2020年10月06日

    

原作『透明なゆりかご』

9784063409574_w


       『透明なゆりかご』 沖田×華ばっか 講談社


以前 紹介したドラマ『透明なゆりかご』、本当は原作のコミックを先に読もうと思ったのですが、絵がちょっと独特すぎて「読み進めるのがムリかも・・」と思ってしまい。。。
とりあえずドラマの方を観ることにしたのですが、あまりに素晴らしいドラマだったので、結局 後から原作の方も読みました。
(全8巻)

こちらも当然のことながら、一話一話の内容が重い。
けれどそれがひとつひとつの「祈り」のようなお話になっている。

絵に関しては作家の沖田さん本人が「姪っ子よりもヘタだ」と言っているくらいなのですが (^_^;)、不思議なことに途中からまったく気にならなくなり、
むしろこの絵だからこそ、物語がそのまま素直にスッと心の中に入ってくるのではないか?と思えてしまうほどになっていました。

内容については前のドラマの紹介文を参照していただきたいのですが、原作の方も素晴らしいです。
実はこのコミックをレンタルしたときに、『コウノドリ』の最初の2巻も借りて読んだのです。
当然のことながら、かなりテイストも内容も違う。

『透明なゆりかご』がとてもいいなと思えるのは、思うに描くその目線によるんじゃないかな?と思うんですね。
『コウノドリ』はお医者さん目線ですけれど、『透明なゆりかご』は見習いの看護助手としての目線です。
作家の沖田さん自身が そのバイトで経験した思い出話し的なものを、フィクションとして描いている。
そもそもの立ち位置が違う。

加えて沖田さんは、小中学生のころに学習障害、ADHD、アスペルガー障害と診断されているような、発達特性に凸凹のある人。
「わたし、人の気持ちが分からないから・・」
というセリフが、コミックやドラマの中にもたびたび出てくるんですが、そういう前提からの目線、寄り添い方が、むしろとてもよいのではないかという気がするのです。

人の気持ちが分からないという自覚があるから、勝手に想像するのではなく、相手に聞くことによって理解しようとする。
見習いの助手なので、相手の妊婦さんと同じ目線、あるいは文句すら言われやすいような立ち位置で、相手のことを知ろうとする。
そういうそっと傍に一緒に立っているような感じからの見え方が、結局は妊婦さんたちのことをよく映し出す結果になっているような気がするのです。

ある人が言ってたんです。
 授かった命は生まれるにしろ亡くなるにしろ、お母さんのところに来たことには意味があるのだと。
 そこに来た命は、どんな形でも意味のないものはない。
 お母さんにもいつかその気づきがくると・・・


一度「透明な子」になったら、子どもたちには過酷な運命が待っている。
 でもその中で子どもは、いろいろな夢や希望を思い描き、必死で自分が絶望に引き込まれないようにしている。
 その願いが届きますように、
 救われますように、
 少しでも幸せになりますように。
 私は祈ってしまうのです。


 ぜひ読んでみてほしい作品です。




*前後のエントリーは左上の「過去の記事とシリーズ」からとべます♪

ブーケ

Posted by appie_happie at 14:38│Comments(0)