

 国際新聞界の要人を前にした“新聞批判”ともいえる内容に出席者は当惑気味だったという。

 これに対し、オライリーWAN会長は開会の辞で韓国の実情に触れ「主要新聞と政府の緊張関係が続いており、主要新聞の力をそごうとする新聞法には驚かざるをえない。読者の新聞選択の自由を制限することは民主主義体制としてはおかしい。また新聞の編集人や発行人の権限を制限するのも問題だ」と批判した。

 また同会長は北朝鮮の言論状況についても、「情報と論争の自由が完全に奪われて成り立った“生きた実験室”であり、メディアはなくて宣伝組織だけ存在する国」と述べたが、近年の韓国で「北朝鮮における言論の自由」に関心を示す声は皆無に近い。

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