青山貞一ブログ

独立系メディア「今日のコラム」に連動するブログ

2009年03月

情報リーク・情報操作による世論誘導、東京地検特捜部   青山貞一

情報リーク・情報操作
による世論誘導

東京地検特捜部

青山貞一 Teiichi Aoyama 25 March 2009

独立系メディア「今日のコラム」

 
 総選挙、政権交代前夜に、東京地検特捜部が小沢代表の公設第一秘書を突然逮捕することではじまった今回の一件は、昨日(2009年3月24日)、大久保秘書の拘留期限ぎりぎりのところで、東京地検は大久保秘書を「起訴」した。

 大久保公設第一秘書の起訴を発表した東京地検の佐久間達哉特捜部長は、捜査の正当性を強調したが、逮捕後2日間で地検には約100件のメールが寄せられ8割近くが批判的な内容だったという。

 今回の一件がきわめて異例、異常であったことは、東京地検による大メディアへの連日の捜査情報のリークでも分かる。

 東京地検特捜部は、まさに連日連夜、逮捕され取り調べられている西松建設社長などの供述をあたかも100%事実であり、真実であるかのごとく、大メディアに垂れ流し続けたのである。そして大メディアは何ら自ら検証することもないまま、地検のリークの情報を新聞の一面、ニュースのトップで連日連夜垂れ流したのである。

 私はここで、敢えて刑事事件は「推定無罪」であるなどというつもりはない。私が言いたいことは次のことだ。

 一昨年、私が勤務する大学の大学院生(中国からの留学生)が神奈川県警に突然逮捕され、逮捕から22日後に起訴された。その後を含め、実に4ヶ月間も警察の拘置所に拘留された。本事件では、改正刑事事件訴訟法に新たに規定された公判前整理手続が援用された。

●神奈川県警+横浜地検の准冤罪事件
青山貞一:神奈川県警+横浜地検共作による留学生准冤罪事件
青山貞一:神奈川県警+横浜地検共作による留学生准冤罪事件


 この事件は結果的に警察の誤認逮捕や検察の強引な誘導捜査、取り調べなどが次々に明らかになり、横浜地裁の大島裁判長は、逮捕・起訴された大学院生に完全無罪を言い渡した。しかも、地検は控訴しなかったことから一審で無罪が確定した。このようなことは、刑事事件総数の0.1%にも満たないというから、いかに神奈川県警、横浜地裁がしたことが杜撰きわまりないものであったかが分かる。

 私は7000名近くの学生、教職員がいる大学の全学リスク管理委員長をしており、本件では事件化してからは最初から最後まで関与することとなった。すべての公判にも参加した。

 ここで問題なのは、検察側は公判前整理手続きを導入したことで、捜査、取り調べの情報を被告側弁護士にのみ提供し、マスコミはもとより、親族や私にも一切情報提供しなかったことだ。しかも、公判に影響を及ぼすという理由からである。

 だが、あやうく冤罪事件になりかかったこの事件で分かったことは、警察・検察側は自らの強引な捜査・取り調べ、供述強要などに係わる情報資料を公判前整理手続きにもとづいてすべて被告側弁護士に渡していなかったことである。

 本事件に係わったK弁護士によれば、警察や検察は公判前整理手続きが導入された後も、自分たちに都合の悪い証言や資料は弁護士側に提供せず、公判に入ってからそれを執拗に指摘することで、やっとのことで情報がポロポロとでてきたと言われた。

 小沢代表秘書逮捕、起訴に関連し、特捜部長や検事総長などは司法、検察の独立性、公平・公正性などを強調した。3月25日の衆院総務委員会NHK21年度予算審議で原口筆頭理事の質問に答えて、総務大臣及び法務副大臣は、検察がメディアに捜査中の情報を漏洩することは有り得ない、と述べている。

 また検察は公判前整理手続きやこの春からはじまる裁判員制度でも捜査情報の漏洩には厳罰で対応することを口にしている。

 しかし、刑事事件で東京地検特捜部が現実に行なっていることは何か?

 それは事実であるか否かにかかわらず検察がリークしたい特定の情報をあらゆる手段でメディアに垂れ流すという事実である。

 今回の一件でも、東京地検特捜部は、連日連夜、記者らに捜査情報をリークしていたのである。さらに問題なのは、検察に飼い慣らされた大メディアの記者である。

 彼らは飢えた犬が餌をもらったときのように、与えられたリーク情報を金科玉条として一面トップに掲載してきた。およそ報道機関にあるまじき対応に終始してきたのである。

 もし、警察・検察が刑事事件の捜査情報を特捜部長らが言うように徹底的に守秘するのであれば、なぜ、顕示された事実が真実であるかどうかわからない情報、すなわち最高裁まで行かなければ最終判断できない情報をこともあろうか、を大メディアにリークするのであろうか?

 これでは、情報操作による世論誘導と言われても致し方ない。

 同時に、リーク情報をありがたくもらい受け、何ら自らの検証もせず、第三者のコメントもないまま一方的に垂れ流すNHKや民法テレビ局、大新聞は、およそメディアとはいえない。

 彼らは司法権力による情報操作による世論誘導に加担していると思われても仕方ないだろう。

 今回の一件でも大メディアはいずれも恥を知れと言いたい。

 さらに言えば、特捜部長らは捜査の公平、公正性について主張している。

 しかし、これもチャンチャラ笑わせる話しではないか。

 なぜ、二階経済産業大臣はじめ自民党の幹部代議士には一切手を付けないのか? 

 周知のように自民党が得ている企業からの政治献金額の総額は、確か民主党より4−5倍も多いはずだ。今回の一件でも横田一氏らの現地調査によれば、二階大臣はいろいろカネにまつわる話が取り沙汰されている。

 なぜ、東京地検はこの時期に、突然、政権交代間近だった民主党代表の側だけをことさら大仰に責め立てたのか? 

 これでは政府・自民党の意向を受けた「国策調査」と言われても仕方ないだろう。

 いずれにせよ、今回、東京地検がしたことは、民主党に対してだけでなく、国民に対しても大きな疑問を投げかけたことは間違いない。こんな司法当局が関与する裁判員制度でまともな刑事事件の審理ができるわけがないだろう。

 そういえば、政権交代が恐怖なのは自民党だけでない。霞ヶ関の省庁も同じだ。さらに実は警察、検察にとってもそうなのだ。

 民主党は常々、警察、検察の捜査、取り調べの可視化の法制化を提案している。自民党政権なら99.9%この可視化法案はない。もし、民主党などが政権を取り、可視化法案を通したら、杜撰な誤認逮捕、見込み捜査、誘導尋問、供述強要などまるで公安警察並みの日本の警察、検察の捜査実態が白日の下にさらけ出される。

 これは決して穿った見方ではない。

シンポジウム「青年将校化する東京地検特捜部」と高橋元秘書  青山貞一

シンポジウム
青年将校化する東京地検特捜部
と高橋元秘書

青山貞一 Teiichi Aoyama 22 March 2009

独立系メディア「今日のコラム」


 識者、まともなジャーナリスト、そして多くの国民にとって「民主党の政権交代阻止のための国策捜査」に見える小沢代表の公設第一秘書逮捕だが、これに関連し2009年3月15日「フォーラム神保町」が開催された。

 このシンポジウムでは鈴木宗男議員が「青年将校化する東京地検特捜部」 に関連し、高橋元秘書について興味深い発言をしている。

 この高橋元秘書に関連する鈴木発言は、フリージャーナスト横田一氏が2009年3月20日付週刊金曜日の記事で書いた内容とも一致している。

 ここでは、鈴木発言と横田記事を掲載するのでご覧いただきたい。


◆<鈴木宗男議員の高橋元秘書に関する発言>
(3月15日のフォーラム神保町のシンポ「青年将校化する東京地検特捜部」より)

鈴木宗男・衆院議員(開始後18分30秒ごろ) 

 なんでこの時期に、が率直な気持ちでした。

 そのうちに漆間発言がありました。自民党には及ばないという。

 自民党は立件できないという。

 この話を聞くと、何かしら、おかしな方向に行っているな。

 さらに石川代議士という、かつて小沢代表の秘書をやっていた方が参考人聴取される。それが事もあろうに、何日も前からリークされている。

 これは検察でしか知りえない情報ですね。

 石川代議士は、あのもうろう会見をした、酩酊会見をした中川昭一さんと次の選挙を争っている人なのです。

 何かしら私は、権力側が水面下でつながっているのかなという印象を国民に与える捜査。

 だから私はだんだんと国策捜査だな、7年前の鈴木宗男の事件の作り方と似ているという印象を持ちました。

鈴木宗男・衆院議員(開始後1時間ごろ)

 私は、この西松事件ですね、大久保さんは捕まりましたね。

 大久保さんという秘書がどの程度のものなのか。われわれ政治家や秘書仲間はよく知っているのです。

 大久保さんははっきり言って力がないし、(笑い)、ゼネコンの人が相手にしている秘書じゃないですよ。

 これだけ、覚えておいて下さい。(年間)2500万円の西松の政治団体から小沢さんの所に入るという枠組みを作ったのは、高橋嘉信という大久保さんの前の秘書ですよ。

 この人は小沢さんのおかげで、国会議員一期やっていますよ。

 ところが国会議員になって膨張(増長?)してしまって、後援者から「ダメだ」と言われて、「小沢さん、切らないといけない」と言われて、切られた男ですよ。

 この男、皆さん、いま何をしているかというと、自民党岩手県のですよ。

 自民党の岩手県の第四選挙区支部の支部長。第四選挙区というのは、小沢さんの出ている選挙区ですよ。ここら、皆さん、ちょっとどろどろしたものを感じません?。(笑い) 

 私は、この大久保さんを逮捕している。大久保さんが何かしらゼネコンに影響力を持ったという話を(検察は)していますけれども、秘書仲間にも永田町でもそんな話はない。

 前任者の高橋(元秘書・自民党後任予定候補)が箱を作って、高橋は傲慢で不遜であったというのはもっぱらの評価ですよ。

 私は、大久保さんが検察に誘導されたり、圧力、強圧的な取調べに屈しないで、正直に物を言っていけば、さっき田原(総一郎)先生が言った通りですよ。

 私は、形式犯の政治資金規正法だけの起訴ならば、検察のやりすぎという世論の批判が出てくると思います。だから私は冷静にこの事件は、見た方がいいと思っています。

 大久保さんや事情聴取された石川さんというのは、言ってみれば、高橋さんの下にいて、そのまま引き継いだ人ですから。いわんや、小沢さんが記者会見で言いました。秘書を信じている、と。

 (中略)

佐藤優氏 

 あまり本当のことを言うと、また捕まるのではないか。

鈴木氏 

 私はずっと正直に本当のことを言ってきましたから。

 私は、検察や司法がどんな判断をしようとも、私と付き合った人は離れませんから。

 (中略)

 私はこの永田町にいて、冷静に小沢事務所のあり方を見ておっても、高橋さんの前にいた責任者は中条さんという人で、この人は人格者でした。

 この中条さんを追い出そうとしたのが高橋嘉信さんという人ですよ。

 高橋が作った枠組みですよ。しかも、その男が自民党の支部長で、小沢さんと相対するといった。

田原氏

  なんで高橋は逮捕されないのか。

鈴木氏 

 高橋さんは時効になっている。検察は協力者に対しては優しいですからね。

佐藤氏 

 外務省の女性がよく言うのは倫理に時効はない。これは、倫理の話だから、刑事的な責任とは別で、政治倫理の問題として、政治の場で追及をすると。

田原氏

 高橋は水面下で検察に協力していると言いたいわけね。

鈴木氏

 可能性はありますね。

 いま、西松事件を調べている人は谷川さんという人ですよ、次席検事が。その前は、盛岡地検の検事正をやっていましたから。

 おそらく、そこで、いろいろな情報を仕入れて来ていると思うのです。何かしらの情報収集の可能性がある。検察は手足がないのです。

 リークをして世論の反応を見ながら、リークをするという繰り返しなのです。



 一方、以下は、横田一氏が週刊金曜日に執筆した記事の核心部分。

◆「自民党から出馬を予定していた元秘書の胡散臭さ」
(3月19日発売の3月20日付週刊金曜日)

(前略)

 1995年当時、小沢事務所で建設業界の窓口役をしていた高橋元秘書に注目すると、恣意的な逮捕であることが浮彫りになる。

 「小沢氏の側近」だった高橋元秘書は「他のゼネコンはこのくらいは献金している」と西松建設に要求し、年間2500万円前後の献金をする約束を交わしたという。

 また問題のダミー政治団体「新政治問題研究会」が出来たのは九五年、もう一つのダミー団体「未来産業研究会」も九八年に設立された。

 いずれも高橋元秘書時代のことだ。

 要するに、違法献金の“産みの親”である高橋元秘書は、政治資金規正法違反の時効が切れているとはいえ事情聴取すらされず、それを二〇〇〇年から引継いだ大久保秘書だけが逮捕されたのである。

 建設業者の間の評判も「高橋元秘書の方がずっと高圧的で押しが強かった」でほぼ一致していた。

 「高橋さんは仙台の鹿島建設の談合屋とのパイプを背景に、献金や選挙支援やパーテイ券購入を業者に押し付け、業界全体に睨みを利かせる存在でした。

 それに比べると、8歳年下で市議出身の大久保秘書の迫力は大したことはなく、『パーテイ券を買っていただけませんか』と丁重に頼むほど。性格的にゴリ押しが苦手で、高橋さんよりも金集めに苦労していたようでした」(建設業者)。


 以下は週刊金曜日に執筆した横田一氏の記事



横田一
 1957年山口県生まれ。気鋭のフリージャーナリスト。東京工業大学卒
 本件に関連しては、政治が歪める公共事業〜小沢一郎 ゼネコン政治の構造〜
などがある。

ヤブヘビ捜査で明らかになる二階大臣と西松建設の深い関係  青山貞一


ヤブヘビ捜査で明らかになる
二階大臣と西松建設
の深い関係

青山貞一 Teiichi Aoyama 17 March 2009

独立系メディア「今日のコラム」


 周知のように、連日連夜、東京地検は大メディアに対して、一方的に小沢代表関連の捜査情報をリークしまくり、政府・自民党は大メディアによるこの種の情報たれ流しを、いわば「情報操作による世論誘導」として看過してきたきらいがある。

 この種の捜査情報は、東京地検がリークしなければ、一体誰が漏らしているというのだろうか?

 問題はリークだけでなく、リークされる捜査情報の信憑性である。

 果たして大マスコミによって顕示された事実が正しいのか、真実なのか、それとも西松側などの一方的な言い分なのか、国民は知るよしもない。

 万が一にも東京地検が選択的に捜査情報を垂れ流しているとしたら、それこそ民主主義を揺るがす大問題となる。

.....閑話休題

 裁判員制度がこの春から開始される。

 それに先立ち、既に改正刑事事件訴訟法をもとに刑事裁判では公判前整理手続きが援用されている。

 この手続きは、警察や検察の調書など捜査・取り調べ情報を公判に先立って被告側弁護士側に提供するもので、その目的は公判時間を短縮化するとされている。

 だが、この公判前整理手続きの導入によって大きな問題が起きている。

 警察、検察から被告側弁護士に提供される取り調べなどの情報は、弁護士以外、たとえばメディアはもとより支援者、研究者など第三者に実質提供されないからである。

 私が一昨年関与した横浜市内で起きた刑事事件でも、警察、検察は被告となった学生の弁護士にこそ関連情報を提供したものの、私達は一切それらを見ることは出来なかった。この事件では、警察や横浜地検のきわめて杜撰な捜査により、まったく無実の学生があやうく冤罪に巻き込まれるところであった。

 幸い、卓越した弁護能力を持った弁護士と公平、公正は判事に巡り会うことで、初審で無罪を勝ち取り、横浜地検は控訴を断念している。

.....

 私がここで何を言いたいかと言えば、司法当局は上述のように刑事事件において、捜査・取り調べ情報の外部への情報提供や漏洩を法律改正までして制限しているにもかかわらず、今回の一件では、司法当局は連日連夜、大メディアに断片的な捜査情報をチョイ出ししていることのおかしさである。

 マスコミはいずれも司法当局から垂れ流される情報によって断定的、一方的な記事やニュースを垂れ流している。これほど理不尽なことはないだろう。

 そもそも、一体誰がどのようにしてリークしているか? 

 まったくもってふざけた話しである。

 その結果、多くの国民は連日連夜、テレビ、新聞などの大メディアが垂れ流す情報によって世論誘導されている。

.....

 ところで、京地検特捜部は、政府高官、漆間巌官房副長官がオフレコの記者懇談会で話した「捜査が自民党議員に拡大することはない」という発言がそこに参加した大メディアの記者らによって外部に漏れ出た。

 その結果、国民はやっぱりこの時期の小沢代表公設第一秘書逮捕は、「政権交代つぶしのデキレース的国策捜査」だったかと思うようになっている。当然のことだ。

 政府、とくに法務大臣は「国策調査」のみならず、司法が時の政権の影響は受けることは絶対ないなどと、打ち消しにやっきとなっている。

 その打ち消しのための窮余の一策であろうか、現職閣僚である和歌山県選出の二階俊博経済産業大臣と二つの政治団体を含む西松建設側との間でのカネのやり取りを捜査しだした。いや東京地検はやらざるを得なくなった。

 その間、大メディア各社の麻生内閣支持率などの世論調査が発表されたが、麻生内閣の支持率はさして伸びず、依然として20%以内に低迷しており、結果として政府・自民党は、まさにやぶをつついてへびを出す、いわゆる「ヤブヘビ」そのものの展開となっている。

 それにしても今回の東京地検の捜査は、さまざまな意味で疑義を感ずる。

.....

 ところで肝心な二階大臣ルートの捜査だが、最初は西松建設OB団体による二階議員の838万円に及ぶ突出したパー券購入の捜査からはじまった。

 はじまったというより、これは西松建設の社長らを逮捕した直後に分かっていたことと推察できる。

 冒頭で述べたように、東京地検の情報操作による世論誘導と思える今までの捜査情報の恣意的なリークが日本中を万円していたが、ここに来てやっとフリーのジャーナリストらによる徹底的な和歌山県内選挙区への現地取材により、二階議員側と西松建設との関係を裏付ける状況証拠が続々と明らかになってきた。

 
職務権限の観点から見れば、小沢代表はあくまで野党の代表に過ぎないが、二階議員は現役の大臣、ことはきわめて重大である。

 まず最初に、日刊ゲンダイなどの現地取材による記事によれば、二階議員は西松建設にパーティー券を買ってもらっただけでない。二階大臣の後援会事務所が何とこともあろうか、西松建設の建設和歌山営業所があるビルと同じビルにあることが分かった。

“二階大臣地元事務所”西松建設と同居していた

 838万円のパーティー券以外に、西松建設からの巨額なウラ献金疑惑が浮上している二階俊博経産相。二階経産相は国会で西松との特別な関係を否定していたが、地元・和歌山では“密接”な関係にある。

 「二階議員の事務所(自民党和歌山第3選挙区支部)と、西松建設の営業所は同じ和歌山市内のビルに同居している。さらに二階議員の“後ろ盾”があったおかげか、西松建設は和歌山県の公共事業も受注しています。昨年4月に開通した和歌山県岩出市と大阪府泉佐野市を結ぶ『泉佐野岩出線』内に建設された『新風吹トンネル』(673メートル)もそのひとつです」(地元事情通)

 西松建設との関係は、建設業界では「東の小沢一郎、西の二階俊博」と呼ばれるほど。 二階経産相が和歌山県議時代に幹部社員と知り合って以来の付き合いで、同じ中大出身ということもあって、逮捕された前社長の国沢幹雄が直接、二階事務所との窓口役をつとめていた。

(取材協力・ジャーナリスト横田一) (日刊ゲンダイ2009年3月9日掲載)

 上の事実ひとつだけを見ても疑義は深まる。

 その後、地元選挙区(和歌山3区)にはあちこちに西松建設がつくった公共の建築物がたくさんあり、それらを地元では“
二階ハウス”と呼んでいることが判明した。その昔、ムネオハウスというのがあったが、二階ハウス”が和歌山県にあるというのだ。 総工費12億円で“二階ハウス”を施工したのも西松建設である。

 和歌山県有田郡広川町は人口8000人にも満たない小さな自治体だが、そこに総工費16億4800円で建てられた豪華な役場庁舎がある。 その自治体では、二階議員の熱心な支援者が実に2代にわたって町長を務めているという。しかもその自治体の庁舎施工がくだんの西松建設とあってはなにおかいわんやではなかろうか!?

 以下の日刊ゲンダイの記事は、二階議員側と西松建設側との関係を示す状況証拠である。現職大臣としての二階議員の立場を考えると、ことは重大である! 

二階の地元選挙区で西松建設がやったこと

 「違法性は認識していない」「資金提供を受けた記憶はない」「詳細を承知しているわけではない」――。

 西松建設の違法献金事件で窮地に立つ二階俊博経産相(70)は、口を開けば「ないない」づくし。だが、西松が二階大臣の地元・和歌山県で受注した公共工事は「あるわ、あるわ」。06年度末までの6年間だけで、受注総額は78億円に上る。

 西松は別表の通り、和歌山県内でコンスタントに公共工事を受注してきた。気になるのは、いずれも二階大臣の選挙区の衆院和歌山3区(御坊市、田辺市、有田郡、日高郡など)に、一極集中していることだ。

 地元関係者が「10億円を超える事業自体が珍しい」と声を揃える地域で、西松は“ビッグプロジェクト”を次々と請け負ってきたのである。

 二階大臣は御防市出身。1983年まで同市選出の県議として、精力的に公共事業誘致に取り組んだ。国政挑戦前に開かれた出陣パーティーでは、江崎真澄元通産相がこんな挨拶を述べていた。

 「県会議員在職中は、二階橋、二階道路、二階構想と、国会議員以上の活躍をしている」

 最近もある御坊市の市議は、二階大臣の公共事業への影響力について、「市町村発注の小さな事業まで“大将”の言うことを聞かされる」と、建設業者からグチを聞かされたという。

 「二階さんが西松と接点を持ったのは、県議時代のこと。西松が地元でダム工事を請け負って以来の付き合いと聞いています。西松の和歌山営業所と、二階さんの事務所は市内の同じビルに入っていた。逮捕された西松の国沢幹雄前社長とも中央大の同期生で親しい仲でした」(政界関係者)

 西松はダミー団体を通じて、二階派と二階個人のパーティー券約868万円分を購入。二階大臣の資金管理団体「新政経研究会」にも、95〜98年に計3回、総額780万円の献金を送っていた。

 二階大臣の政党支部には、西松が企業献金隠しのために社員ら計60人の名義で計300万円を毎年振り込んだり、直接、巨額の裏金を渡したとの一部報道もある。

 西松マネーと地元公共事業の受注に因果関係はあるのか。地検特捜部の徹底捜査が待たれる。

【西松建設の和歌山県内での受注工事】

◇着工年/発注者/工事名/請負代金

◆02年3月/日本道路公団/湯浅御坊道路(御坊市―有田郡)川辺第1トンネル避難坑/11億6373万円

◆03年2月/旧龍神村(田辺市)/旧国民宿舎「季楽里 龍神」整備建築/9億6000万円

◆03年5月/有田郡広川町/町道柳渕石塚線道路改良/4億2219万円

◆04年3月/和歌山県/泉佐野岩出線新風吹トンネル/6億1695万円

◆04年4月/社保庁和歌山社保事務局/社保紀南総合病院建て替え(4期)建築(田辺市)/9億4500万円

◆04年5月/日高郡印南町/印南小学校校舎大規模改造/2億100万円

◆04年6月/日高郡日高町/志賀保育所増改築/2億540万円

◆04年10月/御坊市外7カ町村病院経営事務組合/国保日高総合病院救急手術室棟増築/16億9000万円

◆06年3月/有田郡旧吉備町/藤並保育所改築/5億1500万円

◆06年9月/国交省近畿地方整備局/紀の川築港地区堤防強化/10億5165万円

(日刊ゲンダイ2009年3月11日掲載) 
2009年03月14日10時00分 / 提供:
ゲンダイネット

 さらに、ここにきて、やっとのことで一般紙も二階大臣の疑惑、疑義を本格的に追い始めた。以下は東京新聞の3月16日の記事である。

二階氏地盤で8割受注 西松、和歌山の工事
東京新聞 2009年3月16日 朝刊

 準大手ゼネコン西松建設の巨額献金事件で、同社が和歌山県内で受注した公共工事のうち約八割が、二階俊博経済産業相の地盤である衆院和歌山3区内に集中していることが分かった。二階氏が代表を務める自民党二階派の政治団体「新しい波」は、同社のダミーの政治団体に八百三十八万円分のパーティー券を購入してもらっており、両者の密接な関係が浮き彫りになった。

 西松の工事経歴書によると、二〇〇二年以降、同社が和歌山県内で受注した公共工事は十一件、受注高は計約七十八億円。このうち和歌山3区内が九件、計約六十一億円を占めている。

 内訳は、御坊市外五ケ町村病院経営事務組合発注の「国保日高総合病院救急・手術室棟増改築工事」(〇四年十月着工)を十六億九千万円、旧龍神村発注の「龍神村総合交流施設拠点整備建築工事」(〇三年二月着工)を九億六千万円でそれぞれ単独受注。

 共同事業体(JV)では日本道路公団発注の「湯浅御坊道路川辺第一トンネル避難坑工事」(〇二年三月着工)、社会保険庁和歌山社会保険事務局発注の「旧社会保険紀南総合病院建替工事(四期)建築工事」(〇四年四月着工)を受注し、西松の請負額はそれぞれ約十一億六千万円、約九億五千万円だった。

 このほか、地元自治体発注の町道改良工事や保育所改築工事、校舎改造工事など億単位の公共工事を〇三−〇五年に次々と単独受注していた。

 政治資金収支報告書によると、西松のOBが代表を務めた実体のない政治団体「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」は〇四−〇六年、新しい波のパーティー券八百三十八万円分を購入している。

 東京地検特捜部は今後、政界に流れた西松の資金の流れを解明するために、二階氏側を含め自民党の政治団体側からも事情聴取する方針を固めている。


  「国策捜査」と揶揄、批判されてきた東京地検特捜部だが、ここに来て政界に流れた西松の資金の流れを解明せざるを得なくなった。 まさに東京地検は「やぶへび」状況に追い込まれている。

漆間巌官房副長官が「国策捜査」を裏付ける発言!? 青山貞一


漆間巌官房副長官が
「国策捜査」
を裏付ける発言!?

青山貞一 Teiichi Aoyama  March 2009

独立系メディア「今日のコラム」


 小沢民主代表が3月4日の記者会見で、公設秘書がいきなり逮捕されたことに関連し、「国策捜査」に類する発言をしたことに、政府閣僚や自民党幹部は激しく小沢氏を批判してきた。

 しかし、3月5日、政府高官が、東京地検特捜部の捜査が「国策捜査」であることを裏付ける発言をしたことで、与野党に大きな波紋を広げている。

 問題の人物は、漆間巌官房副長官である。3月5日、漆間副長官は記者との懇談で小沢代表の秘書逮捕に言及した。そのなかで、「東京地検特捜部の捜査が自民党議員に拡大することはない」との見通しを示した。理由は小沢代表の場合には「西松建設への請求書があった」からと述べた。

 しかし、政府の中枢にいる官房副長官が「捜査が自民党議員に拡大することはない」との見通しを述べたこと自体、政府と東京地検がツーカーの関係にあることを指し示すものであり、野党からはこの漆間発言に対し、「やっぱり国策捜査ではないか」と批判が続出している。

 たとえば、鳩山由紀夫民主党幹事長は3月6日午前、記者団に対し「検察側との間で何らかの『デキレース』があると思わざるを得ない」と述べている。さらに午後の記者会見でも「馬脚を現した。なぜ検察の捜査の行方に確信的な言動ができるのか」と激しく官房副長官を批判した。

 漆間発言への批判は、野党だけでなく自民幹部からも起きている。漆間発言が自民党へ波及することを恐れてのことで、6日は一日中、自民党はやっきとなって漆間発言の火消しに奔走していた。

 このように政府高官が特捜部とツーカーであるかのような発言をしたこと自体、まさに「国策捜査」を裏付けるものではないのか? 問題なのは、漆間官房副長官がその発言を記者との懇談の席で行ったことである。これはまさに情報操作による世論誘導そのものである。
 

政府高官発言が波紋=自民も激怒、官邸は火消し−西松献金事件

時事通信 2009/03/06-19:03

 西松建設による違法献金事件で小沢一郎民主党代表の公設秘書が逮捕されたことに関し、東京地検特捜部の捜査が自民党議員にまでは広がらないとの見通しを示した政府高官発言が6日、波紋を広げた。民主党が強く反発したのはもちろん、政権と捜査当局との「癒着」を連想させかねない言動には自民党からも怒りの声が上がり、政府は火消しに追われた。

 「首相官邸は緊張感を持って対応するように」。自民党の大島理森国対委員長は同日午前、政府側から出た不用意な発言に対し、河村建夫官房長官に電話で抗議。河村氏は「申し訳ない」と陳謝した。これに先立つ党役員連絡会でも、菅義偉選対副委員長が「実態が分からないのに、分かったようなことを言うべきではない」と厳しく批判した。

 問題となっているのは、自民党議員への捜査拡大に否定的見解を示した5日の高官発言。同高官は理由として「(小沢氏秘書の場合は)西松建設への請求書があった」と指摘した。

 同社OBが代表だった政治団体からは、自民党二階派や複数の同党議員にも資金の提供があった。このため同党内には、事件が飛び火する可能性も否定できないとして、事態の推移を見守ろうとする空気が強い。政府・与党が検察の捜査を激しく批判した小沢氏の姿勢に絞って追及する戦略を取ってきたのは、このためだ。

 そこへ飛び出した政府高官発言は、民主党に「国策捜査だ」との主張を再び強めさせる口実を与えた。同党の鳩山由紀夫幹事長は6日午前、記者団に「検察側との間で何らかの『できレース』があると思わざるを得ない」と指摘。午後の記者会見でも「馬脚を現した。なぜ検察の捜査の行方に確信的な言動ができるのか」と批判のトーンを上げた。

 官邸は沈静化に躍起だ。麻生太郎首相は同日の参院予算委員会で、社民党の福島瑞穂党首の質問に「(発言は)全く承知していない」と答弁。河村氏も会見で「検察は法と証拠に基づきしっかり対応してきた。(発言によって)捜査が曲げられるということはあり得ないと確信している」と強調した。しかし、民主党は高官発言を国会で追及する構えで、余波は続きそうだ。(了)


 ところで渦中のひととなった漆間巌氏とはどんな人物か?

 漆間氏は以下のWikipediaのプロフィールにあるように一貫して警察畑を歩んできた高級官僚である。ちなみに今回の今回の小沢代表公設秘書を逮捕した布陣は、樋渡検事総長と佐久間特捜部長だが、当然のこととして検察庁と警察庁はもともと兄弟関係のようなものである。

 今回の漆間発言は、警察庁長官まで務めた官房副長官の発言であるだけに、まさに政府自民党と東京地検によるデキレースの「国策捜査」と揶揄されても仕方ないだろう。

◆漆間巌プロフィール

 都立日比谷高校、東京大学法学部卒業後、1969年 警察庁入庁。奈良県警察本部長、愛知県警察本部長、大阪府警察本部長、警視庁副総監、警察庁警備局長、次長などを歴任し、2004年8月13日から2007年8月まで警察庁長官を務める。北朝鮮による日本人拉致問題などに直面し、異例の3年間に亘る長期間の長官在任であった。

 長官退官後には、官邸インテリジェンス機能の強化を図る意味合いで、安倍内閣の内閣官房副長官就任の話もあったが、2007年夏の参議院選挙で自民党が惨敗したため、安倍自ら動きがとれずに内閣が短命に終わったため実現しなかった。

 引き続いて麻生内閣誕生のおりには、嶋津昭地域総合整備財団理事長(初代総務次官、旧自治省出身)、香山充弘自治医科大理事長(元総務事務次官、旧自治省出身)も官房副長官に有力視されていたが、2008年9月24日の麻生内閣発足では、麻生自身の「情報」好きと相まって、かねてから最有力視されていた漆間が座ることとなった。警察庁出身としては川島廣守以来32年ぶりとなる内閣官房副長官(事務担当)に就任。兄に漆間英治(元 中部管区警察局長 1958年入庁)がいる。

出典:Wikipedia

 以下は、漆間警察庁長官が内閣官房副長官に抜擢されたときの関連記事である。

警察庁の漆間巌長官が内閣官房副長官に

2007年6月号 [ディープ・インサイド]

 警察庁の漆間巌長官(昭和44年入庁)の内閣官房副長官への抜擢が確定的となった。的場順三官房副長官(旧大蔵省32年入省)は、参院選後に予定される内閣改造で退任する。官界トップの事務担当官房副長官に漆間氏が就けば、田中角栄政権の後藤田正晴官房副長官(故人、旧内務省14年入省)以来の警察庁出身となる。

現在、内閣官房では野田健内閣危機管理監(42年入庁)と三谷秀史内閣情報官(49年)の2人の警察庁出身者が幅を利かせている。さらに、漆間氏が官房副長官に登用されれば「警察偏重」とのブーイングが沸き起こるだろう。そこで警察庁首脳部は、創設以来の指定ポストである内閣危機管理監を旧内務省系の他省庁に譲ることでバランスをとろうと画策。野田管理監の後釜に香山充弘元総務事務次官(旧自治省43年入省)の名前が挙がっている。

そもそも安倍晋三首相は、官僚の中でことのほか信を置く外務省の谷内正太郎氏(44年)を、事務次官を退任する来年20年1月に的場氏の後任に据えるつもりだった。ところが、谷内氏が固辞し続けたため諦めた経緯がある。その後も、安倍首相は、年内にも発足する日本版の国家安全保障会議(JNSC)の初代事務局長(官房副長官級)への起用を打診したが、谷内氏は「学究生活への転身」を理由に固辞。来年4月から慶応大学法学部教授として国際法を教えることになるだろう。

なぜ、小沢代表側近なのか〜長野ルートと小沢ルート〜  青山貞一


なぜ、小沢代表側近なのか
長野ルートと小沢ルート

青山貞一 Teiichi Aoyama  March 2009

独立系メディア「今日のコラム」


 前号では、「なぜ、政権交代前夜なのか」と題し、東京地検特捜部(以下、特捜部と略す)による小沢一郎民主党代表の公設第一秘書の逮捕を巡る疑義について述べた。

 本号では、「なぜ、小沢代表側近なのか」と題し、異例、異常な特捜部による今回の小沢代表第一公設秘書の逮捕劇について述べてみたい。

 まず「なぜ、小沢代表側近なのか」の理由について、特捜部は、〇効が近づいていること、∪松召らの献金が突出して大きいことをメディアに説明していた。 しかしながら、これら2つのの理由は理由になるようで実は理由にならない。

 たとえば道路交通法違反の場合を例にとろう。

 覆面パトの車の前を乗用車が追い越し走っていったと仮定する。この道路の法定速度は40km/hである。Aの車は60km/hのスピードで覆面パト車の前を走って行った。そして次のBの車は80km/hので走っていったとする。この場合、警察は、80km/hのBの車だけを捕まえ60km/hを不問に付すことは本来許されるわけはない。当然、Bの車の主は不公平感を持つだろう。

 今回の事件では、当初はあくまで各政治家からの政治資金管理団体から総務省に提出された政治資金収支報告書に記載された献金額をもとにから出発している。したがって、小沢氏の政治資金収支報告書の献金掲載額や件数が多いというだけでこともあろうか片腕とされる公設第一秘書をいきなり逮捕することには違和感がある。また圧倒的に多い自民党幹部議員について不問に付すというのでは、公正、公平の観点から理不尽である。

 周知のように、件数で多いのは圧倒的に自民党幹部議員である。また前号のリストには掲載していないが、長野県の村井知事と静岡県の石川知事など知事も2つの政治団体による献金リストにいる。

 村井長野県知事の場合、政治資金収支報告書に記載された献金額はパーティー購入関連の20万円だけであったが、先に逮捕した西松建設関係者の証言で1000万円の選挙資金が村井知事サイドに渡っていたという特捜部のリークがある。なぜ、このリークがあったのかを含め後述する。

 上記が前提である。腑に落ちないのは、にもかかわらず、なぜいきなり小沢代表側近なのかということであり、謎が深まるばかりだ。

.......

 ところで、「なぜ、小沢代表側近なのか」について、日刊ゲンダイ2009年3月6日号の3面に興味深い記事がある。出所は特捜部捜査に詳しい司法関係者とある。

 地検特捜部、自民党ルートは視野にない綱渡り捜査
 長野案件が潰れて小沢案件に切り替えの舞台裏


が記事のタイトルである。記事の核心部分は次の通りである。

 特捜部捜査に詳しい司法関係者は次のように述べたという。

 「そもそも西松捜査は、”長野案件”(注:長野県村井知事の側近が自殺した例の一件、青山)で終わらせるはずだった。東証第一部上場の社長まで逮捕して、違法献金をもらった政治家を一人も暴かないのはバランスに欠くという考え方からです。ところが、連日聴取していた村井県知事の側近が首つり自殺してしまい、長野ルートは潰れた。この失敗に焦った特捜部は慌てて、小沢ルートに切り替えたのです。小沢秘書を逮捕したことで、目的は達成できた。それに年度末までに事件のケリをつける検察の捜査習慣からしても、起訴までの20日を計算に入れると、今週が逮捕のリミット。これ以上、捜査を広げ、長引かせる気はありません。仮にあるとしたら”謀略捜査だ”と検察批判の世論が高まったときだけです」(捜査事情通)

 私はご承知のように「独立系メディア」の2月26日から2月27日にかけ、以下の3つの論考を書き掲載していた。

 いずれも村井長野県知事の側近中の側近の右近氏が任意で2009年2月21日、22日、23日の3日間、連続して東京地検特捜部の厳しい事情聴取を受け、事情聴取が終わった翌実の2月24日、長野市の電柱で首つり自殺していたというものだ。

●特集:西松建設裏金供与と村井長野県知事側近の自殺
◆青山貞一:‖式翊耕邯知事の側近中の側近、首つり自殺
◆青山貞一:村井知事周辺に多額選挙資金供与、西松建設関係者供述
◆青山貞一:ダンマリ決め込む長野県議会、知事側近の自殺に関連し 

 この首つり事件は、全国紙ではほとんど大きく報じられなかったが、田中康夫知事時代、特別職、地方公務員として長野県に大学教授と兼務で勤務していていた私としては、西松建設の裏金が村井仁氏の長野県知事選挙の資金として1000万円渡されていたという特捜部のリークに非常に注目していたのである。

 何と、村井長野県知事は、政治資金規正法に基づく政治資金収支報告書ではパーティー券20万円分を政治団体に買ってもらっていただけとしており、これは献金リストにも入っていた。

 パーティー券20万円分だけで特捜部がその後知事となった村井長野県知事の側近中の側近の右近氏をたとえ任意とはいえ3日間も事情聴取するのは??と思っていたのである。

 すると、2月26日の深夜になって一部新聞が、「特捜部は逮捕した西松関係者から政治資金収支報告書に掲載されていない1000万円の多額な選挙資金が村井知事側に供与されていたことをつかみ、側近中の側近を任意で地検に呼び事情聴取していた」ことがわかったのである。

 もし、西松建設側から村井県知事候補(当時)に渡った1000万円の裏金献金が特捜部が右近氏の自殺をいぶかしがるメディアや県関係者らへの対応としてリークしたように事実であるとすれば、この長野ルートは明白な政治資金規正法違反となる。

 だがにもかかわらず特捜部は、長野ルートを立件しなかった、、いや出来なかったかと言えば、事情聴取した側近中の側近の右近氏が2月21日、22日、23日の実に3日に及ぶ事情聴取後の2月24日、こともあろうか長野に帰ってから首をつって死んだからである。当然、右近氏が死んでしまったので、当然のこととして起訴もできず、公判が維持できないと特捜部が立件を断念したのである。

 そうこうするうちに平成20年度末(3月31日)が近づいてきた。

 特捜部捜査に詳しい司法関係者の言によれば、上場企業の西松建設の社長まで逮捕した特捜部は、当初、長野ルートで幕を引く予定だったが、その思惑が消えてしまった。

 そこで急浮上したのが、政治資金収支報告書ベースで献金額が突出して大きい小沢ルートに切り替えたということになる。

 年度末まで一ヶ月弱しかないなか、東京地検特捜部は、焦って小沢ルートの立件に走る。

 そこでは、森喜朗、尾身幸次、二階派、加藤紘一、藤井孝男、川崎二郎、山本公一、旧橋本派、山口俊一ら自民党の総理、大臣、要職経験者などを捜査し立件化する時間的余裕がない、ということで圧倒的に数が多い自民党の代議士、すなわち自民ルートの捜査はなしということになったというのである


.....

 だが、もとより西松社長を逮捕した時点で、特捜部が村井長野県知事の長野ルートに絞り、それが右近氏の自殺に焦り、そこで急遽、立件案件を小沢民主党代表の小沢ルートに変えたとすれば、特捜部の考えはあまりにも、安易であり、保身的なものでしかないと言わざるを得ない。

 要約すれば、3月末までに、逮捕した容疑者を起訴に追い込むとした場合、当初予定した長野ルートが村井知事の側近の自殺で潰れたため、逆算、すなわち残りの小沢ルートで起訴し立件するとなると、当該問題の担当者であった公設第一秘書の逮捕は3月上旬となるというのが特捜部の筋書きのようである。

 ちなみに、通常、ある者を警察か地検が逮捕した場合、遅くても最大22日目に地検は起訴、不起訴、起訴猶予、さらに略式命令請求のいずれかを決めなければならない。具体的には、大久保公設秘書は3月4日に逮捕されたので、東京地検による起訴、不起訴、起訴猶予、さらに略式命令請求の判断は遅くても3月26日までに決めなければならない。

 という意味では、上記の「捜査事情通」の話しは辻褄が合うのである。

 しかし、上記の特捜部の理由は、あまりにも役所仕事的な理由であって、自らの保身によりこともあろうか政権交代前夜の民主党代表である小沢一郎議員を逮捕することになりやしないだろうか? これについては前号で詳しく書いたので、本号ではこれ以上触れない。

 一言で言えば、これほど重大なことが東京地検特捜部のメンツや保身で勝手に決められて良いのかということだ。検察の保身によって、実質的に西松からの献金をもらっている自民党議員(全体の8割超)を野放し、大物議員らの秘書の事情聴取すらないというのは、きわめて公正さを欠く。

 特捜部の事情通は、先の証言のなかで、特捜部は「これ以上、捜査を広げ、長引かせる気はありません。仮にあるとしたら”謀略捜査だ”と検察批判の世論が高まったときだけです」と述べている。

 今でも多くの識者は有権者は、今回の特捜部のやり方に批判し、怒っている。、「検察はなぜかおかしい」という国民や識者の声は日増しに増えていることから、特捜部は単に小沢代表の公設第一秘書である大久保氏を何が何でも起訴に追い込むことではなく、司法の信頼を得るためにも、最低限、自民ルートの議員らへの事情聴取を行わなければならない。

 3月5日、くだんの自民党の大物議員は、こぞって西松側に献金相当額を返却する旨をメディアに話している。もし、それで不問に付されるなら、当然、そのことを以前から言明している小沢代表も受けた献金相当額を西松側に返却すればよことになる。

 いずれにせよ、今回の特捜部の捜査には多くの疑義がある。

 参考・引用
 日刊ゲンダイ 2009.3.6号
 

なぜ、政権交代前夜なのか? 結果的に悪政に加担する東京地検特捜部  青山貞一


なぜ、政権交代前夜なのか
結果的に悪政に加担する
東京地検特捜部

青山貞一 Teiichi Aoyama  March 2009

独立系メディア「今日のコラム」


 民主党小沢代表の公設第一秘書をいきなり逮捕した東京地検特捜部だが、国民が半世紀に及ぶ自民党のやりたい放題の悪政から、自らの手で総選挙により解放する「前夜」に、敢えて強制捜査に踏み切ったことに対し、多くの識者が疑問を呈している。

 たとえばO氏は、「今回の容疑は3年以上前の話で、なぜ今なのか違和感が残る。この時期の逮捕は国策捜査と言われかねない」と述べている。

 さらに政治評論家のY氏は、「国民にとっては悪夢のような展開です。自民党政権が続くということは、2大政党制がかけ声倒れに終わり、腐敗堕落による一党独裁が続くということです。消えた年金に象徴されるようなごまかし政治が続き、官僚機構がのさばり、一部の政治家と企業だけがいい思いをする癒着政治が続くことになる。ヘタをすればあと10年も暗黒政治がつづくことにもなりかねません」と述べる。

 言うまでもなく東京地検による今回の一件により、国民の間にいまだかつてなく盛り上がっていた政権交代の機運は完全に冷水をかけられた。

 それでも罪は罪、罰は罰という人はいるだろう。また自民党やNHKはじめ大マスコミは「国民に対し政治とカネにまつわる政治家の信頼を失墜させたことは間違いない」などと、「したり顔」の論評はある。

 また西松建設による政治家への資金のバラマキは国会議員、知事を含め数10人に及んでいるなか、なぜ小沢一郎だけなのかという問いかけに、東京検察特捜部は小沢陣営に渡った額が突出して大きいからなどと言っているようだ。

 しかし、小沢氏自身が3月4日朝の記者会見で述べているように、もし、あらかじめ企業からの献金であれば、「陸山会」でなく企業献金が認められている政党への献金として扱えばよいのである。そもそも数年間で2100万円という献金額に、いきなりの逮捕と強制捜査を敢えてこの時期に行うことが大いに問われるだろう。

 大メディアは検察のリークを鵜呑みにして、2100万円の献金額を突出しているなどといっている。しかし、これは数年間の総額であり、年間額にしてみると数100万円規模である。小沢代表系への毎年の個人、団体を問わず献金総額(数億円)からして、突出して大きいなどと言える額ではないだろう。連日、代目ディアが事実報道と言いながら、ことさら検察がリークする情報を垂れ流していること自体、いつものように「情報操作による世論誘導」となっていることを忘れてはならない。

 たとえばここ数ヶ月、日本の大メディアが神様のように拝みたてまつる米国のオバマ大統領が大統領候補だったとき、オバマ陣営が集めた政治資金は総額約7億ドル、約600億円であった。その9割は一般有権者からの献金であるが、残りの一割はかのリーマンブラザースはじめ金融投資銀行はじめ企業やロビイストなどの大口献金者からのものだった。 

 それよりもなによりも、この時期にいきなり小沢代表の側近を逮捕し、強制捜査で家宅捜査を大マスコミ注視の中で大々的、センセーショナルにに行うことが、民主主義に関しては後進国並みの今の日本社会全体に対し、いかなるマイナスの影響をもたらすかは計り知れない。それひとつをとっても今回の東京地検特捜部がしていることは異例であり、異常である。

 もとより西松建設問題は以前から指摘されていたことである。くだんの2つの西松建設関連の政治団体は2006年に解散している。もし、虚偽記載など政治資金規正法上の疑義があるなら、担当者を任意で地検を呼び「修正申告」を勧告すれば事足りたはずだ。

 そもそも政治資金規正法における政治資金収支報告書の虚偽記載の罰則は、5年以下の禁固刑あるいは100万円以下の罰金である。もし、容疑を認めた場合には裁判を伴わない略式命令請求、通称、起訴起訴により数10万円程度の罰金、仮に当人が否認をし続け、起訴された場合でも執行猶予付きの判決が妥当のものである。

 何をさておき、ここで重要なことは、国民から見放され内閣支持率が10%そこそこに低下した麻生政権や自民党、総選挙、解散から逃げまくっていた麻生政権にとり、この時期での小沢代表側近の逮捕劇が与える意味だ。政権与党にしてみれば、今回のはなばなしい逮捕劇は、まさに、これ以上ない絶妙のタイミングといえるものであり、小沢代表ならずとも検察のしていることは異常としかいいようもないものだ。

 いうなれば、実質的に独裁政権が半世紀続き、「政」「官」「業」さらには「政」「官」「業」「学」「報」、すなわち政治、官僚機構、業界、そして御用学者と御用メディアが結託し、税金を食い物にしてきた日本で、まさに100年に1度の政権交代の前夜を見計らって東京検察は、故意に意図的に政権交代のシンボルである小沢代表側に決定的なダメージを与えたことになる。

 永年、「政」「官」「業」「学」「報」による情報操作による世論誘導によって格差社会に陥れられ、正直者がバカを見続けてきた日本国民がやっとのことで自民党見限った。もし、ここで総選挙を行えば、自民党が歴史的大敗北することは間違いなかった。

 それを考えると、今回の東京地検特捜部の小沢代表側近への対応は、民主党ならずとも、東京地検による「国策捜査」であると言われても仕方がない。 もとより、政権交代直前に政敵を逮捕するというやり方は、東南アジア諸国の政治的後進国で起きていることであり、到底G7の国で起きることではないだろう。

 政権交代がかかる選挙直前での政敵やその周辺の逮捕はフィリピン、マレーシア、ミャンマー、シンガポールなど東南アジア諸国でよく起こる政治的謀略を連想させるものである。

 かつてUPIの記者で現在ビデオ・ジャーナリストの神保哲生氏は、「民主主義が未成熟な国では、権力にとっての最大の武器が軍事力と警察です。それに歯向かえばメディアも市民も殺されてしまう。そのため、誰も声を上げず、政治権力は益々暴走するのです。民主主義の進んだ先進国なら、仮に権力が暴走したとしても、市民社会は容認しない。メディアが真実を暴くでしょうし、検察は後半維持できません」と述べる。

 小沢代表は自民党政治家に忌み嫌われている。また大のマスコミ嫌いもあり大マスコミにも評判は良くない。だが、その本当の理由は、自民党の恥部にあたる政治手法を知り尽くしていることにあるからだ。他方、小沢氏は国政、地方を問わず選挙に強いこともある。

 さらに小沢代表は、いうまでもなくブッキラボーで愛想はない。だが小沢代表は日本にはめずらしいブレない、信念を持った政治家でもある。

 しかし、麻生はじめ小泉など同じ世襲議員でもブレまくり、庶民、国民など社会経済的弱者のことはそっちのけで弱肉強食の社会、格差社会を平然とつくってきたインチキ政治家とはまるで違う。

 半世紀に渡り政官業学報の癒着で利権を欲しいままにしてきた日本政治に、小沢代表は、日本社会を変えるためには自分が変わらなければダメとして政治生命を賭け、政権交代に挑んできた男だ。

 今回の一件が自民党の延命に手を貸すこととなり、先進国でも希な自民党の悪政がさらに5年、10年、15年と続く可能性もないとはいえない。

 あれこれ酷く言われながらも、民主党をここまで育ててきたのは小沢一郎の功績である。しかし、公設秘書逮捕問題への対応を一歩間違えば、今まで政治生命をかけ努力してきたことがすべてパーになる。それだけにすまない。日本の民主主義にとっても深い傷を負うことになり、場合によっては致命傷となるかも知れない。

 そうなれば、まさに政権交代なき日本は「暗黒社会」となる。

 確かに言えることは、今回の一件は当初センセーショナルであった。しかし、国民が冷静に今回の一件を考えれば、日本の将来の本筋は利権と手あかにまみれた自公政権の延命にあるのではなく、自らの手で何はともあれ政権交代を実現することにあると再度理解するはずだ。

 もちろん、小沢代表を含め今の民主党は第2自民党的な側面をもっている。多くの課題もある。だからといって日本の暗黒でやりたい放題、国民を愚弄し、格差者社会で生活苦に追い込む自民党政治このままを継続させることがあってはならない。

 ここは国民の認識、民度が大いに問われることになる!

 参考・引用
 日刊ゲンダイ 2009.3.5号
 

小沢代表秘書いぎなり逮捕で固唾をのむ自民大物議員   青山貞一


小沢代表秘書いきなり逮捕で
固唾をのむ自民大物議員

青山貞一 Teiichi Aoyama  March 2009

独立系メディア「今日のコラム」

青山貞一ブログ版


 民主党代表の小沢一郎衆議院議員の第一公設秘書が西松建設側の政治献金問題に絡んで東京地検に逮捕された。

 準大手ゼネコン「西松建設」(東京)の裏金問題に関しては、東京地検特捜部が今年の1月19日、同社元社長の国沢幹雄容疑者(70)が海外から裏金7千万円を不正に日本に持ち込んだことに関与していた疑いが強まったとして、外国為替及び外国貿易法(外為法)違反の容疑で逮捕している。

 西松建設関連の2つの政治団体は、「新政治問題研究会」(1995年11月設立)と「未来産業研究会」(1999年6月設立)だが、両政治団体ともに、西松建設の土木本部営業管理部長だった人物が代表で、一連の西松関連事件で裏金を管理・支出する役割をもったとされる西松建設の子会社「松栄不動産」の役員も務めていた。

 「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」の両政治団体は、西松建設が政界に献金するためにつくった政治団体。この献金方法は、外為法違反容疑で逮捕された前社長、国沢幹雄容疑者(70)が発案したとされている。

 今回の小沢代表の公設第一秘書の逮捕劇の核心は、次にあると思える。

  すなわち、西松建設側がいろいろな方法で裏金をつくり、ふたつの政治団体を通じて小沢議員の陸山会事務所に献金したことに関連し、秘書側が西松建設とふたつの政治団体の間での違法な裏金作りを認識しながら両政治団体から政治献金を受け取ったかどうかにある。さらに言えば小沢代表側が献金を受け土木業務など何らかの見返りをしたかどうかにある。いわゆる受託収賄である。

 もし、違法性の認識がなければ、「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」の両政治団体からの献金を受けた陸山会なりが政治資金規正法に基づき政治資金収支報告書を総務省に提出していれば、道義上は別として形式上違法性を問われないからである。

 実際、以下の記事にあるように、過去、何度となく迂回献金が問題とされたが立件の多くは見送られている。

迂回献金、立件見送りが大半 疑惑は過去にも度々

 政治資金規正法は、企業や団体が政治家個人に献金することを禁じており、企業の献金先は政党や政党支部、政党の資金管理団体に限られる。政党側への献金が実際は特定の政治家への違法な迂回献金ではないかとの疑惑は過去にも度々浮かんだが、ほとんどのケースは立件に至っていない。

 2004年に発覚した日本歯科医師会の政治団体「日本歯科医師連盟(日歯連)」をめぐる事件で、日歯連の元幹部が東京地検特捜部の調べに、自民党の5議員あてとして計4000万円を同党の政治資金管理団体「国民政治協会(国政協)」に献金した、と供述した。

 特捜部は一部の議員について収賄容疑での立件も検討したが、最終的には「趣旨があいまいだ」などとして見送った。

 事件では、旧橋本派の政治団体「平成研究会」に対する日歯連の献金1億円を政治資金収支報告書に記載しなかったとして、村岡兼造元官房長官の有罪判決が確定し、橋本龍太郎元首相は嫌疑不十分で不起訴になった。

 ゼネコン汚職では1994年、鹿島が渡辺秀央元郵政相側に計4000万円を迂回献金したとの疑惑が浮上し、特捜部は一部が政治資金規正法違反にあたるとみて捜査。

 KSD事件でも01年、村上正邦元労相=受託収財罪で有罪確定=が、国政協を経由した5000万円の迂回献金を受け取ったと指摘されたが、いずれも国政協に入った金が実際に政治家に渡ったことの立証が難しく、この献金にかかわる収賄や政治資金規正法違反での立件は見送られた。

2009/03/03 19:41   【共同通信】

 しかし、上記の確証がないなかで、東京地検がいきなり小沢代表の公設第一秘書を逮捕することは非常に考えにくい。事実、もしそうでなければ、「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」の両政治団体からの献金を受けた代議士、知事らの関係者はすべていきなり逮捕されることとなる。逮捕されなければならないだろう。

 周知のように、1975年、政治資金規正法は政治活動に関する寄附の制限が導入されるとともに、政治団体の収支公開が強化された。1992年、政治資金パーティーに関する規制、政治団体の資産公開、政治資金の運用の制限などが新設された。

 1994年、選挙制度改革・政党助成制度の導入と軌を一にして、企業・団体からの寄附の対象を政党(政党支部を含む)、政治資金団体、新設された資金管理団体に限定。その上で1999年、資金管理団体に対する企業・団体からの寄附が禁止された。

 これにより、政治団体に対して設立の届出と政治資金収支報告書の提出義務を課して政治資金の流れを明らかにするとともに、政治活動に関する寄附(政治献金)や政治資金パーティーの制限、株式などによる投機的運用の禁止など政治資金の取り扱いを直接的に規制し、違反した場合には罰則なども課せられる。

 今回、小沢氏の公設秘書がいきなり逮捕されたわけだが、おそらく先に逮捕されている西松建設の関係者の証言から東京地検は、小沢衆院議員の公設秘書が西松建設とふたつの政治団体の間での違法な裏金作りを認識しながら両政治団体から政治献金を受け取ったことの確証を得て逮捕に踏み切ったものと思われる。そうでなければ、民主党代表の第一秘書をいきなり逮捕することなどありえない。

 一方、小沢代表の第一公設秘書は、あくまでも2つの団体からの政治献金は、政治資金規正法の範囲での献金であり、したがって政治資金収支報告書にもその旨を記したと主張するだろう。

 先に長野県村井知事の側近中の側近の右近氏が、東京地検に任意で3日間取り調べを受けた翌日に首つり自殺をしたが、その際も、先に逮捕されている西松建設の関係者が1000万円を村井知事側に供与したと証言したことが判明している。長野県知事の場合、知事の側近中の側近は、上述のように任意で取り調べを受けている。

 今回はいきなりの逮捕であり、一部で指摘される「国策捜査」でもない限り、よほどの証拠がない限り、いきなり逮捕はあり得ないわけだ。


■固唾をのむ自民党大物代議士

 西松の裏金作りによる違法な政治家への献金に関連し、以下に2つのリストを示そう。これらは昨年末から今年の1月に公表されたものである。

 ともに2つの政治団体が献金し総務省に政治資金収支報告書を届け出た政治資金提供リストである。

 2つの表を見ると、リストには確かに小沢一郎衆院議員関連の政治団体への献金もある。しかし、件数の上では圧倒的に多くの献金先は自民党の閣僚経験者であることが分かる。また森、尾身、二階、加藤ら自民党の総理、大臣経験者が多数いる。

 今後、捜査は以下にある自民党の大物代議士あるいはその秘書に次から次へと逮捕が及ぶかどうかが大きなポイントとなるだろう。

◆賞与補てんで迂回工作か 西松建設の政治献金

 政治団体を使った脱法的な献金疑惑が浮上している準大手ゼネコン西松建設が、政治団体に納めた社員の会費を賞与に上乗せする形で補てん、会費から支出される献金を同社が事実上負担していた疑いの強いことが17日、関係者の話で分かった。

 こうした迂回工作は、政治家個人への企業献金を禁じた政治資金規正法に違反する疑いが強いため、東京地検特捜部は同社の担当者らから事実関係を聴取。

 管理本部長として関与したとされる元副社長藤巻恵次容疑者(68)=外為法違反容疑で逮捕=や、政治団体設立を主導したとの指摘が出ている国沢幹雄社長(70)の認識を確認、裏金が流用されていないかなども調べているもようだ。

 関係者によると、政治団体は新政治問題研究会と未来産業研究会。代表を務める西松建設OBが、課長級以上で賞与が比較的高い優秀な社員に対して年2回の賞与時に会費納入を請求、会費を政治献金に回していた。

 会費を納めていた元幹部の1人は、西松建設の担当者から「賞与で補てんしておく」と約束されたという。

 両政治団体は2004−06年、小沢一郎・民主党代表や森喜朗元首相らの資金管理団体などに献金していた。

2009/01/17 19:04   【共同通信】

 なぜなら、自民党の代議士なり秘書は西松関係の政治団体からの献金の違法性についてまったく知らなかったで済むのかという問題があるからだ。

 さらに言えば、2つの政治団体から大物政治家への献金は相当前から分かっていたのに、なぜ、この時期にしかも、政権交代寸前の小沢代表の第一公設秘書をいきなり逮捕したのかである。 

 それにしても不思議なのは、新聞、テレビなど大メディアは、ともに西松建設関連の2つの政治団体から自民、民主の多くの政治家、それも総理、大臣クラスの議員に関連する2つの政治団体に献金が行っていることを十分知りながら、それらについてはほとんど報じないことである。

 東京地検は政府・自民党による「国策捜査」でないことを明確にする意味でも、以下に出てくる政治家やすでに名前がでている知事らについてもしっかりと捜査をしなければならない。

参考写真
出典:西松建設OBが団体作り多額献金 規制後も“抜け道”
    中日新聞(2008/12/29)


出典:2009年1月26日(月)「しんぶん赤旗」

村井知事周辺に多額の選挙資金供与、西松関係者供述  青山貞一


村井知事周辺に
多額の選挙資金供与
西松関係者供述

青山貞一 Teiichi Aoyama 26 Feb. 2009

独立系メディア「今日のコラム」


 村井長野県知事の側近中の側近の右近謙一氏が東京地検特捜部の3日間にわたる事情聴取を受けた翌日の2月24日、首つり自殺をしていたことを先に書いた。

 これに対し村井知事は、報道陣に「驚いている。報道で話があることしか知らない。誰も連絡してこないから」と述べ。右近氏については「(先週)金曜日の夜に会っただけで、それから後は接触がなく本当に驚いている。端的にいって、僕は右近君を全面的に信頼している。何らおかしなことがあったと思っていない」と語っている。

 また、西松建設について村井知事は「以前、週刊誌に僕のパーティーで西松建設がパーティー券を買ったという話がリストに載っていたのは見た。全然、僕は記憶にないし、政治資金規正法にのっとった報告の中にあっただけの話」と語っていた。

 さらに、村井知事は県庁で「青天のへきれき。何が起こったのか分からない」とさえその心境を語っている。

 だが、パーティー券の購入は20万円。もし、西松建設から村井知事側に渡った額が20万円だけであれば、右近氏が3日間の事情聴取直後に自殺すること自体ありえないのではないかという憶測が長野県庁幹部らに走っていた。

....

 これについて2009年2月26日早朝、次のことが分かった。

 すなわち、準大手ゼネコン西松建設(東京都港区)の裏金事件問題に関連した東京地検特捜部の調べに対し、西松建設の関係者が、村井仁長野県知事の周辺に多額の資金を提供したと供述していたことが分かった。

 同関係者によれば、村井氏が2006年、田中康夫知事(その後参議院議員として国政に転出)と争って長野県知事に当選する前に、西松建設がつくった裏金の一部を村井氏周辺に渡していた情報があり、東京地検特捜部はそれを裏付けるために右近氏から聴取したとみられている。


 以下は上記を伝える日経新聞の最新記事。今後、この多額の選挙資金が政治資金規正法にのっとった報告にどう記載されていたのかが大きなポイントとなる。

西松建設「長野県知事陣営に資金」 関係者供述

 準大手ゼネコン西松建設の海外裏金持ち込み事件に絡み、同社の関係者が東京地検特捜部の調べに対し「村井仁・長野県知事陣営に知事に当選する前、裏金から資金を提供した」との趣旨の話をしていることが25日、関係者の話で分かった。

 東京地検は同日、長野市内で自殺したとされる長野県総務部参事、右近謙一さん(59)を特捜部が参考人として複数回事情聴取していたことを明らかにした。西松建設の不透明な資金を巡る捜査の一環とみられる。(07:00)

日経新聞 2009.2.26


「何の心当たりもない」=西松建設裏金疑惑で知事−長野

 準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)の裏金が長野県の村井仁知事側に渡ったとされる疑惑で、村井知事は26日朝、県庁で記者団に「何の心当たりもありません。(知事選時に自らは)資金集めをしていない」と改めて否定した。

 東京地検特捜部の参考人聴取を受け、24日に自殺した知事側近の右近謙一県参事(59)については、「お金のことで後ろ指を指されるようなことは絶対にしないということで厳しくやってきた」と説明。

「政治家としては私ぐらいに(資金管理を)きれいにやってきた人間がそんなにたくさんいるのかという自負がある。(右近参事が)変なことをするはずがない」と述べた。

時事通信 2009/02/26-11:51

西松建設裏金のばらまき先

※西松建設事件の概要

 西松建設関連の2つの政治団体は、「新政治問題研究会」(1995年11月設立)と「未来産業研究会」(1999年6月設立)。両政治団体ともに、西松建設の土木本部営業管理部長だった人物が代表で、今回の事件で裏金を管理・支出する役割をもったとされる西松建設の子会社「松栄不動産」の役員も務めていた。所在地は東京都千代田区内のビルの一室に同居。

 政治資金収支報告書によると、両政治団体は2006年の解散までに、「会費」と資金集めパーティーで、あわせて約5億9000万円のカネを集め、約4億7000万円を政界にばらまいている。

 「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」の両政治団体は、西松建設が政界に献金するためにつくった政治団体。この献金方法は、外為法違反容疑で逮捕された前社長、国沢幹雄容疑者(70)が発案したとされている。

※政治資金規正法

 政治団体に対して設立の届出と政治資金収支報告書の提出義務を課して政治資金の流れを明らかにするとともに、政治活動に関する寄附(政治献金)や政治資金パーティーの制限、株式などによる投機的運用の禁止など政治資金の取り扱いを直接的に規制し、違反した場合には罰則なども課せられる。

 なお、報道などでは政治活動に関する寄附のことを「政治献金」と呼ぶことがあるが、これは法律用語ではない。また、寄附だけでなく政治資金パーティーのパーティー券の購入をあわせて政治献金と言う場合もある。

 1975年、全面的な改正が行われ、政治活動に関する寄附の制限が導入されるとともに、政治団体の収支公開が強化された。1992年、政治資金パーティーに関する規制、政治団体の資産公開、政治資金の運用の制限などが新設された。1994年、選挙制度改革・政党助成制度の導入と軌を一にして、企業・団体からの寄附の対象を政党(政党支部を含む)、政治資金団体、新設された資金管理団体に限定。1999年、資金管理団体に対する企業・団体からの寄附が禁止された。

 2005年、日歯連闇献金事件を機に、政治資金団体に関する寄附の出入りについては原則銀行や郵便振込み等で行うことが義務づけられた。また、政党及び政治資金団体以外の政治団体間の寄附の上限(年間5000万円まで)が設けられた(それまでは無制限)。

 2007年、事務所費問題を受け、資金管理団体による不動産取得の禁止や資金管理団体の収支報告義務の強化を内容とした改正が行われた。2008年、国会議員関係政治団体に関して、1円以上の領収書公開や第三者による監査義務付けを柱とした改正法施行(2009年分の収支報告書から適用)。

 出典:Wikipedia

委員は公募、第三者選考を! 政府審議会改革求めシンポ  青山貞一

委員は公募、第三者選考を/
政府審議会改革求めシンポ

28 Feb. 2009

独立系メディア「今日のコラム」


 重要な政策を方向づける政府の審議会や懇談会。その委員は、事務局を担当する省庁が選んでおり、行政の「隠れみの」との批判が絶えない。

 そんな現状の改革を求めるシンポジウムが東京で開かれ、委員を公募し第三者が選考に関与する英国型の制度が提案された。

 経済政策の基本方針を議論する経済財政諮問会議、通信や放送の在り方を提言する情報通信審議会…。総務省によれば、法令に基づく審議会などは昨年十月現在で百十五ある。懇談会や検討会を含めれば少なくとも数百に達する。

 弁護士の日隅一雄(ひずみ・かずお)さんは「審議会委員は省庁が御用学者や官僚OB、財界人らから一本釣りしている」と指摘。武蔵工業大教授の青山貞一(あおやま・ていいち)さんも「審議会は国民に選ばれたメンバーではなく、正統性がないのに、国会や裁判所に代わるようなことをやっている」と問題視した。

 総務省の審議会委員を務めた東京大教授の醍醐聡(だいご・さとし)さんは「一番驚いたのは、答申をまとめるのが事務局の役人だということ。宿題を出した人が、答案を書くのはおかしい」と強調した。

 日隅さんは近著「審議会革命」(現代書館)で紹介した英国の「公職任命コミッショナー」制度について、審議会委員はもちろん、官僚以外の公的機関幹部を公募の上、第三者が選考に関与すると解説。「独立性を確保できるし、天下り防止にもつながる」と述べ、日本でも導入するよう提起した。

 このほか「制度改革を下から支える市民の動きが大事」「審議会はそもそも不要だ。国会が行政に丸投げしているのが問題」といった意見が出た。

 主催した「コミュニケーションの権利を考えるメディアネットワーク」(コムライツ)は今後、まず通信や放送の規制権限を総務省から独立行政委員会に移し、透明性の高い方法で委員を選ぶよう訴えていく方針だ。

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