青山貞一ブログ

独立系メディア「今日のコラム」に連動するブログ

2012年01月

がれき(災害廃棄物)に含まれる 放射性物質量と放射線量の 関係について(推計)


  がれき(災害廃棄物)に含まれる放射性物質(おもにセシウム)の含有量(単位:ベクレル/kg)と放射線量(単位:μSv/h)の関係について質問が多数寄せられていますので、以下に私が書いた学会論文(1)と独立系メディア E-wave Tokyo(2)に書きました論考から、推計式を示します。

   ただし、土壌の場合は膨大なデータがありますが、放射性物質を含むがれき(災害廃棄物)に関しては、両者の関係式を割り出すための基礎データがほとんどないので、あくまで参考にとどめてください。

<土壌の場合>

 ご質問の件ですが、土壌に含まれる放射性物質の含有量と時間あたりの放射線量(μSv/h)との間には、以下のような関係がおおむね認められていますが、これはあくまで土壌の場合であり、放射性物質を含むがれきではありません。

  私どもが文部科学省の土壌に含まれる放射性物質の 含有量(単位:Bq/kg)と放射線量(単位:μSv/h)データの相関分析を行ったところ、おおむね10,000Bq/kg=1μSv/hとなりました。

 ただし、上記におけるμSv/hは地上1mの高さで土壌からの放射線量を計測した値となっています。データ数は1,356地点です。  上記については、私たちの以下の論文の4.に書いてありますので、ご覧ください。

※(1)◆青山貞一・鷹取敦・池田こみち  福島原発事故に起因する放射性物質による地域汚染の実態解明と汚染構造の把握(速報)、環境アセスメント学会誌、2011年 Vol.9 No.2 
 http://eforum.jp/aoyama-takatori-ikeda_assess_society-2011-9.pdf

 私たちの解析に類する値は、以下のURLにある推計でも、ほぼ同様の値があります。以下はそのうちのひとつです。  http://www.justmystage.com/home/suzakihp/fk2/f25.html  ただし、以下の推計では、当初、単位が Bq/kg ではなく Bq/m2 (平方メートル)となっており、後半の方に、 Bq/kg と Bq/m2 の換算式があります。 

 それによれば おおむね  1Bq/kg = 20Bq/m2 となっており、単位をBq/kgにすると、私たちの解析値とほぼ同じ値となります。 <がれきの場合>  一方、がれきについては、がれき中の放射性物質の含有量を測定したデータ、とりわけ土壌のように多くの測定数のデータは見あたりません。以下は私が書いたがれきの場合の推計です。

※(2)◆青山貞一;不透明な瓦礫処理と環境・利権問題  掲載月日:2011年10月5日  
   独立系メディア E−wave Tokyo
   http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col1188..html

 以下は関連論考 ◆青山貞一:「除染」は「移染」そして「利権」  独立系メディア E−wave Tokyo  以下は上記の論考の関連部分であり、  おおむね 6,000Bq/kg = 1μSv/h から

 8,000Bq/kg = 1μSv/h となっていることがわかりましたが、あまりにも基礎データ数がすくないので、土壌ほどの信頼性はないと思います。

 以下、上記の論考の関連部分  放射性物質に汚染された瓦礫やそれを焼却処理した場合の焼却灰の放射能(Bq/kg)と空間線量(μSv/hなど)の相関分析結果はあるものの下水汚泥についてはほとんどありませんが、同一のBq/kgなら土壌より下水汚泥の方がμSv/hがやや高いと推察されます。

 理由は下水汚泥の方が均一に放射性物質が入っているからです。土壌の方がやや深いところに放射性物質が少ない部分がある、つまり分母がその分大きくなって薄められる(=Bq/kgが小さめになる)のではないかと推察されます。  その後、以下のURLにある原子力安全基盤機構 廃棄物燃料輸送安全部による「災害廃棄物の放射能濃度の推定方法について」平成23年6月19日という報告を見つけました。

 http://www.env.go.jp/jishin/attach/haikihyouka_kentokai/03-mat_2.pdf  

 上記の報告を見ると6,000Bq/kgで約1μSv/hとなっており8,000Bq/kgだと1μSv/hを超えることが分かりました。  仮に上記の土壌に類すると仮定すると8,000Bq/kgは1μSv/hを超えることになり ます。そもそも、環境省は、これについての実証分析を行いデータを公表していないことが問題です。

 上記の仮説がそこそこ正しいとすると、国や自治体が汚泥や焼却灰を8,000Bq//kg以下だから管理型処分場に処分してもよいというのは、きわめて乱暴な話となります。まして10万Bq/kgも管理型処分場に処分できるとなったら大変です。

 というのも、処分した汚泥や焼却灰が乾燥し、管理型最終処分場から放射性物質を含むあるいは付着した粒子状物質が再浮遊すれば近くの住宅地の大気や土壌、植物を汚染し、その空気を吸った住民はもともと地面から受ける放射線に加え、それらの放射線の曝露を受けることです。

 ちなみに8,000Bq/kgで年間8760μSv超、になります。

 8,000Bq/kgで年間8760μSvとしたら8万/kgだと88mSv、約10万Bq/kgだと約110mSv超となります。

追記
  昨年秋、10月と12月に福島県いわき市の薄磯地区でがれきの放射線を測定する機会がありました。測定は地上1mでがれきからの距離は約1mです。値は0.7μSv/h超えとなりました。以下にデータを示します。

◆青山貞一・池田こみち: 第5次福島県放射線現地調査結果<福島県いわき市小浜港〜薄磯海岸> http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col1200..html

 先に示した関係式から推計すると、ここの瓦礫に含まれるセシウムの含有量(放射能量)は、 4200Bq/kgから5600Bq/kg となります。

繰り返す津波被害の半分は人災である?  後日談  青山貞一

 昨年12月末に録画し、数日前にYouTubeにアップしました「繰り返す津波被害の半分は人災」の動画は、1時間ものですが、現在、アクセス数が伸びています。まだ見ていない方は、ぜひご覧ください。
 

◆青山貞一:繰り返す津波被害の半分は人災である? You Tube 
 http://www.youtube.com/watch?v=ZeVrP2YTxAs
 

 私がこの動画で強調したかったのは、まともな土地利用規制をせず、一方、強大で巨額の防波堤、防潮堤をつくりながら、数万の死亡者をだし、多くの住民の固定資産や財産を流出されていることです。
 

 動画で述べたように、このような津波の被害は1000年に一度ではなく、100年に一度程度の規模で来ており、その都度、万を超す死亡者がでています。内務省資料や吉村昭氏の著作などをぜひ、ご覧下さい。
 

 ※貞観三陸津波、慶長三陸津波、明治三陸津波、昭和三陸津波、
  東日本大震災津波など。ぞれぞれの間にも宮城沖、チリ津波
  など多くの津波が到来しています。
 

 結局、原発事故同様、1000年に一度などと言うことで、あらゆる国、自治体などの国家賠償責任を逃れようとしている意図がミエミエです。実際、過去この種の国家損害賠償裁判は住民側が敗訴しています。

 だとしたら、何のために国から市町村の行政が存在するのか?という疑問がでてきます。
 

 中世の欧州のように小さな都市国家をつくり、クロアチアのドブロブニクやモンテネグロのコトルのような都市、さらにイタリアのアマルフィのような海洋都市国家の方がよほど、自然災害や外敵からの防御に対応できたと言えます。クロアチアのドブロブニクの場合、強固な城壁は高いところでは30mに及んでいます。これは外的を守るためのものですが、アドリア海で巨大地震があり、巨大津波があってもおそらくびくともしないでしょう。
 

 高台移転と言えば、南イタリアのアマルフィ海岸が世界的に有名ですが、この海岸にある小さな過去の都市国家は、9世紀から今日まで自律的、持続的なまち、それも小さいがキラリと光る歴史と文化、風土を生かしたまちづくりを続けています!
 

 これを機会に、本気で地方分権、地方主権を考える必要も出てきます! 原発事故同様、無責任な国、行政、審議会、委員会などに自分たちの生命や財産をまかすわけには行かないと本気で感じます。
 

 ところで、正月にたまたま国土交通省の顧問と話す機会がありましたので、私は次のような質問をしました。
 

々顱⊆治体の行政は、建築確認を出し、開発許可を下し、また埋め立て免許を出してきた主体である。いわばそこに住んでもよいとお墨付きを与えてきた当人が、津波被害で国家賠償責任を一切負わないのはおかしい、

△覆次∈2鵑盖霏臘號匹鬚弔ような土建的な事業、工事ばかりが先行するのか? 

さらになぜダム事業では住民を強制的に移住させながら、津波被害地で、なぜ、法的な土地利用規制、立地規制をしないのか、

に莢鷁神蘓裕模の住民が亡くなっている地域でなぜ、高台移転ないし集団移転をさせないのか、そのための国家補助的なことをしないのか
 

 △亡慙△靴董∧‥膰内でいわゆる除洗にかかわる巨大利権を原発建設に係わったゼネコンや事故の責任当事者に近い独法の日本原子力開発機構などが得ている実態、現実に似ています!
 

 いずれの質問にも、誠実な答えは返ってきませんでしたし、い砲弔い討蓮◆峭眤罎覆鵑ない」と怒鳴っていました。
 

 残念ながら私が動画を制作したのは、昨年末であり、上記についての議論内容は動画に十分反映されていませんが、国や自治体は、津波被害の大部分を住民自身におっかぶせ、他方、NHKの特番などでも県などは、サプライチェーンや企業にばかり復旧、復興の補助金を出すことに力を入れているのはまったくおかしいと感じます。
 

 実は原発同様、ここでも国、とくに国土交通省系の官僚や審議会、委員会などの無責任さ、また何でも鉄とコンクリートで自然災害をおしこめいようとし、結果的に災害を大きくしている土建的体質が問われます。
 

 なにしろ、数万人単位が亡くなり、家屋、家財道具、資産などがす、べて流出している膨大な数の世帯がある実態を、行政の責任の視点から問う視点がなければいけないと思います。  

繰り返される津波被害の半分は人災である! 青山貞一


  昨年4月から12月まで三陸海岸、それに宮城南部、福島全域の海岸を現地調査し、それをもとに制作した動画です。

 私見では、歴史的に見てこれほど何度となく繰り返され多くの死亡者など甚大な被害がでている津波ですが、行政が開発許可や建築確認を出している場所で起きていること自体、異常なことです。

 本来、国、自治体は死亡者や財産を喪失したひとびとに国家賠償責任を追うべきと感じました。
 
 その意味で繰り返す津波被害は天災であるとともに、間違いなく人災であるというのが、この動画で私が最も言いたかったことです。

◆青山貞一:繰り返す津波被害の半分は人災である? You Tube 
 http://www.youtube.com/watch?v=ZeVrP2YTxAs

 なお、動画の後半では高台移転などイタリアの事例、また放射性物質に汚染された瓦礫処理問題についても政策提言しています。

 ぜひ、見てください!
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