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政治献金

政治資金報告書に見る政治家の非常識 第3回 電力・電機系議員


 政治資金収支報告書の最新版、すなわち平成23年11月30日公表(平成22年分 定期公表)政治資金収支報告書と政党助成金使途等報告書が公開された。

 報告書を丹念に見ると、 政治資金収支報告書から東京電力などの電力会社の経営者や幹部社員が毎年毎年、原発を推進する議員に企業ぐるみで献金していたことが分かっている。下はその関連記事である。

◆東電組織ぐるみ 自民党献金問題の根深さ(日刊ゲンダイ)【政治・経済】
2011年10月11日 掲載
http://gendai.net/articles/view/syakai/133050

「小沢のカネ」よりはるかに重大<電力・与党の癒着が原発事故をもたらした>

 「小沢事件」よりも、こちらの方がよっぽどタチが悪いカネだ。東京電力が09年ごろまで、自民党の政治資金団体「国民政治協会(国政協)」に“事実上”の企業献金を続けてきた疑いがあることが判明した一件である。

 朝日新聞の報道によると、政治担当の東電役員が国政協との窓口になり、会長、社長は各30万円、副社長は24万円、常務は12万円――などと役職に応じて年間の献金額を差配。国政協に対する東電役員の献金額は、95〜09年の15年間で少なくとも計5957万円に上るという。電力会社は「事業の公益性」を理由に74年から企業献金しないと公言してきたが、これが大ウソだったわけだ。

 「“二枚舌”だったのは東電だけではありません。『関西消費者団体連絡懇談会』が今夏に公表した調査結果によると、全ての電力会社が東電と同じ仕組みで“事実上”の企業献金を行っていた疑いが指摘されています。06〜08年の献金額で東電に次いで2番目に多かった関西電力は、社長30万円、副社長20万円、常務12万円といった具合です」(経済ジャーナリスト)

 先月の「西松事件」の裁判(陸山会事件と併合)では、民主党の小沢元代表側に対する献金額について、小沢の元秘書が会社側と献金額を決めていたなどと裁判長から“推認”され、元秘書は有罪判決を受けた。西松マネーは小沢以外にも、自民党の森元首相や二階元経産相など18人の議員に渡っていた。しかし、立件され、有罪判決まで出たのは小沢のケースだけ。これ自体、不可解だ。

 今回発覚した東電による長年にわたる組織ぐるみの献金は問題にならないのか。電力業界と政権与党がタッグを組んだら怖いものなしである。何の根拠もない「安全神話」の下で原発政策が強力に推進されてきたのも、長い間、自民党(国政協)と電力会社の強力な癒着があったからこそだ。

 大新聞テレビは「西松事件」や「陸山会事件」の際、「カネで政治を歪めるな」などと、ごもっともな主張をしてきた。ならば、電力会社が“事実上”の企業献金を続けて原子力政策を歪め、揚げ句に史上空前の大事故を起こした責任は糾弾しないのか。

 政治評論家の本澤二郎氏がこう批判する。

 「大量の放射性物質をまき散らした東電の責任は、西松事件などと比べようがないほど大きいものです。小沢議員を調べた東京地検は今こそ東電を強制捜査して徹底的に調べる必要があると思うが、全く動かない。国会も社長らを参考人で呼ぶだけで、厳しい追及はしない。大マスコミも沈黙したまま。他方、小沢事件については、国会も大マスコミも刑事裁判が始まった小沢議員を『証人喚問しろ』と批判しているからクビをかしげてしまいます。小沢議員は『権力の乱用』で追い込まれたが、東電は逆に『権力の乱用』で救済されようとしている。どう考えてもおかしいと思います」

 その通りだ。今の日本は、法治国家とは言えない状況になりつつある。国民生活にとって何が重要な問題なのか、あらためて考えた方がいい。

 電力業界と国会議員らとの関係の根が深いのは、何も電力会社幹部による自民党原発推進議員への献金にとどまらないことだ。
 
 東京電力はじめ中部電力、関西電力、九州電力、東北電力、中国電力などの労組から参議院議員、衆議院議員さらに都道府県議員などに、ひとつひとつは小さくても、まとまると巨額の献金がなされている。

 そこに登場するのが民主党の以下の2名の議員である。

小林正夫 参議院議員 民主党
川端達夫 衆議院議員 民主党


 
 平成23年11月30日公表(平成22年分 定期公表)政治資金収支報告書から上記2名など電力事業関連系議員に献金したり政治活動をしている政治団体は、以下のように膨大な数がある。よく見ると休眠中のような組織があったり、平成22年分の報告書には直接上記の議員の名前がでてこない組織もあるが、電力労組が原発政策、原発事業の推進に関連し、いかに国政にコミットメントしてきたかが分かる。

 以下の政治団体は、平成22年分の政治資金収支報告書からひとつひとつひろったものである。抜けがあるかも知れないが、すさまじい数である。

●電力会社・電機労連関連政治団体

東京電力労働組合政治連盟
環境・エネ政策研究会 東電労組
関西電力総連政治活動委員会
関西電力労働組合政治活動委員会
九州電保労政治活動委員会
九州電力総連政治活動委員会
九州電力労働組合政治活動委員会
中国電力検針集金員労働組合・政治活動委員会
中国電力労働組合政治連盟
中国電力労働組合政治連盟山陰統括本部
中部電力総連政治活動委員会
中部電力労働組合政治連盟
中部電力労働組合政治連盟愛知県本部
北陸電力総連政治活動委員会
北陸電力労働組合政治連盟
電機連合山陰政治活動委員会
電機連合政治活動委員会
電機連合中国政治活動委員会
電機連合西九州政治活動委員会
電機連合西四国政治活動委員会
電機連合東四国政治活動委員会
電機連合南九州政治活動委員会
電力総連政治活動委員会
四国電力総連政治活動委員会
四国電力労働組合政治連盟
東北電力労働組合政治連盟

 以下は電力関連労組から電力事業、とりわけ原発政策、原発事業推進の国会議員への献金に関連する時事通信の記事である。民主党と電力労組がこれだけの関係がある以上、民主党が原発政策、原発事業から抜け出すことは無理だということが分かるというものだ。

◆電力献金、民主側に1.2億円=労組から出身議員ら中心に

 時事通信 11月30日(水)17時9分配信

 電力会社などの労組連合体「全国電力関連産業労働組合総連合」(電力総連)や東京電力労組の政治団体が昨年、寄付やパーティー券購入などの形で、民主党国会議員や同党系地方議員に少なくとも1億2000万円を献金していたことが30日、総務省などが公開した政治資金収支報告書で分かった。

 一方、原発を持つ全国の電力会社9社の役員(OB含む)315人が、自民党の政治資金団体に約2400万円を寄付していたことも判明。東電福島第1原発事故を受け、原発と政治の在り方が問題となっているが、電力会社労使が一体となって政界に影響力を強めていた構図が浮き彫りになった。

 収支報告書によると、電力総連の政治団体「電力総連政治活動委員会」は昨年、全国の電力会社労組の政治団体などから約6400万円を集金。この中から東電出身の小林正夫民主党参院議員の「小林正夫と民主党を支援する会」に2000万円、小林氏の選挙事務所に650万円を寄付していた。
  
 この他、パーティー券購入代金などとして元原子力政策・立地政策プロジェクトチーム座長の川端達夫総務相側に20万円、江田五月党最高顧問側に5万円を支出。川端氏側は、電力総連の関係団体や関西電力労組の政治団体などからもパーティー券代金など116万円を得ていた。

 また東電は、同党の下条みつ衆院議員側のパーティー券40万円分を購入。同社労組の政治団体「東京  電力労働組合政治連盟」は、同社出身の民主党系地方議員や候補者側に約9300万円を献金していた。関係政治団体を経由して寄付したケースもあり、金額はさらに膨れ上がるとみられる。

 一方、自民党の政治資金団体「国民政治協会」には、沖縄電力を除く電力会社9社の役員らが2426万円を個人として献金。献金額が最も多い東電は、会長と社長が各30万円、副社長6人全員が各20万円を寄付するなどしていた。

 以下は、電力関連産業の労働組合の一覧である。ただし、これらは政治団体ではない。

北海道電力関連産業労働組合総連合(北海道電力総連)
東北電力関連産業労働組合総連合(東北電力総連)
関東電力関連産業労働組合総連合(関東電力総連)
中部電力関連産業労働組合総連合(中部電力総連)
北陸電力関連産業労働組合総連合(北陸電力総連)
関西電力関連産業労働組合総連合(関西電力総連)
中国地方電力関連産業労働組合総連合(中国電力総連)
四国電力関連産業労働組合総連合(四国電力総連)
九州電力関連産業労働組合総連合(九州電力総連)
沖縄電力関連産業労働組合総連合 (沖縄電力総連)
日本原子力発電関連企業労働組合総連合(原電総連)
電源開発関連労働組合総連合 (電発総連)

政治資金報告書等に見る政治家の非常識  第2回 元首相の飲食代

政治資金収支報告書の最新版、すなわち平成23年11月30日公表(平成22年分 定期公表)政治資金収支報告書と政党助成金使途等報告書が公開された。

 日刊ゲンダイは以下にあるように2011年12月2日号で、麻生太郎元首相がわずか1年間で飲食代2260万円を使った事実を記事にしている。いつもながら政治家は、食い物くらい自分で出したらどうかと思う。

 実は、これは有名な話だが、民主党の菅直人首相も、連日連夜、身内や側近議員、秘書等を連れて、赤坂などの超高級焼き肉店などに通っていたと報じられている。

 たとえば、次の記事がある。

 2011年6月29日夜、菅直人首相は秘書官らとのすし店での会食を皮切りに、焼き肉店、イタリア料理店と3軒の飲食店をはしごした。すし店は秘書官室スタッフの送別会。焼き肉店は国家戦略室スタッフの会合で伸子夫人と会食した。首相は28日夜も側近の荒井聡前国家戦略担当相らと会食しており、冷ややかな空気に包まれた28日の民主党両院議員総会を乗り切った解放感を、会食で共有したかったようだ。

 こんな記事もある。

 “ダメ菅”機密費が月1億円!血税が豪華料理に消えた?

に比べ超高額の歳費をもらっている政治家が、何で公費、税金でこの種の飲食をす
違法であるなし以前にかくも政治家は卑しいというか浅ましい。


つづく

出典:日刊ゲンダイ 2011年12月2日

政治資金報告書等に見る政治家の非常識 第1回 みんなの党の飲食代

政治資金収支報告書の最新版、すなわち平成23年11月30日公表(平成22年分 定期公表)政治資金収支報告書と政党助成金使途等報告書が公開された。  

  たとえば、日刊ゲンダイは12月2日号で麻生太郎元首相がわずか1年間で飲食代2260万円を使った事実を記事にしている。いつもながら政治家は、食い物くらい自分で出したらどうかと思う。  違法であるなし以前に、実に卑しいというか浅ましい。  

 そこで独立系メディアE-wave Tokyoでは、今後、何度かにわたり政党、政治家個人を問わず政治資金収支報告書や政党交付金使途等報告書などから国民がみてどうみても理解できない支出について報告してみたい。  第一回目は、常日頃、税金の無駄遣いを問題にしている「みんなの党」(本部)だ。  

  平成23年11月30日公表(平成22年分 定期公表)政治資金収支報告書を見てみたら、麻生太郎元首相には及ばないが、ホテルニューオータニなどの高級料理店の飲食代が次々に出てきた。  

 以下にみんなの党の政治資金収支報告書(本部)の支出の部の一部を示す。見てもらえば分かるが、一度に7万円〜24万円、年間890万円にも及んでいる。何人の会食か分からないが、会議なら国会、議員会館、政党事務所などの会議室がいくらでもつかえる。そこに仕出し弁当で十分ではないか?   

 年間で890万円に及んでいる。麻生太郎議員には及ばない(嗤い)が、声高に税金の無駄遣いを叫んでいるみんなの党として、飲み食いぐらいは自分たちの歳費(一般人の給料)から出したらどうなのだろうか?  

 たとえば私たち大学人や研究者は、学会の懇親会はじめあらゆる会合に関連した飲食は自前が原則である。飲食代は研究費からは出せない仕組みになっている。何で政治家だけが湯水のように使えるのか不思議である!


出典:平成23年11月30日公表(平成22年分 定期公表)政治資金収支報告書


出典:平成23年11月30日公表(平成22年分 定期公表)政治資金収支報告書


出典:平成23年11月30日公表(平成22年分 定期公表)政治資金収支報告書


出典:平成23年11月30日公表(平成22年分 定期公表)政治資金収支報告書

情報操作による世論誘導 ‘本固有の仕組み  青山貞一


情報操作による世論誘導
‘本固有の仕組み
青山貞一 16 May 2009
無断転載禁
独立系メディア「今日のコラム」

 民度を計るひとつの重要な物差しに米国の社会学者シェリー・アーンシュタインの「参加の梯子」がある。 

 図1は、そのアーン・シュタインの「8段階の梯子」を私なりに少々手直しし、大学の講義(公共政策論など)で使っているものだ。

 図1  「民度を計る」ための8段階の階段

8 市民による自主管理 Citizen Control 市民権利としての参加・
市民権力の段階

Degrees of
Citizen Power
   ↑
7 部分的な権限委譲 Delegated Power
   ↑
6 官民による共同作業 Partnership
   ↑
5 形式的な参加機会の増加 Placation 形式参加の段階
Degrees of
Tokenism  
   
4 形式的な意見聴取 Consultation
   ↑
3 一方的な情報提供 Informing
   ↑
2 不満をそらす操作 Therapy 非参加・実質的な
市民無視

Nonparticipation
   
1 情報操作による世論誘導 Manipulation
原典:シェリー・アーンシュタイン(米国の社会学者)青山修正版

 日本の政治状況を永年みていると、「政」「官」「業」「学」「報」のペンタゴンが連携し、一方的な情報提供のもとで世論をつくりあげ、特定の方向にそれを誘導する現実を多く見る。さらに政府・与党の情報操作による世論誘導に大マスコミが積極的に加担しているとしか思えない状況が続いていると思えてならない。

 「政」「官」「業」「学」「報」のペンタゴンは、図2にあるように、現代社会では「政」「官」「業」癒着の利権配分のトライアングルから「政」「官」「業」「学」「報」のペンタゴンのへと日本社会は変貌している。そこでは「政」「官」「業」に加え、御用学者と御用報道(メディア)が加わっている。


図2 「政」「官」「業」から「政」「官」「業」「学」「報」に

 周知のようにわが国では表1と表2にあるように、新聞メディアが全国、地方ともに異常な大きさのシェアをもっている。したがって、国民は大メディアがくりだす記事によっていつのまにか「世論」が形成されることになるのは日常的によくあることだ。

<参考>
◆青山貞一:日本のメディアの本質を考える“行部数と世論誘導
◆青山貞一:日本のメディアの本質を考える地方紙と発行部数

 日本社会には大小、全国、地方で多くの新聞社がある。

 問題は、全国紙を例にとると発行部数が米国より一桁大きいことだ。米国は日本より人口規模で3倍弱であるが、新聞の発行部数は米国のニューヨークタイズムであっても読売新聞の発行部数の1/10程度、英国のガーディアンは読売新聞の発行部数の1/25程度と少ない。

 表1のデータは古いが、たとえばニューヨークタイムズを例にとると現在の発行部数は110万部前後であるから、表1の発行部数とそれほど違わない。また英国のガーディアンの現在の発行部数は40万部前後であるから同様に大きく違わない。

表1 世界の主要新聞発行部数比較
新聞名 推定発行部数
出典1)
推定発行部数
出典2)
読売新聞 1016万部
10,044,990
朝日新聞 826万部
8,241,781
毎日新聞 394万部
3,931,178
日本経済新聞 296万部
2,820,347
中日新聞
2,747,683
サンケイ新聞
2,058,363
USAトゥデー() 167万部
北海道新聞 120万部
1,233,170
ニューヨークタイムズ() 107万部
西日本新聞
846,566
ワシントンポスト 78万部
静岡新聞
738,599
ザ・タイムズ() 73万部
中国新聞
721,174
東京新聞
613,099
10 神戸新聞 52万部
560,175
河北新報
505,437
京都新聞
503,506
新潟日報
498,743
信濃毎日新聞
476,966
11 ガーディアン() 39万部
12 ル・フィガロ() 38万部
13 ル・モンド() 37万部
14 ディー・ウェルト() 30万部
出典:1)『週刊金曜日』−19971017日号・黒薮哲哉
外国紙は1996年・日本紙は1997年の調査
2)都道府県別新聞発行部数 2003年1−6月「社団法人ABC協会」「社団法人日本新聞協会」調べ

 
 地方紙はどうだろうか? 

 中日新聞、西日本新聞などの地方紙の発行部数でも、ニューヨークタイムズより発行部数が多いものがある。

 中日新聞は突出しているが、その他、北海道新聞、西日本新聞、静岡新聞、中国新聞、神戸新聞、河北新聞、京都新聞、新潟日報、信濃毎日新聞でも英国を代表するがーディアンやフランスを代表するル・フィガロやル・モンドよりも発行部数が多い。

表2 主要地方新聞と世界主要紙の発行部数比
新聞名 推定発行部数
出典1)
推定発行部数
出典2)
中日新聞
2,747,683
USAトゥデー() 167万部
北海道新聞 120万部
1,233,170
ニューヨークタイムズ() 107万部
西日本新聞
846,566
ワシントンポスト 78万部
静岡新聞
738,599
ザ・タイムズ() 73万部
中国新聞
721,174
東京新聞
613,099
神戸新聞 52万部
560,175
河北新報
505,437
京都新聞
503,506
新潟日報
498,743
信濃毎日新聞
476,966
ガーディアン() 39万部
ル・フィガロ() 38万部
ル・モンド() 37万部
ディー・ウェルト() 30万部
出典:
1)『週刊金曜日』−
19971017日号・黒薮哲哉
外国紙は1996年・日本紙は1997年の調査
2)
都道府県別新聞発行部数 2003年1−6月「社団法人ABC協会」「社団法人日本新聞協会」調べ  

 かくも発行部数が多いということは、何を帰結するのであろうか? 

 それは言うまでもなく、もし、新聞記事が間違ったり、大部分の新聞の論調が同じだった場合、日本の津々浦々まで間違いや同一論調の記事が行き渡り、国民の圧倒的多くがそれを読むということにある。

 日本社会にあっては、「世論」の圧倒的多くは、それら圧倒的多くの発行部数をもつ新聞や全国ネットのテレビ報道によって形成されることは間違いがないところである。

 したがって、もし、誤報はもとより大部分の新聞の論調が同じだった場合、日本全体の「世論」は間違いなく、それら大メディアの論調により大きな影響を受ける。

 逆説すれば、これは政府や政権与党などの為政者による「情報操作による世論誘導」がいとも簡単に行えることを意味するのである。

 この傾向を一段と加速しているが、記者クラブの存在である。この記者クラブは、いわば日本固有のものである。

 記者クラブが存在することで、大メディアは足を使った取材を怠り、国から市町村まで行政による一方的な発表(記者レク)をもとに記者は、内容をろくに吟味することなく記事を書く。

 こうして日本社会では、国、自治体など公的機関の「一方的な情報提供」によって世論が形成されたり誘導されることとなる。こうした傾向は近年一段と加速化している。

一転押し黙る東京地検特捜部、どうなる二階捜査?  青山貞一


一転押し黙る東京地検特捜部
どうなる二階捜査?

青山貞一 
17 April 2009


独立系メディア「今日のコラム」


 4月上旬、毎日新聞の記事で、4月上旬、二階大臣側に東京地検特捜部による捜査に関連し大きな動きがあるとされていた。

 しかし、強制捜査はおろか何も表だった動きは何もない。事実、ここ数日、二階大臣捜査に関連する記事、ニュースはグーグルで検索する限り何もない。これはきわめて変である。

 もっぱら、4月2日の日刊ゲンダイに次の記事があった。

西松事件の二階捜査は断念――。

 政界の水面下でこんな情報が飛び交っている。
 
これまで解散について慎重な言い回ししかしなかった麻生首相が3月31日、突然「民主党が補正予算の成立に抵抗したら解散する」と言い放った。この一言で、二階捜査は難しくなったという。

 二階経産相の疑惑は、実弟が実質的に運営する政治団体「関西新風会」の事務所家賃を、西松建設が個人献金を装う形で肩代わりしていたというもの。西松建設は社員60人の名前を勝手に使い、ATMから5万円ずつに分けて振り込んでいた。家賃の肩代わりは実弟が要請したとされる。

 「西松建設が負担していた年間300万円の家賃は、政治資金規正法が禁じる企業からの寄付にあたる。非常に分かりやすい犯罪です。東京地検特捜部が立件するなら、この案件だろうといわれてきました」(捜査事情通)

 実際、読売新聞は3月30日付1面トップで「二階経産相側を立件へ」と報じ、「二階捜査は4月に入ってから」「新年度になれば捜査体制も整う」「テポドン騒動のドサクサに紛れて立件されるらしい」といった情報が飛び交った。

 ところが、麻生首相が3月31日の記者会見で「解散」を明言したことで状況は一変。二階ルートは、立ち消えになる可能性が強まったという。

 「首相の本心がどこにあるかは別にして、会見で解散を口にしたことで、一気に解散ムードが高まっています。自民党の中堅議員は、解散に備えて『早急なマニフェスト策定を求める有志の会』まで結成。こうなると、さすがに特捜部も二階大臣側を立件しづらいでしょう。 もともと、特捜部は政局に影響を与えないように配慮するのが伝統です。首相が5月解散をにおわせているのに、現職大臣側を立件するわけにはいかない。 もし、着手したら、今度は与党側から『なぜ解散直前に立件したのか』と攻め立てられてしまう。地検も政界全体を敵に回すことは避けるでしょう」(事情通)

 麻生首相が検察への牽制効果を狙ったのは間違いないだろう。しかし、このまま、二階大臣はお咎めナシ、捜査終結なんて許されるのか。

(日刊ゲンダイ2009年4月2日掲載)

 いずれにせよ4月に入ってからの東京地検の豹変ぶりは一体なんなんだろうか? 

 人事異動や組織・体制変更などがあったとしても、あれほど連日連夜、「司法当局によれば」などとして小沢代表に関する情報リークをしていた東京地検の豹変ぶりには驚く。

 この間、司法クラブ内の懇談会に特捜部長が挨拶に行ったという記事があった。

 そもそも記者クラブなる組織は、日本固有のものであり、立法・行政・司法とメディアが癒着する温床である。そんな場所に東京地検特捜部長が挨拶に行くこと自体、日本の司法がいかに独立性がないかを示す証拠であろう。

 二階大臣側が西松建設側に過去大量のパーティ券を買ってもらった収支報告書記載内容以外に、過去、和歌山県、大阪府で行ってきたとされる数々の公共事業を巡る西松建設を巡る疑義は、二階大臣が職権をもつ権力者(=大臣)である(あった)ことを考え合わせると、一貫して野党の代表の立場にあった小沢代表とは雲泥の差がある。

 当然、当人は徹底した説明責任を果たさなければならない。また東京地検特捜部は、突然、野党党首の第一公設秘書を強制捜査(=逮捕)したこととの関連においても、また自民・民主の間で西松建設問題に関して最低限バランスをとる意味でも二階側を強制捜査すべきであろう。

 非常に異常なのは、あれほど連日、小沢代表側について、あることないこと情報を一方的に垂れ流した新聞、テレビなど大メディアが、こと二階関連疑惑については押し黙っていることだ。上記の日刊ゲンダイの記事の内容が事実だとしたら、東京地検が3月4日で野党代表秘書を強制捜査したことは極めて不公平、不公正である。

 ところで東京地検がここに来て押し黙った理由には、上記記事とは別に次の2つが考えられる。

 ひとつは東京地検特捜部が、見識ある有識者、元地検検事らによる「国策捜査」批判にビビリ、小沢代表側の場合のようなリークを止めたこと、ふたつめは、一部報道されているように、やっぱり漆間巌官房副長官が記者懇談会で述べたように、「自民党には捜査が及ばない」ことが事実であったかである。

 いずれにしても、今後、二階側に具体的に捜査が及ばないとすれば、間違いなく小沢代表側への異常な強制捜査は、「国策捜査」であることの証左となるであろうし、東京地検の捜査が恣意、裁量にもとづく「政権交代潰し」の「国策捜査」であったことを裏付けることになる。

 そもそも地検の恣意、裁量により政局をかくも左右する、しかも時の権力の意向に近いところで政局に介入するとすれば、これは東南アジアで見られる政敵潰しのために司法すら動く、前近代的かつ民主主義国家にあるまじきき、暴挙であると言わざるを得ない。

 同時に、東京地検のリークがなくなると、まったく記事がなくなる日本の新聞やテレビも異常である。結局、独自調査などほとんどなく、大メディアは司法当局の情報リークにおどらされていただけではないのか?

 かつて郵政民営化選挙で一方的に小泉首相(当時)の言い分だけを一方的に報道し、衆院を見識のないトンデモ議員で占拠させ、何ら正当性も正統性もない、米国盲従の超格差社会にしてしまった元凶は大メディアにあることをどう考えるのか?

森田健作氏を告発する会、今日、刑事告発へ

「森田健作氏を告発する会」
今日、刑事告発へ

 15 April 2009

皆さまへ・・・

皆さまのご協力に感謝申し上げます。

いよいよ本日(4月15日)に森田健作氏(本名:鈴木栄治)を千葉地方検察庁特別刑事部に公職選挙法違反等で刑事告発します!

皆さまからの「委任状とカンパ」の合計を報告します。

・委任状  854通  
・カンパ (現金 86,102円、 切手 150,524円分、 印紙 100円分)

 ※切手のなかに昔の50銭切手、1円切手なども含まれていましたが
   50銭切手はカウントしませんでしたのでご了承下さい。

≪告発状の提出と記者会見≫ 
   
4月15日(水)
 13:00 千葉県議会6F 「市民ネット、社民、無所属」会派室に集合

 13:30 千葉地方検察庁特別刑事部(南町分室)に「告発状と委任状」
       を提出
 15:30 千葉県庁新館(高層ビル)1F ロビーに集合
 16:00 千葉県庁新館5F 県庁記者クラブで「記者会見」(30分程度)
 16:30 今後の運動方針、告発人への報告方法、発送経費など
       世話人で協議。

≪多数の弁護士がボランティア協力!≫

 代理人の西島 和(にしじま・いずみ)さんを筆頭に、八ッ場ダム住民訴訟の弁護士が 10名近くボランティアで強力な弁護団を結成してくれる見通しになりました。

≪報道機関≫

NHK、TBSテレビ、テレビ朝日ほか多数のテレビ局。読売新聞、朝日新聞ほか多数の新聞社。文春、週刊新潮ほか多数の週刊誌・紙などが取材予定です。


≪森田健作氏を告発する会≫の4月15日(水)の連絡窓口

・大野ひろみ(千葉県議) 携帯 090−5213−5254
・吉川ひろし(千葉県議)  携帯 090−4176−5421 
 
*****************************

吉川ひろし(千葉県議・無所属市民の会)
〒277-0861千葉県柏市高田754−24
電話・FAX 04-7144-0073
h-yosikawa@jcom.home.ne.jp
http://members.jcom.home.ne.jp/h-yosikawa/
 
 
吉川ひろし:「森田健作氏を告発する会」発足、15日告発へ 
 
 

ゾロゾロ噴出、「西松」疑惑、二階大臣捜査の行方は?  青山貞一

 

ぞろぞろ噴出「西松」疑惑
二階大臣捜査の行方は?

青山貞一 Teiichi Aoyama 7 April 2009

独立系メディア「今日のコラム」

 
 周知のように、東京地検特捜部は2009年3月4日に小沢代表の第一公設秘書をいきなり逮捕する「挙」にでたが、元東京地検特捜部の検事、郷原信郎教授は政治資金規正法との関係においてすら東京地検は公判を維持できないほどの「暴挙」だと言明している。

 なによりもこの問題は2006年時点の問題をこともあろうか麻生内閣支持率が10%前後に落ちた政権交代前夜に東京地検特捜部が行ったことだ。しかも、東京地検がリークする情報をNHK、民放、新聞を問わず、ことさら針小棒大に垂れ流し、あたかも小沢代表が個別具体の公共事業案件との間での賄賂・贈賄であるかの印象を国民に与えた。

 巷では、多くの識者らが東京地検特捜部がこの間行ったことは、小沢代表や民主党を標的にして、政権交代を阻止するための「国策捜査」ではないのか、との批判が数多くなされた。それを裏付けるかのように、もと警察庁長官だった漆間巌官房長官補が「東京地検の捜査は自民党に及ばない」という趣旨の発言を記者との懇談の場で発言した。

 かくして約一ヶ月、大マスコミはただ東京地検特捜部がリークする一方的な情報を識者のコメントすら付けず垂れ流した結果、政府・自民党が抱える膨大な問題はそのままで麻生内閣の支持率は20%台と大幅に上昇し、自民党支持率も大幅に増加することになった。

 ところで西松建設から表(政治資金収支報告書に記載されているカネ)、裏(政治資金収支報告書に記載されていないカネ)を問わず政治家に渡ったカネで件数で圧倒的に多いのは、自民党及び自民党系の政治家、知事である。

 他方、表の金額が多いということでいきなり秘書が逮捕された小沢代表ら民主党は、2名に過ぎない。しかも小沢代表が繰り返し述べているように、小沢代表に政治団体から分かったカネは政治資金規正法に基づく表からのものである。

 自民党の政治家の中で表で一番多かったのは、二階経済産業大臣だ。それ以外にも、自民党には総理経験者、大臣経験者、要職経験者がいた。またすでに辞意を表明している石川静岡県知事や東京地検特捜部に任意で取り調べを受けた直後側近が視察した村井静岡県知事らもいる。

 なかでも、現職の大臣である二階経済産業大臣については、早い段階から東京地検は小沢代表公設秘書をこともあろうかいきなり逮捕し、徹底的にあることないこと情報を一方的にリークしながら、表の件数で圧倒的に多い自民党代議士、とくに二階大臣を捜査しないのは不公平、不公正ではないのかという批判が巻き起こっていた。

 「国策捜査」と揶揄される今回の一件では、大マスコミは東京地検がリークする情報に圧倒的多くを依存し、自ら調査し報道することがなかったため、東京地検が年度末となり捜査態勢が代わり、人事異動が起きると、西松関連の政治家に係わる記事が著しく減少した。

 他方、知人の横田一氏(フリージャーナリスト)が3月中旬以降、和歌山県や大阪大阪府の現地に入り、二階経産大臣の周辺を独自に調査したところ、次々に状況証拠がでてきた。どうしようもない思考停止の大マスコミの一部は、横田氏の記事を受け追跡取材してゆくと、次々に疑惑がでてきた。

 それは西松から表でパーティ券を大量に購入してもらっている問題だけでなく、二階事務所の経費を西松に永年肩代わりさせてきた問題、すなわち他人名義の寄付や虚偽記載を禁じた政治資金規正法違反の疑い、さらに1999年以降、関空や羽田空港など大規模公共事業の受注を西松が二階大臣に働きかけていたことなどが判明してきた。

 言うまでもなく二階氏は、現在は経済産業大臣だが以前は運輸大臣もしている。すくなくとも小沢代表は野党代表であっても何ら職務権限がないが、二階氏はこの間、政府の中核を占める大臣を歴任してきた。

 下は最近の二階大臣を巡る西松建設疑惑の一部であるが、これだけ多くの疑惑がある二階大臣であるにもかかわらず、東京地検特捜部は小沢代表のときのように格段の捜査をしていないせいか、またリーク批判が巻き起こっているせいか、小沢氏のときのような連日連夜のリークはないようで、新聞、テレビもほとんど報道していない。

 今回の東京地検特捜部の恣意的、意図的なリークに加担し、一方で権力の座にる巨悪を放置し、他方で政権交代の芽を潰している大メディアは、自壊の道を歩むであろう!そうなっていないのは、日本国民が情報操作に弱く、ノー天気であるからである。

 東京地検と大メディア合作による政権交代潰しと言われないためにも、今後、二階大臣はじめ政権にいる政治家の疑惑を徹底的に捜査し、立件しなければならない。また「権力の犬」「権力者のポチ」と化している大メディアも、権力、権限がある政治家らを自らの足を使い調査し、スクープを連発しなければならない。

西松建設献金事件:
西松建設側、羽田・関空工事で
二階氏側に受注希望 検察最終協議へ

 準大手ゼネコン「西松建設」を巡る政治資金規正法違反事件に絡み、同社が99年以降、二階俊博経済産業相側に関西国際空港や羽田空港関連工事の受注希望を伝えていたことが西松関係者の話で分かった。西松が二階氏の関連政治団体「関西新風会」(大阪市)の事務所費約2500万円を肩代わりした期間と重なっており、大型プロジェクト受注を目指し資金提供を行った疑いが浮上した。東京地検特捜部は来週にも、上級庁と最終協議に入る模様だ。

 西松関係者によると、同社が受注を希望したのは羽田空港の南東側沖合に4本目となる新滑走路「D滑走路」(2500メートル)を建設する再拡張事業と、関西国際空港に2本目の平行滑走路(4000メートル)と関連施設を整備する2期工事。

 羽田空港のD滑走路は、国土交通省が01年12月、正式に計画を表明し、設計を含めた全工事費は約5985億円。大手ゼネコン「鹿島」や西松建設を含む計15社の共同企業体(JV)だけが入札参加を申し出て、競争なしで受注が決まった。西松の受注分は約209億円に達する。07年3月に工事が始まり、来年10月に開業する見通し。また、関西国際空港2期工事は99年7月、着工。用地造成の発注総額は約5270億円で、西松も一部を受注した。

 二階氏は99年10月〜00年7月、運輸相を務め「運輸族」として知られる。西松関係者は毎日新聞の取材に年間約280万円に及ぶ関西新風会の事務所費肩代わりを始めた99年ごろ以降、二階氏側に受注希望を伝えた事実を認めたうえで「二階氏の影響力に期待した」と話した。しかし、二階氏の事務所は「(受注希望は)ない」と回答した。

毎日新聞 2009年4月4日



西松建設提供の賃貸事務所、二階氏側が物件指定

 西松建設側が二階俊博経済産業相の関連政治団体の事務所費を補てんしたとされる問題で、二階氏の実弟が具体的な物件名を挙げ、事務所として提供するよう西松建設に要求していたことが3日、同社関係者などの話で分かった。当初同社が提供した物件は希望に沿わないとして、あらためて指定してきたという。

 西松側が、個人献金を装い、家賃相当額を二階氏側に提供していたことがすでに判明。東京地検特捜部は3日、他人名義の寄付や虚偽記載を禁じた政治資金規正法違反の疑いがあるとみて西松側からの事情聴取を再開。二階氏側への献金の流れについて本格捜査に乗り出したもよう。最高検などと協議し、立件の可否などを最終判断するとみられる。

 同社関係者などによると、二階氏の実弟は1999年ごろ、自分が実質的に運営する政治団体「関西新風会」に事務所を提供するよう西松建設関西支店に要求。西松建設本社の総務部が了承し、同支店が物件を用意。二階氏側がいったんこれを拒否し、改めて希望するマンションを指定してきたという。(07:00)

日経新聞 2009年4月3日



西松疑惑

「関西新風会」の届け出“住所”に

二階派議員の親族企業

会計責任者も献金も提供

 二階俊博経済産業相側に準大手ゼネコン「西松建設」が、同氏関連政治団体の事務所マンションを無償提供した疑惑で、同政治団体が自民党二階派の矢野隆司衆院議員(比例近畿)のファミリー企業と、人脈でも資金面でも密接な関係にあることが二日、本紙の調べでわかりました。

写真

(写真)二階氏の政治団体「関西新風会」の事務所所在地とされた、ビルのフロア案内。同会の表示はありません=大阪市北区

 西松側から事務所の無償提供を受けたとされるのは「関西新風会」。同会は大阪府選管に、大阪市北区梅田にあるオフィスビル二十七階の「矢野興産内」を「主たる事務所」所在地として届け出ています。

 しかし、この住所に行ってみると、「関西新風会」の存在を示す表示はまったくありません。ビルのフロアの大半は、水道・ガス管製造整備大手の大成機工(矢野裕史社長、資本金約一億円)のオフィスが占め、フロアの一角に同社関連企業の矢野興産があります。

 矢野議員は、大成機工の元副会長で、現社長は親族です。同氏は矢野興産でも取締役でした。

 新風会が府選管に提出した資料などによると、同会の会計責任者には一九九〇年から大成機工の役員が就任しています。現在の会計責任者も同社元役員。大阪営業部長だった〇四年当時に新風会の会計責任者になっています。資金の出入りを管理する会計責任者は、政治団体の要職であり、同社と二階氏の関係の深さを示しています。

 大成機工は、二階氏が支部長の「自民党和歌山県第三選挙区支部」に〇七年に二十万円を献金。矢野興産も〇四―〇七年に毎年十二万円ずつ計四十八万円を提供しています。〇五―〇七年に行われた二階派のパーティー券も両社で計二百十万円分を購入していました。

 矢野興産の担当者は「(関西新風会の)事務所の住所が、この場所にあることは知らなかった。関西新風会が活動しているのを見たことはない」としています。

 「関西新風会」の実際の活動は、大阪市西区にあるマンションの一室で行われていたとみられます。西松建設は、関連設計会社に四千万円を同マンション購入費用として融資。設計会社が関西新風会と年間約二百八十万円の賃貸契約を結んだといいます。

 西松建設は、和歌山県第三選挙区支部に個人献金を装い年間三百万円を献金し、家賃を補てんする形で事務所を無償提供していたと指摘されています。

図

しんぶん赤旗 2009年4月3日

情報リーク・情報操作による世論誘導、東京地検特捜部   青山貞一

情報リーク・情報操作
による世論誘導

東京地検特捜部

青山貞一 Teiichi Aoyama 25 March 2009

独立系メディア「今日のコラム」

 
 総選挙、政権交代前夜に、東京地検特捜部が小沢代表の公設第一秘書を突然逮捕することではじまった今回の一件は、昨日(2009年3月24日)、大久保秘書の拘留期限ぎりぎりのところで、東京地検は大久保秘書を「起訴」した。

 大久保公設第一秘書の起訴を発表した東京地検の佐久間達哉特捜部長は、捜査の正当性を強調したが、逮捕後2日間で地検には約100件のメールが寄せられ8割近くが批判的な内容だったという。

 今回の一件がきわめて異例、異常であったことは、東京地検による大メディアへの連日の捜査情報のリークでも分かる。

 東京地検特捜部は、まさに連日連夜、逮捕され取り調べられている西松建設社長などの供述をあたかも100%事実であり、真実であるかのごとく、大メディアに垂れ流し続けたのである。そして大メディアは何ら自ら検証することもないまま、地検のリークの情報を新聞の一面、ニュースのトップで連日連夜垂れ流したのである。

 私はここで、敢えて刑事事件は「推定無罪」であるなどというつもりはない。私が言いたいことは次のことだ。

 一昨年、私が勤務する大学の大学院生(中国からの留学生)が神奈川県警に突然逮捕され、逮捕から22日後に起訴された。その後を含め、実に4ヶ月間も警察の拘置所に拘留された。本事件では、改正刑事事件訴訟法に新たに規定された公判前整理手続が援用された。

●神奈川県警+横浜地検の准冤罪事件
青山貞一:神奈川県警+横浜地検共作による留学生准冤罪事件
青山貞一:神奈川県警+横浜地検共作による留学生准冤罪事件


 この事件は結果的に警察の誤認逮捕や検察の強引な誘導捜査、取り調べなどが次々に明らかになり、横浜地裁の大島裁判長は、逮捕・起訴された大学院生に完全無罪を言い渡した。しかも、地検は控訴しなかったことから一審で無罪が確定した。このようなことは、刑事事件総数の0.1%にも満たないというから、いかに神奈川県警、横浜地裁がしたことが杜撰きわまりないものであったかが分かる。

 私は7000名近くの学生、教職員がいる大学の全学リスク管理委員長をしており、本件では事件化してからは最初から最後まで関与することとなった。すべての公判にも参加した。

 ここで問題なのは、検察側は公判前整理手続きを導入したことで、捜査、取り調べの情報を被告側弁護士にのみ提供し、マスコミはもとより、親族や私にも一切情報提供しなかったことだ。しかも、公判に影響を及ぼすという理由からである。

 だが、あやうく冤罪事件になりかかったこの事件で分かったことは、警察・検察側は自らの強引な捜査・取り調べ、供述強要などに係わる情報資料を公判前整理手続きにもとづいてすべて被告側弁護士に渡していなかったことである。

 本事件に係わったK弁護士によれば、警察や検察は公判前整理手続きが導入された後も、自分たちに都合の悪い証言や資料は弁護士側に提供せず、公判に入ってからそれを執拗に指摘することで、やっとのことで情報がポロポロとでてきたと言われた。

 小沢代表秘書逮捕、起訴に関連し、特捜部長や検事総長などは司法、検察の独立性、公平・公正性などを強調した。3月25日の衆院総務委員会NHK21年度予算審議で原口筆頭理事の質問に答えて、総務大臣及び法務副大臣は、検察がメディアに捜査中の情報を漏洩することは有り得ない、と述べている。

 また検察は公判前整理手続きやこの春からはじまる裁判員制度でも捜査情報の漏洩には厳罰で対応することを口にしている。

 しかし、刑事事件で東京地検特捜部が現実に行なっていることは何か?

 それは事実であるか否かにかかわらず検察がリークしたい特定の情報をあらゆる手段でメディアに垂れ流すという事実である。

 今回の一件でも、東京地検特捜部は、連日連夜、記者らに捜査情報をリークしていたのである。さらに問題なのは、検察に飼い慣らされた大メディアの記者である。

 彼らは飢えた犬が餌をもらったときのように、与えられたリーク情報を金科玉条として一面トップに掲載してきた。およそ報道機関にあるまじき対応に終始してきたのである。

 もし、警察・検察が刑事事件の捜査情報を特捜部長らが言うように徹底的に守秘するのであれば、なぜ、顕示された事実が真実であるかどうかわからない情報、すなわち最高裁まで行かなければ最終判断できない情報をこともあろうか、を大メディアにリークするのであろうか?

 これでは、情報操作による世論誘導と言われても致し方ない。

 同時に、リーク情報をありがたくもらい受け、何ら自らの検証もせず、第三者のコメントもないまま一方的に垂れ流すNHKや民法テレビ局、大新聞は、およそメディアとはいえない。

 彼らは司法権力による情報操作による世論誘導に加担していると思われても仕方ないだろう。

 今回の一件でも大メディアはいずれも恥を知れと言いたい。

 さらに言えば、特捜部長らは捜査の公平、公正性について主張している。

 しかし、これもチャンチャラ笑わせる話しではないか。

 なぜ、二階経済産業大臣はじめ自民党の幹部代議士には一切手を付けないのか? 

 周知のように自民党が得ている企業からの政治献金額の総額は、確か民主党より4−5倍も多いはずだ。今回の一件でも横田一氏らの現地調査によれば、二階大臣はいろいろカネにまつわる話が取り沙汰されている。

 なぜ、東京地検はこの時期に、突然、政権交代間近だった民主党代表の側だけをことさら大仰に責め立てたのか? 

 これでは政府・自民党の意向を受けた「国策調査」と言われても仕方ないだろう。

 いずれにせよ、今回、東京地検がしたことは、民主党に対してだけでなく、国民に対しても大きな疑問を投げかけたことは間違いない。こんな司法当局が関与する裁判員制度でまともな刑事事件の審理ができるわけがないだろう。

 そういえば、政権交代が恐怖なのは自民党だけでない。霞ヶ関の省庁も同じだ。さらに実は警察、検察にとってもそうなのだ。

 民主党は常々、警察、検察の捜査、取り調べの可視化の法制化を提案している。自民党政権なら99.9%この可視化法案はない。もし、民主党などが政権を取り、可視化法案を通したら、杜撰な誤認逮捕、見込み捜査、誘導尋問、供述強要などまるで公安警察並みの日本の警察、検察の捜査実態が白日の下にさらけ出される。

 これは決して穿った見方ではない。

シンポジウム「青年将校化する東京地検特捜部」と高橋元秘書  青山貞一

シンポジウム
青年将校化する東京地検特捜部
と高橋元秘書

青山貞一 Teiichi Aoyama 22 March 2009

独立系メディア「今日のコラム」


 識者、まともなジャーナリスト、そして多くの国民にとって「民主党の政権交代阻止のための国策捜査」に見える小沢代表の公設第一秘書逮捕だが、これに関連し2009年3月15日「フォーラム神保町」が開催された。

 このシンポジウムでは鈴木宗男議員が「青年将校化する東京地検特捜部」 に関連し、高橋元秘書について興味深い発言をしている。

 この高橋元秘書に関連する鈴木発言は、フリージャーナスト横田一氏が2009年3月20日付週刊金曜日の記事で書いた内容とも一致している。

 ここでは、鈴木発言と横田記事を掲載するのでご覧いただきたい。


◆<鈴木宗男議員の高橋元秘書に関する発言>
(3月15日のフォーラム神保町のシンポ「青年将校化する東京地検特捜部」より)

鈴木宗男・衆院議員(開始後18分30秒ごろ) 

 なんでこの時期に、が率直な気持ちでした。

 そのうちに漆間発言がありました。自民党には及ばないという。

 自民党は立件できないという。

 この話を聞くと、何かしら、おかしな方向に行っているな。

 さらに石川代議士という、かつて小沢代表の秘書をやっていた方が参考人聴取される。それが事もあろうに、何日も前からリークされている。

 これは検察でしか知りえない情報ですね。

 石川代議士は、あのもうろう会見をした、酩酊会見をした中川昭一さんと次の選挙を争っている人なのです。

 何かしら私は、権力側が水面下でつながっているのかなという印象を国民に与える捜査。

 だから私はだんだんと国策捜査だな、7年前の鈴木宗男の事件の作り方と似ているという印象を持ちました。

鈴木宗男・衆院議員(開始後1時間ごろ)

 私は、この西松事件ですね、大久保さんは捕まりましたね。

 大久保さんという秘書がどの程度のものなのか。われわれ政治家や秘書仲間はよく知っているのです。

 大久保さんははっきり言って力がないし、(笑い)、ゼネコンの人が相手にしている秘書じゃないですよ。

 これだけ、覚えておいて下さい。(年間)2500万円の西松の政治団体から小沢さんの所に入るという枠組みを作ったのは、高橋嘉信という大久保さんの前の秘書ですよ。

 この人は小沢さんのおかげで、国会議員一期やっていますよ。

 ところが国会議員になって膨張(増長?)してしまって、後援者から「ダメだ」と言われて、「小沢さん、切らないといけない」と言われて、切られた男ですよ。

 この男、皆さん、いま何をしているかというと、自民党岩手県のですよ。

 自民党の岩手県の第四選挙区支部の支部長。第四選挙区というのは、小沢さんの出ている選挙区ですよ。ここら、皆さん、ちょっとどろどろしたものを感じません?。(笑い) 

 私は、この大久保さんを逮捕している。大久保さんが何かしらゼネコンに影響力を持ったという話を(検察は)していますけれども、秘書仲間にも永田町でもそんな話はない。

 前任者の高橋(元秘書・自民党後任予定候補)が箱を作って、高橋は傲慢で不遜であったというのはもっぱらの評価ですよ。

 私は、大久保さんが検察に誘導されたり、圧力、強圧的な取調べに屈しないで、正直に物を言っていけば、さっき田原(総一郎)先生が言った通りですよ。

 私は、形式犯の政治資金規正法だけの起訴ならば、検察のやりすぎという世論の批判が出てくると思います。だから私は冷静にこの事件は、見た方がいいと思っています。

 大久保さんや事情聴取された石川さんというのは、言ってみれば、高橋さんの下にいて、そのまま引き継いだ人ですから。いわんや、小沢さんが記者会見で言いました。秘書を信じている、と。

 (中略)

佐藤優氏 

 あまり本当のことを言うと、また捕まるのではないか。

鈴木氏 

 私はずっと正直に本当のことを言ってきましたから。

 私は、検察や司法がどんな判断をしようとも、私と付き合った人は離れませんから。

 (中略)

 私はこの永田町にいて、冷静に小沢事務所のあり方を見ておっても、高橋さんの前にいた責任者は中条さんという人で、この人は人格者でした。

 この中条さんを追い出そうとしたのが高橋嘉信さんという人ですよ。

 高橋が作った枠組みですよ。しかも、その男が自民党の支部長で、小沢さんと相対するといった。

田原氏

  なんで高橋は逮捕されないのか。

鈴木氏 

 高橋さんは時効になっている。検察は協力者に対しては優しいですからね。

佐藤氏 

 外務省の女性がよく言うのは倫理に時効はない。これは、倫理の話だから、刑事的な責任とは別で、政治倫理の問題として、政治の場で追及をすると。

田原氏

 高橋は水面下で検察に協力していると言いたいわけね。

鈴木氏

 可能性はありますね。

 いま、西松事件を調べている人は谷川さんという人ですよ、次席検事が。その前は、盛岡地検の検事正をやっていましたから。

 おそらく、そこで、いろいろな情報を仕入れて来ていると思うのです。何かしらの情報収集の可能性がある。検察は手足がないのです。

 リークをして世論の反応を見ながら、リークをするという繰り返しなのです。



 一方、以下は、横田一氏が週刊金曜日に執筆した記事の核心部分。

◆「自民党から出馬を予定していた元秘書の胡散臭さ」
(3月19日発売の3月20日付週刊金曜日)

(前略)

 1995年当時、小沢事務所で建設業界の窓口役をしていた高橋元秘書に注目すると、恣意的な逮捕であることが浮彫りになる。

 「小沢氏の側近」だった高橋元秘書は「他のゼネコンはこのくらいは献金している」と西松建設に要求し、年間2500万円前後の献金をする約束を交わしたという。

 また問題のダミー政治団体「新政治問題研究会」が出来たのは九五年、もう一つのダミー団体「未来産業研究会」も九八年に設立された。

 いずれも高橋元秘書時代のことだ。

 要するに、違法献金の“産みの親”である高橋元秘書は、政治資金規正法違反の時効が切れているとはいえ事情聴取すらされず、それを二〇〇〇年から引継いだ大久保秘書だけが逮捕されたのである。

 建設業者の間の評判も「高橋元秘書の方がずっと高圧的で押しが強かった」でほぼ一致していた。

 「高橋さんは仙台の鹿島建設の談合屋とのパイプを背景に、献金や選挙支援やパーテイ券購入を業者に押し付け、業界全体に睨みを利かせる存在でした。

 それに比べると、8歳年下で市議出身の大久保秘書の迫力は大したことはなく、『パーテイ券を買っていただけませんか』と丁重に頼むほど。性格的にゴリ押しが苦手で、高橋さんよりも金集めに苦労していたようでした」(建設業者)。


 以下は週刊金曜日に執筆した横田一氏の記事



横田一
 1957年山口県生まれ。気鋭のフリージャーナリスト。東京工業大学卒
 本件に関連しては、政治が歪める公共事業〜小沢一郎 ゼネコン政治の構造〜
などがある。

ヤブヘビ捜査で明らかになる二階大臣と西松建設の深い関係  青山貞一


ヤブヘビ捜査で明らかになる
二階大臣と西松建設
の深い関係

青山貞一 Teiichi Aoyama 17 March 2009

独立系メディア「今日のコラム」


 周知のように、連日連夜、東京地検は大メディアに対して、一方的に小沢代表関連の捜査情報をリークしまくり、政府・自民党は大メディアによるこの種の情報たれ流しを、いわば「情報操作による世論誘導」として看過してきたきらいがある。

 この種の捜査情報は、東京地検がリークしなければ、一体誰が漏らしているというのだろうか?

 問題はリークだけでなく、リークされる捜査情報の信憑性である。

 果たして大マスコミによって顕示された事実が正しいのか、真実なのか、それとも西松側などの一方的な言い分なのか、国民は知るよしもない。

 万が一にも東京地検が選択的に捜査情報を垂れ流しているとしたら、それこそ民主主義を揺るがす大問題となる。

.....閑話休題

 裁判員制度がこの春から開始される。

 それに先立ち、既に改正刑事事件訴訟法をもとに刑事裁判では公判前整理手続きが援用されている。

 この手続きは、警察や検察の調書など捜査・取り調べ情報を公判に先立って被告側弁護士側に提供するもので、その目的は公判時間を短縮化するとされている。

 だが、この公判前整理手続きの導入によって大きな問題が起きている。

 警察、検察から被告側弁護士に提供される取り調べなどの情報は、弁護士以外、たとえばメディアはもとより支援者、研究者など第三者に実質提供されないからである。

 私が一昨年関与した横浜市内で起きた刑事事件でも、警察、検察は被告となった学生の弁護士にこそ関連情報を提供したものの、私達は一切それらを見ることは出来なかった。この事件では、警察や横浜地検のきわめて杜撰な捜査により、まったく無実の学生があやうく冤罪に巻き込まれるところであった。

 幸い、卓越した弁護能力を持った弁護士と公平、公正は判事に巡り会うことで、初審で無罪を勝ち取り、横浜地検は控訴を断念している。

.....

 私がここで何を言いたいかと言えば、司法当局は上述のように刑事事件において、捜査・取り調べ情報の外部への情報提供や漏洩を法律改正までして制限しているにもかかわらず、今回の一件では、司法当局は連日連夜、大メディアに断片的な捜査情報をチョイ出ししていることのおかしさである。

 マスコミはいずれも司法当局から垂れ流される情報によって断定的、一方的な記事やニュースを垂れ流している。これほど理不尽なことはないだろう。

 そもそも、一体誰がどのようにしてリークしているか? 

 まったくもってふざけた話しである。

 その結果、多くの国民は連日連夜、テレビ、新聞などの大メディアが垂れ流す情報によって世論誘導されている。

.....

 ところで、京地検特捜部は、政府高官、漆間巌官房副長官がオフレコの記者懇談会で話した「捜査が自民党議員に拡大することはない」という発言がそこに参加した大メディアの記者らによって外部に漏れ出た。

 その結果、国民はやっぱりこの時期の小沢代表公設第一秘書逮捕は、「政権交代つぶしのデキレース的国策捜査」だったかと思うようになっている。当然のことだ。

 政府、とくに法務大臣は「国策調査」のみならず、司法が時の政権の影響は受けることは絶対ないなどと、打ち消しにやっきとなっている。

 その打ち消しのための窮余の一策であろうか、現職閣僚である和歌山県選出の二階俊博経済産業大臣と二つの政治団体を含む西松建設側との間でのカネのやり取りを捜査しだした。いや東京地検はやらざるを得なくなった。

 その間、大メディア各社の麻生内閣支持率などの世論調査が発表されたが、麻生内閣の支持率はさして伸びず、依然として20%以内に低迷しており、結果として政府・自民党は、まさにやぶをつついてへびを出す、いわゆる「ヤブヘビ」そのものの展開となっている。

 それにしても今回の東京地検の捜査は、さまざまな意味で疑義を感ずる。

.....

 ところで肝心な二階大臣ルートの捜査だが、最初は西松建設OB団体による二階議員の838万円に及ぶ突出したパー券購入の捜査からはじまった。

 はじまったというより、これは西松建設の社長らを逮捕した直後に分かっていたことと推察できる。

 冒頭で述べたように、東京地検の情報操作による世論誘導と思える今までの捜査情報の恣意的なリークが日本中を万円していたが、ここに来てやっとフリーのジャーナリストらによる徹底的な和歌山県内選挙区への現地取材により、二階議員側と西松建設との関係を裏付ける状況証拠が続々と明らかになってきた。

 
職務権限の観点から見れば、小沢代表はあくまで野党の代表に過ぎないが、二階議員は現役の大臣、ことはきわめて重大である。

 まず最初に、日刊ゲンダイなどの現地取材による記事によれば、二階議員は西松建設にパーティー券を買ってもらっただけでない。二階大臣の後援会事務所が何とこともあろうか、西松建設の建設和歌山営業所があるビルと同じビルにあることが分かった。

“二階大臣地元事務所”西松建設と同居していた

 838万円のパーティー券以外に、西松建設からの巨額なウラ献金疑惑が浮上している二階俊博経産相。二階経産相は国会で西松との特別な関係を否定していたが、地元・和歌山では“密接”な関係にある。

 「二階議員の事務所(自民党和歌山第3選挙区支部)と、西松建設の営業所は同じ和歌山市内のビルに同居している。さらに二階議員の“後ろ盾”があったおかげか、西松建設は和歌山県の公共事業も受注しています。昨年4月に開通した和歌山県岩出市と大阪府泉佐野市を結ぶ『泉佐野岩出線』内に建設された『新風吹トンネル』(673メートル)もそのひとつです」(地元事情通)

 西松建設との関係は、建設業界では「東の小沢一郎、西の二階俊博」と呼ばれるほど。 二階経産相が和歌山県議時代に幹部社員と知り合って以来の付き合いで、同じ中大出身ということもあって、逮捕された前社長の国沢幹雄が直接、二階事務所との窓口役をつとめていた。

(取材協力・ジャーナリスト横田一) (日刊ゲンダイ2009年3月9日掲載)

 上の事実ひとつだけを見ても疑義は深まる。

 その後、地元選挙区(和歌山3区)にはあちこちに西松建設がつくった公共の建築物がたくさんあり、それらを地元では“
二階ハウス”と呼んでいることが判明した。その昔、ムネオハウスというのがあったが、二階ハウス”が和歌山県にあるというのだ。 総工費12億円で“二階ハウス”を施工したのも西松建設である。

 和歌山県有田郡広川町は人口8000人にも満たない小さな自治体だが、そこに総工費16億4800円で建てられた豪華な役場庁舎がある。 その自治体では、二階議員の熱心な支援者が実に2代にわたって町長を務めているという。しかもその自治体の庁舎施工がくだんの西松建設とあってはなにおかいわんやではなかろうか!?

 以下の日刊ゲンダイの記事は、二階議員側と西松建設側との関係を示す状況証拠である。現職大臣としての二階議員の立場を考えると、ことは重大である! 

二階の地元選挙区で西松建設がやったこと

 「違法性は認識していない」「資金提供を受けた記憶はない」「詳細を承知しているわけではない」――。

 西松建設の違法献金事件で窮地に立つ二階俊博経産相(70)は、口を開けば「ないない」づくし。だが、西松が二階大臣の地元・和歌山県で受注した公共工事は「あるわ、あるわ」。06年度末までの6年間だけで、受注総額は78億円に上る。

 西松は別表の通り、和歌山県内でコンスタントに公共工事を受注してきた。気になるのは、いずれも二階大臣の選挙区の衆院和歌山3区(御坊市、田辺市、有田郡、日高郡など)に、一極集中していることだ。

 地元関係者が「10億円を超える事業自体が珍しい」と声を揃える地域で、西松は“ビッグプロジェクト”を次々と請け負ってきたのである。

 二階大臣は御防市出身。1983年まで同市選出の県議として、精力的に公共事業誘致に取り組んだ。国政挑戦前に開かれた出陣パーティーでは、江崎真澄元通産相がこんな挨拶を述べていた。

 「県会議員在職中は、二階橋、二階道路、二階構想と、国会議員以上の活躍をしている」

 最近もある御坊市の市議は、二階大臣の公共事業への影響力について、「市町村発注の小さな事業まで“大将”の言うことを聞かされる」と、建設業者からグチを聞かされたという。

 「二階さんが西松と接点を持ったのは、県議時代のこと。西松が地元でダム工事を請け負って以来の付き合いと聞いています。西松の和歌山営業所と、二階さんの事務所は市内の同じビルに入っていた。逮捕された西松の国沢幹雄前社長とも中央大の同期生で親しい仲でした」(政界関係者)

 西松はダミー団体を通じて、二階派と二階個人のパーティー券約868万円分を購入。二階大臣の資金管理団体「新政経研究会」にも、95〜98年に計3回、総額780万円の献金を送っていた。

 二階大臣の政党支部には、西松が企業献金隠しのために社員ら計60人の名義で計300万円を毎年振り込んだり、直接、巨額の裏金を渡したとの一部報道もある。

 西松マネーと地元公共事業の受注に因果関係はあるのか。地検特捜部の徹底捜査が待たれる。

【西松建設の和歌山県内での受注工事】

◇着工年/発注者/工事名/請負代金

◆02年3月/日本道路公団/湯浅御坊道路(御坊市―有田郡)川辺第1トンネル避難坑/11億6373万円

◆03年2月/旧龍神村(田辺市)/旧国民宿舎「季楽里 龍神」整備建築/9億6000万円

◆03年5月/有田郡広川町/町道柳渕石塚線道路改良/4億2219万円

◆04年3月/和歌山県/泉佐野岩出線新風吹トンネル/6億1695万円

◆04年4月/社保庁和歌山社保事務局/社保紀南総合病院建て替え(4期)建築(田辺市)/9億4500万円

◆04年5月/日高郡印南町/印南小学校校舎大規模改造/2億100万円

◆04年6月/日高郡日高町/志賀保育所増改築/2億540万円

◆04年10月/御坊市外7カ町村病院経営事務組合/国保日高総合病院救急手術室棟増築/16億9000万円

◆06年3月/有田郡旧吉備町/藤並保育所改築/5億1500万円

◆06年9月/国交省近畿地方整備局/紀の川築港地区堤防強化/10億5165万円

(日刊ゲンダイ2009年3月11日掲載) 
2009年03月14日10時00分 / 提供:
ゲンダイネット

 さらに、ここにきて、やっとのことで一般紙も二階大臣の疑惑、疑義を本格的に追い始めた。以下は東京新聞の3月16日の記事である。

二階氏地盤で8割受注 西松、和歌山の工事
東京新聞 2009年3月16日 朝刊

 準大手ゼネコン西松建設の巨額献金事件で、同社が和歌山県内で受注した公共工事のうち約八割が、二階俊博経済産業相の地盤である衆院和歌山3区内に集中していることが分かった。二階氏が代表を務める自民党二階派の政治団体「新しい波」は、同社のダミーの政治団体に八百三十八万円分のパーティー券を購入してもらっており、両者の密接な関係が浮き彫りになった。

 西松の工事経歴書によると、二〇〇二年以降、同社が和歌山県内で受注した公共工事は十一件、受注高は計約七十八億円。このうち和歌山3区内が九件、計約六十一億円を占めている。

 内訳は、御坊市外五ケ町村病院経営事務組合発注の「国保日高総合病院救急・手術室棟増改築工事」(〇四年十月着工)を十六億九千万円、旧龍神村発注の「龍神村総合交流施設拠点整備建築工事」(〇三年二月着工)を九億六千万円でそれぞれ単独受注。

 共同事業体(JV)では日本道路公団発注の「湯浅御坊道路川辺第一トンネル避難坑工事」(〇二年三月着工)、社会保険庁和歌山社会保険事務局発注の「旧社会保険紀南総合病院建替工事(四期)建築工事」(〇四年四月着工)を受注し、西松の請負額はそれぞれ約十一億六千万円、約九億五千万円だった。

 このほか、地元自治体発注の町道改良工事や保育所改築工事、校舎改造工事など億単位の公共工事を〇三−〇五年に次々と単独受注していた。

 政治資金収支報告書によると、西松のOBが代表を務めた実体のない政治団体「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」は〇四−〇六年、新しい波のパーティー券八百三十八万円分を購入している。

 東京地検特捜部は今後、政界に流れた西松の資金の流れを解明するために、二階氏側を含め自民党の政治団体側からも事情聴取する方針を固めている。


  「国策捜査」と揶揄、批判されてきた東京地検特捜部だが、ここに来て政界に流れた西松の資金の流れを解明せざるを得なくなった。 まさに東京地検は「やぶへび」状況に追い込まれている。
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