青山貞一ブログ

独立系メディア「今日のコラム」に連動するブログ

2007年01月

風力発電の立地選定〜科学的な適地検討が最重要〜  鷹取敦・青山貞一

風力発電の立地選定
〜科学的な適地検討が最重要〜

株式会社 環境総合研究所
鷹取 敦  調査部長、法政大学工学部講師
青山貞一 所長、武蔵工大環境情報学部教授


 近年、大型風力発電の設置に課題のニュースが続いている。

 たとえば、茨城県つくば市が早稲田大学(橋詰研究室)と共同で進めていた風力発電機の発電量が期待を大幅に下回り責任問題に発展しているという問題というニュースがある。報道によれば発電量は計画の1/600とのことである。

 その他としては、2007年1月23日の読売新聞に大きく報道された青森県東通村に設置された「岩屋ウインドファーム」の倒壊事故がある。


出典:鹿島建設、新エネルギー最前線


 このれはGLからの高さ68メートルにある風力発電機が根元から倒壊したというニュースである。

 つくば市のケースでは、ブレードの直径15mの風力発電機で検討を行い、実際に設置された発電機のブレードの直径は5.3mであったと報じられている。

 責任の所在がどこにあるかは別として、直接の原因は設置した場所の風速が風力発電機が期待する風速よりも遙かに弱かった、ということに尽きるだろう。つくば市は内陸で比較的風が弱いので、風力発電機を設置するにあたっては、まずは局所的な風速の強弱をあらかじめ検討すべきであった。

 青森県の岩屋ウインドファームは逆のケースであった。

 このケースではデンマーク製の風力発電機を採用している。報道によると地形がなだらかで偏西風によって風向きが安定している欧州と、起伏が多く台風が頻発する日本では条件が大きく違う、ことが原因とされている。

 起伏が多くとも起伏に沿った一定の風が流れる場所と、風が巻きやすい場所があるから、設置場所の検討はきめ細かく行うべきであった。

 台風のような強風は日本にしか起こらないわけではないから、デンマーク製だから台風に耐えられないという説は疑問に思うし、風速16〜20m/sで倒壊したということだから台風と比べると遙かに弱い風である。

 風力発電機の設置場所を検討するに当たって、まず知っておかなければならないのは、風の強さは同じ地域でも場所によって大きく異なるということである。

 まず、地面(GL)から離れ地上高が高まれば風速は大幅に強くなる。

 例えば岩屋ウインドファームの風力発電機の高さは中心部までが68m、羽根の直径が62m(半径31m)であるから、羽根の下端(地上37m)と上端(地上99m)では風速は大きく異なる。例えば街中程度に建物が建て込んだ場所では、一般的には上端の高さの風速は下端の高さの風速より3割くらい強い。

 次に地形や建物・構造物などの影響がある。

 これらの影響によって風速は何倍も異なる可能性がある。風の強い地域でも部分的に風が弱いところもあれば、風が弱い地域もで比較的風速が高いところもある。また風がまきこみやすい条件の場所もある。

 例えば岩屋ウインドファームだが、この地域は街中ではなく山間地であり地形の影響を大きく受ける。そこで、仮想的に山間地を想定して風の流れを数値シミュレーション(ここでは仮に2次元流体モデル、Cross-section model を用いた)によって表現してみた。

 風速は周辺部(境界条件)の地上10mで10m/sの場合と20m/sの場合を想定した。

 シミュレーションによって風の流れの方向、強さを矢印で表現したものが図1、図2である。風速は以下に示すような結果であった。


図1 地形の影響を受けた風 境界条件風速:10m/s

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図2 地形の影響を受けた風 境界条件風速:20m/s

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●10m/s
境界条件の風速(地上10m) :10m/s
谷底の風速 : 1m/s
山頂部(風車の足下)の風速 :12m/s
風車の羽の頂上部の風速 :20m/s

●20m/s
境界条件の風速(地上10m) :20m/s
谷底の風速 : 1m/s
山頂部(風車の足下)の風速 :24m/s
風車の羽の頂上部の風速 :40m/s


 これをみると、同じ強風時でも谷底(1m/s)と山頂部では大きく異なるし、風車の足下と羽根の頂上部でも約2倍近く異なることが分かる。

 岩屋ウインドファームで風力発電機が転倒した時の風速は16〜20m/sと報じられた。現場に設置された風速計による測定値とされているが、ひとことで「現場」といっても設置場所によって風速が大きく異なることは、上記の試みのシミュレーション結果をみても分かる。転倒した風力発電機の設置された場所のしかも羽根の上端から下端までの風速がどうであったのか、詳細に現地の状況を検討する必要がある。16〜20m/sどころではない風が吹いていた可能性も否定できない。

 一方、つくば市のケースは小中学校に設置されているということだから、岩屋ウィンドファームのように風に恵まれているとはとても言えない。つくば市が内陸に存在するというだけでなく、市街地はそもそも建物の影響を受けて風速は弱くなるし、小中学校に設置されたのであれば、校舎の影響も想定しなければならない。

 つくばとは風車の種類、設置状況は異なるが、ここでは建物のそばに風車を設置した場合を想定した数値シミュレーション(3次元流体モデルを用いた)を行ってみた。

 図3、図4は実際の学校とは異なるが、住宅地のような場所に設置たことを想定した例である。風の分布図をみると建物の影響によって風の強さも向きも大きく変化していることが分かる。


図3 建物の影響を受けた風(3次元図)
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図4 建物の影響を受けた風(断面図)
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 そもそも風に恵まれない地域、しかも市街地に設置するのであれば、このように建物による風への影響を事前に検討し、年間を通じて出来るだけ風が当たる場所、高さに設置するべきであった。

 風が強いことによる影響、風が足りないことによる発電力不足。風力発電機は決して安価なものではないし、転倒すれば人命に危険が及んだり巨額の損害賠償の対象となることもあるだろう。

 他方、初期の目的、すなわち発電量がそれなりに確保できなければ、設置そのものが全く無意味なものとなる。

 したがって、風車の形状、種類、発電能力、機種などの検討だけでなく、立地地点や設置位置の風況について、きめの細かい検討が不可欠である。

 もちろん、現地での長期調査が一番重要だが、風洞実験で検証された数値シミュレーションと3次元ソリッドモデル(地形データ)による科学的な検討も重要な手段となるだろう。いずれにしても同じ失敗を全国で繰り返えしてはならない。


ウィーン郊外、スロバキアとの国境付近のウィンドファーム


オランダアムステルダム郊外の2枚羽風車のファーム

青山貞一が現地で撮影

日本のメディアの本質を考える 組行部数と世論誘導〜  青山貞一


日本のメディアの
本質を考える

〜発行部数と世論誘導〜

青山貞一


 
何度も掲載して恐縮だが、その国なり地域、あるいは政治、行政などの民度を計るひとつの重要な物差しとして、米国の社会学者であるシェリー・アーンシュタインによる「参加の梯子」がある。

 下図は、アーン・シュタインの8段階の梯子を私なりに少々手直しして大学の講義(公共政策論など)で使っているものだ。

 図1  「民度を計る」ための8段階の階段

8 市民による自主管理 Citizen Control 市民権利としての参加・
市民権力の段階

Degrees of
Citizen Power
   ↑
7 部分的な権限委譲 Delegated Power
   ↑
6 官民による共同作業 Partnership
   ↑
5 形式的な参加機会の増加 Placation 形式参加の段階
Degrees of
Tokenism  
   
4 形式的な意見聴取 Consultation
   ↑
3 一方的な情報提供 Informing
   ↑
2 不満をそらす操作 Therapy 非参加・実質的な
市民無視

Nonparticipation
   
1 情報操作による世論誘導 Manipulation
原典:シェリー・アーンシュタイン(米国の社会学者)青山修正版

 政治、行政に限らず、また我が国に限らず新聞、テレビなど大メディアの在り方を考えるとき、図1の8段階の梯子は、きわめて重要な尺度、物差しを与えてくれる。

 日本の大メディア、たとえば日本新聞協会はその「新聞倫理」のなかで、「新聞の責務は、正確で公正な記事と責任ある論評によってこうした要望にこたえ、公共的、文化的使命を果たすことである」と宣言している。

 しかし、企業の社会的責任(CSR)を含め、情報提供、情報公開、世論づくりなどに重大な責任をもつ日本の新聞社やテレビ局など、大メディアの在り方をつぶさにみてみると、「新聞の責務は、正確で公正な記事と責任ある論評によってこうした要望にこたえ、公共的、文化的使命を果たすことである」という宣言からほど遠い現実が浮かび上がってくる。

 事実、直近の「発掘、あるある大辞典」に象徴されるように大メディアが、まさに「1.情報操作による世論誘導」を白昼堂々と行っている。しかも、調べれば調べるほど、それが日常化している現実が見えてくる。

 また日本の国政における野党の不甲斐なさについて、私は独立系メディアの論考で何度となく言及してきたが、さりとてメディア論的にみると、一昨年の郵政民営化など小泉政権への一方的な肩入れ、政権政党の広報機関ではないかと見間違う報道姿勢からは、本質的問題を横に置き、国民の「2.不満をそらす操作」がかいま見える。

 さらに、新聞はもとよりテレビのメディアでも、依然として政府が行うパブリックコメント同様、視聴者のご意見を伺いましたと言うアリバイづくりがほとんどである。すなわち、もともと独善的姿勢が問題となっている大メディアによる「3.一方的な情報提供」が日本では大手を振って闊歩している現実があると思える。

 もちろん、これらは日本政府の「やらせタウン・ミーティング」などで象徴的に現れていることだが、問題はそれが大メディアを通じて国民に政府広報的に垂れ流され、「1.の情報操作による世論誘導」となることである。そこには、新聞の責務は、正確で公正な記事と責任ある論評によってこうした要望にこたえ、公共的、文化的使命を果たすことであると言う新聞協会の崇高な新聞倫理など見えない。

 実際、こもとあろう、行政とメディアとの連携による前代未聞の税金の無駄遣いとなった、やらせ「タウン・ミーティング」では、朝日新聞の子会社である朝日広告が業務で深く関わっていたことが分かっている。

......

 ところで、メディア論的に見ると、いかなる国でも世論は大メディアによって形成されてきたことが分かるが、とりわけ、日本社会でこのことは顕著である。

 米英独仏など他の主要先進国と異なり、日本社会では、新聞が他国では想像できないほどの異常に大きなシェア、購読者をもっている事実がある。

 大メディアが異常に大きいシェア、視聴率などを持っているということは、とりもなおさず、そこで報道される内容が世論形成に直結する危険性をはらんでいる。複数の中小規模のメディアではなく、異常に発行部数が多い数紙の新聞や全国ネットのテレビで流される情報が、その国の世論のベースとなることは想像に難くない。

 さらに、我が国固有の記者クラブの存在により、新聞、テレビに掲載される内容が画一的なものとなりがちである。また行政や広報したり、通信社が配信した内容に、決定的な間違いや世論操作があれば、地方紙を含め、親亀こけたら(間違ったら)、津々浦々で間違いや世論操作が起こることになるのは自明である。

 少々古いデータであるが、以下は青山が、世界の主要新聞の発行部数で示した主要新聞の発行部数のデータである。

 以下をみれば、日本の主要新聞の発行部数が欧米諸国と比べいかに巨大であるかがよく分かる分かる。

表1 世界の主要新聞発行部数比較
新聞名 推定発行部数
出典1)
推定発行部数
出典2)
読売新聞 1016万部
10,044,990
朝日新聞 826万部
8,241,781
毎日新聞 394万部
3,931,178
日本経済新聞 296万部
2,820,347
中日新聞
2,747,683
サンケイ新聞
2,058,363
USAトゥデー() 167万部
北海道新聞 120万部
1,233,170
ニューヨークタイムズ() 107万部
西日本新聞
846,566
ワシントンポスト 78万部
静岡新聞
738,599
ザ・タイムズ() 73万部
中国新聞
721,174
東京新聞
613,099
10 神戸新聞 52万部
560,175
河北新報
505,437
京都新聞
503,506
新潟日報
498,743
信濃毎日新聞
476,966
11 ガーディアン() 39万部
12 ル・フィガロ() 38万部
13 ル・モンド() 37万部
14 ディー・ウェルト() 30万部
典:1)『週刊金曜日』−19971017日号・黒薮哲哉
外国紙は1996年・日本紙は1997年の調査
2)都道府県別新聞発行部数 2003年1−6月「社団法人ABC協会」「社団法人日本新聞協会」調べ

 読売新聞はニューヨークタイムズ紙の約10倍、ワシントンポストの約13倍、英国のタイムズの約14倍、フランスのフィガロの約27倍、ドイツのディー・ウェルトの約34倍と、いずれも桁が違うことが分かる。

 これはメディアのうち新聞ひとつを例にした場合だが、とりもなおさず、日本の大新聞の記事内容が日本人の世論形成に大きく関与することを意味する。同時に、ひとつ間違えば発行部数の巨大さが、世論誘導の危うさを潜在的に有することをも意味することになるだろう。

最新ICで簡易補聴器を製作   青山貞一


最新ICで
簡易補聴器を製作


青山貞一




完成した簡易補聴器


完成した簡易補聴器をつける母


 93歳になる母の耳がかなり遠くなっていたが、いわゆる補聴器は使ってこなかった。

 デパートや家電量販店などの補聴器コーナーに行ってもらえば分かるが、本格的な補聴器は何と25〜27万円もする。

 もちろん、5〜10万円のものもあるが、それにしても高額だ。

 私の周辺のお年寄りは、それら高額の補聴器を買いながら、あまり使っていないと聞く。

 ITや電子機器の進歩はすさまじい。

 にもかかわらずお年寄りなど社会経済的弱者にその恩恵がもたらされていないことにつねづね疑問を感じている。これも一種の格差社会であろう。

...


 お年寄り仲間でも、補聴器について話すことが多いようだ。

 母にその理由を聞くと、高額であること以外に、使いずらい、設定が面倒、修理に時間と費用がかかるなど、いろいろあるようだ。

 その結果、せっかく高額で買いながら使っていないひとが結構いる。

 最近の補聴器はデジタル補聴器などと言ってアナログでマイクから入ってきた信号を一端、A/D変換しデジタル化した後、DSP、すなわちデジタル信号処理している。

 それにより不要な雑音を抑制し音声を明瞭に聞けるようにするだけなく、位相処理することで方向性を出したりと、いろいろ多くの機能をもっている。Ipod紛いに機能がついているものもある。

 とはいえ、最終的にはデジタル信号をアナログ化しなければ音として聞けない。そこでは、.泪ぅ→▲▲鵐廣イヤフォンの3つで構成されていることには変わりない。

...

 超本格的なデジタル補聴器を使いこなすのは超高齢者には難しいし、そもそも20万円以上出せるひとはそういない。

 インターネットで調べてみると、本格補聴器とは別に、集音器などの名称でそこそこ使えるシステムがある事が分かった。

 そこでも基本は、.泪ぅ→▲▲鵐廣イヤフォンである。

 であるならと、いつものようにアキバに出かけ、使えそうな部品を物色してみた。

 製作の前提としては、

 1)まず小型、軽量であること。
 2)使う電池もせいぜい単四2本(3V)であること。
 3)マイク、イヤフォンを含めた部品の総額は3000円
   を超さないこと。
 4)操作が簡単というか、電源スイッチを入れるだけ
   で使えること、

とした。

アンプ

 以前、TDA2009のICを使って本格的なアンプを作ったが、今回は同じメーカ(オランダのフィップス社)のオーディオアンプITのTDA7052を使ってみた。

 このICは電圧利得約で37dBあり3Vでも稼働する。

 今回は簡易補聴器なのでスピーカーを鳴らす必要はない。たかがひとつのイヤフォンをならせば十分、せいぜい50mWの出力が得られればよい。

 以下はTDA7052を使ったアンプの諸元。

電源電圧:DC3〜12V
■最大出力:1.05W(6V〜7V時、THD=10%)
  3V時の最大出力は約100mW
■最大消費電流:300mA
■無信号時消費電流:約12mA
■電圧利得:37dB
■周波数特性:5Hz〜370kHz(−3dB)
■SN比:67dB
■入力抵抗:10kオーム(※電源電圧DC6V、8オーム負荷時)
■適合スピーカ:8オーム

TDA7052のIC
                    長さは1cm


TDA7052を使ったアンプの全回路図


マイク

 これが結構大切。

 アキバをあちこち歩き、最終的に秋月電子で米粒程度の超小型シリコンマイクのエレメントにであった。

 大きさは以下の写真にあるように6mm×4mm程度。厚さも1.5mm程度しかない。しかも、このLSIのなかにマイクと超小型オペアンプも入っている。このシリコンマイクはノウルズ・エレクトロニクス社が開発したもの。
 
超小型のシリコンマイク
            出典:秋月電子

キーボードに置いたシリコンマイク
             黒い部分は梱包部分でマイク本体
             は灰色部分。           
出典:高千穂交易

 以下にシリコンマイクの諸元を示す。

■電圧:DC1.5〜5.5V動作(DC1Vでも動作可能)
■電流:0.35mA
■外付け抵抗・コンデンサでゲインを変えられ
■標準感度:−22dB(1kHz)
■出力インピーダンス:100Ω
■S/N:59dB(1kHz)
■周波数範囲:100〜10,000Hz
■電圧利得 20dB


回路図:左端の○はシリコンマイクのエレメント、
中上の三角はアンプ部


 
性能は上記にあるようにすばらしい。値段は1個で300円、2個だと500円。しかも1〜5.5Vで稼働する20dBのアンプも内蔵されている。


イヤフォン

 これも結構難しい。と言うのも、マイク、アンプの周波数特性は低域から広域までほとんどフラットでHIFIであるが、補聴器に準ずるものとして使う場合には、ハイファイ過ぎると音声の明瞭度がよくなくなる。

 通常のハイファイ用の両耳タイプのイヤフォンではなく、帯域が音声領域をしっかり浮かび上がらせるイヤフォンが欲しい。

 そこで、アキバを探したところ、ソニーのラジオ用イヤフォンにぶちあたった。値段も400円である。ただし、このイヤフォンはパンフにもあるようにハイインピーダンス・タイプなのでそのままでは使えない。

 次に探したのは無線用のイヤフォンだ。ロケットのアマチュア無線館に行ったら特価(120円)で売っていた。これはインピーダンスが8オームでそのまま使える。

 とりあえず上の2種を購入した。


それ以外の部品

 上記以外で必要な部品は、単四×2の電池ケース、電源スイッチ、ケースである。

 以下は必要部品の費用である。

(1)アンプ  1300円
 TDA7025を使った完成品アンプを千石で見つけた。税金を含め1300円。この基板には10kオームの音量調整用ボリュームもついている。

(2)マイク   300円
 秋月電子で1個300円(税込)のシリコンマイクを見つけた。いろいろ試したがこのイヤフォンが周波数特性、感度その他で一番だった。ただし、全体としてハイ・インピーダンスとするためジャックの中に抵抗が入っているので、この部分を削除する。

(3)イヤフォン 400円
 ソニーのラジオ用イヤフォン税込で400円。

(4)その他
 プラスチックケースは100円ショップで。中身(ダブルクリップが20個ほどついている)で100円。単四電池2本用のケースが千石で100円。電源スイッチは150円。

 部品にかかったお金は2350円である。


製作

 製作上難しかったのは、名にしろ米粒大のシリコンマイクに4つ(電源、アース、出力、感度調整)の線を接続することだ。またアンプの利得調整用のコンデンサーは0.47マイクロFで最大となると説明書にあったので0.47を使ってみたが、これだと利得がありすぎ、発振状態となることがある。

 それ以外は面倒はケースの穴開け程度で超簡単。アンプの完成品を使えば、1時間で完成する。

 電池ケース等はねじ類を使わず接着剤で固定した。

外観:赤い帯は、マイクがついている
                  面を示すため。赤い面を上にし
                  て置く。左側に電源スイッチ、
                  右側の黒い突起が音調調整。
内部:全体の1/3弱を電池が占める。
                  右上の緑の基板がアンプ部。
                  左の穴はシリコンマイクエレメント
                  用。2/3に小さくできるが、重さ
                  は大部分g電池が占めている。

操作

 使い方は至って簡単。耳にイヤフォンを入れ、電源スイッチを入れるだけだ。マイク用の穴がついている面(赤い面)を上にする。音量は一端調整すれば後はほとんど調整不要。
 
 音質はマイク、アンプが超高域でフラットなので、ほとんどがイヤフォンで決まる。5種類ほどチェックしたがソニーのラジオ用イヤフォンが歪み、周波数帯域の両方で最も良かった。このイヤフォンは税込みで400円だった。


 母は喜んで使っている。課題は使わないときに電源スイッチをOFFにすることだが、93歳ともなると結構これを忘れる。まだどれだけ電池がもつか分からないが、仮に電池の容量を約1Ah、アイドリング電流を14mA、一日7時間使用するとして、10日間使えるはずである。

 もっぱらテレビだが、今まで自分の部屋のTVのボリュームを上げ目一杯あげていたが、アキバで見つけた40年以上前に使っていた以下のイヤフォンを見つけ、これをテレビのジャックに突っ込んで聞くこととした。電池は使わないですむし、テレビのボリュームを調整して番組を楽しめるようになった。価格はアキバで280円だった!


  

格差社会と内部告発〜不二家問題に思う〜  青山貞一


格差社会と内部告発
〜不二家問題に思う〜

青山貞一



 不二家問題では、パートとして再雇用された六十代の元社員が、シュークリームに使うカスタードクリームの原料として、前日で消費期限が切れた牛乳六十リットルを使ったと証言し、さらに同元社員は「捨てると怒られる。においをかいで品質的に問題ないと判断したら使っている」と述べ、社内規定が以前から守られていなかったことを証言している。

 この不二家問題を見ていて直感したのは、不二家工場でパートとして働いてきた労働者の「内部告発」である。そして、ここ数年のこの種の不祥事や事件の多くが、「内部告発」がきっかけとなっているということだ。

 大銀行、大メディア、大手製造業など、格差社会で暴利を謳歌している大企業などの経営者は、この現実を直視する必要がある。

 この問題は何も雪印や不二家だけの問題ではない。製造業からIT企業、金融業に至る現代の企業、さらに言えば国、自治体を含め日本型の組織が抱える共通の問題であるとさえ言える。

 直近には、フジテレビ系の関西テレビがあらゆる意味で信じられない「発掘:あるある大辞典」と言う前代未聞の捏造事件がある。これはフジテレビの幹部がつくったとされる下請け番組制作会社、さらにその孫請け番組制作会社との間での社員相互の格差化が一因となっていることは言を待たない。

 テレビの番組作りほど、ほぼ同一の内容をしていながら、キー局の社員と下受け、孫受け会社の社員との待遇が雲泥の差となっている業種もめずらしい。

 もちろん、いかに待遇、処遇、給与に格差があったとしても、あのような総じて捏造が家庭のゴールデンタイムに持ち込まれている日本の現実は末期的だ。

....

 ところで小泉政権はそれ以前から日本に萌芽していた格差社会を過去6年間で著しく拡大したが、他方、小泉政権の下では結果的に「内部告発」を奨励する法律も制定されていた。この法律は、組織の不正を知り、正すためには内部告発が非常に重要な働きを果たすと、制定の目的に記されている。

 具体的には、平成16年(2004年)に組織から告発者を保護する「公益通報者保護法」という法案が成立したことを意味する。

 もちろん、この法律は、あくまで「内部告発者を守る法」であって、組織の不正行為を摘発することを主目的としていない。しかし、上述のように、結果として上述のように永年隠蔽体質となっていた日本型組織内で行われていることを外部に情報開示する内部告発奨励の役割を果たしている。

 現状の法では組織の不正行為を摘発することに関連し告発者の保護については、まだまだ不充分であると言える。とはいえ、過去、組織に忠誠心をもち帰属してきた多くの純朴な日本人にとって、「内部告発」はけっして裏切りではなく、社会的な必要行為であることを知らしめた意義は大きいと思う。

....

 格差社会は、言うまでもなく本来必要とされる社会経済的な規制までとっぱらい、何でも市場にゆだねる市場原理主義の下、いわば弱肉強食の経済社会を増長している。とくに、製造業では大企業の多くが日本の伝統的な終身雇用や正規雇用からパート、アルバイト労働に切り替えることで大きな経常利益を上げてきた。

 その背景には、仮に製造業で日本がデザインセンターとなっていたとしても、実際のものづくり、製造が人件費や地代等が日本の1/5〜1/10と低いアジア諸国にもってゆかざるを得ない現実もある。これはかつて日本自身が欧米との関係でそうあったことからも分かる。

 だが、ちょっと考えれば分かることだが、ほぼ同じ内容の仕事をしながらボーナスやさまざまな保証もない、日雇い労働者として差別されている今日のひとびとには、会社への帰属意識も従来のようになく、眼前で起こっている今回の不祥事に見て見ぬふりをして辞めてゆくひとも多い。同時に、今回の不二家の高齢パートのように、正義感や怒りを持って外部に内部告発するひともでてくるのは自然の成り行きであるとも言える。

....

 今回の事件は雪印乳業事件の二の舞というだけでなく、いわば格差社会で虐げられ低賃金と悪条件で労働を強いられてきたひとびとの怒りの声、告発であるとも言えるのではないかとも思える。

 その意味で、40年以上も前の水俣病がかくも甚大な被害者をもたらし、その修復に膨大な時間と金がかかったかについて、日本の企業経営者はもっと学ぶ必要がある。

 当時、工場長は苛性ソーダ製造過程で必要となった有機水銀がいわゆる水俣病の原因であることを比較的早期段階で知っていながら、企業の上層部が本気で対応することなく、結果的にあの水俣病を招来させてしまったことだ。

 時代は変わり、企業組織だけでなく行政組織でさえ、従業員、労働者の組織内社会関係の在り方は大きく変わりつつある。まして、企業組織内部で低賃金で過重、過酷な労働を強いられているひとびとにとって、今や内部告発はそれほど決死の覚悟を要することにはならない。

 これからの時代は、「格差社会」が「内部告発」を助長し、まさに一部上場の大企業といえど、「蜂の一差し」で倒壊、倒産する可能性が高まるだろう。それこそ因果応報というべきものであろう。

 世の中そう甘くない。

 ....

 今こそ、全国各地のパート労働者諸氏、眼前にある大企業の横暴、不正義、不法行為を怒りを込めて内部告発して欲しい!
  

どうした民主党 第2自民党から脱皮せよ!(3)  青山貞一

 

  どうした民主党

  第2自民党から脱皮せよ!(3) 

      青山貞一

.....

 事々さよう、国民、有権者の目から見て実にわかりやすいトンデモ不祥事がこのところ政府・自民内でたてつづけに頻発している。

 その背景には、衆議院で超多数を自民党の奢り、傲慢、無節操が明々白々になっていることがある。また安倍内閣がもともと論功行賞内閣であり、危ない人物を大量に登用、重用したこともある。

 にもかかわらず、民主党はどうだ。政権与党の一大ピンチを政権奪取に生かすパッションが感じられない。

 昨年は、ホリエモンや村上ファンド関連事件、偽装建築確認事件、BSE問題など、過度な規制緩和がもたらした深刻な社会問題が噴出した。しかし、それらを徹底追求すべき民主党は、永田議員(当時)の「偽メール問題」で出鼻をくじかれただけでなく、瀕死の重傷をおってしまった。

 この夏も、攻勢に転ずる矢先に、朝日放送の山本モナなる女性キャスターと細川衆院議員の不倫醜聞が発生し、やはり出鼻をくじかれて居待った。一体、民主党はやるきがあるのかと言いたい。

 ....

 さらに、自民党よりも「右より」と言われる前原議員を民主党の代表とさせていたことに象徴されるように、今や国家主義への道をひた走る自民党と政権交代を目指す民主党の本質的違いが明確でないことも大きな問題である。これは今後、自民からの大きな攻めどころとなるに違いない。

 集団的自衛権を容認し、憲法を改正と言う点でも、前原議員等松下政経塾系議員を中心に、自民に同調するような議員が多いことも民主党の存在をわかりにくくしている。

 最近では防衛庁の防衛省への格上げ法案で民主は自民に同調している。

 教育基本法の改正や憲法改正に向けての国民投票法案でも民主党のスタンスは、国民にとって非常に分かりにくい。

 そもそも弁護士法違反で逮捕された西村前衆議院議員が石原慎太郎氏と盟友関係にあったことからも分かるように、民主党そのものの政治的な国家論的理念のポジショニングが不可解となっている。ごちゃまぜでは、自民党とほとんど変わらない。事実多くの有権者はそう思っている。

 民主党は教育基本法改正で一時期、審議拒否をしていた。しかし、そもそも民主党が出した自民党案の対案には、「国を愛する心」で自民党と文言が少しちがうだけで似たような表現となっている。

 問題は、自民党の教育基本法改正における愛国心だけではない。教科書検定制度で分かるように、もともと日本では、米国、カナダ、ドイツなどと違い、国家が小中高等学校の教育現場に介入し続けてきたことが問題なのに、今回の改正をみると、国家がさらに地方の教育現場に「積極介入」する道を開いている。

 どうして民主党はここを徹底追及しないのか?表では地方分権を主張しつつ、その実、中央集権をよしとしているのは、自民党だけでなく民主党もそうなのかと思われる。

  参考:加藤秀樹:教育基本法の本当の大問題

.....

 私はつねづね、民主党は第2自民党であると呼称してきた。

 もともと選挙で自民党から出たいが、選挙区割などで自民党の公認が得られないからしかたなく民主党から出る、といった議員がいる。

 事実、調べてみれば、その手の議員がわんさといる。

 これは小泉総理時代顕著だったが、安陪政権となった今でも、もともと国家主義をあらわにしている安陪議員の考えに同調する民主党議員がいるのは紛れもない事実である。

 自民党はブッシュ政権同様、絶えず「敵」をつくり、危機を煽ってきた。それをバネに自らの存立基盤をつくってきたといえる。現在はまさに北朝鮮問題がそれだ。

 もし、明確な敵が見えなくなれば、自民党など、さして21世紀に通用する理念や政策があるわけでなく、自壊の道をたどるらざるをえないはずだ。

 だが、自民から政権を奪取すべき民主党も自民と同様に、21世紀を主導する政治理念をもっているとは言えない。そこがまさに致命的である。

 そうだとすれば、既得権益を持つ政権与党に多くはなびいてしまい、民主党の政権奪取など夢の夢となるだろう。

....

 国のありかた(政治経済制度、民主制度)はじめ外交、経済、社会、教育、エネルギー、農業、環境などの主要分野において、自民党との違いが見えない。世界のなかで日本を主導する理念、政策が見えないことが致命的だ。おそらく小泉政権にいいようにあしらわれ、選挙で劇的に惨敗したのもそれが原因である。

 さらに言えば、メディア戦略でも民主党はだめだ。

 政権与党に媚びへつらう大メディアと冒頭に書いたが、しっかりとしたメディア戦略をもっていないこともある。まさに場当たり的だ。

 自民のメディア戦略jは、やらせミーティングで分かったように総じて「情報操作による世論誘導」的である。としたら、民主党は、本来、ここでも戦えるはずだ。単なる愚直、実直だけでなく、それなりのメリハリのある戦略と戦術を練らねばだめだ。

 日本の民主主義の程度は、まさに北朝鮮を嗤えない状態にあることを認識し、一から情報公開、国民参加の道を模索すべきである。

 いずれにしても、民主党が第2の自民党を脱却、脱皮しない限り、格差社会は拡大するばかり、戦争ができる普通の国にひた走るばかりとなり、国民は浮かばれない。

 その重要な柱は、
成長の限界をわきまえた小日本主義的な国家像の構築にあると思う。

 必要なのは、21世紀を貫く理念と政治哲学、政策、それに現場主義とパッションそして徹底的なアウフ・ヘーベンだ。


                                           青山貞一

どうした民主党、第2自民党から脱皮せよ!(2) 青山貞一


どうした民主党

第2自民党から脱皮せよ!(2)


                                           青山貞一

2006年12月20日

拡充版:2007年1月7日


ところで政府・自民がこともあろうか、教育基本法改正にからむ地方タウンミーティングが「やらせタウンミーティング」であったことが分かった。今や泥沼状態だ。

 もっぱら、ここでも、
巨大メディア、朝日新聞の関連会社、朝日広告社が、広告代理店電通とともに利権をむさぼっていたことが判明した

 イラクの大量破壊兵器問題ではないが、内閣府タウンミーティング調査委員会の林芳正委員長(副大臣自)が、「情報操作で世論誘導」と認めたように、北朝鮮を嗤えない犯罪的な「情報操作による世論誘導」がこの日本であったことになる。

 アメリカの社会学者、シェリー・アーンスタインが考案した民主主義の程度を8段階で示す「参加の梯子」の最下段、すなわち「情報操作による世論誘導」をタウンミーティングがやらかしていたのである。


参考:シェリー・アーンシュタインによる「参加の梯子」

8 市民による自主管理 Citizen Control 市民権利としての参加・
市民権力の段階

Degrees of
Citizen Power
   ↑
7 部分的な権限委譲 Delegated Power
   ↑
6 官民による共同作業 Partnership
   ↑
5 形式的な参加機会の増加 Placation 形式参加の段階
Degrees of
Tokenism  
   
4 形式的な意見聴取 Consultation
   ↑
3 一方的な情報提供 Informing
   ↑
2 不満をそらす操作 Therapy 非参加・実質的な
市民無視

Nonparticipation
   
1 情報操作による世論誘導 Manipulation
出典:シェリー・アーンシュタイン(米国の社会学者)

 私はこれひとつをとっても、民主党にとってこれ以上ない順風だと思っている。しかも、やらせミーティングは、一度や二度じゃない。200回近く行われていたというのだから、開いた口がふさがらない。

 おどろくべきことに、このやらせタウンミーティングは、当初、広告代理店の電通に一会場2000万円もの税金をはらって業務委託していた。

 その後も、
朝日新聞の広告代理店(朝日広告社)や電通に一回当たり800万円〜900万円、都合9億円以上の税金を世論誘導のためにつかっていたというのだから、まさに北朝鮮やヒットラーを嗤えない。河野太郎衆院議員ではないが、「ふざけんじゃねぇ」だ。フランスならすぐさま大暴動になるだろう。

 これほど国民をバカにし、民主主義にもとる話はない。

.....

 また、昨年夏、あれだけ日本中を大騒ぎさせ、自民の現職議員に刺客を放ち成立させた郵政民営化法案だが、その実態を見れば、郵政民営化法でつくった「民間会社」が国民の見えないところやりたい放題をしつつあることがわかってきた。

 日本道路公団でもそうだが民営化されると言うことは、国の情報公開法の光が差し込まなくなることを意味する。なかで何をしているかが見えないのだ。

 政党政治上の問題として言えることは、いうまでもなく郵政民営化法に反対しとして自民党が追い出した多数の自民議員を、来年の参議院選挙での票欲しさに無節操にも大挙復党させたことだ。いうまでもなく、これほど有権者をバカにした話はない。支離滅裂、いや支離破裂である。

 もっぱら小泉チルドレンの多くは、はっきりいって国政をあずかる国会議員として最低限の資質をもっていないと言われても仕方ないだろう。直前の東京都議選挙で法定得票数すら得られなかった元杉並区議が、大阪7区の小選挙区で何と当選していたのだから。

  
参考:青山貞一:ある小泉チルドレン

 ....

 三つ目は、本間政府税調会長の醜聞問題だ。

 この人はカメレオン学者と呼ばれるくらい、如才ない。コロコロと自分の立場や考えを変え、シレとしているひとらしい。

 その本間氏が3年間、原宿の超一等地にある豪華官舎に、月に2,3回開かれる政府税調の会長と言うだけで、こともあろうか愛人と同棲していたのだ。

 通常なら50万円は下らない超高級マンションを「ラブホ」代わりに使っていたことになる。しかも、本間氏は国民に厳しい税制を押しつけ、大企業や大銀行の減税を提案している。こんなことがまかり通っていいはずがない。

 こともあろうか、このひとは小泉政権時代、累積債務を減らすため国の遊休地や官舎を民間に売り飛ばせと言っていた。そのひとが、ちゃっかり3年間も愛人と超豪華官舎をつかっていたのだ。

 本間氏当人は、豪華官舎から出ればなどと言って、引っ越しをしているが、もし、この本間氏が東京で同様なマンションを借りたとすれば50万円は下らないのだから、まずは、(50万円−8万円)×3年×12ヶ月=1512万円の金を国庫に返却すべきだ。そうでなければ、税金を詐取したと言われても仕方あるまい。

 その後分かった話として、何と月々の家賃、7万7千円すら払っていないことが分かった。

 本間氏を重用した安倍総理や塩崎官房長官は、「これからも職責を全うして欲しい」などトボケタことを述べている。が、政府・自民党は国民、有権者にいかに弁明しようが、申し開きがたたないことをしている。

 ....

 四つ目は、なんと言っても今の自民党な二世、三世議員ばかりであることだ。安倍政権のキーパースンだけをとっても以下のように二世、三世ばかりである。

麻生太賀吉  → 麻生太郎
安倍寛     → 安倍晋太郎  → 安倍晋三
塩崎潤    → 塩崎恭久
中川一郎  → 中川昭一
中川俊思  → 中川秀直 (娘婿)
丹羽喬四郎→ 丹羽雄哉
渡辺美智雄→ 渡辺喜美


 こんな世襲的な世間知らずのオボッチャン議員には国の将来を任せられない。世襲問題については、何度も書いているのでここに繰り返さないが、金日成から金正日への世襲を安陪、両中川、塩崎ら今の政府や自民党幹部は嗤えるのだろうか? 

 実質、日本の国会議員は世襲制であるのか? と問われても仕方あるまい。詳しくは、以下。

  参考:青山貞一:大マスコミが書かない二、三世議員総理たらい回し

 こんなひとたちに「格差社会」がわかるはずもない。こともあろうか、自民党はメガバンクから政治資金を再度もらおうとしている。すんでのところで銀行側が自粛したが、自民も自民、メガバンクもメガバンクだ。何を考えているのか。

 その後も続々とスキャンダルが噴出している。2006年末には共同通信のスクープ一発で佐田行革大臣があっという間にぶっとんだ。その後に入った渡辺喜美議員も言うまでもなく二世議員だ。

 そして、新年早々は、ひさびさの
朝日新聞のスクープ、松岡農水相秘書による”口添え疑惑”報道で、ここ数日、メディアが食らいついている。

.....

 つづく

どうした民主党、第2自民党から脱却せよ!  青山貞一

 

どうした民主党
第2自民党から脱皮せよ!


青山貞一


■民主小沢氏、仕事始め・参院選へ「イノシシのごとく」
日経新聞 


出典:小沢一郎オフィシャルWebより


 小沢一郎氏が民主党代表となった当初、民主党には政権奪取の意気込みが国民にそれなりに伝わっていた。

 このところ民主党そのものの存在感が薄い、というより存在感、プレゼンスがない。

 もちろん、存在感が薄いのは政権与党に媚(こ)びへつらう日本の大メディアの影響も否めない。政党や議員で圧倒的にメディアに露出度が高いのは自民党だからだ。本来、時の権力を第三者として監視、批判すべきメディアがここ数年、翼賛的に権力の広報機関と化していると言われても仕方ない実態がある

 とはいえ、フリージャーナリストの横田一さんが共著で書いた『政治が歪める公共事業 小沢一郎ゼネコン政治の構造』(緑風出版、1996年)にあるように、小沢氏は政官業癒着のもっとも日本的な政治家であったことも事実だ。

 同時に、米国から押しつけられた内需拡大策として400兆円にも及ぶ公共事業を故金丸氏と一緒に推進してきた人物である。

 その小沢氏が、自分をして「変わらずに生き残るためには、変わらなければならない」と映画『山猫』の科白を引き合いに出し、民主党の代表選で自分の心境と決意を述べ、大きな反響を呼んだ。

  参考:佐藤清文:『山猫』と地の塩

 最近では背水の陣、政治生命のすべてをかけるとまで言い出した。

....

 それ以降、褌ゆるみっぱなしの民主党は、小沢氏の号令一下、知事選挙で自民党とのなれあい翼賛的な相乗りをやめることになった。そして現場主義にも精を出すことになる。

 千葉の衆院補選では自ら自転車に乗り選挙応援に駆けつけ、街頭にビールケースの上に立ち、無名に近い女性県議を一気に衆院議員に当選させたのである。こうして選挙に強い小沢のリーダーシップを国民に見せつけた。

  参照:太田和美衆議院議員

 昨年秋の衆院補選では、自民・公明に2度破れたものの、福島県知事選では自民、公明、新党日本が推薦する女性候補を打ち破った。沖縄県知事選で惨敗したものの、福岡市長選で勝利するなど、それなりの底力を顕示した。

 だが、どうだろう。

 その後はと言えば、和歌山知事選では、何と候補者すら立てられず不戦敗。超保守王国、和歌山とはいえ、官製談合で自民系知事が辞職した後の知事選で民主党が候補者を立てられないのでは、あにはからんやである。

 さらに来年の統一地方選挙の目玉、東京都知事選では、当初、菅直人衆議院議員の名前があがった。しかし、すぐに海江田万里氏、小宮山議員など、誰が見ても石原知事に勝てそうにない候補の名が上がるばかり、民主党は来年の関ヶ原の戦いで、一体どこまで本気なのかが分からない。1月になっても候補者名すらあがっていない。

....

 周知のように、ゴーマンな物言いと、「公私混同」的行状でこのところメディアで連日「時のひと」となっている石原慎太郎都知事は、本来なら大ピンチに立たされているはずだ。

 もちろん、12月17日のフジテレビ「スタ★メン」のように、石原都知事を緊急生出演させたにもかかわらず、結局、釈明、正当化のための会見となってしまうなど、相も変わらず、権力を徹底批判すべきマスメディアが、権力にこびへつらっている状態があるのは否めない。

 このフジテレビ「スタ★メン」では最終的に石原知事が「俺は何も悪いことはしちゃいない」と言っておしまい、となったメディアとして恥ずかしい。

 しかし、一回平均2000万円に及ぶ観光旅行まがいの「海外旅行」問題や四男の公費海外旅行、三男の裏金疑惑など、石原知事が消しても、消しても、あちこちで火の手があがり、ぼやから大火になりかけている。三重の水谷建設との間の問題も週刊誌になんどもとりざたされているが、大メディアはいずれも追求に及び腰だ。

 とは言え、石原知事問題では週刊誌がまだまだがんばっている。

週刊現代最新号より

 参照:暴言しんちゃん絶体絶命1〜5 きっこの日記

 そもそも石原知事に対しては、ゼネコン主導で利権の臭いがプンプンとする東京オリンピックの開催問題でも、多くの都民は疑義を感じはじめている。

 もし、小沢民主党が本気で政権奪取を考えるなら、まずは来年春の参議院議員選挙の一大前哨戦と位置づけ、都知事選に全力を傾注すべきだ。

 しかし、どうみても民主党はかけ声ばかりで本気さが感じられない。民主党の一番だめなところは、真のエリートでも、ハイブロー、セレブでもないのに、粋がって泥をしょっかぶらないことだ。民主党のひとたちは何か大きな勘違いをしているようだ。

 菅直人が丸坊主になり四国を行脚したのは何のためかと言いたい。

 そもそも石原氏は小林よしのり氏との対談で、「選ばれた人間なんだという自覚があれば、誰でも何やったっていいんだって思いこむことが大事だと思うね。..ぼくなんか、自分が死んじゃったら、日本国家は消滅すると思ってるもの(笑)(1999年8月25日/9月8日号『SAPIO』、小林よしのりとの対談)と述べている。

 その石原氏の暴言、失言は半端ではない。

 衆議院議員辞任前後から2001年11月までだけをとっても以下の暴言集にあるようにまさにトンデモばかりである。2001年末のいわゆるババァ発言一つをとっても、石原氏の本質がよく分かる。

 参考:石原慎太郎暴言集

 こんな石原知事の行状を許してきてのは、都政における民主党の分裂と言うまでもなく腰砕けのマスコミである。

 今回の超高額旅費にはじまる石原批判も、もとはといえば共産党都議団による情報公開(暴露)がきっかけとなっている。一体、都政クラブにいるメディアは石原氏の知事就任以来、何をしていたのか。

 ちょっと考えれば分かるが、これは小泉政権に対するメディアの在り方に共通するものがある。何とも恥ずかしい、不甲斐ない。

....

 一方、肝心な国政でも状況は似たり寄ったりだ。

 とくに重要なのは、12月15日、衆議院本会議で民主、共産、社民、国民新の野党4党が提出した安倍内閣不信任決議案を提出した。自民、公明両党などの反対多数で否決されたが、なぜか参院では共産、社民両党が出した安倍晋三首相の問責決議案に民主党は同調しなかったことだ。

 小沢氏が来年の参院選に向け積極的に野党共闘を打ち出し、沖縄県知事選では、敗北したものの全野党共闘が実現した。

 にもかかわらず、衆議院で民主、共産、社民、国民新の野党4党が提出した安倍内閣不信任決議案を提出しながら、参院における安倍晋三首相の問責決議案に民主党民主が加わらなかったことで、社民党が来年の参議院選挙での民主と他の野党との共闘が難しくなりつつある。

 なぜ、衆院で新党日本以外の全野党による安倍内閣不信任決議案に同調した小沢代表が参議院で国会対策担当を説得できなかったのか、理解に苦しむ。

 もし、これで来年の参議院選挙で小沢氏が民主党代表になって以来の念願である党共闘にヒビが入れば、一人区で自民候補に勝つことはきわめて難しくなる。当然、与野党逆転など実現せず、政権交代から大きく後退する。

 ブレないはずの小沢代表がここ一番で結果的にぶれた意味は大きい。社民などは小沢代表に民主党参議院の国体の総入れ替えを要求している。おそらく参議院民主党が、沖縄県知事選での共産党との共闘に拒否反応を示しているからだろう。しかし、今まで共産党候補者に行っていた票が来れば当選した知事、衆参議員は多数いたはずだ。

 たとえば、長野県議会では共産党の多くの政策、条例で田中康夫知事(当時)に賛同していた。個別課題、政策で両党が是々非々対応すればよいのである。

 きつく言えば共産党の唯我独尊、独善、総じて夜郎自大的な面は嫌である。

 だが共産党アレルギーだけだと結果的に自民党の思うつぼになる。永年、自民党が政権の座にいれたのは、まさに公明党、社会党、共産党のお陰と言えるのだ(苦笑)。

 昨年のイタリア総選挙では、イラク派兵問題もあり、中道・左系が勝利したが、その左派には100人以上の旧共産党系議員が含まれているという。EUの政権交代には、ドイツの総選挙でもそうだが往々にして旧共産党系との連携がある。

  小沢氏の言葉ではないが、日本が変わるためには変わるためには共産党自身がかわらなければならいことも、事実だが上述のように共産党を放置すれば結果的に、自民がいつまでも漁夫の利を得る実態にもっと政党ばかりではなく、国民も目を向けなければならない。

 小異を残し選挙で大同につくことが今ほど重要な時期はないはずだ。自民党や民主党右派の攻撃だけで、参院選挙での共闘の道を完全に閉ざしてよいものか? 小沢氏のリーダーシップが問われている。

.... つづく

 

イラク高等法廷の違法性を国際社会に訴える ラムゼイ・クラーク(弁護士、元米国司法長官)


イラク高等法廷の違法性
を国際社会に訴える


ラムゼイ・クラーク
(元米国司法長官)


 以下は一次翻訳素原稿受領後、修正、推敲中のものである。
 ことの重要性に鑑み、暫定訳文を掲載する。巻末に英文原文を示す。 

          独立系メディア「今日のコラム」 青山貞一 


<イラク高等法廷のサダム・フセイン大統領および
その他の被疑者に対する非合法で不公正な審理は、
国際法を脅かしている>

 被疑者の身柄を現在のイラク政府に引き渡す前に、国連機関によるイラク高等法廷の法にのっとった公平な調査が不可欠である。

 暴力の応酬で不安定となっている現在、ドジャイル事件の公判に基づいて被疑者をイラク政府に引き渡せば、国際法の将来が脅かされ、イラクを死に導く内戦を引き起こすおそれがある。


◆各国国連大使各位◆

 6月に行われたイラク高等法廷(以下、ISTと略)は、2006年10月16日に最初の事件(ドジャイル事件)に関し、最終判決を下すことが予定されている。法廷の報道官は2006年10月2日、この日程に言及したが、確実ではないと理由をあげて述べた。

 米国の法律家とイラクの政治家は今のところ判決が2006年10月25日に言い渡されるだろうと述べている。

 ブッシュ政権は11月7日の米国議会選挙(中間選挙)の前に判決が下されることを望んでいる。その日は早晩来る。有罪判決が下されたら、刑の執行はすぐに下されるであろう。

 検察官は8人の被疑者のうち、サダム・フセイン大統領、タハ・ヤシン・ラマダン副大統領を含む5人に死刑を求刑した。

 裁判長は、サダム・フセインの審理の前に、はしばしば被疑者に対する憎しみを露わにし「裁判など必要ない。すぐ絞首刑にせよ」と述べている。

 また、裁判のなかで、全被疑者に対し「彼らの手は生まれつき血まみれである」と言い放っていた。

 適用される法規では、死刑は判決確定後30日以内に執行されなければならないこととされているが、数日あるいは数週間で直ちに確定することもある。 註:イラクの司法制度では、裁判は二審制となっている。


<イラク高等法廷(IST)は、米国の政策の道具そのものである。それは合法ではありませんし、独立しておらず公平でもない>

 ISTの設置と運営は、米国の政治的意図を忠実に実行することを目指している。ISTは、2003年来、米国がイラクに侵略戦争をしかけ、不法占領を続けていることによる産物であると言える。

 この法廷は合法でない。審理自体が不公平なのは明らかである。その決定は、米国とその追従者など、勝者のための勝者による裁きとなる。

 IST設立の法律の下案をつくったのは米国の法律家たちだ。ISTには、米国が資金を提供している。司法関係者も米軍が選出している。その司法関係者は、米軍が訓練・研修を受けさせ、米軍のもとで保護されている。米国はISTの動きを直接指示している。

 ISTが侵略戦争にはじまり、その後、イラクを不法に占領をしている米国の政策を支援していることをみればも、ISTが合法ではないことが分かる。

 ISTは公平性にとって不可欠な独立性がない。それは米国と米国が支援するイラク政治指導者たちの外部圧力に曝されている。裁判官3人は重要審理の項目設定に関する判断が、外部圧力グループの意に沿わなかったとして更迭されている。

 さらに、弁護団のうち4人が誘拐され、拷問に遭い、殺害された。法廷職員と彼らの家族も殺された。このようにバグダッドとイラク全土を恐怖で覆いつくしている無秩序で壊滅的な暴力は公正な裁判を不可能としている。

 ISTの裁判官は公平ではない。裁判官たちは、サダム・フセイン政権下での犠牲者であると主張するフセインの敵であることを自認している。

 ドジャイル事件に関連した裁判の裁判長は、ハラジャのクルド人の村で生まれ育った。裁判長は彼の血縁者や友人が1988年の毒ガス攻撃で多くの人とともに殺されたと主張している。

 そもそも彼は、イラク政府(フセイン政権)への暴力行為を理由にイラク法廷(バーシスト法廷)で2度にわたり死刑宣告を下されている。このようにISTは有罪判決を意図して設置されたものである。

 裁判の審理では正義が腐敗してており、不公平かつ適正手続から著しく逸脱したものとして国際的に認知されている。暴力により弁護団が資料や目撃者の居場所を調査、発見する機会は得られなかったのである。そもそも、それらの情報などはすべて米国に握られ、弁護団は証言や審理記録の転載さえ許されなかった。

 検察当局は、7ヶ月の時間をかけてゆっくり事件を陳述してきたが、弁護団はその後すぐさま弁護を強いられた。

 5週間の審問が続いた後、「あなた方が34人の目撃者の証言で無罪を証明できないなら、100の証言は必要ない」と裁判長が述べ、重要な目撃者の証言そのものが切り捨てられた。

 副首相タリク・アジズはサダム・フセイン大統領を強く支持する証言をおこなったため、タリク氏自身が生命の危険にさらされている。彼は何の容疑も明かされないまま米軍に拘束されているのだ。


◆ドジャイル事件◆

 ドジャイル事件の罪状は1982年夏、イラン・イラク戦争中、ドジャイルという名の村で、サダム・フセイン大統領及び他の場所でのタリク・アジスを含むイラクの指導者の暗殺が試みられたことへのイラク政府の対応に関するものだ。

 イランはイラクの3.5倍の人口と1972年から76年の間、シャーが米国から購入した240億ドルの武器で、イラン領土からイラクを攻略し、イラクとの長い国境の一部に沿って、イラク領に侵入した。

 イラン国境とバグダッドの双方に近いドジャイルは、イランで創設されイラク政府打倒を公約したダーワ党の地下組織の中心地であった。ダーワ党は共産党同様イラク国内では非合法とされていた。

 フセイン大統領が乗った車は、ドジャイルを通過中に発砲、被弾した。何人かがイラン側に向け逃走すのが目撃された。

 その地域では、数日間銃撃戦と小規模の戦闘が続いた。イラクのヘリコプターは、暗殺者らが隠れた道に隣接する果樹園を爆撃した。その道はバグダッド北部からドジャイル、ティクリート、サマッラ、モスルそして戦時中重要な輸送ルートだったトルコ国境へとつながる幹線自動車道だった。

 何日かたち、ドジャイルで数百人が逮捕され取調べを受けた。その人数は村の人口の2%以下であった。拘留施設を確保するため、逮捕者はバグダッド近くのアブグレイブに移送された。

 今のアブグレイブ刑務所は、その後に建設されたものである。大部分の収容者は、子ども達が両親と切り離されないよう、数ヶ月のうちにドジャイルとイラン国境から離れた西にある砂漠の中の拘置所に家族ごと移された。彼らの大部分は2003年に解放されドジャイル村に帰えされるまでそこに抑留されていた。

 米国は1941年12月7日の日本軍の奇襲攻撃後、1942年の2月から3月にかけ西海岸の日本人と日系アメリカ人11万人を逮捕した。彼らの所持品はすべて没収され、1945年まで拘置所に監禁し続けた。

 ドジャイルの中の道に隣接した果樹園は、大統領の乗った自動車に発砲した人々の姿やイラン人、それにイランに同調する人々を隠す場所ととなるため伐採された。

 皮肉にもドジャイルの住民だった被疑者の2人は、破壊された果樹園の所有者だったが、すべての所有者はその損害を補償された。

 イラクの司法制度に基づき2年間の調査を終了した後、ダーワ党と自白した148人が戦時中イランに武力支援を提供するために武装蜂起した反逆罪で告発された。2週間以上にわたり当時のイラク法廷は、調査記録と自白を照査し有罪判決を下し、死刑が求刑された。

 1年後の1985年、裁判官と法の専門家による調査と法に基づく大統領署名にもとづく執行命令により死刑が確定され、何人かの被疑者の死刑が執行された。

 刑務所で亡くなった者もいた。反逆を犯した時点で何人かは18歳未満だった可能性もある。

 フセイン大統領の弁護側証人は、最近ファルージャで生存している被疑者の何人かに会ったと証言している。

 ISTが1982年から85年の裁判記録の見直しを命令することも、弁護人に資料を引き渡すことも拒否したため、司法の独立が保たれ、裁判が公正に進められたことを示す文書の証拠を記録に見つけることはできなかった。

 この事件に関するISTの裁判長は、ドジャイル裁判での8人の被疑者のうちのひとりだった。彼は議事進行の信頼性を証明するため、ISTの裁判記録を常に擁護したが、実態は裁判官が大声で黙らせているだけのものだった。

 ジョージ・W・ブッシュは、テキサス州知事任期中、152人の死刑執行に署名した。女性、発達障害の人、ウィーン条約に違反した外国人、犯罪を犯した時点で18歳未満の人などがそのなかにいた。

 ブッシュは一切、刑執行の恩赦も減刑もしなかった。これについては、ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス2005年1月13日のHelen Prejean氏の記事「Death in Texas」を参照のこと。http://www.nybooks.com/articles/17670

 ドジャイル事件が持ち出されたことにで失望を招いた。なぜなら、それは司法の問題であり、100万人が死んだ戦争中の事件であったからだ。

 この暗殺計画はイラク国外では知られておらず、国内では忘れられた事件であったのである。

 イラン・イラク戦争の指導、クウェート侵攻、湾岸戦争の勃発時に蜂起したシーア派とクルド人に対するイラク政府の対応、1984年から86年にかけ北部クルド人居住地でのイラク軍とイラン軍の毒ガスの使用こそが主なできごとである。

 それは国際的にも認知され、それぞれ数万人規模の死をもたらした。ドジャイル事件を最初の法廷事件に選ぶとは信じられないと法学者jから広く批判されてきた。


イラク高等法廷のサダム・フセイン大統領
およびその他の被疑者に対する非合法で
不公正な審理は、国際法を脅かしている


 ドジャイル事件を最初の法廷事件に選んだ理由はきわめて政治的なものである。

 バース党のメンバーが排除され、旧政府に反対する候補者が公職につくことができる選挙を米国が支援している間、サダム・フセイン政権に反対する米国の一部でもあるシーア派とクルド人の指導者らは、米国から資金を供与され、表舞台に立つことで、大衆に知られるようになった。シーア派とクルド系以外の候補者は、彼らが住む村や部族など個人的な知りあいの範囲でしか知られることはなかった。

 新議会でダーワ党は他の政党よりも大きな力を持った。

 そして政治権力を持つ最も高い公職にそのメンバーを選出した。選挙後、新イラク初の首相、ジャファリそして2代目で現職の首相、マリキは、いずれも、イランで創立され、バース党を打倒すると公言し20世紀最後の10年間と21世紀初にイラク政府への暴力闘争(今の定義で言えばテロ行為)に従事していたシーア派政党ダーワ党の指導者である。

 ドジャイル事件は、これまで述べてきたように、戦争中にサダム・フセイン、タリク・アジスや他の人物の暗殺未遂を含む、イラクの政府を倒すためのダーワ党の暴力行為に対して、3年間にわたる公正手続に基づいてなされている。

 1982年、イラク政府がダーワ党の活動を阻止したり暗殺計画に復讐しようと思っていたなら、調査や審理なしでダーワ党のメンバーを即刻公式に絞首刑にすることも、バージニア、サウサンプトン・カウンティで奴隷解放運動を起こしたナット・ターナーを見せしめにしたように、頭をくいに串刺しにすることもできたであろう。

 今回の事件は、イラクに対する米国の侵略戦争と不法な占領で現在権力を握ったダーワ党がその力を誇示し、復讐を実行するための、復讐劇にほかならない。


◆現状で被疑者をイラク政府に引き渡せば、
国際法の将来を脅かし、悲惨な内戦を
引き起こすであろう◆


 イラクの現政府へサダム・フセイン大統領と他の元職員を引き渡せば、イラクが分裂することは不可避だ。

 タラバニ大統領、マリキ首相を含むシーア派とクルド人のすべての指導者は刑執行の委任を言明した。

 死刑はまぬかれないだろう。身体的虐待と拷問が懸念されるす。国際法と正義に拭うことのできない汚点を残すことになる。

 2006年の9月2日、300人のイラクの部族指導者の連合は、サダム・フセインが大統領に復帰し米国が主導する軍隊に武力抵抗を呼びかけるため、サダム・フセインの解放を要求した。

 大部分がスンニ・アラブ人の一族首領は150万人を擁するアル・オベディ族も含んでいる。彼らはサダム・フセインと彼の共同被疑者に対する容疑を放棄するよう要求している。これについては例えば、ワシントン・ポスト紙2006年9月3日の記事を参照のこと。

 もし、サダム・フセイン大統領と副大統領タハ・ラマダンを含む、ドジャイル事件の被疑者が、彼らの「公然の」敵の保護下に移送されれば、その運命を一蓮托生と考えるスンニ派とその他のイラク人の大部分は、最後までたたかい続ける以外、その対案はないだろう。

 米国が保護している刑事被告人達を、彼らを保護するはずのないイラク現政府に引き渡す前に、国連の適切な機関がISTの適法性と公正性について再調査を決めなければならない。

 それがいかに危険なことかを理解するには、イラク政府機関によるイラクでの拷問に関する2006年9月21日、ジュネーヴの国連人権委員会前での国連特別調査官の報告を思い出すだけで充分である。

 国連がISTやこの事件に関する一連の行為が不当であり、公正に対する国際基準を破るものであると判断すれば、ISTが下したいかなる有罪判決や宣告も、無効とされなければならない。

 公正さに対する国際基準に深刻な損害、国際法の屈辱的な失敗、そして、すでに人々を耐え難い恐怖、暴力、死で苦しめている内戦という二重の困難をさらに悪化させる危険に直面し、 国際基準によってISTとその審理が適法で公正に行われていると判断できるまで、米国によって肉体的に拘束されているこれらの刑事被告人を現イラク政府に移送されるのを防ぐため、国連に加盟するすべての国と団体とともに、貴殿の国の政府も行動するよう貴殿を通じて、謹んでお願いしたい。

 国際司法裁判所に、国連総会でドジャイル事件の審理の適法性に助言的意見を与えるよう要求するべきだ。

 このような要求の枠組みをつくり、他の国連加盟国に協力を求めるよう支援して欲しい。

 さらに、国連人権委員会が、ドジャイル事件の審理の独立性、公平性そして
公正性を決定し、その進行において基本的人権のあらゆる違反を検証するよう請願する枠組みづくりを支援して欲しい。

 貴殿のイニシアティブと行動が、平和、国際法、そして正義のために重要である。


 

民主主義成熟度ランキングをどう見るか  池田こみち


民主主義
成熟度ランキングを
どう見るか


池田こみち

 このほどエコノミストの付属シンクタンク部門でもあるEconomist Intelligence Unit(EIU)が民主主義成熟度ランキングとでも言うべきDemocracy Index 2007を発表した。

 お隣の韓国は民主主義が不完全な国々に含まれ、31位にランクされたこともあって、中央日報がすぐさま反応した。日本は20位だが、メディアはあまり関心がないようだ。

 この種のランキングは世界のいろいろな機関によってこれまでも行われてきているが、EIUでは、世界各国の民主主義の動向を追跡・分析してきたアメリカのFreedom Houseの方法よりさらに詳細かつ綿密な評価方法を開発しランキングを試みていという。

 5項目の大きな評価項目のもとで60項目もの指標についてチェックしているのである。

 評価項目の大項目は次の5つである。

Electoral process and plurarism:選挙プロセスと社会的多元主義の実現(ひとつの共同体の中に、民族・文化・宗教の異なる集団が存在している状態)
Government function:政府機能
Political participation:政治的参加
Political Culuture:政治的文化
Civil liberties:市民の自由

 これらの5項目は相互に密接に関連しており、どれが欠如しても民主主義のレベルは下がることになる。

 ちなみに、一位にランクされたスウェーデンと20位の日本、31位の韓国について、上記の5項目ごとの評点を以下に示してみる。

順位 平均得点 選挙 政府 参加 文化 自由
スウェーデン 9.88 10.0 10.0 10.0 9.38 10.0
日本 20 8.15 9.17 7.86 5.56 8.75 9.41
韓国 31 7.88 9.58 7.14 7.22 7.50 7.94
出典:Laza Kekic, Director, Country forecasting Service,Economist Intelligence Unit,The Economist Intelligence Unit's index of democracy,THE WORLD IN 2007, Democracy Index より抜粋
http://www.economist.com/media/pdf/DEMOCRACY_INDEX_2007_v3.pdf

 スウェーデンはと言えば、フィギュアスケートか体操の得点のように10点満点が並び、政治文化の項目のみが僅かに10点に達していないのに対し、日本は、案の定というべきか、の政治的参加が5.56と極めて低いポイントとなっている点が注目される。

 韓国にも大きく劣っているのである。その他の国の評点については、是非出典資料をご覧頂きたい。評価項目の詳細についても同資料に説明されている。

 調査は165の独立国と2つの地域を対象としている。その中で、上位ランク(Full Democarcies)に入れたのは1位のスウェーデンから27位対のウルグアイまでの僅か28の国々である。ほぼ倍にあたる54の国と地域が“Flawed democracies”(不完全な民主主義国)に含まれている。

 残り85のうち、30は“Hybrid Regimes”(ハイブリッド体制)、55は“Authoritarian”(独裁体制)と区分されてた。OECD諸国では、イタリアを除きすべてがFull Democraciesに含まれた。

 ここで、一応、“Full democracies”(民主主義が発達した国)に含まれた我が国の20位をどう見るかである。もっと上位のはず、と不満顔になるのか、それとも、20位は甘すぎると見るのか。

 EIUのLaza Kekic氏は、ランキングの記者発表資料の中で、次のように解説している。80年代末にベルリンの壁が壊れ、ソ連が崩壊して以降、世界の民主主義レベルは急速に拡大していったが、21世紀に入ってから民主主義の拡大にブレーキがかかっていると。

 中東やアフリカ諸国、南米諸国などの政治情勢が不安定な国々だけでなく、民主主義の権化?といわれたアメリカ、イギリスにおいても著しい後退が見られていると指摘している。

 テロとの戦いを標榜してアフガニスタン侵攻、イラク戦争へと突き進んだアメリカも同盟国としてそれに追随したイギリスも現政権は行き詰まりを見せている。アジアではタイで軍部によるクーデターが起き不安定さを増している。

 日本はどうだろう。本独立系メディアのコラムニストが連日指摘しているように、もともと危うい日本の民主主義の行く末はかなり厳しいと言わざるを得ない。

 教育基本法のタウンミーティングに見る政府自らのやらせ体質の露呈、造反議員の復党騒動に見るお手盛り自己都合体質、自治体の長と選挙を応援してくれた地元企業との癒着、官製談合の蔓延、裏金づくりやお手盛り手当など自治体の腐敗、選挙の度に下がる投票率や行政の政策立案過程への市民参加のレベルの低さなどあげつらえばきりがない。連日報道されるこうした問題はまさに民主主義の程度を反映したものであろう。

 折しも、北海道夕張市では、財政破綻した市の財政再生計画について市民説明会が開催され、怒号と涙が渦巻く様子が報道されたが、そこに至る過程でのデモクラシーはどうだったのだろうか、と考えさせられた。厳しいようだが、市長や行政ももちろんその責任を問われるべきだが、その政治家、政策をよしとして選んだ市民がいたことは間違いないのである。

 「ランキングなんてどっちみち大したものではない」などと無視を決め込まず、この際、20位というポジションについてしっかり考えてみることが必要なのではないだろうか。なぜ北欧諸国はいつも上位にいるのか、アメリカ(17位)・イギリス(23位)がなぜランクダウンしているのか、実に深い内容を含んでいる。まさに我が国のデモクラシーの質が問われているのである。

 私たちは民主主義国に暮らしているのかどうか、改めて問い直してみてはどうだろう。特に国や地方自治体の政治家、行政の長には真摯に考えてもらいたい。

ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート2007  青山貞一


ウィーンフィル
ニューイヤーコンサート
2007


青山貞一


 正月恒例、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートが、元旦の日本時間午後7時過ぎからウィーンの楽友協会大ホールであり、NHK教育テレビによる午後7時からの生中継、2時間遅れのデジタルBS2による中継録画で2度楽しんだ。


ウィーンにある楽友協会(撮影:青山貞一)
 
 私はここ10年ほど、毎年欠かさずウィーンフィルのニューイヤーコンサートを楽しんでいるが、今年も大いに楽しんだ。

 今回の指揮者はズービン・メータ。ニューイヤーコンサートは後述するように今回で4回目となる。
 
 ちなみに、昨年の指揮者はマリス・ヤンソンス氏、以下は2006年のニューイヤーコンサートの後に書いたブログである。

青山貞一:ウィーンフィル、ニューイヤーコンサート2006を聴いて

 その指揮者、ズービン・メータ(Zubin Mehta)は1936年4月29日 にインドのボンベイで生まれている。父メーリ・メータも指揮者、地元ボンベイのオーケストラの指揮者として活躍した。1954年ウィーン国立音楽大学に留学、ハンス・スワロフスキーに指揮を学ぶ。1959年にウィーン・フィルを指揮しデビューそして成功を収めた。

 1990年、1995年、1998年そして今年(2007年)にウィーン・フィル新年恒例のニューイヤーコンサートを指揮している。ズービン・メータはオペラの指揮にもたけ、1965年にザルツブルク音楽祭でモーツァルトの「後宮からの誘拐」を指揮、大成功を収めている。


アンコールでラデツキー行進曲を指揮するメータ(NHKBSより撮影)

 一方、言うまでもなくウィーンフィルは数あるオーケストラのなかでもピカイチ、とくに地元、オーストリアのザルツブルグで生まれたモーツアルト、第九をウィーンで初演したベートーヴェンとともに、ウィーン出身でワルツやポルカで世界有数の作曲家、シュトラウス一家が作曲した曲の演奏ではウィーンフィルの右に出るオーケストラはいない。

 昨年はW.A.モーツアルト生誕250周年でもあり、ウィーンフィルは世界中で引っ張りだこ。日本でもあちこちで演奏会が開催されている。年末には、NHKホールでベェートーヴェンの第九交響曲などでも来日している。


ウィーン楽友協会大ホールのィーンフィルハーモニー管弦楽団(NHKBSより撮影)

 このところ日本でも古楽演奏が流行しているが、演奏だけでなくウィーンフィルは楽器そのものも18〜19世紀のものを使っている。

 NHKの衛星中継でゲスト出演したN響のバイオリンコンサートマスターによると、フレンチホルンやオーボエなどの管楽器には、ウインナホルンやウインナオーボエがあると言う。

 番組では通常のフレンチホルンとともに、ウインナホルンの実物が紹介され、構造の違いがよく分かった。

 曲目はおなじみのシュトラウス2の喜歌劇「くるまば草」の序曲、J・シュトラウスのポルカ「水車」などものに加え、今回ニューイヤーコンサート初めての曲も数曲あったが、とりわけシュトラウス2の通称、「レモンの花咲くところ」(Wo die Zitronen Bluh'n) Op. 364 が良かった。この曲は、シュトラウスがイタリアで作曲したとか。

....

 ところでニューイヤーコンサートは、毎年、ORF(オーストリア)、ZDF(ドイツ)そしてNHKが全世界に生中継しているが、そのひとつの目玉はなんと言っても、地元ウィーンの宮殿や城を使ってのバレエとの連携だ。

 今回は、私もウィーンに行くたびに季節を問わず何度も足を運んだシェーンブルン宮殿を舞台し、ウィーンフィルがアンコール曲としてラデツキー行進曲の前にいつも演奏するシュトラウス2三曲の「美しく青きドナウ」(An der Scheonen Brauen Donau)に合わせて登場したバレエがすごくよかった。

ウィーンフィルで「美しく青きドナウ」を!
以下は、ウィーンフィルが演奏する「美しく青きドナウ」。ウィーンフィルのWebでMP3にて公開しているもの。ただし、指揮者はズービン・メータではなくRudolf Streicherである。ダウンロードまでに時間がかかる場合がある。
J.Strauss (1825-1899)ヨハン・シュトラウス Jr. 
An der schoenen blauen Donauクリック 
Vienna Symphonic Orchestra conducted by Rudolf Streicher

 バレエはウィーン国立歌劇場、フォルクスオーパーのバレエ団、またバイエルン国立歌劇場バレエ団のソリストが華麗な踊りをシェーンブルン宮殿で披露してくれた。

シェーンブルン宮殿を舞台に「美しく青きドナウ」踊るソリスト(NHKBSより撮影)

 上の写真に写っている女性の独演者が、何とオードリーヘッブバーンにそっくり。顔、髪型、華奢なスタイルなど、どれをとっても似ていたのにはびっくり。

 アンコール演奏となったヨハン・シュトラウスの美しき青きドナウの演奏にさきがけ、ズービン・メータは、今年からルーマニアとブルガリアがEU(ヨーロッパ連合)に参加することについてコメントした。

 旧東欧ではすでにチェコ、ハンガリーなどがEUに加盟しているが、現場に行ってみると、雇用、物価、貨幣価値、為替などさまざまな面で旧東欧諸国のEUへの参加はけっして楽なものではないようだ。

 そんなこともあってか、ルーマニアからウィーンの楽友協会のコンサートに首脳が来ていたようで、大きく映し出されていた。

シェーンブルン宮殿を舞台に「美しく青きドナウ」踊るバレリーナ(NHKBSより撮影)


シェーンブルン宮殿を舞台に「美しく青きドナウ」踊るバレリーナ(NHKBSより撮影)


シェーンブルン宮殿(Schloss Schonbrunn)

 オーストリアの首都ウィーンにある宮殿。ハプスブルク王朝の歴代君主が主に離宮として使用した。現在同宮殿と庭園群は世界遺産に登録されている。市内からは地下鉄U4号線に乗りシェーンブルン駅下車。 庭園は東西約1.2km、南北約1kmの規模。

 建物は、あらゆる部屋を合計すると1,441室あり、両翼の端から端まで180mあり、正面右側翼には宮廷劇場がある。 また、広いフランス式庭園を挟んで宮殿に向かい合う丘の上にはグロリエッテという見晴台のような建物があり、ここからは周囲が一望できる(写真はこの丘からの 眺望)。 オーストリアで一番重要な観光資源で、年間入場数150万人。更に公園と動物園や行事での集客数520万人を合計すると年間には670万人が訪れる。 外壁はマリア・テレジアの好みに合わせて黄色になった。       出典:ウィキペディア(Wikipedia)
 

2005年3月のシェーンブルン宮殿。この宮殿の中でバレエが行われた(撮影:青山貞一)


夏はこの通り観光客などでにぎわう(撮影:青山貞一)


2002年8月のシェーンブルン宮殿。この庭でもバレエが行われた。
シェーンブルン宮殿の庭はなかなかのみもの(撮影:青山貞一)


.....

 ところでズービン・メータの前回のニューイヤーコンサートも聴いたが、今回は落ち着いたなかにもメータ流のオチャメな式が随所に見られ大いに楽しめた。とくにシュトラウス父のエルンストの思い出(作品126)はおそらく全世界の聴衆をわかせたに違いない。


アンコール曲の指揮を終えたズービン・メータ(NHKBSより撮影)


ウイーンやザルツブルグで簡単に生演奏を楽しむためには.....

 ところで、私のブログでは何回か書いているが、5年ほど前から予約しないと楽友協会大ホールのニューイヤーコンサートにはまず参加できない。

 日本円で10から15万円のプレミア付き切符もあるとウィーンにいる知人から現地で聞いたことがあるが、エコノミーとは言え往復航空券並のチケットを購入してまでと言うはと言う向きに、朗報がある。

 何と、今回バレエの舞台となったハップスブルグ家の主、マリア・テレジアの居城でもあるシェーンブルン宮殿の一室(私が参加したときは白金の間の隣)で、W.A.モーツアルトやヨハン・シュトラウスの名曲を集め、弦楽四重奏プラス管楽器による生演奏が毎日聞ける。オペラやバレエもある。しかも、50〜70人規模を対象としているので、まさに目前で以下のバレエも楽しめる。


シェーンブルン宮殿白金の間の隣で(撮影:青山貞一)

 予約はウィーン中の比較的大きなホテルのフロントで可能。チケットは日本円で4000円(数年前の値段)、時間は毎日夜8時ごろから2時間、途中休憩が20分ほどある。詳しくは以下を見て欲しい。

青山貞一:真冬の夜のウィーン:シェーンブルン宮殿コンサート  

 もっぱら、ウィーンやザルツブルグでは、季節を問わず毎日どこかで本格的なクラシックコンサートをしているし、天気が良ければ路上でセミプロがクラッシックを演奏し、1000円ちょっとでCDも買える。

 下の写真(左)はホーエンザルツブルグ城の前でバラライカでシュトラウスの「春の声」Fruhlingsstimmen を演奏するセミプログループ。CDを買ったが演奏、音質ともに秀逸。

 どういうわけか、別のグループもバラライカとアコーデオンで演奏していた。こちらはモーツアルトの曲を演奏していた。いずれもさすがザルツブルグと言うべきか、演奏は秀逸。

ホーエンザルツブルグ城前でバラライカを演奏するグループ(撮影:青山貞一)
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