青山貞一ブログ

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巨大メディア論

東京スカイツリー〜地デジ以前に劣悪な番組改善を〜 青山貞一

  2010年7月14日の午後、ひさびさ浅草にでかけた。

 浅草寺の近くにある公立高校から模擬授業を依頼され、地球環境問題について模擬授業を高校生に1時間半ほど行った。生徒はしっかりと私の話を聞いてくれた!

 模擬授業を終えた後、浅草寺(せんそうじ)をひさびさに訪問した。
 
 その途中、隣の墨田区で建設中の東京スカイツリーという電波塔が良く見えた(下の写真)。7月14日は前日までの雨天から一転し、真夏の日差しが照り返す好天となったこともあって、スカイツリーの全貌が良く見れた。

image201
撮影:青山貞一、Nikon Cool Pix S10 2010.7.14

 この東京スカイツリー(Tokyo Sky Tree)は、東武鉄道と東武タワースカイツリーによって東京都墨田区の押上に建設されている電波塔である。

image24
東京スカイツリーの位置(地図中左に浅草寺が見える)
出典:マピオン

 着工当初は高さを610.6mとする計画であったが、2009年10月16日に高さが634.0mとなるように計画を変更したた。完成すれば自立式電波塔としては世界一の高さとなるという。

 Wikipediaによれば、スカイツリーは下図のごとくなので、全体が634mのうち、現在は360〜370mまで完成していることになる。

image22
出典:Wikipedia

 スカイツリーは2008年7月14日に着工、2011年12月から遅くとも2012年早春に竣工の予定という。これはいわゆる地デジ移行に合わせたものだろうが、BS、CSなどインド洋上の静止衛星を使えば、日本中くまなくテレビ電波が送れる時代、はたして600mを超す電波塔がどれだけ必要とされるのか疑問がある。

 というのも、いくら電波塔を高くしたとしても、今の東京はじめ首都圏では100mを超す超高層ビルがこれでもか、これでもかと建築されている。となればアナログよりましとはいえ、ビル影の難視聴地域があちこちにでき、綺麗に見るためには、それぞれ同軸や光ケーブルを使った共同視聴システムに頼らざるを得ないからだ。

 もっぱら、衛星ではよほどチャンネルを多く取らない限り、地方固有の番組を流すわけにはゆかないから、VHFやUHFを使って一定地域を対象としたテレビ送信が必要となるのだろう。

 とはいえ、テレビの内容が今のように、際限なく劣化し、エロ・グロ・ナンセンスとなり、同時に大メディアがこぞって情報操作による世論誘導を行っている以上、いくらデジタルハイビジョンによる地デジ放送を行ったとしても、視聴者が増えるとも思えない。

 あるブログにも私の考えに近くものがあった!

....現状の民放の放送内容の酷さはどうだ。馬鹿なお笑いタレント(少しも笑えない奴らばかりだが)が騒ぎまくるばかりのクズ放送ばかりで、そんな程度のものを鮮明映像で見る必要性もない。現状のアナログ放送で十分すぎる。それに、デジタルならBSとCSがあり、それらのほうが難視聴地域解消にも役立ち、地上デジタルなんかとは月とスッポンほど有用だ。なのに、民放のBSデジタル放送はテレビ通販のクソ番組ばかり。そのBSデジタルを有効利用するのが地上デジタル導入なんかより重要だろうが。

 やはり地デジなどのデジタル化、ハイビジョン化は、総務省(旧郵政省)と放送業界それに家電業界がつるんだ電波を使った既得権益、利権の拡大策と思われても仕方ないだろう。

 いくら技術的に見て仔細で素晴らしい画像が受像できても、今のようなバカバカしい番組、それにどこをまわしても同じようなニュースや情報番組ばかりでは、どうにもならない。

 また世は双方向コミュニケーションが可能なインターネット時代である。一方的にバカバカしい、エロ・グロ・ナンセンス情報とCMを送ってくるテレビメディアは、ごく一部以外、今後、見識、知性ある人間は見ないだろう!

情報操作による世論誘導  ぢ腟彿殀觸饉疂とNHK報道  青山貞一


情報操作による世論誘導
 ぢ腟彿殀觸饉疂とNHK報道
青山貞一 独立系メディア「今日のコラム」


 2009年5月25日月曜日、政治資金規正法違反の罪で起訴され、東京拘置所に拘置されている民主党の小沢代表代行の公設第一秘書、大久保隆規被告について東京地裁が保釈を認めた。

 実際には東京地検が保釈を不服として、東京地裁に準抗告と保釈の執行停止を申し立てたこともあり実際の保釈は5月26日以降になるものと思われる。

 結局、大久保秘書は2ヶ月半以上東京拘置所に拘置されたことになる。大久保秘書は、民主党関係者によれば罪を否認しているという。これについては、以前にも弁護士が大久保秘書は容疑を否認し黙秘を続けていると述べている。

小沢代表代行の秘書、保釈決定

 政治資金規正法違反の罪で起訴され、東京拘置所に拘置されている民主党の小沢代表代行の公設第一秘書、大久保隆規被告について、東京地裁が保釈を認める決定を出しました。

 保釈保証金は1500万円で、大久保被告はすでに納付しています。しかし、この決定に東京地検が不服を申し立てたため、東京地裁で再度、審理が行われています。

 民主党関係者によりますと、大久保被告は罪を否認しているということです。

TBS(25日18:36)


 ところで、2009年3月25日午前0時、NHKは「大久保隆規氏が政治資金報告書にウソの記載をしたと起訴事実を認める供述をしていることが関係者への取材で明らかになった」と報じた。すなわち、NHKは3月25日に逮捕拘留されている大久保公設第一秘書が、供述をはじめたというニュースを垂れ流した。

 もちろん、逮捕され拘置所に拘留され続けている大久保秘書が供述をはじめたということは、大久保秘書の弁護士を除けば検察関係者以外知るよしもない。もっぱら、東京地検がリークしていない場合には検察の上層部や漆間官房副長官など内閣幹部以外知るよしはないだろう。

 だが、このNHKニュースについては、民主党関係者は「大久保秘書は完全黙秘を続けている」と述べており、NHKが関係者からの情報として垂れ流した上記の情報は事実ではない、すなわち「ウソの記載をしたと起訴事実を認める供述」などしていないとしている。

 となれば、NHKが垂れ流したこのニュースは常識的には「誤報」以外の何物でもない。まさに情報操作による世論誘導となる。日本中の人は、NHKが「大久保隆規氏が政治資金報告書にウソの記載をしたと起訴事実を認める供述をしていることが関係者への取材で明らかになった」と報じたことを当時、それなりに信じたことだろう。
 
 事実、私はこのとき石垣島のホテルにいて深夜このニュースを聞いたが、「本とかいな」と耳を疑った。 検察による大メディアへの違法リークが大きな問題となっている最中、NHKはよくもまぁこんなニュースを堂々と流すなぁ、と思った。

 NHKは何ら検証することなく、また民主党関係者の反論談話もないまま「大久保隆規氏が政治資金報告書にウソの記載をしたと起訴事実を認める供述をしていることが関係者への取材で明らかになった」と報じたことは、どうなるのか?

 NHKはうすらとぼけるばかりで、訂正、謝罪はもとより、言い訳もない。

 この種の話しはとかくうやむやのうちに終わってしまうことが多いが、ぜひとも白黒をハッキリさせなければならい。

....

 民主党は26日以降、大久保秘書が東京拘置所から釈放されたら、当人に確認し、もし、NHKが顕示した事実(ニュースの内容)が真実でないなら刑法にいう名誉毀損(当人)、信用毀損(民主党組織)でNHKを刑事告訴すべきである。

 とはいえ、もともと東京地検特捜部など地検がNHKに上記のネタをリークしているとすれば、その東京地検にNHKを告訴しても、蛙の面に。。。となるはずだ。


 となれば、民法709条などで民事の損害賠償請求をすべきであろう。

 NHKが根拠なく、裏を一切とることなく上記のニュースを全国規模で垂れ流したそすれば、大久保氏と民主党は甚大な名誉既存や信用毀損を受けたことになるからだ。

 また、どうみても東京地検は情報をNHKにリークしたと認めるわけはないだろう。万一、東京地検がこのときだけICレコーダーやビデオを回していたとしたら、それを公開すべきだ。

 もっぱら、日本の警察や検察が取り調べの可視化に猛反対してきたのは有名であり、可視化法案を用意しているが民主党であるから、非常におもしろい展開となる。、

 いずれにせよ公判になっても大久保秘書はNHKニュースの内容を認めるはずはないから、NHKが窮地に陥ることは想像に難くない。

 まず大久保第一公設秘書や民主党は釈放後、この点だけでも明確にして欲しい!!

自壊の道をひた走る大メディア 草なぎバカ騒ぎ報道の愚  青山貞一


自壊の道をひた走る大メディア
〜草なぎバカ騒ぎ報道の大愚〜
青山貞一
25 April
2009
独立系メディア「今日のコラム」


 SMAPの草なぎ(34)が、酔っぱらって全裸で逮捕されたが、大マスコミはこともあろうかこの騒ぎを夕刊一面に大きく掲載した。NHKですらトップでこれを報じた。

 だが、ジャニーズ事務所所属の人気芸能人ということを除けば、草なぎがしたことは、せいぜい一昼夜留置所(=トラ箱)に入れられ、警察官に説教を受け翌日釈放される程度の事件ともいえないものだ。

 おそらく身柄送検されてもせいぜい略式命令請求、いわゆる略式起訴され数万円から20万円でチョンだろう。

 もちろん、警察が尿検査し家宅捜査したのは、大麻など薬物を所持していないか常用していないかをチェックするためだが、薬物は一切検出されていない。

 となればさらに大メディアがこぞってトップ扱いしたのは何なのか? この日だけをとっても、大メディアが扱うべきもっともっと重要なニュース、問題はあったはずだ。

 しかし、よく考えれば、このこと自身、今の大マスコミ全体が、いかに劣化しているか、本来報道すべきことを報道せず、いわばどうてもよいことに血道を上げ、結果的に国民にとって重要なことから目をそらさせているかを象徴するような「事件」である。

 まず、この日に報道すべきことは、喩えたとえばこの日、通称、海賊退治法なる日本の憲法9条下でアフガン、ガルシア島、イラク以上に自衛隊を海外派兵させる集団的自衛権の一環となる可能性が高い、また今後、自衛隊による海外での武器使用に通ずる可能性がある軍事出動法案が衆議院で成立しているのである。もちろん、参議院は否決されるだろうが、いつもように麻生(アホウ)政権は再議にかけるだろうから60日たてば自動成立してしまう。

 こんな重要な問題があるにもかかわらず、日本の大メディアは、草なぎ問題にうつつを抜かし、バカ騒ぎすることで、結果的に政府による情報操作による世論誘導に加担したことになる。


 ところで、草なぎといえば、多くのCMにでまくっていたが、そのなかに総務省の地デジ普及のCMがある。今後、草なぎの芸能活動自粛とともに、それらCMはすべてパーとなるだろう。

 周知のように国(総務省)とテレビメディア、家電メーカーが結託し、強引に地デジを推し進めてきたのは、当然その背後に地デジ利権があるからだが、今回の一件で全国のテレビ局127社が無償で垂れ流してきた年間12万8千本行ってきたテレビ広告もパーとなる。これを広告料に換算すると数100億円となるそうだ。

 かつて小池百合子衆院議員が環境大臣だったころボクシング亀田興毅を廃棄物氏サイクルのキャンペーンに全面協力させポスターなどをたくさんつくって政府広報としていたとき、亀田自身が試合で問題を起こし、すべてにポスターやCMを切り替えることになり、膨大な税金の無駄遣いとなったことがある。

 政府と結託して強引に地デジ利権を推し進めてきたテレビ局や家電メーカーそれに政府にとって、今回のふってわいた草なぎ事件は、自業自得であるが、税金の無駄遣いだけは看過できない。

 政府の補正予算にあるエコ家電、地デジ、エコ自動車へのバラマキ支援の問題をまったく報道せず、NHKまでがこれでもかとアホな補正予算を大々的にニュースのトップで報道していたのも、大メディアが何ら本来の社会的役割を果たさず、政府広報になりさがっている実態を如実にしめすものであろう!!


参考:日刊ゲンダイ 2009年4月25日号

みんなのメディア作戦会議 第2弾参加記  青山貞一


みんなのメディア作戦会議
第2弾 参加記
 

青山貞一 Teiichi Aoyama


22 Feb. 2009


 2009年2月21日午後2時より、立教大学8号館において  


   みんなのメディア作戦会議 第2弾
   〜政財官の癒着を断ち切る秘策があった!
    自分たちの代表を審議会に送り込もう!〜

が、ComRights(コミュニケーションの権利を考えるメディアネットワーク)の主催で行われた。

◆案内ビラ
> http://eritokyo.jp/independent/aoyama-co11922.html

 私もパネル討議者のひとりとして参加してた。昨日は立教大学8号館の大階段教室を使い、またインターネットによる生全国中継も行われ会場外からの質問を多く出された。

 会議では、主催者ComRightsの白石草(はじめ)さんの挨拶及び開催趣旨の説明の後、まず日隅弁護士による問題提起からはじまった。池田さんは政府が来年以降に予定している情報通信法案がもつさまざまな危険性についても指摘された。



◆問題提起::日隅一雄(弁護士・NPJ代表) 

         「政財官を断ち切る秘策・
         英国任命コミッショナー制度とは」(仮)



 日隅弁護士の問題提起と提案を受け、以下のメンバーで徹底討議を行った。



 そを受けパネル討議を行う!



◆パネリスト: 

服部孝章(立教大学教授)


青山貞一(武蔵工業大学・大学院教授)


醍醐 聰(東京大学教授)


三井マリ子(女性政策研究家) 


中野真紀子(デモクラシーナウ!日本代表)

      
 パネルの各氏からは今更ながら、日本の審議会制度がもつ課題が浮き彫りにされ、同時に省庁独立行政法人、委員会などがもつ「政」「官」「業」「学」「報」の隠れ蓑の実態があらわにされました。さらに独立行政法人など政府系外郭団体についても高額の報酬、退職金、渡りの実態、そしてどのようにして、なぜ役員が選ばれるのかについて話された。

 昨日はメディア、放送関係者が多かったこともあり、事例では立教大学の服部先生が放送関連審議会、東大大学院の醍醐先生が情報通信審議会や政府財政諮問寛喜関連審議会、私が電波監理審議会を対象に具体的実態、課題についてそれぞれ詳細に報告した。

 また三井氏からはご自身が豊中市の団体の長に全国公募推薦で受かり就任したものの、その後、理事会で解雇された事例をもとに公職者選出のあり方についてのご持論を披露された。さらに中野氏は米国のFCC(連邦通信委員会)の組織実態実態と課題についての報告があった。

 議論では政府による御用学者(委員)の選任方法、省庁外郭団体の長の選任方法に関連し、日隅弁護士が英国の任命コミッショナー制度を詳しく紹介し、政策提言され、それを受け後半で隠れ蓑で現状を追認するこの種の御用組織をどうするかとともに、日本の風土、官僚制度と実態を元に、どうすれば現状を改革できるか、について徹底議論しました。

 さらにインターネットを見ていた前半115名、後半15名ほどの方々を含め質疑応答を行われました。 たまたま私の環境総合研究所の同僚、鷹取氏がインターネットで会議を聴取しており、質問を出され、それが会場で披露され、私たちがそれに答えるなど、今までにないすばらしい会議となったた。



 なお、みんなのメディア作戦会議 は今後、三回、四回と開催する予定とのことだ。

 率直な感想として、大変有意義な会合であったが、今はさまざまな状況が政策提言を生かす絶好のチャンスであることもあり、次回からはぜひ、国会議員や政策秘書などの参加を期待したい。


「審議会革命」英国の公職コミッショナー制度に学ぶ

 <みんなのメディア作戦会議 第2弾>の開催をめどに日隅一雄さんと現代書館が発刊準備してきました「審議会革命」英国の公職コミッショナー制度に学ぶ が刊行されました。

 一冊1000円で書店で購入可能です。
 ぜひご一読ください。

 日隅一雄翻訳、青山貞一監修
 「審議会革命」英国の公職コミッショナー制度に学ぶ
 現代書館 発刊!!



 上記についても近々、独立系メディアの書評コーナーでとりあげます。

日本のメディアの本質を考える◆組行部数と世論誘導〜  青山貞一


日本のメディアの
本質を考える

〜発行部数と世論誘導〜

青山貞一



 
先に日本の大メディア、なかんずく巨大メディアとしての主要新聞の発行部数をみた。次にいわゆる地方紙の発行部数を見てみよう。
 
表2 主要地方新聞と世界主要紙の発行部数比較
新聞名 推定発行部数
出典1)
推定発行部数
出典2)
中日新聞
2,747,683
USAトゥデー() 167万部
北海道新聞 120万部
1,233,170
ニューヨークタイムズ() 107万部
西日本新聞
846,566
ワシントンポスト 78万部
静岡新聞
738,599
ザ・タイムズ() 73万部
中国新聞
721,174
東京新聞
613,099
神戸新聞 52万部
560,175
河北新報
505,437
京都新聞
503,506
新潟日報
498,743
信濃毎日新聞
476,966
ガーディアン() 39万部
ル・フィガロ() 38万部
ル・モンド() 37万部
ディー・ウェルト() 30万部
出典:
1)『週刊金曜日』−
19971017日号・黒薮哲哉
外国紙は1996年・日本紙は1997年の調査
2)
都道府県別新聞発行部数 2003年1−6月「社団法人ABC協会」「社団法人日本新聞協会」調べ

 表2では、あえて米英独仏などの主要新聞の発行部数も示している。

 表2より明らかなように、たとえば中日新聞、北海道新聞の発行部数は、ニューヨークタイムズ、ワシントンポスト始め、欧米主要紙よりもはるかに多いことが分かる。

 このように、日本における新聞の発行部数は、他の先進諸外国と全く異なった様相を示している。それは全国紙だけでなく、地方紙にあっても発行部数が地域独占ないし寡占状態になっていることを例示している。

 テレビはもとよりインターネットが普及している今日でも、これら世論形成に圧倒的な影響力をもつと想定される新聞のシェアは、大きく、国全体では全国紙、地方では少数の地方紙がそれぞれ圧倒的な発行部数とシェアをもっていることがよく分かる。

 表3は、日本におけるここ10数年間の新聞発行部数と世帯数の推移をみたものである。
のデータは、表1と同じく日本新聞協会の経営業務部調べによるもので、1993年から2005年までの全国規模での新聞の発行部数である。

 それによると、日本の人口が2005年3月末の時点で1億2686万
93977人であるのに対し、2005年の発行部数は5千2570万部である。単純平均化した1世帯あたりの部数は1.04部である。

 経年変化を見ると、1993年次店で世帯あたり部数が1.22部であったのが、2000年で1.13部,2005年で1.04部と、12年間で0.18単調減少してきたことがわかる。

 とはいえ、日本社会では新聞、それも全国及び地方で寡占化されている新聞が世帯あたり1部以上の部数を有している現実がある。
合計
種類別 世 帯 数 1世帯
あたり
部数
一 般 紙
スポーツ紙
1993 52,433,451 46,072,744 6,360,707 43,077,126 1.22
1994 52,600,502 46,224,993 6,375,509 43,665,843 1.20
1995 52,854,538 46,511,872 6,342,666 44,235,735 1.19
1996 53,555,803 46,975,839 6,579,964 44,830,961 1.19
1997 53,765,074 47,262,982 6,502,092 45,498,173 1.18
1998 53,669,866 47,289,617 6,380,249 46,156,796 1.16
1999 53,757,281 47,464,599 6,292,682 46,811,712 1.15
2000 53,708,831 47,401,669 6,307,162 47,419,905 1.13
2001 53,680,753 47,559,052 6,121,701 48,015,251 1.12
2002 53,198,444 47,390,027 5,808,417 48,637,789 1.09
2003 52,874,959 47,282,645 5,592,314 49,260,791 1.07
2004 53,021,564 47,469,987 5,551,577 49,837,731 1.06
2005 52,568,032 1.04
各年10月、新聞協会経営業務部調べ
世帯数は総務省自治行政局編「住民基本台帳人口要覧」による(3月31日現在)

発行部数は朝夕刊セットを1部として計算
最新データ(2005)の出典

 

 

つづく

日本のメディアの本質を考える 組行部数と世論誘導〜  青山貞一


日本のメディアの
本質を考える

〜発行部数と世論誘導〜

青山貞一


 
何度も掲載して恐縮だが、その国なり地域、あるいは政治、行政などの民度を計るひとつの重要な物差しとして、米国の社会学者であるシェリー・アーンシュタインによる「参加の梯子」がある。

 下図は、アーン・シュタインの8段階の梯子を私なりに少々手直しして大学の講義(公共政策論など)で使っているものだ。

 図1  「民度を計る」ための8段階の階段

8 市民による自主管理 Citizen Control 市民権利としての参加・
市民権力の段階

Degrees of
Citizen Power
   ↑
7 部分的な権限委譲 Delegated Power
   ↑
6 官民による共同作業 Partnership
   ↑
5 形式的な参加機会の増加 Placation 形式参加の段階
Degrees of
Tokenism  
   
4 形式的な意見聴取 Consultation
   ↑
3 一方的な情報提供 Informing
   ↑
2 不満をそらす操作 Therapy 非参加・実質的な
市民無視

Nonparticipation
   
1 情報操作による世論誘導 Manipulation
原典:シェリー・アーンシュタイン(米国の社会学者)青山修正版

 政治、行政に限らず、また我が国に限らず新聞、テレビなど大メディアの在り方を考えるとき、図1の8段階の梯子は、きわめて重要な尺度、物差しを与えてくれる。

 日本の大メディア、たとえば日本新聞協会はその「新聞倫理」のなかで、「新聞の責務は、正確で公正な記事と責任ある論評によってこうした要望にこたえ、公共的、文化的使命を果たすことである」と宣言している。

 しかし、企業の社会的責任(CSR)を含め、情報提供、情報公開、世論づくりなどに重大な責任をもつ日本の新聞社やテレビ局など、大メディアの在り方をつぶさにみてみると、「新聞の責務は、正確で公正な記事と責任ある論評によってこうした要望にこたえ、公共的、文化的使命を果たすことである」という宣言からほど遠い現実が浮かび上がってくる。

 事実、直近の「発掘、あるある大辞典」に象徴されるように大メディアが、まさに「1.情報操作による世論誘導」を白昼堂々と行っている。しかも、調べれば調べるほど、それが日常化している現実が見えてくる。

 また日本の国政における野党の不甲斐なさについて、私は独立系メディアの論考で何度となく言及してきたが、さりとてメディア論的にみると、一昨年の郵政民営化など小泉政権への一方的な肩入れ、政権政党の広報機関ではないかと見間違う報道姿勢からは、本質的問題を横に置き、国民の「2.不満をそらす操作」がかいま見える。

 さらに、新聞はもとよりテレビのメディアでも、依然として政府が行うパブリックコメント同様、視聴者のご意見を伺いましたと言うアリバイづくりがほとんどである。すなわち、もともと独善的姿勢が問題となっている大メディアによる「3.一方的な情報提供」が日本では大手を振って闊歩している現実があると思える。

 もちろん、これらは日本政府の「やらせタウン・ミーティング」などで象徴的に現れていることだが、問題はそれが大メディアを通じて国民に政府広報的に垂れ流され、「1.の情報操作による世論誘導」となることである。そこには、新聞の責務は、正確で公正な記事と責任ある論評によってこうした要望にこたえ、公共的、文化的使命を果たすことであると言う新聞協会の崇高な新聞倫理など見えない。

 実際、こもとあろう、行政とメディアとの連携による前代未聞の税金の無駄遣いとなった、やらせ「タウン・ミーティング」では、朝日新聞の子会社である朝日広告が業務で深く関わっていたことが分かっている。

......

 ところで、メディア論的に見ると、いかなる国でも世論は大メディアによって形成されてきたことが分かるが、とりわけ、日本社会でこのことは顕著である。

 米英独仏など他の主要先進国と異なり、日本社会では、新聞が他国では想像できないほどの異常に大きなシェア、購読者をもっている事実がある。

 大メディアが異常に大きいシェア、視聴率などを持っているということは、とりもなおさず、そこで報道される内容が世論形成に直結する危険性をはらんでいる。複数の中小規模のメディアではなく、異常に発行部数が多い数紙の新聞や全国ネットのテレビで流される情報が、その国の世論のベースとなることは想像に難くない。

 さらに、我が国固有の記者クラブの存在により、新聞、テレビに掲載される内容が画一的なものとなりがちである。また行政や広報したり、通信社が配信した内容に、決定的な間違いや世論操作があれば、地方紙を含め、親亀こけたら(間違ったら)、津々浦々で間違いや世論操作が起こることになるのは自明である。

 少々古いデータであるが、以下は青山が、世界の主要新聞の発行部数で示した主要新聞の発行部数のデータである。

 以下をみれば、日本の主要新聞の発行部数が欧米諸国と比べいかに巨大であるかがよく分かる分かる。

表1 世界の主要新聞発行部数比較
新聞名 推定発行部数
出典1)
推定発行部数
出典2)
読売新聞 1016万部
10,044,990
朝日新聞 826万部
8,241,781
毎日新聞 394万部
3,931,178
日本経済新聞 296万部
2,820,347
中日新聞
2,747,683
サンケイ新聞
2,058,363
USAトゥデー() 167万部
北海道新聞 120万部
1,233,170
ニューヨークタイムズ() 107万部
西日本新聞
846,566
ワシントンポスト 78万部
静岡新聞
738,599
ザ・タイムズ() 73万部
中国新聞
721,174
東京新聞
613,099
10 神戸新聞 52万部
560,175
河北新報
505,437
京都新聞
503,506
新潟日報
498,743
信濃毎日新聞
476,966
11 ガーディアン() 39万部
12 ル・フィガロ() 38万部
13 ル・モンド() 37万部
14 ディー・ウェルト() 30万部
典:1)『週刊金曜日』−19971017日号・黒薮哲哉
外国紙は1996年・日本紙は1997年の調査
2)都道府県別新聞発行部数 2003年1−6月「社団法人ABC協会」「社団法人日本新聞協会」調べ

 読売新聞はニューヨークタイムズ紙の約10倍、ワシントンポストの約13倍、英国のタイムズの約14倍、フランスのフィガロの約27倍、ドイツのディー・ウェルトの約34倍と、いずれも桁が違うことが分かる。

 これはメディアのうち新聞ひとつを例にした場合だが、とりもなおさず、日本の大新聞の記事内容が日本人の世論形成に大きく関与することを意味する。同時に、ひとつ間違えば発行部数の巨大さが、世論誘導の危うさを潜在的に有することをも意味することになるだろう。

BSデジタル放送は電波の大いなる無駄遣い  青山貞一


BSデジタル放送は

電波の大いなる無駄遣い

青山貞一


 私はもともと、ニュース以外あまりテレビは見なかった。

 たまたま見たNHK-BSのデジタルハイビジョンの高品質な映像に惹かれ液晶テレビを入れたのをきっかけに、世界各地の紀行や音楽、歴史ものを中心にデジタル・ハイビジョンを見るようになった。
 
 実際に見てみると、高画質な映像だけでなく、ドルビー、dts、AACなどの臨場感ある音響でオーケストラなどのクラシック音楽がで聞け、掛け値なしですばらしいと感じている。

 すばらしいと感じたのはここまで。

 ウィークデー昼間の民放のBS番組を見てみてびっくり。

 ところかまわずテレビショッピングをしているではないか!

 同じ音楽番組でもここでは、曲の頭出しだけをするだけで、結局、DVDを視聴者にウルための広告・宣伝に変わるのである。

 あるとき家族で民放のドキュメント番組的な番組をみていた。青汁が健康に良いと言っているので、あれ〜とおもったら、案の定、あとになってこの番組が粉末の青汁の広告・宣伝であることが分かった。

 以下は、2006年1125日 () BSテレビ番組表の一部。



以下は、1130日 (13時〜のテレビ番組表


 ことごと左様、地上波で深夜、早朝に行われているテレビ・ショッピングが、BS民放では日中から堂々、それも連日行われていることが分かった。何だこりゃ!!

 もちろん、民放のBSでもまれに高画質と高音響を生かした番組を流している。しかし圧倒的多くは、テレビショッピングか広告・宣伝、劣悪な地上波の番組を思われるものばかりだ。

 ところで、日本の放送法の第一条では、以下にあるように、その目的をきわめて明快に述べている。

第1条 この法律は、左に掲げる原則に従つて、放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ることを目的とする。
1.放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること。
2.放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること。
3.放送に携わる者の職責を明らかにすることによつて、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること。

 有限で希少な電波を使ったデジタルBS放送のどこが一体、上記の1.、2.、3.の目的に合致しているのであろうか?

 上記の放送法は公共放送であるNHK向けにあるとしても、その主旨は、当然のこととして民放にもあてはまるはずだ。であるからこそ、テレビ、ラジオは国の免許事業となっている。

 最近、あるテレビ番組の政策関係者と立ち話をしたら、私とまったく同じ考えを持っていた。

 デジタル系で巨額の設備投資をさせられたはずの民放テレビ局だが、現在、中央のテレビ局(キー局)は空前の好景気だそうだ。その理由は、まさに地上波に加え、まるで「一日中、コマーシャルが流せるBS」のおかげで思わぬ広告料が入るためだそうだ。

 信じられないような話だが、本当のようだ。

 BSではなくCSは元々、ペイテレビで有料であれ、スポーツや映画など個別具体のニーズに対応することになっていた。これらはいずれも通常のアナログテレビである。

 一方、高画質、5.1チャンネルのドルビー、dts、AACなどの臨場感ある音響で聴けるBSのデジタルハイビジョン番組は、もともとペイテレビとしてアナログ時代からBSにいたWOWOW(これは現在もアナログ)以外、地上波のテレビのキー局である日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日が免許を得て設置したものである。

 それらのキー局がわざわざBS、それも高画質、高音響を売り物としたBSの局免を取得しやっていることが、テレビショッピングや地上波まがいの番組では、「有限で希少な電波資源の無駄遣い」と思われレも仕方ない。

 有限で希少な電波資源をごく一部のテレビ・メディア企業に免許を出している総務省にも放送法第一条の主旨からして大きな責任がある。

 与党・政府は、教育基本法改正を云々する前に、もっと日常の足もとをしっかりみるべきだ。 

 現代は限界効用を過ぎた「過度な消費社会」であることは間違いない。これでもかこれでもかと新製品をメーカーが売るためにBS放送が使われるのは、明らかに間違いである。

 ここ数年、不祥事に次ぐ不祥事のNHKだが、ことBS放送、とくにBSハイビジョン放送は、民放のあまりにも酷いコンテンツと言う敵失もあるが、よほどまともに見えてくるのは不思議だ。 

 もちろん、BSにNHKが3波は不要だろう。せいぜい2波でよいと思う。

末期的症状を呈する自民 "民主主義を壊す大メディア"

 

末期的症状を呈する自民
 民主主義を壊す大メディア

青山貞一


 東京新聞2005年8月26日号の「メディアを読む」で立教大学の服部孝章教授(メディア論)は、昨今の小泉郵政民営化問題に、メディア論の観点から大メディアに次のような辛辣な批判を浴びせかけている。

 「今こそ冷静な視座が必要なのに、『刺客』『マドンナ』など劇場型選挙が小泉政権中枢によって演出・展開され、テレビはワイドショー枠も定時ニュース枠も追随している。テレビジャーナリズムの危機だ。

 現政権は9月11日実施の総選挙で、行政改革の本丸とする『郵政民営化』の是非を最大争点に掲げる。しかし、後にこの9月11日を検証する際、日本の社会と政治が民主主義を放逐してしまったなどといえるようなことになるかもしれないほど、日本社会は分岐点にある。」

さらに

 「今こそテレビ報道は、『小泉政治』の4年間を徹底して検証すべきだ。『刺客』らを追っかける取材陣のコストは、そのまま日本のジャーナリズムを弱体させるだけだ。

 『刺客』の動向を自民党広報機関のように伝える姿勢は、報道の自由をとはかけ離れ、この国の将来を決定する選挙を一時のお祭りにしているだけにすぎない。

 今こそ必要なのは、現状の政治の真の争点の掘り起こしと、戦後60年にしてこの国の『民主主義』の脆弱さを乗り越える報道姿勢ではないのか。」

 まさにその通りである。 

 一方、友人のフリージャーナリスト、横田一氏も昨今の異常なテレビ報道に対し具体的に次のように述べる。

 「マスコミが『郵政民営化賛成派=改革派、反対派=守旧派』という一面的な物差しを押し付け、小泉首相の広報機関と化しているのは全く同感です。

 先週のテレビ・タックルでは、賛成派のコメンテーターが勢ぞろいし、反対派の側に立って反論するのが福岡教授だけという不公平な人選でした。ワッツ・ニッポンでも、猪瀬直樹氏やテリー伊藤氏や日経ウーマン編集長が三人とも郵政民営化賛成派で、反対派の議員を詰問するというやりとりもありました。

 放送法の多角的視点の提示からすると、スタジオには、少なくとも一人は反対派に近い立場のコメンテーターがいないとバランスに欠けると思います。

 猪瀬直樹が出るなら、反対派寄りのコメンテーターが出ないとおかしいと思います。こうした偏向報道ぶりについては、あまりに酷い。

生き残り懸け「イメージ新党」=裏に「小沢一郎氏」との見方も
 ただ、結党の記者会見で田中氏は抽象的な理念を繰り返すばかりで、政策は語らなかった。「合言葉は信じられる日本へ」などとした結党宣言が「当面の理念と公約」(荒井広幸参院議員)という状況だ。窮余の策とはいえ、どこまで有権者の理解を得られるかは不透明だ。
(時事通信) - 8月21日22時9分更新

 この(上の)時事通信の記事も小泉首相寄りにみえます。

 田中知事は「抽象的な理念を繰り返す」だけではなく、長野県の財政が健全化していることを紹介した上で、小泉政権下で日本の借金が膨らんでいることを指摘(小泉首相が「聖域なき構造改革」を訴えても効果なし)、また道路公団民営化についてもイタリアの高速道路料金が日本の4分の1であると紹介(ちなみに小泉首相の道路公団民営化では1割しか料金は下がらない)、「民営化した後、どうなるか」を問題提起したいと語っていました。

 これは、形だけの「民営化」をしても具体的な効果(国民へのプラス)が伴うのかという”小泉口先政治”への批判に聞こえます。

 こうした具体的な対立軸を時事通信の記者は感じないというのは、よっぽどセンスがないか、上司から小泉批判はするな」といわれているのかのどちらかとしか思えません。

 抽象的な理念を繰り返すばかり』というのは、『民営化』『民営化』と叫ぶだけで、官から民へ資金の流れがどう変わるのか、出口の特殊法人の無駄遣いがどう減っているのかを説明しない小泉首相に向けられる批判ではないかと思います。」
 
 おそらく圧倒的多くの読者も横田氏の上記のコメントに賛同する事と思う。それほどここ数週間の大メディア、とくにテレビ報道は常軌を逸していたと思える。

 ところで、私が末期的症状を呈する自民シリーズの最初の号で指摘した「月刊現代9月号が提起したもの!」で指摘した、朝日新聞の安倍、中川の両代議士による番組制作への政治介入問題だが、武部自民党幹事長らは、朝日新聞に本当に取材拒否を通知した。

 本来、政権与党である自民党の朝日新聞取材拒否に対しメディア全体で自民党に抗議すべきなのに、当事者の朝日新聞が及び腰なのに加え、他の大ジャーナリズムは抗議するどころか沈黙を守っている。新聞によっては自業自得とばかり高見の見物を決め込んでいる大メディアもいる。

 2005年8月10日の東京新聞の「メディア新事情」で篠田博之氏は、これについて次のように述べている。

 「政権政党である自民党がこんな形で取材拒否を行うのは、どう見ても論点のすり替えであり、嫌がらせでしかない。だが驚いたのは、この取材拒否に対してメディア界全体で抗議や反論を行う空気があまり見られないことであだ。」

 日本の大メディアは、イラク戦争勃発直前でも朝日新聞がろくに検証もせず、ブッシュ大統領の大量破壊兵器論にひっぱられ、イラク戦争を容認するような社説を堂々と掲載していた。

 ブッシュ大統領の「イエス」か「ノー」かの二項対立論と小泉首相の郵政民営化に「賛成」か「反対」かの二項対立論もきわめて酷似している。共通しているのは、国民を思考停止とさせ、メディアを自分たちの側に引き入れることである。この間の日本の大メディアは、まさにそれに国民を誘導するよう先導してきたといえまいか。
 
 イラク戦争では、後にブッシュ政権のあちこちの側近から大量破壊兵器の不存在が示されたが、日本のマスコミはベタで報道するだけで、社説などで明確に自分たちがしてきたことを反省している新聞社それにテレビ局はごくごくわずかである。

 日本の世論は、マスコミによってつくられることは周知の事実だ。

 独裁的為政者のメディア戦略に簡単に乗せられ、追随する昨今の大マスコミをみていると、この国の民主主義はまさに大メディアによって破壊されていると思うのは私一人ではないだろう。

 本当に日本の行く末を危惧するものである!

末期的症状を呈する自民  「二世」、「三世」議員の巣窟


末期的症状を呈する自民
 「二世」、「三世」議員の巣窟

青山貞一


 長期に政権、権力に居座ることの一つの大きな弊害は、官僚出身議員とともに、二世、三世議員が増えることである。これは特に政権政党である自民党において顕著である。

 本来、より多様で多彩な人材が国政に行くべきだが、安易な世襲によって多くの二世、三世議員が誕生している現実を直視するば、まともな人材が二の足を踏むのも分かるというものである。

 事実、給与以外に政務調査費、旅費交通費などを含めると年間一人当たり3000万円近くの税金が政権野党の世襲議員に払われることになる。世襲そのものが一種の利権構造を生み出す土壌を醸成していると言ってもよい。

 以下、あいうえお順に、自民党の二世、三世議員をリスト化した。リストの見方は、左端から右端に向か曽祖父・曽祖母―祖父・祖母─父・母─息子・娘の順となる。


自民党(衆院、参院)の二世、三世議員リスト

逢沢寛      → 逢沢英雄  → 逢沢一郎
愛知揆一    → 愛知和男 (養子) → 愛知治郎
赤城宗徳    → 赤城徳彦(孫)
麻生太賀吉  → 麻生太郎
安倍寛     → 安倍晋太郎  → 安倍晋三
甘利正     → 甘利明
池田勇人   → 池田行彦(娘婿)
石原慎太郎  → 石原伸晃
石破二朗    → 石破茂
伊藤宗一郎  → 伊藤信太郎
稲葉修     → 稲葉大和
臼井尚一   → 臼井日出男
宇野宗佑    → 宇野治(娘婿)
浦野幸男    → 浦野休興
江崎真澄    → 江崎鉄磨 ・江崎洋一郎  
江藤隆美    → 江藤拓
大石八治    → 大石千八 → 大石秀政
大野伴睦    → 大野明・大野つや子(明の嫁)
小此木彦三郎 → 小此木八郎
小渕光平   → 小渕恵三  → 小渕優子
奥野誠亮   → 奥野信亮
梶山静六   → 梶山弘志
加藤精三   → 加藤紘一
加藤高蔵   → 狩野昭男(娘婿)・狩野安
金子一平   → 金子一義
亀井善彰   → 亀井善之
唐沢俊樹   → 唐沢俊二郎
川崎克     → 川崎秀二  → 川崎二郎
岸信介     → 安倍晋太郎 (娘婿) →岸信夫 (安倍家から岸家へ養子入り)
岸田正記   → 岸田文武 → 岸田文雄
北川石松   → 北川知克
北村義和   → 北村直人
木村文男   → 木村守男 → 木村太郎
倉成正     → 倉成正和
小泉又次郎 → 小泉純也 → 小泉純一郎
河野一郎 ・河野謙三 → 河野洋平  → 河野太郎
河本敏夫  →  河本三郎
久野忠治   →  久野統一郎
高村坂彦   →  高村正彦
小坂善之助 → 小坂順造  → 小坂善太郎・小坂徳三郎 → 小坂憲次
後藤田正晴 → 後藤田正純(正晴の甥の子)
近藤元次   → 近藤基彦
桜内幸雄  → 桜内義雄
左藤義詮  → 左藤恵 → 左藤章
佐藤栄作  → 佐藤信二
斉藤滋与史→ 斉藤斗志二
斎藤昇    → 斎藤十朗
塩崎潤    → 塩崎恭久
塩谷一夫  → 塩谷立
島村一郎  → 島村宜伸
鈴木善幸  → 鈴木俊一
砂田重政  → 砂田重民 → 砂田圭佑(重民の甥)
住栄作    → 住博司
関谷勝利  → 関谷勝嗣
世耕弘一  → 世耕政隆 → 世耕弘成(政隆の甥)
園田直    → 園田博之
竹下登   → 竹下亘(弟)
谷川昇   → 谷川和穂
塚原俊郎 → 塚原俊平
田中角栄 → 田中直紀 (娘婿)
谷垣専一 → 谷垣禎一
田村元一 → 田村憲久(甥)
土屋義彦 → 土屋品子
戸井田三郎 → 戸井田徹
渡海元三郎 → 渡海紀三朗
中川一郎  → 中川昭一
中川俊思  → 中川秀直 (娘婿)
中島知久平→ 中島源太郎 → 中島洋次郎
中曽根康弘→ 中曽根弘文
中村庸一郎→ 中村正三郎
中山榮一  → 中山利生
中山福蔵・中山マサ → 中山太郎 ・中山正暉 → 中山泰秀
西銘順治  → 西銘順志郎・西銘恒三郎
丹羽喬四郎→ 丹羽雄哉
野田武夫  → 野田毅 (娘婿)
野田卯一  → 野田聖子 (孫)
橋本龍伍  → 橋本龍太郎
初村滝一郎→ 初村謙一郎
服部安司  → 服部三南雄
葉梨新五郎→ 葉梨信行 → 葉梨康弘
鳩山和夫  → 鳩山一郎  → 鳩山威一郎 →鳩山由紀夫 ・鳩山邦夫
浜田幸一  → 浜田靖一
林大幹一  → 林幹雄
林平四郎  → 林佳介 → 林義郎 → 林芳正
原田昇左右→ 原田令嗣
平井太郎  → 平井卓志 → 平井卓也
平沼騏一郎→ 平沼赳夫 (兄の曾孫→養子)
福田赳夫 ・福田宏一 → 福田康夫
福永健司 → 福永信彦
藤井丙午 → 藤井孝男
元田肇   → 船田中 ・船田享二 ・藤枝泉介 → 船田譲 →船田元
藤本捨助 → 藤本孝雄
古屋善造 → 古屋慶隆 → 古屋亨 →古屋圭司
細田吉蔵 → 細田博之
保利茂   → 保利耕輔
堀内光雄 → 堀内一雄 → 堀内光雄
松永東    → 松永光(東の養子)
町村金五   → 町村信孝
水野清     → 水野賢一(中尾栄一 の息子→養子)

三ツ林幸三 → 三ツ林弥太郎 → 三ツ林隆志
三原朝雄   → 三原朝彦
御法川英文 → 御法川信英
宮沢裕    → 宮沢喜一 ・宮沢弘 → 宮沢洋一
宮下創平   → 宮下一郎
武藤嘉門  → 武藤嘉一 → 武藤嘉文
森矗昶 ・岩瀬亮 → 森曉・森清・森美秀 →森英介
大平正芳  → 森田一(娘婿)
保岡武久  → 保岡興治
山下元利  → 山下英利
山本富雄  → 山本一太
渡辺美智雄→ 渡辺喜美
綿貫佐民  → 綿貫民輔

末期的症状を呈する自民 「郵政民営化」の本質的課題


末期的症状を呈する自民
 「郵政民営化」の本質的課題

青山貞一
 


 もともと「郵政民営化」は、行財政改革、とくにいまや350兆円になんなんとする郵貯、簡保の国民の貯蓄が、財政投融資により過去、公団、公社などの「はこもの」づくりのための資金の温床となってきたことを辞めさせるが大きな目的とされて来た。

 与党の政治家と霞ヶ関の官僚は、80数兆円の国の一般会計予算とは別に、もうひとつの大きな予算(実際は借金)を国民の見えないところで実質的にもっていることになる。

 政治家と官僚の裁量による連携によって、国民から集められた郵貯、簡保の貯蓄が国民の知らないところで勝手に大規模な公共事業、「はこもの」建設に使われ、しかも、それらが累積債務としてだけでなく、不良債権と化している現実は到底看過できるものではないだろう。

 同時に、いまや1000兆円になんなんとする日本の国、地方などを合わせた累積債務を支える各種国債購入の原資に郵貯、簡保がなっていたことも大問題である。

 問題は郵貯、簡保を原資とした「財政投融資」問題だけでない。350兆円といわれる郵貯、簡保を原資に、国債を下支えしていることとも関係がある。郵貯、簡保を原資とした国債の購入額は下のグラフにあるように150兆円に及んでいると推定されている。


日本の累積債務総額の推移


国、自治体累積債務に占める郵貯・簡保購入分

 その意味で、郵政民営化、とくに行政再建、財政再建との関連する郵政民営化が重要な課題であることは言を待たない。また郵政民営に限らず官から民へ、小さな政府、役人天国からの脱皮などは、日本の国の形を変えるうえできわめて重要なことだ。

 だが、よくよく考えると、郵政民営化は、小泉首相が言うような官から民へ、小さな政府、役人天国からの脱皮と言った単純で分かりやすいキャッチフレーズとは別に、さまざまな大きな課題が山積していることが分かる。それら本質的な課題について、政府も政治家、それにただ選挙に関連し連日騒いでいるマスコミはほとんど言及していない。

 最初に言えることは、これら前代未聞の国、地方の累積債務や不良債権の大部分は、約50年続いている自民党政権の下で行われてきたことであることだ。

 それを抜きに、改革問題は考えられない。果たして、小泉首相の郵政民営化で果たして上のグラフの郵貯・簡保分(150兆円)がなくなるのか? 大幅に減るのか? またまともな情報公開がなく実態が不明な過去から現在の不良債権化額を含めた財政投融資の累積債務が民営化で公的資金の投入なく処理できるのか? さらに郵貯、簡保がそれぞれ株式会社化された場合、米国の巨大金融資本など、外国資本の餌食にならないのか? M&Aなどによるリスクはないのか? などなど、素朴な疑問がぬぐい去れない。

財政投融資の実態

 財政投融資制度は2008年以降なくなり、その手の資金は市場で調達することが義務づけられることになっているが、今までの財政投融資の累積債務及び焦げ付き(不良債権)がどうなるかが大きな課題となるはずである。

 過去の財政投融資の規模は、財務省データを見ると、32兆円(平成13年)→27兆円(平成14年)→23兆円(平成15年)→20兆円(平成16年)→17兆円(平成17兆円)である。

出典:財務省


 ※財政投融資制度は2008年以降なくなり、その手の資金は市場で
   調達することが義務づけられることになっているが、今までの財政
   投融資の累積債務及び焦げ付き(不良債権)がどうなるかが大き
   な課題となるはずである。

 最初に言えることは、小泉首相が上記の日本の累積債務の元凶がすべて郵便貯金事業、郵便保険事業にあると、ドグマチックに思い込みすぎているところにも大きな課題があると思える。

 もちろん、元凶のひとつであることに間違いない。しかし、ここまで国,自治体、公社、公団等の累積債務、かつ実質的に回収不可能な不良債権を増やしてきたのは、古くは「政」、「官」、「業」の癒着、昨今の「政」、「官」、「業」、「学」、「報の癒着体質と現状追認にあることは間違いない。これら癒着利権体質と現状追認のペンタゴンは、まさに政府自民党の一大お家芸ではなかろうか。

 以下、可能な範囲で郵政民営化に係わる課題について私見を述べてみたい。

 ところで、実際の郵政民営化の基本方針及び法案には、羊頭狗肉となる可能性が数多く残されている。以下に、閣議決定された郵政民営化の基本方針と、私が考えるその諸課題について示す。ただし、以下の課題は基本方針段階のものであり、その後の法案、修正は含んでいない。

その1 郵便業務・窓口業務

(1)政府の郵政民営化では、従来の郵政事業を〜觚サービス、⇒絞悄↓M絞愧金、ご憤彿欷韻裡瓦弔吠けている。すなわち、4機能をそれぞれ株式会社として独立させ、窓口ネットワーク会社、郵便事業会社、郵便貯金会社、郵便保険会社とするとしている。

(2)郵政民営化に反対する議員らの主張の多くは、次のようなものである。「収益のあがらない郵便事業ですから税金で赤字の穴埋めがされていると思われていますが、日本では税金は使われていません。むしろ税金で負担すべき部分も税金で負担していないものがあります。例えば、年金基礎年金部分は1/3を国が税金で負担しなければなりませんが、郵便事業職員には税の負担はありません。そんな収益のあがらない郵便事業が今日まで続いてきたのは、郵便局が貯金事業と簡易保険事業とを合わせて行ってきたからです。」

(3)これに対し、郵政民営化は、上述のように、郵政事業を〜觚サービス、⇒絞悄↓M絞愧金、ご憤彿欷韻裡瓦弔吠け、それぞれを株式会社化するのであるから、当然、切り離された,鉢△了業単独では経営が成り立たないと主張することになる。しかも、民営化後の各種郵政関連企業は、納税義務を負うことを前提としている。

(4)まず最初の課題は、〜觚ネットワーク会社や⇒絞愡業会社の場合、それ単独の業務で果たして会社の経営が成立するのかどうかにある? 郵便貯金、簡易保険との抱き合わせがないだけでなく、今後、小口配送業がより多様化、効率化し、書状等が一層電子メール化するなかで、とくに離島、山間僻地、過疎地などで、従来の窓口ネットワーク機能、郵便機能が維持されるのかと言う課題である。

(5)そのなかで、離島、山間僻地、過疎地などで、郵便のユニバーサルネットサービスが可能となるのかが課題となるだろう? たとえば、長野県には合併後も80以上の市町村があり、南信地域などには、数100から2000人程度の町村が多数ある。これらの中山間地において郵便のユニバーサルネットサービスを可能とするためには、おそらく県、町村の地域政策との連携、補完政策が不可欠となるはずだ。

(6)郵便事業民営化でひとつの理想モデルとなっているドイツの郵便事業だが、次のような課題が指摘できる。ドイツの連邦参議院は、郵便事業の民営化に関して現在、反省の時期に入っているといえる。郵便事業の民営化以前、全国に約29,000局あった郵便局は13,000局まで減少したが、ドイツの連邦政府がその後、設置基準を設け減少をフォローしだした。各種郵便料金を2回値上げした。今後、赤字が出れば連邦政府や州政府が郵便事業の赤字を補助すべきと言う要求を民営会社であるドイツポストからつきつけられている。

(7)またドイツポストへの民営事業のうち国際物流事業は、航空機を約200機を有し、DHLを子会社としている。しかも、世界各国の空港利用を前提とした巨大国際物流事業としてそれなりに成功したのであり、国内中心、しかも全国通津浦裏に行き渡る郵便事業経営が郵便事業単独で成功する可能性は少ない。そもそもDHLなどの国際小口物流に日本のEMSや日通の航空便が太刀打ちできるはずがないのではないか? 

(7)上記のように、もし、郵政事業のうちユニバーサルネットサービスは、郵政民営化関連施策,事業だけでなく、その補完施策、応急施策、地域政策と連携し、すなわちセイフティーネットを具体的に考慮してはじめて可能となると思える。ニュージーランドの挫折はもとより、イギリス,オランダなどの先行事例では国による政策的財政負担で赤字を負担している現実をもっと直視する必要がある。これでは元の木阿弥である。


その2 郵便貯金、郵便保険事業

(1)郵政民営化に反対する国会議員の言い分として、次のようなものがある。すなわち、「郵便事業が預金や簡易保険という金融事業を行うことに対して根強い批判があります。郵便事業を民営化すべしとの声はこの金融業界からの根強い批判から出ているといってもいいかもしれません。この10年間の日本経済の低迷は民間金融業界が本来の使命を忘れて投機に走ったことが原因であったことを忘れてはいけないと思います。郵便貯金も簡易保険も民営化されて、投機に走るようなことがあればどうするのでしょうか。郵便貯金や簡易保険の資金は国の公社公団を通じて無駄な事業の温床になってきたとの批判もあります。しかし、郵便事業の責任ではありません。郵便事業資金の自主運用を妨害し、国の財政投融資に資金を振り当ててきた予算当局の責任です。」

(2)上記の主張、言い分には当然、それなりの正しさがある。国立の機関が独立行政法人となっても、そこに省庁の官僚が天下れば、表向き民営化された組織でも、従来の課題の多くを引き継ぐことになりかねないからだ。これは道路公団民営化などでも同じ事であるからだ。

(3)かつてニュージーランドは郵便事業を金融部門(郵便貯金・簡易保険事業に相当する)を外しおり、これこそ日本が見習うべきビジネスモデル、改革であると日本政府は推奨していた。だが現在どうだろう。見習うべきニュージーランドは再度税金を投入し、郵便局に金融部門を復活させてたのである。だが、一旦崩れたシステムの復活は容易ではなく、ニュージーランドの極端な民営化モデルは現在失敗の見本と化している。

 参考:
ニュージーランド

(4)ドイツでは当初、郵便会社、すなわちドイツポストを分離したが、その後、ドイツポストは親会社として、郵便局会社、急送便会社、物流会社、金融会社(ドイツバンク)までを子会社化した。さらに、ドイツポストの子会社となった金融会社には生命保険会社や損害保険会社が孫会社化している。当初、金融会社であるドイツバンクは郵便会社であるドイツポストの子会社ではなかったが金融会社が郵便局維持費の2分の1を負担することに応じなかったためドイツポストは金融会社を買収した。現在、ドイツポストは郵便局会社、急送便会社、物流会社の株式を100%、金融会社の約70%を保有してグループ経営を展開している。

 参考
:ドイツポスト

(5)だが、日本の郵政民営化の基本方針では、持ち株会社を親会社とするものの100%を所有できるのは窓口会社と郵便事業会社だけであり、郵便貯金会社と郵便保険会社の株式保有を認めていない。さらに、郵便事業会社、郵便貯金会社、郵便保険会社が窓口会社に業務委託する義務を課さないとしている。郵便事業と郵貯事業,簡保事業を分離することに熱心なあまり、持ち株会社を中心に資本で連結した企業がグループの有機的連携ある経営によって資本力を発揮することができなくなる可能性がある。

(6)一方、政府の郵政民営化で、資本的に切り離された郵便貯金事業会社や簡易保険事業会社がJRやNTTのように、分割民営化されない場合、最終的には350兆円もの預金額をもつ超メガバングをつくることになりかねないのではない。 仮にメガバング化する場合でも、完全民営化に至る過渡期にあって過小資本の問題が起きないと言えるか? 逆に、株式市場などでの株式売却により、過小資本問題を克服し、それなりの適正な資本規模をもったメガバンク、郵政銀行が誕生した場合には、それが新たに民業を圧迫することにならないか?

(7)ちなみに、ドイツポストは自己資本率30%で発足している。一方、日本郵政公社の試算では日本の場合、約7兆円の資本が必要であると推定している。だが日本政府はこの約半分の資本で発足させようとしているふしがある。さらに株の売却収入を資本の充実に充てると言う考えもないようだ。企業論的に見れば,郵政民営化をすることは、市場で株式を発行し、それを売却することを意味するが、日本政府は累積債務解消のためにその収入を国庫に取り込むことだけを考えており、肝心な郵便事業経営の健全経営資金に使うことは毛頭考慮していない。

(8)一方、郵政民営化は国債、地方債引き受け問題とは別に、過去における公社、公団、特殊法人などへの巨額な財政投融資に起因する不良債権を、国民の目の見えないところでチャラとさせる手段とならないか? そもそもそれらの実態に関する情報開示はどうなっているのか? さらにそれら過去の巨額な財政投融資などに起因する不良債権の処理はどうするのか? 

 参考:
財政投融資の課題

(9)周知のように郵貯・簡保・年金資金は財政投融資として特殊法人等の資金源として活用されてきたが、2008年度からは制度が変わり、従来の財政投融資に相当する金は完全に市場調達せざるをえなくなる。

(10)その結果、民営化された郵政銀行が従来同様、いや従来以上に国の国債や各種起債を大量に買うことにならないか? 民営化された郵政銀行に霞ヶ関から天下った官僚らの指示で、大量の国債、起債を買わされ、もとの木阿弥とならないか? その場合には、従来の政府保証がなくなり、資金運用は絶えず大きなリスクをしょいこむことになる。もし、今後、金利上昇局面に転ずれば、国際流通市場での価格暴落のリスクが一気に増大し、結果的に大きな評価損を抱え込むことになりかねない。

(11)民営化された超メガバンクとなる郵政銀行に、郵政関連の官僚らが大量に役員などとして天下りる可能性はないのか? 道路公団をみるまでもなくその可能性は否定できない。さらにこの場合、郵政銀行が保有する150兆円規模の国債をもちつづけることで、結果的に政府の累積債務を下支えすることにならないか? 逆に、今後、国債、地方債を購入する原資となる郵便貯金や郵便保険の預金額が、集中満期による集中流出となる可能性もある。また預金者は、今後、より利率の良い金融商品に移行する可能性もある。


その3.郵政民営化は米国政府・産業の要請?

(1)他方、諸外国との関係、とくに米国との関係でこの郵政民営化問題を見ると、次のような危惧が指摘できる。すなわち、現在までに米国債を一番買わされているのが日本であり、全体の30〜40%と言われている。これら米国債は得るに売れないと言う意味で日本経済にとって一種の不良債権となっていると言ってもよい。諸外国が購入を減らしているなかで日本だけが米国債の比率を上げている現実がある。米国追随の小泉政権が郵政民営化を強調する理由のひとつとして、現状では制限されている米国債を民営化後の郵便及び保険会社が買い支えするのではないかと言う危惧がある?


日本による米国国債買い支えの実態

 日本の米国債保有の増加分だが、米国内での米国債購入分の約2倍(1671億ドル・約18兆3800億円)となっていることが分かる。これは2003年の日本政府の円売り・ドル買いの介入額、約20兆円のほとんどが米国債購入のために当てられたと推定される。米国の国債発行額は米経済の落ち込みが顕著となった2001年後半から急激に増加している。米国債保有残高に占める日本のシェアが急増しており、とくに2003年以降顕著だ。実に40%に迫る勢い。その理由は日本政府が巨額の円売り・ドル買い介入で得たドルの大部分を、米国の国債を購入するために使っているためと推定される。ブッシュ大統領の大減税とイラク戦争の軍事費は日本からの国債購入の下支えがなければ困難であったと考えられる


(2)さらに基本方針では、「日本郵政公社を廃止し、4事業会社と国が全額株式を保有する純粋持株会社を設立する。設立時期は2007年4月とする。........窓口ネットワーク会社及び郵便事業会社の株式については、持株会社が全額保有するが、郵便貯金会社、郵便保険会社については、移行期間中に株式を売却し、民有民営を実現する。その際には、新会社全体の経営状況及び世界の金融情勢等の動向のレビューも行う。また、国は、移行期間中に持株会社の株式の売却を開始するが、発行済み株式総数の3分の1を超える株式は保有する。」とされている。

(3)ここで問題となるのは、持株会社に対しては移行期間100%、移行後1/3を超える株を国が保有とあるが、郵便貯金会社、郵便保険会社は移行期間中に株式を売却し、民有民営を実現するとあることだ。これは、国民が苦労して貯めた数100兆の貯蓄を外国、とくに米国の金融資本、金融産業に売り渡すことになりかねないのではないか? 周知のように、米国政府は何年も前から、具体的に郵貯を解放すべしと日本政府に迫ってきた背景があるからだ。

(4)以下の質問主意書は、その点について政府に問いただしたものである。政府の答弁書では、質問主意書の内容をいずれも否定しているが、米国に徹底的に追随してきた小泉首相が米国の要望を受け、「郵政民営化」を推進していることは十分想定できることである。

(5)さらに民営化された郵政銀行の預金がスムーズに民間に融資される保証などどこにもないのではないか?また過渡期にあっては、政府保証あるいはペイオフなしの預金と、ペイオフありの預金とが混在することにユーザーへの不公平はないのか?


質問第三七号

郵政民営化政策推進についてのアメリカ政府の要請に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十七年七月一日

喜 納 昌 吉   

       参議院議長 扇   千  景 殿

  郵政民営化政策推進についてのアメリカ政府の要請に関する質問主意書

 小泉政権が推進している郵政民営化政策は、アメリカ通商代表部(USTR)が一九九四年に作成し始めた「日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本政府への米国政府の年次改革要望書」(以下「年次改革要望書」という。)に基づいて、アメリカ政府が日本政府に一九九六年以来、毎年のように要望してきた内容に沿っている。そこで、以下質問する。

一、一九九九年版年次改革要望書には、民間保険会社が提供している商品と競合する簡易保険を含む政府及び準公共の保険制度を拡大させる考えをすべて中止し、現存制度を削減又は廃止すべきかどうか検討することを強く求める旨が示されている。また、二〇〇四年版年次改革要望書には、日本郵政公社に保険、貯金、宅配便の分野で付与されている民間競合社と比べた優遇面の全面的な撤廃は必要不可欠であり、民営化の結果、競争が歪められずに市場にもたらされることを保証する旨がうたわれている。小泉政権の郵政民営化政策は、明らかにアメリカ政府の要望を受けて推進されていると思われるが、これを認めるか。認めない場合は、郵政民営化政策を推進している理由を示されたい。

二、アメリカには、郵政民営化で売り出される株式を買い占めて一定の経営権を握り、郵貯と簡保資金計三五〇兆円をアメリカに振り向けたいとの狙いがあるとの意向もあると聞いている。そこで、政府の郵政民営化政策における「民」とは何を指すのか。日本の民間企業なのか、特殊法人等なのか。それとも、アメリカを中心とする外国の民間業界なのか、具体的に示されたい。

三、このような年次改革要望書がアメリカ政府から日本政府に突き付けられること自体を、政府は内政干渉と受け止めないのか。その見解を示されたい。

  右質問する。




答弁書第三七号

内閣参質一六二第三七号
  平成十七年七月十二日
内閣総理大臣 小 泉 純 一 郎   


       参議院議長 扇   千  景 殿

参議院議員喜納昌吉君提出郵政民営化政策推進についてのアメリカ政府の要請に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員喜納昌吉君提出郵政民営化政策推進についてのアメリカ政府の要請に関する質問に対する答弁書

一について
 郵政民営化は、小泉内閣における政策判断に基づき、「改革の本丸」と位置付けて推進しているものであり、米国政府の要望を受けて推進しているものではない。

二について
 郵政民営化は、「官から民へ」という方針の下、日本郵政公社の四つの機能について、それぞれ株式会社として独立させ、民間企業としての経営を実現しようとするものであり、郵政民営化の「民」が民間における特定の者を指すわけではない。

三について
 日米規制改革及び競争政策イニシアティブでは、日米双方が主体的に取り組む規制改革等について、互いに建設的な提案を行う形で議論がなされており、日米規制改革及び競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書における要望がいわゆる「内政干渉」に当たるとは考えていない。



郵政民営化関連法案

郵政民営化の基本方針

平成16年9月10日
                           閣  議  決  定

 明治以来の大改革である郵政民営化は、国民に大きな利益をもたらす。

郵政公社の4機能(窓口サービス、郵便、郵便貯金、簡易保険)が有する潜在力が十分に発揮され、市場における経営の自由度の拡大を通じて良質で多様なサービスが安い料金で提供が可能になり、国民の利便性を最大限に向上させる。

郵政公社に対する「見えない国民負担」が最小化され、それによって利用可能となる資源を国民経済的な観点から活用することが可能になる。

公的部門に流れていた資金を民間部門に流し、国民の貯蓄を経済の活性化につなげることが可能になる。

 こうした国民の利益を実現するため、民営化を進める上での5つの基本原則(活性化原則、整合性原則、利便性原則、資源活用原則、配慮原則)を踏まえ、以下の基本方針に従って、2007年に日本郵政公社を民営化し、移行期を経て、最終的な民営化を実現する。

1.  基本的視点
 
 4機能が、民営化を通じてそれぞれの市場に吸収統合され、市場原理の下で自立することが重要。そのための必要条件は以下の通り。
 
(1) 経営の自由度の拡大
・ 民営化した後、イコールフッティングの度合いや国の関与のあり方等を勘案しつつ、郵政公社法による業務内容、経営権に対する制限を緩和する。
・ 最終的な民営化においては、民間企業として自由な経営を可能とする。

(2) 民間とのイコールフッティングの確保
・ 民間企業と競争条件を対等にする。
・ 民営化に伴って設立される各会社は、民間企業と同様の納税義務を負う。
・ 郵貯と簡保の民営化前の契約(以下、「旧契約」と言う。)と民営化後の契約(以下、「新契約」と言う。)を分離した上で、新契約については、政府保証を廃止し、預金保険、生命保険契約者保護機構に加入する。(通常貯金については、すべて新契約とする。)

(3) 事業毎の損益の明確化と事業間のリスク遮断の徹底
・ 各機能が市場で自立できるようにし、その点が確認できるよう事業毎の損益を明確化する。
・ 金融システムの安定性の観点から、他事業における経営上の困難が金融部門に波及しないようにするなど、事業間のリスク遮断を徹底する。


2.  最終的な民営化時点における組織形態の枠組み
 
(1) 機能ごとに株式会社を設立
・ 4機能をそれぞれ株式会社として独立させ、窓口ネットワーク会社、郵便事業会社、郵便貯金会社、郵便保険会社とする。

(2) 地域会社への分割
・ 窓口ネットワーク会社、郵便貯金会社及び郵便保険会社を地域分割するか否かについては、新会社の経営陣の判断に委ねることにする。

(3) 持株会社の設立
・ 経営の一体性を確保するために、国は、4事業会社を子会社とする純粋持株会社を設立する。郵便貯金会社、郵便保険会社については、移行期間中に株式を売却し、民有民営を実現する。その際には、新会社全体の経営状況及び世界の金融情勢等の動向のレビューも行う。国は、持株会社の発行済み株式総数の3分の1を超える株式は保有する。 

(4) 公社承継法人
・ 郵貯と簡保の旧契約とそれに見合う資産勘定(以下、「公社勘定」と言う。)を保有する法人を、郵政公社を承継する法人として設立する。
・ 公社勘定の資産・負債の管理・運用は、郵便貯金会社及び郵便保険会社に委託する。


3.  最終的な民営化時点における各事業会社等のあり方
 
 最終的な民営化時点における各事業会社等のあり方は、以下の通り。なお、分社化に必要となる枠組み等については、郵政民営化法案(後述)に盛り込む。
 
(1) 窓口ネットワーク会社

(ア) 業務の内容
・ 適切な受託料の設定及び新規サービスの提供により、地域の発展に貢献しつつ、収益力の確保を図る。
・ そのため、郵便、郵便貯金、郵便保険の各事業会社から窓口業務を受託する。また、例えば、地方公共団体の特定事務、年金・恩給・公共料金の受払などの公共的業務、福祉的サービスなど地方自治体との協力等の業務を受託する。
・ 民間金融機関からの業務受託の他、小売サービス、旅行代理店サービス、チケットオフィスサービスの提供、介護サービスやケアプランナーの仲介サービス等地域と密着した幅広い事業分野への進出を可能にする。

(イ) 窓口の配置等
・ 窓口の配置についての法律上の取り扱いは、住民のアクセスが確保されるように配置するとの趣旨の努力義務規定とし、具体的な設置基準のあり方等は制度設計の中で明確化する。
・ 代替的なサービスの利用可能性を考慮し、過疎地の拠点維持に配慮する一方、人口稠密地域における配置を見直す。
・ 窓口事業の範囲は、原則として郵便局における郵便集配業務を除く郵便、郵便貯金、郵便保険に係る対顧客業務及び上記(ア)の業務とする。
 
(2) 郵便事業会社

(ア) 業務の内容

・ 従来の郵便事業(窓口業務は窓口ネットワーク会社に委託)に加え、広く国内外の物流事業への進出を可能にする。高齢者への在宅福祉サービス支援、情報提供サービス等地域社会への貢献サービスは、適切な受託料を得て、引き続き受託する。

(イ) サービスの提供範囲

・ 引き続き郵便のユニバーサルサービスの提供義務を課す。
・ ユニバーサルサービスの維持のために必要な場合には、優遇措置を設ける。
・ 信書事業への参入規制については、当面は現行水準を維持し、その料金決定には公的な関与を続ける。
・ 特別送達等の公共性の高いサービスについても提供義務を課す。このために必要な制度面での措置は、今後の詳細な制度設計の中で検討する。
 
(3) 郵便貯金会社

(ア) 業務の内容
・ 民間金融機関と同様に、銀行法等の一般に適用される金融関係法令に基づき業務を行う(窓口業務や集金業務は窓口ネットワーク会社に委託)。

(イ) 新旧契約の分離
・ 民間企業と同様に納税義務を負うとともに、新規契約分から郵便貯金の政府保証を廃止し、預金保険機構に加入する。
・ 公社勘定は公社承継法人が保有し、その管理・運用を郵便貯金会社が受託する。運用に当たっては、安全性を重視する。
 
(4) 郵便保険会社

(ア) 業務の内容

・ 民間生命保険会社と同様に、保険業法等の一般に適用される金融関係法令に基づき業務を行う(窓口業務や集金業務は窓口ネットワーク会社に委託)。

(イ) 新旧契約の分離

・ 民間企業と同様に納税義務を負うとともに、新規契約分から郵便保険の政府保証を廃止し、生命保険契約者保護機構に加入する。
・ 公社勘定は公社承継法人が保有し、その管理・運用を郵便保険会社が受託する。運用に当たっては、安全性を重視する。
 
(5) 公社承継法人

(ア) 業務の内容

・ 郵貯・簡保の既契約を引継ぎ、既契約を履行する。
・ 郵貯・簡保の既契約に係る資産の運用は、それぞれ郵便貯金会社及び郵便保険会社に行わせる。

(イ) 公社勘定の運用

・ 公社勘定に関する実際の業務は郵便貯金会社及び郵便保険会社に委託し、それぞれ新契約分と一括して運用する。
・ 公社勘定の運用に際しては、安全性を重視する。
・ 公社勘定については、政府保証、その他の特典を維持する。
・ 公社勘定から生じた損益は、新会社に帰属させる。


4.  移行期・準備期のあり方
 
(1) 移行期のあり方
 民営化の後、最終的な民営化を実現するまでの間を、移行期と位置付ける。移行期のあり方は、以下の通り。

(ア) 移行期における組織形態
・ 国は、日本郵政公社を廃止し、4事業会社と国が全額株式を保有する純粋持株会社を設立する。設立時期は2007年4月とする。情報システムの観点からそれが可能かどうかについては、専門家による検討の場を郵政民営化準備室に設置し、年内に結論を得る。窓口ネットワーク会社及び郵便事業会社の株式については、持株会社が全額保有するが、郵便貯金会社、郵便保険会社については、移行期間中に株式を売却し、民有民営を実現する。その際には、新会社全体の経営状況及び世界の金融情勢等の動向のレビューも行う。また、国は、移行期間中に持株会社の株式の売却を開始するが、発行済み株式総数の3分の1を超える株式は保有する。
・ 公社承継法人を設立する。公社承継法人は、郵便貯金、簡易保険の旧契約を引継ぎ履行することを業務とする。旧契約の管理・運用は郵便貯金会社と郵便保険会社に行わせる。

(イ) 経営の自由度

・ 窓口ネットワーク事業においては、試行期間を設けつつ、民間金融商品等の取り扱いを段階的に拡大し、地域の「ファミリーバンク」、「ワンストップ・コンビニエンス・オフィス」として地域密着型のサービスを提供する。
・ 郵便事業会社においては、国際的な物流市場をはじめとする新分野への進出を図る。

(ウ) 郵便貯金及び郵便保険事業の経営
・ 郵便貯金及び郵便保険事業は、当面、限度額を現行水準(1千万円)に維持する。その際、貯金及び保険は、預金者、被保険者ごとに新契約と旧契約とを合算して管理する。その上で、経営資源の強化等、最終的な民営化に向けた準備を進める。
・ 民間金融機関への影響、追加的な国民負担の回避、国債市場への影響を考慮した適切な資産運用を行うが、民有民営化の進展に対応し、厳密なALM(資産負債総合管理)の下で貸付等も段階的に拡大できるようにする。
・ 大量の国債を保有していることを踏まえ、市場関係者の予測可能性を高めるため、適切な配慮を行う。

(エ) イコールフッティングの確保
・ 新会社は、移行期当初から民間企業と同様の法的枠組みに定められた業務を行い、政府保証の廃止、納税義務、預金保険機構ないし生命保険契約者保護機構への加入等の義務を負う。

(オ) 移行期の終了
・ 移行期は遅くとも2017年3月末までに終了する。
・ 郵便貯金会社及び郵便保険会社は、遅くとも上記の期限までに最終的な枠組みに移行するものとする。そのため、移行期における両社のあり方については、銀行法、保険業法等の特例法を時限立法で制定し、対応することとする。
 
(2) 準備期のあり方

 2007年4月の民営化までの時期は、準備期と位置付け、民営化に向けた準備を迅速に進める。

(ア) 経営委員会(仮称)を設置し、民営化後の経営や財務のあり方について検討する。

(イ) 円滑な分社化を図る観点から現在の勘定区分を見直し、郵便事業の超過債務を解消した上で、4機能別の勘定区分を行う。また、各機能が市場で自立するのに必要な自己資本の充実策については、詳細な制度設計を踏まえて検討する。

(ウ) 新旧契約の分離の準備を行う。

(エ) 国際物流事業への進出を可能とする。

(オ) 投信窓販の提供を可能とする。

(カ) その他の新規事業分野への進出を準備する。

(キ) 関連施設等

・ 郵便貯金関連施設事業、簡易保険加入者福祉施設事業に係る施設、その他の関連施設については、分社化後のあり方を検討する。


5.  雇用のあり方
 
(ア) 民営化の時点で現に郵政公社の職員である者は、新会社の設立とともに国家公務員の身分を離れ、新会社の職員となる。

(イ) 人材の確保や勤労意欲・経営努力を促進する措置の導入等、待遇のあり方について制度設計の中で工夫する。

(ウ) 職員のモラールと労使関係の安定に配慮する。


6.  推進体制の整備
 
(ア) 基本方針の取りまとめ後は、全閣僚で構成される郵政民営化推進本部(仮称)(本部長は内閣総理大臣)を設置し、民営化に向けた関連法案の提出及び成立までの準備、公社からの円滑な移行及び最終的な民営化実現への取り組みを進める。

(イ) 民営化後、郵政民営化推進本部の下に、有識者から成る監視組織を設置する。監視組織は、民営化後3年ごとに、国際的な金融市場の動向等を見極めながら民営化の進捗状況や経営形態のあり方をレビューする。また、許認可を含む経営上の重要事項について意見を述べる。監視組織の意見に基づき本部長は所要の措置をとるものとする。


7.  法案の提出等
 
・ 以上の基本方針に沿って、政府は早急に郵政民営化法案策定作業を開始する。また、法案化等のため、この基本方針に基づき、更に詳細な制度設計に取り組み、早急に結論を得る。なお、その過程で必要に応じ、経済財政諮問会議に報告を行うこととする。
・ 基本的な法案及び主要な関連法案は次期通常国会へ提出し、その確実な成立を図る。
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