青山貞一ブログ

独立系メディア「今日のコラム」に連動するブログ

2009年02月

村井長野県知事の側近中の側近、首つり自殺  青山貞一


村井長野県知事の
側近中の側近、首つり自殺
 

青山貞一 Teiichi Aoyama 26 Feb. 2009

独立系メディア「今日のコラム」


 田中康夫県政時代に3年ほど特別職、地方公務員で勤務した長野県だが、その長野県の村井県政で、どうみても「トンデモなこと」が起きているようだ。

 田中氏の後に長野県知事に就任した村井仁現知事の片腕中の片腕として県の任期付き任用で長野県に参事として就任している右近謙一氏(59)が、24日夕方、長野県庁近くの路上の電柱にロープで首をつって自殺していたことがわかった。

 ※長野県組織(右近氏は総務部参事)

 現場は長野商業高校野球部グラウンドの脇。右近氏はスーツ姿で、現場に遺書などはなかった。長野市消防局の話だと、電柱には地面から約3メートルの高さにロープがかけられていた。

 自殺の原因は今のところ定かではないが、右近氏が「西松建設」の巨額な裏金事件に関連し、2月24日の直前まで東京地検特捜部の事情聴取を受けていたことが分かっている。

 準大手ゼネコン「西松建設」(東京)の裏金問題に関しては、東京地検特捜部が1月19日、同社元社長の国沢幹雄容疑者(70)が海外から裏金7千万円を不正に日本に持ち込んだことに関与していた疑いが強まったとして、外国為替及び外国貿易法(外為法)違反の容疑で逮捕している。

 同社トップの逮捕により、特捜部は、国内外で作られた20億円超の裏金の使途など全容解明を目指している。東京知見特捜部は1月14日、香港の銀行口座などに集めていた西松建設の裏金の中から2006年2月〜07年8月に計7千万円を、税関手続きを経ないまま5回に分けて不正に日本に持ち込んだとして、同社の海外担当だった元副社長の藤巻恵次容疑者(68)らを外為法違反容疑で逮捕した。

....

 ところで、長野県在住で田中康夫前知事を徹底批判し続けた奥秋昌夫の追撃コラムによれば、県幹部からの聞き取りで、東京地検の事情聴取は2月21日、22日、23日の3日間に及んだことがわかったという。

 右近氏の自殺は24日である。となれば3日間に及ぶ事情聴取と何らかの関係があったことは想像に難くない。一体、どんなやり取りがあったのか?

 これは準大手ゼネコン西松建設(東京)の不透明な資金の流れをめぐる疑惑捜査の一環とみられる。東京地検は「一貫して参考人としての事情聴取で、適正に行われた」とする一方、聴取の時期や内容などの詳細は説明せず、自殺との因果関係についても「コメントする立場にない。心よりご冥福をお祈りする」としている。

  東京地検は上述のようにすでに西松建設の元社長らを逮捕しているが、そこでは広瀬勝貞大分県知事が100万円、石川嘉延静岡県知事が100万円(巻末に記事あり)とともに、村井仁長野県知事が20万円のパーティー券を購入してもらったことがすでに報じられている。ただ20万円のパーティー券を購入問題だけで自殺するとは思えない。

 信濃毎日新聞などによれば、右近氏は広島県出身。1972年に防衛大を卒業後、航空自衛官となり、1986年6月に退官。村井知事が衆院選で初当選した同年7月から秘書を務めた。自民党を離党、その後復党する際も行動をともにするなど、20年余にわたり政治活動を支え、知事の「側近中の側近」(県幹部)とされる。

 2006年8月の知事選で当選した村井知事が、同年12月1日付で県の危機管理担当参事(任期付き部長級)に起用。同年12月に4年4カ月の任期で危機管理担当の参事(部長級)を務めていた。同氏の県職員への採用をめぐっては、知事が就任後、衆院議員時代の秘書らを相次いで採用したことから、県会の一部に「人事権の乱用だ」などとして撤回を求める動きがあった、という。

 一方、村井知事は取材に応じ、「(自殺の動機は)分からない。(参考人聴取は)心当たりがなく、全く知らなかった。知事の職務を行う上で右近氏のサポートが欲しいと思い、(参事登用の)人事を行った。(不正は)あり得ないと思う」と説明。西松建設については「わたしの立場で申し上げることはない。検察も方針があって調べていると思う」と語っている。

 先の奥秋昌夫の追撃コラムによれば、「村井知事は右近氏の自殺ですっかり弱気になり、辞職まで口走っているという情報もある。このまま辞めることはないだろうが、一部の人たちがなんとなく期待していた「もう一期」やる可能性は限りなくゼロになったのではないか」と述べている。

 今後、金銭授受を巡る一大政治家スキャンダルに進展する可能性もある。

長野知事元秘書自殺、
西松建設事件で参考人聴取数回

 村井仁・長野県知事の元秘書で、24日に死亡した右近謙一・同県参事(59)が、東京地検特捜部の事情聴取を受けていたことが分かった。関係者によると、準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)を巡る捜査で参考人として複数回、事情を聴かれていたとみられる。地検は「聴取の方法は適正だった」と説明している。

 右近参事は、村井知事が衆院議員時代に公設秘書を務め、06年12月から主に危機管理を担当する部長級参事に採用されていた。24日夕、長野市内で電柱にロープをかけて首をつっているのが見つかり、死亡が確認された。県警は自殺を図ったとみている。

 村井知事は衆院議員だった05年、政治資金パーティー「村井仁シンポジウム」を東京都内で開いた際に、西松建設OBが設立した政治団体「新政治問題研究会」から20万円の献金を受けている。【安高晋】

 東京地検の谷川恒太次席検事の話 当庁が参考人として事情聴取していた右近氏が死亡されたとの報告を受けました。心よりご冥福をお祈りします。

毎日新聞 2009年2月25日

みんなのメディア作戦会議 第2弾参加記  青山貞一


みんなのメディア作戦会議
第2弾 参加記
 

青山貞一 Teiichi Aoyama


22 Feb. 2009


 2009年2月21日午後2時より、立教大学8号館において  


   みんなのメディア作戦会議 第2弾
   〜政財官の癒着を断ち切る秘策があった!
    自分たちの代表を審議会に送り込もう!〜

が、ComRights(コミュニケーションの権利を考えるメディアネットワーク)の主催で行われた。

◆案内ビラ
> http://eritokyo.jp/independent/aoyama-co11922.html

 私もパネル討議者のひとりとして参加してた。昨日は立教大学8号館の大階段教室を使い、またインターネットによる生全国中継も行われ会場外からの質問を多く出された。

 会議では、主催者ComRightsの白石草(はじめ)さんの挨拶及び開催趣旨の説明の後、まず日隅弁護士による問題提起からはじまった。池田さんは政府が来年以降に予定している情報通信法案がもつさまざまな危険性についても指摘された。



◆問題提起::日隅一雄(弁護士・NPJ代表) 

         「政財官を断ち切る秘策・
         英国任命コミッショナー制度とは」(仮)



 日隅弁護士の問題提起と提案を受け、以下のメンバーで徹底討議を行った。



 そを受けパネル討議を行う!



◆パネリスト: 

服部孝章(立教大学教授)


青山貞一(武蔵工業大学・大学院教授)


醍醐 聰(東京大学教授)


三井マリ子(女性政策研究家) 


中野真紀子(デモクラシーナウ!日本代表)

      
 パネルの各氏からは今更ながら、日本の審議会制度がもつ課題が浮き彫りにされ、同時に省庁独立行政法人、委員会などがもつ「政」「官」「業」「学」「報」の隠れ蓑の実態があらわにされました。さらに独立行政法人など政府系外郭団体についても高額の報酬、退職金、渡りの実態、そしてどのようにして、なぜ役員が選ばれるのかについて話された。

 昨日はメディア、放送関係者が多かったこともあり、事例では立教大学の服部先生が放送関連審議会、東大大学院の醍醐先生が情報通信審議会や政府財政諮問寛喜関連審議会、私が電波監理審議会を対象に具体的実態、課題についてそれぞれ詳細に報告した。

 また三井氏からはご自身が豊中市の団体の長に全国公募推薦で受かり就任したものの、その後、理事会で解雇された事例をもとに公職者選出のあり方についてのご持論を披露された。さらに中野氏は米国のFCC(連邦通信委員会)の組織実態実態と課題についての報告があった。

 議論では政府による御用学者(委員)の選任方法、省庁外郭団体の長の選任方法に関連し、日隅弁護士が英国の任命コミッショナー制度を詳しく紹介し、政策提言され、それを受け後半で隠れ蓑で現状を追認するこの種の御用組織をどうするかとともに、日本の風土、官僚制度と実態を元に、どうすれば現状を改革できるか、について徹底議論しました。

 さらにインターネットを見ていた前半115名、後半15名ほどの方々を含め質疑応答を行われました。 たまたま私の環境総合研究所の同僚、鷹取氏がインターネットで会議を聴取しており、質問を出され、それが会場で披露され、私たちがそれに答えるなど、今までにないすばらしい会議となったた。



 なお、みんなのメディア作戦会議 は今後、三回、四回と開催する予定とのことだ。

 率直な感想として、大変有意義な会合であったが、今はさまざまな状況が政策提言を生かす絶好のチャンスであることもあり、次回からはぜひ、国会議員や政策秘書などの参加を期待したい。


「審議会革命」英国の公職コミッショナー制度に学ぶ

 <みんなのメディア作戦会議 第2弾>の開催をめどに日隅一雄さんと現代書館が発刊準備してきました「審議会革命」英国の公職コミッショナー制度に学ぶ が刊行されました。

 一冊1000円で書店で購入可能です。
 ぜひご一読ください。

 日隅一雄翻訳、青山貞一監修
 「審議会革命」英国の公職コミッショナー制度に学ぶ
 現代書館 発刊!!



 上記についても近々、独立系メディアの書評コーナーでとりあげます。

軽はずみの代償は大きい〜18人逮捕の意味するもの  青山貞一


軽はずみの代償は大きい
18人逮捕の意味するもの


青山貞一


掲載月日:2009年2月7日
独立系メディア「今日のコラム」社会時評


■ブログ炎上 軽はずみの代償は大きい

 ブログ炎上の悪質な書き込みに警察がついに摘発に乗り出した。お笑い芸人スマイリーキクチ(37)のブログに「人殺し」「死ね」と書き込んだ男女18人について警視庁は名誉棄損容疑で書類送検する。ヘンな正義感を振り回す者もいるが、その多くは軽はずみな誹謗中傷だ。名誉棄損は3年以下の懲役か禁固、または50万円以下の罰金……代償は大きい。 2009年02月06日 日刊ゲンダイ
 
 お笑い芸能人のブログ上で、「死ね」など誹謗中傷したとしてブログに書き込みをしていたと思われる18名が逮捕された。

 警視庁は著名人などのブログに悪意の書き込みが集中して閉鎖に追い込まれたりする問題に関連し、男性タレント(37)のブログを攻撃した17〜45歳の男女18人を名誉棄損容疑で刑事責任を追及することを決めたという。

 まず今回の逮捕劇を法の面から見てみみよう。

 今回の逮捕は以下にあるように刑法にいう名誉毀損がその根拠となっている。刑法の名誉に対する罪は
親告罪である。したがって被害を受けた者が刑事告訴するなり被害届を出すことからすべてははじまる。名誉毀損でいきなり逮捕はあまりないが、被害届がでていたのとよほど悪質なことが、その背景にあると思える。

 以下は関連法規の抜粋

刑法 第34章 名誉に対する罪

(名誉毀損)
第230条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
2 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合で
なければ、罰しない。

(侮辱)
第231条 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。
(親告罪)
第232条 この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

第35章 信用及び業務に対する罪

(信用毀損及び業務妨害)
第233条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
(威力業務妨害)
第234条 威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。

 名誉毀損と信用毀損の違いは、前者が主として個人、後者は主として会社など組織を対象としている。

 刑法第34条の捜査は警察や検察が被害者からの刑事告訴や被害届を受けたときから始まる。実際、今回の事件では件のお笑い芸人は所轄の警察署に被害届を出していた。

 日本社会では、ブログへの書き込みは<2ちゃんねる>だけでなく匿名、すなわち自分の名前を出さず、それが故に言いたい放題、誹謗中傷し放題の状態が続いている。ちなみに、私は現在「独立系メディア」以外に7つのいわゆるブログを設置、運用しているが、すべて実名である。

 実際、本件に関してはブログだけでなく、2ちゃんねるでもスマイリーキクチ氏への各種誹謗中傷、侮辱が書き込まれている。

 日本人の多くは、実名では何も言わない、言えないくせに、匿名だととんでもない誹謗中傷、侮辱的な発言をするひとが多いのは実に恥ずかしいことだ。その匿名性をあたかも日本文化であるかのごとく吹聴していた者さえいる。その典型は2ちゃんねるだ。現在多くのブログ、とくに激しい右翼的発言をしているブログはその大部分が匿名サイトとなっている。


■なぜ情報発信者が特定できるか!

 その昔は、匿名書き込みなら、自分のメールアドレスやドメインでない掲示板からの書き込みなので、いくら誹謗中傷や侮蔑、罵倒など刑法に違反する内容を書き込んでも、自分のことはわかるはずがないと思っていた。

 だが、通称、プロバイダー法、正確には以下の「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」が制定されたことで、上記の刑法犯罪のうち、凶悪犯罪や親告罪相当の事件や当該分野での権利侵害事件については、当事者から警察や検察に刑事告訴などが出され受理されると、捜査当局がプロバイダーやサイトの設置責任者、サーバ管理者・運用者などに当該サイトやブログの実際の設置者の名前、住所等を知らせることができるようになった。

特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律

目的

特定電気通信による情報の流通によって権利の侵害があった場合について、特定電気通信役務提供者(プロバイダ、サーバの管理・運営者等。以下「プロバイダ等」という。)の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示を請求する権利につき定めるものとする。

内容

(1) プロバイダ等の損害賠償責任の制限
特定電気通信による情報の流通により他人の権利が侵害されたときに、関係す
るプロバイダ等が、これによって生じた損害について、賠償の責めに任じない場
合の規定を設ける。

(2) 発信者情報の開示請求
特定電気通信による情報の流通により自己の権利を侵害されたとする者が、関
係するプロバイダ等に対し、当該プロバイダ等が保有する発信者の情報の開示を
請求できる規定を設ける。

 もちろん、この法の実際の適用は、被害者からの刑事告発などに基づく犯罪捜査に関連してのものが中心である。盗聴法同様、通常のインターネット上での情報の流通に関しては個人情報保護及び企業の営業上の守秘などから行えない。

 現在、警視庁には上記の法などに対応する目的で電子情報・通信ネットワークに詳しい捜査官が約100名配置され、この種の犯罪を常時関しているとも聞く。

 当然、この種の監視はひとつ間違えば、ビッグブラザース(ジョージオウエル1984年)の相互監視社会に通ずる可能性もある。あまりにも酷い言いたい放題状態もきわめて問題であることは言うまでもない。

 だが、日本社会のブログ上で常套化している自分の名前を出さなければ、自分のアドレス、ドメイン、URLでなければ他人の誹謗中傷したり侮辱しても分からない状態はないと認識すべきである。


■違法なソフトダウンロードも摘発される

 次の話題に移ろう。

 日本社会でも、市販の映画DVDや音楽CDなどをウィニー、シェアーなどの無料ファイルシェアーソフトを用いてダウンロードし使っている人が後を絶たない。

 日本の著作権法で権利侵害と見なされる行為を以下に列記する。違法なダウンロードあるいは複写で映画DVDや音楽CDを得ることはむろん違法行為である。さらに後に示すが、それらを有料で第三者に頒布する行為には現在、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金など日本でも厳しい罰則がかけられることになる。

(侵害とみなす行為)抜粋
第百十三条 次に掲げる行為は、当該著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為とみなす。
一 国内において頒布する目的をもつて、輸入の時において国内で作成したとしたならば著作者人格権、著作権、出版権又は著作隣接権の侵害となるべき行為によつて作成された物を輸入する行為
  二 著作者人格権、著作権、出版権又は著作隣接権を侵害する行為によつて作成された物(前号の輸入に係る物を含む。)を、情を知つて、頒布し、若しくは頒布の目的をもつて所持し、又は業として輸出し、若しくは業としての輸出の目的をもつて所持する行為
2 プログラムの著作物の著作権を侵害する行為によつて作成された複製物(当該複製物の所有者によつて第四十七条の二第一項の規定により作成された複製物並びに前項第一号の輸入に係るプログラムの著作物の複製物及び当該複製物の所有者によつて同条第一項の規定により作成された複製物を含む。)を業務上電子計算機において使用する行為は、これらの複製物を使用する権原を取得した時に情を知つていた場合に限り、当該著作権を侵害する行為とみなす。
3 次に掲げる行為は、当該権利管理情報に係る著作者人格権、著作権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為とみなす。
  一 権利管理情報として虚偽の情報を故意に付加する行為
  二 権利管理情報を故意に除去し、又は改変する行為(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による場合その他の著作物又は実演等の利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる場合を除く。)
  三 前二号の行為が行われた著作物若しくは実演等の複製物を、情を知つて、頒布し、若しくは頒布の目的をもつて輸入し、若しくは所持し、又は当該著作物若しくは実演等を情を知つて公衆送信し、若しくは送信可能化する行為

 著作権法違反の罰則規定を以下に示す。 十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金と非常に厳しい。

第八章 罰則(平四法一〇六・旧第七章繰下)抜粋
第百十九条 著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者(第三十条第一項(第百二条第一項において準用する場合を含む。)に定める私的使用の目的をもつて自ら著作物若しくは実演等の複製を行つた者、第百十三条第三項の規定により著作権若しくは著作隣接権(同条第四項の規定により著作隣接権とみなされる権利を含む。第百二十条の二第三号において同じ。)を侵害する行為とみなされる行為を行つた者、第百十三条第五項の規定により著作権若しくは著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者又は次項第三号若しくは第四号に掲げる者を除く。)は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
  一 著作者人格権又は実演家人格権を侵害した者(第百十三条第三項の規定により著作者人格権又は実演家人格権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者を除く。)
  二 営利を目的として、第三十条第一項第一号に規定する自動複製機器を著作権、出版権又は著作隣接権の侵害となる著作物又は実演等の複製に使用させた者
  三 第百十三条第一項の規定により著作権、出版権又は著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者
  四 第百十三条第二項の規定により著作権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者

 さらに法人に関しては、以下にあるように三億円以下の罰金刑がかけられるようになっているので、個人とは別に違反行為者を出した法人の管理責任が厳しく問われることになる。

 以下抜粋
第百二十四条 法人の代表者(法人格を有しない社団又は財団の管理人を含む。)又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。

 ところでファイルシェアソフトであるウィニーなどを使っているひとがウィルスに感染し、重要なファイルやいかがわしい写真などをばらまいていることがよく新聞等に掲載されている。自衛隊からはイージス艦などの重要文書が外にばらまかれている報道もあった。

 上記はあくまでウイルスに感染したために起きていることだが、問題は誹謗中傷同様、自分のアドレス、名前、所在などが分からないとしてウィニー、シェアーなどの無料ソフトを使い、DVDやCDをダウンロードしている場合でも、ここに来てその所在がDVDやCD作成者(会社のセキュリテー問題の代理人等)に分かるようになってきた。

 これは米国の映画会社や音楽関係の事業者側が違法にDVDやCDを上記及びそれに類するソフトを用いてダウンロードした場合、犯罪者のIPアドレスなどをたとえば欧米からでも取得することが可能となってきたことによる。また新手の無料シェアソフトには、マッチポンプ的にダウンロードした者が使っているPCのIPアドレスが映画会社や音楽関係の事業者側で博できるようにしたものもあるだ。

 したがって、違法にダウンロードし、第三者に有料で頒布するなどとくに悪質な者については、著作権法及び刑法により懲罰的な対応をとるだけでなく、民事的にも超高額な損害賠償を請求してくる可能性がある。

 ということで、匿名性に紛れて誹謗中傷、侮辱をしたり、違法に知的財産ソフトをダウンロードし利用したり頒布することに、今後、欧米はもとより日本でも司法が厳しく対応する可能性がある。


 いずれにせよ、匿名性をいいことに、他人の権利を侵害する行為は厳に慎まなければならないということであり、軽はずみの代償は大きい!!

ゲバラの生涯を4時間超で映画化 チェ鑑賞記 その2   青山貞一


ゲバラの生涯を4時間超で映画化
チェ鑑賞記 その2


青山貞一


掲載月日:2009年2月4日

独立系メディア「今日のコラム」映画評論


■チェ/39歳 別れの手紙

 次に後編のチェ/39歳 別れの手紙は、
表題となっている別れの手紙をカストロがキューバ国民に読み上げるところから始まる。

 何で突然、ゲバラがキューバからいなくなったかについて、国民に説明するためだ。

 以下はその「別れの手紙」の全文。



 ゲバラはカストロとの会談の末、新たな革命の場として、かつてボリビア革命が起きたものの、その後はレネ・バリエントスが軍事独裁政権を敷いているボリビアを選ぶ。


南米大陸におけるボリビアの位置


ボリビア(Bolivia)全図
拡大縮小、移動が出来ます。通常の地図、地形図も見れます。
Source:Google Map

 南米大陸の中心部にあって大陸革命の拠点になるとみなしたボリビアを選び、1966年11月、ウルグアイ人ビジネスマンに変装して現地に渡る。この変装もなかなか見応えがある。チェはOAS(米州機構、英語でOrganization of American States、スペイン語でOrganizacion de los Estados Americanos)の関係者に扮してボリビアのパスポートコントロールを通る。チェックは受けるものの、簡単に通過し、ボリビアに入る。


ゲバラがボリビアに入国する際に使ったパスポート
SOURCE: Government of Cuba

 ゲバラのゲリラ戦術は、キューバでの実戦経験に裏付けられて完成されたもので少人数のゲリラで山岳に潜伏し、つねに前衛、本隊、後衛とわけて組織的に警戒し、必要があれば少人数で奇襲的な襲撃を仕掛けるというものだった。


ボリビア山岳地帯でのチェ・ゲバラの足跡
SOURCE: Government of Cuba

 ゲバラはボリビア民族解放軍(ELN)を設立して山岳地帯でゲリラ戦を展開する。

 だが、ラモス(現地でのゲバラの名前)は独自の革命理論に固執したこと、親ソ的なマリオ・モンヘ率いるボリビア共産党からの協力が得られず、さらにカストロからの援助も滞ったため次第に疲弊してゆく。

 折からボリビア革命によって土地を手に入れた農民は新たな革命には興味を持たず、さらに元ナチスドイツ親衛隊のクラウス・バルビーを顧問としたボリビア政府軍が、冷戦下において反共軍事政権を支持していたアメリカのCIAから武器の供与と兵士の訓練を受けてゲリラ対策を練ったため、ここでも苦戦を強いられる事となる。

   
後編の一場面

 映画では延々と、ボリビアの山中と川を行き来するゲリラ部隊の映像が流れる。食糧が尽き、山岳地帯の農民の家で金を払い食糧を調達するが、それらは同時に、ゲリラ部隊の消息をボリビア政府軍に通報させるきっかけを与えるものとなった。

 1967年10月8日、ゲバラは20名足らずのゲリラ部隊とともに行動、ボリビア・アンデスのチューロ渓谷の戦闘で、政府軍のレンジャー大隊の襲撃を受け、捕えられる。部隊の指揮を務めていたボリビア人とともに、渓谷から7キロ南にあるイゲラ村に連行され小学校に収容された。

 このイゲラ村を含め、後編に出てくるボリビアの山岳地帯の貧村は、おそらく現存する村をフィルムコミッションで使ったらしく、この映画、とくに後編のすべてをあらわしているように思えた。

イゲラ村
 ラ・イゲラLa Higuera、スペイン語で「イチジクの木」の意は、ボリビアの小さな村。 サンタクルス県にあり、サンタクルス市から南西に150kmほど離れた場所にある。標高は1,950m。 2001年の国勢調査によると人口は119名でその多くがグアラニー族である。行政区分としてはプカラ (Pucara)郡に属する


 その意味するところは、まさにボリビアでのゲバラらのゲリラ活動は、キューバと異なり、今風に言えば「キューバから来たテロリスト」という政府軍の情報操作、レッテル張りが功を奏し、村や村人には政府軍への通報こそあれ、支援、協力がなかったということである。

 後編では、まさにそれが映像のそそかしこに表現されていた。


ボリビアでゲバラが政府軍に捉えられ一旦収容された小学校(当時)


ボリビアでゲバラが政府軍に捉えられ一旦収容された小学校(移転後)
SOURCE: Wikipedia

 上記の小学校では、ゲバラに最後の食事与えた教諭のフリア先生が現在も元気でバイェ グランデで暮しており、バイェ グランデを訪問した大部分の記者が彼女にインタビューしているそうだ。



 下の写真は映画ではなく実際に現地で撮影されたものだが、ゲバラが政府軍に捉えられた時の風貌は、まさに以下の写真のうり二つであった。


ボリビア政府軍に捉えられたときにゲバラ。この後、数時間後に殺害された
SOURCE: Government of Cuba

 翌朝、イゲラ村から60キロ北にあるバージェ・グランデからヘリコプターで現地に到着したCIAのフェリックス・ロドリゲスがイゲラ村で午前10時に電報「パピ600(ゲバラを殺せ)」の電文を受信。

 ゲバラの処刑は米国CIAのフェリックス・ロドリゲスと共に到着したボリビア国軍情報局のセンテーノ・アナヤ大佐の指示で行われた。大佐は顔や頭は撃たないように指示した。

 午後0時40分にベルナルディーノ・ワンカ軍曹(現在、報復を恐れ、ボリビアから離れて米国で暮らしている)にM1自動小銃で射殺された後、ゲバラは政府軍兵士のマリオ・テラン軍曹(30年近く基地内で暮らし、顔の整形手術を経て、ボリビア東部の農園で暮らしている)によってとどめの一発を食らい死亡した。

 殺害されたゲバラの遺体は、CIAのロドリゲスらとともにヘリコプターでバイェ グランデ市のマルタ病院に運ばれる。映画にはないが病院の洗濯場で一般市民、報道関係者に公開された。この洗濯場は現存するが非常に粗末な施設である。


ヘリで泊バレル直前のゲバラの遺体

 ゲバラの遺体は、1967年10月10日まではマルタ病院の洗濯場にあり、その後、行方が30年間極秘にされていたとのこと。

 ゲバラの遺体が公開されたマルタ病院の洗濯場


ヘリで泊バレル直前のゲバラの遺体

.....

 映画ではヘリで遺体が運ばれるところで終わり、メキシコのベラクルスからカストロらとプレジャーボートでキューバに向かう途中の甲板にいる無言のチェ・ゲバラがラストシーンとして映し出される。


ゲバラが書いた最後の日記。1967年10月7日が最後になっている

 以下は政府軍に殺害されたあとのゲバラの写真(映画にはない)。


政府軍に殺害された後のゲバラの死体写真
SOURCE: Government of Cuba

 後編には以下のスライドショーがああるので、ご覧いただきたい。
 名場面集のスライドショー(後編)

 以下はゲバラが戦闘を行ったチューロ渓谷で捉えられたイゲラ村に連れて行かれ殺害されるが、そのゲバラが殺害されるまで四日間にいたボリビアの場所を訪問した日本人訪問のブログ。  前半  後半


■ゲバラの喘息

 これは後編でとくに言えることだが、ゲバラはわずか2歳にして重度の喘息と診断されている。

 これが示すように、39歳の短い生涯を通じ、喘息がチェ・ゲバラの活動に暗く大きな影を落としている。

 ゲバラは幼少期から痙攣を伴う激しい喘息の発作で生命の危機に陥ること度々あったという。そのゲバラは重度な喘息患者でありながら、葉巻を放さない喫煙家であった。そこに大きな矛盾を感じるのは私だけではないだろう。

 医者でもあったゲバラは、この矛盾、すなわち何度も発作で死にかかっていながら葉巻を吸い続けたことがボリビアにおけるゲバラの永続革命にとって決定的なマイナスとなったことは否めない。

 実はこの論考を執筆している私(青山)も重度な喘息患者である。

 過去、何度も激しい喘息発作に見回れ、救急車で近くの昭和大学病院の救急センターに連れ込まれた。その意味で重度な喘息の怖さを十二分に体験、認識している。

 映画の前編ではゲリラ活動の多くがキューバではシエラ・マエストラ山脈の山中にあり、後編の舞台となったボリビアでは、さらに山深く急峻な山中にあった。しかもゲバラは機関銃など重い荷物や銃を所持しながら急峻な山中を動き回わっていた。ひとたび気管支喘息の激しい発作に見舞われると、身動きができなくなる。

 実際、「チェ/39歳 別れの手紙」ではボリビア・アンデスのチューロ渓谷での政府軍との戦闘では、何度も激しい喘息発作に見舞われ、仲間の救護を得るも、動きはままならず、政府軍に捉えられるさまが映し出されていた。

 後編のなかで、チェ・ゲバラ自身、ボリビアに喘息の薬をもってこなかったことが、自分の最大の廃嫡(はいちゃく)、失敗であったと述べている部分がある。まさに、その通りであったと思える。
 
■イゲラの聖エルネスト
 
 1997年、死後30年にして遺骨がボリビアで発見された。遺骨は遺族らが居るキューバへ送られ「帰国」を迎える週間が設けられ、遺体を霊廟へ送る列には多くのキューバ国民が集まった。

 今日でもチェ・ゲバラは、中南米を始めとした第三世界で絶大な人気を誇るカリスマ、なかんづくボリビアではイゲラの聖エルネストと呼ばれる


南米革命の英雄チェ・ゲバラの記念碑。
ゲバラが正規軍に拉致され殺害されたボリビアのイゲラもある
Source:Wikipedia

 イゲラはゲバラが政府軍に捉えられ、殺害されたあの村の名前である。

 そのボリビアだ、2006年、 ペルーのアレハンドロ・トレドに続いて南米大陸二人目のボリビアでは初の先住民出身となる大統領、エボ・モラレスが「社会主義運動」より就任した。

 現在、ボリビア民衆にとって、チェ・ゲバラは自分たちの守護神であると感じているだろう。 

 前編、後編の両方を見終わった跡の率直の感想として、後編こそがチェ・ゲバラそのものをあらわしているものとして大いに感銘を受けた。
 

■腑抜けで「玉なし」の先進国の男達への警鐘!?



 また、チェ・ゲバラになりきった男優、ベニチオ・デル・トロはすばらしい。

 今、まさに世界中の男性が腑抜けで玉なし状態となっているなか、彼はゲバラ同様、「世界一格好良い男」となったのである!


 もし今、チェ・ゲバラがこの世に生きていたら、極致に達した「格差社会」をどう思うか、アフガン、イラクを侵略し続ける米国やガザの市民を虐殺するイスラエルをどう思うか、映画館からの帰り道、ふと感じた。

「原発はクリーン」は不適切!日本広告審査機構が裁定  青山貞一


「原発はクリーン」は不適切!
日本広告審査機構が裁定

青山貞一


掲載月日:2009年2月3日
独立系メディア「今日のコラム」映画評論


 日本のテレビ、新聞など大メディアがスポンサーの顔色を見てニュースの取捨選択や番組制作をしていることは、今やよく知られるところである。

 今年3月の決算では、在京テレビ局の多くがテレビ事業単独で赤字が見込まれている。景気が極度に悪化してくると、一層、新聞社やテレビ局がスポンサーに気を遣うことが憂慮される。
 
 「独立系メディア」では、以前から日本の大メディアが海外で起こった原発事後や核燃料廃棄物再処理などに関連した事故を、まともに報道していないことを実例を挙げ批判してきた。

 ※独立系メディア アーカイブ<原発・核>
 ※青山貞一:スウェーデン原発事故と日本のメディア
 ※青山貞一:英セラフィールド再処理施設から漏れ出る放射能汚染(1)

 そんな中、社団法人日本広告審査機構(通称、JARO)が東京電力など電力会社でつくる電気事業連合会(通称、電事連)が雑誌に掲載した広告に関連し、原発がCO2を出さないというだけで「クリーン」であるという表現は適切ではない、という裁定を電事連に出していたことが分かった。この裁定は昨年11月25日付で出されていた。

 下はそれを伝える西日本新聞の記事である。

「原発はクリーン」不適切と裁定 電事連広告にJARO裁定

西日本新聞 2009年1月30日 20:10カテゴリー:社会

 電気事業連合会(電事連)が雑誌に掲載した「原子力発電はクリーンな電気のつくり方」という広告のコピーについて、日本広告審査機構(JARO)が「原子力発電にクリーンという表現を使うことはなじまない」と裁定し、電事連に表現の再考を促していたことが30日、分かった。

 裁定は昨年11月25日付。JAROが原発の広告について、再考を求めるのは異例という。

 JAROは神奈川県の男性の苦情申し立てを受け、学識経験者7人でつくる審査委員会で審議。「安全性について十分な説明なしに、発電時に二酸化炭素(CO2)を出さないことだけをとらえて『クリーン』と表現すべきではない」と結論づけ、電事連に通知した。

 申し立てによると、広告は昨年4月発行の雑誌に掲載された。男性は翌月、JAROに「事故時の放射能汚染の危険性があり、到底クリーンとは言えない」と申し立て。電事連は「発電の際にCO2を出さないという特長をクリーンと表現した」と説明していた。

 裁定には法的拘束力はなく、広告内容を変更するかは広告主の判断に任される。電事連は「裁定を受けたのは事実だが、中身についてはコメントできない」としている。


 神奈川県の苦情申し立て人が言われる通り、「事故時の放射能汚染の危険性があり、到底クリーンとは言えない」ことは言うに及ばない事実である。

 日本でも東海村のJCO事故はじめ過去、数多くの原発事故が起きている。

 海外では米国のスリーマイルズ島原発事故、ウクライナのチェルノブイリ原発事故など深刻な原発事故が起き、広範囲にわたり深刻な放射能汚染が起きている。

 さらに原発で使用済みの核燃料の再処理を巡り、イギリスのセラフィールド核燃料処理工場では膨大な量のプルトニウムが環境中に放出されている。

 ※主な原発事故

 今回、JAROが出した「原子力発電にクリーンという表現を使うことはなじまない」という裁定は、至極もっともなことである。

 冒頭述べたように、日本の新聞やテレビなどの大メディアが一大広告主である電事連や原子力産業会議、さらに東京電力などに気を遣い、原発事故や核燃料サイクルに関わる様々な問題をまともに報道せず、取り上げてこなかったことこそ重大問題であるといえるが、今回のJAROの裁定は遅きに失したとは言え、広告主だけでなくメディアに対しても、大きな影響を与えるものと期待できる。

 電力会社は一般の私企業と異なる公益事業であり、電気事業法にもとづく電気の供給義務だけでなく、国民の健康、安全、環境問題に正面から取り組むべき義務を負っている。

 にもかかわらず、全国各地の原発立地や原発稼働に関わる問題では、情報の公開、説明責任、企業の社会的責任を果たしているとは言えない。各地で起きている原発訴訟をみても、そのことが言える。

社団法人日本広告審査機構
Japan Advertisement Review OrganizationJARO(ジャロ))

 JAROは日本の社団法人であり、広告に対する苦情や疑問点(ウソ、誇大、わかりにくさなど)を受け付け、審査する機関である。公正取引委員会の様に法的措置を取るのではなく、制作者に注意を呼びかける。JAROをもじったテレビCMでよく知られている。なお、法的な処置は取れないためそのような場合は公正取引委員会が好ましい。

 事務局は東京(東日本地区)、大阪(西日本地区)の2カ所に所在するが、名古屋(東海地区)、札幌(北海道地区)にもその地域専用の電話を設置している。

 公共広告機構(AC)、放送倫理・番組向上機構(BPO)同様、CMのスポンサー企業が広告を自粛した際やCM枠が余った際にJAROのCMが代わりに放送されることが多く、震災、天皇崩御、テロの際や深夜・早朝で頻繁にCMを目にすることがある。ACやBPOのCMはNHKでも放送されることがあるが、JAROのCMはNHKでの民間の広告放送がないため、放送されていない。

 JAROには年に約9,000件の苦情が寄せられ、広告主に改善を求める。ただし政治・宗教関連及び裁判中の広告は取り扱えない。また、競馬予想会社の広告など、ギャンブルに関する広告も扱っていない。

 現在の理事長は、時事通信社元社長の村上政敏。


 JAROの裁定には法的拘束力はない。しかし、電事連は原発=温暖化防止=クリーンなエネルギー源という、短絡的な情報操作による世論誘導的な広告を厳に慎むべきである。

ゲバラの生涯を4時間超で映画化:「チェ」鑑賞記 その1  青山貞一


ゲバラの生涯を4時間超で映画化
「チェ」鑑賞記


青山貞一


掲載月日:2009年2月1日
独立系メディア「今日のコラム」映画評論


 エルネスト・チェ・ゲバラの生涯と活動を描いた新作映画、「チェ/28歳の革命」と「チェ/39歳 別れの手紙」を見た。 もともとこれら2つの映画は一本の映画「Che(チェ)」として作られており、それを劇場用として2本に分けたようだ。

 「チェ」の前編、すなわち「チェ/28歳の革命」は、2009年1月26日に東京都港区六本木ヒルズの映画館、「チェ」の後編、すなわち「チェ/39歳 別れの手紙」は、1月31日に東京都練馬区豊島園の映画館で鑑賞した。映画館入場料はいずれも1800円なので、「Che(チェ)」を見るためには3600円が必要となった。

 六本木ヒルズの「チェ/28歳の革命」は、そこそこ客が入っていた。が、「チェ/39歳 別れの手紙」は封切り当日にもかかわらず、約20名とパラパラの入りだ。ちょっぴり寂しさを感じた。

 映画だが、全編を通じていえるのは、きわめてドキュメント・タッチが強く、演出がほとんどないことである。淡々と事実が映像として流れる。この手法は前編でも後編でも同じだ。

 「チェ/28歳の革命」ではゲバラの国連演説など実際に撮影されたモノクロ映像と映画で新たに撮影し映像とを多面的に織りまぜ多用していた。映画で制作された部分、とくにモノクロ部分は敢えてドキュメント映像用に画質を調整していると思えるほど違和感なく溶け込んでいた。

 主演でチェを演じたベニチオ・デル・トロ(Benicio del Tro)がゲバラそっくりの姿、形、それにトロの名演が重なり、本当にどこからどこまでが当時の映像で、どこからが映画のための映像なのかが分からないほどだった。

チェ・ゲバラを演じたベニチオ・デル・トロ 出典:資料画像

 自らプロデューサーも務めたプエルトリコ出身の俳優、デル・トロは、アルゼンチン出身のチェ・ゲバラを演じるにあたって、スペイン語の難しい訛りにも挑戦した。また退任前のキューバのカストロ議長と対面し、生前のゲバラについて入念にインタビューしたという。俳優魂に徹している。それもあり、完璧なゲバラ像を構築している。

 ★ベニチオ・デル・トロ演ずるゲバラはこれ!!

 ★演説するゲバラを演ずるトロ!!

 デル・トロは、ビートルズの一員、かのジョン・レノンに「世界一格好いい男」と絶賛されたゲバラを演ずるに最適の俳優であった。
 
 以下は、第61回カンヌ国際映画祭で『CHE』(原題)でベニチオ・デル・トロが最優秀男優賞受賞を受賞したときの記事。

第61回カンヌ国際映画祭『CHE』(原題)
ベニチオ・デル・トロが最優秀男優賞受賞!


 フランス時間2008年5月25日(日) 第61回カンヌ国際映画祭の授賞式がおこなわれ、キューバ革命の英雄、チェ・ゲバラの半生を描いたスティーブン・ソダーバーグ監督の超大作『CHE』(原題)で、主人公ゲバラを演じたベニチオ・デル・トロが最優秀男優賞を受賞した!

 本作『CHE』(原題)はフランス時間2008年5月21日(水)にコンペティション部門で公式上映され、2,300人の超満員の観客から約6分間のスタンディングオベーションを受けるなど、大変高い評価を受けた。

 革命の国として知られ、チェ・ゲバラを英雄視するフランス国民からも支持されたデル・トロの演技は、体重を25Kgも減量した熱のこもりようで文句なし、審査員全員一致での最優秀男優賞受賞となった。

 ショーン・ペンから「ベニチオ・デル・トロ」の声が上がると、会場内の拍手が鳴り止まず、途中、中断させられ、ようやく止まったほどだった。審査員は全員、スタンディングオベーションで迎え入れた。審査委員長のショーン・ペンいわく、「数少ない、審査員全員一致での受賞だった」とのことだった。

【ベニチオ・デル・トロ 受賞のコメント】

(登壇後、感極まって言葉が出ず、しばらく沈黙した後)

 ワイルド・バンチ(制作会社)とフランスのワーナー・ブラザースにまず、感謝の意を表したい。

 この映画を実現させるという僕の長年の夢をかなえてくれた。そして何より私はこの賞をチェ・ゲバラに捧げたい。そして、ソダーバーグとこの喜びを分かち合いたい。

 本作の撮影は非常にハードなものだったが、自分は俳優という仕事に専念することができた。それは、ソダーバーグ監督が全て支えてくれたからだ。


■チェ/28歳の革命

 前編の「28歳の革命」では、エルネスト・チェ・ゲバラが亡命先のメキシコでフィデル・カストロ(のちのキューバ最高議長)と運命的な出会いを果たし、28歳の若さでカストロとともにキューバ革命に着手し、1959年1月1日、革命を成し遂げるまでを描いている。

 この映画をみるひとは、できるだけあらかじめキューバ革命の経過を知っておく必要があると思う。


チェ・ゲバラとフィデル・カストロ
SOURCE: Government of Cuba

 1956年11月25日、カストロをリーダーとした反乱軍総勢82名は8人乗りのグランマ号に乗り込みキューバに向かうが、嵐の中での出航でもあり、キューバ上陸時には体力を消耗し、士気も低下していたとされる。

 映画ではメキシコのベラクルスからキューバ島に向かう船からはじまる。上陸後、シエラ・マエストラ山脈に潜伏し、山中の村などを転々としながら軍の立て直しを図る。その後キューバ国内の反政府勢力との合流、反乱軍は増強されていくさまをつぶさに描いている。


シエラ・マエストラ山脈
SOURCE: Wikipedia 

 当初、ゲバラの部隊での役割は軍医であったが、革命軍の政治放送をするラジオ局を設立するなど、政府軍との戦闘の中でその忍耐強さと誠実さ、状況を分析する冷静な判断力、人の気持ちをつかむ才を遺憾なく発揮し、次第に反乱軍のリーダーのひとりとして認められるようになっていった。

 1958年12月29日、ゲバラは軍を率いてキューバ第2の都市サンタ・クララに突入。多数の市民の加勢もあり、これを制圧、首都ハバナへの勝利の道筋を開いた。そして1959年1月1日午前2時10分、将軍フルヘンシオ・バティスタがドミニカ共和国へ亡命、1月8日カストロがハバナに入城、「キューバ革命」が達成された。

 ゲバラは闘争中の功績と献身的な働きによりキューバの市民権を与えられ、キューバ新政府の閣僚となるに至った。

 映画では工業相となったゲバラが、国連で米国帝国主義を公然と非難する演説を行う様子が延々と流れる。この演説は、YouTubeにもアップロードされているものだが、残念ながらYouTube判はゲバラの肉声が聞かれるものの、当然のこととしてすべてスペイン語であり、その内容はポツン、ポツンしか分からなかった。

 以下にYouTubeにもアップロードされている映像を示す。


Es discurso de los Naciones Unidas de Che Guevara
国連で演説するゲバラ Source:You Tube

 映画でも国連演説の映像と音声が使われていたが、映画では当然のこととして日本語訳がスーパーインポーズされ、ゲバラの発言内容が一字一句流れた。その内容は、まさに感動ものであった。ゲバラは米国の帝国主義とともにキューバを経済封鎖する米国を徹底的に糾弾する。

 国連演説に関連し、当時米国の傀儡政権の巣窟だった南米諸国の大統領や閣僚が次々にキューバの革命政権を中傷、非難したあと、ゲバラが演壇に立ち、それら米国の手先となっている傀儡政権の言い分を論破する。これも前編の大きな見所である。

 
その2につづく 青山貞一
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