欠陥住宅って何?

日々の住宅検査の事を中心に私事を交えて記載しています。

2012年07月

中古住宅購入前の検査 その4

前回に引き続き同一の建物の床下です。

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木くずが放置されています。
シロアリに餌をまいているような状態です。

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ゴミも散乱しています。

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これはユニットバスを支えているブロックです。
左端のブロックは、大きく亀裂が入っています。

地震の横揺れを受けたら、ダルマ落としのように
なるでしょう・・・・

人目に触れない箇所まで気を使って出来上がって
いる建物を購入すべきです。

僭越ながら、ここで新築の仕事をしていた人たち
のレベルが一見して分かります。

中古住宅購入前の検査 その3

前回に引き続き同一建物のコンクリート基礎

床下のコンクリート基礎立上り部では、鉄筋が各所で
露出しています。

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鉄筋が偏りになっており、建築基準法で定められ
たかぶり厚が無い状態です。

鉄筋は、コンクリートの厚みのほぼ中央に位置
すべきであり、適切なかぶり厚が必要です。

鉄筋は当然錆が周っており、耐久性、強度共に
劣る大変粗悪な基礎であると云えます。

基礎全体に渡り、コンクリート基礎の補修、補強を
考えなければいけないレベルです。

現在の基礎の状態では、安心・安全に住まう
ことの出来る住宅とは云えません。




中古住宅購入前の検査 その2

中古住宅購入前の検査 その1で記載した同一建物

バルコニー防水の状態

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リフォームの際、バルコニー防水も工事がされており、
表面上FRP防水が真新しく見えます。

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サッシの下を観ると・・・・
元々サッシ下部の立上りの高さ(サッシ下部から
バルコニー床までの高さ)が低い上に(12cm以上必要
であるが、現状は3cm程度しかない問題箇所)
FRP防水の端末処理が全く出来ていません。

現在の状態で、雨漏りが発生していて不思議ではありません。

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ここまでひどい防水工事を観ることは、少ないですが、
手抜き工事の被害を被るのは、それを知らずに購入した方となります。

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各所で隙間があり、どこから雨漏りが発生してもおかしくない施工です。


宮島

初めて宮島へ行きました。
災害後の改修工事も完了しており、優美な風景が楽しめました。

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ついついこのような補修箇所に目がいきます^^

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昼食は、焼きがきのはやしへ・・・・・ちょっと有名らしい

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焼きがき、美味しいかったですわぁ

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かきめし、美味しかったですわぁ

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かきフライ、美味しかったですわぁ

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大粒の広島かきに胃袋満足^^ 





親馬鹿チャンリンそば屋の風鈴

広島勤務となった息子がどんな生活をしているのか・・・?
覗きに行くことに・・・・(笑)

途中尾道に立ち寄り、散策をしました。

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展望台より撮影

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尾道の猫は有名なんですね・・・・知りませんでした。
街のいたるところに猫がいて・・・・人が近づいても逃げません。

カメラを向けるとポーズをとってくれます。マジです(笑)



中古住宅購入前の検査 その1

我々は、新築検査を行い、工事途中の建物に
是正をして頂き、問題点を解消しながら建物を
完成させていくお手伝いをしております。

是正内容の違いはあれども、是正無しで完成する
建物は皆無です。

要するに、必ず新築工事途中に是正してもらう
箇所が出てきます。

中古住宅においては、そのような新築時の是正が
無いまま完成していることを前提に考えれば、何か
しらの問題があると云えます。

その問題点が、簡易な手直し工事等で解決できるもので
あれば良いですが、そうでない場合は、購入をすべきでは
ありません。

概ね我々が検査を行なった中古住宅の半数以上の依頼者
は、検査後購入を取りやめておられます。



先日、検査を行なった中古住宅購入前検査の内容
を数回に分けてご紹介します。

検査依頼者は、建物を大変気に入っておられ、
検査後に契約をする意向でしたが、検査結果を
知り契約を取りやめなさいました。

その判断は、大正解であったと思います。

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外壁が建築基準法違反である上に、雨水が外壁
内部に浸透し、腐食している状態です。

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手で外壁が簡単にめくれ上がる状態です。

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これは、外壁を下から見上げた写真です。

この建物の外壁は、防火被覆がありません。
構造用合板に直接塗装をしており、法律を無視した
考えられない防火違反の建物です。

仮に隣家から火事が発生した場合、直ぐに燃え上がる
建物と云えます。

個人の売主から不動産業者が買受け、室内をリフォーム
した上で、売り出している建物です。

建築の素人である依頼主は、室内がリフォームされて
いるため、綺麗な建物と云う印象があったようですが、
素人の方では分からない、常識外れな問題が存在して
いた訳です。

このようなとんでもない建築違反が一つでもある建物は、それ
以外にも、必ず問題があると考えてほぼ間違いありません。

それは、次回以降のブログで紹介して行きます。







柱状改良工事立会い

今日は、柱状改良工事の2日目で、
2日で30本の杭を打設完了しました。

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通常、工事後の地盤沈下等の問題が生じた場合を
想定して、杭工事は保険に加入します。

保険に加入している場合は、杭打設に関する工事
内容等の資料(現場でのデータ)を保険会社に提出
する義務があり、一般的にコンピューターと連動した
データの改ざん等、おかしな手抜きは出来ないと云
われています。

しかし、中には、杭打ちの機械が旧式のため、コン
ピューターによるデータ出力が無く、保険の加入も
無い、その代わり、工事が割安と云うような会社も
あるようなので、注意が必要です。

本日お伺いした現場は、とてもキッチリとした施工
をしておられる会社でした。

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完成した杭頭 杭径600mm











弁護士事務所で相談

注文住宅完成後の方と、中古住宅購入後の方から、弁護士事務所
を紹介してもらいたいとの依頼がたまたま重なり、弁護士事務所を
紹介させて頂くと共に、私もそのそれぞれの相談に、建築士の立場で
同席させて頂きました。

土地や建物の決済が完了し、引渡しを受けてから問題が見つかっ
た場合は、時間とお金をかけてでも、問題解決に取り組まなくては
ならなくなります。

今回、相談のおふた方は、内容こそ違いますが、それぞれの心境
は全く同じだと思います。

人生において、そうそうない大きな買い物をした結果が、思わぬ
事態となり、不安とイラ立ちとやるせない思いで一杯になっておら
れると思います。

当事務所が検査した建物で、現在裁判中のものが1件、調停中の
ものが3件あります。

我々は、問題ある建物を購入なさった方には、その解決に向けて
協力をさせて頂きますが、これから購入をお考えの方には、是非共
、購入前や新築工事中に住宅検査を受けて頂き、転ばぬ先の杖
して、我々を役立てて頂きたいと切に思う次第です。







柱状改良工事

本日、検査に伺った分譲地の隣で柱状改良工事が
行われていました。

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前回のブログに記載しました地盤調査の結果に基づき
軟弱地盤であることが分かると、地盤改良工事又は
柱状改良工事を一般的に行います。

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穴を掘り下げながら、セメントミルクを注入していきます。

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要するに支持層までセメントミルクで柱を造り、建物を支える
訳です。一般的な住宅であると概ね30本程度打ちます。

地耐力の調査

地耐力調査は、スウェーデン式サウンディング試験が
一般的です。

どのように調べるかと言いますと・・・・
下の写真に何本かの鉄棒がありますが、その一番上
に先端がドリルのようになったものがあります。

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この鉄棒に基本100kgの荷重をかけ回転さし、
鉄棒をつなぎながら、埋め込んで行くわけです。

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25cm貫入するのに何回転必要であるかを求めます。
その回転数から地耐力を求めるわけです。

その結果、特に注意しなければいけないのは、自沈層です。
自沈層では、回転を加えずとも勝手にスルスル沈んで
行きます。

自沈層が連続すると云う事は、地盤が軟弱であること
を意味します。



プロフィール

欠陥住宅って何?

私が検査にお伺いします。

一級建築士 
土地家屋調査士 佐野公則​

自己紹介
住宅検査関西
青山建築コンサルタント代表

関西を中心に住宅検査をおこなう
一級建築士であると共に
土地家屋調査士として登記業務もおこなっている。

後悔しない住宅造り、住宅購入
の案内人として、日々欠陥住宅、
新築住宅、中古住宅の検査をおこない、建築の素人の方々の安心、安全な住い造りをサポートしている。

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