青山貞一ブログ

独立系メディア「今日のコラム」に連動するブログ

2011年06月

青山貞一  原発と民主主義 (独立系メディア E-wave Tokyo)


みなさま

 池田こみち(E-wave Tokyo)です。

 私がインタビューアーになり(独立系メディア E-wave Tokyoで青山貞一さんに一問一答形式で「原発と民主主義」につき約1時間15分お話を伺いました。多くの重要な論点が整理され、同時に今後の日本社会を考える上で重要な政策提言がたくさん盛り込まれています。
 
 ぜひ、ご試聴ください。

 なお、USTREAMでは全一本で1時間15分、You Tubeでは、1本10−15分で6本となっています。いずれも同じものです。

Recorded on 2011/06/27
 原発事故問題を解決する際、当然のこととして科学的、技術的問題が重要になるが、欧米諸国、とくにドイツ、イタリア、アメリカなどでは国民投票など直接民主制度が活用され、民意に基づいた政策判断、決定がなされている。日本では、従来の「政官業」の利権構造に加え、「政官業学報」、すなわち「学」など御用学者と「報」、すなわちマスコミが原発開発や立地の推進力となり、まともな情報公開や議論がないまま強引に推進されてきたきらいがある。本番組では、情報公開論、市民参加論、意思決定論、代替案論、マスコミ論、などを公共政策論と
して従来から展開している青山貞一東京都市大・環境総合研究所調に「原発と民主主義」と題し、原発やエネルギー問題を国民、市民の主体的考え、意向との関連で政策立案し、意思決定してゆくためにはどうすればよいかについて、一問一答の形式で聞いている。実感として、国内だけでなく世界中の現場をつぶさに見聞きしてきた青山さんの指摘と提案は、説得力がある。日本国民必読だと思う。
 
 池田こみち 独立系メディア E-wave Tokyo

◆USTREAM(1時間15分)

◆You Tube(1本平均14分))
その1
その2
その3
その4
その5
その6

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  池田 こみち  Komichi Ikeda
   環境総合研究所   Environmental Research Institute (ERI)

イタリア、国民投票で投票者の94%超が脱原発選択! 青山貞一


 世界的に注目された福島原発事故後のイタリアにおける原発再開の是非を問う国民投票は、6月12日、13日の2日間行われ最終的に投票率が約57%で、50%の成立条件をクリアーした。

 そして、投票した有権者の94%超が原発再開反対に投票したことから、イタリアの脱原発路線が法的にも明確になった。

 フランスと協定し、今後、原発再開を目指していたベルルスコーニ首相は13日の記者会見で「原発よ、さようなら。これからは持続可能な自然エネルギーの時代だ。」と認めたという。

 ここ数年間、幾度となく淫行スキャンダルにまみれているベルルスコーニ首相は、脱原発だけでなく、自身の首相としての立場もバイバイとなる可能性が大である。

 福島第一原発以降、EUではドイツ、スイスに次いで3国目の「脱原発」国家の誕生となり、今後、他のEU諸国にもこの流れが波及するものと推測される。

 また、州単位でのイニシアティブ、レファレンダムなどの直接民主制度をもち、すでに多くの州で実質的に脱原発(既存原発が償却年限が来たら廃止で新規立地なし)となりつつある米国でも、さらに「脱原発の動き」が加速化すると思われる。

 もっぱら、米国では全国的な動向とは別に、カリフォルニア州のサンホセ周辺のアルタモント丘には数1000規模の風力発電ファームが立地開発されている。今後、米国の環境志向州では、脱原発の動きに弾みがだろう。


カリフォルニア州アルタモントの丘に設置された5000基を超える風力発電装置
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 in Wind Farms near Livemore in California

 下の写真をご覧頂きたい。よくもまぁこんなに沢山の風車を同じ場所に設置できるものだ、と思えるほど多数の風車が立地されている。背景にある丘の上にも多くの風車が立地されている。


カリフォルニア州アルタモントの丘に設置された5000基を超える風力発電装置
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10 in Wind Farms near Livemore in California


 米国、ロシア、カナダなどの大国で今後、脱原発が進む大きな理由のひとつは、いわゆるシェールオイルの巨大な確認埋蔵が確認されたことが理由である。

  
米国内のシェールオイルの埋蔵予想地

 米国、ロシアでは、このシェールオイルを今後数10年間、石油、天然ガスの代替エネルギーとして援用して行ける見通しがつきつつあり、福島原発事故以降、脱原発の流れが進むと推測される。

イタリアも脱原発 国民投票成立、再開反対9割超す
 2011年6月14日 02時07分

 【ローマ=清水俊郎、佐藤康夫】1986年の旧ソ連・チェルノブイリ原発事故を契機に全廃した原子力発電の再開の是非を問うイタリアの国民投票は13日、2日間の投票が締め切られ、即日開票が始まった。内務省によると、在外投票を除いた投票率は56・99%となり、国民投票の成立条件である50%を満たした。再開反対が94%超と圧勝し、イタリアの脱原発が決まった。

 同国では、低投票率による国民投票の不成立が95年から続いており、成立は16年ぶり。

 福島第1原発事故を受けた反原発の世論の盛り上がりを浮き彫りにし、欧州では既にドイツとスイスが将来的に国内の全原発の停止を決めている。これに続いてイタリアでも反原発派が勝利したことで、世界の脱原発の動きが加速する可能性がある。

 国営ラジオによると、原発再開を目指していたベルルスコーニ首相は13日の記者会見で「原発よ、さようなら。これからは持続可能な自然エネルギーの時代だ。」と認めた。

 福島の事故後に自国の現段階の原発再開計画を無期限で凍結し、国民投票の回避を図ったが、将来の原発再開も難しくなる。
(中日新聞)

イタリア、今後の原発立地・稼働を問う国民投票実施中!  青山貞一

イタリア人と言えば、ラテン系の明るくおおざっぱな気質と思われがちだが、何度もイタリアにでかけていると、もちろんそういう面もあるにはあるだろうが、こと政治や民主主義に関しては、ローマ帝国の元老院のころから世界をリードしてきたと言っても過言ではない。

 この3月9日、成田を発ちローマ、ナポリ経由でソレント、アマルフィ海岸に現地調査ででかけた。現地に着いた翌々日に東日本大震災が起きた。


筆者、南イタリアのピアノ・ディ・ソレント(Piano di Sorrento)近くにて
撮影:池田こみち氏

 イタリアの大マスコミは、連日連夜、地震や津波とともに福島第一原発事故を報道しまくっていた。

 とくにテレビでは連日、TG1、TG2,TG3というテレビ局が専門家や研究者さらに活動家、実務家などさまざまな立場のひとをスタジオに呼び、右左に分かれキャスターの司会のもと、原発建設再開論者と脱原発派による激しい議論が闘わされていた。


イタリアTG3テレビにおける福島原発巨大事故
報道をつとめたBianca Berlinguerさん
撮影:青山貞一


イタリア国立原子物理研究所の
ジョバンニ・フィオレンテーニ所長
撮影:青山貞一


議論に参加していたイタリアの女性研究者?
撮影:青山貞一

 ところで、イタリアでは、チェルノブイリ原発事故が起きた翌年の1987年の11月に、原発の建設と稼働に関する法律の廃止を求めた国民投票が行われ、1990年までに稼働していた以下に示す全4基の原発及び燃料加工やリサイクル関連の施設を閉鎖した。



 その意味で、イタリアはドイツや米国よりも早く、国民の意思で直接民主主義的に脱原発を実現した国と言える。

◆諸外国の国民投票制度(PDF)

 実際、イタリア滞在中、会う人に私たちが、日本人であることが分かると、Fukushima Nuclear Power Plant incidente と寄ってきたほどである。
 
 しかし、かのなんども「淫行」問題でスキャンダルを起こしているベルルスコーニ首相は、2009年、サルコジ仏大統領とローマで会談し、イタリアでの原子力発電所建設に向けた協力協定に署名していた。

 同協定によると、フランスの電力公社EDFと伊電力大手ENELが合弁会社を設立し、2013年までに新たな原発建設に着手するというもので、2020年までに計4カ所の原発を建設、稼働させる計画となっていた。

 そして今年3月の福島第一原発の事故、それもメルトダウン(チャイナシンドローム)を受け、ベルルスコーニ首相による原発建設立地・稼働の是非を問う国民投票を行うことになった。

 ただし、この国民投票は、投票率が50%超であることが前提となる。イタリア内務省によると有権者は18歳以上の約4735万人が対象となる。

 このイタリアの原発を巡る国民投票制度は、チェルノブイリ事故翌年の1997年以降、投票率が50%をなかなか超えずに不成立が続いている。

 しかし、上述してきたように、Fukushima Nuclear Power Plant incidente 後もであり、当然、元祖脱原発のイタリアで国民投票が成立するかどうかが大きな焦点となっている。


イタリア、原発再開で国民投票 投票率5割超え焦点

 【ローマ共同】イタリアで12、13日の2日間、原発再開の是非を問う国民投票が実施される。3月の福島第1原発事故を受けて反原発世論が高まっており、反対票が過半数となるのは確実な情勢。国民投票成立の条件である、50%を超える投票率が達成されるかどうかが焦点となっている。

 福島の事故後に原発の国民投票が行われるのは世界で初めてとみられる。反対派が勝利すれば、欧州など他国の原子力政策への影響は必至。投票は13日午後3時(日本時間同午後10時)に締め切られ即日開票される。結果判明は同日深夜以降の見通し。


ティベリ川の河畔にある最高裁判所
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10


ティベリ川の河畔にある最高裁判所の屋上にある馬の像
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S10

現実味を帯びてきた菅内閣不信任(3)  青山貞一

今回ばかりは、国民も何が問題かをしっかりつかんでいるようだ! 

 日本経済新聞とテレビ東京が5月27日〜30日に行った世論調査で、政府の原発対応について「評価しない」は74%(4月調査より4ポイント増)に達しており、「評価する」の16%を大きく上回ったという。

 また菅首相の交代を望む声が日に日に強まっており、。「できるだけ早く交代すべきだ」の21%、「震災・原発対応が一段落したら交代すべきだ」の49%を含めると実に7割が菅退陣を望んでいることがわかったという。

◆世論調査「原発対応まずい」 74% 「首相交代すべき」 70%%
日刊ゲンダイ2011/5/30)  菅内閣の原発事故への対応のまずさが総スカンを食っている。

 日経新聞とテレビ東京が27〜29日に行った世論調査で、政府の原発対応について「評価しない」は74%(4月調査より4ポイント増)に達し、「評価する」の16%を大きく上回った。

 これを受けて、首相の交代を望む声が日に日に強まっている。「できるだけ早く交代すべきだ」の21%、「震災・原発対応が一段落したら交代すべきだ」の49%を含めると実に7割が菅退陣を望んでいるのだ。  

  ちなみに内閣支持率28%に対し、不支持率は62%に急増。不支持の理由(複数回答)では「指導力がない」が73%と、日経が調査した歴代内閣で最多を更新した。指導力不足に次いで「政府や党の運営が悪い」(49%)、「安定感がない」(46%)と至極当然の声が多い。

 国民の7割が菅総理、首相の退陣を望んでいるという数字は、自民党時代でもない数字である。  私は、前編で「政治家=結果責任」を力説したが、菅首相は就任後、重要な選挙のすべてで大敗したにもかかわらず、知らんぷり、一切、責任を取らず、大震災、原発への対応を理由に菅政権の退陣を拒否してきた。


 しかし、リーダーシップ、ガバナンス、リスク管理、情報公開、いずれをとっても最悪となっている菅政権がこのまま継続し大震災、原発へいい加減な対応をとることの方が、よほど被災地の人々にとって、そして国民にとって耐え難いことであるはずだ。  大震災対応や東電問題のみでなく、消費税問題しかり、沖縄普天間基地問題しかり、もともと民主党が政権交代時に掲げたさまざまな公約、準公約への対応しかりである。

 このままでは、一体何のために国民が半世紀続いた自民党の圧政から政権交代を選んだか意味も価値もなくなる。  前編「現実味を帯びてきた菅内閣不信任案」に書いたように、今週、衆議院の本会議で菅内閣の不信任決議案が提出される可能性が一段と高くなってきた。

 小沢氏の基本的考えは、自民党との大連立ではなく、内閣不信任決議案賛成→内閣総辞職→民主党から新総理選出であろう。

 一方、菅政権と民主党執行部は、以下の記事にあるように、野党から内閣不信任決議案が提出された場合、党が一致して否決する方針で臨み、党内から賛成や欠席者が出た場合は厳正に対処することで一致したと党幹部が明らかにしたという。

 今まで自らの失政に何ら責任を取ってこなかった菅内閣と岡田幹事長が下の記事にあるように、不信任案同調者や本会議欠席者などの造反議員には厳正な対処をとると息まいているのはトンデモである。

◆不信任案、造反は厳正対処=岡田、輿石氏が一致−民主
http://www.jiji.com/jc/p?id=20110530161327-0918003&n=1  

 民主党の岡田克也幹事長と輿石東参院議員
会長は30日、野党から内閣不信任決議案が提出された場合、党が一致して否決する方針で臨み、党内から賛成や欠席者が出た場合は厳正に対処することで一致した。党幹部が明らかにした。  (2011/05/30-15:20)

 実際に不信任決議案が可決されるためには、衆議院定数480(欠員1で479)の過半数240が必要である。

 自民、公明、みんな、共産など野党で不信任案に賛成にまわる勢力は概ね160票なので、80票は不足する。

 小沢グループは衆院で100名近くいるはずだが、実際に不信任案に賛成する議員は、推定で最大60−70票前後なので、10ー20票が足りない。  民主党執行部から無期限の党員資格停止処分を受けた小沢一郎氏は、この5月30日、最終的に菅内閣不信任案に賛成する意向を明確にするとともに、態度を明らかにしていない鳩山由紀夫前総理らと会談している。それは上記残りの10−20票の賛成票を得るためである。


 もちろん、民主党の衆議院議員で菅内閣不信任案に賛成しないまでも欠席する議員がいれば当然、それだけ過半数のハードルが低くなる。それを見越して岡田幹事長や安住国対委員長は上の時事通信の記事にあるような締め付けをしているだが、小沢グループはじめ中間派議員の本気度は、今までになく高い。

 おそらく小沢氏は、自ら不信任案に賛成し、それが否決された場合は、衆院のみでなく参院のグループ議員を引き連れて民主党を出て新党を設立する覚悟であろう。  いずれにせよ、国民も自民党に戻ったら元も子もないという認識で、今の菅政権の継続をやむなく支持する割合は、今までになく少なくなっている。

 また民主党国会議員にしても、今のままでは次回の選挙で民主党は大敗し、それこそ国民の多くが恐れる自民党の復権の悪夢の津波が押し寄せる可能性が大である。  事実、自民党がこの春の統一地方選にあわせ実施した選挙区別の詳細な調査によれば、今総選挙を行えば自民党が300議席を得るとされており、民主党議員が既得権益的に今の菅政権にすり寄っていては将来がないことを自覚しなければならないだろう。  いずれにせよ、正念場である!
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