青山貞一ブログ

独立系メディア「今日のコラム」に連動するブログ

2006年07月

自衛隊、イラク撤退の次にくるもの ス餾盜弩ァ  \鳥劃膂

 

 東京新聞 2006年7月24日
 試される平和、陸上自衛隊イラク撤収  国際貢献ほかにある
 武蔵工業大教授 青山貞一さん(59)

自衛隊、イラク撤退の次にくるもの だ鏤派遣   青山貞一

 

自衛隊、イラク撤退
の次に来るもの

戦時派遣
 
青山貞一

ヽ胴馘餌 ∈眄負担 4成事実 だ鏤派遣


 ここで、本題に入ろう。

 陸上自衛隊が無事帰還してくることで、私たちにはホッとした気分がある。

 しかし、残留する航空自衛隊のことを思うと、決して手放しで喜べない。いや、喜べないどころか、本ブログで私が長々述べてきたこととの関連において、歴史上初めて<他国の領土>、しかも<戦時>状態で自衛隊、正確にいえば航空自衛隊が活動することになる可能性は否定できない。

 すなわち、空自は軍事行動に参加するのではなく、C130輸送機で水や薬品などの民需物品を運ぶことになるだろう。しかし、本当にそうなのかというと、どうも疑わしいのである。

 今回の空自残留は、従来、英軍の規模縮小に伴う、いわば業務の肩代わり役である。もし、そうなら英軍がC130で行ってきた武器や弾薬を運ぶ可能性もあるだろう。

英空軍のC-130 出典:英空軍

航空自衛隊のC-130 出典:東京都


 事実、自衛隊ニュースには以下のように書かれている。


<論陣>イラク陸自の撤収に「ご苦労さま」
=空自・海自は現地で活躍中だ=

イラクの復興支援のためイラク・ムサンナ州サマワに派遣されていた陸上自衛隊が完全撤収することが6月20日に決定、額賀防衛庁長官が撤収命令を発した。論陣子としては、航空自衛隊と陸上自衛隊、海上自衛隊との同時帰国を理想としていたが、航空自衛隊の派遣隊とテロ対策特措法に基づきインド洋での海上燃料補給のための海上自衛隊は引き続き留まり、支援活動をすることになった

 .......略.......

 航空自衛隊は守備範囲が拡張する。いまは国連物資などをクウェートからイラク南部のタリル空軍基地に空輸するのが主任務だが、7月以降も残り、新たな輸送先も加わる。いまも内戦(テロ)中のバクダット基地や北部のアルビルなども新輸送基地になる。運ぶ物資も国連物資のほか多国籍軍の物資、兵員の空輸も加わるといわれている。米国などの艦艇に燃料補給している海上自衛隊とともに「ご苦労さまです」と言わざるを得ない。
 

 こんなことを堂々と書いていいのだろうか?

 この自衛隊ニュースを出している防衛ホーム新聞社の住所は新宿区市谷本村町にある。市谷本村町と言えば市ヶ谷の自衛隊本部があるところだ。 

 あるブログには次のように書かれている。すなわち


撤退

 サマワから陸上自衛隊の撤退が決った。ただし航空自衛隊が足を伸ばしてバクダットまで謎な任務に尽くようだ。バクダットはコイズミ的認識では安全地帯なのだろう。過去、イギリスの輸送機が撃ち落とされたにもかかわらず。莫迦ブッシュとの取引なのだろう。

 陸上自衛隊が撤退したあと、空自の輸送機は何を運ぼうというのか。

 欺瞞というしかない。

 イラクに平和を は未だ完結してはいないのだ。

 2006.06.22 Thursday

出典:イラクに平和を 市民ができることからのスタート

 きっこのブログにも次のように書かれている。
 


イギリス軍のC-130が撃墜されたルートをイギリス軍のC-130の代わりに、ニポンの航空自衛隊のC-130が飛ぶ‥‥ってことは、同じような危険がともなうことは当然だけど、それ以前に、大きな問題がある。それは、運搬する物についてだ。

今までは、比較的安全な地域に、救援物資などの人道的な物を運んでたんだから、いくらアメリカに対するオベンチャラだとは言え、一応は、「国際貢献」ていう大義名分が通用してた。

だけど、今度の地域は、毎日のようにミサイル攻撃や銃撃戦、自爆テロが連発してる戦闘地域なのだ。だから、そこへ運搬する物といえば、当然、人間を殺戮するための武器や弾薬ってワケで、これは、「国際貢献」じゃなくて「参戦」だ。

今まで、イギリスのC-130が武器や弾薬を運搬してて、その代わりにニポンの航空自衛隊のC-130が飛ぶワケなんだから、運ぶ物だって、イギリスのC-130と同じなのは当たり前だろう。

きっこのブログ 2006.06.22

 
 英軍はバクダッド空港など、イラクでもっとも危険度が空港で武器、弾薬を含むカーゴを輸送していた。そのカーゴの中身は当然、外からは分からない。見えない。


現在のバクダッド国際空港及びその周辺。
Source:Google Earthを用いて筆者が作成



現在のバクダッド国際空港のエプロン部分の拡大。
Source:Google Earthを用いて筆者が作成


 私が最近、試写会で見た「ダーウィンの悪夢」というドキュメント映画では、欧州から毎日タンザニアのビクトリア湖に来る大型貨物飛行機は、アフリカにくるときはカラで、帰りは「ナイル・ピーチ」なる白身魚を満杯に積んでゆくとされていた。しかし、実態は来るときは武器、弾薬を満載し、タンザニアを基地として、アフリカ各国に売りさばくために欧州などからもってくる。帰りについでとして、白身魚を積んでゆく。いずれも通常はカーゴは外からは何が入っているか分からない。

 もちろん、これはアフガン戦争時にインド洋のガルシア島近くから空自が米軍の戦闘機等に給油をしていた場合にも妥当する。給油といいながら実は武器弾薬を空輸していても誰にも分からないからである。

 いずれにしても、同じC130で英軍から空自に代わっただけといえる。そして空港で英軍から仕事を引きついだ空自のC130がミサイル弾に被弾しないとはいえない。被弾しないという保証はどこにもない。サマワで水をつくって提供していた陸自とは比べものにならない、数百倍の危険度となるだろう。

 今回は内陸の空港であることから、ガルシア島付近の海域とは格段に状況は異なる。

 その意味で日本の自衛隊はまた一歩、戦闘に近づいたと見る方がごく自然である。

 そして、なし崩し的に既成事実を積み重ね、憲法第九条下で歴史上初めて<他国の領土>、しかも<戦時>状態に自衛隊が係わることになる。今度は、「非戦闘地域」なる詭弁は通用しないはずだ。

 自衛隊のイラク派遣は何のためだったのか。軍隊を派遣できる「普通の国」になるという名目で、まったく大義のない戦争に加担した国になっただけだ。

 もっぱら、憲法九条改正によって集団的自衛権を行使したいひとたちにとって、自衛隊のイラク派遣は、まさに戦時派遣という既成事実を達成したことになるのかも知れない。
 
つづく

自衛隊、イラク撤退の次に来るもの 4成事実   青山貞一

 

自衛隊、イラク撤退
の次に来るもの

既成事実
 
青山貞一

ヽ胴馘餌 ∈眄負担 4成事実 だ鏤派遣

 


 もちろん、私はイラク戦争を財政負担の観点からだけ批判しているわけではない。いうまでもなく、イラク戦争にはまったく大義がない。

 自衛隊の派遣は何のためだったのか?

 おそらくそれは米国の意向であり、撤退も米国の意向である。では日本政府が自衛隊をイラクに派遣したのは米国の意向だけであったかといえば、けっしてそうではないだろう。

 それは、一口で言えば、日本を軍隊が海外派遣できるいわば「普通の国」になるためだ。しかし、実際は、それを名目に大義のない戦争に参加したものの、大義のない米英の侵略戦争に加担した国となっただけである。

 おそらく日本政府は、今まで同様、このイラクへの自衛隊派遣を、彼らの言う「普通の国」に一歩近づ貸せる上での「既成事実」に使うのだろう。 その上で、彼らにとって大きな登竜門となる憲法第9条の改正による集団的自衛権の獲得を目指すのである。

 私たちは、イラク戦争勃発以前から以下の3つの署名を行い日本政府や国会議員に申し入れてきた。

 その目的は、単なる非戦あるいは平和主義者としてではない。米国によるイラク戦争は、大義、正義がない先制攻撃的戦争であり、エネルギー利権を奪取する侵略戦争と思われても仕方ないものであるからである。

 その巻き添えとなって、兵士以外にまったく罪のない子供や病人、老人らがすでに4万人近く死んでいる。さらに米国の劣化ウラン弾の後遺症によって多くのイラク人や兵士の体が蝕まれてゆく可能性が高い。

●正当性なき米国のイラク攻撃への日本政府の実質的支持撤回の意見申し入れ 

●日本政府へのイラク戦後復興拠出の不支持の意見申し入れ

●自衛隊イラク派兵を勇気を持って断念させる意見申し入れ

◆既成事実の積み重ね

 
日本の国防費を「軍事費」でランキングした場合、日本はすでに世界で4位〜5位に位置している。これに象徴されるように、日本の自衛隊や防衛装備は、どこから見ても立派な陸海空の軍隊である。

 もちろん、GDPが世界第二位の日本はGDPに対比した軍事費では他国に比べそれほど大きくない。だが軍事力比較の主要指標となる正規軍数の人口比で見れば、日本はすでに中国に匹敵するものとなっている。さらに保有艦艇は142隻、総基準排水量は約40万トンで世界第五位である。

 これが為政者が戦後なし崩し的に勝手に憲法を解釈しつつ進めてきた日本の現実である。すくなくとも、軍事費、装備の質、正規軍数の面では日本はすでに十分「普通の国」となっている。まさに再軍事大国化、「大日本主義」への通である

 
その自衛隊だが、湾岸戦争が起こった1991年以来、海外になし崩し的に派遣され、まさに「既成事実」を積み重ねている。

 表3は、湾岸戦争(1991)以降の日本の自衛隊の海外派遣による既成事実の積み重ねをわかりやすく示したものだ。

          
表3 自衛隊海外派遣、既成事実積み重ねの歴史

湾岸戦争後のペルシャ湾への掃海艇派遣
 
1991年、海上自衛隊は湾岸戦争終結後、ペルシャ湾に掃海艇を派遣した。この派兵は、湾岸戦争の終結後であったが、海外の公海上への初の派遣であった。

       ↓
カンボジアPKFへの陸上自衛隊派遣
 
1992年、陸上自衛隊が戦争終結後にカンボジアに地雷除去などの目的で派遣された。この派兵は戦争終結後であったが海外領土への初めての派遣であった。
       ↓
テロ対策で海上自衛隊がインド洋に派遣
 
2001年、海上自衛隊が戦時下のインド洋に派遣された。このときは戦時下であるが、海外公海上への派遣であった。
       ↓
イラクへの自衛隊派遣
 
2003年12月、政府は自衛隊をイラクに派遣することを決定した。これは戦時下の海外領土へのわが国最初の自衛隊の派遣となる。
       ↓
イラクにおける多国籍軍への参加?

多国籍軍
 一般には、国連安全保障理事会の決議や勧告を
 受けて各国が合同で編成する軍隊のことである。
 国連憲章で規定された国連軍とは別のものであり、
 各国がそれぞれの責任において派遣する。



 
上記をさらに、図式化したのが下図である。図では、横軸を<海外の公海>、<外国の領土>とし、縦軸を<戦闘終結後>、<戦時>と設定している。

 1991年、湾岸戦争終結時に海上自衛隊がペルシャ湾に派遣された。それは海外の<公海>であり、<戦闘終結後>であった。その後、1992年にはカンボジアに陸上自衛隊を派遣する。これは<外国の領土>であるが<戦闘終結後>であった。

 9.11以降、2001年、政府はテロ対策と称して、<海外の公海>であるガルシア島近くの<海外の公海>ではあるものの<戦時>に自衛隊を派遣した。

 そして、2003年のイラク戦争では、<外国の領土>しかも<戦時>に自衛隊を派遣したのである。

 まさになし崩し的、そして既成事実の積み重ねによる自衛隊の海外派遣である。

  
  
図4 自衛隊の海外活動拡大の経緯
 
出典:東京新聞

◆恣意的な法解釈


 
当然のこととして問題は、これら自衛隊の海外派兵の歴史的経路が憲法第九条とどう関連するのかだ。

◆日本国憲法
第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 残念ながら、これについてまともな憲法論議はない。内閣法制局、衆議院法制局、参議院議員法制局の見解はもとより、肝心な最高裁はたえず違憲判断を先送りしてきたのが実態である。 

 またそのなかで、政府は9.11以降以下の表にあるような新法や既存法の改正を行ってきた。

 しかし、誰がどう見てもイラクへの自衛隊の派遣は外国領土、それも戦時への派遣であることは明白である。

 そこで政府は、自衛隊のイラク派遣に際しては、苦しまぎれに、「イラク特措法」のなかで、「非戦闘地域」と言う概念を持ちだし、サマワは非戦闘地域であると強弁するとともに、小泉首相は国会答弁で、これに関連しあらゆる詭弁をろうしてきたのである。

 たとえば、
内閣法制局でさえ、この「非戦闘地域」解釈には疑義を呈している。結果としてたまたま、陸上自衛隊派遣機関中、サマワが大規模な戦火となることはなかったかも、知れない。だからといって自衛隊のイラク派遣が<戦時>の<外国領土>への派遣ではないとは、誰も思わない。おそらくこれは小学生でも分かることだ。

つづく

自衛隊、イラク撤退の次にくるもの ∈眄負担   青山貞一

 

自衛隊、イラク撤退
の次に来るもの

財政負担
 
青山貞一


◆自衛隊派遣、撤退の財政負担

 そんななか、つい最近、我が自衛隊がイラクから無事帰還した。自衛隊が撤退した最大の理由は、派遣時同様、米国の意向であろう。

 米国自ら世論、財政両面で非常に厳しい状況にある。さらに盟友の日本をブーツ・オン・ザ・グランドなとといって、サマワに呼び込んだまではよかった。日本の陸上自衛隊の警備に当初、オランダ軍があたり、オランダ撤兵後は、英国、オーストラリア軍が当たってきたが、それらの国々も財政負担と国内世論が大きくなってきた。

 米国はサマワから日本の陸上自衛隊を撤退させれば、その警護に当たってきた英国やオーストラリア軍の負担を減らせるだけだ。

 周知のように、地上軍の投入は投入初期から滞在中、そして撤収まで、膨大な費用がかかる。日本を例に派遣、撤退費用を見ると大筋次のようになる。

 自衛隊のイラク派遣はここ2年間半で、陸上自衛隊が延人数で5,500名に及んでいる。それに要した費用は、国会質問で政府が答弁した範囲でも次の表1のようになる。


 表1 日本政府発表の自衛隊イラク派遣・撤退費用

 [上自衛隊:
  派遣滞在費(642億円)+徹底費(120億円)=742億円

 航空自衛隊:
  派遣滞在費(113億円)+徹底費(26億円) =139億円

 3ぞ綣衛隊:                   =  4.4億円

 に姫卍4慙内部費用:            =  1.6億円


 表1は合計総額で887億円と、巨額だ。もちろん、上記にはイラク(暫定)政府への巨額に上る援助費は含まれない。

 私は常々、「戦争は最大の環境破壊」と言い続け、3年ほど前から大学の公共政策論でも戦争と環境の講義を行っている。その延長で言えば、「戦争は最大の公共事業」である。もちろん、肯定的な意味でいっているのではない。ろくな議論もないまま国民が巨額、莫大な財政負担、「戦費」負担を押しつけられる公共事業としてだ。

 軍事や防衛事業は、通常の公共事業のように情報公開が効かないし、監査請求や住民訴訟など司法審査が一切きかない。一般競争入札も行われない。上記の数字も政府答弁なので、どこまで正確かわからないが、とにかく地上軍の投入は膨大な費用がかかることが分かる。

 一千兆円になんなんとする日本の国、地方の累積債務だが、こと軍事、防衛となると、例外視され突出した予算的措置がなされている。

 これは日本の閣僚らがブツブツ言っている中国の軍事費もそうだし、そもそも米国の軍事費、たとえば一般会計予算に占める軍事関連予算の割合は図1にあるように17%と突出している。

図1 米国の国家予算に占める軍事予算の割合
出典:War Registers League

 まぁ、これは諸外国も同様だ。ただ、憲法九条や国民世論との関係もあり、世界第2位の経済大国、日本は経済力に対比した防衛費の割合はまだ少ないと言える。これはいわば当然のことである。陸、海、空の軍隊を持たないと憲法で宣言しているのがニッポンだからである。

表2 2001年国別GDP 
 
単位:10億ドル
順位 GDP 国家予算
1 アメリカ 10,082.2 2,130
2 日本 4,175.7 650
3 ドイツ 1,854.9
4 イギリス 1,422.6
5 フランス 1,311.0
6 イタリア 1,089.6
7 カナダ 705.4
8 メキシコ 617.7
9 スペイン 583.6
10 韓国 422.4
出典:内閣府「国民経済計算年報」 国家予算は調査未了

 しかし、湾岸戦争(1991年1月)以降、とくに9.11以降、米英のテロ対策との関連で日本も防衛費が増加に転じた(図2、図3参照)。

  各国の軍事費は、9.11以前から米国が突出して大きい。しかし、日本もCISに次いで世界第三位となっている。軍事費面で日本はとっくに世界の軍事大国に仲間入りしていたのである。

 もちろん、上述のようにGDPが世界第二位の日本はGDPに対比した軍事費では他国に比べそれほど大きくない。しかし軍事力比較の主要指標となる正規軍数の人口比で見れば、日本はすでに中国に匹敵するものとなっている。さらに保有艦艇は142隻、総基準排水量は約40万トンで世界第五位である。

 これが為政者が戦後なし崩し的に勝手に憲法を解釈しつつ進めてきた日本の現実ではなかろうか。すくなくとも、軍事費、装備の質、正規軍数の面では日本はすでに十分「普通の国」となっている。まさに再「大日本主義」への通である

 日本がイラクに自衛隊を派遣したことの歴史的な意味は、戦時下の他国の領土、しかも誰が見ても戦地に自衛隊を派遣することにあったと思われる。これは政府がいくら詭弁を労しようと、である。そして、これは再び「大日本主義」の端緒を切り開くものであるといえる。日本国民はこれを熟視し、監視する必要があるだろう。 

図2  2000年度の主要各国の軍事費  グラフ作成:環境総合研究所
図3  2001年度の主要各国の軍事費  グラフ作成:環境総合研究所


 今後、日本の防衛費(=軍事費)は、北朝鮮問題との関連で増えるだろう。

 MD(ミサイル防衛)や近距離のミサイル迎撃システム、パトリオットなどを米国から多量に調達する可能性が高いからだ。すでに政府の閣僚はそれを示唆する発言をしている。

 事実、北朝鮮がロシア沿岸の海に7発ミサイルを打ち込んだとたん、日本の閣僚らはMDが必要とか、パトリオットを新規配備などと声高に語っている

 これと関連して、海上自衛隊は「ミサイル護衛艦」としてイージス艦4隻が稼働している。1993年3月に「こんごう」、1995年に「きりしま」、1997年に「みょうこう」、そして1998年に「ちょうかい」が配備された。

 また、今後、ヘリコプター搭載能力とミサイル防衛に対応した7,700t級のイージス艦二隻の配備が決定している。2005年8月24日に一隻目が進水し、2007年3月には就役を予定している。これら日本が買っているイージス艦は、一隻ざっと推定1400億円だそうだ。

 国連安保常任理事国、とくに米国がそうであるように、冷戦構造終結後、敢えて危機をつくり、ならずもの国を名指しながら、同盟国に超高額の先端武器・弾薬を売りさばいている。日本はその最大のお客さんそしてお得意さんとなっているのだ。事実、イージス艦を保有、配備している国は、米国以外では日本とスペインだけである。

 いずれにしても、戦争、軍事、防衛に係わる話は、必ず米国はじめ大国の為政者や政治家と軍需産業とつるんだマッチポンプと見る視点が不可欠である。

つづく

自衛隊、イラク撤退の次にくるもの ヽ胴馘餌燹 \鳥劃膂


自衛隊、イラク撤退
の次に来るもの

各国撤退
 
青山貞一

 先週の木曜日、東京新聞社会部の遊軍記者から私の大学の研究室に電話があった。長期連載している<試される平和>のインタビューに応じて欲しいというのが内容だ。

 <試される平和>シリーズは、電話があった木曜日の朝刊でも、現在の在日イラク大使のインタビュー記事を掲載するなど、さまざまな角度、多様な視点から平和や非戦を追求している。連載の本数もゆうに100をゆうに超えているという。

 今の日本の新聞メディアの一般的な状況からすると、この種の重要ではあるが至極地道な内容で、100本以上連載を継続するというのは、なかなか難しいと思う。

 東京品川区のJR目黒駅近くにある私たち環境専門の闘うシンクタンク、環境総合研究所でインタビューを受けた。

 記者と話して分かったのだが、私は連載の比較的初期の段階で一度インタビューを受けていた。記者に言われてそばにあるPCのグーグルで検索すると、以下の記事が出てきた。56歳となっている。なんと3年以上も前だ。

 今回インタビューを受けた記事も、でたら本独立系メディアの「今日のコラム」で紹介したい。

      東京新聞 2003年3月20日(木)朝刊
 

 
◆各国のイラク撤退状況 

 独立系メディアの読者であればよくご存じだと思うが、私は以前から自分でも感心するくらいしぶとく「イラクからの最新撤兵状況」調べ、報告し続けている。

 下表はその一部だ。米国のブッシュ政権の要請に基づき当初からイラク戦争に参加した欧州の国々の一覧である。なお、世界各国の参戦状況は「イラクからの最新撤兵状況」を見て欲しい。

国名 派兵・撤兵状況
軍派兵有無 撤兵可能性有無
欧州
ノルウェー     撤退
オランダ  撤退
イタリア      撤退加速
スペイン      完全撤退
デンマーク    
ポルトガル     撤退
ハンガリー     撤退
イギリス     
ポーランド     撤退予定
チェコ      考慮中
スロバキア
ルーマニア
ラトビア
リトアニア
エストニア
モルドバ 撤退
ウクライナ 撤退開始
ブルガリア 完全撤退
アルバニア
マケドニア

 以下、新聞記事をもとにイラクからの撤兵、撤退状況を振り返ってみよう。

●東欧諸国

 ところで、肝心な撤退状況だが、当初、米国から見返り援助を期待して参加したチェコ、ポーランド、ウクライナなど東欧諸国は、結局、地上軍派兵によって財政負担がかさみ、他方、肝心な援助は期待できないことが分かった。さらに国内世論の反発を買って、次第に撤兵を考慮しせざるをえなくなったというのが実態である。

 出兵時、東欧諸国は一方で独、仏が中心となっているEUへの加盟を申請し、他方で米国ブッシュ政権の要請に応じた。当時、私は国際学会で欧州にいたが、独仏首脳はテレビで東欧諸国のそのような対応に怒りをあらわにしていたことを覚えている。

 東欧諸国が国民を説得の最大の理由としていたイラク戦争の最大の大義、すなわち大量破壊兵器が見つからなかったことに加え、多くの犠牲者がでたことが撤退を余儀なくされた最大の理由である。

【モスクワ=中島健二】インタファクス通信によると、ウクライナのクチマ大統領は十日、同国のイラク駐留部隊を今年前半に撤退させるようクズムク国防相とグリシェンコ外相に指示した。同国は今年末の撤退方針だったが、治安悪化を理由に前倒ししたとみられる。

 ウクライナ軍は二〇〇三年八月からイラクに展開。現在約千六百人が駐留しているが、今月九日に誤爆で八人が死亡。これまでに計十七人が犠牲になった。このため昨年末に最高会議(国会)が大統領に撤退を求める決議を採択。クズムク国防相が撤退方針を明らかにしていた。

 ただ、昨年の大統領選で当選したユーシェンコ元首相は米国寄りで、新政権誕生後の対米関係に影響を与える可能性もある。


ブルガリア撤兵開始/イラク年内完了
ライブドアニュース 2005年12月18日

 【ベルリン=片岡正明】ソフィアからの報道によると、ブルガリア国防省は十六日、イラクに駐留中の同国軍部隊の撤退を開始したと発表しました。今月末までに完全撤退します。

 ブルガリアは四百人規模の歩兵部隊をイラクに派兵していましたが、戦闘などで十三人が死亡。反対世論が高まる中、議会が年末までの撤退を五月に決議していました。

 米軍の占領下でイラク情勢が泥沼に陥るなか、イラクに派兵した「有志連合」三十八カ国中、十一カ国がすでに完全撤退しています。駐留を続けている国のなかで、ウクライナ(約九百人)も年末までに完全撤退させることになっています。

 また、イタリアも九月の三百人撤収に続き来年一月に三百人の兵士を撤収させ、現在の二千九百人から二千六百人にすると十五日に発表したばかりです。三千二百六十人を駐留させている韓国も約千人を来年前半から削減する計画です。


●スペイン・イタリア

 EU諸国で当初から派兵していたイタリア、スペインは、スペインが国内で大規模な列車爆発テロが起き、イタリアはイラクでのジャーナリストらが拉致され人質となるなど、大義や正義のないイラク戦争に軍を送ったことが裏目に出た。

 イラク中部ナジャフに駐留していた220人規模のスペイン軍は表向き任務終了ということだが、2004年4月、イラク戦争に派兵していたEU諸国として最初に撤退を開始することとなった。

 イラク中部ナジャフに駐留しているスペイン軍が事実上の撤退を開始した。パウエル米国務長官は主要十三カ国の外相らに直接電話をかけるなどつなぎ止めに懸命だが、中米・カリブ諸国のホンジュラス、ドミニカ共和国が相次いで撤退を表明。東欧のブルガリアも駐留継続に条件を付けるなど、米国主導の「有志連合」の結束は揺らぎ始めている。

 【パリ=共同】スペインからの報道によると、イラク中部ナジャフに駐留していたスペイン軍兵士二百六十人が二十日、マドリードの空港に到着し本国に帰還した。任期終了に伴うものだが、同国のボノ国防相は「既に撤退プロセスが始まった」と述べており、スペイン軍の事実上の撤退第一陣となった。

 サパテロ新政権のイラク撤退方針を受け、同軍指揮下の中米・カリブ諸国では、ホンジュラスとドミニカ共和国が早期撤退を決定。エルサルバドルも追随する動きを見せている。ニカラグアは「予算不足」を理由に二月末に撤退させている。

 イラク駐留のスペイン軍兵士約千三百人は四月二十日にイラクでの四カ月間の任期終了に伴い、交代要員到着を待って順次帰国する予定だった。


イタリア兵ら4人も死亡
共同通信 2006年04月28日

 【カイロ27日共同】AP通信などによると、イラクの首都バグダッド南西部で27日、新政府の副大統領に選出されたタリク・ハシミ氏の妹が銃撃を受け、殺害された。新政府樹立に向けた動きが具体化する中、政治プロセスの進展を妨害しようとする武装勢力の犯行とみられる。

 一方、南部ナシリヤの駐留イタリア軍基地近くで同日、道路脇に仕掛けられた爆弾が同軍車列付近で爆発し、イタリア国防省によると、イタリア兵3人とルーマニア兵1人が死亡した。ナシリヤは陸上自衛隊が駐留するサマワの南東約100キロ。イラクの武装組織「イラク・イスラム軍」など2組織がウェブサイト上で犯行声明を出した。


イタリア:イラクからの部隊撤退支持が7割
毎日新聞 2006年4月18日

 【ローマ井上卓弥】イラクの武装グループに1人が殺害され、残る3人の拘束が続くイタリア人人質事件で、「駐留部隊撤退」要求を拒否するベルルスコーニ政権の強硬姿勢とは裏腹に伊国民のほぼ7割が「部隊撤退」や「撤退を含む条件交渉」を望んでいることが、17日までの伊主要各紙の世論調査で明らかになった。

 左派系レプブリカ紙(17日付)の調査では、人質事件への対応について回答者の68%が「(部隊撤退を含む)条件交渉の開始」を支持し、「現状維持(交渉拒否)」の25%を大きく回った。中立系コリエレ・デラ・セラ紙(16日付)でも、24%が「部隊の即時撤退」、51%が「国連軍駐留(6月末予定)後の撤退」を支持すると答え、「駐留継続」派は24%にとどまった。

 拘束された4人が武器を携行した米系警備会社社員だったため、日本人事件と経過が異なるのは当然との見方がある一方、自ら危険地域に入った4人の「自己責任」を問う声は少ない。政府の対米協力姿勢に原因を求める立場が多数派を占め、日本の世論動向とは違いを見せている。

 イタリアでは、イラク戦争開戦前から米国の「一国主義」への反発が根強く、親米派のベルルスコーニ政権が戦後、反対世論を押し切る形で派兵を決定した。以後、世論動向は「駐留反対」が「賛成」を上回る傾向が続いている。昨年11月の駐留部隊に対する爆弾テロ(19人死亡)後、世論硬化により「賛成」が45%に増加し、「反対」の48%(コリエレ紙調査)に迫ったが、民間人に被害が及んだ今回の事件で、政府方針と国民世論が対立する本来の状況に戻ったといえそうだ。

 強硬姿勢不支持の背景には政権幹部の不適切な事件対応も影響。人質殺害直後の15日未明、遺族への連絡を待たず、テレビ番組で被害者の身元を明かしたフラティニ外相に非難が集中している。

 イタリアでは、その後行われた国政選挙で派遣時の政権政党が凋落し政権が交代することとなった。これが撤退や撤退予定を早める主要な要因となった。

「イラク介入は不当」 選挙勝利のプローディ氏
共同通信 
2006年04月13日

 【ローマ12日共同】パリからの報道によると、イタリア総選挙で勝利した中道左派連合のプローディ元首相は12日のフランス紙ルモンドに掲載されたインタビューで「イラク介入は不当で根拠がない」と批判、派遣しているイタリア軍について「撤退はイラク政府と合意した上で行う。イラク再建のため、その後は民間人を派遣する」と話した。

 イタリアは、南部ナシリヤに2600人規模の部隊を派遣している。プローディ氏は総選挙で「できるだけ早く撤退する」と公約した。親米のベルルスコーニ政権は、撤退時期を「今年末まで」としていた。


●オランダ

 サマワに駐屯した日本の自衛隊の警護に当たったオランダは、2003年8月、「有志連合」の一員としてサマワがあるムサンナ州に1300人規模の兵を維持し、一時期は1680人規模となったが、2名の兵士が死亡したことをきっかけに撤兵世論が高まり、2005年2月、イラクから撤兵することとなった。

 私見では、自衛隊の警護に当たっていたこのオランダ軍の撤兵が、今回、自衛隊が撤退することになった大きな遠因であると推察できる。すなわち、オランダ軍の撤退の肩代わりを英軍約600人とイラク治安部隊がすることとなったが、それによって英軍が行っていた任務に支障が生じることになったからだ。


●オーストラリア

 日本の陸上自衛隊が活動するイラク南部サマワの治安維持を担当したオランダ軍が撤退した後、治安維持を担当するのは当初、英軍の600人とされた。しかし、英軍が当初予定の600人派遣を大幅に削減し150人としたため、その残り450人をオーストラリア軍が埋めることになった。

 イギリスとともに米国の要請に早めに対応してきたオーストラリアは、インドネシアのリゾート地、バリ島における大規模テロ発生をかかえ、正義も大義もなくなったイラクにおける泥沼戦争への参加によって大きなリスクを負っている。当然、財政状態も悪化している。

●枢軸、米英

 では先制攻撃の枢軸国、米英両国はどうだろうか。

 大義なき先制攻撃の主人公、ブッシュ政権とその盟友、ブレアー政権としてみれば、暫定政府を構築し、イラク人による国民選挙を行い、新たなイラク政府が樹立された。総じてサダム・フセインによる独裁国家が民主国家となったのだから、早晩、米英もイラクから撤退すると言いたいところであろう。

 しかし、ここでもっとも重要なことは、言うまでもなく、あれほどブッシュ、ブレアーが大見得をきった大量破壊兵器が見つからなかったことだ。この4月には以下のように、ラムズフェルド国防長官への米軍幹部からの辞任要求まで出た。

国防長官に強まる辞任要求
元米軍幹部から不満噴出

共同通信 2006年04月13日

 【ワシントン13日共同】イラク情勢の混迷が続く中、ラムズフェルド米国防長官が主導したイラク戦争は「不必要だった」(ニューボールド元海兵隊中将)などとして辞任を求める声が、退役した米軍幹部などから相次いでいる。

 開戦から3年が経過しても、米軍撤退の見通しが依然立たない現状に不満が噴出した格好。ブッシュ大統領の支持率も過去最低水準になっており、失策続きでプラス材料に乏しい米政権に対する逆風は強まる一方だ。

 イラクに駐留した米陸軍第1歩兵師団司令官を務めたバティスト元少将は、12日放映の米CNNテレビのインタビューで「国防総省にはチームワークを理解しているリーダーが必要だ」と述べ、ラムズフェルド国防長官の強引な手法を批判。


 そればかりか政権内の要人がそのことに関連し次々に辞職した。政権に近いシンクタンクからも大量破壊兵器未発見に関する調査報告書が出された。また、米軍によるアフガニスタンやイラクで捕虜となった兵士への虐待が明るみでたことも、反戦世論を高めている。

拷問や死亡、460人以上
米軍虐待でNY大など調査

共同通信 2006年04月27日

 【ニューヨーク26日共同】ニューヨーク大と国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチなどは26日、米国が2001年末以降、アフガニスタンやイラクなどで拘束し、拷問したり死亡させたりした疑いのあるテロ容疑者らは460人以上に上るとの報告書を発表した。少なくとも米兵や文官600人が関与したとみられるという。

 ニューヨーク大などによると、米国が軍事攻撃に踏み切ったアフガニスタンとイラクのほか、キューバのグアンタナモ米海軍基地に拘束された容疑者らを対象にした虐待の実態に関する初の包括的な報告。中枢同時テロ後の「対テロ戦」の負の側面を映し出したといえそうだ。


 エネルギー産業利権まみれのブッシュ一族にしてみれば、当初の大きな目的である世界第三位の埋蔵量を誇るイラクの油田を押さえ込んだものの、戦費のによる巨額の財政赤字はさらに逼迫し、今や国民の支持は30%前後まで凋落してきた。任期も限られ、ブッシュ政権は今後、後ろを見たら誰もついてきていない状況となることは必死だ。

 上記と同等以上に、米国世論を高揚させてきたのは、いうまでもなくイラクへ送られた米国の兵士の多くが死亡していることである。もちろん、イラク側の兵士や国民の死亡数(イラク・ボディーアカウントでは4−5万人が死亡と推定している)にははるか及ばないものの、かなりの数の米国兵士が死亡している。とくにイラクで息子が戦死し反戦活動を続けているシンディー・シーハンさんのこの分野での活動が目立つ。

 以下はこの4月、35万人規模のイラク反戦デモがニューヨークで行われた際の記事である。

NYで大規模反戦デモ 35万人、イラク政策にノー
共同通信 2006年04月30日

 【ニューヨーク29日共同】イラク情勢が混迷する中、イラク駐留米軍の早期撤退などを求める大規模反戦デモが29日、ニューヨーク・マンハッタンで行われ、約35万人(主催者発表)が参加した。

 「イランへの軍事攻撃反対」「お金は戦争でなく教育に」−。参加者はプラカードに反戦の言葉を掲げ、歌を歌ったり、自作のブッシュ米大統領批判の踊りを繰り広げたりした。戦死した兵士の写真をひもでつなぎ合わせて練り歩く市民グループもいた。

 イラクで息子が戦死し反戦活動を続けているシンディー・シーハンさんも参加し、「デモに参加して戦争を終わらせて」と通行人に呼び掛けた。


 イギリスでは、大量破壊兵器情報に関連する大きな事件が起きた。さらに追い打ちをかけるように英国ではロンドンの中心街で地下鉄内でテロ爆破事件が起こった。もともと出兵に批判的な国民世論を押し切って参戦した英国のブッシュの番犬ポチ、ブレアー首相も窮地に追い込まれたのである。

 最近では以下の記事にある米兵によるロイター(英国に本部)の記者らが発砲を受け死傷した事件も英国の反戦意識を高めている。

米兵の発砲は不法行為 記者死傷でロイター
共同通信 2006年04月10日

 【ロンドン10日共同】昨年8月、バグダッドで取材中のロイター通信のイラク人記者ら2人が米軍兵士の発砲を受けて死傷した事件で、同通信は10日、独自調査の結果として、記者らは敵対行為と間違えられるような行動はしておらず、米兵の「不法行為」と結論付ける声明を出した。

 死亡したのは音声技師ワリード・ハレドさん=当時(35)。負傷したのはカメラマン。

 声明によると、同通信から調査依頼を受けた英警備コンサルタント会社が、現場を再現したり関係者から事情を聴いたりした結果、2人の乗っていた車に対する銃撃を正当化する理由はないとの結論に達した。


●日本

 そんななか、イラク南部サマワに駐留している陸上自衛隊の撤退が決まった。2004年2月に本隊が現地に入ってから2年半になろうとしている。この間、派遣された復興支援は十次、延べ人員は5500人に及んでいる。

 上述のように世界各国が自ら撤退するなかで、日本の自衛隊の撤退は、派遣されたとき同様、あくまで米国の意向、都合であるといえる。アーミテージにブーツ・オン・ザ・グランドと言われ、憲法違反のイラク特措法を無理矢理制定し、「非戦闘地域」なる不可思議な定義のもと外国の戦地に送られたのが自衛隊だ。

 米国以外でイラク戦争の中枢をになってきた英軍やオーストラリア軍が今後、部分撤退を余儀なくされるなかで、撤退した陸上自衛隊とは別に、残留する航空自衛隊には、新たな業務が待ちかまえている。

 何と、今後は今まで英軍が行ってきたC130による航空貨物輸送を日本の航空自衛隊が肩代わりするのだ。後述するように、陸上自衛隊のイラク撤退後、これが最大の課題となる。

航空自衛隊のイラク支援業務、7月末から拡大
読売新聞 2006年7月15日

 政府は18日、イラク復興支援特別措置法に基づき、クウェートを拠点に活動している航空自衛隊の輸送業務について、7月末から新たにイラクの首都バグダッドとアルビルの2か所とクウェート間で、国連の人員・物資輸送を行うことを決めた。

 政府筋が明らかにした。イラク南部のサマワからの陸上自衛隊の撤収が完了したことを受けたものだ。

 国連の人員・物資については、5月にアナン事務総長が小泉首相との会談で、空自の協力を要請。首相は陸自撤収を正式決定した際、今後のイラク復興支援の柱として、空自の輸送業務を拡大する方針を打ち出していた。

 ただ、陸自部隊の撤収には空自輸送機が必要となるため、全部隊の撤収が完了するまで業務拡大を先送りしていた。

 

つづく

北朝鮮ミサイル発射:米国が日本にMD(ミサイル防衛システム)、パトリオット迎撃ミサイル売り込むさらなる口実に! 青山貞一

北朝鮮ミサイル発射:米国が日本にMD(ミサイル防衛システム)、パトリオット迎撃ミサイル売り込むさらなる口実に!


DPRKの今回のミサイル発射は、米国が日本にMDやパトリオットを売り込みむ格好の口実を与えている。

日本は米国に言われるままイージス艦数隻を超高額で購入させられたが、今回の件ではすでに日本政府首脳はMDやパトリオットを導入しろと騒いでいる。だが、以下の田中宇氏のコラムを参考にされれば分かるように、なんら実戦配備で実績のないMDに巨額で導入してはならない。

米日軍需産業の思うつぼだ。日本政府や大メディアの多くは大量破壊兵器が存在すると言う虚偽情報をもとに、米英がイラクに多量の巡航ミサイルやスカッドなどを打ち込んだイラク戦争を欧州、中国、ロシアの反対を尻目に一方的に支持した。

日曜(7/9)のテレビ朝日サンデープロジェクトでは、司会の田原氏がゲスト討論者に日本も戦争できる国にしなければならない、などと煽っていた。

北朝鮮が独裁国家であるとしても、外交に関しては米、中、露同様、日本政府より格段に上である。国民は、日本政府や大マスコミの扇動に乗ることなく、ここは冷静に対応すべきだ。

元八十二銀行頭取、茅野實氏の意見広告掲載に関する公開質問状(日本新聞協会会長宛)  青山貞一

 

元八十二銀行頭取
茅野實氏の意見広告
掲載に関する公開質問状
(日本新聞協会会長宛)
 
青山貞一

                               
                            平成18年7月7日

社団法人日本新聞協会会長
北村正任殿


前略

 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

 さて、本状は、信濃毎日新聞(平成18年6月15日)及び中日新聞(平成18年6月16日)の各紙に掲載されました元八十二銀行頭取、茅野實氏の意見広告に関するものであります。

 同封の公開質問状にありますように、当該意見広告は公職選挙法の関連各条項及び社団法人日本新聞協会の新聞倫理綱領、新聞倫理広告綱領、同基準等に抵触する可能性があります。

 同公開質問状に関する日本新聞協会のご見識及びご見解を書面にて受けたまりたく存じます。

 ご多用中恐縮でありますが、本状到着後、10日以内に当方にご郵送いただきたくここにお願い申し上げます。
 
                                      草々


               青山貞一(あおやま・ていい)
               自宅連絡先 〒142-0062
               東京都品川区小山3-22-22

               勤務先:武蔵工業大学環境情報学
               同大学院環境情報学研究科教授
               (担当:公共政策論)

元八十二銀行頭取、茅野實氏の意見広告掲載に関する公開質問状(中日新聞社長宛) 青山貞一


 

元八十二銀行頭取
茅野實氏の意見広告
掲載に関する公開質問状
(中日新聞社長宛)
 
青山貞一

             
                                  平成18年7月7日

名古屋市中区三の丸一丁目6番1号 中日新聞社
代表取締役社長 大島寅夫殿


 茅野實氏の意見広告掲載に関する公開質問状

                        青山貞一
                        〒142-0062
                        東京都品川区小山3-22-22                     
                        武蔵工業大学環境情報学部教授
                        同大学院環境情報学研究科教授
                          (担当:公共政策論)

前略

貴社の中日新聞、2006年6月15日朝刊に元八十二銀行頭取の茅野實氏が掲載した意見広告「鳴りやまぬ『目覚まし時計』をもう止めましょう」(複写を添付)につき、以下、公開質問致します。到着後1週間以内に郵送にてご回答を下さるようお願い申し上げます。

1.
茅野實氏の意見広告の新聞掲載は、知事選挙告示が迫った段階でのものであり、すでに総務省選挙部の判断においても公職選挙法第129条(事前運動)の適用時期に相当する可能性があるとされております。これは、別紙1の「新聞広告倫理綱領」にあるように、「1. 新聞広告は、関係諸法規に違反するものであってはならない。」という倫理綱領に抵触する可能性があると考えられますが、貴社が違法の可能性がある意見広告を掲載したことについて、どういう見識、見解をお持ちかお聞かせください。

2.

次に、茅野實氏の意見広告の新聞掲載は、公職選挙法第148条の2(新聞紙、雑誌の不法利用等の制限)に抵触する可能性があります。これも、別紙1の「新聞広告倫理綱領」にあるように、「1. 新聞広告は、関係諸法規に違反するものであってはならない。」という倫理綱領に抵触する可能性もあると考えられますが、このことについて貴社はどういう見識、見解をお持ちかお聞かせください。

(新聞紙、雑誌の不法利用等の制限)第148条の2
何人も、当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて新聞紙又は雑誌の編集その他経営を担当する者に対し金銭、物品その他の財産上の利益の供与、その供与の申込若しくは約束をし又は饗応接待、その申込若しくは約束をして、これに選挙に関する報道及び評論を掲載させることができない。
2 新聞紙又は雑誌の編集その他経営を担当する者は、前項の供与、饗応接待を受け若しくは要求し又は前項の申込を承諾して、これに選挙に関する報道及び評論を掲載することができない。
3 何人も、当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて新聞紙又は雑誌に対する編集その他経営上の特殊の地位を利用して、これに選挙に関する報道及び評論を掲載し又は掲載させることができない。

3.
別紙1の「新聞広告倫理綱領」によれば、「本来、広告内容に関する責任はいっさい広告主(署名者)にある。しかし、その掲載にあたって、新聞社は新聞広告が及ぼす社会的影響を考え、不当な広告を除し、読者の利益を守り、新聞広告の信用を維持、高揚するための原則を持つ必要がある。」としています。

茅野實氏の意見広告内容に関する責任は一義的には広告主にあるとしても、新聞社は新聞広告の及ぼす社会的影響からして、また不法、不当な広告を除するという倫理綱領との関連において同規定を逸脱していると思われますが、これについて貴社はどういう見識、見解をお持ちかお聞かせください。

4.
茅野實氏は、かねてより各種新聞の記事上で田中康夫長野県知事に対する批判的意見や非難を開陳されています。しかし、今回の意見広告は知事選挙の告示を間近に新聞上に掲載したものです。しかも、そこでは「2004年8月に最初のイエローカード!」、「2005年3月に2回目のイエローカード!」と中見出しが続き、「もうレッドカードを出させてもらうしかありません!」が3本目となっています。

ご承知のように、Jリーグ発足から満15年。今やサッカーの愛好家にとどまらず、全国津々浦々において「レッドカードを出させて貰う」と断ずる意見広告とは、即ち、長野県知事を辞職せよ、を意味します。しかも「もうレッドカードを出させてもらうしかありません!」は、同時に次の試合への出場停止、すなわち今回の長野県「知事選挙に出る資格はない」と言っているのと同じになります。さらに申せば、ピッチに入ったなら、審判員に場外に追い出されることになります。つまりは立候補するな、 立候補したなら有権者たる審判員に投票するなとっているのが、茅野實氏の意見広告であるといえます。

これらの表現は、1.に述べた公職選挙法の第129条(事前運動)および同法第148条の2(新聞等の不法利用)に抵触する可能性があると同時に、日本新聞協会の別紙2の新聞広告掲載基準 第10項、すなわち、「10.名誉棄損、プライバシーの侵害、信用棄損、業務妨害となるおそれがある表現のもの」であると考えられます。貴社は基準に抵触する広告は掲載しないと言う新聞広告倫理との関連についていかなる見識、見解をお持ちになるかお聞かせください。

5. 
周知のように、名誉毀損などに係わる訴訟では、広告であれ記事を執筆した者のみならず、掲載した媒体(新聞、雑誌等)にも損害賠償、慰謝料、謝罪広告等が請求されるのが一般的となっております。

新聞協会の別紙1の「新聞広告倫理綱領」でも「本来、広告内容に関する責任はいっさい広告主(署名者)にある。しかし、その掲載にあたって、新聞社は新聞広告の及ぼす社会的影響を考え、不当な広告を除し、読者の利益を守り、新聞広告の信用を維持、高揚するための原則を持つ必要がある。」としております。公職選挙法に抵触することとあわせ、立候補が予定される者の名誉を一方的に毀損する可能性がある意見広告を掲載されたわけですが、これについていかなる見識、見解をお持ちになるのかお聞かせください。
                         
6.
日本新聞協会では、別紙3の「新聞倫理綱領」を設けています。そこでは、ー由と責任、∪騎里噺正、F販と寛容、た邑△搬砂邸↓ド奮覆叛疆戮倫理として掲げられております。しかし、今回の意見広告掲載は、これらの倫理綱領を逸脱する可能性があるものと推察されます。これについていかなる見識、見解をお持ちになるのかお聞かせください。



中日新聞2006年6月16日掲載、茅野實氏の意見広告




別紙1 新聞広告倫理綱領
1958(昭和33)年10月7日制定・1976(昭和51)年5月19日改正

制定の趣旨
言論・表現の自由を守り、広告の信用をたかめるために広告に関する規制は、法規制や行政介入をさけ広告関係者の協力、合意にもとづき自主的に行うことが望ましい。

本来、広告内容に関する責任はいっさい広告主(署名者)にある。しかし、その掲載にあたって、新聞社は新聞広告の及ぼす社会的影響を考え、不当な広告を排除し、読者の利益を守り、新聞広告の信用を維持、高揚するための原則を持つ必要がある。ここに、日本新聞協会は会員新聞社の合意にもとづいて「新聞広告倫理綱領」を定め、広告掲載にあたっての基本原則を宣言し、その姿勢を明らかにした。もとより本綱領は会員新聞社の広告掲載における判断を拘束したり、法的規制力を持つものではない。

日本新聞協会の会員新聞社は新聞広告の社会的使命を認識して、常に倫理の向上に努め、読者の信頼にこたえなければならない。

1. 新聞広告は、真実を伝えるものでなければならない。
1. 新聞広告は、紙面の品位を損なうものであってはならない。
1. 新聞広告は、関係諸法規に違反するものであってはならない。



別紙2 新聞広告掲載基準
1976(昭和51)年5月19日制定・1991(平成3)年3月20日一部改正

 「新聞広告倫理綱領」の趣旨にもとづき、「新聞広告掲載基準」を次のとおり定める。
以下に該当する広告は掲載しない。

1. 責任の所在が不明確なもの。

2. 内容が不明確なもの。

3. 虚偽または誤認されるおそれがあるもの。誤認されるおそれがあるものとは、つぎのようなものをいう。
(1) 編集記事とまぎらわしい体裁・表現で、広告であることが不明確なもの。
(2) 統計、文献、専門用語などを引用して、実際のものより優位または有利であるような表現のもの。
(3) 社会的に認められていない許認可、保証、賞または資格などを使用して権威づけようとするもの。
(4) 取り引きなどに関し、表示すべき事項を明記しないで、実際の条件よりも優位または有利であるような表現のもの。

4. 比較または優位性を表現する場合、その条件の明示、および確実な事実の裏付けがないもの。

5. 事実でないのに新聞社が広告主を支持、またはその商品やサービスなどを推奨、あるいは保証しているかのような表現のもの。

6. 投機、射幸心を著しくあおる表現のもの。

7. 社会秩序を乱す次のような表現のもの。
(1) 暴力、とばく、麻薬、売春などの行為を肯定、美化したもの。
(2) 醜悪、残虐、猟奇的で不快感を与えるおそれがあるもの。
(3) 性に関する表現で、露骨、わいせつなもの。
(4) その他風紀を乱したり、犯罪を誘発するおそれがあるもの。

8. 債権取り立て、示談引き受けなどをうたったもの。

9. 非科学的または迷信に類するもので、読者を迷わせたり、不安を与えるおそれがあるもの。

10.名誉棄損、プライバシーの侵害、信用棄損、業務妨害となるおそれがある表現のもの。

11.氏名、写真、談話および商標、著作物などを無断で使用したもの。

12.皇室、王室、元首および内外の国旗などの尊厳を傷つけるおそれがあるもの。

13.アマチュアスポーツに関する規定に反し、競技者または役員の氏名、写真などを利用したもの。

14.オリンピックや国際的な博覧会・大会などのマーク、標語、呼称などを無断で使用したもの。

15.詐欺的なもの、または、いわゆる不良商法とみなされるもの。

16.代理店募集、副業、内職、会員募集などで、その目的、内容が不明確なもの。

17.通信販売で連絡先、商品名、内容、価格、送料、数量、引き渡し、支払方法および返品条件などが不明確なもの。

18.通信教育、講習会、塾または学校類似の名称をもちいたもので、その実体、内容、施設が不明確なもの。

19.謝罪、釈明などの広告で広告主の掲載依頼書(または承諾書)の添付のないもの。

20.解雇広告で次の項目に該当するもの。
(1) 解雇証明書の添付のないもの。
(2) 解雇理由を記述したもの。
(3) 被解雇者の写真を使用したり、住所などを記載したもの。

21.以上のほか、日本新聞協会の会員新聞社がそれぞれ不適当と認めたもの。
 (付記)以上は「新聞広告掲載基準」のモデルである。日本新聞協会の会員新聞社が、「広告掲載基準」を作成される場合は、この基準を参考とされたい。



別紙3 新聞倫理綱領
2000(平成12)年6月21日制定

 21世紀を迎え、日本新聞協会の加盟社はあらためて新聞の使命を認識し、豊かで平和な未来のために力を尽くすことを誓い、新しい倫理綱領を定める。

 国民の「知る権利」は民主主義社会をささえる普遍の原理である。この権利は、言論・表現の自由のもと、高い倫理意識を備え、あらゆる権力から独立したメディアが存在して初めて保障される。新聞はそれにもっともふさわしい担い手であり続けたい。

 おびただしい量の情報が飛びかう社会では、なにが真実か、どれを選ぶべきか、的確で迅速な判断が強く求められている。新聞の責務は、正確で公正な記事と責任ある論評によってこうした要望にこたえ、公共的、文化的使命を果たすことである。

 編集、制作、広告、販売などすべての新聞人は、その責務をまっとうするため、また読者との信頼関係をゆるぎないものにするため、言論・表現の自由を守り抜くと同時に、自らを厳しく律し、品格を重んじなければならない。

 自由と責任 表現の自由は人間の基本的権利であり、新聞は報道・論評の完全な自由を有する。それだけに行使にあたっては重い責任を自覚し、公共の利益を害することのないよう、十分に配慮しなければならない。

 正確と公正 新聞は歴史の記録者であり、記者の任務は真実の追究である。報道は正確かつ公正でなければならず、記者個人の立場や信条に左右されてはならない。論評は世におもねらず、所信を貫くべきである。

 独立と寛容 新聞は公正な言論のために独立を確保する。あらゆる勢力からの干渉を排するとともに、利用されないよう自戒しなければならない。他方、新聞は、自らと異なる意見であっても、正確・公正で責任ある言論には、すすんで紙面を提供する。

 人権の尊重 新聞は人間の尊厳に最高の敬意を払い、個人の名誉を重んじプライバシーに配慮する。報道を誤ったときはすみやかに訂正し、正当な理由もなく相手の名誉を傷つけたと判断したときは、反論の機会を提供するなど、適切な措置を講じる。

 品格と節度 公共的、文化的使命を果たすべき新聞は、いつでも、どこでも、だれもが、等しく読めるものでなければならない。記事、広告とも表現には品格を保つことが必要である。また、販売にあたっては節度と良識をもって人びとと接すべきである。

元八十二銀行頭取、茅野實氏の意見広告掲載に関する公開質問状(信濃毎日新聞社長宛) 青山貞一

 

元八十二銀行頭取
茅野實氏の意見広告
掲載に関する公開質問状
(信濃毎日新聞社長宛)
 
青山貞一

             
                                  平成18年7月7日

長野市南県町657 信濃毎日新聞社                    
代表取締役社長 小坂健介殿


 茅野實氏の意見広告掲載に関する公開質問状

                        青山貞一
                        〒142-0062
                        東京都品川区小山3-22-22                     
                        武蔵工業大学環境情報学部教授
                        同大学院環境情報学研究科教授
                          (担当:公共政策論)

前略

貴社の信濃毎日新聞、2006年6月15日朝刊に元八十二銀行頭取の茅野實氏が掲載した意見広告「鳴りやまぬ『目覚まし時計』をもう止めましょう」(複写を添付)につき、以下、公開質問致します。到着後1週間以内に郵送にてご回答を下さるようお願い申し上げます。

1.
茅野實氏の意見広告の新聞掲載は、知事選挙告示が迫った段階でのものであり、すでに総務省選挙部の判断においても公職選挙法第129条(事前運動)の適用時期に相当する可能性があるとされております。これは、別紙1の「新聞広告倫理綱領」にあるように、「1. 新聞広告は、関係諸法規に違反するものであってはならない。」という倫理綱領に抵触する可能性があると考えられますが、貴社が違法の可能性がある意見広告を掲載したことについて、どういう見識、見解をお持ちかお聞かせください。

2.

次に、茅野實氏の意見広告の新聞掲載は、公職選挙法第148条の2(新聞紙、雑誌の不法利用等の制限)に抵触する可能性があります。これも、別紙1の「新聞広告倫理綱領」にあるように、「1. 新聞広告は、関係諸法規に違反するものであってはならない。」という倫理綱領に抵触する可能性もあると考えられますが、このことについて貴社はどういう見識、見解をお持ちかお聞かせください。

(新聞紙、雑誌の不法利用等の制限)第148条の2
何人も、当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて新聞紙又は雑誌の編集その他経営を担当する者に対し金銭、物品その他の財産上の利益の供与、その供与の申込若しくは約束をし又は饗応接待、その申込若しくは約束をして、これに選挙に関する報道及び評論を掲載させることができない。
2 新聞紙又は雑誌の編集その他経営を担当する者は、前項の供与、饗応接待を受け若しくは要求し又は前項の申込を承諾して、これに選挙に関する報道及び評論を掲載することができない。
3 何人も、当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて新聞紙又は雑誌に対する編集その他経営上の特殊の地位を利用して、これに選挙に関する報道及び評論を掲載し又は掲載させることができない。

3.
別紙1の「新聞広告倫理綱領」によれば、「本来、広告内容に関する責任はいっさい広告主(署名者)にある。しかし、その掲載にあたって、新聞社は新聞広告が及ぼす社会的影響を考え、不当な広告を除し、読者の利益を守り、新聞広告の信用を維持、高揚するための原則を持つ必要がある。」としています。

茅野實氏の意見広告内容に関する責任は一義的には広告主にあるとしても、新聞社は新聞広告の及ぼす社会的影響からして、また不法、不当な広告を除するという倫理綱領との関連において同規定を逸脱していると思われますが、これについて貴社はどういう見識、見解をお持ちかお聞かせください。

4.
茅野實氏は、かねてより各種新聞の記事上で田中康夫長野県知事に対する批判的意見や非難を開陳されています。しかし、今回の意見広告は知事選挙の告示を間近に新聞上に掲載したものです。しかも、そこでは「2004年8月に最初のイエローカード!」、「2005年3月に2回目のイエローカード!」と中見出しが続き、「もうレッドカードを出させてもらうしかありません!」が3本目となっています。

ご承知のように、Jリーグ発足から満15年。今やサッカーの愛好家にとどまらず、全国津々浦々において「レッドカードを出させて貰う」と断ずる意見広告とは、即ち、長野県知事を辞職せよ、を意味します。しかも「もうレッドカードを出させてもらうしかありません!」は、同時に次の試合への出場停止、すなわち今回の長野県「知事選挙に出る資格はない」と言っているのと同じになります。さらに申せば、ピッチに入ったなら、審判員に場外に追い出されることになります。つまりは立候補するな、 立候補したなら有権者たる審判員に投票するなとっているのが、茅野實氏の意見広告であるといえます。

これらの表現は、1.に述べた公職選挙法の第129条(事前運動)および同法第148条の2(新聞等の不法利用)に抵触する可能性があると同時に、小坂健介氏が副会長を務める日本新聞協会の別紙2の新聞広告掲載基準 第10項、すなわち、「10.名誉棄損、プライバシーの侵害、信用棄損、業務妨害となるおそれがある表現のもの」であると考えられます。貴社は基準に抵触する広告は掲載しないと言う新聞広告倫理との関連についていかなる見識、見解をお持ちになるかお聞かせください。

5. 
周知のように、名誉毀損などに係わる訴訟では、広告であれ記事を執筆した者のみならず、掲載した媒体(新聞、雑誌等)にも損害賠償、慰謝料、謝罪広告等が請求されるのが一般的となっております。

新聞協会の別紙1の「新聞広告倫理綱領」でも「本来、広告内容に関する責任はいっさい広告主(署名者)にある。しかし、その掲載にあたって、新聞社は新聞広告の及ぼす社会的影響を考え、不当な広告を除し、読者の利益を守り、新聞広告の信用を維持、高揚するための原則を持つ必要がある。」としております。公職選挙法に抵触することとあわせ、立候補が予定される者の名誉を一方的に毀損する可能性がある意見広告を掲載されたわけですが、これについていかなる見識、見解をお持ちになるのかお聞かせください。
                         
6.
小坂健介氏が副会長を務められる日本新聞協会では、別紙3の「新聞倫理綱領」を設けています。そこでは、ー由と責任、∪騎里噺正、F販と寛容、た邑△搬砂邸↓ド奮覆叛疆戮倫理として掲げられております。しかし、今回の意見広告掲載は、これらの倫理綱領を逸脱する可能性があるものと推察されます。これについていかなる見識、見解をお持ちになるのかお聞かせください。



信濃毎日新聞2006年6月15日掲載、茅野實氏の意見広告




別紙1 新聞広告倫理綱領
1958(昭和33)年10月7日制定・1976(昭和51)年5月19日改正

制定の趣旨
言論・表現の自由を守り、広告の信用をたかめるために広告に関する規制は、法規制や行政介入をさけ広告関係者の協力、合意にもとづき自主的に行うことが望ましい。

本来、広告内容に関する責任はいっさい広告主(署名者)にある。しかし、その掲載にあたって、新聞社は新聞広告の及ぼす社会的影響を考え、不当な広告を排除し、読者の利益を守り、新聞広告の信用を維持、高揚するための原則を持つ必要がある。ここに、日本新聞協会は会員新聞社の合意にもとづいて「新聞広告倫理綱領」を定め、広告掲載にあたっての基本原則を宣言し、その姿勢を明らかにした。もとより本綱領は会員新聞社の広告掲載における判断を拘束したり、法的規制力を持つものではない。

日本新聞協会の会員新聞社は新聞広告の社会的使命を認識して、常に倫理の向上に努め、読者の信頼にこたえなければならない。

1. 新聞広告は、真実を伝えるものでなければならない。
1. 新聞広告は、紙面の品位を損なうものであってはならない。
1. 新聞広告は、関係諸法規に違反するものであってはならない。



別紙2 新聞広告掲載基準
1976(昭和51)年5月19日制定・1991(平成3)年3月20日一部改正

 「新聞広告倫理綱領」の趣旨にもとづき、「新聞広告掲載基準」を次のとおり定める。
以下に該当する広告は掲載しない。

1. 責任の所在が不明確なもの。

2. 内容が不明確なもの。

3. 虚偽または誤認されるおそれがあるもの。誤認されるおそれがあるものとは、つぎのようなものをいう。
(1) 編集記事とまぎらわしい体裁・表現で、広告であることが不明確なもの。
(2) 統計、文献、専門用語などを引用して、実際のものより優位または有利であるような表現のもの。
(3) 社会的に認められていない許認可、保証、賞または資格などを使用して権威づけようとするもの。
(4) 取り引きなどに関し、表示すべき事項を明記しないで、実際の条件よりも優位または有利であるような表現のもの。

4. 比較または優位性を表現する場合、その条件の明示、および確実な事実の裏付けがないもの。

5. 事実でないのに新聞社が広告主を支持、またはその商品やサービスなどを推奨、あるいは保証しているかのような表現のもの。

6. 投機、射幸心を著しくあおる表現のもの。

7. 社会秩序を乱す次のような表現のもの。
(1) 暴力、とばく、麻薬、売春などの行為を肯定、美化したもの。
(2) 醜悪、残虐、猟奇的で不快感を与えるおそれがあるもの。
(3) 性に関する表現で、露骨、わいせつなもの。
(4) その他風紀を乱したり、犯罪を誘発するおそれがあるもの。

8. 債権取り立て、示談引き受けなどをうたったもの。

9. 非科学的または迷信に類するもので、読者を迷わせたり、不安を与えるおそれがあるもの。

10.名誉棄損、プライバシーの侵害、信用棄損、業務妨害となるおそれがある表現のもの。

11.氏名、写真、談話および商標、著作物などを無断で使用したもの。

12.皇室、王室、元首および内外の国旗などの尊厳を傷つけるおそれがあるもの。

13.アマチュアスポーツに関する規定に反し、競技者または役員の氏名、写真などを利用したもの。

14.オリンピックや国際的な博覧会・大会などのマーク、標語、呼称などを無断で使用したもの。

15.詐欺的なもの、または、いわゆる不良商法とみなされるもの。

16.代理店募集、副業、内職、会員募集などで、その目的、内容が不明確なもの。

17.通信販売で連絡先、商品名、内容、価格、送料、数量、引き渡し、支払方法および返品条件などが不明確なもの。

18.通信教育、講習会、塾または学校類似の名称をもちいたもので、その実体、内容、施設が不明確なもの。

19.謝罪、釈明などの広告で広告主の掲載依頼書(または承諾書)の添付のないもの。

20.解雇広告で次の項目に該当するもの。
(1) 解雇証明書の添付のないもの。
(2) 解雇理由を記述したもの。
(3) 被解雇者の写真を使用したり、住所などを記載したもの。

21.以上のほか、日本新聞協会の会員新聞社がそれぞれ不適当と認めたもの。
 (付記)以上は「新聞広告掲載基準」のモデルである。日本新聞協会の会員新聞社が、「広告掲載基準」を作成される場合は、この基準を参考とされたい。



別紙3 新聞倫理綱領
2000(平成12)年6月21日制定

 21世紀を迎え、日本新聞協会の加盟社はあらためて新聞の使命を認識し、豊かで平和な未来のために力を尽くすことを誓い、新しい倫理綱領を定める。

 国民の「知る権利」は民主主義社会をささえる普遍の原理である。この権利は、言論・表現の自由のもと、高い倫理意識を備え、あらゆる権力から独立したメディアが存在して初めて保障される。新聞はそれにもっともふさわしい担い手であり続けたい。

 おびただしい量の情報が飛びかう社会では、なにが真実か、どれを選ぶべきか、的確で迅速な判断が強く求められている。新聞の責務は、正確で公正な記事と責任ある論評によってこうした要望にこたえ、公共的、文化的使命を果たすことである。

 編集、制作、広告、販売などすべての新聞人は、その責務をまっとうするため、また読者との信頼関係をゆるぎないものにするため、言論・表現の自由を守り抜くと同時に、自らを厳しく律し、品格を重んじなければならない。

 自由と責任 表現の自由は人間の基本的権利であり、新聞は報道・論評の完全な自由を有する。それだけに行使にあたっては重い責任を自覚し、公共の利益を害することのないよう、十分に配慮しなければならない。

 正確と公正 新聞は歴史の記録者であり、記者の任務は真実の追究である。報道は正確かつ公正でなければならず、記者個人の立場や信条に左右されてはならない。論評は世におもねらず、所信を貫くべきである。

 独立と寛容 新聞は公正な言論のために独立を確保する。あらゆる勢力からの干渉を排するとともに、利用されないよう自戒しなければならない。他方、新聞は、自らと異なる意見であっても、正確・公正で責任ある言論には、すすんで紙面を提供する。

 人権の尊重 新聞は人間の尊厳に最高の敬意を払い、個人の名誉を重んじプライバシーに配慮する。報道を誤ったときはすみやかに訂正し、正当な理由もなく相手の名誉を傷つけたと判断したときは、反論の機会を提供するなど、適切な措置を講じる。

 品格と節度 公共的、文化的使命を果たすべき新聞は、いつでも、どこでも、だれもが、等しく読めるものでなければならない。記事、広告とも表現には品格を保つことが必要である。また、販売にあたっては節度と良識をもって人びとと接すべきである。

事実を伝えないスポーツ報道 青山貞一

 

事実を伝えない
スポーツ報道!
〜久々の東京ドームで見たもの〜
 
青山貞一


 知人が東京ドームの年間予約券(Season Seat)、それもネット裏で球場全体が手に取るように見渡せるすばらしい席を持っている。

 そんなこともあって、後楽園球場の時代から、毎年どんなに忙しくても巨人vs.中日の試合に限って東京ドームに観戦に行っている。

 私は疎開中愛知県で生まれた。

 そんなこともあり、幼少のころから中日ファンである。ある年は、後楽園、神宮、横浜球場と関東での試合をすべて見たこともある。

 仕事で名古屋に行ったときなど、ドーム以前のナゴヤ球場にも足を運んだこともあった。

 昨日(2005.7.5)は、ひさびさ巨人vs.中日を観戦した。

 以前は4枚つづりでシーズンシートをもらっていたが、無駄にすることが多いので、今では2枚もらっている。

 7月5日は同僚の池田こみちさんと一緒に地下鉄南北線で雨の中、後楽園に向かった。6時ちょっとすぎに到着した。9.11以降、入り口でものものしい持ち物検査がある。

 席に着くとすでに1回裏になっていた。



 今年は中日がつい最近まで10連勝するなど、調子がよくセリーグ首位だ。

 一方、巨人は10連敗の後、2連勝し中日戦となり、一昨日は中日に負けている。現在、セリーグ4位である。

 とは言え、巨大都市東京をホームグランドとする讀賣巨人軍、東京ドームはいついっても超満員。だが満員のように見えたがよく見ると、かなり空席が目立つ。

 テレビ放映の視聴率もかなり下がっていると聞いているが、やはりここまで巨人が弱くなると、ファンも減るのだろうか。

 ところで、試合は今まで見た中でも、これ以上ないくらいすばらしい投手戦となった。

 中日は6月の月刊MVPをとったばかりの若手、佐藤充投手だ。

 今や投手王国となっている中日にあって、佐藤は6月は4試合に登板、すべて完投。リーグ最多タイの4勝を挙げている。防御率も1点台である。

 一方、巨人はパウエルが投手だ。パウエルは勝ち星にこそ恵まれていないが巨人の当初の中では先発組にあって球威、球速ともあり、すばらしい当初である。

 試合は佐藤とパウエルの手に汗握る投手戦となった。

 佐藤の好投はまdしも、パウエルも140km/hを超す速球と下に落ちるカーブを駆使し、中日の打者のつけいる隙を与えず最近にない出来ばえである。

 その結果、6回まで息がつまるような投手戦となった。

 しかも、エラーは両軍皆無。まさに絵に描いたような投手戦だ。

1 2 3 4 5 6 7 8 9
中日 0 0 0 0 0 0 0 0
巨人 0 0 0 0 0 0 0 0

 敵ながらパウエルの力投は立派。首位中日の打者も外野までなかなか打球がとばないありさまだった。

 ところで問題の事件は6回裏に起きた。巨人は一死一、二塁から小坂の中飛でタッチアップした二塁走者パウエルが三塁に達した。

 センターの外野手は、離塁が早いとしてアピールしたが、審判の判定はセーフとした。これに猛烈に抗議した落合監督は最終的に投手、野手全員をベンチに引き上げさせる。

 約15分の中断の最中、何と一度も主審はじめ審判から観客への説明がない。

 その後やっと落合監督が審判に抗議しているため試合を中断している旨の説明があった。そして数分後、選手を引き上げさせたことがセリーグ野球規則に違反するとして、落合監督を退場させると主審が説明したのである。

 現場、それも以下の写真のようにネット裏で球場の全体がよく見渡せるところでしっかり見ていた私たちからすると、投手のパウエルは小坂の中飛で外野手が中飛の球を確保する前に、すでに二塁を最低でも3m、最高で5mほど三塁側に離れていた。

 センターが球を捕獲したとき、ちゃんと二塁にはもどらず、3〜5mも二塁から離れたところから一気に三塁に向けて走っていたのである。

 周知のように、タッチアップは野手が球を捕るまでは塁を一歩も離れてはならないこととなっている。

 これは世界共通の規則である。

 もともと足が遅い投手のパウエルが、浅いセンターフライで三塁に行けたこと自体がおかしかったのだが、私も池田さんもパウエルはタッチアップどころか、捕獲まえに3−5mも二塁から離れており、捕獲後、その場所から三塁に間違いなく走って行ったとそれぞれの自分の目で見て確信していた。


席からはこんな風に見える

両軍ゼロが並ぶスコアーボード

 落合監督は森野の抗議だけでなく、おそらく自分が見てもそう見えたから抗議したのだと思う。

 場所は東京ドーム、圧倒的に多い巨人ファンが落合監督の抗議に大ブーイングとなった。

 しかし、事実は事実。間違いなく、タッチアップ前にパウエルは塁を離れていたのである。

 しかし、一端下された判定は覆られず、選手全員を引き上げさせたことで落合監督は退場となった。

 再開後、佐藤投手は次のバッター二岡をフォークボールで討ち取り、6回を零点に抑えた。

 監督退場後、試合は、以下のスコアボードにあるように、7回、巨人が一点を入れ、超好投のパウエルで巨人に押し切られるかと観念したが、ここで、こともあろうか原監督はパウエルを交代させてしまったのである。

 8回、中日は谷繁がノーアウトで塁に出て反撃と思いきや代打がダブルプレーとなり、一気にツーアウトの絶体絶命となった。

 だが、パウエルをリリーフした巨人の中継ぎ陣はひどくコントロールが悪い。

 四球などでツーアウト満塁。それまで三審ばかりだった中日の四番、ウッズがツーストライクからヒットで2者を迎い入れ、終わってみれば2:1で中日の勝ちとなった。

 巨人の最大の敗因は原監督の党首交代のミス。

 中日の打者にとってまったく歯がたたなかったパウエルをこともあろうか、要所で交替させその後出てきた巨人の投手が四球やヒットなどで中日に逆転を許してしまったのである。

1 2 3 4 5 6 7 8 9
中日 0 0 0 0 0 0 0 2   2 6 0
巨人 0 0 0 0 0 0 1 0   1 6 0

 .......

 帰宅後、早速、テレビでスポーツニュースを見た。

 テレビ朝日の報道特集は、王監督の病気のインタビューで草々に終わってしまったが、TBSとフジテレビのスポーツ番組を見ると、やはり現場で見たのと同じだった。

 パウエルは中日の森野外野手がフライを捕る前に二塁を大きく離れており、タッチアップすることなく三塁に向かっていた。おそらくこれ以上の証拠はないだろう。塁審はタッチアップそのものをまったく見ていなかったと思える。

 だが、これはなにも今回に限らない。

 テレビで見ていても、塁審はタイミングだけで判断し、実際に一塁手の足が一塁を踏んでいないことが多々ある。

 今回の「事件」は、これ以上ない緊迫した投手戦の中で、ひとつの審判の判断が勝敗を決することにつながるからこそ、選手そして監督は真剣であったと言える。

 しかし、どの新聞記事も、テレビのスポーツ番組も、異口同音にただ落合監督が選手を引き上げたことで退場となったと報ずるだけで、一切、事実について報じていなかった。たとえスポーツとはいえ、報道は事実を伝えることが最大の仕事である。

 以下はその種の記事の一例である。

 10以上の記事を見たが、どれもこれも本来の事実を伝えている記事がない。

 さらに落合監督に10万円の罰金だが制裁金と言う記事もあった。確かに結果として規則違反となった落合監督に制裁があるのは仕方ないが、そもそも事実そして真実を伝えるべき報道が、ただ制裁金10万円云々とだけ記事にするのはいただけない。

 繰り返すが、彼らスポートジャーナリストは何のために球状にいたのだろうか。それとも、事実は見て知っていたが、それを書くと、今後、どこかの球団から取材拒否にでもアウトして黙っているのだろうか?


 中日の落合監督が5日、巨人11回戦(東京ドーム)で審判員への抗議が長引き、規定により退場処分を受けた。退場者は今季セ・リーグ7人目で8度目、両リーグでは13人目で14度目。監督では広島・ブラウン監督に次ぐ今季2人目で、高代野手総合チーフコーチが代わりに指揮を執った。

 落合監督は6回1死一、二塁から小坂の中飛で三塁へタッチアップした二塁走者パウエルの離塁が捕球より早いと抗議。さらに選手、コーチをベンチに引き揚げさせ、試合は15分間中断した。


 ところでテレビのスポーツニュースでは、ビデオテープで問題の部分を流してはいた。

 しかし、タッチアップ前に塁からパウエルが離れていた事実を伝えるものは皆無だった。

 これは勝ち負けを除外して、非常にイカンなことである。

 事実は事実である。係争となった事実について、現場にいた記者が現場で見て判断したことを書いたり、話してもよいはずだ。

 もし、それがないと、落合監督はただ猛抗議をし、ルール違反した「悪者」とされるからである。逆に、もし、以下のような記事だけなら、何も特権的な記者席などに多くのジャーナリストがいる意味も価値もないだろう。共同通信などの代表取材と記事、それに写真で十分だ。

 ひるがえって、報道記事はジャーナリストが現場で仕事、取材して書いてナンボである。

 実際、東京ドームには最前列のさらにその前に記者席があり、わんさか多数の記者、カメラマンがいた。一体、彼らは何を見ていたのだろうか? 彼らは何を報道するためにかくも、多数が着ていたのだろうか。

 落合監督が審判に抗議し、退場となったと言う記事だけでなく、自分たちの目で見た限りでは、明らかに.....と報ずるべきではないのか。

 それによって、審判は絶対間違わない、審判の判定は絶対であるという、官僚の世界並の「無謬性」から抜け出ることができる。

 人間、間違いはつきものであろうとするなら、このIT時代、より客観的な証拠を衆目の見るところで公開し、明々白々な誤信は修正することが一番である。

 これは野球だけでなく、テニスであれ、サッカーであれ、相撲であれ同じである。明らかな間違いを審判の権威と、まったく意味のない「無謬性」によって保護すること自体、きわめてナンセンスである。

 また政治の分野でも多くのマスコミが取材しながら、政府広報的な記事、大本営発表的な記事など、およそまともな質問もぜずに、アホな記事を書いているマスコミにも上記はすべて妥当するだろう。

 真実はまだしも、事実を書かない報道、新聞記事など不要である!
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