2010年07月06日
『ゲド戦記』

以前、
『「名前を与えられる」というのは、ある枠に規定づけられる、縛られるということだから、宗教学的に言うとそれは「呪術」になる』
という話が目にとまった・・・というエントリーを書いたら、
そのコメント欄でスシファイさんが「ゲド戦記ですね」と言い、
裏でI先輩からも「私もパッと『ゲド戦記』のことが思い浮かびました」と言われ・・・
そのまま『ゲド戦記』話から、『指輪物語』話にもなって、僕がどっちも読んでないし映画も観てない・・と言ったら、『ザ・ロード・オブ・ザ・リング』は映画として出来がいい♪という話になり・・・
そんなこんなで『ザ・ロード・オブ・ザ・リング』3部作を観ることになり、『ゲド戦記』も読む気になって・・・
いや〜、しかし『ザ・ロード・オブ・ザ・リング』、長いっすね、1本1本。
すっごい面白かったですけど♪
というわけで、この歳になって ついに『ゲド戦記』を読むことになっちまいました。 (^o^)『ゲド戦記』
アーシュラ・K・ル=グウィン
岩波書店
1968年から2001年にかけて(33年!)、アメリカで描き続けられたファンタジー小説です。
なんと僕は、この紹介文を書こうとするまで気がつかなかったのですけれど、ル=グウィンは女性作家だったのですね。
太古の言葉が魔力を発揮する多島世界(アーキペラゴ)・アースシーを舞台とした、魔法使い・ゲドを中心とする物語です。
この世界のうち 主にハード語圏では、森羅万象すべてに太古の言葉による「真(まこと)の名」が存在して、それを知る者はその名を持つ者を従わせることができます。
ですから人々は、己の真の名をみだりに知られぬように、通り名で呼び合ってるんですね。
ちなみにゲドは「真の名」で、彼の通り名は「ハイタカ」。
「戦記」という邦題になってますが、いわゆる戦闘ものではありません。
自己の葛藤や受容、心理的成長といった、内面的なテーマが全編を通して扱われています。
また、社会に浸透している価値観の、70年代以降の大きな変化を暗喩しながら話が進んでいきますので、本当にいろいろなことを考えさせられます。
僕が読んだのはソフトカバー版で全6巻。
けっこうな量だと思ったのですが、何といっても内容が示唆に富んでいて面白いので、あっという間でした。
竜も、竜人間も出てくるので、愉しいですし。
龍、好きだなぁ。。。
僕が特に面白かったのは、第2巻『こわれた腕輪』。
アチュアンの墓所の大巫女として育てられている少女・テナー。
その墓所へ、すでに一人前の魔法使いとなったゲドが、二つの破片が合わさったとき世界に平和をもたらすとされる「エレス・アクベの腕輪」の片割れを求めて潜入する。
おびえと不安を経ながら、2人が徐々に信頼を築いていく物語です。
それから第5巻の『アースシーの風』。
ゲドは力をなくし、齢(よわい)を重ねた ただの老夫。
そうしてアースシーに生きる次世代の主人公たちが、変わり行く世界、予見不可能な世界の謎を解くべく、己れの存在をかけていきます。
これまで「正しさ」とされていた、「真(まこと)の名」という魔法の原理や その世界観に対して、竜たち、あるいはカルカド語圏の人々から強い疑念が投げかけられ・・・
そうして、それまで作り上げられてきたアースシーの世界観が壊れていくような話の展開になっています。
読み終わるまで、アメリカの作家だとは知らなかったのですが、後から知って 何か納得。 (^o^)
いやぁ、でもいい話です。
大魔法使いにして大賢人のゲドについての扱いがいいですね♪
まだ読んでない方は、夏休みの課題図書などに いかがですか? o(^-^)o
*前後のエントリーは左上の「過去の記事とシリーズ」からとべます♪
Posted by appie_happie at 23:20│Comments(0)│TrackBack(0)
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