青山貞一ブログ

独立系メディア「今日のコラム」に連動するブログ

2009年08月

奇っ怪な新党日本、有田氏の繰り上げ当選問題


奇っ怪な
新党日本、有田氏の
繰り上げ当選問題?

青山貞一 Teiichi Aoyama

25 August 2009 27 August,2009追記
初出:独立系メディア「今日のコラム」


 その後、有田氏は下の記事にあるように、今日(2009年8月25日)にも、参議院当選返上を中央選挙管理委員会の事務局でもある総務省の選挙課に正式に告げることになった。

 有田氏にはぜひとも衆院選で当選すべく大いに頑張って欲しい。

ただ今選挙戦中…有田芳生氏が参院当選を辞退

  衆院選に立候補した新党日本代表の田中康夫前参院議員の自動失職に伴い、繰り上げ当選者に決まった同党の有田芳生氏は25日午前、中央選挙管理会に参院の当選辞退を届け出た。近く選挙会を開き、同党の比例名簿に従って平山誠氏の繰り上げ当選を決める予定。

 有田氏は、衆院東京11区と比例東京ブロックに立候補し、選挙運動中。公選法では、28日までに参院の当選を辞退しないと、衆院選の立候補が取り消される規定となっていた。

スポニチ  2009年08月25日 11:23


新党日本の有田氏、繰り上げ当選辞退

 新党日本の有田芳生氏は25日午前、衆院選に立候補した同党の田中康夫代表の参院議員失職に伴う比例代表の繰り上げ当選の辞退を中央選挙管理会に届け出た。

 有田氏は衆院東京11区に立候補しており、選挙運動を続ける。

 近く開く選挙会で、2007年参院選で同党の比例名簿3位だった平山誠氏の繰り上げ当選が決まる見通し。

日本経済新聞 2009年8月25日 (11:44)


繰り上げ当選を辞退=新党日本・有田氏

 新党日本の有田芳生副代表は25日午前、都内で記者会見し、衆院選に出馬した田中康夫代表の参院議員失職に伴う繰り上げ当選を辞退したことを明らかにした。
 有田氏は「当初から繰り上げ当選という安易な道を考えたことはない」とし、衆院東京11区への立候補は取りやめない考えを示した。
 有田氏の辞退により、前回参院選の同党比例代表で同氏に次ぐ得票だった元党職員の平山誠氏が繰り上げ当選の対象となる。中央選挙管理会が近く選挙会を開いて決定する。

時事通信 (2009/08/25-12:14)



●ここからが奇っ怪な話となります!

 しかし、話しはここで終わらない。

 それは最初のスポーツ報知の記事にあった次のフレーズである。

 「有田氏の次の得票を得ている平山誠氏は『すでに今年4月に党を離れ、一般企業に勤務している』(同党関係者)。有田氏が繰り上げ当選を選ばなかった場合は、平山氏が権利を有するが、総務省の担当者は『平山さんの資格照会は始めている。離籍しているなら、復党の届け出をする必要がある』とする。平山氏が退職、復党して国会議員を選択する可能性は「非常に低い」(同党関係者)。

 非常に不可思議なのは、新党日本党の関係が、有田氏が繰り上げ当選辞退をした場合の繰り上げ当選の権利を持っている平山誠氏について、「平山誠氏は『すでに今年4月に党を離れ、一般企業に勤務している』(同党関係者)」とのべていることだ。

 私は長野県に特別地方公務員にいた頃から平山氏のことをよく知っている。平山氏は、長野県議会などでは、ことあるたびに誹謗中傷を受けてきたが、平山氏は知る人は知る新党日本の生みの親であると言ってよいひとだ。

 私が知る限り、長野県議会議員らによって誹謗中傷、攻撃されていたような私心があるようなひとではなく、自分の身をなげうってでも日本の政治のあり方を根底から変えようと地道に努力してきたひとだ。

 その意味で平山氏が新党日本を離党するなどということはありえない。

 私自身が平山氏に直接会って当人に確認したところでも、平山氏が新党日本を離党した事実はまったくない。

 そもそも離党は自分が党に離党届を出してはじめて離党となるのである。したがって、「平山誠氏は『すでに今年4月に党を離れ、一般企業に勤務している』(同党関係者)」という下りは100%理解出来ないことだ。あくまで離党は、当人が離党を決意したときに離党届を出すするものである。

 新聞、スポーツ紙や一部ブログでも当人に何ら確認することなく平山氏が新党日本を離党したかのようなことを堂々と書いているが、この種のことは平山氏の名誉に関わる重要事であり、最低限当人に確認することなく風評で書くべきではないだろう。

 たとえばあるブログでは、

「それにしても、平山氏はいったんは袂を分かち、政治活動から離れて離党までしたのに議席が空いたからといってそうやすやすと戻れるものだろうか。戻ったとしたら、そこには政治信念など感じられない。あまりに無節操だ。あるのは打算だけではないだろうか。また、このような結びつきがいつまでもつのかも疑問だ」(追撃コラムより)

などと書かれている。

 「平山氏はいったんは袂を分かち」は間違いないところだが、その原因、理由こそ重要である。これについても、最低限現在の党関係者だけでなく、当人すなわち平山氏に取材をしなければならない。

 まして 「平山氏が退職、復党して国会議員を選択する可能性は『非常に低い』(同党関係者)」(スポーツ報知)と、新党日本関係者が勝手に述べている点は奇っ怪そのものだ。離党していない者が復党などしようもない。

 追撃コラムでは、以前にも

 「本来なら名簿搭載順位2位の有田芳生氏が田中氏の後釜として参議院議員になるのだが、有田氏は東京11区から出馬予定でダメ。次は第3位の同党総務局長だった平山誠氏(57)がなるところだが、平山氏は時期は不明だが、家庭の事情とかで同党を辞めて連絡もつかない状態」(追撃コラムより)

と書かれている。

 平山氏は本人の意図とは別に、新党日本の総局長を辞めたのは事実であるが、新党日本は離党していない。平山氏が新党日本をやむなく辞めた理由は決して家庭の事情ではない。これも私は当人から確認している。

 いずれにせよ、一昨年、参議院議員選挙のとき北関東ブロック(全国)で平山氏を支持し、投票した方々に対しても平山氏は正々堂々と参議院議員の繰り上げ当選を受け、政治活動を行うのが正しい道であると思える。

 そもそも総務省の担当者が「平山さんの資格照会は始めている。離籍しているなら、復党の届け出をする必要がある」と言っているように、もし有田氏が参議院議員の繰り上げ当選を辞退した場合には、当然のこととして平山氏が繰り上げ当選を受けることになる。

 同党関係者とかが、平山氏当人に打診することなく、「離党した」とか、「復党して国会議員を選択する可能性は『非常に低い』」などと勝手に記者に発言すること自体、きわめて不可思議であり、奇っ怪である。

 繰り返し言う場、最新の各新聞記事にあるように、有田氏が繰り上げ当選を辞退した場合には、離党していない平山誠氏が比例名簿に従って繰り上げ当選の対象となるのが当然のことである。

 8月25日の午後7時過ぎ、毎日新聞から以下の記事がリリースされた。毎日新聞の取材に対し、「平山氏は毎日新聞の取材に「党にいただいた177万票を無にできないという思いはある」と繰り上げ当選に前向きな考えをにじませた」と述べた。当然のことである。

新党日本:有田氏、参院繰り上げ当選を辞退

 新党日本の有田芳生副代表は25日、東京都内で記者会見し、田中康夫代表が衆院選立候補で参院議員を失職したことに伴う参院の繰り上げ当選を辞退したことを明らかにした。有田氏は衆院選に東京11区から立候補しており、「戦っている以上勝つために突き進む」と説明した。

 同党は07年の参院選比例代表に田中、有田両氏と平山誠・党総務局長(当時)の3人を擁立し、1議席を獲得。最多得票の田中氏が当選し、有田氏が次点、平山氏が次々点だった。

 中央選挙管理会は近く選挙会を開き、参院選で次々点だった平山氏の繰り上げ当選を決める見通しだが、平山氏は田中氏とたもとを分かって既に党を離れており、党が平山氏に意向を確認中。

 平山氏は毎日新聞の取材に「党にいただいた177万票を無にできないという思いはある」と繰り上げ当選に前向きな考えをにじませた。

【西田進一郎】

毎日新聞 2009年8月25日 19時21分


 それにしても何も当人に確認することなく、「平山氏が退職、復党して国会議員を選択する可能性は『非常に低い』(同党関係者)」と、離党もしていない平山氏を離党したことにし、さらに復党して国会議員を選択する可能性は非常に低いなどと、述べた新党日本関係者は、一体何を考えているのであろうか? 奇っ怪です。

奇っ怪な新党日本、有田氏の繰り上げ当選問題◆ \鳥劃膂


奇っ怪な
新党日本、有田氏の
繰り上げ当選問題

青山貞一 Teiichi Aoyama

25 August 2009 無断転載禁
初出:独立系メディア「今日のコラム」


有田氏の選択(衆院選貫徹)は当然

 先に,納┐靴織好檗璽鎚鹵里竜事では、「有田氏は、あくまで激戦となっている衆院東京11区での戦いを優先する意向」とある。 当然のことである。

 事実、「選対事務所内での田中代表との約40分間に及ぶ会談を終えた有田氏は、迷わず言った。『今、(選挙活動を)辞めちゃったら、僕たちと民主党に期待してくれている人たちを落胆させてしまう。自民党政治を変えたい人の希望を絶つことはできない』。戦わずして座れる参院議員の議席を選ぶことはないと明言した」とある。

 ”落胆させてしまう”では済まされない。有権者への裏切り行為となってしまう。

 他方、スポーツ報知の記事では同時に、「有田氏が繰り上げ当選しなければ、名簿の都合上、同党の参院の議席はゼロとなるだけに、新党日本にとっては究極の選択を迫られている」と指摘している。

 実際、8月20日から22日出た新聞記事の多くは、以下の共同通信の記事にあるように、「田中、有田両氏は21日午前、都内で対応を協議し、週明けに衆院選情勢を見極めて再協議する方針を確認した」とあった。有田氏が当初、当選を辞退を明言したにもかかわらずである。それはあたかも有田氏の繰り上げ当選も考慮するかのごとくの報道がなされたのである。

有田氏の出馬取り下げも  日本、参院繰り上げで

 新党日本の田中康夫代表は21日午前、田中氏の参院から衆院へのくら替え出馬に伴う有田芳生氏の繰り上げ当選について、参院比例代表の選挙会が決定した後に辞退するかを判断する考えを示した。都内で記者団に述べた。

 有田氏は2007年参院選比例代表で田中氏に次ぐ票を得たが、今回の衆院選にも民主党の推薦を得て東京11区と比例東京ブロックに立候補。繰り上げ当選を受け入れれば、衆院選最中に立候補を取り下げる異例の事態となる。

 選挙会は22日、繰り上げ当選者を決める。有田氏が28日までに当選を辞退しない限り、公選法の規定により衆院選の立候補は自動的に取り下げとなる。

 田中、有田両氏は21日午前、都内で対応を協議し、週明けに衆院選情勢を見極めて再協議する方針を確認した。

共同通信 2009/08/21 12:07  


 田中氏と有田氏が衆議院選挙した時点で、有田氏が参院議員の繰り上げ当選を拒否するのは当然である。こともあろうか衆院選挙に突入した時点で、有田氏が参院議員繰り上げ当選を承諾するようなことになれば、新党日本は世間の笑いものになる。あえて候補を出さず、有田氏を推薦した民主党は新党日本にコケにされたことになる。その前に、国民、有権者への裏切り行為となる。

 ところで、有田氏に関しては、22日になって以下の記事が出た。

衆院選、撤退せず=新党日本・有田氏
時事通信 2009/08/22-22:26

 新党日本の有田芳生副代表は22日、中央選挙管理会から参院議員への繰り上げ当選の通知を受けても、衆院選の東京11区への出馬を取りやめない意向を固めた。近く田中康夫代表と協議し、回答期限の28日までに最終判断する。

 中央選管は22日、田中氏が衆院選に立候補して参院議員を自動失職したことを受け、前回参院選の同党比例代表で次点だった有田氏を繰り上げ当選の対象者とすることを決めた。しかし、有田氏は同日、取材に対し「衆院選から撤退することはあり得ない。参院に行くことはない」と明言した。

 有田氏が繰り上げ当選を辞退した場合、比例名簿に従って元党職員の平山誠氏が繰り上げ当選の対象となる。 

 
 有田氏が衆院選、撤退せずとしているのは当然だし、よいだろう。

 しかし、この記事でも、「衆院選の東京11区への出馬を取りやめない意向を固めた」といいながら、他方で「近く田中康夫代表と協議し、回答期限の28日までに最終判断する」としている。

 その後、23日になって以下の記事がでた。

有田芳生氏、“参院に変心”一部報道に怒…東京11区
スポーツ報知  2009.8.23

 一部報道に怒りをあらわにした有田芳生氏  前参院議員の新党日本・田中康夫代表(53)の衆院くら替えに伴う参院繰り上げ当選の権利を持ちながら、東京11区に立候補している有田芳生氏(57)は22日、さも参院に心が傾いているかのような一部報道に対し、怒りをあらわにした。

 板橋区内のショッピングモール前でマイクを握った有田氏は、開口一番「私が参院への繰り上げ当選を選ぶような報道がありますが、そんな安易な道を取るつもりはありません」と有権者に説明すると「冗談はやめてくれ、と私は怒っております!」と顔を真っ赤にして語った。選対事務所には問い合わせが相次ぎ、街頭でも「参院に行くの?」と聞かれる度に説明に追われた。

 既に田中代表とは繰り上げ辞退の方向で合意しており、正式な通知が届いた後の24日以降に正式表明する。

 有田氏をして、さも参院に心が傾いているかのような「一部報道に対し、怒りをあらわにしたというのは当然である。

 だが、これは上述したように、本来、新党日本の代表は有田氏が衆院選に出馬表明する時点で、明確に参議院議員繰り上げ当選を辞退し、衆院選挙に邁進すると明言していなかったからにほかならない?

 今になって 「既に田中代表とは繰り上げ辞退の方向で合意しており、正式な通知が届いた後の24日以降に正式表明する」というのではなく、立候補時点で明言すべきである。


つづく

奇っ怪な新党日本、有田氏の繰り上げ当選問題 \鳥劃膂


奇っ怪な
新党日本、有田氏の
繰り上げ当選問題

青山貞一 Teiichi Aoyama

23 August 2009 無断転載禁
初出:独立系メディア「今日のコラム」


●事の発端

 2009年8月18日に告示された総選挙(衆議院議員選挙)に立候補していた新党日本の有田芳生氏(新党日本副代表)に、8月22日、中央選挙管理委員会の選挙会が参議院議員の繰り上げ当選が示された。

 これはもともと参議院議員で1期2年目にあった田中康夫新党日本代表が総選挙に出馬するために鞍替え立候補したことに端を発している。そして、田中氏の参議院議員の失職に伴い、前回の参院選で比例第2位にいた有田氏が、繰り上げ当選されることを意味する。

 田中氏が参院議員を辞職すれば、田中氏が8月30日投開票される衆院選での当落に係わらず有田氏が繰り上げ当選となるのは自明である。

 事実、中央選挙管理委員会は8月22日に選挙会を招集し、有田氏の繰り上げ当選を認め、今後、有田氏に参議院議員の当選状を送ることとなった。

 ただし、公職選挙法により中央選挙管理委員会は、有田氏に当選状を送る際に、到着後、5日以内に次の回答を有田氏に要請することになる。

 それは参院議員への繰り上げ当選の権利を持つ有田氏が、繰り上げ当選を辞退し衆議院議員選挙を闘うか、それとも繰り上げ当選を受諾するかの選択をしなければならないことを意味する。、問題はいつまでに有田氏がその返事をしなければならないかだ。

 というのも、もし中央選挙管理委員会から有田氏への繰り上げ当選状の送付と上記の質問が送付され、到着日から5日以内に返事する期限が、衆議院議員選挙の投開票日、すなわち8月30日以降にずれこめば、有田氏が衆院議員選挙で落選しても、その結果を見て参議院議員の繰り上げ当選を承諾することができるからだ。

 仮に有田氏が参院の繰り上げ当選を受諾すれば、衆院選の立候補は自動的に取り下げとなってしまうのである。

 上記は非常に複雑であり、前例がない話しだ。

 東京都市大学で公共政策論を研究し、講義を持っている私としては、ぜひともこの問題や手続の詳細を知るべく、中央選挙管理委員会の事務局でもある総務省選挙課選挙管理係の担当者(小川係長)に連絡した。

 この7月22日の午後5時すぎのことだ。担当係長は、実に懇切丁寧に、公職選挙法との関連で手続の詳細について説明してくれた。

 以下は私が理解した流れの概要。

 田中康夫氏が衆院出馬で参議院議員を失職した場合
          ↓ 
 内閣総理大臣から中央選挙管理委員会に参議院失職についての連絡が来る
          ↓
 中央選挙管理委員会に選挙長により選挙会が招集される
          ↓
 参議院議員の新党日本の比例順位により有田氏が繰り上げ当選となり当人に通知される
          ↓
 同時に有田氏は対して5日以内に参議院議員の繰り上げ当選を承諾するかそれとも衆議院議員候補として選挙活動をするかかの2者択一に答えるよう中央選挙管理委員会が通知する。
          ↓
 もし、有田氏が上記伺い文書到着後、5日の間に通知しない場合は、自動的に参議院議員の繰り上げ当選となる。
          ↓
 もし、有田氏が衆議院議員選挙を選択した場合は、中央選挙管理委員会は選挙長により選挙会が招集され、参議院議員の新党日本の比例順位により平山氏に繰り上げ当選状が通知される
          ↓
 平山氏は5日の間に承諾するか否かを中央選挙管理委員会に連絡する。

 ただし、有田氏、平山氏ともに繰り上げ当選の条件は新党日本の党員であることとなる。また、両者が参議院議員の繰り上げ当選を辞退した場合は、公職選挙法の規定により欠員となる。

■公職選挙法 第110条
衆議院(比例代表選出)議員、参議院(比例代表選出)議員(在任期間を同じくするものをいう。)若しくは地方公共団体の議会の議員の選挙について前条各号に掲げる事由のいずれかが生じた場合又は衆議院(比例代表選出)議員若しくは参議院(比例代表選出)議員(在任期間を同じくするものをいう。)の選挙について第99条の2第1項(同条第5項(同条第6項において準用する場合を含む。)又は第6項において準用する場合を含む。)の規定により当選人が当選を失つた場合において、第96条、第97条、第97条の2又は第98条の規定により当選人を定めることができるときを除くほか、当該選挙の当選人の不足数が次の各号に該当するに至つたときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(衆議院比例代表選出議員又は参議院比例代表選出議員の選挙については、中央選挙管理会)は、前条の規定の例により、再選挙を行わせなければならない。
  
 具体的には、中央選挙管理委員会は公選法の規定により、有田氏に対し23日までに上記の措置をとることになったから、有田氏は〃り上げ当選を承諾するか、繰り上げ当選を辞退し衆議院選挙を闘うかの判断を28日までにとらなければならなくなった。すなわち、衆議院議員選挙の結果を見て、参議院議員の繰り上げ当選を承諾することはできないことになったのだ。

 公職選挙法では、通常、議員資格失効後、中央選挙管理委員会はただちに選挙会を開催し、繰り上げ当選問題について議論し、繰り上げ対象者に当選状を送付するのだが、今回はその対象者である有田氏が、衆院選挙に出馬していることから、前例のない判断を迫られることになった。

 前例ない判断とは何か?

 それは、中央選挙管理委員会は参院議員の繰り上げ当選状を有田氏に送るだけでなく、有田氏は中央選挙管理委員会からの文書到着後、5日以内に〃り上げ当選を承諾するのか、繰り上げ当選を辞退するかの判断を要請されることに関連している。

 具体的には、有田氏に送られる文書がいつ到着するかが問題となるわけだ。

 有田氏が文書に回答し返送する期日が衆院議員選挙の開投票日以前であれば問題ない。しかし、万一以降となったとすると、有田氏は衆院選挙に落選しても、参院議員に当選することになるのである。

 このような事態は、中央選挙管理委員会の事務局でもある総務省選挙課選挙管理係の小川係長にしても日本の選挙史上はじめてのことで、前例がないというい。


●事の成り行き

 周知のように、有田氏も田中氏同様、総選挙に8月18日に東京11区に立候補し、衆議院議員選挙を連日闘っている。

 常識的に考えれば、有田氏が政治家として衆院選挙に立候補しているということは衆議院議員となり政治活動を行うためのことであり、中央選挙管理委員会から参議院議員の当選状が届いたとしても、それを辞退し、衆議院議員選挙に邁進するのが当然である。

 ましてや中央選挙管理委員会から有田氏への当選状及び判断文書が8月23日に到着すること、すなわち衆院議員選挙の開投票日以降に回答できなくなることが判明した後なので、有田氏や新党日本は検討する余地なく、有田氏は繰り上げ当選を辞退するのが当然であろう。

 ところで、この有田氏問題をメディアがどう報道したかだが、次のスポーツ報知の記事がそれを象徴している。

有田氏困った!貴重な参院議席か衆院選か…新党日本
スポーツ報知  2009.8.21

 衆院選出馬取り下げか、参院議席ゼロか―。新党日本・田中康夫代表(52)の衆院兵庫8区くら替え出馬に伴って、参院議員への繰り上げ当選の権利を持つ有田芳生氏(57)が、28日までに繰り上げ当選を辞退しない限り、公選法の規定により、衆院選の立候補は自動的に取り下げとなることが21日、分かった。

 有田氏は、あくまで激戦となっている衆院東京11区での戦いを優先する意向。有田氏が繰り上げ当選しなければ、名簿の都合上、同党の参院の議席はゼロとなるだけに、新党日本にとっては究極の選択を迫られている。

 選対事務所内での田中代表との約40分間に及ぶ会談を終えた有田氏は、迷わず言った。「今、(選挙活動を)辞めちゃったら、僕たちと民主党に期待してくれている人たちを落胆させてしまう。自民党政治を変えたい人の希望を絶つことはできない」。戦わずして座れる参院議員の議席を選ぶことはないと明言した。

 比例代表のルールが複雑な事情を招いた。07年参院選の比例代表で、田中代表に次ぐ票を得ながら落選した有田氏は、今回の衆院選で参院からくら替え出馬した同代表に代わって繰り上げ当選者となる立場。しかし、有田氏自身も衆院選に立候補しているため、話がややこしくなっている。

 有田氏の次の得票を得ている平山誠氏は「すでに今年4月に党を離れ、一般企業に勤務している」(同党関係者)。有田氏が繰り上げ当選を選ばなかった場合は、平山氏が権利を有するが、総務省の担当者は「平山さんの資格照会は始めている。離籍しているなら、復党の届け出をする必要がある」とする。平山氏が退職、復党して国会議員を選択する可能性は「非常に低い」(同党関係者)。

 平山氏以外は名簿に記載がないため、有田氏が繰り上げ当選しないと、新党日本唯一の議席は欠員扱いになってしまうのだ。

 小所帯の政党にとって、唯一の議席を失うのは死活問題。「解散のない参院は、残り4年間の安泰が約束されているわけですから、なんとしても手放したくないのは当然でしょう」(関係者)。

 東京11区のライバルである自民党・下村博文氏は、風に左右されやすい東京で連続4回小選挙区を勝ち抜いてきた強豪。民主党に風が吹く現在でも、有田氏苦戦が伝えられる。しかし、「いまさら『やっぱり出馬を辞めます』なんて言ったら大変。新党日本はとんでもない党、ということになる」(陣営関係者)。

 中央選挙管理会は22日に選挙会を開き、繰り上げ当選者として、23日に有田氏に通知する。有田氏が28日午後5時までに当選を辞退しない限り、公選法の規定によって衆院選立候補は自動的に取り下げ。公示後に立候補をやめる異例の事態となる。辞退の期限日が投開票の30日以降ならば「衆院選で負けたから参院議員に」というウルトラCも可能だったが、28日に決定したことで「両面待ち」はできなくなった。

 自身も兵庫8区で激しい選挙戦を展開している田中代表は「まだ、お手紙(通知)も届いてないんだから。どういうお手紙が届くのかな。『訴状がないのでコメントできない』と企業が言うのと同じです。エヘヘ」とごまかしたが、有田氏の希望は聞き入れている。24日に再び会談を行い、党として最終的な決断を下す見込みだ。

 ◆東京11区(板橋区)
   ▽立候補者
  有田 芳生(57)新日新
  徳留 道信(57)共産新
  前田 浩一(38)幸福新
  和合 秀典(67)諸派新
  下村 博文(55)自民前

つづく

「かんぽの宿」問題に酷似する那覇市のおもろまち再開発事業

 

「かんぽの宿」問題に酷似する
那覇市おもろまち再開発事業

おもろまち一丁目住環境を考える会

7 August 2009 無断転載禁
初出:独立系メディア「今日のコラム」


 那覇新都心地区(おもろまち地区)は、沖縄戦最大の激戦地であり、戦後は米軍により強制接収され、30年以上たって、ようやく返還された土地である。

 返還後は新都心開発整備構想のもと、道路や公共施設建設のために、当時の地主たちは所有する土地の約半分を国と地方公共団体に譲渡することになった(所有土地の30%を無償、20%を有償で譲渡)。

 ここ数年、那覇市をあげて問題となっているおもろまち1丁目1番地の土地も、そのような経緯で確保された市行政施設用地であり、那覇市役所の移転先として、おもろまち1丁目1番地1という住所が与えられた新都心整備事業の中心的存在であった。

 しかし、先祖から受け継いだ大事な土地を公共のために仕方なく譲渡した地主や、市役所建設を信じていた市民との協議もなく、翁長雄志那覇市長は突然、一方的に市役所予定地の売却を決定した。

 そして那覇市が「本市にふさわしい」として採用した事業は、当時の都市計画に違反する超高層マンション群・商業施設建設事業だった(32階建マンション2棟 合計640戸、商業ビルは18階建)。

 那覇市行政はその無秩序な事業計画を実現するために地元住民の圧倒的な反対を押し切って用途地域を第二種住居地域から近隣商業地域に変更、建ぺい率も容積率も大幅に引き上げたのです(建ぺい率60%→80%、容積率200%→400%)。

 おもろまちの地元住民は、この大規模開発が惹き起こす生活環境の変化として、交通渋滞や強風被害、圧迫感、日照不足、電波障害、環境汚染、プライバシー侵害など数多くの問題点を指摘してきた。

 さらに地震によるビル倒壊や高層火災など災害の危険性について、超高層ビル群の直下に暮らすことになる住民として強い不安を訴えてきた。

 また、この事業が実行されると、おもろまち地区が首里城から近いため、首里城から市街地や東シナ海を見渡す眺望、景観が損なわれてしまい、沖縄県の観光にも悪影響をもたらすのではないかと懸念する声も多くあがっている。

 住民達は、地元の住環境と沖縄の貴重な景観を破壊する無秩序な事業計画を見直すよう求め、約1万2千人分の署名とともに市や県に陳情を繰り返し行ってきた。

 市の担当者は土地売却前、「土地の所有権が移れば事業者主催の説明会に参加し、住民の要望が事業計画に反映されるよう、那覇市は仲介役としての責任を果たす」と、住民たちに約束したはずであったが、平成20年2月の土地譲渡契約後は手のひらを返し、「市は事業計画を説明する立場にない」として説明会への参加を拒否してきた。

 市の担当者が参加しない事業説明会で事業者は、修正協議を行うどころか、市の指導で実施した環境影響調査の不備や説明の矛盾を住民から指摘されると、一方的に説明会を打ち切り、住民たちの度重なる説明会開催の要求を無視し続けている。

 このような状況の中、住民団体は事業が周辺住環境と都市景観に配慮したものへ修正されることを求めて、平成20年6月、地域再生協議会の設置を要請した。協議会設置要請から約半年がたって平成20年12月にようやく協議会が設置されたが、それはまたしても住民の思いを裏切るものでった。

 協議会での協議項目を雇用や経済効果、完成後のまちづくりに関する事項に限定し、「建築物の配置や構造に関することは除く」と記された協議会設置要綱を市が作成していたからである。

 協議会が設置されることになった経緯を全く無視し、地元住民が不安を抱いている様々な問題について解決するための協議ができないような規則を那覇市が決定してしまったのだ。

 協議項目や構成員に制限を加える那覇市の行為は、地域再生法にも違反するものであると考えられるが、それでも、あえて住民たちは、その設置要綱の規定の範囲内で「防災対策」、「住環境や景観の保全」等に関する協議を求めたが、それさえも「市長が協議になじまないと判断した」という理由で拒絶されました。

 現在行われている協議会は、「沖縄全体の雇用状況」や「IT事業の可能性」等の抽象的な説明に終始し、3回目の会合が終了した現時点においても、委員に対して具体的な事業計画の内容は全く明かされていない。

 市は超高層ビル群の被害から地元住民の生活を守るための議論を全面的に排除するだけでなく、市長がこの事業の大義名分としている「雇用創出」や「経済効果」についても具体的な資料を全く提示しない。

 単なる「アリバイ作り」の会合が、市民の大切な税金を浪費して繰り返されている。

 実質的な説明や議論を行わず、ただ回数だけを重ねて「実績をつくる」というやり方は、この2年間、市や事業者が行ってきた地元住民に対する説明会と全く同じものだ。

●「市有地の安売り」‥‥‥48億円を市民に取り戻すため裁判中

 住民団体は、今回の土地売却が「市有地の安売り」だと指摘し、翁長那覇市長に48億円の損害賠償を求める住民訴訟を提起している。

 那覇市行政はその土地が第二種住居地域であった時点の不動産鑑定をもとに売却価格を設定したが、譲渡先に選定された業者(大和ハウス、オリックス不動産、大京)の要求に合わせて、土地の用途地域を近隣商業地域に変更し、建ぺい率も容積率も大幅に引き上げた。

 そのため結果的に、市場価格を大きく下回る価格での市有地売却となった。

 市長は、“商業地”に変更され、価値が大幅に上昇した市有地を、以前の“住宅地”の価格で売却してしまったのである。

 この市有地処分における那覇市の損害額は、近接する日本銀行那覇支店用地の取引価格を参考に、約48億円と推定している(日銀179万円/坪に対し本件土地106万円/坪)。財政難を理由に市有地売却を決定したはずなのに、正当な対価を業者に求めようとしない行政の態度は不可解でならない。

●「かんぽの宿」問題とおもろまち問題

 那覇市の元市役所予定地の土地取引は、全国的に大きな問題となっている「かんぽの宿」問題とも密接に関係している。

 おもろまちの元市役所予定地は、冒頭にも述べたとおり、公共公益施設用地として使用することを約束して、市が地主たちから譲り受けた土地であるから、本来、民間への売却は法的に不可能な行為であった。

 しかし、平成18年5月の「公有地の拡大の推進に関する法律」の改定で、先買い制度に基づき取得された土地でも一定の条件を満たせば処分できることになり、翁長那覇市長は突然、市役所予定地の売却を表明した。

 この法改定にはオリックス宮内会長が議長を務めた規制改革・民間開放推進会議が大きく関わったといわれている。

 そして、土地売却処分を担当する市職員は同年7月、先進事例として兵庫県の2つの事業を視察したが、その事業グループには、2か月後のおもろまち事業募集に共同企業体として応募し、選定されることになるオリックス不動産とその関連企業(大京)が含まれていた。

 しかも視察事例の一つである神戸市御影工業高校跡地事業については、安易に用途地域の変更がなされ、売却先決定後に初めて住民説明会が行われるといった、おもろまちと酷似した住民無視の事業計画が進められ、神戸市は那覇市の視察当時には地元住民から「市有地を32億円安売りした」として住民監査請求され、現在も住民訴訟中であることが明らかになった。

 当時、視察について全く情報を持たなかったおもろまち住民が、神戸市住民の後を追うように「市有地の安売り」を主張し住民訴訟を起こしたことは単なる偶然として片づけられるものではない。

 市長は、一坪あたり約106万円の元市役所予定地の売却価格を正当化するために「元郵政メルパルク用地(県立博物館・美術館向い)が一坪あたり120万円弱で取引された」と市議会で述べたが、最近になって、それもまた、日本郵政とオリックス関連企業との土地取引だと判明した。

 しかも、その土地は旧郵政省が1999年当時、一坪あたり約230万円で購入した土地であることも分かったのだ。

 この10年間、那覇新都心地区の地価は毎年上昇し続けていたにも関わらず、郵政はその土地を取得したときのほぼ半額でオリックス子会社に売却したことになるす。

 翁長市長の発言は、元市役所予定地の土地取引に対する疑念をさらに深める結果となっている。
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