A-4000Sのレストア作戦..⑥磁気ヘッド
ヘッドASSYをばらしていきます。 細かい部品が多いのでチャック付きポリ袋(5cm X 7cm 80枚入り@100円)などに保管すると紛失や誤復元を避けられます。
ヘッドASSYのヘッド配列:左から 消去、リバース再生、録音、フォワード再生
溝(段差)や錆が生じたヘッドは研磨(ラッピング処理)します。其々のヘッドの状態です。
再生ヘッド:66903 x2 録音ヘッド:66604R810 消去ヘッド:66303
左: RVS 右: FWD
組上げ後の比較です。 鏡面仕上げにすることによりテープ走行の安定性が向上し、音質にも大きく影響します。
研磨前ASSY 研磨後ASSY
A-4000Sはオートリバース用の再生ヘッドを備えています。フォワード再生とリバース再生では二つの再生ヘッドから再生アンプへの入力信号経路をリレーなどで巧妙に切り替えています。
・正転時にはRVSヘッド信号は再生アンプリレーによって接地される。
・逆転時にはFWDヘッド信号は短絡されその配線にRVS再生ヘッド信号が流れる。
ヘッドASSYのデッキ組戻しは来年元旦から....
A-4000Sのレストア作戦..⑤ケミカル類
車の整備同様に AV機器のオーバーホールを効率よく効果的にするためにはケミカル類の適正な使用が決め手になります。
溶剤:経年による加水分解でべたべたになった部材表皮を元のつるつる状態に戻してくれます。
消毒用エチルアルコールがベストですが高価ですのでイソプロピルアルコール(IPA:C3H8O)で代用可です。(オートバックス等で200mlで 200円前後で売っている水抜き剤でガソリン車用(但し 99%以上のもの)で十分です)
PCボードや端子等の半田付け箇所にはフラックスクリーナーを使います。
研磨剤:
金属や木部の経年酸化などによる荒れた凸凹を修正します。
その他、水ペーパー、やすり、等。
ネジやワッシャ類は錆びや、カビ、酸化でくすみだりくもってしまっていますが、これらをピッカピカに磨いて輝きを取り戻すこともレストアーの重要作業です。
再塗装も含めて手間暇かけた苦労は思い出の甦りと共に幸福感と言う形で報われます。
A-4000Sのレストア作戦..④ベルト交換
キャプスタンドライブベルトは加水分解で溶解したので交換しかありません。(幸いカウンタベルトは無事でしたが)特注してくれるオークションサイトを見つけて発注しました。
長さ:440mm 幅: 8mm 厚さ:1mm 2本で 1,200円。 クロネコメール便 100円で 12/27に発注して12/29朝に届けていただきました。
ケース裏側から鋳造キャプスタンASSYを保持している 4本のスクリューを取るとフライホイールが取り外せてベルト交換できるようになります。フライホイールは堂々としたもので直径100mm,重さ744.5gありました。
分解ついでにピンチローラープランジャー、テープガイド、オートリバースセンシングポスト、テンションアームなどの可動部の古い油脂を拭き取り新しいシリコングリースを塗布しておきます。
50Hz位置に交換して組み戻した後は電源投入しフォワード、リバース、9.5cm/s、19.0cm/s等に切り替え脱落しないことを確認しました。
山東菜を漬けてみた.....
A-4000Sのレストア作戦..③解体
解体の前にそっと電源を入れたらキャプスタンやリールモーターは回転し、主要なソレノイドやマイクロスイッチも概ね動作しているようで一安心。
さあ、解体を開始しますが剥き出しになっている金属の切断エッジ部のバリはやすり等で舐めときます。意外と鋭いので大けがをする時があります。
木枠からフレームを引きずり出します。 モーター 3個、トランス数個が含まれますから重いこと重いこと! キャプスタンドライブベルトは経年による加水分解で既に消失。 カウンターベルトは生き残っていました。薄汚れたステンレスパネルはラビングコンパウンド(極細)で磨くと綺麗な輝きを取り戻しました。
ヘッドASSYです。左から消去、リバース再生、録音、再生の各ヘッドですが摩耗が進んで錆びも来ています。これらも綺麗に研磨します。
録音アンプの埃を取る前と取った後の画像。 特にシールド線の被覆がべたべたになって来ているので無水アルコールで拭ってツルツル状態に戻しました。
つまみやボルトの頭もくすんでいますが、底の方は綺麗です。 埃や湿度が侵入しないように保管しないとこんな状態になってしまう悪い見本です。
再生アンプです。 平面画像と回路図から部品配置図を作成していきます。
バイクカバーの交換......
Lサイズ LLサイズ LLサイズ
ぴったしです。
フォグバルブの交換......
A-4000Sのレストア作戦..②回路図
A-4000Sのレストア作戦..①残骸収集
何回もの引っ越しでどの程度の物や情報をかき集められるか疑問ですが年末の断捨離作業を兼ねて残骸収集からスタートします。
以下が発見できました。(写真上から反時計回りに)
・RS-40Sレコードアンプ
・A-4000Sデッキプレーヤー、リール、リールクランプ、テープ
・英文取扱説明書 回路図付き
・接続ケーブル類 5種類
録再用RCAケーブル、録音イコライザー、デッキ-アンプケーブル、電源ケーブル
・TZ-255潤滑オイルキット
残念なことの録音済みテープは 1本だけ(JAZZらしい)しか見当たりませんでした。
これらの他に webサイト の助けを借りながら丁寧にレストア作業をすすめて行きますが、交換必須部品として電解コンデンサーは入手できても 2SA,2SB型のトランジスターやゴム製品(ベルトやローラー等)は代用品を時間をかけて探すことを覚悟しています。
使用されているスクリュー仕様:(ISO仕様ではないようです)
M3.0のピッチはISOの 05 ではなく 0.6のようです。 (タップは両方所有していました)