青山貞一ブログ

独立系メディア「今日のコラム」に連動するブログ

2007年08月

欽ちゃん70キロマラソンの非常識!?  青山貞一


日本のメディアの
本質を現場から考える

欽ちゃん70kmマラソンの非常識

青山貞一
 

 日本テレビをキー局として8月18日〜19日、恒例の「24時間テレビ『愛は地球を救う』」に萩本欽一さんが70キロマラソンに挑戦する。

 その欽ちゃんといえば、ヘビースモーカーで有名、折からの歴史的猛暑とともに、医学的に見て健康への影響が心配される。

 案の定というべきか、禁煙の普及を進める医師らでつくる「日本禁煙学会」(作田学理事長)が「医学的に見て極めて非常識」とする見解を日本テレビを含む報道各社に送った。

欽ちゃん70キロマラソン「医学的に非常識」 禁煙学会
朝日新聞 2007年08月17日

 禁煙の普及を進める医師らでつくる「日本禁煙学会」(作田学理事長)は、日本テレビ系で18〜19日に放映される「24時間テレビ『愛は地球を救う』」で愛煙家のタレント萩本欽一さんが70キロのマラソンに挑むことについて、「医学的に見て極めて非常識」とする見解を日本テレビを含む報道各社に送った。

 66歳という年齢に加えて萩本さんがヘビースモーカーであること、連日の記録的な猛暑を見解の理由としている。「感動と生きる勇気を与えたいという気持ちは理解できる」としたうえで、「自らが禁煙して全国民に禁煙のメッセージを送ることで欽ちゃんの気持ちはじゅうぶんに生かすことができる」とし、萩本さんに禁煙も勧めている。


 俳優やキャスターにヘビースモーカーは多い。ニュース23のキャスター、筑紫哲也氏は現在、体調を崩しキャスターを降りているが、その筑紫さんは一日に3箱、タバコを吸うことで知られている。

....

 いうまでもなく喫煙は肺がんの危険因子であることはよく知られているが、喫煙は循環器の疾病についての因子でもある。

 まず、タバコの紫煙には、.縫灰船鵝↓一酸化炭素、タール、ぢ心痛Ч畭加魂戎總如複丕腺函砲覆彪鮃に有害な物質が含まれている。

 ニコチンは交感神経系を刺激し、心拍数の増加や末梢血管の収縮、血圧上昇などをまねく。ニコチンは中枢神経系に作用することで依存性をつくる。

 次に、一酸化炭素は血液中の赤血球と結びつことで、体内への酸素の取り込みを低下させる。

 さらにタールや多環芳香族炭化水素(PAH)には多くの発がん性物質が含まれている。

 上記に加え、近年重視されてきたのが、体内のフリーラジカルを増やすことである。このフリーラジカルは動脈硬化の促進など循環器病に大きな影響をもたらすことが判明してきた。

 フリーラジカルとして有名なのは「活性酸素」である。人間は酸素を取り込み体内で燃焼させ、最終的に酸素は水に還元される。その際に少量の「活性酸素」が発生する。

 体内には「活性酸素」を抑える抗酸化酵素などがあり、増えないよう調節している。だが、過剰に体内に「活性酸素」が発生すると動脈硬化などさまざまな循環器系病魔の原因となる。動脈硬化は狭心症、心筋梗塞などの原因となる。

 萩本欽一さんは、筑紫さんに負けず劣らぬ喫煙家、ヘビースモーカーである。年齢も66歳と若くない。70キロマラソンの最中にタバコを吸うことはないだろうが、マラソン以前に吸ったタバコの紫煙に含まれる一酸化炭素は血液中の赤血球と結びつことで、体内への酸素の取り込みを低下させる可能性は高い。

 また喫煙によって先に概要を説明した「活性酸素」が増えていれば、狭心症、心筋梗塞など循環器系の疾病にかかりやすくなる。

 折からの35度を超す猛暑と重なれば、当人にとってマラソンはまさに「死の行軍」となりかねない。

 テレビを見ると、マラソンとはいえ、ほとんど歩いている状態が続いているようなので、一安心だが、問題は「24時間テレビ『愛は地球を救う』」と題うったテレビ番組に、萩本欽一さんを起用したことだ。

 とかくテレビ局は、視聴率をとることを重視し、出演者の健康や安全への配慮を軽視することが多い。 番組では、随所で温暖化など環境問題に触れているが、最も身近な環境保全は禁煙である。

 健康増進法の第25条に明記されたように、吸っていいるひとより吸わないひとへの間接喫煙、受動喫煙の影響が大きい。

 朝日新聞の記事にあるように、「感動と生きる勇気を与えたいという気持ちは理解できる」できるとしても、ぜひとも、ご当人のご健康のためにも、これを機会に喫煙を辞めて欲しい。

 そもそも日本テレビに常識があるのなら、欽ちゃんにこれを機会に喫煙を辞めてもらうことを一大テーマとすべきだった。もちろん、その場合でも、欽ちゃんの体への過酷な影響、危険は軽減するものではないが。

 

与野党逆転ではじまる民主政治の夜明け 〇憶“法案  青山貞一


与野党逆転ではじまる
民主政治の夜明け

〜参院発法案〜

青山貞一
 

 
 自民党は参議院議員選挙の最中、「民主党が参議院で過半の議席を取れば、日本の政治は大混乱する」といっていた。 私は、確かに混乱がないとはいえないが、参議院での与野党逆転は、日本社会に民主主義がはじまる好機であると思っている。

 そもそも、「政」「官」「業」「学」「報」の利権・癒着のペンタゴンがここまできわまったのは、いうまでもない、自民党の実質一党独裁が60年近く継続したためである。自民党は国会が混乱するというが、では安倍政権が通常国会で17に及ぶ法案を強行採決したことは混乱ではないのか? 強行採決が常態化するような政治が安定した政治といえるのであろうか?



 民主主義政治はいうまでもなく、与野党が伯仲し、ケンケンがくがく議論し、加筆修正しながら法案をつくってゆくことを意味するだろう。いわゆるチェック・アンド・バランスが機能する政治こそ、民主主義の基本である。それは議院内閣制にあってもかわらない。

 私たちは、参議院がなぜ存在するかを考える必要がある。戦後、米国のGHQは、当初、日本の国会は一議院制にしようとしたが、日本側が衆議院の暴走を食い止め、民主主義の本質であるチェック・アンド・バランス機能を働かすために二院制を提案し、受け入れられた経緯があるからだ。

 参議院での与野党逆転は、結果として相手を意識するようになり、まともな議論をせざるをえなくなる。対案も生かされやすくなる。これこそ形骸化して久しい日本の国会政治に民主主義の息吹を吹き込む端緒となるだろう。

 それがきっかけとなって、本格的に政権交代、すなわち自民党政権が衆議院を解散せざるをえなくなり、衆議院でも現在の野党系が多数を占めることもありうる。

.......

 より具体的に参議院における与野党逆転の効果を論じてみよう。

 周知のように日本では議院内閣制であることにも一因があるが、圧倒的多くの法案は政府提案、いわゆる内閣法案(閣法)である。とくに行政法は100%近く内閣法であるといってよい。

 日本では霞ヶ関の省庁など官僚が社会を支配していると言われるが、その根源は、霞ヶ関の官僚があらゆる法案の原案をつくっているからである。自分たちに不利になる法律などつくるわけがないからだ。

 実際、国相手の行政訴訟の勝訴率はきわめて低い。ほとんどゼロに近い。行政訴訟で最も勝訴率の高いとされる地方自治法の一部にある住民訴訟の第四号訴訟ですら、和解を含め6%〜7%である。

 ただ、この住民訴訟は自治体レベルでの公金の不正、不当使用を止めさせるための法律であり、霞ヶ関やその出先の官僚システムには適用されない。

 次に、多くに日本人は法案は最初に衆議院で発議されると思っている。これはトンデモナイ誤解である。立法は、参議院発でも一向に構わないのである。要約的に言えば、参院は首班指名、予算、条約以外は衆院と同党なのである。

 事実、私と池田こみちさんがかかわったダイオキシン対策特別措置法(1999年制定)は、参議院発の議員立法であった。

 しかも、この立法は野党系政党が提案したものであった。

 この法律は、〇乙脹“、議員立法、L酖涎呂発議した、す埓法であるという4つの観点で日本の国会史上まれにみる法律であるとさえいえる。

 この議員立法のために私と池田こみちさんは、数10回も議員会館や国会に足を運んだ。


参議院予算委員会でダイオキシン対策特別措置法
について政策提言する青山貞一(1999年3月9日、参議院)


 そこで、野党が参議院で過半を占めた今、〇乙脹“、議員立法、L酖涎呂発議した、す埓法といった、日本で最も困難とされた立法も決して夢ではなくなる。

 今まで、立法で実質泣き寝入りしてきた野党は、ここぞと参議院発の議員立法を連射すればよいのであろる。これこそ日本の政治における民主主義のはじまりである。まさに何でも反対ではない、しかも立法の可能性がぐーんと増す野党の誕生といえる。

 そうなれば、官僚がつくった法律ではない、国民の側に立った立法が大いに可能となる。行政法を議員立法でつくれば、行政訴訟も国民側の勝訴率が高まるだろうし、より国民にとってわかりやすい法律となるだろう。世界で日本の行政法ほどわかりにくい法律はないからだ。

 とはいえ、おそらく政治の混乱はある。だがその混乱は民主主義の対価である。その意味で、今回の参議院選挙における与野党逆転が、日本社会に民主主義を根付かせる端緒を切り開くことを期待したい。

つづく

野生生物と少年の愛情を珠玉の現地映像でつづるDUMA  青山貞一

 

野生生物と少年の愛情を
珠玉の現地映像でつづる


評者: 青山貞一


 2006年3月、ウィーン経由でスロバキア、ミラノに行く際、少々奮発してオーストリア航空に乗った。

 オーストリア航空のA300系の最新航空機には、エコノミーにも一席当たり一台の鮮明に写る液晶ディスプレーがついている。これで長旅のなか、音楽、映画、ゲームが結構楽しめる。

 映画の中に、タイトルだけでは全く何の映画かわからないビデオがあった。



 DUMAだ。 ビデオを見てすぐに分かった。

 このワーナーブラザースの映画は、南アフリカを舞台に、アフリカ南部と一部アジア地域に生息する希少な野生生物、チーター(Cheetah)と少年の愛情をテーマにしたものだった。

 DUMAは、スワヒリ語でチーター(Cheetah)を意味する。


 



分類
界: 動物界 Animalia
門: 脊索動物門 Chordata
亜門: 脊椎動物亜門 Vertebrata
綱: 哺乳綱 Mammalia
目: ネコ目 Carnivora
科: ネコ科 Felidae
亜科: チーター亜科 Acinonychinae
属: チーター属 Acinonyx
: チーター jubatus




写真はいずれもDUMAより


     現在の生息地

分類とともに出典は: フリー百科事典
『ウィキペディア(Wikipedia)』



時速100km以上で疾走するチーター
 
 その
チーターだが、チーターは猫科のほ乳類。2秒で60km/hに到達し、100km/hを超えるスピードをもつ最速のほ乳類だ。

 ただ、超高速を出せるが、持続力はない。そのため、狩猟では一瞬がポイントとなる。

 親の体長はせいぜい1m、しっぽが80cm、他の猫科の大型野生生物と比べるとかなり小型だ。

 しかも、チーターは、ライオンのように群れて生活しない。

 せいぜい親子、夫婦で草原で生活する。群れないからライオンのように複数で獲物を捕るようなこともしない。

 チーターは、いわば孤高の猫科の野生生物にあっても希有な存在といえる。

 そんなチーターだが、違った側面もある。

 ライオン、ヒョウ、ジャガー、トラなど、大型の猫科動物は猛獣と思われているものが多い。

 だが、チーターは人間にすごく懐きやすいそうだ。

 そのチーターがもつ特性からこの映画ができあがっていると言ってもよいだろう。

 見た目は他の猫科のようにどう猛に見えるが、その実、人なつこい愛くるしい面を持っているのだ。
 
 そのチーターも、生まれた直後は写真(最上段)にあるように、本当にあどけなく愛くるしい。

 ところで、映画のDUMAだが、父親と母親と坊やの3人が南アフリカの農場で暮らしていたが、ある時路上で、母親からはぐれたチータの赤ちゃんに出会う。坊やが拾い上げたところから映画のドラマは始まる。

 帰国後、一旦映画のタイトルを忘れてしまったが、最近になってDUMAであることを思い出し、DVDを注文た。昨日、やっと自宅で試写会を行った。

 アフリカの自然、野生生物のなかで少年があかちゃんチータに出ってから別れまで、途中、少年がアフリカの草原に旅に出る。少年は過酷な自然のなかで、生死をさまよいながら、生きることの厳しさと親の愛に目覚める。

 ロサンゼルスタイムズ誌は昨年度(2005年度)のベスト映画と賞している。

 猫好き、猫科ほ乳類オタク、野生生物好き、さらに人間と野生生物の共生に関心があるひと、必見の映画だ。

 ちなみに私は自宅に5.1チャンネルの音響システムを構築している。音響システムとDVD映像を組み合わせ、劇場以上の迫力と高音質の音響でDUMAが楽しめた。

 チーターの見かけの最大の特徴は、目からほほにかけての黒い流れだ。アフリカでは大昔から、この黒い川は、子供をなくした母親チータが泣き続けた結果できたと言い伝えられているという!

DUMAオフィシャルHP
http://dumamovie.warnerbros.com/

環境行政改革フォーラム研究発表会のお知らせ!  青山貞一・池田こみち


環境行政改革フォーラム

研究発表会のお知らせ


2007年8月2日


 「仕方がないの論理を超える市民の環境戦略」を開催テーマに環境行政改革フォーラムの研究発表会を、この2007年8月25日、武藏工業大学環境情報学部で開催します。

 会員以外の参加も大歓迎です。ご参加ください。

  環境行政改革フォーラム(E-forum)とは
  
http://www.eforum.jp/aboutforum.html

  過去の研究発表会概要(愛知大、慶大湘南藤澤、早大理工など)
  
http://www.eforum.jp/soukai/soukai-menuf.htm

1.日時:2007年8月25日(土)午後のみ
      終了後、希望者による懇親会あり。

2.場所:武蔵工業大学環境情報学部(横浜キャンパス)
     受付、3号棟入り口(詳細は参加者に別途連絡いたします)
     〒224-0015 横浜市都筑区牛久保西3-3-1

  道順:キャンパスは、東京の場合、渋谷から田園都市線の急行
     プラス横浜市営地下鉄で一駅の中川となります。
     おおよそ30分です。詳しくは以下をご覧ください。
  
http://www.yc.musashi-tech.ac.jp/~aoyama/aoyama-lab/road-map1.html

     神奈川県、静岡県、愛知県、関西など日からの場合は、新横浜から
     市営地下鉄で中川駅プラス徒歩で25分ほどです。

     羽田空港からは、バスでたまプラーザ行きに乗られ、その後、田園
     都市線で一駅のあざみ野駅、さらに市営地下鉄で一駅の中川駅
     となります。

3.大会実行事務局:武蔵工業大学 青山研究室:
      045-910-2590 FAX045-910-2591
      
http://www.yc.musashi-tech.ac.jp/~aoyama/

4.参加費:会員は無料、非会員は1000円(当日受付で徴収いたします)
      いずれも100頁前後の予稿集が提供されます。

5.環境行政改革フォーラム事務局
      〒142-0064 東京都品川区旗の台6-1-4-201
      TEL 03-5751-7465, 03-5942-6832、FAX 03-5751-7464
      参加申し込み先:池田こみち、鷹取敦
      
ikeda@eritokyo   takatori@eritokyo.jp
      懇親会参加希望者はその旨お伝えください!
 

<環境行政改革フォーラム 研究発表会プログラム(案)>

 開催テーマ:仕方がないの論理を超える市民の環境戦略


12:30-       受付開始

13:00-14:00 オープニングアドレス

        環境行政の一大総括と政策提言
    複数の問題提起者によるひとり10分以内のリレー
  
14:15-  一般発表:発表概要は下段に示します。

       A会場   B会場
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
14:15-14:40         ´
14:40-15:05   ◆     ´
15:05-15:30         
15:30-15:55   ぁ     ´

15:55-16:10 Coffee Break

16:10-16:35   ァ     ´
16:35-17:00   Α     ´
17:00-17:25   А     ´
17:25-17:50   ─     ´

 18:00-19:00  AB合同討議と共同声明の採択
   
 19:15-20:30  懇親会(予定)

Eフォーラム総会一般発表予定状況(07/07/31現在) 順不同
 
会場A:環境・財政破壊型公共事業と市民の戦略
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(1)沿岸の地域社会を破壊しながら、干拓事業は進む
大島弘三(諫早干潟緊急救済本部)

 諫早湾干拓事業は2007年度完成、2008年度農家の入植という当局のシナリオで進んでいる。この間、有明海は海況の回復はならず、沿岸漁業は落ち込む一方、後継者は県外へ職を探して転出。さらに関連業界への波紋は地域社会の崩壊を示唆している。相次ぐ裁判でも、漁民の声にあえて耳をそむけ、干拓事業を推進する判決がなされ、住民の監査請求を無視してまでも強行突破する。10年目の時のアセスにあたり、当局選任の評価委員が「早期完成を期待する。」という茶番劇を演じた。私達は事業の費用対効果を検証し、代替案を提起して皆さんの批判に応える。

(2)仮題「六条潟が築いたムシ御殿」
山本茂雄(アジアの浅瀬と干潟を守る会)

 開発者側が一変「再生」を口にしだした。自然再生推進法の成立と相まって昔の姿が甦るのか・・・。70年代から干潟を守る活動をされてきた方々からは、「昨今の干潟再生と証する造成工事は“アサリ至上主義だ”」と、お叱りを受けたりもします。実際にアサリが増えた土木工事はないのですが・・・。そこで、わが町豊橋に、「ムシ御殿」なるものが立ち並ぶ集落があることに気付き、埋め立てられる前から現在までを知る古老たちに聞き取り調査をし、かつての栄華と干潟での暮らしを記録として残し、再生に活かしてもらいたいと願っています。

(3)豊洲問題の土壌汚染問題について「築地市場の移転先、豊洲新市場予定地
   の土壌汚染問題とは」
鷹取 敦(環境総合研究所)

(4)審議会行政の終わらない闇
 政野敦子(フリーライター)

 「隠れみの」「縦割り行政の助長」と批判を受け続けた審議会行政への批判が昨今、下火になっている。「議会等の透明化、見直し等について(平成7年9月 29日閣議決定)」「審議会等の整理合理化に関する基本的計画(平成11年4月 27日閣議決定))と、建前上の改革が行われた末の"批判疲れ"か。しかし、中身がほんとうに改革されたわけではない。社会資本整備審議会の河川分科会を例に、その実態を検証する。

(5) 政治資金の透明化は国家財政を救う
 政野敦子(フリーライター)

 "疑惑"が"疑惑"のまま終わる政治資金問題。領収書を出せ出さないで浪費される時間と資源。透明化の確保には複雑なルールは要らない。政治資金規正法の目的である「政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われる」には、金の出と入を1円から記録させ、領収書の添付を必須にすればいいだけの話である。今のままでは複雑かつ抜け穴が大きすぎて国民の不断の監視など不可能だからだ。

(6)地球温暖化対策とピークオイル問題との相互連関(インターリンケージ)
小倉正(松山ピークオイル問題を考える会)

 ここ2年ほど欧米で盛んなピークオイル論(石油の究極埋蔵量の半分を消費する時期=石油時代前期の終りには、石油生産が需要を賄えなくなり、価格高騰と供給不安を招く問題)について、早期ピーク論と反論の概要を紹介するとともに、地球温暖化対策との相互の関わりとその意味を考察する。
参考:ブログ『ん! -ピークオイル時代を語ろう-』http://ピークオイル.jp

(7)魚への水銀蓄積は餌由来である―「水俣病の科学」批判
鈴木 譲 東京大学大学院農学生命科学研究科附属水産実験所

 魚類への水銀蓄積が問題となっているが,そもそもどのような経路で蓄積されるのだろうか.「水俣病の科学」(2001)が,メチル水銀は鰓を通じて海水から直接取り込まれた,と結論したことで研究者の間に混乱が生じた.しかし,同書の論理は魚類の生理を無視した机上の空論である.鰓からの吸収は無視できるほど小さく,逆に消化管からは極めて効率よく取り込まれる.魚体中の水銀は餌に由来するのである.

(8)バングラデッシュ飲料水ヒ素汚染の現状
沢野伸浩(星稜女子短期大学)

 1990年代初頭よりバングラデッシュの飲料水ヒ素汚染問題が顕在化している。同国の人口は日本を既に上回り、その97%が井戸水に依存している。ヒ素汚染のリスクを抱える人口は5000万人を上回るとされ、既に慢性ヒ素中毒患者は少なくとも400万人と言われている。バングラデッシュ計画省がイギリスの援助により行った約2万件のヒ素汚染データを主な河川からの距離、地質による分類、植生等により分類を行い、統計学的な比較を行った。


会場B:有害物質リスク管理と市民の戦略 
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(1)セベソ大事故から30年:イタリア、EUはセベソから何を学んだか
  〜現地調査を踏まえて〜
青山貞一(武蔵工業大学環境情報学部)、池田こみち(環境総合研究所)
 ※変更の可能性あり未確定

 今からちょうど30年前、イタリアのミラノ市北部のセベソ地域の北端にあったイクメサという化学工場が大爆発し、風下地域一帯に高濃度のダイオキシン類が飛散し、家畜、農作物を含め多くの影響、被害がでた。またミラノ大学医学部等の調査により風下地域でその後生まれた子供のかなりの割合が女性であるなど、いわゆる環境ホルモンが有する毒性の影響が懸念されて生きた。イタリア政府及びセベソを含むロンバルディア州はロンバルディア環境財団をつくり、セベソ事件のいわば「後遺症」を実証的に検証そして土壌、水などに含まれるするダイオキシン類濃度を継続的にモニタリングし、逐次公表している。さらに高濃度地域一帯を緑地公園とし、市民等の立ち入りを規制してきた。 本調査研究では、事故から30年目に当たる2006年3月、ミラノ市中心市街地にあるロンバルディア財団を青山、池田が訪問し、研究者、教授等と意見交流すると共に、現地を視察した概要を報告するとともに、イタリア政府、EUがセベソの大事故から何を教訓として得たか、具体的に規制、指針、指令等にどう反映してきたか、さらに初等中等教育の現場にどうそれらを生かしてきたかを報告する。

(2)松葉を指標としたダイオキシン調査監視活動
 〜関西地域の最新状況報告〜
池田こみち(環境総合研究所)、鷹取敦(環境総合研究所)、
斉藤真実(環境総合研究所)

 松葉の針葉を生物指標として年平均など長期平均レベルの環境大気中のダイオキシン類を高精度で測定、監視する活動をつづけて8年目に入った。この間、松葉ダイオキシン調査研究は、。韓国(慶州)、米国(ボストン)、ドイツ(ベルリン)、カナダ(トロント)で開催された国際ダイオキシン会議で定期的に英論文として研究発表し、国際的な関心と評価を得てきた。今回は大阪など関西地域における測定、監視の最新状況を報告すると共に、高濃度地域における原因、課題について報告する。

(3)ゼロウェイスト宣言都市の特徴に関する研究
〜日本の一般都市と宣言都市の政策比較・評価〜
青山貞一(武蔵工業大学環境情報学部)、池田こみち(環境総合研究所)
鷹取敦(環境総合研究所)、斉藤真実(環境総合研究所)

 セントローレンス大学のポールコネット教授らが提唱し、現在、カナダ、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、イタリア、スイス、ドイツ、ベルギーそして日本の一部の都市で実施されている「ゼロウェイスト」政策について、政策、施策面からみた特徴を日本の廃棄物政策との関連で比較、評価するとともに、同じゼロウェイスト宣言都市であるカナダのノバスコシア州ハリファックス市と徳島県上勝町の政策、施策の比較、評価を行うことにより、同じ理念、目的を達成する上で多様なアプローチが可能なことを検証する。

(4)建物解体・改修をめぐるアスベスト問題と、訴訟事例について
牛島聡美(弁護士)

 1999年、文京区立保育園で、園児在園中に改修工事を行ったことで、大量のアスベストに園児らが被曝させられました。事前の保護者の警告が功を奏しなかった理由と、その後の区の対応(検討委員会、専門委員会の立ち上げ等)、交渉を巡る問題、訴訟の過程、特に、将来万が一肺ガンなどが発症した場合の、因果関係の立証責任を巡る問題の取り決めについてご報告します。(さらに、その後のスーパー解体による近隣住民へのアスベストを含む粉じん飛散についての紛争についても付加します。)

(5)4つの事業主−アスベスト被害救済基金の事業主負担はどのように決め
られたか
大内加寿子(アスベストについて考える会)
 
 2006年8月末、アスベスト被害救済基金の事業主負担をめぐる検討結果が発表された。特別な負担を求めるアスベスト企業はわずか4事業主、企業名も秘密という内容だった。はじめに結論ありき・・・検討会を開く前の時点で、すでに結論は出されて
いた。
 財界と行政との合意さえあれば、天下り官僚と御用学者を集めて結論ができる。本音がどこにあるのか正体不明の民主党、存在価値をなくした公明党、どこを見ているのか力不足の社民党。12月末、発表どおりの結末に。パブリックコメントは説明責任を果たすための制度だと、環境省の担当者が豪語する中、提出した19の意見を中心に報告する。

(6)東京23区の廃プラ焼却問題ーサーマルリサイクルを検証するー
青木泰(NPO法人ごみ問題5市連絡会)(200字概要は別途)

 
東京23区ではまったく時代錯誤の廃プラ焼却計画が、進められようとしている。環境省の基本方針でさえ、“排出抑制をし、容器包装リサイクル法などによるリサイクルをした上で、なおかつ残る廃プラについて”と条件付けしている焼却について、首都東京で来年度から始めようというのだ。サーマルで年間5億円の売電収入をといいながら、可燃ごみが30万トン増えることによる100億円もの焼却費と5000億円もの建設費。環境負荷の面だけでなく、政官業の癒着の計画実態に切り込む。
 (地方自治職員研修 2006.9掲載、pp.48〜50)

(7)生ごみの堆肥化について食品リサイクル法の登録再生事業者を使った乾
燥処理システムによる100%資源化の提案
青木泰(NPO法人ごみ問題5市連絡会)(200字概要は別途)

 ゼロエミッションに向けて、廃プラスチックの処理と並びもう一つの大きな課題である生ごみの堆肥化等による資源化。提案者自身実験農場作りを行い、十年以上前から取り組んできた。ところが最近は、生ごみ堆肥化による100%の資源化というと市民活動をしている仲間でさえ、あきらめ顔を見せる人がいる。全国でのこれまでの取り組みを踏まえ、都市部でも実行可能な生ごみの堆肥化の提案を行う。
 (月刊廃棄物 2006年10月号掲載原稿、pp.54〜57)

(8)カネミ油症事件は終っていない!
カネミ油症被害者支援センター 報告予定者:共同代表佐藤禮子他

 39年前、北九州中心に起きたカネミ油症事件は、ダイオキシン、PCBに汚染された米ぬか油による食中毒であった。今回は長年、莫大な公的資金が様々な形で投入される中、何ら法的救済措置のないまま、世間から忘れ去られ、心身共に苦境にある次世代を含む一万五千人以上と推定されるカネミ油症被害者の実態を報告する。
 
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