たばこ税について、11月1日、長妻昭厚生労働相がフジテレビの報道番組で、「健康の問題もあり、欧州並みの金額にする必要があるのではないか」と述べ、増税の必要性を指摘した。

 厚労省によると、たばこ1箱の価格は英国が850円、フランスが550円など、日本の300円よりかなり高い。長妻大臣は「そういう金額も参考に議論を積み上げる必要がある」としている。

 我が国はかなり下がってきたとは言え、もともと先進諸国ではダントツの喫煙率だ!

 その背景には、国がたばこ税はじめ禁煙措置には後ろ向きであった事実がある。世界保健機関(WHO)が我が国に喫煙率を下げるよう何度となく勧告を出してきたにもかかわらず、自民党政権や政治家が葉タバコ農家の保護などを理由に、実質的に勧告をないがしろにしてきた。

 喫煙問題を財政面から見ると、たばこ税による税収入より、喫煙による健康被害、とくにタバコには肺ガンなどの原因物質が多数含まれ、結果として呼吸器、循環器系を中心にガンの罹患率が高まり、高額な医療費の増加をもたらすなど巨額な社会的費用を招来している。

 下のデータは、厚労省所管の研究機関、医療経済研究機構による発表データである。医療費などの直接喫煙の費用だけでなく、労働力損失さらに受動喫煙被害額を合わせると、喫煙による社会的費用の合計は、実に年間7兆円に及ぶとされている。

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 下の東京新聞の記事は青山貞一が行った公務員の勤務中喫煙による社会的損害(費用)の推定額である。年間2兆円と推定される。

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 米国の連邦、州政府がタバコ会社を相手に訴訟を矢継ぎ早に提起するなど、禁煙に極めて厳しい対応の背景には、タバコに含まれるニコチンによる未成年層への影響などとともに、高額な医療費の増加をもたらすなど巨額な社会的費用を招来していることへの対応がある。

 民主政権がたばこ税の税制改革、具体的に現在1箱、300円程度を2倍の600円程度に引き上げる検討をしているのは、健康問題というよりは間違いなく税収を期待してのことであると思える。

 しかし、現実にはおそらく1箱600円にすることで税収が増えるどころか、減る可能性もある。しかし、それにより結果として肺ガンなどガンが減ることで、高額な医療費が減ることで、国の支出が減れば、結果としてたばこ増税は大きな社会的便益、効果をもたらすことになる。

 その意味で、民主政権は、いち早くたばこ増税(1箱600円程度)に踏み切るべきであると考える。

たばこ税「欧州並みの金額必要」 厚労相が増税支持
朝日新聞 2009年11月1日19時57分

 長妻昭厚生労働相は1日のフジテレビの報道番組で、たばこ税について、「健康の問題もあり、欧州並みの金額にする必要があるのではないか」と述べ、増税の必要性を指摘した。たばこ税の増税は厚労省が来年度の税制改正要望に盛り込んでおり、焦点の一つとなっている。

 厚労省によると、たばこ1箱の価格は英国が850円、フランスが550円など、日本の300円よりかなり高い。長妻氏は「そういう金額も参考に議論を積み上げる必要がある」とした。

 一方、「金額をむやみに上げると、税収が増えると思っても売り上げの問題もあるし、葉タバコ農家への影響もある」とも述べ、税収効果や業界への影響も考慮しながら検討を進める考えを示した。