青山貞一ブログ

独立系メディア「今日のコラム」に連動するブログ

2005年07月

顧客がソニーから離れるわけ! 第一回 「殿様商売」のデジタル家電

顧客がソニーから離れるわけ! 
第一回 「殿様商売」のデジタル家電
ビデオプロジェクター    青山貞一

 私は現在、(1)教授をしている武蔵工業大学の青山研究室、(2)代表取締役をしている環境総合研究所それに(3)代表幹事をしているNPO、環境行政改革フォーラムの3箇所で、それぞれ別のビデオプロジェクターを導入し利用している。ただし、いずれもソニーのものである。

 それぞれ1台当たり、30万円〜40万円もするデジタル家電製品である。

 購入した順は、(2)→(3)→(1)である。それぞれ使用目的が異なり、購入主体が異なることもあり、結果的に3台購入した。

 ソニーから3台もビデオプロジェクターを購入したのは理由あってのことだが、ソニーはその都度、大幅なモデルチェンジをしていた。実物を以下に写真で紹介する。短期間にこれだけモデルチェンジすること自体、信じられないことである。デザイン変更より前に、基本的な機能をしっかりさせることが先決だ。


(2) VPL-CX3 後面から (2) VPL-CX3 前面から
(3) VPD−MX10 後面から (3) VPD−MX10 前面から
(1) VPL-CX5 後面から (1) VPL-CX5 前面から

 先日、ある会合で環境行政改革フォーラムのビデオプロジェクター、すなわち(3)の機器を使いだし10分もたたないうちに、ビデオプロジェクターの光源のランプが消えた。プロジェクター機器の本体に触ると部屋に冷房を入れていたがかなり熱くなっている。冷やしてから再度、電源を入れるとカリカリと変な音がしている。

 最初は冷却、送風ファンが何らの理由で停止したか壊れたかと思った。次に考えたのは、光源のランプが切れたのかだった。

これはCX3用ランプ、(2)用。構造は非常にシンプルだ。



これが今回切れたプロジェクターのランプ、
(3)用。非常に複雑な構造となっており、
排熱もしにくそうだ。



 しかし、上記(1)、(2)、(3)のうち不具合が起きたプロジェクタ(3)は、購入して、まだ年数が経っていない。(2)もあるので利用回数も少ない。

 さらに(3)は、最初に買った(2)の古いプロジェクターの1/3も使っていない。一方、その(2)は一番最初に購入したものだが、いまだ一度も光源のランプをとり代えたことがない。すなわちタマが切れたことがないのである。

 そこで、環境総合研究所のT調査部長に依頼し、研究所から歩いていける東京都品川区東五反田のソニーに修理に言ってもらうこととした。

 機種は、ソニービデオプロジェクタ(VPD-MX10)である。

 以下はT調査部長の修理の対応経過のメモである。

2005年7月28日(木)夕方

修理対応窓口の問い合わせ
・修理受付窓口(03-3762-0511)に電話したところ、業務用製品窓口に電話
を転送されました。

・業務用製品窓口に状況を説明すると、この窓口は故障かどうかを判断するところなので、修理は各地域の修理センターに連絡して欲しいと言われ、修理センター(ソニーブロードバンドソリューション・東京修理センター)を紹介された。修理センターの受付時間は平日の9:00〜18:00とのこと。

修理センターへ連絡
・ソニーブロードバンドソリューション(株)東京修理センター
〒141-0022 品川区東五反田1-22-1 ANビル7F, TEL 050-5518-1670
上記に電話して故障の状況を説明したところ、郵送でも持ち込みでも修理を受け付けますとのこと。

修理センターに持ち込み(16:30頃)
・窓口で故障状況を説明しました。受付用紙はこちらの名刺を渡したところ先方が作成。預かり品(本体、バッグ、電源ケーブル等)リストも先方が作成。
・修理実施前に見積を3営業日以内にファックスします。修理は7〜10営業日かかりますと説明された。

見積受領(17:14FAX受領)
・ERIにもどって早い時間にファックスで見積が届きました。内訳は以下のとおりである。

・ランプ代  49,800
・予備費    3,000
・技術料   13,000
------------------
 計 65,800(税別)

・先方から故障の内容の説明がなかったので、電話しいろいろと質問したところ、
以下のことが分かった。

 これは先方から丁寧に教えてくれたというより、こちらから聞き出したものです。

・修理の内容はランプの交換のみ。
・異音がしていたのだが、それは切れているランプをつけに行っているためであり、ランプを交換すれば直るとのこと。

 簡単にランプの予想寿命よりはるかに早く切れてしまったということになる
のだが、ソニー側ではその原因までは調べても分からないとのこと。

 環境総合研究所で使っているプロジェター(上記の(2))の方が、かなり以前から使っている。そして使用頻度も大幅に高い。しかも、交換なしで今でも使えていることを伝え、ランプ交換しても再度同じことが起こったら困ると言いましたが、そこまでは調べようがないとのこと。

 そこでランプを当方で購入し交換する場合は、技術料等はかからないで無償返却とのことだった。

 環境総合研究所に戻ってから確認したところ、ソニーのビデオプロジェクターは、本体のモデルチェンジ毎にランプも変更しており、以前に購入した古い方のプロジェクタ用のランプは使えないことが分かった!

 もともとプロジャクターの光源ランプは異常に高価だが、いくらなんでも49,800円はないと思う。

 そこでまずはソニー関連のショップで光源(タマ)の値段を調べたところ、47,040円である事が分かった。上記のソニーの修理センターより若干安いものの、どう見ても、高い。そこで、ホームページで光源(タマ)の市場価格を調べてみた。以下はその結果である。

<参考:ランプ市場価格>
SonyStyle      ',040
NTT-X Store    ",630
パソQ        !,160
ナニワ電機     ,751

 信じられないことだが、ソニーより1万2千円、ソニー関連ショップより約1万円も安く売っている店があった。納期1週間とのことで頼むことにした。

 以上がT研究員のメモである。

 T研究員は、翌日、ソニーにあづけていたプロジェクターを取りに行った。

 上記に関連し、ソニーの「殿様商売」にいくつもの課題がある。

 ,泙今桔円もする光源ランプが、別の古いソニー製プロジェクターの
  光源ランプの半分以下の使用頻度(使用時間)で簡単に切れたことだ。
  理由、原因も不明とのこと。

 ソニー修理センターは、後から購入し、それほど使用頻度がない(3)のプロジェクターのランプがなぜ切れたか、その理由、原因、あるいは遠因をまったくユーザーに説明していない。もっぱら、たまたま、最初から附属していたランプの寿命が短かったなどという説明を受けても納得できないが。

 最も危惧することは、(3)のプロジェクターでランプが切れた原因が、構造、設計上の問題であったとしたら、大枚4万円出しランプを交換しても、またしてもランプが早く切れる可能性が否定できない。一番古い(2)のプロジェクターと比べ、見かけの著しくデザインが異なっているだけでなく、ランプを冷却したり、空気を吸引するスケールファンの種類や能力が異なったり、冷却、送風のための物理的な構造が異なるために、ランプの寿命が短くなっているとしたら、まさに構造・設計上の欠陥であり、高額のランプを交換する事自体大きなリスクを負うことになる。

 この点についてソニー側は一切説明をしていないが、そもそも修理部門がその手の質問に答えないのは説明責任、結果責任上も問題だ。

 また、なぜ、かくも光源ランプが高額なのか、10年前ならいざしらず、これだけ世間で使われ出したにもかかわらず、いっこうに安くならない。大阪のナニワ電機のものは確かにソニーやソニー関連ショップより廉価だが、それにしてもかくも高額なのは、同業者間で価格談合をしているのではないかと勘ぐる。事実、他のメーカーのランプも3−4万円と高額である。それがいとも簡単に、まったく通常の使用環境、条件で切れるのでは、ユーザーはたまったものではない。

 
※ソニーのプロジェクター用ランプ一覧。ランプが7万円台のものもある。

 日本のメーカー独特の本体は安く、消耗品が高額というのはよくあるが、ことプロジェクターについては、本体も消耗品も高額である。

 ⊆,法⊇ねでもなく、単なる光源ランプの交換に16,000円もソニーの
  修理センターがとることだ!! もちろん、プロジェクターはT研究員が
  ソニーにもちこんでいるので運搬料が含まれない。しかも、ソニーの技術
  者が来たわけでない。ユーザーの持ち込みでこの値段はないだろう!

 光源ランプが簡単に切れたこと、それの光源ランプを交換するだけで、ランプを含め65,800円もかかることは、ユーザーにとって理解しがたい。もちろん、ランプ交換なら自分でやれるが、全部の工程で30分とかからないランプ交換に、ソニー修理センターが16,000円もとるのか、信じられないことだ。

 さらなる問題は、最初に購入した(2)のプロジェクターのスペアーとして
  購入しておいた光源ランプが、次のモデルで使えないことだ。おそらく(1)
  の大学の研究室で使っているプロジェクターはさらに新しいモデルだから
 使えないないだろう。

 そもそも、ソニーから購入した(1)、(2)、(3)は、その都度モデルチェンジしているが、一番古いモデルの(2)で機能は十分だし、光量も通常の会合、会議なら十分だ。おそらく(2)→(3)→(1)と光量が増えるなり、消費電力対比の光量が向上しているのかもしれない。

 しかし、その場合でも、最低限、光源ランプのソケットを共通のものとするなり、最悪でも何らかの袴をはかせるなりして、共有化をはかるべきだ。他社とならまだしも、自社で物理的差別化をして何になると言いたい。

 現在、プロジェクターは、私たちが(2)、(3)、(1)をソニーから購入していた頃より、ソニー以外のメーカーでは遙かに廉価で売っている。もちろん基本機能が同じで。

 今回の一件を通じて分かったことは、ソニーのデジタル家電製品の開発ポリシーの一貫性のなさ、いつになっても安くならない主要部品、とくにランプの異常な高額さ、さらに修理でもない簡単な部品交換で16000円もとるユーザー無視の対応のひどさである。

 今まで何でこんなメーカーから3台も高価なプロジェクターを購入してしまったのかと思うと情けなくなる。

 .......

 しかし、私のソニーのプロジェクターとの闘いは、今回が最初ではない。

 実は、ソニーのビデオプロジェクターを最初に購入し、数ヶ月使用した際、ソニーのプロジェクターにしかない機能に大きな不具合、バグがあることが判明したのである。

 これはまさに欠陥商品そのものであったので、ソニー本社に連絡し、浜松にあるプロジェクターを製造している部門から担当者が2度、私の研究所にこられ、議論したものの、最終的にその不具合、バグをかのコンピュータメーカーのせいにする始末。

 これについては次号で詳しく報告したい。。

世界が注目する六カ国協議外交音痴の日本はどこの国からも相手にされない!?

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世界が注目する六カ国協議
外交音痴の日本は
どこの国からも相手にされない!?


青山貞一

 世界中が注目する日、米、中、韓、ロシア、北朝鮮の間での六カ国協議が、2005年7月26日から中国北京で始まった。


出典:中国情報局ニュース

 今回で4回目になる六カ国協議だが、今回は開催の期限、すなわちいつ終わるかを設定しいない。長期開催となる可能性も大だ。

 今回の六カ国協議の開催の最大のテーマは、「北朝鮮の核」である。おそらく核をめぐり米国はじめ参加国と北朝鮮(DPRK)との間で丁々発止の討議、交渉が進められるだろう。ここまではよいとして、次が問題だ。

 すなわち、今回とくに問題となるのは、日本が六カ国協議で外交上の手柄が、すこしでもあげられるのかどうかだ。

 というのも、今回も日本政府がことのはじめから、北朝鮮はもとより他の国々にも相手にされていないと思われるからである。

 その理由はいとも簡単である。

 この種の外交で成果を上げるためには、いわゆるガチンコ勝負ではだめ、当然、会合前の協議やそれなりの根回しがなければならない。

 日本を除く5カ国は中国の北京で六者協議が始まるはるか以前から頻繁に北朝鮮と多面的に接触しているのだ。

●中国
 外務大臣に類する唐家セン・国務委員はこの7月13日に北朝鮮に行き、金正日総書記と会談している。しかも、北朝鮮に行く前に、米国国務省長官のライス女史とあっている。

●韓国
 鄭東泳・南北統一相は6月20日に北朝鮮の金総書記と会い対米要求を聞いている。それをもって南北統一相はすぐに訪米し、米国副大統領と協議している。おそらくその結果であろう、7月13日にj韓国は北朝鮮に対して電力供給を提案しているのだ。

●米国
 米国がこの会議に臨む最大の焦点は核問題である。さらにライス米国務長官は7月、日中韓の3国を訪問した際に、年末までに核問題の最終的な解決を目指す考えを示唆し、同時に「ブッシュ政権は成果のないマラソン協議に付き合うつもりはない。今回、北朝鮮を協議に引きずり出したら容易に解放しない決意だ。年末までにめどが立たなければ、六者協議に代わる強硬策をとるよう、関係国に同調を求めるだろう」と語ったと言う。

●ロシア
 ロシアも活発に動いている。たとえば北朝鮮が核廃棄に応じなかった場合、米国などは速やかな国連安保理での経済制裁決議を持ち出すだろうが、中国だけでなくロシアもこれには同意しないなど。

●日本
 では我が日本はどうだろうか。日本政府は、この間、それほど国民の関心も高くなく、政治課題としてプライオリティーも高いとは思えない郵政民営化に小泉首相がごちゅうしんとなり、北朝鮮はもとより、他の国ともほとんど水面下での協議、交渉、根回しはしていない。ひとことで言えば、様子眺めだけだ。

 さらに問題なのは、上記の北朝鮮はもとより中国、韓国、米国との外交ルートでろくな情報が日本にはいっていないことだ。また中国、韓国はご承知のように小泉首相に関しては靖国問題はじめ歴史教科書問題などでこの間、相当怒り心頭となっている。

 この間、日本では北朝鮮拉致被害者家族が日本政府に対し、六カ国協議のなかで拉致問題を優先しろとやいのやいのとあらゆるデモ活動をしてきたが、外交では一枚も二枚も上の北朝鮮は、根っから小泉外交を見下しているから、拉致問題で何らかの成果を上げることもほとんど期待薄だ。事実、宋旻淳の外交通商次官補(韓国)は「拉致問題は今回の六カ国協議のアジェンダにはならないだろう」と述べている。

 いずれにしても、北朝鮮問題を自分の首相在任中の手柄としようと、功を焦った小泉首相と外務省は、まさに四面楚歌、北朝鮮だけでなく、他の四カ国からもシカトされる始末だ。

 外交能力のなさに加え、日本政府は明らかな戦術ミス。おそらく今後一ヶ月続くと思われる北朝鮮との六者協議で、日本政府は惨めな姿を国際社会に露わにすることになるだろう。

 すべて身から出たさび、自業自得と言えばそれまだが.....。

 ところで、北朝鮮にしてみれば、世界一、そして最大、最強の大量破壊兵器保有国、とくに核兵器、核弾頭を保有している国家は、いうまでもなく米国であり、その米国を放置しておいて、とやかく言われる筋合いはないと言うところであろう。以下のグラフを見れば一目瞭然だ。

誰が大量破壊兵器を持っているか? 国別核兵器力比較

      Source:Kalla:Stop the War Coalition 

 しかし、日本と違い外交面でシタタカな北朝鮮は、核を世界最強の米国始め、ロシア、中国などの国連安保常任理事国と丁丁発止渡り合う上での外交カードとして使いつづけている。

 おそらく北朝鮮を良く思っていない国々でも、イラク戦争で見せた米国の居丈高で不遜な対応、態度、とくに大量破壊兵器保有に関する対応にはウンザリしているものと思える。

 閑話休題

 だがよくよく考えれば、北朝鮮問題は、核に集中しすぎている。人権問題、独裁問題など、核以外の問題、特に人権問題についても米国は本来、もっと関与してよいはずだ。国際世論にしても、おそらくそうだろう。

 にもかかわらず、米国が核問題にこだわるのは、日本の外交がまったく小泉政権の目先の点数稼ぎにこだわり、人権問題を中途半端にしか対応してこなかったからである。

 そこを米国にも北朝鮮にも見透かされているのだ。中国も日本に外交音痴を見透かしている。中国や韓国は小泉首相の靖国参拝や小泉政権の閣僚がことあるたびに歴史認識で刺激的発言、失言を繰り返すこととの関連でも、小泉政権のアシストはごめんと思っているのである。

 もっぱら、韓国の場合、北朝鮮に拉致されている数は、日本より最低2桁多いと推定されている。金大中政権以降、ノムヒョンに至る政権は、北朝鮮政権を武力で倒すことのリスクの方が、統一を実現するリスクの方がはるかに少ないと考えている。

 はっきりしていることは、小泉流のサプライズは、北朝鮮にも諸外国にも、そして国民にもすでに種が尽いていることを見透かされているのである。

第12回全国市民オンブズマン別府大会のご案内!


お知らせ

第12回全国市民オンブズマン別府大会!

掲載日:2005.7.26

 2005年9月10日(土)11日(日)に、大分県別府市で第12回全国市民オンブズマン別府大会を行います。500名規模です。

 2005年8月1日(月)申し込み締め切りです。参加申し込みなど詳しくは以下のページをご覧下さい。
http://www.ombudsman.jp/taikai/

 今年のテーマは「もっと広げよう、情報公開! 〜あの手この手の公金横領・不正支出にストップを〜」ということで、自治体の補助金一覧表の有無、一部事務組合の情報公開条例制定状況、さらに指定管理者への情報公開や民営化に伴う情報公開制度の後退など情報公開の今後の課題を議論します。

 記念講演は、前長野県副出納長兼会計局長の松葉謙三弁護士による「驚くべき長野県の県政改革−政官財ゆ着を壊し、真の県民益をつくる」という具体的なデータに基づく非常に興味深い話をして頂きます。

 また、警察裏金問題追及では、愛媛県警の裏金の実態を内部告発した現職警察官である仙波敏郎巡査部長の講演があります。

 8/11に全国オンブズとして経済産業省大臣官房前企画室長を刑事告発する件についても発表する予定です。
例年発表している、全国落札率調査、包括外部監査の通信簿も発表します。

 どなたでも参加できますので、お気軽にお申し込み下さい。


       
第12回全国市民オンブズマン別府大会

         もっと広げよう、情報公開! 
   〜あの手この手の公金横領・不正支出にストップを〜


 情報公開制度の意義と到達点を確認したうえで、現在問題となっている、警察による捜査上の秘密をタテにした全部黒塗りの情報公開、一部事務組合・実行委員会の情報公開制度の未整備、市町村合併に伴う情報公開の後退などの問題について検討し、情報公開のこれからのあり方と運動論を議論します。

■日 時:2005年9月10日(土)13時〜11日(日)13時

■会 場:別府コンベンションビューロー「ビーコンプラザ」
      3階国際会議室、小会議室など
      別府市山の手町12-1(TEL.0977-26-7111)

■参加費:5,000円(大会資料集の代金を含みます)

■懇親会費:5,000円(ビーコンプラザ2階ホール)

■大会の主な内容:
  ★ 9/10(土)
  12時〜 受付開始
  13時〜 全体会
     実行委員長挨拶、基調報告
  13時15分〜 全体報告 全国オンブズ事務局長 新海 聡
      補助金に関する全国一斉情報公開の結果報告等
  
14時15分〜 記念講演
     松葉謙三弁護士(前長野県副出納長兼会計局長)
     「驚くべき長野県の県政改革−政官財ゆ着を壊し、
      真の県民益をつくる」

  15時〜特別講演 愛媛県警の現役警察官
       仙波敏郎巡査部長
  15時30分〜 各地報告
       大分からの現地報告―ムダな公共事業―
       宮城県警に対する裁判勝訴2件報告 など
17時30分〜 最優秀包括外部監査人表彰
  17時40分〜 決議、大会宣言
  18時〜 懇親会
     プロのジャズ演奏家による生演奏を聴きながら大分の
     郷土料理や地酒、焼酎などを存分に味わって下さい。
     終了予定20時です。

 ★ 9/11(日)
  9時〜 分科会
   (ア) 議会改革分科会
      政治倫理条例、「議員になったオンブズマン」、政務調査費
   (イ) 公共事業分科会
      二風谷(北海道)、諫早(長崎)、大入島(大分)、
      仙台地下鉄、川崎港湾など
   (ウ) 談合・入札改革分科会
      ゴミ焼却談合、橋梁談合一斉住民監査請求の提案、
      「安かろう悪かろう」は神話だ
   (エ) 補助金・業務委託問題分科会(包括外部監査から学ぶ)
   (オ) 情報公開分科会
      防衛外交情報、「情報の一体性」、政務調査費、
      一部事務組合など
   (カ) 警察問題分科会
      事件当事者の意見交換 裏金・ノルマ・人事
  12時15分〜 全体会
   分科会報告、全体のまとめ等

■問合せ: 「第12回全国市民オンブズマン別府大会」実行委員会

〒870-0047 大分市中島西1丁目4番14号市民の権利ビル2階
大会実行委員会事務局長 河野聡
TEL.097-533-6543 FAX.097-533-6547
shimin-lawoffice@viola.ocn.ne.jp
http://www.ombudsman.jp/taikai/

浅間山ろくでゼロウェイスト宣言を!

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青山貞一講演会 in 御代田町


浅間山ろくでゼロウェイスト宣言を!
〜「脱」焼却、「脱」埋立の循環型地域づくりを〜

〜浅間山ろく、小諸・御代田・軽井沢
に100トン規模の溶融炉が!〜

 

 2005年7月23日(土)、長野県御代田町を中心に、軽井沢町、小諸市の住民団体からの依頼でゴミ問題の講演を行ってきた。小諸、御代田、軽井沢と言えば浅間山ろくの長野県側一体に位置する。


出典:ライブドア地図より作成

 当日は、東京駅からあさま605号で佐久平に向かった。10:42分に佐久平駅に到着。講演会の主催者の尾関夫妻が出迎え、一路、講演会場に向かい、そこで地元住民のSさんと合流し、御代田町を現地視察した。立地予定地の苗畑地区に行く。立地域は、上の立体地図の+印周辺である。この辺は、浅間山ろくの傾斜地、
ばらしい自然、景観、水源、歴史文化がそそかしこにある。

 そのまんなか、農水省系の独立行政法人、草地試験場の隣に、流動床型の溶融炉の建設が計画されているようだ。現在、生活環境影響調査の最中で、環境工学コンサルタントと言う談合業者が気象観測などをしている。

 そもそも生活環境影響調査の最中に、橋梁談合で日本全体が揺れているなか、地元では溶融炉メーカーの名前がまことしやかに出ていること自体、大問題だ。

 地元住民がやっとのことで入手した関連市町の年間のゴミ排出データは、以下の通り。

 立地予定地の御代田町の1日ゴミ排出量はせいぜい3〜4トン、一方、一部事務組合の相手先となるはずの軽井沢町と小諸市のゴミ排出量があわせて40トン前後その約2倍の95トンが溶融炉の計画規模とのことだ。

 その根拠を推定すると、御代田町+軽井沢町+小諸市の可燃ゴミ+(不燃ゴミ)+生ゴミを溶融炉に投入する計算になる。

         御代田   軽井沢  小諸    合計
-----------------------------------------------
可燃ごみ    1528t    3731t   5620t    10879t/年
生ゴミ       290t    3731t   3443t      7551t
不燃ごみ     337t    709t    1263t      2309t
----------------------------------------------
小計                              20739t

資源ごみ     569t    1886t   1994t
----------------------------------------------
合計       2724t   12781t  12320t/年

 可燃ゴミ+不燃ゴミ+生ゴミ=20739t/年。これを365日で割ると59トン/日となり、可燃ゴミ+生ゴミの場合には一日50トンになる。御代田町の計画が、もし不燃ゴミを溶融しない場合には、残りの可燃ゴミと生ゴミは後述するように、堆肥化とリサイクルなどで十分対応が可能となり、溶融炉,焼却炉そのものが不要となるはずだ。

 もし、日処理量が100トン規模(稼働率50%)の焼却炉を建設すると、今後少子化が進む中で、ますます発生抑制、排出抑制、減量化、リサイクルをせず全量焼却が継続する可能性が高くなる。

 100トンではなくあえて95トンとしたのは、推定するに96トン以上になると長野県の環境アセス条例の対象となるからだ。95トンなら何と、土壌汚染、地下水、自然環境などが調査から除外される生活環境影響調査で地元自治体で手続が対応となると考えたからのようだ。

 上記を<ゼロウェイスト>的に考えると、\献乾澆和枠邁宗覆燭世群漆絮泥は別処理)、可燃ゴミのうち紙、木類はリサイクル、I塲灰乾澆梁燭はプラスチックとなる。プラスチックは当面圧縮後に仮置、金属類はリサイクル等となる。実際、小諸市で比較的大規模な堆肥化施設が稼動しつつあると言う。

立地域近くのすばらしい樹林 近くには浅間山国有林がある
高樹齢の樹木も コンサルタントの気象測定機器
御代田町の立ち入り禁止掲示板 用地へのアクセス道路?

 現地視察をしていておどろいたのだが、浅間山ろく南側に位置する御代田町一体は、すばらしい水源となっている。あちこちに湧水がある。地元住民のSさんは、その場所を記憶され、具体的に場所を教えてくれた。

 なかでもすばらしい遊水地は、尾関先生の奥様持参の昼食をとった、真言宗智山派の真楽寺の地だ。下の写真はその真楽寺のもの。こんこんと湧き出る湧水が池になっている。

 真楽寺は、明天皇元年(586年)の奈良時代、浅間山の大噴火が鎮まることを祈願して建立されたと言う。仁王門の両側にある仁王像を見ながらくぐると、杉木立に囲まれた参道がある。その左側に池がある。

 池を良く見ると龍が頭をもたげている。何でも諏訪の神が人間であった時に大きな苦難に遭遇しながら、みごとそれを克服したときに神と祭られましたと言う言い伝えがある。

 湧水が絶えず湧き出ることで、透き通った池には、聖徳太子が立ち寄った際の“七尋芹”の伝説もあるそうだ。7月最終の土曜日に御代田町の最大行事である「龍神まつり」が開催され龍神伝説発祥の寺で勇壮な龍神の舞を見ることができるそうだが、残念ながら今回の訪問はちょうど一週間早かった(無念)。
  
 ところで、真楽寺には観音堂がある。この観音堂は寛文5年(1665)建立され、別名「厄除慈母観音堂」ともいわれている。境内には厄除観音、三重の塔、子育て地蔵などががあった。なかでも、重要文化財に指定されている三重の塔がすばらしい。

 なかなか見れない秀逸な塔だ。この三重の塔は慶長18年(1613年)に焼失したものの、寛永4年に再建されたとのこと。江戸時代中期の特徴を表している。高さは18mある。

 溶融炉の立地域は、この秀逸で端正な歴史文化,自然をもった寺社から約1kmの距離にある。

 
 以上の写真は青山貞一が撮影。

 現地視察を終え、午後1時30分に講演会会場にもどった。講演会には、約200名の町民、市民が集まってくれた。講演内容については別途、詳しく報告できればと思う。

 講演では、焼却炉、溶融炉などによる焼却主義がもたらす5つのリスク、すなわち

 環境リスク......焼却、溶融はダイオキシンはじめ重金属などを排出し
           地域の空気、土壌、表流水,地下水などを汚染する。
           地域の樹木、鳥類などの自然環境にも影響を及ぼす。
 健康リスク......焼却、溶融は環境を汚染するだけでなく、最終的に
           人間の健康にも影響を与える。
 資源リスク......焼却、溶融は資源であるべきものをすべて燃やしてしまう
 技術リスク......溶融炉は未熟な技術であり、爆発事故はじめ多くの
           技術的危険性がありうる。
 財政リスク......溶融炉は建設時に膨大な費用がかかるだけでなく、維持
           管理、運用時にも毎年膨大な経費がかかる。

 
※使用したパワーポイントは2時間で220枚
   以下の写真は主催者側が撮影。


 ゼロウエイスト、とくにカナダ・ノバスコシア州の脱焼却、脱埋め立ての循環型まちづくりについては以下をご覧下さい。ことしも8月下旬に約20名で現地施策を行う。

◆青山貞一:「脱ゴミ社会への挑戦〜事例研究:カナダノバスコシア州〜」、
武蔵工大環境情報学部 紀要 第6号(PDF)
◆青山貞一、ゴミ半減、カナダの州、読売新聞「論点」2004-1-26(PDF)
◆在日カナダ大使館循環型社会国際シンポジウム写真集
◆青山貞一:在日カナダ大使館 国際シンポジウム開催にあたって
◆流氷に会えるカナダ東端の州、ノバスコシア冬探訪
◆カナダ・ノバスコシア州現地視察団員全体スナップ
◆カナダ・ノバスコシア州ハリファックス夏探訪(1)
◆カナダ・ノバスコシア州ハリファックス夏探訪(2)
◆カナダ・ノバスコシア州ハリファックス夏探訪(2)
◆現地予備視察時の青山、池田へのインタビューThe Halifax Herald 記事
◆池田こみち:3Rイニシアティブ閣僚会議、傍聴記(1日目)

 講演では、上勝町の34分別によるゼロウエイスト宣言についても動画付パワーポイントを使い、紹介した。

 それにしても、おかしく不可思議なの は、ゴミ排出量がもっとも少ない御代田町が溶融炉の立地、建設を提案し、引き受けることだ。その背景には、さまざまなものがあると思うが、ここではあえて言及しない。

 一方、軽井沢町と小諸市は緊急に大規模な焼却炉なり溶融炉を必要とする背景はあるとも思えず、国庫補助等があったとしても、100トン規模となれば最低でも中枢プラント部分だけで60億円程度、補助があっても数10億円を3町村が地方債等で自己負担せざるをえない。

 総務省(旧自治省)は合併特例債をゴミ処理施設に適用すると言っているようだが、ご承知のように軽井沢町は財政が豊かで過去、合併を一切しないこととしている。

 となれば、環境省大臣官房リサイクル部系の国庫補助(これも近年財政難で補助率が大幅に下がっている)はまだしも、総務省系の地方交付金による起債の償還は、難しくなり、1市2町の債務は大きくなる。

 いずれにしても、現地調査でみた立地予定地周辺は浅間山ろくのすばらしい湧水、水源地があり、国有林などの樹林もあり、オオタカの営巣などもありうる。さらに、先に紹介した真楽寺など貴重な歴史的建造物もあり、到底、この地に大規模溶融炉の立地はなじまないと感じた。 

 質疑を含め終了後、田中知事の両親がこられおり、お父様が壇上にこられご挨拶をいただいた。これにはびっくり。田中知事の自宅は、御代田町のすぐ隣、軽井沢町南原です。

 ところで、終了直後に東京で大きな地震が起きたことを聞かされた。今回は終了後、北軽井沢にある環境総合研究所の保養所(別荘)まで送っていただく予定だったが、震度5の地震発生と言うこともあり、東京に戻ることにした。

 佐久平駅で長野新幹線を待っているとき、色平哲郎医師(南相木村)が私に声をかけられびっくりしました。色平さんは息子さんとご一緒で千葉の実家に帰り途中と
のことでした。

 車中、いろいろと近況を話し合いながら帰った。東京ではJR山手線のスケジュールが乱れていましたが、無事帰宅できた。
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長野地裁、五輪招致疑惑に関連し八十二銀行の口座記録の証拠保全を決定!

長野地裁、五輪招致疑惑に関連し八十二銀行の口座記録の証拠保全を決定!
 
青山貞一
 
 
  長野県議会は、2005年6月の議会で”反田中”の7会派が中心となって百条委員会の設置を決議した。百条委員会の設置により田中康夫知事に関連した4つの案件について都合15回の特別委員会を開催し、真相を究明すると言う。

 一方、田中康夫知事は、常々、百条委員会を設置し究明すべきは、田中康夫知事就任以前に起こった長野オリンピック招致にかかわる使途不明金問題であると述べている。

 さらに、保守系県議らによる
政務調査費を使ったコンパニオンも交えての泊りがけの大宴会など、公金の使途であり、県議の超高額な海外視察であると述べている。

 おそらく長野県民にとっての関心事は、来年秋に選挙を控えて政策的事項を何でも政局化する県議会と地元メディアの見え透いたタッグマッチではなく、オリンピック招致をめぐり当時の知事、県議会、地元新聞そして八十二銀行らが行ってきたとされる金銭的に不明朗な招致活動の真相究明であろう。

 これら長野県議会とマスメディアによる反田中のタッグマッチ及びオリンピック招致疑惑等については、長野県在住のジャーナリスト、内山卓郎氏が岩波書店の「世界」(2005年8月号)で”知事と議会と報道と〜永の県政の「混迷」を検証する”と題し10頁にわたって仔細に書いている。参照して欲しい

 ところで、田中知事はオリンピック招致疑惑に関し、かねてより「長野県」調査委員会を設置し、ジャーナリスト、弁護士らがまさに真相の究明に粘り強く努力してきた。「長野県」調査委員会については、
「長野県」調査委員会のホームページ を参照のこと。

 以下の2004年6月14日の朝日新聞記事にあるように、すでに焼却されたはずの会計帳簿が発見されるなど、情報隠蔽に走る当時の関係者らの策動に対し、東京地検顔負けの活動を行っている。

長野五輪招致委の帳簿の一部?発見
項目に振り替えの跡

 長野冬季五輪招致委員会の会計帳簿の一部とみられるコピーが見つかったことが14日、関係者の話で分かった。国際オリンピック委員会(IOC)委員に対する接待の実態や買収疑惑を裏付ける具体的な支出明細は記されていないが、項目間の振り替えの跡がみられるという。

 帳簿のコピーを見つけたのは、長野県の田中康夫知事が委嘱した委員でつくる「長野県」調査委員会(会長=大塚将司・元日本経済新聞ベンチャー市場部長)。関係者によると、コピーが今年4月、長野県庁内で発見されたという。98年冬季五輪開催地を決定するIOC総会(英バーミンガム)が開かれた91年度の招致委員会の会計収支を記したもので、帳簿には項目間の振り替えの跡などがあるという。

 招致委員会の会計帳簿は90冊余りあった。同委事務局があった長野市役所内に保管されていたが、開催地決定後の92年3月末、事務所明け渡しに伴い「不要なもの」として焼却処分された、といわれた。同県の田中知事は00年10月、帳簿問題の検証を公約として掲げ初当選。今年2月、「長野県」調査委員会が発足し、非公開で帳簿問題の調査を続けている。

朝日新聞 2004.6.14 (06/14 15:43)

 今回、長野地裁は長野県の申し立てに基づき、オリンピック招致委員会が活用した銀行口座の記録等に関する証拠保全を八十二銀行に対して決定した。

 この証拠保全は、将来の証拠調べが不能あるいは困難となる事情、すなわち証拠を保全する必要があると裁判所が認めたとき、提訴前あるいは訴訟継続中の証拠調べ期日の前に、裁判官立会いのもとで証拠調べを行い、その結果を確保しておくことをさす。

 今回の証拠保全により、銀行口座の記録が確保され、オリンピック招致問題に本格的なメスが入ることが大いに期待される。

NHKニュース
五輪帳簿問題 証拠保全手続き

2005年7月20日

7年前の長野オリンピックの招致をめぐって金の使い方に不明朗な点があったと指摘されている問題で、長野地裁は、招致委員会の金銭管理を担当していた八十二銀行に対し、当時の出納記録を残すよう証拠保全の手続きをとりました。(07/20 16:11)


 以下は、2005年7月20日 22:55からのNHKのニュース10の関東甲信越のニュース(トップニュースで紹介)

 7年前の長野オリンピックで招致の際の金の使い方に不明朗な点があったと指摘されている問題で、長野地方裁判所は今日、金銭管理を担当していた八十二銀行に対し、当時の金銭の出納記録を残すよう、証拠保全の手続きを行いました。

 この問題は、7年前の長野オリンピックを招致した際、長野県や長野市などで作る招致委員会の金の使い方に不明朗な点があったと指摘されながら、当時の会計帳簿が焼却されたとされているものです。
その後就任した田中知事は、第3者による調査委員会を作り、金銭管理を担当していた八十二銀行に対し、当時の金銭の出納記録を提示するよう求めてきましたが、銀行側は拒否していました。

 この為、県は長野地方裁判所に対して、銀行が持っている当時の金銭の出納記録を残す様求める証拠保全の手続きを申請し、裁判所が今日、八十二銀行に出向いて手続きを行いました。

 証拠保全の手続きを受けたことについて、八十二銀行は、県に出納記録を開示してこなかったのは、口座を管理する銀行の立場として、招致委員会を構成する県以外の自治体の総意が得られなかったためで、今回の裁判所の証拠保全の決定には従っていきたいと話しています。

共同通信社配信記事
2005年07月20日 19:49:10
五輪招致委口座を証拠保全  使途不明金問題で長野地裁 


 一九九八年の長野冬季五輪の招致活動費に使途不明金があったとされる問題で、長野地裁が長野県の申し立てに基づき、招致委員会が利用した銀行口座の記録の証拠保全を決定したことが、二十日分かった。

 長野地裁の裁判官らが同日、証拠保全の手続きをするため、長野市の八十二銀行本店を訪れた。同行は「裁判所の決定には従いたい」としている。

 長野県は今年一月、金銭の流れを明らかにするため、招致委の口座があった八十二銀行に口座明細の開示を要請。長野市など関係自治体の同意がないことを理由に開示されず、県が証拠保全を申し立てていた。

 昨年二月、長野県は招致活動をめぐる問題解明のため、調査委員会を設置。焼却されたとされる会計帳簿のコピーの一部を発見し、約九千万円の使途不明金があるとの中間報告を今年一月に発表した。


参考:民事訴訟法における証拠保全の規定

第七節 証拠保全

(証拠保全)
第二百三十四条 裁判所は、あらかじめ証拠調べをしておかなければその証拠を使用することが困難となる事情があると認めるときは、申立てにより、この章の規定に従い、証拠調べをすることができる。

(管轄裁判所等)
第二百三十五条 訴えの提起後における証拠保全の申立ては、その証拠を使用すべき審級の裁判所にしなければならない。ただし、最初の口頭弁論の期日が指定され、又は事件が弁論準備手続若しくは書面による準備手続に付された後口頭弁論の終結に至るまでの間は、受訴裁判所にしなければならない。
2 訴えの提起前における証拠保全の申立ては、尋問を受けるべき者若しくは文書を所持する者の居所又は検証物の所在地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所にしなければならない。
3 急迫の事情がある場合には、訴えの提起後であっても、前項の地方裁判所又は簡易裁判所に証拠保全の申立てをすることができる。

(相手方の指定ができない場合の取扱い)
第二百三十六条 証拠保全の申立ては、相手方を指定することができない場合においても、することができる。この場合においては、裁判所は、相手方となるべき者のために特別代理人を選任することができる。

(職権による証拠保全)
第二百三十七条 裁判所は、必要があると認めるときは、訴訟の係属中、職権で、証拠保全の決定をすることができる。

(不服申立ての不許)
第二百三十八条 証拠保全の決定に対しては、不服を申し立てることができない。

(受命裁判官による証拠調べ)
第二百三十九条 第二百三十五条第一項ただし書の場合には、裁判所は、受命裁判官に証拠調べをさせることができる。

(期日の呼出し)
第二百四十条 証拠調べの期日には、申立人及び相手方を呼び出さなければならない。ただし、急速を要する場合は、この限りでない。

(証拠保全の費用)
第二百四十一条 証拠保全に関する費用は、訴訟費用の一部とする。

(口頭弁論における再尋問)
第二百四十二条 証拠保全の手続において尋問をした証人について、当事者が口頭弁論における
尋問の申出をしたときは、裁判所は、その尋問をしなければならない。

翻弄されるイラク派兵主要国〜ロンドン同時多発テロを考える〜

 

翻弄されるイラク派兵主要国
〜ロンドン同時多発テロを考える〜


青山 貞一

 


 2012年オリンピックの開催地発表、そして主要国首脳サミット(G8)開催に会わせてか、英国のロンドン、金融街シテー近くの地下鉄内、路上の二階建てバスで爆発が起きた。

 死亡者は当初の2名から、日本時間7月9日早朝の段階で50名超、重軽傷者が700人超という情報もある。現地から新たな現地情報が届くたびに、被害が増えている。死亡者は最終的に100名を超す可能性もある。

 通勤時の地下鉄内における同時多発テロと言えば、私たちは霞ヶ関界隈で起きたオウムによるサリン事件を想起する。

 ところで同時多発爆弾に関し、国際テロ組織・アル・カイダ関連組織がホームページ上で犯行を表明したと言う未確認情報もある。

 私見だが、今回の同時多発テロに限らず「9.11」以降の「同時多発テロ」をつぶさみ見て取ると、そこにはある法則性と戦略があるように思える。実施時期といい、実施場所といい、きわめてある意図をもってテロが行なわれていると考えられるのである。

 以下、今回のロンドン同時多発テロが起きた背景を整理してみる。

(1)英国はイラクへの主要派兵国である

 言うまでもないことだが英国は、米国の同盟国として2001年以降、アフガン、イラクに多くの軍隊を送っている。私のイラク派兵国の撤兵状況によれば、英国は米国に次、約85000人の巨大な軍隊をイラクに派兵していると言う、まぎれもない事実がある。



(2)主要派兵国への報復措置であること

 当初、40カ国弱いたイラク派兵国は、現在、アメリカ、イギリス、ルーマニア、デンマーク、アゼルバイジャン、スロバキア、ラトビア、リトアニア、アルバニア、グルジア、エストニア、マケドニア、カザフスタン、韓国、日本、オーストラリア、モンゴル、トンガなど18カ国に減少している。

 なぜ、派兵国数が半数以下に減ったのかだが、想定するに大幅に撤兵した理由の第一は、米英両国の説得や経済援助約束などの利害関係で出兵したものの、イラク戦争そのものの正当性が実質的にうすらいできたきたことがあげられる。

 第二は、いうまでもなく派兵国への報復的なテロ行為の存在である。たとえば、かつて主要派遣国であったスペインがマドリッドで大テロがおき、世論に抗し切れず撤退を余儀なくされている。これは同じ主要派遣国であるイタリアでも同様な対応がある。

 周知のように米国に次ぐ第二の派遣国である英国は、かつてトルコのイスタンブールにある大使館や銀行爆破事件など、本国でこそ大きな報復的テロ攻撃なかったものの、サインは以前からあった。


(3)ブレア首相は自分がしてきたことを忘れている

 英国ブレア首相は、この間、一貫して米国のブッシュ大統領と二人三脚でアフガン、イラク等への軍事介入してきた。とくにイラク戦争では、宣戦布告もなく一方的に先制攻撃をしたが、米英がイラク攻撃を行った最大の理由は、今更、いうまでもなく「大量破壊兵器」の存在、保有と言う前提があった。

 周知のように「大量破壊兵器」の存在と保有問題で分かったことは、きわめて簡単明瞭なことであった。すなわち、当時、国連査察調査団の主張を振り切り、先制攻撃の最大の理由とした「イラクに大量破壊兵器の存在」と言う事実が、結果として「真実」でなかったことである。しかも、これらの調査報告や告発は,何と米国や英国の政府や第三者機関から指摘されたのである。

 同時多発テロは憎むべきことだが、その原因について、もっとも重要なことを米国そして英国は忘れかかってはいないか。


(4)イラクではすでに2万人以上の市民等が米英に殺されている

 すなわち主権国家イラクを先制攻撃した最大の理由がなくなったことになる。にもかかわらず、米英を中心とした軍は今なお、実質的にイラクの国土のすべてに軍を駐留させている。その米英駐留軍は民間人を含む多くのイラク人らを殺略しているのである。

 このことに関連し、東京新聞2005.7.10朝刊の「本音のコラム」でマッド・アマノ氏は次のように述べている。

 「ブレア首相は厳しい表情で『テロを許してはならない。首脳たちはテロに断固として戦う決意を新たにした』と述べた。これに呼応してG8の首脳たちも異口同音にテロに対する『憎しみ』と英国への『連帯の気持ち』を表明した。 しかし、私には首脳たちの決意が”カラ威張り”に聞こえて仕方ない。爆発の被害者の一人は、『なぜ罪のない市民を狙うのか』と怒りを」ぶつけていたけれど、実はそれと同じことを英米両国がアフガニスタンやイラクでやってきた、ということを忘れている。石油の利権獲得のためならイスラム諸国の多数の市民を殺しても何の腰痛も感じないブッシュとブレアの”ダブルB”こそがテロリストなのだ、というイスラム過激派の言い分に耳を貸さなければ、2012年のロンドン五輪開催は不可能になるかも知れない」

 肝心はイラクにおける死傷者数だが、欧米の民間第三者機関(Iraq Body Accout)のイラク死亡者数調査によると、現時点で最低で22,787人、最大で25,814人いると報告している(2005年7月9日現在)。

 もちろん、米英などのイラク駐留軍死傷者も増えている。しかし、イラク人側の死亡者に比べれば数10分の1にすぎない。

 ちなみに、この第三者機関(Iraq Body Accout)は、次に示す米英を中心に欧米の大学教授、研究者等により構成され、既存の報道資料をもとに死亡者数をカウントしている。データの信憑性もかなり高いと思える。

ERIC CLARKE (Assistant researcher) is professor of music at the University of Sheffield,

NIKKI DIBBEN (Assistant researcher) is a lecturer in music at Sheffield University

JOSHUA DOUGHERTY (Assistant researcher) is a guitarist, private instructor and a graduate student in music at the University of the Arts in Philadelphia, PA, USA.

MARIANNE FILLENZ (Assistant researcher) is senior research fellow in neuroscience at St Anne's College Oxford and retired University lecturer in Physiology.

CHARLIE FORD (Assistant researcher) was awarded a doctorate for his holistic critique of Mozart's Cosi fan tutte in 1989 and has since published on popular music.

JORDANA LIPSCOMB (Assistant researcher) is a retired litigation attorney and mother of two. Supporting member and event coordinator of Musicians Opposing War (MOW).

SCOTT LIPSCOMB (Assistant researcher) is a co-founder of Musicians Opposing War, a collective of Northwestern University faculty,

DARELL WHITMAN (Assistant researcher) is a post-graduate student with the School of Politics, International Relations and the Environment at Keele University.

ROWAN WILLIAMS (Assistant researcher) is a graduate in Modern Languages from the University of Cambridge.


(5)アフガン、イラク占領が米英利権の巣窟となっている

 米英両国が中東、なかんずく「9.11」以降、中東でしてきたことをしかと見る必要がある。それは世界第二位ないし第三位と推定されるアフガンの天然ガスやイラクの豊富なエネルギー資源の占拠と収奪ではないのか。

 圧倒的な軍事力によって他国を軍事支配し、との後、米英系の多国籍資本、エネルギー産業が現地に入り利権を確保するのある。米英両国は、日本はじめ世界各国から集めた巨額の復興資金を使い米英系軍需企業などへ随意契約方式発注している現実がある。

 米英両国はアフガンやイラクを一方的に占領するのみならず、軍事力に物を言わせ利権行為、さらにエネルギー資源の略奪行為を行っていること、になりかねないのである。

 以上が、私が考えるロンドン同時多発テロ発生の背景である。

 次は、同時多発テロとアル・カイダの関与あるいはアル・カイダ首謀説についての私の推論である。


(6)ニューヨーク・マンハッタンの「9.11」同時多発テ

 2001年9月11日、ニューヨーク・マンハッタンの世界一の国際金融街、ワールドトレードセンター(WTC)で起こったツィンビルへの民間航空機の突撃はじめ米国国防総省などを含めた「9.11」同時多発テロは、オサマ・ビン・ラディン氏に統率された国際テロ組織、アル・カイダによって引き起こされたものと推定されている。

 
※このアル・カイダ説については米国、日本の識者などから、いまだ米国の自作自演説が出され、本やDVDも敢行されているが。

 アフガン戦争はアル・カイダを率いるビン・ラディン氏がアフガンを拠点に活動していることを最大の理由として、米英両国が中心となり起こした戦争であることは周知の通りである。


(7)イラクとアル・カイダとの関係

 米英がアフガン戦争を惹起したのはあくまでも「9.11」同時多発テロがアル・カイダグループが行ったと言うことにある。

 米英軍のイラク侵攻、国土占領、そしてイラク国内での大量破壊兵器の存在が各種政府調査により否定されたことから、国際テロ組織、アル・カイダの幹部と想定されるザルカウィ氏の存在がクローズアップされてきた。

 今回のロンドン同時多発テロに関してもそのザルカウィ氏の関与が取りざたされている。

 だが、ドイツばかりでなく、フランス、中国、CISといった国連安保理常任理事国の反対を押し切って、イラクを一方的に米英が攻撃する時点においてフセインとアル・カイダとの直接的関係を示す証拠は無かったことは事実であろう。


(8)アル・カイダとロンドン同時多発テロ

 筆者は、9・11以降、世界各国で起きている同時多発テロにはある共通した戦略と戦術が見て取れる。

 オサマ・ビン・ラディン氏が大規模テロを起こす最大の理由は、米英両国による世界経済(グローバルエコノミー)支配への抵抗であろう。もちろん、その背後には、イスラム教文明とキリスト教文明との間での各種の文明論史的な確執や価値観の違いはある。

 では、アル・カイダ・グループのその共通した戦略と戦術とは何であろうか。


(9)アル・カイダ戦略の顕著な特徴としての「国際金融」

 2001年9月の「WTC爆破等同時多発テロ」以降、「イスタンブールの英国大使館・銀行爆破」、「マドリード地下鉄爆破」 そして今回の「ロンドン同時多発テロ」をつぶさに見ると、そこにはオサマ・ビン・ラディン流の戦略と戦術を見て取れる。

 それが何かと言えば、ブンラディン氏やアル・カイダは、米英を中心に相互依存性を増す国際金融の裏事情を熟知していることである。

 ビン・ラディンとブッシュ家との過去の関係を見るまでもなく、アル・カイダの首領、ビン・ラディン氏はもともとサウジアラビアのゼネコン大富豪の長男であり、米国のCIAやエネルギー産業企業との縁をもっていた。そのビン・ラディン氏の行状を見ていると、ビン・ラディン氏はイスラム文明vs.キリスト文明と言う文明論史的反骨心がある一方、彼は世界経済、国際金融の実態を熟知していることがある。

 ※ビン・ラディン氏とブッシュ家には因縁の金をめぐる関係が過去から現在まで指摘されている。私は岩波の世界に「エネルギー権益から見たアフガン戦争(2002年9月)」や本HPの長編コラム、「正当性なき米国のイラク攻撃(2003年1月)」を書くなかでその一端を紹介したが、その後、たとえばマイケル・ムーア監督の「華氏911」でも、それがひとつの大きなエポックとなっていたのは、記憶に新しい。


(10)アル・カイダ戦術と同時多発テロ(金融地政学面)

 ここから先は、まったくの私見である。
 
 米英を中心とした先進諸国への文明論史的、怨念的な怒りをもつ、ビン・ラディン氏が単なる凶悪、卑劣なテロリストでないのは、彼が単なる暴力的テロ行為だけでなく、今日のグローバル経済の構造とあり方を熟知した戦術を駆使していることである。

 具体的に言えば、ビン・ラディン氏が指揮したと思われる大規模テロ行為は、いずれも、彼らの「資金調達」行為と密接に結びついていると思えるからだ。その状況証拠と推定できるのは、次にことである。

〆能蕕梁腟模同時多発テロ、すなわち「9.11」は、世界の金融の中心地である米国ニューヨーク、マンハッタン島のワールドトレードセンター(WTC)で起きた。

▲ぅ好織鵐屐璽襪留儿餞愀源楡瀁破もイスタンブール新市街地の金融中心地で起きた。

J同兩召涼跳襪鯤し、スペインのイラク派兵を辞めさせたマドリッド列車爆破。これは2004年3月11日午前7時30分(日本時間午後3時30分)頃、スペインの首都マドリード中心部の三つの駅で四つの列車が10分の間に次々と爆弾が破裂、車両は大破した。マドリッドもいうまでもなくスペインの金融の中心地である。

い修靴萄2鵑留儿颯蹈鵐疋鵑瞭瓜多発テロも、ニューヨークと並ぶ世界の金融都市ロンドンのシティーで起きている。 


(11)アル・カイダ流の戦術とは

 上記のようにビン・ラディン氏の指揮あるいはビン・ラディン流の大規模テロ、それも同時多発テロは、いずれも首都の金融街ないしその近傍で起きている。おそらくこれは偶然ではないと思える。

 それはただ単に国際金融の現場で同時多発テロが起きたにとどまらないことだ。具体的に言えば、それはいわば国際先物取引市場の原理を使った巨額資金の入手を兼ねているのではないかということである。もちろん、あくまでも推論であるが。

 言うまでもなく、先物取引とは、「ある商品」を、「将来の一定の期日」に、「今の時点で取り決めた価格」で取引することを「約束する」契約をいう。この先物取引の大きな特徴は、投入した投資額の10倍以上の取引が可能となることだ。もちろん投資者が抱えるリスクも10倍以上となる。

 この先物取引は、一般的には極めて投機性が高い投資行為であるが、あくまでも合法的取引である。それは一時に巨額の収益を得ることが可能だが、往々にして巨額の投資を一瞬にして喪失することもある。


(12)国際金融市場での先物取引

 ところで、以下の2枚の図は日本の東証のHPに掲示されている先物取引の説明である。

 先物取引では、先物取引とは、「ある商品」を、「将来の一定の期日」に、「今の時点で取り決めた価格」で取引することを「約束する」契約をいうわけだが、先物取引後、先物市場で投資対象の価格が高くなる場合はもちろん、価格が低くなってもその差額をリターンを利ざやとして得ることが可能である。





 通常、購入時には近い将来、先物の価格が上がるか、下がるかのいずれかを指定する。上がることを予想した場合は、「先物買い」と言い、下がることを予想した場合、「先物売り」と呼んでいる。


(13)同時多発テロと先物取引

 ところで、過去の同時多発テロでは、テロ勃発直後、いずれも先物市場で価格が大幅に下落している。したがって、もし、アル・カイダグループが世界各地の先物市場でそれぞれが「先物売り」を指定すれば、一夜にして間違いなく巨額の資金を手に入れられるのである。もし、同時多発テロがビンラディン氏らによるものであった場合、まさに「自作自演」となる。

 自作自演なら間違いなく、「先物売り」は大成功するだろう。ハンパでない資金を一夜にして獲得することが可能となるのである。しかも、自分たちが同時多発テロを起こすのだから、利益回収の期日だって思うように指定できる。

 事実、いずれの同時多発テロも現地時間で土日をまたがない火曜日から木曜日に起きている。

 (胴顱Д縫紂璽茵璽9.11  2001年 9月11日(火)
 ▲肇襯魁Дぅ好織鵐屐璽襦   2003年11月20日(木)
 スペイン:マドリッド      2004年 3月11日(木)
 け儿顱Д蹈鵐疋鵝        2005年 7月 7日(木)

 とくに,,いいずれも木曜であることに注目する必要がある。


(14)国際金融とグローバルネットワークを裏手にとった戦術

 以上,簡単に過去の同時多発テロの現代史的特徴について述べてきた。

 よしあしは別としていえることは、オサマ・ビン・ラディン氏らは、アングロサクソンで白人、プロテスタントのいわゆるWASPを超える戦略と戦術を持ち合わせていると言うことだ。

 いつも事後的対応に終始してきた欧米,日本のテロ対策だが、これではいくら金を費やし「見えざる敵に」右往左往しても、本質的な解決にはならないと思う。

 解決はただひとつ、もともと正義も大義もない国への侵攻と資源エネルギーの収奪を辞めることである。日本政府も本気で自衛隊の撤退を考えた方がよいだろう。

 半端でない大量破壊兵器を有する米英が、他国についてあれこれ言ってもまったく道理も説得力がないことは言うまでもない。世界中の罪のない子供,老人,弱者をこれ以上、殺さないために、また持続的社会を構築するためにも、英米的そして唯我独尊的価値観で他国に迷惑をかけないことがもっとも望まれる。

これでよいのか、夏野菜の大量廃棄

これでよいのか、夏野菜の大量廃棄
                  
                          青山貞一
 

長野でレタスとハクサイ廃棄、価格維持の需給調整
 長野県で夏ハクサイ2100トンと夏秋レタス2400トンの廃棄処分が1日、始まった。出荷量を抑えて価格を維持する緊急需給調整事業に基づく措置で、国内では先月のレタス、キャベツに続く廃棄処分となる。廃棄するのは全国農業協同組合連合会(全農)長野県本部。関東地区向けで、東京都中央卸売市場の7〜10日分の入荷量に相当する量を10日までに廃棄する。
(読売新聞) - 2005年7月2日

 
なんともやりきれない措置だ。まず農水省的解釈によると、次のようになる。

 すなわち
重要野菜緊急需給調整事業は、価格の暴騰・暴落に対処するためキャベツ、タマネギ、レタス、ダイコン、ハクサイ、を対象に行われる措置。季節ごとに特定品目を選定、暴騰時には契約野菜の放出、暴落時には産地廃棄によって価格を安定させることがその目的ということだ。

重要野菜緊急受給調整事業
 対象野菜(ダイコン、ハクサイ、キャベツ、タマネギ)の作柄変動などに伴う著しい価格の変動に対処するため、「産地調整」「分荷調整」「貯蔵」「加工用販売」または「産地廃棄」の緊急需給調整を行った生産者などに、その費用交付金を交付する事業。生産者が2分の1、国が2分の1を負担し、資金を造成している。

全国農業新聞HPより

 具体的に説明するとこうなる。まず日本全国を農水省の地方事務所単位で九地域に分ける。次に各地域の代表的な市場で基準価格を設定する。さらにJA(全農)と野菜の主産生産県が価格動向を見ながら検討する。その結果を農水省に報告。最終的に事業の発動を要請する。

 かかる産地廃棄制度は需給調整の「最後の切り札」だそうだ。季節にもよるが、たとえば全国野菜需給調整機構から支払われる補填金額は、キャベツだと1キロ25円前後。ただしその全額が農家の取り分になるわけではない。半額を来年用にまわすからだ。結局、農家はその半額しか受け取ることができないことになる。

 他方、重要野菜緊急需給調整事業以外に価格が急落した場合、農家の再生産を守る事業として指定野菜価格安定制度がある。これは当初想定した予約出荷量に対し平均価格と保証基準価格の差額の90%が支払われる制度だ。

野菜価格安定制度 
 野菜は気象の影響を受けやすい作物で、その年の天候によって豊作になったり不作になったりする。また、作付面積の増減や輸入の影響もあり、価格の変動が大きくなっている。そこで、主要な野菜の価格が著しく値下がりした場合に、生産者に価格差補給金を交付することなどにより、主な野菜産地(指定産地)における生産と消費地域に対する出荷の安定を図るため、野菜価格安定制度が設けられています。この制度は、野菜産地などの内、指定等を受けた地域(指定産地)で生産される野菜の生産者が拠出した負担金とともに、国や県の資金を合わせて基金を造る。これを財源として、野菜の販売価格が一定の水準以下に価格が低下した場合に、この基金を取り崩し、その差額を補給金として交付し、生産者の皆様の生産に対する影響を緩和するものである。

徳島県HPより

 こうして採算価格割れの野菜品目について野菜の生産農家は、産地廃棄して需給調整事業を受けるか、それとも赤字覚悟で出荷を続け、指定野菜価格安定制度を選ぶか、まさに究極そして苦渋の選択を迫られる。

 冒頭の読売新聞の記事を見ると、私たち消費者は、なんともやりきれない心情になる。せっかくつくったキャベツやレタスを収穫前に、全農と農水省の話し合いにより、産地に捨てトラクターで踏み潰す、それで販売価格を維持しようということがさまざまな意味で合点が行かないからだ。

夏野菜栽培


 それでも、農水省はそれが「最良」の選択とする。

 上記の説明でひとつ重要なポイントがある。それは生産農家とJA組合との関係である。

 たとえば、農家から考えれば、どんなに値段が下がっても、より多くの野菜を出荷したい。しかしながら、個々の農家ではなく、個々の野菜の産地の全体から見れば、野菜を市場に出荷することにより、運送や市場の手数料などの費用がかかる。したがって、出荷すればするほど実際には何も野菜を生産しない流通す組織であるJA組合が赤字になる。そのJA組合が赤字となると、個々の農家への野菜出荷への対価が支払えなくなる。

 かかる「理屈」から、市場相場がある一線まで価格まで下がった場合には、収穫するよりも収穫しない方が得ということになるわけだ。


 だが、上記の理屈は、あくまでもJAと言う実際には野菜を作らない流通組織の論理である。日本全体で考えると農家の圧倒的多くはそのJAと言う組合に入っているから、その組織の指示に従わざるを得ない。そこでは、個々の生産者にとっての採算より、流通業者であるJAの採算性が優先されることになる。

 すなわち、個々の農家がそれぞれが出荷すれば本来、それなりに売上は立つち補助金ももらえる。だが生産地全体で各農家が出荷すると、上述の理由でJAと言う組合の経営が成り立たなくなり、個々の農家への支払いがなくなるというわけだ。その結果、個々の農家としては出荷したくても、出荷すればJAの経営が成り立たなくなる。しかたなく廃棄を受け入れるしかないと言う悪循環に陥ることになる。

 ではどうすればよいか。確かに問題解決はそう容易ではない。

 考えられるひとつはの方法は、いうまでもなく個々の農家がJA依存から脱却し、個々の販路を開発することである。本当にすばらしい野菜をつくっているなら、生産者と消費者が直結する販路を開発することが重要だ。いきなりそれが無理な場合でも、官僚組織化しているJAとは別に、環境生協などと連携し自律的な産地直結の新たな販路を開発することだ。その他、モノカルチャー的な営農からより多様な営農を模索することもある。

 昨今の気象状況から推察されるように、今後ますます気候変動が著しくなり、農業への甚大な影響が予測される。そのような21世紀にあってもっとも大切なことは、農家自らがさまざまなリスクを回避するための情報ネットワークを構築することである。

 環境生協との連携もそのひとつだろうし、株式会社形式の営農支援組織もそのひとつだろう。それらとの情報交流が重要だ。本来その種のことはJAが担うべきことである。だが、その役割、機能をほとんど果たしていないところに最大の問題がある。寄らば大樹の日陰は暗いのである。

 いずれにしても大切なことは、どこでも誰でもやっている営農から脱却することだ。

 オンリーワン的な地域ブランドを個々の営農者がネットワーク化することで確立することだ。それは機能不全を起こし、農水省の下部組織に成り下がっているJAから別の流通ネットワークを構築することだと思う。

 
今こそ戦略と戦術をわきまえた営農と流通の構築が緊要だ!

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