青山貞一ブログ

独立系メディア「今日のコラム」に連動するブログ

2009年06月

霞ヶ関と自民党は、すでに焦土作戦に出ている!  青山貞一


霞ヶ関と自民党は
すでに焦土作戦にでている!
青山貞一 7 June 2009

独立系メディア「今日のコラム」


 ここ一年の政府・自民党の行状をつぶさに見ていると、明らかに「財政焦土作戦とでもいえる卑劣な行為に出ていると思える。」

 私が「財政作戦」という自民党の卑劣な作戦は次のようなものだ。

 すなわち、どう転んでも、どうあがいても次の総選挙で自民党は民主党に衆院第一党を譲らざるを得ない。

 民主党が衆院の第一党になると、参議院同様、野党が衆参両議院で多数となり、実質的に半世紀以上続いてきた自民党の独裁政治が終わらざるを得なくなる。

 その結果、現状を追認し、既得権益を謳歌してきた世界に類例を見ない利権政治の終焉となる。

 「国策捜査」によって小沢前代表を東京地検がリークする情報を大メディアが連日垂れ流しても、国民が民主党に投票するという勢いは変わらなかったことをみても、次の総選挙で公民は民主党が衆院でも第一党になり、政権交代が実現することは誰の目から見ても明らかになっている。

 そこで政府・自民党は、政権交代前に100年に一度の金融危機をいいことに、建設公債、赤字国債を発行し世紀のバラマキ、大盤振る舞を行い、さらに各種特別会計から得たいわゆる埋蔵金を使い果たそうという作戦に出ている。財源は「霞が関埋蔵金」の一部が充当されるものの、その多くは建設国債と赤字国債に頼ることになる。

 簡単に言えば、政権交代前にカネを使いたい放題使い、借金し放題し、歴史上かつて無いムダ使い、バラマキを行う。同時に自分たちにとって都合の悪い行政文書、公文書などを焼き払う作戦が「財政・公文書」の焦土作戦である。

 昨年暮れまでは、自公政権は次の定額給付金や子ども手当など。衆院選挙対策用と揶揄されるバラマキをしていたが、今回国会を無理矢理通過させた補正予算の内容を見ると、未だかつて無い政府(官僚)と自民党による、大バラマキとそのツケの先送りであることが分かる。

 そもそも2009年度本予算が通過した直後に2009年度の補正予算、それも総額13兆9200億円といまだかつてない巨額の補正予算を組むこと自体、噴飯ものである。

 しかも、それらの中身は、エコカーやエコポイントはいずれも自動車業界や家電業界の要望に応えたものだ。すなわちトヨタ・パナソニックなど、自動車・家電など特定業種へのバラマキによる「経団連対策」、霞ヶ関官僚の天下り先への先行バラマキ、たとえば文部科学省の場合、750億円を超す独立行政法人 科学技術振興機構(JST)へのバラマキ、一件90億円で30件に及ぶ科学研究費の創設※、独立行政法人 国立青少年教育振興機構などのはこもの整備へのバラマキである。

 従来、大学などへの各種科学研究費助成は、一件当たり数100万から大きくても数1000万円だった。これを一件あたり90億円※という途方もない高額かつそれを30件もばらまくというのだから、御用学者ですら当惑するのは無理もない。

 ※文部科学省が最先端の研究30プロジェクトを選定し、各々90億円
   ずつ総額2700億円にのぼる研究強化基金の創設をと一部報道
   されているのがそれだ。


 大学などへの研究費補助、助成は、通称JST,独立行政法人「科学技術振興機構」と日本学術振興会(略して学振)の二つがある。ここでも巨額のバラマキがある。JSTの産学連携拠点建設の予算として700億円近い施設建設がつけられている。

 すでに各地に拠点が整備されているのだが、さらにそれを全国各地に整備しようというのだ。上記の一件90億円の研究費と言いこのJSTへの巨額ハコモノのバラマキ以外のなにものでもない。政権交代する前に、とるものは何でもとろうという魂胆がミエミエである!だが、研究費という利権に群がっている大学や独立行政法人系の研究者からはまともな批判がでない。

、また文化庁はどうてもいい「マンガ・アニメの殿堂」には建設費だけで117億円が用意されている。この施設は正式には「国立メディア芸術総合センター」である。

 私がこの3月、現地調査でポーランドに行き、アウシュビッツ強制収容所を視察する途中、近くの古都クラクフに立ち寄った際のことだ。

 日本政府が国際協力で建設したという「マンガ・アニメの殿堂」に類する施設がヴァヴェル城の南にあった。

 地元のひとに聞けば、磯崎新氏が設計したというマンガ・アニメ施設は世界遺産の古都クラクフにまったくそぐわないものだ。今回の補正予算にある「マンガ・アニメの殿堂」に類する施設はすでにポーランドにあったことになる。そもそも私たちの巨額の税金を使い国際協力で他国の地に「マンガ・アニメの殿堂」を建築したこと自体、日本人は誰も知らないだろう。

 もとより廃止の対象となっている独立行政法人に、巨額の補正予算が施設整備費などとしてバラまかれていること自体、節操のないふざけた話しだ。財団、社団系を含めこの種の省庁の外郭、天下り団体に特命随意契約で巨額の税金が毎年流れ込んでいること自体大問題である。民間は必死に自力でやっているのに、これら省庁の天下り組織には黙っていても毎年一定の資金が国から注ぎ込まれ、その何割かをピンハネしたあと、民間組織に仕事、研究などを再委託している。

 これら独立行政法人や怪しげな省庁の隠れ天下り先に国から毎年流出するカネは12兆円規模に登っていることがすでに判明している。これらの大部分を廃止するだけで、国の一般会計予算(財源)は一気に増える。

 この12兆円問題に関し、自民党の細田幹事長が鳩山民主党代表に噛み付いているが、自民党の河野太郎衆院議員も「国家公務員が再就職している法人は確かに4696法人ある。しかし、このうち国から公費が投入されているのは1766法人。1766の内訳は、特殊法人が23、独立行政法人が82、財団・社団法人が990、国立大学が40、学校法人が282、株式会社が220、その他が129。(その他の129のうち、80が更生保護法人)。この1766法人に天下っているのは16230人。この他の一万人は、国費投入されていない法人に再就職している。正確には1766法人に16230人が天下り、そこに12.6兆円が流れている」と12.6兆円の存在をみとめている。

 河野太郎ブログ、「ごまめの歯ぎしり」よりそのまま引用。

 省庁や自民党による現状追認的な既得権益は多数あるが、この種の外郭団体に絡むムダ、利権は底なしである。

 さらに地方分権改革推進委員会で廃止の方向が打ち出されている国土交通省、経済産業省、農林水産省の地方の出先機関の施設整備、すなわち潰すはずの省庁の出先機関のハコモノ整備に巨額の予算が付けられている。もともと地方主権、地方分権を強化し、国の省庁の地方への出先機関を廃止しようとしているのに、今回の補正予算で出先機関を整備拡充し、強化しようとしているのだから笑止千万だ。これら国などの役所の施設や建物関係の「その他施設費」は当初予算の4倍以上も増やされていた。

 そもそも本予算で6490億円しか予算が計上されない公的部門の施設整備費に2.8兆円もの国費が投入されること自体、理念、政策なき官僚主導のバラマキ以外のなにものでもないだろう。

 さらに自民が総選挙の負けを見越して、下野した後も食っていけるように「基金」という名の資金を、自分たちのためにバラまくという話まで出ている。

 にもかかわらず、大メディアは、ろくな調査、勉強もせず、まともな批判をしていない。これひとつみても、大メディア自身、政権交代すると自分たちの既得権益がなくなるのでまともな批判をしない、できないと国民から思われても仕方ない。

 要約すれば、今回の巨額な補正予算は、霞ヶ関の官僚と腐りきった自民党そして経団連の合作による「あとは野となれ山となれという、焦土作戦」といえるきわめて無責任、無節操なものだ。まさにドサクサまぎれ、一時しのぎのバラマキ予算は将来にそして若者に甚大なツケをのこすだけである。

 こうなると、今回の補正予算は、今まで現状を追認し、既得権益を謳歌してきた「政「官「業「学「報ペンタゴン、すなわち政治家、官僚、財界、御用学者、御用報道と連携した「国策捜査」ならぬ意図的な「国策経済犯罪」とでも言えるものだ。

臨界状態に達した「日本郵政問題」  青山貞一


臨界状態に達した
「日本郵政問題」
青山貞一 4 June 2009

独立系メディア「今日のコラム」


 鳩山(弟)総務大臣はこの間、日本郵政の「かんぽの宿」売却疑惑などの諸問題について厳しく批判し、日本郵政株式会社法にもとづく行政指導(勧告、公表、命令)を行ってきた。

 周知のように、日本郵政の「かんぽの宿」売却に係わる疑惑は増すばかりである。「かんぽの宿」問題の本質は、もともと2400億円の巨費を投じ、現在の固定資産税の評価額が856億円もあるる国民の資産ともいえる「かんぽの宿」が、不透明な手続きを経て政府の規制改革会議の議長である宮内氏が係わるオリックス不動産に109億円で売却されそうになったことに端を発している。

 その後、鳩山大臣は東京駅前にある日本郵政の東京中央郵便局の建て替えに関連し歴史的建造物として保存すべしと真っ向批判してきた。

  <参考>

 さらに、ここに来て日本郵政グループが同社のPR活動を一括契約している大手広告代理店の子会社の執行役員が郵便法違反事件で起訴されたにもかかわらず、その大手広告代理店と契約を続けている問題で、鳩山総務大臣は噛みつき、法律に基づき事実関係を報告するよう日本郵政に求めている。

 民営化後、まさに続々噴出する疑惑に鳩山大臣は国民の立場に立って、孤軍奮闘で噛み付いている。

 しかし、日本郵政はといえば社内に設置した委員会は売却に特段の疑義はないとする茶番の報告を出した。もちろん、社内委員会が問題ないという結論を出したからといって鳩山大臣を納得させられるわけがなく、鳩山大臣と西川善文社長更との軋轢は頂点に達しつつあり、緊迫した局面を迎えている。

 鳩山総務相は「日本郵政株式会社法」にある日本郵政への監督権限、すなわち以下にある取締役等の選任に係わる権限などをもとに、西川氏を更迭する意志を明確にしている。
日本郵政株式会社法
(取締役等の選任等の決議)
第九条
 会社の取締役の選任及び解任並びに監査役の選任及び解任の決議は、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

 鳩山大臣は「西川氏に責任がないことを認めれば、私の正義感や信念を全部すてさることとなる」と公言、西川社長を更迭させることが自分の正義であると言い切っている。大臣の職を賭してでも西川社長の更迭を実現すると公言しだした。

 さらに鳩山大臣は仮に6月29日の株主総会で西川続投が可決されたとしても上記の第九条に基づき選任を許可しないと息巻いている。

 ところで、これら鳩山大臣の「正義の闘い」を見て見ぬふりしてきた麻生総理はじめ閣僚や自民党の幹部は、ここに来て新たな展開を見せている。

 具体的には政府・与党では「西川氏に辞任の意思がない限り、交代させるべきではない」との声が次第に大きくなっている。政府・与党は鳩山大臣が強権を発動すれば、政府・自民党が大混乱に陥りかねず、さもなくとも支持率が低下している麻生内閣や自民党にとって大きな痛手となると政局化を懸念している。

 その結果、麻生首相は河村官房長官らに鳩山氏の説得を指示し、事態収拾に乗り出したものの、鳩山大臣の意志は固く、調整は難航を極めている。それは鳩山、西川のどちらを立てても政府・与党内に大きな遺恨を残す可能性が高いからだ。

........

 麻生首相は本来、盟友である鳩山大臣の意志を支持したいところだが、そこには大きな問題が横たわっている。

 例によって大メディアはほとんど報じていないが、小泉純一郎元首相、竹中元総務大臣はじめ郵政民営化を推進してきた中川元幹事長、武部元幹事長、さらにはいわゆる小泉チルドレンを含む現役の郵政民営化を推進してきた自民党衆参議員は、この間、陰に陽に麻生首相に西川社長を更迭させないよう揺さぶりを掛けている。

 鳩山大臣はもともと<太郎会>をつくり麻生首相の生みの親といえる存在であったが、ここに来て麻生首相は、小泉元首相はじめそのシンパである郵政民営化推進派グループの揺さぶりに抗しきれず、西川社長続投支持に回り、逆に鳩山大臣の更迭さらには解任に傾きつつあった。

 そして6月3日になって麻生首相は、西川社長続投を容認する意向を固めたようだ。理由は上述した西川社長を抜擢した小泉元首相やそれを支持する衆参議員、さらにここにきて鳩山大臣と日本郵政との確執が衆議院議員選挙にマイナスとなると考えたからだ。郵政民営化勢力の圧力に屈して、西川続投を決めたといえる。

 だが、連日のメディア報道で分かるように鳩山総務大臣は依然として西川社長更迭するという態度を崩さず、麻生首相が西川社長続投を容認すれば、麻生首相は盟友、鳩山大臣を更迭するしかなくなる。事実、鳩山大臣は自分は辞職する意志はなく、されるとすれば首相による解職だと息巻いている。

 事実、鳩山大臣は、「正義と不正義の判断基準を失ったとき政治家は存在理由を失う」とさえ述べている。

 もし、そうなれば鳩山大臣は政府・自民党内で行き場がなくなるだけでなく、総選挙にからみ政権交代にからむ政党再編で側近とともに自民党を飛び出す可能性も出てきた。

 
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