青山貞一ブログ

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菅政権

現実味を帯びてきた菅内閣不信任(3)  青山貞一

今回ばかりは、国民も何が問題かをしっかりつかんでいるようだ! 

 日本経済新聞とテレビ東京が5月27日〜30日に行った世論調査で、政府の原発対応について「評価しない」は74%(4月調査より4ポイント増)に達しており、「評価する」の16%を大きく上回ったという。

 また菅首相の交代を望む声が日に日に強まっており、。「できるだけ早く交代すべきだ」の21%、「震災・原発対応が一段落したら交代すべきだ」の49%を含めると実に7割が菅退陣を望んでいることがわかったという。

◆世論調査「原発対応まずい」 74% 「首相交代すべき」 70%%
日刊ゲンダイ2011/5/30)  菅内閣の原発事故への対応のまずさが総スカンを食っている。

 日経新聞とテレビ東京が27〜29日に行った世論調査で、政府の原発対応について「評価しない」は74%(4月調査より4ポイント増)に達し、「評価する」の16%を大きく上回った。

 これを受けて、首相の交代を望む声が日に日に強まっている。「できるだけ早く交代すべきだ」の21%、「震災・原発対応が一段落したら交代すべきだ」の49%を含めると実に7割が菅退陣を望んでいるのだ。  

  ちなみに内閣支持率28%に対し、不支持率は62%に急増。不支持の理由(複数回答)では「指導力がない」が73%と、日経が調査した歴代内閣で最多を更新した。指導力不足に次いで「政府や党の運営が悪い」(49%)、「安定感がない」(46%)と至極当然の声が多い。

 国民の7割が菅総理、首相の退陣を望んでいるという数字は、自民党時代でもない数字である。  私は、前編で「政治家=結果責任」を力説したが、菅首相は就任後、重要な選挙のすべてで大敗したにもかかわらず、知らんぷり、一切、責任を取らず、大震災、原発への対応を理由に菅政権の退陣を拒否してきた。


 しかし、リーダーシップ、ガバナンス、リスク管理、情報公開、いずれをとっても最悪となっている菅政権がこのまま継続し大震災、原発へいい加減な対応をとることの方が、よほど被災地の人々にとって、そして国民にとって耐え難いことであるはずだ。  大震災対応や東電問題のみでなく、消費税問題しかり、沖縄普天間基地問題しかり、もともと民主党が政権交代時に掲げたさまざまな公約、準公約への対応しかりである。

 このままでは、一体何のために国民が半世紀続いた自民党の圧政から政権交代を選んだか意味も価値もなくなる。  前編「現実味を帯びてきた菅内閣不信任案」に書いたように、今週、衆議院の本会議で菅内閣の不信任決議案が提出される可能性が一段と高くなってきた。

 小沢氏の基本的考えは、自民党との大連立ではなく、内閣不信任決議案賛成→内閣総辞職→民主党から新総理選出であろう。

 一方、菅政権と民主党執行部は、以下の記事にあるように、野党から内閣不信任決議案が提出された場合、党が一致して否決する方針で臨み、党内から賛成や欠席者が出た場合は厳正に対処することで一致したと党幹部が明らかにしたという。

 今まで自らの失政に何ら責任を取ってこなかった菅内閣と岡田幹事長が下の記事にあるように、不信任案同調者や本会議欠席者などの造反議員には厳正な対処をとると息まいているのはトンデモである。

◆不信任案、造反は厳正対処=岡田、輿石氏が一致−民主
http://www.jiji.com/jc/p?id=20110530161327-0918003&n=1  

 民主党の岡田克也幹事長と輿石東参院議員
会長は30日、野党から内閣不信任決議案が提出された場合、党が一致して否決する方針で臨み、党内から賛成や欠席者が出た場合は厳正に対処することで一致した。党幹部が明らかにした。  (2011/05/30-15:20)

 実際に不信任決議案が可決されるためには、衆議院定数480(欠員1で479)の過半数240が必要である。

 自民、公明、みんな、共産など野党で不信任案に賛成にまわる勢力は概ね160票なので、80票は不足する。

 小沢グループは衆院で100名近くいるはずだが、実際に不信任案に賛成する議員は、推定で最大60−70票前後なので、10ー20票が足りない。  民主党執行部から無期限の党員資格停止処分を受けた小沢一郎氏は、この5月30日、最終的に菅内閣不信任案に賛成する意向を明確にするとともに、態度を明らかにしていない鳩山由紀夫前総理らと会談している。それは上記残りの10−20票の賛成票を得るためである。


 もちろん、民主党の衆議院議員で菅内閣不信任案に賛成しないまでも欠席する議員がいれば当然、それだけ過半数のハードルが低くなる。それを見越して岡田幹事長や安住国対委員長は上の時事通信の記事にあるような締め付けをしているだが、小沢グループはじめ中間派議員の本気度は、今までになく高い。

 おそらく小沢氏は、自ら不信任案に賛成し、それが否決された場合は、衆院のみでなく参院のグループ議員を引き連れて民主党を出て新党を設立する覚悟であろう。  いずれにせよ、国民も自民党に戻ったら元も子もないという認識で、今の菅政権の継続をやむなく支持する割合は、今までになく少なくなっている。

 また民主党国会議員にしても、今のままでは次回の選挙で民主党は大敗し、それこそ国民の多くが恐れる自民党の復権の悪夢の津波が押し寄せる可能性が大である。  事実、自民党がこの春の統一地方選にあわせ実施した選挙区別の詳細な調査によれば、今総選挙を行えば自民党が300議席を得るとされており、民主党議員が既得権益的に今の菅政権にすり寄っていては将来がないことを自覚しなければならないだろう。  いずれにせよ、正念場である!

現実味帯びてきた菅内閣不信任(2)    青山貞一

 以下はウォールストリートジャーナルによる小沢いちろうしインタビューの一問一答。

Q:東日本大震災と福島第1原発事故以降の政府の対応について、全般的にどう評価しているか。

A:もう2カ月以上、70日になる。原子炉がコントロールできない状況に置かれている。

 私は客観的な見方をする学者の先生から、この状況は燃料の熔融や炉が破損して、非常に危険な状況だということを聞いていた。非常に心配していたら、今になって、仕様がなくなってポツポツ認めている。対応が遅く、放射能汚染に対する認識が甘い、というより、まったくないといってもいいくらいの菅内閣の対応だ。

 一般自然災害への対応も、私の県も被災県の1つだが、単なる旧来の取り組みと同じだ。役所の積み上げと、査定に任せきりで、民主党が目指した国民主導・政治主導という政治の在り方とは程遠い実態になっている。私もそうだが、ほとんどの人たちが、不安と不満を募らせているというのが現状だ。やはりその最大の原因は、民主党が掲げてきた、政治家が自ら決断して政策を実行するということが行われていないためだ。決断とは、イコール責任だ。責任を取るのが嫌だとなると、誰も決断しなくなる。

Q:原発事故で事態をここまで悪くしないようにするために、政府がすべきであった決定や政策はどんなものがあったか。

A:こういう状況になると、東京電力の責任に転嫁したって意味がない。東京電力が悪い、あいつが悪い、こいつが悪いということを言っている。どうでもいいことならそれでいいが、原発の放射能汚染の問題は、ここまで来ると、東電に責任を転嫁しても意味がない。政府が先頭に立って、政府が対応の主体とならねばいかんというのが、私の議論だ。東電はもう、現実何もできないだろう。だから、日一日と悲劇に向かっている。

Q:菅首相は統合本部を数日後に設立し、東電に踏み込んだ。あれは十分ではなかったのか。

A:十分も何も、パフォーマンスはどうだっていい。そういうことを気にすべきではない。事態は分かっているのだ。何が起きているかってことは、ほぼ。東電が分かっているのだ。東電が分かっていることは、政府も分かっているのに決まっている。だから、私が言ったように、他人に責任をなすりつける話ではない。政府が主体となって対応策を、どんな対応策かは専門家を集めなければ分からない。それは衆智を集めて、こうだと決まったら政府が責任を取るからやってくれと、そういうのが政治主導だ。それがまったくみられないから、国民はいらいらして不満を募らせ、民主党はだめだとなっている。

Q:小沢氏が指揮を執っていれば、最初の段階でメルトダウンが起きて危ないということは国民に大きな声で言っていたか。

A:言うだろう。隠していたらどうしようもない。それを前提にして、対応策を考えねばならない。当面は福島の人だが、福島だけではない、このままでは。汚染はどんどん広がるだろう。だから、不安・不満がどんどん高まってきている。もうそこには住めないのだから。ちょっと行って帰ってくる分には大丈夫だが。日本の領土はあの分減ってしまった。あれは黙っていたら、どんどん広がる。東京もアウトになる。ウラン燃料が膨大な量あるのだ。チェルノブイリどころではない。あれの何百倍ものウランがあるのだ。みんなノホホンとしているが、大変な事態なのだ。それは、政府が本当のことを言わないから、皆大丈夫だと思っているのだ。私はそう思っている。

Q:なぜ、このタイミングで出てきたのか。

A:隠しようがなくなったからだろう。知らないが。政府に聞いてみるべきだ。

Q:菅首相はアドバイザーを集めて意見を聞いている。聞き方がまずいのか。

A:何を聞いているのだか知らない。集めただけではしようがない。結論を出して何かやらないと。だいたい、原発で食っている連中をいくら集めてもだめだ。皆、原発のマフィアだから。あなた方もテレビを見ていただろう。委員だの何だの学者が出てきて、ずっと今まで、大したことありません、健康には何も被害はありません、とかそんなことばかり言っていた。原子力で食っている人々だから、いくら言ったってだめなんだ。日本人もマスコミもそれが分からないのだ。日本のマスコミはどうしようもない。 

Q:いろいろ聞いてやってみて、だめだったら辞めてもらうということだが、どこまでいったら辞めてもらうのか。どの辺が判断の基準になるのか。

A:どこまでということはない、何もしていないのだから。このまま、ダラダラしていたら、本当に悲劇になってしまう。海も使えなくなる。

Q:原子力エネルギーをどう考えるか。 

A:しょせん、過渡的エネルギーとしてはある程度、大口電力供給のためにも仕方がない。だが、高レベルの廃棄物を処理できないからいずれ、新しいエネルギーを見出さなければいけない。そのように私は言ってきた。まさに今、こういう自然災害のなかで、原発の事故まで起きて、これを食い止めると同時に、長期的なエネルギー政策をしっかりと考える必要がある。

Q:菅政権に対する小沢氏の批判だが、今回、事態の深刻さに対して菅政権が国民に対して正直でなかったことにあるのか、それとも、もし政権が強ければ、事態の対応はもっとうまくいっていたということにあるのか。

A:政権が強い、強くないとの表現も間違いではないが、さきほどから言っているように、何か国民生活に関する問題を処理する時に、われわれは、自民党の官僚機構に任せて、おんぶに抱っこの政治はもはやだめだと言ってきた。政治家が自ら決断し、国民のための政治を実行する。今回の原子力の話だけではない。

 しかし、それは何かというと、それはイコール責任だ。決断したら決断した者の責任が生じることは当たり前だ。責任のない決断はない。そういうことを主張してきたにもかかわらず、民主党の政権が、特に菅政権が、そうでないという実態に気づき、国民の支持を失っている。政策の実行ができないのなら、総理をやっている意味がないでしょう、ということだ。

Q:問責決議案や不信任案を提出する、提出しないとの話が出ているが、国難といわれる時期、そのような政治家の動きを国民はどう受け止めているとみるか。

A:困難な時だけ仲良く、仲良くというのは日本人の発想で、だからだめなのだと考える。日本のマスコミは全部そうだ。太平の時は誰でもいいのだ。うまくいっている時は。困難、危機の時だから、それにふさわしい人を選び、ふさわしい政権を作るのだ。日本人は発想が逆だ。大陸の人は、発想がそうではない。日本人は平和ぼけしているから。まあまあ争わないで、まあまあ仲良くという話になる。仲良くしたって、何も解決できない。当たり障りのない話をしているだけだ。波風立てずに、丸く丸く。これでは、政治家など要らない。役人に任せていればいい。

Q:菅首相を降ろせというなか、強いリーダーはいるのか。

A:何人でもいる。

Q:強いリーダーの代表格というと小沢氏が思い浮かぶ。自分でやろうとの気持ちはあるのか。

A:私はもう老兵だから。老兵は消え去るのみ、とのマッカーサー元帥の言葉はご存知だろうか。消え去ろうと思っていたが、もう一仕事やらねばならないとは思っている。

Q:話題を変える。政治資金規正法違反の話は今、どういう状態で、今後、どういう方針で戦うのか。

A:どういう方針もなにもない。私は何も悪いことをしていない。これは官憲とマスコミによるものだ。旧体制の弾圧だからしようがない。調べてほしいのだが、私は何も不正な金はもらっていない。ただ、報告書の時期がずれていただけだ。こういった例は何百、何千とある。単に報告書を直して再提出するだけで済んでいた話だ、今まではずっと。なぜ、私だけが強制捜査を受けるのか。そこを全然、マスコミは考えない。

 これは民主主義にとって危機だ。政府ないし検察の気に入った者しか政治ができないということになる。ほんとに怖い。あなた方も変な記事を書いたとして逮捕されることになりかねない。そういうことなのだ。絶対にこういうことを許してはいけない。私が薄汚い金をもらっているのなら辞める。

 1年以上強制捜査して何も出てない。だからちょっと報告書の書き方を間違ったといったわけでしょう。現実政治というのは権力だからそうなるんだが。戦前もそう。それを繰り返したんじゃ、だめだ。そんな民主主義は成り立たない。それを心配している。自分はなんてことない。なんの未練もない。政治家をやめれば遊んで暮らせるからそれでいいが。日本の民主主義はこのままだと本当にまた終わりになる。外国が心配しているのはそこだ。日本は本当に民主主義国家かという心配をしている。

Q:震災に話を戻す。復興、復旧にこれからお金がかかっていく。もちろん労力も。一つは第2次予算が出るか出ないかで国会でもめている。第2次予算の緊急性と規模はどのようなものと考えるか。もう一つは、財源は増税にするのか、国債発行にするのか。そのへんはどのようにすべきか。

A:復旧に必要なことは、お金がどれくらいかかったって、やらなくてはならない。あのままでは住めなくなる。再臨界に達するかもしれない。あそこが爆発したら大変だ。爆発させないために放射能を出しっぱなしにしている。爆発するよりたちが悪い、本当のことを言うとだ。ずっと長年にわたって放射能が出るから。だから私は金の話じゃない。日本がつぶれるか、日本人が生き延びるかどうかという話だと言っている。金なんぞ印刷すればいい。その結果、国民が負担することになるが。国家が本当に放射能汚染をここで食い止めるという決意のもとに、徹底して金だろうがなんだろうがつぎ込まなくてはだめだ。国民はそのことをよく理解してほしい。国債でやれば借金だし、いずれ償還分は払わなくてはいけないが。

Q:東電の処理について役所が過去にはいろいろ決めてきた。今回、役所の言うとおりに決めてはいけないと考えるか。

A:東電のことはたいした問題ではない。一私企業がどうなろうが。それが本質ではない。ただ、例えば東電がつぶれるとする。電気の配電やら運営ができなくなる。それから5兆円の社債を出しているから、社債が暴落する。公社債市場が大変になる。それから銀行に何兆円かの借金があるから、それが返せなくなると銀行も大変だ、ということだろう。どうってことはない。要は早く原発の放射能を止めることだ。

Q:民主党が政権をとって間もない2009年10月、インタビューした際、自民党をつぶすことが目的だと言っていた。今回、発言を聞いていると、民主党政権に非常に批判的だが、自民党がむしろリーダーになった方がよいと、日本を救えると見ているのではないか。

A:私はそう見ていないが、国民がそのような状況になってきているということだ。これなら自民党の方がまだいいじゃないかという人が多いでしょう。私が描いていた図とちょっと違うのは、民主党政権がもう少し愚直に政治に取り組んでくれることを期待していた。そうすれば、国民がたとえ個別の政策が少しずつ遅れたとしても、変更したとしても絶対支持してくれると。

 そういう民主党をまず作り上げる。しかし、一方において自民党的、というのは日本的な政党だが、これも必要だと。自民党は事実上つぶれたような状況だが、新しい自民党がまた成長してくれると。そこで2大政党という絵を描いていたのだが。どうにも民主党政権自体がおかしくなって、強烈な支持者であった人たちも、ちょっともう見放した格好になっている。

 例えば、何兆円の企業のオーナーである稲盛さんとか、スズキ自動車の鈴木会長とかは、何兆円の企業でありながら、正面切って民主党を応援してくれていた人たちが、本当に一生懸命やっただけに、頭にきちゃって、こんな民主党ぶっつぶせ、もう一度やり直しだと言うくらい失望している。愚直さに欠けた民主党政権でちょっと違った。違ったときは違ったなりに考えなくなくてはならないので仕方ない。だが私の最初の理想は変わらない。日本に議会制民主主義を定着させたいという理想は全然変わっていない。

Q:いま、国会に不信任決議案が提出された場合、それを支持するか。

A:それはどうするかよく考えているところだ。

Q:菅首相はどのくらい政権に留ると考えているか。

A:彼はいつまでも留まりたい。だから困っている。それが彼の優先順位の第一だから。だからみんな困っている。

Q:先ほど「もう一仕事したいという気持ちを持っている」と言っていたが、どのようなことがしたいか。

A:いま言ったことだ。議会制民主主義を日本に定着させたいという、この理想は全然変わっていない。ところがいま、民主党も国民から見放され、自民党もかつての自民党ではなくなってきている。このままでは日本の政治はぐちゃぐちゃになる。だからそうならないように、老骨にむち打って頑張ろうかということだ。

Q:最近になって、メルトダウンが起きていたとか、原子炉に傷が付いていた、などの情報が次々と出ているが、政府は今まで知らなかったのか。

A:知っていたけれど言わなかったということだろう。だから問題だ。

Q:どういうことか。

A:知らない。政府のことだから。言うと大変になると思ったから言わなかったのだろう。大変になるというのはどういうことかというと、政府の対応が難しくなると言うことだ。だけど、わたしはそんなことで躊躇しているときではないと考えている。


Q:声が上がればご自身が前面に出られて首相になるということも考えられるのか。

A:私は、あまりにぎにぎしい立場というのは好きではない。もう気楽にしていた方がいいから、自分で好みはしないが、「天命に従う」というのはよくないけど、「天命に遊ぶ」という言葉が好きになった。天命の命ずるまま、もういらないと言われれば去るのみだ。

Q:最後に、菅総理はどのぐらい総理の座にとどまるとみているか。

A:一日でも早く代わった方がいいと思う。

 国会では今週、自民、公明両党らが内閣不信任案提出に動く可能性が高い。

 それに連動し、小沢一郎氏を支持している衆参議員、さらに民主党の「中間派」が両院議員総会開催を求めて一斉に動き出している。

 その中には、大連立を標榜する議員もおり、呉越同舟の感もあるが、小沢一郎元代表系のグループに属していない中間派の議員からも菅総理への反感は一段と強くなっている。

 たとえば、原口一博前総務相は、「政府・与党内で総括するため両院総会での議論が必要だ。いきなり不信任案が出てきたから同調するというのではいけない…」とし、両院議員総会の開催を指示しているようだ。

 さらに小沢一郎氏に近い衆参議員らも、以下の日刊ゲンダイの記事にあるように、ここに来て菅首相に対するスタンスを明確にしてきている。

◆小沢誕生会に衆参議員160人終結の重大意味
http://gendai.net/articles/view/syakai/130632
2011年5月25日 掲載 日刊ゲンダイ

流れは変わった! 菅はもうダメ!!

 79歳になった民主党の渡部恒三最高顧問と69歳になった小沢一郎元代表の「合同誕生会」が24日、憲政記念館で開かれた。ちょっと驚いたのは参加人数。

 小沢グループ、鳩山グループが中心とはいえ、中間派や執行部寄りと見られてきた前原グループの議員も多数顔を出し、総勢160人の国会議員が集まったのである。

 渡部は「私に何かあったら弔辞は小沢さんにやって欲しい」とまで言って、小沢との和解をアピール。意外といえば、菅首相の“子飼い”の寺田学前首相補佐官も姿を見せた。合同誕生会は、「新しい東北の誕生に向けての集い」という趣旨もあった。

 寺田は秋田選出。「東北出身を言い訳にしたスパイだろう」(小沢グループの議員)なんて言われていたが、裏を返せば、それだけ菅サイドも、この誕生会が気が気じゃなかったということだ。

 前原は世話人を引き受け、「渡部、小沢両氏にご指導いただきながら政権交代の果実を上げていく時期だ」と挨拶。渡部は終了後、報道陣に「党員みんなが(菅首相が)代わった方がいいと言ったら代わってもらう」と断言した。誕生会が倒閣の“核”になる可能性もある。政治アナリストの伊藤惇夫氏はこう言う。

 「これまでは小沢グループが突出しすぎていたことが『菅降ろし』の障害でした。菅は降ろしたいけど、小沢とは組みたくない。そんな議員も多かったのです。この誕生会は、小沢VS.反小沢という構図が崩れたことに意味がある。恒三さんの仕掛けでしょう。菅さんには大きなプレッシャーになると思います」

 政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏もこう言う。

 「菅さんの震災対応のひどさが露呈するにつれ、『菅ではダメ』が党内で支配的になっています。渡部、前原両氏が参加したことで、反小沢だった中間派も押し寄せた。こうなると、菅さんは自ら退陣を決断するか、小沢、鳩山両氏に頭を下げるしかない。それができなければ、反菅シフトは強まる一方。不信任案可決が現実味を帯びてきます」

 この誕生会で「流れが変わった」と言う議員もいる。菅は24日、サミット出席のためフランスに旅立ったが、トップがいない時に政局は動く。
 渡部恒三議員、前原議員と言えば、反小沢の急先鋒だった議員だが、それらの議員も、事の次第がわかってきたようだ。

 中間派が動き出したのは、自公両党が来週中の不信任案提出の動きを嗅ぎ取ったからだが、同調には「大義」が必要。両院議員総会で首相が辞任要求に応じなければ、それが「大義」となり、執行部が開催を拒めば、それも「大義」となると考えたのだろう。

 執行部の岡田幹事長は中間派議員を個別に呼び、締め付けを始めている。

 安住淳国対委員長も「万一、不信任案が可決されれば首相に解散を進言する」と牽制している(NHK定時ニュース)。

 しかし、これら執行部の戦術は、、結果的に執行部への求心力を低下させているだけのようだ。たとえば、産経新聞の記事によれば、

 谷岡郁子参院幹事長代理は、岡田氏が不信任案同調者や欠席者の「除籍」をちらつかせたことを受け「思わずのけぞりました。何度選挙に負けても責任を取らない人が他の仲間は1回で責任を取らせるわけ? これは私の知る組織の論理ではない」とツイッターで指弾した。

 このように、衆院での菅内閣の不信任可決が、かなり現実味を帯びてきたわけだが、衆議院で不信任案が否決されたとしても、野党は参院で首相の問責決議案を可決させる構えである。

 となると、菅総理と犬猿の関係にある西岡参議院議長が参院を開会せず、結果的に法案が1本も通らなくなるという異常な事態もありうる展開となってきた。

 最後に、小沢一郎氏は、WSJのインタビューで 「老兵は去ろうと思ってたが、もう一仕事やらねばならない。首相はいつまでもその座にとどまりたい。それが優先順位の1位。だからみんな困ってる。一日も早く代わった方がよい」とも言ったそうだ。

 自分の総理の立場が危ないことを察知してか、出張先のベルギーで菅総理は、以下のような談話を出した。時すでに遅いかも知れない!

◆首相:鳩山氏と会談へ 不信任案回避へ努力
 毎日新聞 2011.5.28

 【ブリュッセル平田崇浩】
 ベルギー訪問中の菅直人首相は28日午前(日本時間28日夕)、内閣不信任決議案が可決された場合の対応について「(民主)党内が一致した行動を取ると信じているわけだから、それ以上のことは想定していない」と述べるにとどめ、衆院解散の可能性や造反議員の処分への言及は避けた。

 首相への批判を強めている鳩山由紀夫前首相と帰国後に会う考えも明らかにし、不信任案の可決回避へ努力する姿勢を示した。宿泊先のホテルで同行記者団の質問に答えた。

 首相は「国民の大多数は『まずは大震災、原発事故の収束に全力を挙げろ』という思いをすべての国会議員に対し持っている」と退陣を迫る与野党の動きをけん制。民主党の小沢一郎元代表が退陣要求を公言したことに対しては「私が何かコメントすることは控えた方がいい」と不快感をにじませ、「(党の)代表経験者と話す機会があればありがたい」と党内対立の収拾策を鳩山氏らと話し合う考えを示した。

 いずれにしても政治家として何ら責任を取らず、首相の座にしがみつくだけの保身政治家は退場してもらいたい!

現実味帯びてきた菅内閣不信任   青山貞一


 ひょんなことからタナボタ的に総理、首相となった菅直人氏だが、その後を見ると、小沢一郎元代表を排除する政局的行動以外、さしてまともな政策はない。

 一方、参議院議員選挙、衆院議員補欠選挙、統一地方選挙など、菅氏が総理、首相就任後、ほぼすべての選挙で大敗したにもかかわらず、仙谷氏、岡田氏、枝野氏ら執行部とともに、まったく責任を取っていない。

 もとより政治家=結果責任であることは言うまでもないが、菅直人総理、首相には責任という言葉がなく、自分の延命、保身にただただ汲々としてきた。こんなトンデモな政治家、それも総理経験者は自民党時代でも見たことがない。

 若手ばかりで経験が浅いよちよちの民主党を率い政権交代を実現したのは、いうまでもなく小沢一郎元代表である。

 政権交代を何としても阻止しようとする自民党と、それを実質的にアシストする東京地検特捜部の策動と大マスコミの一大反小沢一郎キャンペーンを、こともあろうか菅氏は批判するどころか政敵追放に利用し、結果として小沢氏を民主党から裁判確定まで無期限の党員資格停止処分とした。

 以下は党員資格停止問題の続報である。大マスコミは一切記事にしていない!

◆常任幹事会で異論出ず 小沢一郎「党員資格停止」解除へ
2011年04月09日10時00分 ゲンダイネット提供Livedoorニュース

 無期限の「党員資格停止」という処分を下された小沢一郎が、処分を解除され、復権する可能性が高まってきた。民主党の重要事項を決定する「常任幹事会」が、5日開かれ、処分を解く方向になった。

 常任幹事会のメンバーである川内博史衆院議員がこう提言した。

 「震災と原発事故に立ち向かうには、挙党一致が必要だ。地震の被害が大きかった福島には渡部恒三先生、岩手には小沢一郎先生がいます。党員資格停止を下された小沢さんは、党の倫理委員会に“不服申し立て”をしている。ぜひ、小沢さんにも働く場を得て欲しい。倫理委員長である渡部恒三先生は、どう考えているのか、お聞きしたい」

 すると、渡部恒三は、「岩手の人たちが小沢君に期待しているのは承知している。小沢君に働いてもらえるように結論を出したい」と明言したのだ。

 常任幹事会には、岡田幹事長や玄葉政調会長、安住国対委員長など、菅代表を除く幹部が勢揃いしていたが、誰も異論を挟まなかったという。

 あとは菅代表がOKすれば、処分が解かれることになるが……。

 「小沢シンパではない民主党議員からも、東北出身の小沢に働いてもらうべきだという声が高まっている。常任幹事会も党内の声を無視できないでしょう。そもそも菅首相は、地震のドサクサに紛れて問責決議を可決された仙谷由人を復権させ、野党にまで連立を持ちかけているのだから、同じ民主党議員の小沢の党員資格停止を解くのは当たり前です」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)

 大新聞はほとんど黙殺したが、これは見逃せない話だ。

(日刊ゲンダイ2011年4月6日掲載)
 
  ウィキリークス(Wikileaks)によれば、自民党、東京地検特捜部だけなく、政権交代や鳩山総理への策動は、米国スジからも多々あったようだ。

 しかも、その引き金は案の定、外務、防衛官僚や米国一辺倒の議員らの言動にある。鳩山前総理の辞任の引き金となった沖縄県普天間基地の移転問題は、案の定、それらの勢力が裏でさまざまな形で手引きしていたことがわかったのである。

 今更言うまでもないが、小沢氏が最終的に受けた容疑は、政治資金規正法に基づく政治収支報告書の記載に係わる期ズレである。本来、期ズレは修正報告すればそれで済むようなものである。

 事実、大山鳴動し逮捕された大久保元公設秘書や石川衆院議員の裁判を見ると、いずれの公判も行き詰まっている。もともとタメにする捜査、逮捕、起訴であり、つくられたシナリオに基づく無理スジ事件である。

 ところで、そんな保身に汲々する菅総理のもとで起きた東日本大震災である。あらゆる意味で菅内閣の危機管理、ガバナンス(統治能力)、情報公開はお粗末そのものであり、結果として隠蔽体質の巨大独占企業、東京電力のやりたい放題を許すことになった。

 また本来、民主党は中央集権一辺倒の自民党政権から地方分権、地方主権を重視する政党であったはずだが、東日本大震災への対応では危機管理、統治能力、情報公開に欠けるだけでなく、官邸、中央政府、都道府県、市町村の間での機能、役割分担、指示にことごとく齟齬が生じ、結果として被災地の基礎自治体や住民に必要以上の疲弊を与えている。

 これだけ狭小で人口が多い日本で、54基もの原発を安全神話の名の下に強引に推進してきたのは、紛れもなく自民党政権下での「政官業学報」である。しかし、原発推進という観点では、実は民主党も本質は変わらない。

 地震、津波後、早々に福島第一号原発の一号炉、二号炉、三号炉は、メルトダウンしていたにもかかわらず、すべての事故、影響、被害、損傷を過小評価し、保身に走った東電の独走を許したのは、間違いなく官邸であり、政府である。

 このような非常時でも、菅総理、首相は自分の保身のためなら突如、何でも利用する。いきなり浜岡原発の停止要請を出したのは、反原発団体などからは評価されているが、どうみてもその場凌ぎの「菅流処世術」に過ぎないだろう。

 堤防の嵩上げ工事が終われば再稼働を認めるとしているからである。

 またフランスG8でも公言した2020年代に自然エネルギーの割合を20%とする政策も、何ら具体的な政策、工程表もないそ場凌ぎのものである。国民投票で原発を辞めたイタリア以外、いずれの先進諸国も今後の原発問題を抱えている。

 菅総理は出発前、日本は安全性を高め原発も推進すると言っていたが、フランスのG8でも自然エネルギー政策とともに、それを強調し、今後も原発を推進したいG8開催国であるフランスはじめ米国、イギリスなど、イタリア、ドイツ以外の各国首脳への「気遣い」も忘れなかった。

 お人好しでノー天気な日本の市民団体は自分たちに都合の良い、耳障りの良い政策だけで菅総理を評価している。これは社民党なども同じだ。菅総理はG8で訪問したフランスでオバマ大統領に、「日米合意通り、普天間基地の辺野古に移転する」と明言している。社民党は一体どうなっているのか?

 しかし、菅総理は、その実、ちゃっかり浜岡原発は来年以降、再稼働させ、原発関連予算もしっかり確保しているのである。

.....

 そんな中、大震災、原発事故後、口を閉ざしていた小沢一郎氏が米国のウォールストリートジャーナル紙のインタビューに応えたのである。いわば菅総理により蟄居(ちっきょ)させられていた身の小沢氏が海外メディアに口を開いたのである。以下そのすべてを示そう。

 小沢一郎・民主党元代表はウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、福島原発事故への政府の対応は「遅く、放射能汚染に対する認識がまったくない」と批判するとともに、長年ライバル関係にある菅直人首相について「首相は一日も早く代わったほうがいい」と述べ、対決姿勢を鮮明にした。

 つづく

日本の恥さらし、菅総理の国連演説  青山貞一

2010年9月23日、国連総会出席のためにニューヨークを訪れている菅総理大臣が米国のオバマ大統領の後に演説した。オバマ大統領の演説では、国連総会の議場は満席状態、各国の参加者は熱心に耳を傾けていたが、菅総理の演説に なると下の写真のように大部分の参加者が席を立ち、議場は空席だらけとなった。

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出典:ANN

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出典:ANN
 
結局、菅総理は歴代の日本の首相がそうであったように、資金援助(7000億円規模 の国際支援)を表明するだけで、演説の内容は空虚そのもの。およそ国連総会に集まった各国代表に感動を与えるどころか、日本の恥をさらけ出した。
 
また菅総理は、日本語で演説し「国の指導者が果たすべきことは、疾病、貧困、紛争といった不幸の原因をできる限り小さくする『最小不幸社会』をつくることだ」と持論を展開し、貧困や飢餓の撲滅をめざすMDGsの理念と共通すると訴えたが、佐藤清文氏のコラムにあるように、こともあろうか国連総会で日本の総理が『最小不幸社会』をつくると述べること自体、後ろ向きな演説であり、先進国はじめ途上国首脳の感動、理解は得られない。

それを見越してか、菅総理が演説する前に、議場はガラガラ、空席だらけになったところ見ると、世界各国は日本の新首相をはなから見下していたと言える。

この演説で、 とりわけ恥ずかしかったのは、いきなり「疾病」(しっぺい)を「しつびょう」と読み上げた下りである。まさに麻生元総理同様、まともに母国語を読めない総理兄弟となったことだ。もうこれ以上、日本の恥を世界にさらけ出さないで欲しいものだ。
 

もとより、菅総理の演説にちょくちょく出てくる『最小不幸社会』論そのものがどこかからの借り物であろうが、逆に言えば、役人が書いた日本語演説の作文を読み上げたわけではないことだ。

となれば、自分で書いた原稿を読み上げるとき、こともあろうか「疾病」(しっぺい)を「しつびょう」と読んだわけで、日本の教育レベルの低さを世界に露呈したことになる。母校の東工大の信用を著しく毀損することにもなったはずだ(嗤い)。
 
菅総理の演説の言葉は、どれも借り物で軽すぎる。とってつけた借り物だからだろう。消費税10%のときはいきなり小野阪大大学院教授の「第三の道」を持ち出し、あたかも持論のように増税で雇用創出などといきりたったが、自分でまともに理解することなくキャッチフレーズ的に他人の「論」を唐突に話すのはやめるべきである。
 
菅氏を自己保身や自分の権益のために民主党代表に選んだ民主党議員、地方議員、サポーターらは、どうするつもりだ。総懺悔だ。そもそも、国連演説をいまどき英語で話せない総理はいかがなものか?

「経済と選挙」音痴のKY首相に増税を指南した小野教授とは?  青山貞一

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「経済と選挙」音痴のKY首相に
増税を指南した小野教授とは?

青山貞一

10  July 2010
独立系メディア「今日のコラム」


 経済音痴で有名な菅首相が副総理時代の今年2月(2010年2月)、内閣府参与として政府に登用した東工大出身の経済学者による「増税と公共事業による雇用創出論」を「つまみ食い的かつ鵜呑み」にし、総理就任直後、消費税10%論を唐突に提案していたことが判明した。

2010/03/06(土) 06:10:29 ID:???0 日経
内閣府参与に小野阪大教授 経済政策を助言
 経済財政政策を担当する菅直人副総理・財務相は5日、阪大の小野善康教授を内閣府参与に任命したことを明らかにした。小野教授は阪大と兼務しながら、必要に応じて菅副総理に経済政策を助言する。昨年末の成長戦略の策定では有識者としてヒアリングに呼ばれるなど、民主党政権との距離が近いとされる。 小野教授は規制緩和など企業活力の向上を狙う政策は人員余剰につながると指摘。環境インフラへの財政支出などが需要を増やし日本経済を活性化させると訴えてきた。一方、生活困窮者の対策を手掛けた反貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠氏は内閣府参与から外れた。(00:40)

 2010年6月27日(日)にテレビ朝日のサンデーフロントライン(キャスター小宮悦子氏)に出演した菅直人ブレーンは、何度となく携帯電話で助言、指南を仰いできたことなど、菅直人首相の消費税10%の裏事情を暴露している。

 その学者は大阪大学社会経済研究所長の小野善康教授。下は小野教授の詳細プロフィール。菅直人首相が卒業した東京工業大学工学部の後輩にあたる(菅氏は昭和21年(1946年)生まれ、昭和49年東工大入学、昭和44年卒)。

小野善康氏プロフィール

昭和26(1951)年生まれ
昭和44年4月 東京工業大学工学部 入学
昭和48年3月 東京工業大学工学部社会工学科 卒業
昭和48年4月 東京大学大学院経済学研究科修士課程 入学
昭和50年3月 同課程修了 経済学修士
昭和50年4月 同博士課程 進学
昭和54年3月 同課程修了 経済学博士
昭和54年 4月 - 昭和56年 3月 武蔵大学経済学部 専任講師
昭和56年 4月 - 昭和59年 9月 武蔵大学経済学部 助教授
昭和59年10月 - 平成 2年 9月 大阪大学社会経済研究所 助教授
平成 2年10月 - 平成 8年 3月 大阪大学社会経済研究所 教授
平成 8年 4月 - 平成11年 3月 東京工業大学社会理工学研究科 教授
大阪大学社会経済研究所 併任教授
平成11年 4月 - 平成13年 3月 大阪大学社会経済研究所 所長・教授
平成13年 4月 - 平成21年 3月 大阪大学社会経済研究所 教授
平成21年 4月− 現在 大阪大学社会経済研究所 所長・教授
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昭和55年 9月 - 昭和56年 7月 ロンドン大学LSE 客員研究員 (British Council Scholar)
昭和60年 9月 - 昭和62年 8月 プリンストン大学 客員研究員 (国際文化会館 新渡戸フェロー)
平成 3年 1月 - 平成 3年 5月 ブリティッシュ・コロンビア大学経済学部 客員教授(経済動学、日本経済論担当)
平成 5年 5月 - 平成 5年 8月 世界銀行 客員研究員
平成22年 2月 - 現在    内閣府本府参与

 小野教授が説く「第三の道」は、以前より研究者仲間の間で「現実の世の中では実行不可能な不自然な前提を置いており、人間の行動力学を無視した机上の空論」と批判されてきたものだ。 

★小野善康氏が内閣府の参与に(驚き)? 石渡 正樹ブログ

 小野氏が説く「第三の道」が第三の道といわれる所以は、小野氏は経済学において、いわゆるニューケインジアンであり拡張財政派の立場にある。しかし、氏は昔のケインズ主義者ではなく、ケインズ理論を否定する新古典派経済学理論を用い新たなケインズ経済学を導いた、という異色の経済学者とされている。

 その小野教授は、ロイターのインタビューで、「雇用創出に向け消費税は来年からすぐにでも上げたほうがいいと、現在5%程度の失業率を3%に下げるまで人を雇えるお金が必要だ」また「増税分は借金返済に充てるのではなく、雇用創出とその所得支払いにまわすべきだと主張するとともに、税収の使途は、福祉目的税のように限定しないほうがいい」との見解を示し、増税を首相に提案していた。

 インタビューで第三の道について尋ねられると、小野教授は「過去の自民党政権下で取られた第一の道は、消費者にお金をばらまけばいいというオールド・ケインジアンの発想であり、無駄な公共事業や減税、補助金を指す。第二の道は構造改革そのもので、1990年代以降に生産能力が余っているにもかかわらず生産能力を上げようとした小泉・竹中改革。双方に共通するのは、労働資源を活用することが頭になく、お金を使うか倹約するしかないこと。これでは需要と雇用は生まれない」と述べている。

 さらに 「第三の道は、人に働いてもらうことが目的。そのために資金が必要なら、増税しても構わない。そうすれば当初の増税分は家計に所得として返るので、その時点で家計負担はないし、サービスや設備も提供される。雇用が増加してデフレも雇用不安も緩和されるため、消費が刺激され、経済も成長して税収が増え、財政も健全化していく」とも述べている。

★インタビュー:失業率3%へ消費税上げも=小野・阪大教授 ロイター
★小野教授自身の経済政策論サイト

 菅首相が消費税10%増税を何に使うのかと会見や野党から質問されたとき、国民年金、社会保険など福祉目的税に使うと明言しなかった理由が上のロイターのインタビュー記事から見てとれる。

 もっぱら、小野教授は消費税の増税より、高額所得者への増税を持論としているようだが、菅首相ブレーンとして小野教授は、「消費税は来年からすぐにでも上げたほうがいい」と進言している。

 経済音痴で選挙音痴のKY首相は、こともあろうか参議院議員選挙直前のこの時期に、マニフェストや党内議論を無視し、小野教授の進言を鵜呑みにし、かつ「つまみ食い的」、唐突に消費税10%論を提案した。

 学者が理論としていろいろな政策(問題解決の方向性、道筋)を考え、提案するのはよいとして、国政を預かる首相、総理が、理論中心で実社会での経験がほとんどない(世間知らず)の学者の経済論を、誇らしげに上から目線で公言したことになる。これは政策内容は違うが、小泉首相と竹中教授の関係に似ている。

 KY(空気が読めない)といえばこれほどKYな政治家、それも首相は歴代いないはずだ。結果は、ご覧のようにV字回復した内閣支持率や民主党支持率は劇落してしまった。

 KY学者の小野教授側に問題は多々あるものの、それをつまみ食い的に鵜呑みに、こともあろうか参議院議員選挙直前に気負って公言したKY首相に、民主党は真っ青、昨年夏政権交代を支持した国民、有権者も唖然、茫然し狼狽している。

 覆水盆に戻らずのたとえの通り、V字回復で単独過半数を狙った民主党はKY首相の付け焼刃的な増税論でボロ負けの可能性が高くなっている!

追記

 その昔、大学卒業後、筆者はアジア経済研究所の関連機関に数年いた経験がある。そのとき以来、経済学(経済学者)ほど現実、実社会から乖離し、学者の唯我独尊、トンデモ理論が跋扈している世界はないと言えると感じている。

 当時、研究所に英国からジョーン・ロビンソン教授がこられ経済学の現実との非関連性を徹底的に批判するなど、ラディカルエコノミクスがミシガン大学などで台頭していた。

 学問、研究の自由は大切である。さまざまな理論的研究、モデル、政策を研究し提案することは大切である。しかし、MITの学者とその卒業生が考え出したサブプライムローンシステムや竹中平蔵氏ら新自由主義の経済論など、学者の机上の空論が実経済社会を破たんに追い込んだり取り返しのつかない弱肉強食の「格差社会」を招来させるケースもたくさんある。

 また政治、政局と無関係に唯我独尊の持論を「ときの首相」に助言、指南し、経済音痴の首相が全面的にそれを鵜呑みにするケースも多い。しかも、しっかり分かっていればまだしも、生煮えの中途半端な理解のもと、会見などで首相が世に問うなどもっとての他のはずだ。

 今回はこともあろうか、小野教授の持論である「第三の道」の経済政策をおそらく戦後日本社会でもっとも重要な時期の参議院議員選挙のなかで総理が社会実験しようとしたKY菅直人首相にも驚きの念を隠せない。 

普天間基地問題にみる菅直人の「変節」(1) 青山貞一 


 2001年8月19日、菅直人氏自身が書いた「沖縄の海兵隊」という題名のブログ(論考)がある。

 ブログの中で、菅氏は「民主党の基本的考えは「沖縄の米軍基地の整理縮小のため、国内外への移転を含め積極的に推進していく」べきと、基本政策に述べ、その理由として「沖縄の米軍基地の人員でも面積でも半分以上を占める海兵隊基地が「国内外の移転を含め」整理縮小の検討対象にになることは当然のこと」と述べている。

 また、菅氏は次のように述べている。

 すなわち、「民主党の沖縄政策の中では「アメリカの東アジア戦略構想を再考し、米海兵隊の他地域への移駐を積極的に議論する」と明記されている。 実際に民主党の中で海兵隊の米国内への移転は有力な意見として何度も議論されてきた。私の参院選挙中の沖縄での発言はそうした背景のもと行われたもので、その場の思いつきでもリップサービスでもなく、民主党の基本政策と矛盾してはいない。 基本政策より多少踏み込んだ表現があるとしても、それは政治家としての私の責任で述べたものである」と。

 そして最後に、「私自身3年程前民主党の代表として訪米した折にも、アメリカの当時の国防次官にこの主張をぶつけたことがある。国防次官は厳しい顔でメモを見ながら「北朝鮮に対する誤ったシグナルになるから沖縄から海兵隊は撤退はするべきでない」と反論してきた。その理屈も一部理解はできるが絶対ではない。実際には海兵隊基地を米国に戻すより日本に置いていたほうが米側の財政負担が小さくてすむという背景もある。北朝鮮の状況や日米の財政状況が変わってきている中で、沖縄にとって重い負担になっている沖縄海兵隊の日本国外移転について真剣な検討が必要」と結んでいる。

 菅氏が2001年8月19日に書いた「沖縄の海兵隊」というブログでは、まさに小沢一郎氏や鳩山由紀夫氏と同等、いやそれ以上に踏み込んで沖縄の米軍基地問題、なかんづく普天間基地問題に踏み込み、海兵隊の国外移設を持論としていたことが明確に読み取れるのである。

 しかし、鳩山政権が「普天間」問題で最終的に沖縄県民そして連立を組んでいた社民党との約束を裏切り、5月末に沖縄県名護市辺野古に普天間基地を移設するという「日米共同声明」を出して辞職した後、すぐさま誕生した菅政権は、上記の持論をかなぐり捨て、普天間基地移設問題について「日米同盟」、「日米合意」を強調したのである。そこでは菅氏自身の持論を曲げ、「日米同盟」、「日米合意」を引き継いだことになる。

 自ら手を挙げ総理になったとたん、いとも簡単に持論を曲げ、日米同盟、日米合意を引き継いだ裏には、当然のことながら菅直人氏自身に何らかの大きな「変節」があるに違いない。

 もとより、少なくとも県外へを持論とし、できれば海外への移設を「腹案」としてきた鳩山氏が前政権(自民党)案である名護市辺野古立地に回帰したのは、平野官房長官(前)、岡田外務大臣、北沢外務大臣らが鳩山氏が政権交代前からの意向である海移設を無視し、前政権(自民党)や米国の意向を重視し、徹底して海外移設のあらゆる芽を摘んだことにあることは随所にころがっている状況証拠から明らかである。

 この問題に関しては、外務・防衛両省の官僚やそのOBそして平野、岡田、北沢の3大臣だけでなく、大メディアも徹底して米国と前政権が交わした日米合意に追随することが唯一の解決策と喧しく報道をすることで、国民、世論を誘導を辺野古回帰に誘導してきた経緯がある。

 情報操作により世論誘導したのは何も国民だけでない、なによりも上の面々は、鳩山総理を取り囲み、情報を遮断するとともに、いまや時代錯誤の抑止論や防衛論を徹底的に吹き込み、洗脳してきたのである。ひとのよいノー天気で八方美人の鳩山由紀夫氏は、まんまとそれにひっかかり、さらに5月末をデッドラインと設定したことで墓穴を掘った。

 しかし、鳩山氏はどうも変節して辺野古に回帰したのではなく、関係の絶対性の中で5月末、あのように言わざるを得なくなったと思える。事実、側近には共同声明を発した後も、自分の腹案はグアムなど海外にあると述べたとされている。

 一方、どうだろう。冒頭に記したように、菅直人氏は、ロジカル・シンキングとして「沖縄の海兵隊」のなかで、沖縄海兵隊の海外移設を明確に持論としていたにもかかわらず、降ってわいた総理の座に飛びついた直後に、辺野古回帰の日米共同声明をはっきりと追認したのである。これはまさに「変節」以外のなにものでもないだろう。

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