青山貞一ブログ

独立系メディア「今日のコラム」に連動するブログ

2007年06月

これも、おそらく氷山の一角、〜牛肉偽装表示問題の法的検証〜  青山貞一


これも、おそらく氷山の一角
〜牛肉偽装表示問題の法的検証〜

青山貞一


 ホリエモン事件、村上ファンド事件、建築基準法関連の耐震偽装、知事・市長主導の官製談合、国外郭団体の性懲りない談合、社会保険庁の5000万件宙浮き問題、不二家事件、都内温泉におけるメタンガス爆発事故、そして今回のミートホープ社による牛ミンチ偽装問題と、官民を問わず日本全体が超がつくモラルハザード社会となっている。

 容易に想像がつくのは、上記はゴキブリ1匹をみたら.....のたとえの通り、おそらく氷山の一角にすぎない。共通しているのは、いずれも社会及び経済的規制の緩和や首長・官僚の裁量・権限の強さによるものである。

 とくに小泉政権移行、規制の緩和が経済分野のみならず、社会分野でも顕著となるが、本来、社会的規制の多くは安全、安心して国民が生活するために必要不可欠なものであるのに、経済的規制といっしょくたに緩和されてきたきらいがある。

 また、前規制を緩和する場合には、当然のこととして監視・モニタリング、立ち入り検査、罰則などの強化などが不可欠である。また内部告発を一層奨励し、同時に告発者の身分を徹底的に守る制度的枠組みが不可欠である。

 にもかかわらず、建築確認における耐震偽装問題ひとつをとっても明らかなように、前規制だけ緩和し、その後のチェックがないも同然となっているものが多い。他方、今回も不二家事件同様、もともとは内部告発から問題が提起されている点は見逃せない。

 ところで、本題の苫小牧市の食肉加工製造卸会社「ミートホープ」(田中稔社長)による牛ミンチ偽装問題(以下の北海道新聞記事参照)だが、直近の類似事件である不二家事件以上に、この事件は国民に大きなショックを与えているものと思われる。

虚偽表示容疑 ミート社、強制捜査へ
道警、ミンチ偽装で
(北海道新聞 06/23 01:06)

 【苫小牧、赤平】

 苫小牧市の食肉加工製造卸会社「ミートホープ」(田中稔社長)による牛ミンチ偽装問題で、苫小牧署と道警生活環境課は二十二日、不正競争防止法違反(虚偽表示)の疑いで、近く同社を強制捜査する方針を固めた。また、苫小牧署などは同日夜、田中稔社長ら同社幹部から任意で事情聴取した。

 同社はこれまでの会見で、田中稔社長の指示で七、八年前から、コスト削減のため、恒常的に豚肉などを混ぜたひき肉を純粋な牛肉と偽装して出荷していたことを明らかにしている。

 同署などは今後、ミート社が卸し、豚肉が混ざっていたとされる北海道加ト吉(赤平市)の「牛肉コロッケ」などについて、道外の第三者機関に依頼してDNA検査を行い、成分を分析する。また、社員の事情聴取を進め、偽装が始まった経緯や期間、出荷量、指示系統などを解明し、詐欺容疑の適用も視野に入れて捜査を進める。

 一方、農水省は同日、日本農林規格(JAS)法に基づき、ミート社の本社と工場、関連会社の肉販売「バルスミート」の店舗と事務所=いずれも苫小牧市=のほか、赤平市の北海道加ト吉赤平工場の計五カ所を立ち入り検査。

 ミート社には午前十一時ごろ、係官十人が入り、正午すぎから午後一時すぎまでに納品伝票などの入った段ボール計六個を運び出した。午後四時すぎ、社内から姿を現した田中等取締役は「内容はわからないが、専務が係官に事情を聴かれている」と説明した。

 一方、赤平市の北海道加ト吉赤平工場では農水省の係官ら十一人が立ち入り検査を行い、発泡スチロール箱などを持ち帰った。

 苫小牧署などは、こうした農水省が持ち帰った資料も調べる方針。


 理由は言うまでもなく、今回はお菓子ではなく、日本が毎日食べる副食であるからである。そして今回の事件は、いままで日本人の誰もが「ひょっとしたら」と疑念、疑義を感じていたことが、「やっぱり」となったことに事の重大さがある。

 ここでも温泉事件における環境省同様、所管官庁や自治体(北海道庁)による不作為、すなわちすべきことをしない、ことが発見を遅らせ、問題をより大きなものとしている。

 以下に今回のミートホープ社問題に関連する法律を列記してみた。

 食品衛生法(所管:厚生労働省)
 
農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律
   (通称、日本農林規格(JAS)法)
、(所管:農水省)
 
不当景品類及び不当表示防止法
(所管:公正取引委員会)

 ミートホープ社問題は、いずれの法にも抵触する可能性が高い。まず、食品衛生法だが、その目的が「飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、公衆衛生の向上及び増進に寄与する」とあるように、この法律は主に健康影響、健康危害、衛生面に係わるものである。

 ミートホープ社問題は牛肉コロッケに豚肉や鶏肉をまぜたにとどまらず、腐った肉を材料に使った可能性も指摘されている。

 次に、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(通称、日本農林規格(JAS)法)だが、この法律の目的は「一般消費者の選択に資し、もって公共の福祉の増進に寄与する」にあり、ミートホープ社問題にもろに関係する。

 3つめは不当景品類及び不当表示防止法である。この法律の目的とするところは、「公正な競争を確保し、もって一般消費者の利益を保護する」ことにあり、ミートホープ社問題では、廉価な原材料を偽って混ぜることからみても、明らかに公正な競争を疎外している可能性が高い。

 ちょっと調べただけでも、ミートホープ社問題は、事件性が高く、かつ上述のように国民の日々の生活に密接に関連する。

 ただし、以下の3つの法律を見れば分かるように、罰則、科料などはあまい。最高刑で不当景品類及び不当表示防止法が2年以下の懲役又は300万円以下の罰金(確定審決後の違反)を規定しているに過ぎない。日本農林規格(JAS)法に至っては、直罰規定はなく通常、行政指導(勧告、公表、措置)が処罰の前提となる。本件では農水省なり北海道庁が勧告、公表、改善命令、操業停止命令などをだしていないという問題もある(失笑)。

 上記3法以外に、刑法の詐欺罪がある。詐欺罪の立証はやさしくないが、今回の場合、社長などが故意に豚肉などを混ぜているようなので、立件も可能かも知れない。

 .....

 ところで、ミートホープ社問題は、当初、農水省に内部告発があり、それを北海道庁の生活環境課に事務連絡したにもかかわらず北海道庁が動かなかったなどという報道が流れている。

 その後、北海道生活環境部はそのような連絡を受けていないなど、国と自治体の間での見苦しい責任のなすりつけあいが行われている。

 事実のほどは今後明らかになるだろうが、この種の重大問題への内部告発であれば、農水省が単に自治体に通知を送るだけでなく、より積極的に立ち入り検査などをすべきであった。

 事実、以下の日本農林規格(JAS)法では監視体制に、広域業者の場合には農林水産省、(独)農林水産消費技術センター中心が立ち入り検査を行うこととされている。そもそも、農水省はこの会社の流通実態を調べれば、内部告発が事実であった場合、日本全体の広域的な大事件に発展するという感覚をもってしかるべきである。

 ここにも、国、道を問わず、日本の行政機関のリスク感覚のなさ、保身的、事なかれ的体質がよく見て取れる。

 いずれにしても、「これも、おそらく氷山の一角」であると思える。

「泥縄」を繰り返す環境省〜渋谷区温泉施設の死傷事故〜  青山貞一

 

「泥縄」を繰り返す環境省
〜渋谷区温泉施設の死傷事故〜


青山貞一


 東京の副都心、渋谷区で起きた温泉関連の爆発事故で3人が亡くなった。心からご冥福をお祈りしたい。この施設は、東京都渋谷区松濤1にある女性専用の温泉施設「シエスパ」に付属する温泉くみ上げ施設である。

 温泉を経営する会社、監理会社などの責任者が記者会見のなかで、メタンガスを検知する測定器や警報センサー装置の義務づけがなかったという談話を出している。

 確かに施設管理者やメンテナンス業者の対応には課題があるだろう。とくに
温泉法を所管する環境省がメタンガス等、引火・爆発性及び有毒性あるガスを測定することの義務づけをしていなかった、というのはきわめて重要な意味を持つものと思える。

  
温泉法
  温泉法施行規則
  温泉法施行細則例

 そもそも東京など大都市や埋め立て地を深く掘削すれば、メタンガス、硫化水素などのガスが発生することはいわば「常識」だ。にもかかわらず、環境省は、温泉法で掘削工事以降の営業時、すなわち温泉施設の運用時におけるガス検知を、義務づけていなかったという。

 私見だが、この種の死傷事故で最も問題なのは所管の官庁が、あらかじめガスのモニタリングや定期的なデータの届け出、さらに立ち入り検査の義務づけなどの法的な対応をあらかじめ行ってこなかったことでは無かろうか?

 そもそも住宅などが超密集する渋谷区の松濤地区で温泉施設を立地することを考えれば、当然のこととして、ガスのモニタリングだけでなく、法的な立地規制が必要である。にもかかわらず、東京、横浜などの超密集地を抱える大都市にはかなりの数の温泉施設があるという。

 環境省は21日になって以下のような検討会を設置すると言い出したが、まさにこれは「泥縄」そのものである。

 私の知る限り、環境省や旧厚生省は、いつも死人が出るまで放置し、死亡者がでるとやっと、重い腰を上げる、すなわち人柱が立たないとまったくまともな対応をしてこなかったのである。

温泉の安全対策検討会、爆発事故で環境省が月内にも設置へ
2007年6月21日20時36分  読売新聞)

 温泉施設「SHIESPA(シエスパ)」の爆発事故を受けて、環境省は21日、温泉の安全対策について、有識者からなる検討会を月内にも設けることを決めた。

 今秋までに報告書を取りまとめ、温泉を掘削したり、施設を営業したりする際の安全基準を作りたいとしている。

 同省によると、温泉法では、温泉掘削時に公益を害する悪影響が出たような場合は工事の許可を取り消すことはできるが、営業時の安全管理までを含めた総合的な安全対策については規定が設けられていない。必要性が認められれば、法改正も検討する。


 環境省や旧厚生省が所管する届け出、許認可がかかわるで温泉や最終処分場、それにRDF(ゴミ燃料)などでは、私が知るだけでも以下のような痛ましい死傷事故が起きている。

●福岡県筑紫野市の最終処分場における硫化水素ガス事故
  最終処分場を設置、運用する会社の従業員3名が死亡
  (平成11年)

  
詳細

●秋田県泥湯温泉で硫化水素ガス事故
  窪地の温泉の表面に有毒ガスである硫化水素ガスが充満
  し利用客3名が死亡
  (平成17年)

  
詳細

●三重県のRDF発電所でメタンガス爆発、消防士2名が死亡
  RDF(ゴミ固形化燃料)を使った自治体の焼却炉でサイロの
  なかにメタンガスが充満し爆発。駆けつけた消防士2名が
  死亡。
  (平成15年)
 
  
詳細 詳細2

 上記の死傷事故は、あらかじめ十分予想される問題ばかりであり、当然のこととして所管官庁である環境省は、法、政省令、規則、指針等を整備あるいは改正しておくべきであった。

 しかし、いずれも環境省(旧厚生省)の対応は「泥縄」であり、死人が出てから検討会を設置しているにすぎない。

...

 まず福岡県の筑紫野市にある産業廃棄物の最終処分場で起きた硫化ガスによる死亡事故だが、私は、この死亡事故に関連し、筑紫野市、市議会、市民らが共同で設置した協議会の総会に呼ばれた。そんなこともあり、この事故が起こる背景、原因、経過などを子細に知る機会があった。また現場にも数度にわたりでかけた。

 そもそもこの筑紫野市の産廃処分場は、安定型処分場である。安定型処分場から、なぜ高濃度の硫化水素がでるのか?これが問題であるが、その根本的な原因について、環境省はまともな原因究明及び説明責任を果たしてこなかった。

 周知のように安定型処分場は、いわば「素堀」の処分場である。そんな処分場そのものが法的に許容されていることが問題だが、環境省の関係者はの当初の見解は、「安定型処分場には安定5品目しか持ち込めない。その五品目からは硫化水素が発生するわけがない」というものであった。まるで禅問答である。

 これでわかるのは、環境省の担当者の多くは、およそ実態、現場を知らない「学生」さんである。

 過去、問題がおきた安定型処分場では、産廃業者はその5品目以外を持ち込んでいるのである。もちろんこれは違法行為である。にもかかわらず、環境省(旧厚生省)はその実態を知らず、あるいはそれに目をつむり、死亡事故が起きるまで高濃度の硫化水素が発生するわけがないと言ってきたのである。

 筑紫野市で3人が死亡する事故が起きたあと、環境省(旧厚生省)はやっとのことで、今回同様、検討会を設置したのである。

....

 ふたつめの泥湯温泉事故が発生した当時、私は非常勤、特別職で長野県の環境保全研究所長をしていたが、即刻、長野県内の一定規模以上の安定型処分場と温泉の一斉点検を命じた。

 この死亡事故は、今回の渋谷区の温泉事故と原因ガスはことなる、すなわちメタンガスではなく、福岡県筑紫野市の場合同様、硫化水素なのだが、多くの教訓を残している。

 すなわち、露天風呂などオープンエアタイプの温泉の場合、部屋などで密閉されていないので、万一、硫化水素などの有害ガスが発生しても大気中にガスが拡散し、死傷者がでるほどの高濃度には成らないと考えられてきた。しかし、秋田県の泥湯温泉の場合、窪地の底に温泉があったために、空気の重さに近い硫化水素はその窪地に滞留し、結果的に事故となったのである。

 これは応用物理、流体力学を少しでも知るものなら、当たり前のことだが、温泉法を所管する環境省は死亡事故が起きるまで、通り一遍の対応しかしてこなかった。

 ※ ちなみに渋谷の温泉で問題となったメタンガスは空気より軽く、特定の濃度でしか引火しないため、室内の換気を良くし、たえず外部へ放散させるなどしていれば引火する危険性は少ない。しかし、室内などの密閉空間にガスが滞留した場合、無味無臭のため、ガスに気付くのが遅れ、事故につながる危険性もある。

.....

 さらにRDFだが、日本で最初にRDFが導入された静岡県御殿場市のRDF工場では、RDFの保管中に火災事故が起きている。

 RDFそのものは、生ゴミなどの有機物、プラスチック、紙などを締め固め成形し固形燃料としたものである。したがって、それを密閉したサイロなどに保管すれば、当然のこととして、メタンガスが発酵する。

 にもかかわらず、RDFを燃料とした発電所でRDFをサイロなどに保管する上での各種構造基準、またメタンガスなどガスの濃度検知について環境省(旧厚生省)は、まともな対応をせず、したがって当該事項についての立ち入り検査もしてこなかったと言える。

 この種のRDF発電所は、福岡県大牟田市、広島県福山市などで住民の反対を押し切り、国などの補助金、特別交付金などによる建設されてきた。たまたま私はRDF発電所がもたらすさまざまな問題、リスクについて、大牟田、福山、宇都宮などの立地予定地の住民に頼まれ、その危険性について講演してきた。

 本事件ではその後、裁判が起き三重県の管理責任等が問われているが、多くの課題を残しRDF発電所の建設を見切り発車させた国にも多くの責任があると思える。

...

 ところで、 上記の3つの事故には共通点がある。

 それは所管する行政庁、すなわち環境省(旧厚生省)の関係者に現場実務のセンス、経験がほとんどないことである。

 環境省は、もともと環境庁として出発したが、予算規模は限られほそぼそと環境行政をしてきた。それがある時から、廃棄物行政などいわゆる事業官庁となり、その結果、年間数100から数1000億円の規模の予算を背負うことになる。

 ここでの最大の問題は、もともと国民の安全、安心を確実のものとするための監視やチェックを主目的としてきた環境行政が、事業官庁を兼ねることとなったことだ。そこでは、事業実施とチェックの両面を担わされることになる。同一の官庁がブレーキとアクセルの両方を担当することになっていることであろう。 

 環境庁、環境省の職員の多くは現場実務に乏しく、かつレンジャーとして国立公園などに配置される自然保護系職員以外、現場への配属もほとんどない。自治体に出向しても、部課長級となりほとんど現場に行かない。

 さらに、人事異動が激しく、霞ヶ関の役所で机上で書面審査をすることはあっても、積極的に現場に足を運ぶことは少ない(ほとんどない)とよい。

 ....

 今回の事故で民間企業の責任を問うのは簡単だが、いわばすべきこと、予見できることをしてこなかった、環境省など霞ヶ関の責任を問わなければ、何にもならない。

 本来、規制緩和してはいけない社会的規制までもがどんどん緩和される昨今だが、ことこの種の事故は、事後規制、すなわち死人がでてからでは取り返しがつかないことを肝に銘ずるべきだ。これは建築確認における耐震偽装問題にも通ずるものである。

 泥縄を繰り返す環境省に原因究明、改善措置、制度改正などを期待するのは難しいが、この際、徹底的にやってもらしかない。また事業者、自治体は国の言うことに従っていれば、と言う安易な考えを捨て、安全、安心については自己責任で二重、三重と対応の輪をjひろげなければならないだろう。
 

「国家が振り込め詐欺」へ対抗案!?  青山貞一


読者からのメール

「国家が振り込め詐欺」
への対抗案!?

青山貞一
 

●●●●さま


 青山貞一です。

 メールありがとうございます。

 ご承知かと存じますが、日本国憲法第17条は、「何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。」と規定しています。

 この憲法第17条は、昭和21(1946)年4月17日の憲法改正草案には規定がなく、衆議院の修正で加えられたものであり、17条にいう「法律」として制定されたのが、国家賠償法(以下を参照)です。

国家賠償法

第1条 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
 前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。
第2条 道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があつたために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責に任ずる。
 前項の場合において、他に損害の原因について責に任ずべき者があるときは、国又は公共団体は、これに対して求償権を有する。
第3条 前2条の規定によつて国又は公共団体が損害を賠償する責に任ずる場合において、公務員の選任若しくは監督又は公の営造物の設置若しくは管理に当る者と公務員の俸給、給与その他の費用又は公の営造物の設置若しくは管理の費用を負担する者とが異なるときは、費用を負担する者もまた、その損害を賠償する責に任ずる。
 前項の場合において、損害を賠償した者は、内部関係でその損害を賠償する責任ある者に対して求償権を有する。
第4条 国又は公共団体の損害賠償の責任については、前3条の規定によるの外、民法の規定による。
第5条 国又は公共団体の損害賠償の責任について民法以外の他の法律に別段の定があるときは、その定めるところによる。
第6条 この法律は、外国人が被害者である場合には、相互の保証があるときに限り、これを適用する。

 ただし、国家賠償法では、以下にあるように、通常、被告は個人としてではなく組織となります。

 すなわち、国家賠償法1条1項では、国または公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意または過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国または公共団体が、これを賠償する責に任ずる、とあります。

 もっぱら、故意又は過失により被害者たる国民に損害を与えた事実と社会保険庁の個々の職員との一対一の関係を個別具体的に特定するのは事実上困難でしょうから、国が損害賠償の責任を負うことでよいと思います。

 賠償責任者(被告)は、国または公共団体など行政庁となります。加害公務員個人ではなく国または公共団体が、加害者である公務員の責任を、その公務員に代わって負います(代位責任)。これにより被害者である国民は、加害公務員個人に対し直接損害賠償を請求することはできないこととなっています。(最判昭30.4.19)

 ....

 また、ひょっとしたら、政府・与党がいそいで立法しようとしている社会保険庁を解体し、民間組織とする法案は、国家賠償責任の主体を結果的に不明確とする可能性があります。

 場合によっては、現在、将来、社会保険庁に年金を納付した国民で、実害を受けたことが明確な国民が、損害の賠償を考え、こぞって国家賠償訴訟を行おうとしても、それができにくくなる、又はできなくなる可能性をはらんでいますと思います。

 その点は、まだ野党はじめ新聞、マスコミも気づいていないようですが、重要な点です。

 民事の場合、通常民法709条あるいは民法710条による故意又は過失によって他人の権利を侵害した者はそれを賠償する義務を負う、と言うのが定番ですが、国家賠償法はその行政庁版です。対象は国、自治体だけでなく、その外局、昔で言う特殊法人なども含まれます。

 本来、地方自治法の住民訴訟制度の国家版があれば、組織ではなく、役人、政治家個人も賠償の対象にできます。

 私たちは以前、納税者訴訟、国民訴訟制度を国会議員に提案しましたが、与党はもとより、野党もなかなか乗ってきませんでした。理由は、国民から直接請求されることを恐れたからだと思います。

 来週火曜日夜(2007年6月19日)に、現在別途、私も原告となり行っている国相手の行政訴訟で弁護団との連絡会議がありますので、その場で年金問題について国家賠償訴訟の可能性、条件などについて聞いています。

 もし行う場合は、ひとりふたりではなく最低でも、数10人が原告になる方が効率がよく、場合によっては東京、横浜、大阪など大都市を中心に各地で提訴できればと思います。その方が弁護士費用負担の観点からもよいと思います。

 もっぱら、上記の可能性がある場合には、まずもって具体的被害者(と想定される方)が弁護士と一緒に、東京地裁の記者クラブで<国家による振り込め詐欺は、到底がまんできない>として、記者会見を行い、そこで提訴の可能性について言及するのが一番と考えます。

 ....

 なお、私は60年間、東京都品川区小山に住んでおります。▲▲にもよく行きます。

 独立系メディアは既存メディアがあまにりも不甲斐ないので、3年前から友人等と一緒にやっております。今後ともよろしく。

 メール大歓迎です!

読者からのメール「国家が振り込め詐欺」  青山貞一


読者からのメール

「国家が振り込め詐欺」

青山貞一


 以下は、先に青山が書いたブログへの「独立系メディア」の読者からのメールです。個人名、住所などを●●などとしていますが、その他はすべてそのままです。  青山貞一


 こんにちは。初めてメール致します。

 私は、横浜に住む●●●●と申します。◆◆◆です。

 この度、はじめて青山先生のブログを拝見いたしました。

 初めて差し上げるメールが長くなってしまい申し訳ありません。

 先生のブログを拝見したきっかけは、今回の社保庁問題です。

 社保庁の対応にはもう我慢できません。しかし私一人では何もできません、

 このまま国民として何も手を打つことができないのか!

 国民が力を合わせ、社保庁の連中を詐欺罪で訴えることはできないのか!

 同じ意見の人が何千人、何万人といる筈だ。でもどうやったら?

 とりあえず、インターネットを繋げよう、と思い最初の検索ページに先生のブログを発見しました。

 池田さんの「国が振り込め詐欺をしている」にはまったく同感です。

 青山先生もおっしゃられておりますが、国家賠償訴訟法で国民が一丸となって社保庁の歴代及び現在の職員、幹部等を吊るし上げることはできないでしょうか?

 昨日テレビで、77歳の男性が、年金の記載記録がないことを理由に、ずっと年金が貰えずにいる現実を放送していました。

 やっとで社保庁が記載記録を照合しても、受け取るための期限が過ぎているという理由で約500万円の年金を受け取れないそうです。

 こんな馬鹿な話があるのでしょうか!?

 「払え!振り込め!」といっておいて、挙句の果てに「あなたに差し上げる年金はありません」

 とは、よく言えたものです。善人面して、国民から金を巻き上げるなんて!やくざよりひどい!

 このような怒りをもっている人は、何百万人といる筈です。

 何とかして、みんなの力を一つに集めることはできないでしょうか?

 この平成になって、社保庁一揆を起こせませんか?

 沖縄から北海道の国民が一丸となれば、明治維新どころではない革命になると思うのですが。

 この力が、引き金となり天下り、税金の無駄遣いもなくなってくれるような気がしてなりません。

 おとなしい国民を怒らせると怖いぞ!というメッセージを官僚、政治家にぶつけてやりたいのです。

 私のような、一国民ですが、何とか無駄のない世の中を子供たちに残してあげたい!

 と願うのも確かです。このままでは、大人として恥ずかしいです。

 どうか、先生。何か私にでもできることがありましたら、お教え下さい。

 長いメールになってしまい、本当に申し訳ありませんでした。

 因みに私は、品川区●●町で生まれました。母は、◆◆町の▲▲の出身です。

 先生が品川在住と知り、それも嬉しくなりました。

 先生の益々のご活躍をお祈りしております。

 失礼いたします。
 

日本のメディアの本質を考えるァ狙鐐菠麁擦汎販系メディア〜  青山貞一


日本のメディアの
本質を考える

〜戦争報道と独立系メディア〜

青山貞一



◆青山貞一:日本のメディアの本質を考えるダ鐐菠麁擦汎販系メディ
◆青山貞一:日本のメディアの本質を考えるご超庁記者クラブ事件
◆青山貞一:日本のメディアの本質を考える5者クラブと世論誘導
◆青山貞一:日本のメディアの本質を考える地方紙と世論誘導
◆青山貞一:日本のメディアの本質を考える“行部数と世論誘導


 私は1946年(昭和21年)生まれであり、戦後一回生である。その私にとっての戦争の実体験は朝鮮戦争であり、ベトナム戦争であり、湾岸戦争である。

 戦争との関連でメディアのあり方を考えるきっかけとなったのは、イラク戦争であった。さらに戦後における日本メディアの変節を見たのは、イラク戦争勃発直前の新聞の論調に顕著に表れている。朝日新聞の社説が、イラク戦争やむなしの論陣を張ったのは、有名である。

 私が実感したのは、いざとなると大新聞はいとも簡単に、戦争やむなし、さらには戦争礼賛になるのだな、ということであった。もちろん朝日新聞がイラク戦争を礼賛したとは言っていないが、国際情勢に押し流され、いつのまにか戦争やむなしの論調に変わって行くのを目の当たりに見て、ひとり、なるほど! と思ってみたりした。

 ところで、9.11以降、私は音楽家の坂本龍一さんらと非戦のNPOを結成し、さまざまな言論活動をWeb上で行ってきた。現在それらの多くは、本独立系メディアに収録されている。

 現代社会にあって、大新聞やテレビからの情報提供が限られ、あるいは偏向的に選択されるようになったとき、国民、市民にとってのよりどころは、いうまでもなくホームページやメールである。もちろん、これらのITメディアも、いざとなったとき、どこまで自由に情報発信や受信が出来るか、分からない。

 以下は、イラク戦争まっただ中の2003年4月20日に、私がWebに掲載した叙法である。題して、国民はイラク情報をどのWebで得ていたか! である。ここにいう、どのWebと言う意味は、大新聞、テレビ局を含め、当時すでにWebは一般的に使用されていたが、私たちのようないわば独立系メディアが、国民の間にどの程度浸透しているか、という意味で、「どのWebを見ていたか」である。

 以下をお読み頂ければ分かるように、戦争勃発時、日本の国民は大新聞やテレビだけでなく、NPO/NGOはじめ多様なメディアからイラク戦争の情報を得ていたことが分かる。

 この傾向は、その後一層顕著なものとなる。国民は巨大発行部数や視聴率を持つ巨大メディアとともに、小さくとも独自のルートで海外から情報を入手し、報ずるWebからも多くの情報を得ていたのである。

 すなわち、本特集の主題である「情報操作による世論誘導」を国民、市民は十分認識してたのである。


2003.4.20

国民はイラク情報を
<どのウェッブ>で得ていたか!


青山貞一


 今回のイラク攻撃、イラク戦争では、大マスコミによる「情報操作」が大きな問題となりました。新聞、テレビが米国系の記事や報道を連日、まさにホワイトハウスなど米英政府系の情報を間断なく流すなか、はたして国民はインターネットのウェッブで何を、どのサイトを見ていたのか、大いに気になるところです。

 国民はイラク情報を<どのウェッブ>で得ているか!
を判断するためには、当然のこととして第三者的、客観的な評価の方法でなければなりません。情報操作を問題としている以上、当然、客観的な指標、そして再現性ある方法で<サイト評価>をしなければなりません。

 判断、評価する方法にはいくつか考えられますが、最も一般的で再現性のある方法として次があります。すなわち、世界最大のインターネット検索エンジン、<google>により適切なキーワードを入れて掲載順位を見る方法です。

 googleの検索エンジンは、アクセス回数および複数の指標でサイトの順位を決めています。複数の指標のなかには、当該サイトへのリンク数も含まれています。exiteなど他の検索エンジンも最近はこの googleのエンジンを使っています。

 次に、どんなキーワードで検索するかが問題となります。
 イラク戦争との関連でキーワードを設定<イラク攻撃>と<イラク戦争>が最も一般的なキーワードとなるはずです。キーワードを詳細にすると絞り込まれるので、できだけ一般的、短いもので検索する方が客観性が保てるからです。

 最初に、<イラク>+<攻撃>+<戦争>をキーワードとして検索しました。 検索結果を以下に20位まで示します。対象ホームページのサイト数は12万サイトです。

 後述するように、イラク問題ではNPO/NGOなどの専門サイト、キャンペーンサイトが国民に、大マスコミ並、いやそれ以上の情報を提供し続けていたことが客観評価により分かりました。ここに、独立系メディアをつくる理由があります。

 皆様のご協力を得ています国会議員、政府への意見申し入れサイトも、12万サイト中、第九位にいます。また私の「正当性なき米国のイラク攻撃」も第八位にいます。


★ 12万件中の上位20位ランキング 対象サイト数:12万サイト
  以下は2003年4月20日午後10時現在


第一位 朝日新聞系サイト asahi.com : ニュース特集
http://www2.asahi.com/special/iraqattack/ - 35k -

第二位 日本共産党系サイト イラク攻撃・戦争ノー/ ...
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2003-02-01/10_0501.html - 3k -

第三位 日本共産党系サイト イラク攻撃 戦争ノー/ ...
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2003-02-08/10_01.html - 6k -

第四位 WORLD PEACE NOWサイト  もう戦争はいらない ?わたしたち ...
http://www.worldpeacenow.jp/ - 1k - キャッシュ - 関連ページ

第五位 イラク攻撃をやめよう!サイト
http://www.geocities.com/ceasefire_anet/misc/iraq.htm - 10k -

第六位 グー系紙と 国際 トピックス ハリウッドに特大の反戦看板 - ...
http://news.goo.ne.jp/news/topics/index/02033/1.html - 26k -

第七位 ヤフー系サイト Y!ニュース - イラク戦争
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/world/war_against_iraq/ - 31k -

第八位 青山貞一サイト 正当性なき米国のイラク攻撃
http://www.01.246.ne.jp/~aoyama/iken-moushiire1.html - 9k -

第九位 環境行政改革フォーラム 意見申し入れサイト
http://www.eforum.jp/shihou/iken-moushiire1.html - 26k -

第十位 田中宇サイト 米イラク攻撃の表裏
http://tanakanews.com/c0716iraq.htm - 13k -

第十一位 WORLD PEACE NOWサイト  もう戦争はいらない?わたしたちは ...
http://give-peace-a-chance.jp/118/ - 47k -

第十二位 WORLD PEACE NOWサイト  もう戦争はいらない?わたしたちは ...
http://give-peace-a-chance.jp/118/index2.html - 43k - 2003年4月18日 -

第十三位 ライコス系サイト Lycosニュース / トピックス / イラク攻撃
http://news.lycos.co.jp/topics/world/operation.html - 21k -

第十四位 イラク攻撃に反対する意見広告の会サイト
http://www.yasudasetsuko.com/iraq/ - 13k - キャッシュ - 関連ページ

第十五位 産経新聞系サイト  SPECIAL イラク戦争
http://www.sankei.co.jp/databox/iraq/sp_iraq.html - 29k -

第十六位 毎日新聞 INTERACTIVE 米同時テロ攻撃 米・イラク
http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/nybomb/iraq/ - 37k -

第十七位 新婦人サイト アメリカのイラク攻撃に強く抗議し、 ...
http://www.shinfujin.gr.jp/syu/2003/sei_030327.html - 5k -

第十八位 中日新聞系サイト イラク情勢
http://www.chunichi.co.jp/iraq/ - 13k - キャッシュ - 関連ページ

第十九位 グリーンピースジャパンサイト Greenpeace Japan プレスリリース
http://www.greenpeace.or.jp/press/2003/20030227_html - 24k -

第二十位 グリーンピースサイト Greenpeace Japan イラク攻撃に「ノー」 ...
http://www.greenpeace.or.jp/cyberaction/nowar_iraq_html - 20k -


大手新聞、大マスコミに混ざって、NPO/NGO系サイトが結構上位にいます。WORLD PEACE NOWはチャンスなどによる市民非戦サイトです。私の「正当性なきイラク攻撃」が第7位、環境行政改革フォーラムのイラク攻撃不支持署名サイトが第八位と大健闘しています。

 次に、<イラク攻撃>だけで検索すると、実に18万件がひっかかります。

 以下は現時点(17日朝)での20位までのランクのうち大マスコミ系以外を示したものです。

 私はこの検索で評価を続けていますが、ここ数ヶ月間、イラク情報で圧倒的上位にいるのは田中宇さんのサイトです。田中宇さんのサイトは18万件中、2位と3位にいます。さらにNGO系では、江坂さんのホットワイアードが7位、青山関連のサイトが11位と13位、ワールドピースナウが17位にいます。賛同署名をお願いしています環境行政改革フォーラムのサイトも、堂々第13位におります。

 大マスコミではトップが日経新聞の5位にいますが、田中宇さんのサイトに負けています。朝日新聞は10位、12位、19位、20位と最多を得ていますが、読売新聞、毎日新聞は20位までにはいません。

 読売、毎日がないのは、後述する<イラク戦争>と言う言葉を頻繁に使っており<イラク攻撃>と言う言葉の使用頻度が低いこともその理由のようです。ちなみに私の関連サイトでは<イラク攻撃>が圧倒的で<イラク戦争>と言う言葉はほとんど使っていません。


キーワード:<イラク攻撃>(対象サイト数:18万件)


第一位 イラク攻撃をやめようサイト
http://www.geocities.com/ceasefire_anet/misc/iraq.htm

第二位 田中宇サイト
http://tanakanews.com/c0716iraq.htm 

第三位 田中宇サイト
http://tanakanews.com/c0909iraq.htm

第七位 ホットワイアードサイト
http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20030228203.html

第八位 イラク攻撃に反対する意見広告の会
http://www.yasudasetsuko.com/iraq/

第十一位 青山貞一サイト(正当性なきイラク攻撃)
http://www.01.246.ne.jp/~aoyama/iken-moushiire1.html

第十三位 環境行政改革フォーラムサイト(賛同署名サイト)
http://www.eforum.jp/shihou/iken-moushiire1.html

第十六位 ワールドピースナウ
http://www.worldpeacenow.jp/

第十七位 イラク攻撃に関する国会議員アンケート
http://www.eeeweb.com/~research/


◆大マスコミWEB順位はどうなっているか?

 以下の通りで、最高順位が日経の第五位です。

 第五位  日経新聞

 第六位  共同通信

 第九位  ニフティー(富士通系)

 第十位  朝日新聞

 第十二位 朝日新聞

 第十四位 ビッグローブ(日電系)

 第十八位 グー

 第十九位 朝日新聞

 第二十位 朝日新聞



 次に、<イラク戦争>で検索すると、4万5千400万件がひっかかります。<イラク攻撃>が18万件ですからその1/4程度です。検索日は、本日、2003年4月17日午前7時時点です。

 以下にキーワード<イラク戦争>、20位までのウェッブランクを示します。<イラク戦争>キーワードでは、江坂さんのホットワイアードが1位と2位を占めています。田中宇さんのサイトは5位にいます。一方、大マスコミでは、3位に読売新聞がいます。朝日新聞が4位、10位、20位と最多、毎日が13位と14位におります。


★キーワード:<イラク攻撃>(対象サイト数:4万5千400件検索)


第一位 ホットワイアードサイト
http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20030318202.html

第二位 ホットワイアードサイト
http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20030123204.html

第五位 田中宇サイト
http://tanakanews.com/c1226powell.htm

第七位 益岡賢サイト
http://www.jca.apc.org/~kmasuoka/places/raiq.html

第八位 爆弾はいらない、子供たちに未来をサイト
http://homepage2.nifty.com/mekkie/peace/iraq/history3.html

第十五位 イラク戦争反対ネット
http://www.jcp.or.jp/activ/active74_no-war/act_index.html

第十六位 イラク戦争反対ネット
http://www.jcp.or.jp/activ/active72_bira_iraq/

第二十位 グリーンピースジャパンサイト
http://www.greenpeace.or.jp/press/2003/20030312a_html


◆大マスコミWEB順位はどうなっているか?

 以下の通りで、最高順位が日経の第五位です。

 第三位  読売新聞

 第四位  朝日新聞

 第六位  インターネットウォッチサイト

 第九位  アマゾン系サイト

 第十位  朝日新聞

 第十一位 ヤフー系サイト

 第十二位 ソフトバンク系サイト

 第十三位 毎日新聞

 第十四位 毎日新聞

 第十七位 ヤフー系サイト

 第十八位 グー系サイト

 第十九位 グー系サイト

 第二十位 朝日新聞

日本のメディアの本質を考えるぁヾ超庁記者クラブ事件  青山貞一

 

日本のメディアの
本質を考える

〜環境庁記者クラブ事件〜

青山貞一



◆青山貞一:日本のメディアの本質を考える5者クラブと世論誘導
◆青山貞一:日本のメディアの本質を考える地方紙と世論誘導
◆青山貞一:日本のメディアの本質を考える“行部数と世論誘導


 
先日、日本を代表する大メディアにいた友人と記者クラブについて議論する機会があった。彼は現在大学教授をしている。

 その友人によれば、「記者クラブでは昼間から酒を飲み、麻雀をするのが常態化していたと、自分が記者クラブにいたときのことを振り返える。

 この記者クラブに関しては、私も思い出したくもない、嫌な思い出がある。今からかれこれ20年以上も前、1983年5月のことである。

 当時、時代は環境問題に関し「冬の時代」だったが、私は日本環境プランナーズ会議(通称,NEPA)と言う準学会組織をつくり、その第一回総会をお披露目を兼ね西新宿の超高層ビルの一角で開催することとした。

 NEPAには官民、また学者研究者、国自治体の行政、民間企業関係者、市民運動、市民団体を団体を問わず、環境政策にかかわる研究者、国・自治体の政策マン、今で言うNPOなどが加わり、自分で言うのも何だが、当時としては画期的なものであった。

 NEPAには、私の他、筑波の国立環境研究所の研究員、東京都、神奈川県、愛知県などの環境行政の幹部職員らが共同代表として参加していた。

 ※国立環境研究所から参加していたのは、森田恒幸さんであった。森田さんは、その後、地球温暖化研究の第一人者となりIPCCの主要メンバーとなったが、惜しくも若くして亡くなられている。

 せっかくNEPAの総会を開くのなら、マスメディア関係者にも参加してもらおうと言うことになった。

 そこで総会の概要と懇親会の開催案内を私ともうひとりの民間企業に勤める代表幹事の2人が環境庁にある記者クラブに持参することになった。

 事前に、記者クラブに連絡したところ、朝日新聞が幹事社であることが分かり、35部ほど案内状を持参し、千代田区霞ヶ関の合同庁舎にあった環境庁に二人で出向いた。

....

 受付の女性に訪問の趣旨を伝え、いわゆる幹事社の記者を待った。

 しかし、10分経ち、30分経っても記者は受付に来ない。

 受付の女性が申し訳なさそうな顔となり、1時間過ぎたところで、「大変申し訳ございませんがもう少々お待ちください」と伝えてくれたが、どうみてもおかしい。

 その後、1時間30分たっても記者はでてこない。もちろん、何度となく帰ろうと思ったが、せっかくここまで待ったのだからと、待つこと2時間近くとなった。

 その間、受付嬢は何回か中に入って行き、「もうしばらくお待ちください」とすごく申し訳なさそうに伝えた。この時点で、受付嬢からF記者らが暗に麻雀をしていることを知らされる。

 こうなったら意地とばかり、待つこととした。

 2時間を過ぎたところで、朝日新聞の環境庁記者クラブのF記者が受付に出てきた。

 いきなり「何のよう?」。

 2時間も待たせて「何のよう」もないもんだ。

 腹が煮えくりかえりそうになるが、ここは我慢。NEPAの概要とその総会の開催概要、懇親会の案内を説明する。しかし、F記者は気もそぞろ。

 顔を見ると真っ赤。何と酒の臭いがプンプンしている。

 何と、記者は受付嬢が暗に教えてくれたように、昼間から環境庁の記者クラブで酒を飲み、仲間の記者と麻雀をしていたことが歴然と分かる。

 私がF記者に説明しているさなか、読売新聞のO記者、毎日新聞のK記者が受付にきて、「Fちゃん何しているの、あんたの番だよ」と言っている。いずれも赤い顔をしている。

 そのF記者がそそくさと、麻雀をしていた部屋に戻ろうとしたとき、私は堪忍袋の緒が切れた。

 そこでF記者に向かって、ひとこと、ふたこと文句を言う。

 すると、F記者はえらい剣幕で「あんたら方は、環境庁の広報も通さず、投げ込みでクラブに来て何を言うか!」と私と友人を怒鳴りつけた。

 投げ込みとは、業界用語で役所の広報を通さず、記者クラブにいきなり、プレスリリースを持ってくることを指している。

 当時、NEPAに環境庁の幹部職員が10名ほど参加していた。彼らの名前もその案内状にあった。それを見て、F記者は、「環境庁の○○もいるのに、何で投げ込みで来たのか!」と怒っている。

 私たちはあっけにとられた。

 2時間以上も待たせたあげく、このざまである。詫びどころか、案内状を持参し2時間以上も待たされた私たちは怒鳴りつけられたのだが、自分たちはと言えば最低でも2時間以上、昼間から酒を飲みながら麻雀をしていたのだ。

 私たちは、こんな記者と話してもしょうがないと、2人で変えることにした。とはいえ、新橋駅近くまで来たとき、虫の知らせというか、非常に嫌な予感がしたので、それぞれが勤務先に電話を入れると、私の勤務先には読売新聞のO記者から、友人には件の朝日新聞のF記者から抗議の電話があった。何が抗議かと言えば、「私たちが環境庁の記者クラブを冒涜した」とのこと。すぐに「記者クラブに謝罪に来い」と言っていたとの伝言である。私の勤務先でO記者からの電話を受けたのは、池田こみちさんである。

 ふざけんじゃない!と思いつつ、疲れ果てた2人は、トボトボと新橋から環境庁にある記者クラブに戻る。

 すると、NEPAに参加している環境庁の幹部職員が記者クラブの入り口付近でオロオロしているではないか。

 私の顔を見て、「青山さん大変なことになっちゃった」と言う者もいれば、何と、記者に「青山さんはけんかっ早いので」などと余計なことを言っている者もいる。

 私は、「私がNEPAの代表幹事の青山です」と、記者クラブに入ってゆくと、待ちかまえていたF記者が私たち2人をいわゆる会見室に誘導し、これから環境庁記者クラブを冒涜した2人の「謝罪」会見を開くので、各社さん集まって欲しいと怒鳴る。もう、何を言ってもダメとさとる。

 他社の記者は、F、O、Kらが昼間から酒を飲んで麻雀をしていたことを知っている。

 おそらくF記者がトンデモ記者であることを知っているらしく、私たちからの説明会などに出席したくないようだったが、執拗にF記者が怒鳴るものだから、シブシブその人民裁判的「謝罪」会見に参加した。

 この会見にはざっと15名ほどの記者が参加した。この説明会は、まさに人民裁判的なものとなった。私が一言話すと、「そんな言い訳を聞いているんじゃない」とF記者が怒鳴る。同僚のO記者、K記者は申し訳なさそうに下を向いているが、F記者はその後もおそらく酒を飲んでいる、言いたい放題の一人舞台となった。

 質問の大部分はF記者であり。

 一時間ほどやりとりした後、朝日のF記者は「青山さん。そういう趣旨の話ならなら、はじめからそう言えば、私たちもちゃんと対応したのに」と、よくいうよである。

 まさに、私は、はじめからそう説明していたが、麻雀で負けが込んでいたのかどうか知れないが、およそ私たちの話を聞かず、怒鳴りつけたのはF記者であったのだ。

 ......

 私の人生の中でこれほど屈辱を受けたことはなかった。またこれほど日本のマスメディアの横暴、傲慢さを目の当たりにしたこともなかったことは言うまでもない。

 後日、NEPAのメンバーに環境庁記者クラブ事件(私たちはそう呼んでいる)を報告した。

 そしてNEPAの総会が1983年5月14日、東京の西新宿で開催された。


日本環境プランナーズ会議編集の著作

....

 しかし、問題はこれで終わらなかった。

 こともあろうか朝日新聞の環境クラブのF記者は、当時の企画調整局長(大幹部)に、トンデモナイことを話したのである。

 すなわち、「青山らは環境庁の幹部職員とつるんで、自分たちに環境庁の業務を都合の良いように出させている」などと。

 私は現在大学教授をしている当時の環境庁幹部職員から上記を聞かされ、大変申し訳ないが、今後、当面、NEPAへの参加を見合わせたいと言われた。他の幹部職員は、泣きながら申し訳ないがNEPAから脱退させて欲しいと言ったのである。

 上記のように、問題の発端はあくまで昼間から酒を飲み、麻雀をしていた記者クラブの面々にある。

 にもかかわらず、F記者がその後もトンデモナイことを勝手に環境庁の上層部にねじ込んだことから、せっかく動き出した日本環境プランナーズ会議(通称,NEPA)から環境行政の中核メンバーが抜け出ざるを得なくなったのである。

 .........

 この環境庁記者クラブ事件は、直接的には朝日新聞のF記者そして麻雀をしていた他のメンバーの不祥事にある。

 言うまでもなく、昼間から酒を飲み、麻雀をしてはばからない記者クラブという特権的組織のなせる技であると思える。

 そもそも日本社会に蔓延している記者クラブだが、宮崎県の東知事の言をもちだすまでもなく、これは日本固有のものであり、日本のジャーナリズムの堕落の主因をなすものと思う。

 仮に記者クラブの存在そのものを否定しない場合でも、記者クラブは誰にでも開かれたものでなければならない。国民、市民が誰でもプレスリリースしたい素材を持参し、記者らに聞いてもらう場でなければならないだろう。

 大手メディアが役所の一角を独占的に使用し、ある時期までは電話、FAX代すら行政側がもっていた。そのような記者クラブが、権力そのものである国や自治体をまともに批判する記事が書けるのか!とも思う。

 ......... 

 ちなみに朝日新聞のF記者はその後、転勤となり亡くなられた。一方、読売新聞のO記者は解説委員を経由し環境関連の公益法人の代表となっている。毎日新聞のK記者は、大学教授経験後、フリーの環境ジャーナリストとなっている。

日本のメディアの本質を考える k


日本のメディアの
本質を考える

〜記者クラブと世論誘導〜

青山貞一




 宮崎
県の東知事が就任早々、記者会見で次のように言い放った。

 「記者クラブという存在は、先進国では日本だけ」。「戦後60年たったが、(記者クラブや定例記者会見の)在り方を見詰め直されないのはいかがなものか」

 東知事の発言から遡ること6年前、田中康夫長野県知事(当時)は、以下の「脱・記者クラブ」を宣言した。

 


「脱・記者クラブ」宣言

 
 その数、日本列島に八百有余とも言われる「記者クラブ」は、和を以て尊しと成す金融機関すら''護送船団方式''との決別を余儀なくされた21世紀に至るも、連綿と幅を利かす。

 それは本来、新聞社と通信社、放送局を構成員とする任意の親睦組織的側面を保ちながら、時として排他的な権益集団と化す可能性を拭(ぬぐ)い切れぬ。現に、世の大方の記者会見は記者クラブが主催し、その場に加盟社以外の表現者が出席するのは難しい。

 また、日本の新聞社と通信社、放送局が構成員の記者クラブへの便宜供与は、少なからず既得権益化している。

 長野県に於(お)いても、例外ではない。県民の共有財産たる県庁舎内の3ヶ所に位置する「県政記者クラブ」「県政専門紙記者クラブ」「県政記者会」は、長きに亘って空間を無賃で占有してきた。面積は合算で263.49平方メートルに及ぶ。

 部屋と駐車場の使用料に留まらず、電気・冷暖房・清掃・ガス・水道・下水道の管理経費、更にはクラブ職員の給与も、全ては県民の血税で賄われてきた。推計での総額は年間1,500万円にも上る。これらを見直されねばならぬ。

 須(すべから)く表現活動とは、一人ひとりの個人に立脚すべきなのだ。責任有る言論社会の、それは基本である。

 2001年6月末を目途に3つの記者室を撤去し、仮称としての「プレスセンター」を、現在は「県政記者クラブ」が位置する3階の場所に設ける。

 194.40平方メートルの空間にはスタッフを常駐させ、コピー、FAX等は実費で承(うけたまわ)る。テーブル付きの折り畳み椅子を数多く用意し、雑誌、ミニコミ、インターネット等の媒体、更にはフリーランスで表現活動に携わる全ての市民が利用可能とする。

 使用時間等を予約の上、長野県民が会見を行う場としても開放する。更には「ワーキングルーム」として、現在は2階に位置する「県政専門紙記者クラブ」の空間(30.24平方メートル)にも、同様の椅子を並べる。

 平日の10時45分と16時30分の2回、政策秘書室の担当者が「プレスリリース」を掲示し、希望者には無料で頒布する。併せて、その場で質疑応答を受け付ける。必要に応じて、関係部課長等も件(くだん)の会見に出席し、資料説明を行う。知事も又、その範疇に含まれる。

 如何なる根拠に基づいてか、記者クラブ主催だった長野県知事の記者会見は今後、県主催とする。

 知り得る限り、記者会見を毎週行う都道府県知事は、長野と東京のみである。而(しか)して長野県に於(お)いては、往々にして毎回の記者会見に割く時間は1時間以上に亘る。知事室を始めとする県庁内、視察現場等での''ぶら下がり''なる符丁で知られる記者との遣り取りも、拒んだ過去は一度としてない。その精神は変わらない。

 従来と同じく事前に日時を告知した上で週1回開催する知事記者会見には、全ての表現者が参加可能とし、質疑応答も行える形式に改める。但し、質問者は氏名を名乗らねばならぬ。

 前述の「プレスリリース」同様、会見の内容はホームページ上に掲載する。動画でのアップも導入する。天変地異を始めとする緊急記者会見の開催通知や資料提供を希望する表現者は、所定の用紙に連絡先等を記入して予め届け出る形を考える。以上、ここに「『脱・記者クラブ』宣言」を発表する。

 今回の宣言が、県民の知る権利を更に拡充する上での新たな「長野モデル」の一つとなる事を切に願う。

 更なる詳細は、全ての表現者との開かれた話し合いを踏まえて決定する。猶(なお)、任意の親睦団体としての記者クラブの存在は、長野県に於いても加盟各社の自由意思であり、これを妨げはしない。
 
2001年5月15日 田中康夫

 田中康夫氏は「脱・ダム宣言」で有名だが、筆者は「脱・記者クラブ」宣言に田中氏の本領が発揮されていると思っている。

 その田中康夫前長野県知事は、せっかく宣言した「脱・記者クラブ」宣言にもかかわらず、その後、メディアからの質問の多くにまともに答えることなく、はぐらかしの連続であった。

 政治家にとって情報リテラシー能力、とくに双方向のコミュニケーションは具備すべき最も重要な資質のひとつであるが、田中康夫氏は、残念ながらコミュニケーション能力に乏しい。

 自分の言いたいことを一方的に話し、ひとの意見を聞かない、そさすとの批判をずいぶん受けていた。

 その点、冒頭の東宮崎県知事は、田中康夫氏に比較し、丁寧に質問に答えており、情報リテラシー、とりわけコミュニケーションに関しては格段上と評価できる。

 ......

 本題から離れたが、日本独自の記者クラブなる制度こそ、日本のメディアの本質を考える上で重要な論点を提供している。

 最大の問題点は言うまでもなく、記者クラブが国、自治体など行政による一方的な情報提供の先兵の役割をなし、結果的に「情報操作による世論誘導」のツールとなりさがっていることだ。

 いうまでもなく、「情報操作による世論誘導」は、アーンシュタインの 「民度を計る」ための8段階の階段の最も下段にある。


 図1  「民度を計る」ための8段階の階段

8 市民による自主管理 Citizen Control 市民権利としての参加・
市民権力の段階

Degrees of
Citizen Power
   ↑
7 部分的な権限委譲 Delegated Power
   ↑
6 官民による共同作業 Partnership
   ↑
5 形式的な参加機会の増加 Placation 形式参加の段階
Degrees of
Tokenism  
   
4 形式的な意見聴取 Consultation
   ↑
3 一方的な情報提供 Informing
   ↑
2 不満をそらす操作 Therapy 非参加・実質的な
市民無視

Nonparticipation
   
1 情報操作による世論誘導 Manipulation
原典:シェリー・アーンシュタイン(米国の社会学者)青山修正版

 週刊誌メディアとのつきあいが長い田中康夫氏は、記者クラブが新聞社やテレビ局、通信社などの記者による仲間内での既得権益的親睦団体であり、結果的に週刊誌はじめ他のメディアを排除していると指摘している。 また、さまざまな便宜供与を国、自治体から受けている記者クラブは一種のギルド組織として、永年、さまざまな便宜、恩恵を行政から受けてきた。

 しかし、記者クラブの問題は、週刊誌メディアやNPOメディアを排斥したり、行政からさまざまな便宜、恩恵を受けてきたことにとどまらない。

 おそらく最大の課題は、記者クラブに記者がいれば、黙っていても行政が「ネタ」をもってくること、そして説明してくれ、さらに記事化する面倒まで見てくれることだ。その結果、新聞記者は本来記者としてすべきことをせず、行政にオンブニダッコとなり事足りると錯覚することになることこそ大問題である。

 本来、新聞記者は行政情報を鵜呑みにせず、自分の足を使い、現場に出て直接取材し、裏付けをとり、反対勢力の意見をとるなど、記事をつくるうえで最低限のことをしなければならない。

 しかし、現在のメディアの圧倒的多くの記者は、いわば記者クラブに安住し、あんぐり口を開け情報を待っている、存在となっているのである。

 もちろん、今回の国民年金問題のようにひとたび事件化すれば、それなりに動くが、それは希である。近年、国、自治体のプレスリリースを鵜呑みにした記事が圧倒的である。

 国、自治体など行政やその外郭団体の不祥事が頻発している昨今、行政からのプレスリリースを記事化しているだけでは、到底、行政の誤謬、不作為などを看破することは不可能でああろう。さらに記者クラブには、さまざまなオキテがある。特定の新聞社が他社を出し抜けないような不文律のオキテがあるのである。

 それらは一口で言えば、記者クラブに加わる各社における「談合」であると言ってもよいだろう。

 さらに言えば、記者クラブに安住する記者の多くには、国、自治体のプレスリリースへの質問、それも厳しい質問がほとんどない。仮に一回質問し、官僚、役人が回答すると、それ以上の突っ込みがない。

 理由は記者クラブに安住するあまり、メディア間の競争がないこと、不勉強きわまりないことなどがある。これでは行政による「情報操作による世論誘導」の先兵となるばかりで、到底、まともな記事は書けない。

つづく

「国家が振り込め詐欺」をしている社会保険庁事件  青山貞一


「国家が振り込め詐欺」
をしているような

社会保険庁事件

青山貞一


 行政法や行政訴訟の研究者の間で、よく「泥棒に金庫番をさせるようなものだ」という表現を使う。

 過日、国(総務省)を訴えているある差し止め請求で、東京地裁の判事は、まったく実質審議に入ることなく、原告にいきなり「却下」の判決を下した。判決本文で、裁判長は原告は地裁ではなく行政不服審査請求として、総務省所管の審議会に異議申し立てるべきであるとした。

 原告はもともと総務省がしてることが間違っていると考えるに至ったからこそ、東京地裁に司法救済を求めたのである。

 にもかかわらず、東京地裁は、この種の専門的な問題の審議は裁判所になじまない、として、総務省の審議会審査に行けと門前払いを原告に食らわしたのである。

 原告等は、これでは、まるで「泥棒に金庫番をさせているようなものだ」と怒った。

 行政と立法が癒着しているような事件では、国民はしかたなく司法、すなわち裁判に救いを求める。だが、その司法は、自分たちの本来の職務を放棄し、問題を起こした行政機関に異議を申し立てろと開き直ったのである。

 総務省がしたことが問題だ、違法だ、原告が言っているのに、裁判所はその総務省の審議会に行け言っているのである。総務省が問題なのに総務省の判断をあおげでは、まさに「泥棒に金庫番をさせるようなもの」である。

 しかし、今の日本はまさにあちこちに「泥棒に金庫番をさせる」ことが蔓延している。

 今回の社会保険庁の事件をよく見れば、まさに「泥棒に金庫番をさせ」てきたことがわかる。泥棒に金庫番をさせてはいけない。いくらなんでも泥棒に金庫番をさせれば、先(結論)は見えるのだ。

 .....

 6月4日、同僚の池田こみちさんと車の中で社会保険庁事件について議論した際、池田さんが当該事件を指して「国が振り込め詐欺をしている」と言った。

 まさにその通りだ。今回の社会保険庁事件は、まさに「国が振り込め詐欺をしている」のと等価だ。

 国民年金は、日本国内に住所のある20歳以上60歳未満のすべての人が強制加入し、老齢・障害・死亡の保険事故に該当したときに基礎年金を支給する公的
年金制度である。

 今回の5000万件が宙に浮いた事件を見ると、国が法律をバックに、国民に年金に強制加入を強要し、その上で国が国民の金を故意又は過失によって無くなすなど甚大な損害を与えていると言ってもよいだろう。

 すなわち、まさに「国が振り込め詐欺をしている」のである。悪質なのは法律によって強制加入、すなわち振り込めと言ってきたことだ。

....

 ところで、年金に関連して「泥棒に金庫番をさせる」とか「国が振り込め詐欺をしている」ことの根源がどこにあるのだろうか。

 それは法律を根拠として、社会保険庁が年金の徴収と支払いの双方をひとり(一組織)でしてきたことにある。

 多くのまじめな国民や事業者は、法律に決められたことだからとして、年金の原資となる金を愚直に納めてきた。

 にもかかわらず、社会保険事務所や社会保険庁は、運用の名の下にトンデモナイ損失を出したり、数100億円もする保養施設を勝手に建設、運用し、大赤字を出すと、まさに二束三文で民間に勝手に払い下げた。

 そのあげくの果てに今回の大事件である。

 5000万件事件では、河野太郎衆議院議員が言うように、野党やマスメディアに少なからぬ誤解があるかも知れない。

 しかし、杜撰きわまりない実務と無責任きわまりない管理を見ていると、本当に「泥棒に金庫番をさせ」そして「国が振り込め詐欺をしている」と思わざるを得ない。そこにはチェック、クロスチェックの回路は皆無である。

 にもかかわらず、事件の張本人である社会保険庁の歴代の長官は3億円にのぼる退職金を得ていたと言うのだからあいた口がふさがらない。なにおかいわんやである!

 .......

 仮に故意ではない場合でも過失であることは120%間違いない。となれば、国家賠償訴訟法を根拠に、数100万人いや数1000万人の国民が集団で損害賠償を国に請求することになる。

 政府や自民党はすぐさま年金はすべて保証する、と何ら原資のあてがないまま、また保証の前提を示すことなく、また原因を国民の前に明らかにすることなく、わずか4時間の審議で社会保険金保証法のような新法を強行採決した。しかし、あてのない選挙対策的な保証や補償ではひとたび失われた国の信用など回復できるわけがない。

 ここは現状を追認し、あらゆる利権をむさぼってきた政権与党が頭を冷やし、一端下野すべきと思う。

 それしか、国民の信頼を勝ちうる道はない。 

説明責任を果たさぬ「新党日本」(2)  青山貞一


説明責任を果たさぬ
「新党日本」(2)


青山貞一

 新党日本の荒井広幸幹事長が昨年秋の首班指名で安倍総理に一票入れたこと、さらに福島県知事選では自公が押す候補者を新党日本が推薦したことに対し、田中康夫新党日本代表が何ら荒井幹事長に処分が行えなかったことをその1で書いた。

 その背景には、一方で新党日本が何ら理念、政策など、政党として最も重要なものでできたわけでなく、ことのはじめから選挙互助会としてできたものであることがある。

 当初参加した議員の半分は、国民新党に移り、兄弟政党の国民新党から離縁状を突きつけられた。にもかかわらず、田中代表が新党日本にいるのは、新党日本が政党要件をまがりなりに満たし、また前号で示したように政党交付金があり、それをベースに田中氏自身が国政選挙に打って出たいからに他ならない。

 新党日本が、まったく政党としての体裁をなしていなくても、またいかなる非難、指弾を受けても、ただ黙っているのは、そのようないわば私的な理由があるからだ。

 しかし、少なくとも公党であり、国民の税金から政党交付金(助成金)を受けている以上、田中代表には荒井議員がしてきたことへの説明を国民にする義務がある。それをしないまま、参議院議員選挙に打って出て、「比例区では新党日本へ」などと国民に呼びかけるのは、「詐欺行為」であると言われても仕方ないだろう。

 ......

 田中康夫氏は、日刊ゲンダイのコラム「奇っ怪ニッポン」で、ことあるたびに安倍首相を激しく批判、避難している。

 にもかかわらず新党日本に所属する2人の国会議員のひとりである、荒井広幸参議院議員、新党日本幹事長が安倍総理の親衛隊的な対応をしてきたのには、以下の朝日新聞記事にあるように荒井氏と安倍氏との間に、ただならぬ関係があるからである。

 

『ニッポン人脈記』「安倍政権の空気(10)

荒井広幸(あらいひろゆき)(48)は、福島県議から総選挙に出て落選したとき、安倍の父で政界の実力者だった晋太郎(しんたろう)から「おれも落選した」と励まされた。93年、安倍とともに初当選。2人で食事に行き、「桃園の誓い」を結ぶ。 

 荒井「あなたを総理にしたい。だから努力して下さい」


 安倍「私も努力します」

 以来、「親分」「荒井ちゃん」の仲に。下野した自民党に官僚は手のひらを返すように冷淡になった。大物議員への法案説明も課長クラス。「これは覚えておかなくちゃね」。2人で胸に刻んだ。

 安倍が腰を痛めてひそかに入院した時、荒井だけは何度も見舞いに行った。安部が隣室の少女の死に心を痛めていた様子が忘れられない。

 荒井の父は電報配達、母は電話交換手をしていた。母は泊まりの番があり、「ぼくはカギっ子のはしり」。小泉の郵政改革には早くから反対を唱えた。「郵便局は官ではなく公。公だから、国民負担を抑えながら必要なサービスを提供できる」

 荒井にとって、郵便は「草の根」の人々を守る制度である。衆院で落選、参院議員になっていた郵政国会で造反し、自民党を離党した。いま新党日本の幹事長。しかし、昨秋の首相指名では安倍に一票を入れた。

 9日、衛藤の復党が決まった。昨年12月にはいち早く古屋、古川らが復党している。いずれも安倍の強い意向からだ。荒井はいまの安倍をこう見る。

 「小泉は切り捨てた。だが、切り捨ては、われわれ『草の根』の心ではない。われわれは排除ではなく、包容なんです」

 反郵政組の復党は、安倍が「育ての親」小泉の影をふっきろうとする意思の表れかもしれない。

『朝日新聞夕刊』2007316


 荒井氏と安倍氏の個人的関係は分かるとしても、少なくとも公党の一員である荒井議員の対応はきわめて理解できないものであり、それを放置する田中代表がこの問題で押し黙っていることはきわめて不誠実である。

 朝日新聞の記事の最後の部分を読むと、荒井議員は機あらば自民党への復党に期待を寄せ、安倍総理が小泉の影から脱却すれば、荒井議員を自民党に復党させることもいとわないとも見えるのである。

 田中康夫氏にすれば、選挙互助会、新党日本を利用して国会議員となれば、あとは荒井議員が自民党に復党しても構わないのではないかとさえ思える。

つづく

説明責任を果たさぬ「新党日本」(1)    青山貞一


説明責任を果たさぬ
「新党日本」
(1
)

青山貞一


 以下は、田中康夫前長野県知事が参議院議員選挙に新党日本の比例代表からで出馬するという時事通信の記事である。新党日本は6月4日に平河町にある都市センターで記者会見を開くという。

田中前長野知事が参院選出馬へ
=新党日本から比例代表に


 田中康夫前長野県知事(51)は31日、夏の参院選比例代表に、自身が代表を務める新党日本の候補として出馬する意向を固めた。同党関係者が明らかにした。同党のほかの参院選候補の発表と併せ、6月4日に正式表明する考えだ。

 田中氏は3選を目指した昨年8月の長野県知事選で落選したが、その後も同党代表として政治活動を続け、参院選出馬の可能性などを検討していた。同党の国会議員は現在、衆参に1人ずつ。

時事通信 2007/05/31-13:16

 だが、新党日本の代表である田中康夫氏は、公党に寄せられた以下の重大な疑問に、依然として何も答えていない。

(1)首班指名で安倍総理に投票した問題:

 2006年秋の首班指名で数少ない新党日本所属議員である荒井広幸参議院議員が、こともあろうか安倍晋三総理に投票したこと。

(2)福島県知事選挙で新党日本が自民・公明推薦候補に相乗りした問題:

 佐藤栄佐久前福島県知事が官製談合問題で東京地検に起訴された後の県知事選挙で、こともあろうか、自民・公明が推薦する候補者を推薦したこと。

 いやしくも政党助成金を受け取っている公党の代表であるなら、上記について、国民、納税者、有権者に対してまともに答える責任がある。しかし、田中康夫氏は、何ら説明責任を果たしていない。

 田中代表は、本来、荒井広幸参議院議員を除名措置とすべきである。しかし、田中代表は除名どころか懲戒、けん責など何一つおとがめすらないありさまである。

 これについては、昨年9月28日、国民新党が以下の記事にあるように、新党日本との統一会派を解消する措置をとっている。当然であろう。

<国民新党>「新党日本」との統一会派を解消
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060928-00000129-mai-pol

 国民新党の亀井久興幹事長は28日、国会内で記者団に、衆参両院での新党日本との統一会派を解消する考えを明らかにした。新党日本の荒井広幸幹事長が26日の首相指名選挙で自民党の安倍晋三総裁に投票したため、「(野党としての)国民新党の立場を根底から崩すことにつながる」と判断した。週明けにも両院に届け出る。
 

 福島県知事選挙問題で私は次の論考を公表した。

◆青山貞一:節操なく支離滅裂な「新党日本」福島県知事選

 私は長野県知事としての田中氏を政策面で支援してきたが、こと新党日本の設立、運営に関しては、荒井議員問題が起こる前から一貫して反対、批判してきた。

※青山は田中康夫氏が長野県知事時代、特別職、非常勤で環境保全研究所長、その後、政策アドバイザーなどを歴任、現在でも環境審議会、公共事業監視評価委員会委員を歴任している。

 荒井広幸参議院議員問題について、私は田中代表に直接電話し事情を聞いた。だが、田中氏からは残念ながら何一つまともな説明はなかった。

 あったのは田中氏自身が参議院選挙で出馬するに際し、新党日本が必要であること、なぜ荒井議員問題がありながらも新党日本のだ票となっているかについての言い訳であった。

 結局、田中氏ご自身は、国会議員になるためなら、利用できるものは何でも利用する。国会議員になるためには、当時(そして現在でも)政党としての要件を満たしている新党日本を徹底的に利用するということらしい。事実、新党日本にはいわゆる政党交付金がでている。

 これには、はっきり言って私はがっかりした。

 最近になって民主党の鳩山由紀夫幹事長から田中康夫氏に参議院選挙で比例代表から立候補しないかという打診があった。田中氏は態度を明確にしなかったという。それもそのはずである。

<参院選>
田中康夫氏に比例出馬を打診…鳩山民主党幹事長


 民主党の鳩山由紀夫幹事長は22日夜、新党日本の田中康夫代表と会談し、夏の参院選比例代表への民主党からの立候補を打診した。インターネットテレビの番組で明らかにした。田中氏は態度を明確にしなかったという。田中氏は06年8月、3選を目指した長野県知事選で落選。国政への転身が取りざたされている。
毎日新聞 2007年5月23日

 私は新党日本から参議院議員選挙に出馬することに異議を申し立てるつもりはないが、少なくとも冒頭の(1)、(2)の疑義に党首として正面から答えるべきである。もし説明できないなら公党の代表としての資格はないだろう。

 もし、説明できない理由が、自分の知名度を生かすための比例代表(全国)からの出馬で、その前提として、新党日本が政党要件を満たしており、22億を超す政党交付金(=税金)があるからだとすれば、なにおかいわんやである。政党交付金の支給額については以下を参照のこと。

2005年の政党交付金支給額

自民党 157億7951万4000円
民主党 117億6529万8000円
公明党 29億4374万1000円
社民党 10億2242万2000円
自由連合 1億1950万5000円
国民新党 6094万7000円
新党日本 4003万円

2006年の政党交付金支給額(06年1月18日確定)

自民党 168億4,600万円(+14億2,700万円)
民主党 104億7,800万円(−17億1,400万円)
公明党 28億5,800万円(−1億1,300万円)
社民党 10億600万円(−2,200万円)
国民新党 2億6,600万円
新党日本 1億6,000万円

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


政党交付金(せいとうこうふきん)

が税金から政党へ資金を出す制度。または日本だけの制度で「政党助成金(せいとうじょせいきん)」とも呼ばれるが、日本の法律上は「政党交付金」という呼称が正しい。なお、政党が政党要件を満たさなくてなっても政治団体として存続する場合には、政党であった期間に応じて特定交付金が交付される。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 もし、田中康夫氏が自分が国会議員になりたい一心で、新党日本なる公党をその踏み台として利用するために、こともあろうか自民党総裁に荒井広幸参議院議員が首班指名した問題を不問に付すとしたなら、国民新党からの絶縁状以前に、市民派をきどる政治家として何おかいわんやとなるだろう。

 最低限、荒井広幸議員問題について説明責任を果たし、処分を行うことが不可欠である。またこのことを知らない有権者が新党日本に投票しても、今後、参議院で重要事項の採決が行われるとき、荒井議員が安部政権下の内閣法や議員提案法案に賛成する可能性すらある。

 次号では、なぜ、比例代表から出馬するか、その理由、背景について報告したい。

つづく
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