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2014年11月

科学 - W(保存)【後半】

科学 - W(保存)【前半】  

科学的手法

科学的手法とは、ある事物や現象を説明するにあたり、考えられる様々な仮説から、再現性を持つ実験や観測を行い、その結果に矛盾しない説明を選びだすプロセスの事である。 科学的説明には、用いた実験方法や測定方法が公開され、第三者に検証される事が重要である。 また、実験や測定には、ある程度の精度がある事が望ましいとされる。

科学と非科学の境界設定

何が科学で何が科学でないのか、数世紀におよぶ議論は混沌としていたが、20世紀前半の科学哲学カール・ポパー反証可能性の概念を提示し、それを条件とすることで理論が科学(彼が考える狭義の科学)に属するかそうでないかを線引きできることを示してみせた。混沌とした議論に悩まされ続けていた科学者らの中には反証可能性の概念や反証主義をひとつの解決策として歓迎する人が多かった。現在でも、これを科学と疑似科学とを区分する基準として採用する人は多い [37]

(ただし、ポパー流の視点に基づけば、「光の速度は不変である」という仮説をおくことは、観察によって反証することが可能なので、科学たりうる。一方、ジークムント・フロイト精神分析学カール・マルクスマルクス経済学は、観察によって反証するすべを持たないので、これら科学とは呼べないことになる。)

こうしたポパーの科学観に対しては1960年代から批判が加えられるようになった。その代表は科学史家トーマス・クーンパラダイム論である。パラダイム論によれば、観察は、データを受動的に知覚するだけの行為ではなく、パラダイムすなわち特定の見方・考え方に基づいて事象を能動的に意味付ける行為である。従って、パラダイムそのものは個別の観察によって反証されるのではなく、別のパラダイムの登場によって「パラダイムシフト」の形で覆される。

また、科学に属する諸学問は科学的であるが、科学そのものは科学的ではなく一種の思想であるとする意見もある。

なお、論理実証主義をベースにし、「検証できないものは科学ではない」と考える科学者も未だに少なくないが、これには論理実証主義それ自体の検証が非常に困難であることをはじめ、数多くの理論的困難に出会い頓挫するため、これを境界の根拠にするのは難しい。

具体的な科学の適用論

科学の根本的な原理については一部の著名な科学者や科学哲学者らによって活発な議論が行なわれたわけだが、科学の具体的な方法論・手法・記述法などについては、各分野の科学がその対象の性質に応じてふさわしいものを発達させてきた。

物理学無機化学は、対象の無機的・機械的なレベルでの振る舞いに限定して着目し、実験で同一の現象が再現されることを重視しており、その記述は、一般法則や全称命題が中心である。 天文学考古学など、実験や冒険による実証が困難な領域においては、十分な観察と分類にもとづき学問を成立させており、これらの学問も科学的な知見として尊重されている。

近代の経済学者たちは、経済学を、ただの蓋然的言説ではなく科学的なものとしようと試みてきた[38]

生体によって引き起こされる現象を扱う医学薬学心理学や、人々の巨大な社会集団を扱う経済学社会学は、考察対象とする生体や社会そのものが根本的に複雑性や複合性を内包している。これらにおいては個体差が重要な要素となったり、対象が情報を記憶することで内部状態を変化させてゆくものがあり、現象の再現性を問うこと自体が困難である場合が多い。そのため、物理学や無機化学におけるような手法に加え、統計論的な手法やその他の手法も適用されている。

現代における科学的方法に関する一つの指針としては、全米科学振興協会による「すべてのアメリカ人の科学」がある。

科学は過去の知見を元に未来を予測する性向を強く持つ(自然の斉一性)。このため予測が「科学的」といえども、絶対的な確信は危険である。論理の前提とすべき命題の不知、確率的現象やカオスの存在により、しばしば裏切られるからである(バタフライ効果カオス理論複雑系などをそれぞれ参照)。

自然科学、数学、応用科学

19世紀後半以降、science という語は狭義において「自然科学」の意味で用いられるようになった。今日では、多くの局面において「科学」と言えば暗黙裡に「自然科学」を指していることも多い。自然科学は、自然の成り立ちやあり方を理解し、説明・記述しようとする学問の総称である。物理学化学生物学などの理学と呼ばれる分野と、医学農学工学などの応用科学と呼ばれる分野とを含んでいる。なお、今日では便宜上、19世紀以前の自然哲学の諸研究も、自然科学の一部として分類し扱っている。

この背景として、第1に、自然科学においては科学的方法を適用しやすい点があげられる。ただし、科学的方法が適用可能なのは自然科学のみとは限らない。また、一般的には数学は自然科学の一分野として認識されることが多いが、現代の数学は公理を前提とした演繹手続きとして定式化されており、実験や観察を伴わないことから、科学には含まれないとする見方もある。

第2に、産業革命以降、自然科学の一部が技術と結びついた点があげられる。歴史的には、科学は自然の探求として科学者によって担われ、技術は生活の利便を向上させるものとして職人階層によって担われてきた。しかし産業革命以降、自然科学の知識と手法を応用することで、技術は科学技術へと進化し、工業生産性の向上、公衆衛生水準の向上、そして軍事上の優位など、社会に対して巨大な実用的利益をもたらした。同時に、技術進歩のニーズによって科学研究も大いに刺激を受けた。

第一次世界大戦第二次世界大戦では、科学者は国家によって動員され、化学兵器核兵器の開発によって戦争の帰趨に影響を与えた。戦後、科学技術政策は国家政策においても重要な要素として取り込まれている。また科学技術の一層の進歩により、科学は社会から遊離した純粋な知的営為として位置づけることは困難となっている。

現代科学の諸問題

科学の肥大化

池田清彦によれば、18世紀ごろまでは、科学はアマチュアによって行われており、「科学者」という職業はなかった、と言われている。19世紀の終わりから20世紀にかけて、大学に科学系の学部が設置された。 19世紀になると、フランスのエコール・ポリテクニークに代表されるように、科学技術教育の制度化が一部で行われるようになったが、まだ科学は基本的には一部の(大学の専門教育制度を経ていない)天才的な者(ベンツ、デュポン、エジソンなど)によって担われていた。 だが、20世紀になると、軍事力強化、富国強兵などを目指す国家は国策として、科学技術の興隆に力を入れ、それにより若者が高等教育機関に吸い寄せられ、養成機関を経て科学者や技術者になる者ができる制度ができた(科学の制度化)。それにより科学の探究が職業化するという現象が起き(科学の職業化)、同時に科学に「天才の科学」から「凡人の科学」への転換が起きたという。 つまり、科学をあくまで「身すぎ世すぎ」(生活費を稼ぐこと)のための道具とする人々が出現することになった。科学に必要な興味が無くなっても、才能が枯渇しても、そもそも才能が足りなくても、おいそれとは研究をやめるわけにはいかないというような人々が出現したのである[39]

20世紀を通して成長した科学は、技術と一体化し、エレクトロニクス、情報通信技術、生命科学技術などの分野でそのメリットが認められ、拡大の一途をたどってきた。それにともない、科学研究に投入される資金の額は増加の一途をたどってきた。科学コミュニティのメンバーの数がみるみる増大し、各メンバーが使う資金や各メンバーの人件費の総額も加速度的に大きくなってきたのである。だが、その結果、社会・国民が供給可能な資金資源には限界があることは直視せざるを得ないようになっている。科学研究を行うということは資源資本の使用が伴うが、現代の科学が使っている資源・資本の量はすでに社会が供給できるものの限界に迫りつつある [40]

池田清彦は「科学は資金面に関しては、社会の寄生虫のようなもの」と表現している[41]。 また、「現代科学は、自己増殖という欲望をもつ生命体に似ている。ひとたび科学のある専門分野が巨大化の道をたどり始めると、これを止めるのは容易ではない。(科学が巨大化すると)そこにつぎ込まれるカネが膨大になるわけだから、それで食ってる奴が大勢でてくる。関係者にとってみれば、巨大科学がつぶれるかどうかは死活問題であるから、さらなる巨大化のために、あらゆる努力を惜しまないことになる」とも述べている [42]

また、「巨大科学は、なんだか日本の公共工事に似ている」とも述べている。かつてはそれなりの経済効果があったが、最近では意味がないものが多く、借金だけが累積するという最悪の構造になっている。(土木事業の例だと)もうかるのはゼネコンとそれに癒着した政治家だけであり、国と地方自治体の借金は膨大になっており、国民が税金を徴収される形でそれを払わなければならない状態であり、「大多数の国民にとってメリットよりデメリットの方がはるかに大きい」と述べている。一度、制度として作られたものを変化させることは、いかなる制度であっても容易ではなく、「公共事業が大変なお荷物になったのと同じように、巨大科学もまた、やっかいなお荷物にならない保証はない」と述べられている [43]

巨大科学の成果が、(一部の科学関係者にとっての満足を除けば、)普通の人々にとっても、莫大な資金・資源を費やすほどの価値のあるものであるかということは自明ではないとされる。例えば、素粒子の発見などに使うカネがあったら、今この瞬間も苦しんでいるアフリカの難民たちの命を救うべく援助するべきだろう、と普通の人々は考えているかも知れないのであり、巨大科学などに費やしたりせず、「(そもそもは自分のお金であった)税金を返せ」と普通の人は思っているかも知れないのである [44]

科学者には、"学術雑誌に沢山論文を書いた学者に、地位と報酬を与えるのは当然だ"といった考えが深く染み付いているのだろうが、それはあくまで科学者仲間の内部にしか通用しない理屈であって、科学のパトロン(特別なこととして資金を提供している側)である社会・国民は、それで納得するとは限らないとも指摘されている [45]

また、「科学」という名のシステムの内部でパイの奪い合いが起きている[46]とされている。

池田清彦は次のように説明する。(税金の名目で)国家(政府)に集められたお金が支出されるとなると、このお金を誰が使うか、誰が自分の懐に入れるか、ということについて競争が起きる。名目上(あるいは建前として)このお金は国民の福祉に使われることになっている。すると、もっともらしいお話が作られなければならないなどと考える者が出てくる。「直接的な市場価値を有さない基礎科学の場合、これはほとんどウソつき競争のようになってくる可能性が高い」と池田清彦は述べている。例えば、発生学の研究者が"自分の研究が将来、ガンの治療や老化の防止に役立つ"と言って、(元は国民が払った税金の)研究資金を得て、研究を行い、後でその研究がガンの治療や老化の防止に全く役立たない、と判明しても、解雇もされないし、咎められない(このような事は民間企業では許されない)。 おまけに、この資金で論文を数篇書けば、科学者仲間では評価が高くなるのだという。だが、このような社会をゴマかすやり方、国民全体を欺くようなやり方が、いつまでも通用するかどうかは明らかではないと池田清彦は述べている [47]

科学者による不正行為

上述のとごく、社会(国民)が供給できる資金には限りがあり、その資金で雇うことのできる科学者の数、ポストの数は限られている。ところが、科学システムの拡大を指向する科学コミュニティはメンバーを累増させるべく様々な活動を行い、大学は大学院生の数を増やし続けてきた。その結果、科学者になろうと計画し大学院を出た者の多くは容易に職に就くことができず、数年ほどポストドクターとして働くことはできても、その後の未来が不透明な状態になっている。

このような者たちは、“専門家として生き残るためには、何らかの「業績」を示し、それにより評価されることで研究資金を供給されなくてはならない” などと考えることになる。現代の制度化された科学システムは、一度糸口をつかむと、流れに乗ることができるような構造があるが、成果は必ずしも努力に見合うような形で得られるものではない。このような状況で焦りに駆られて、研究におけるデータの偽造やねつ造を行う研究者が、近年目立つようになっている[48]

研究者が、科学の研究において行うデータの偽造や研究の捏造は「科学における不正行為」と呼ばれている。

諸問題関連項目

関連項目

脚注

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  1. ^ a b c d 佐々木力 1996, p. 23.
  2. ^ http://www.etymonline.com/index.php?term=science&allowed_in_frame=0
  3. ^ a b c d e 佐々木力 1996, p. 8.
  4. ^ 古代ギリシャ当時の「フィロソフィア」は、今日の日本人が「哲学」という語を聞いた時に専ら連想するものとはいささか異なっていたのである。
    尚、知的な探求や学術的な探求に「フィロソフィア」の語を用いる伝統は現在に至るまで続いている。現在でも通常、欧州や米国で博士号を取得した時に得られるタイトルは、物理学の博士号を取得した時も含めて: Doctor of Philosophy(=「Ph.D. 」(英語圏の例)あるいは「D.Phil.」)であり、「フィロソフィア」が各国語に翻訳された語が入ることが一般的である。
  5. ^ a b c 佐々木力 1996, p. 28.
  6. ^ a b 佐々木力 1996, p. 4.
  7. ^ 中世ヨーロッパではscientia naturalis(スキエンティア・ナトゥーラーリス)という表現は一応存在し、「自然に関する知識」のことで「自然哲学」とほぼ同じ意味で用いられていたとはいう。(佐々木力 1996, p. 4)
  8. ^ a b 佐々木力 1996, p. 5.
  9. ^ 「エピステーモニコス」は「エピステーメー」と同系統の語である。
  10. ^ アンドレ・ピショ『科学の誕生〈上〉古代オリエント 』、せりか書房、1995年、ISBN 4796701923
  11. ^ アンドレ・ピショ『科学の誕生〈下〉ソクラテス以前のギリシア 』、せりか書房、1995年、ISBN 479670194X
  12. ^ 平田寛『図説 科学・技術の歴史―ピラミッドから進化論まで 前約3400年‐1900年頃』、朝倉書店、ISBN 4254102038
  13. ^ a b c d e 佐々木力 1996, p. 30.
  14. ^ 都築洋次郎『世界科学・技術史年表』、原書房、ISBN 4562021918
  15. ^ 世界大百科事典
  16. ^ 佐々木力 1996, p. 28-29.
  17. ^ a b c d e f 佐々木力 1996, p. 31.
  18. ^ 具体的には、トーマス・ホッブズの『物体論』で「幾何学はscientificusであるが、倫理学はscientificusではない。」という表現が見られることである。
  19. ^ 佐々木力 1996, pp. 5-6.
  20. ^ ハーバート・バターフィールド著、渡辺正雄訳 『近代科学の誕生』、講談社学術文庫、1978年
  21. ^ a b c d 佐々木力 1996, p. 93.
  22. ^ a b c d 三浦於菟 1996, p. 2.
  23. ^ a b c weil 1999, p. 27.
  24. ^ (注)デカルトは一方で懐疑論を唱えながらも、他方、その実は素朴実在論で世界を見ており、モノは外からゴツンとぶつからなければ動きに変化はない、というような固定観念にとらわれていた。(その結果、渦動説を唱えた。)デカルト個人の素朴な考え方が西洋の学問の世界で後の時代にまで影響を及ぼすことになった。
  25. ^ *手島 恵「連載 ものの見方・考え方と看護実践(2) 新しい世界観とは何か?」1998年 [1]
  26. ^ a b 『21世紀の医学・医療 日本の基礎・臨床医学者100人の提言』日経BP社、1995年
  27. ^ a b 佐々木力 1996, p. 3.
  28. ^ a b c 佐々木力 1996, p. 18.
  29. ^ 佐々木力 『科学論入門』、岩波新書、1996年、ISBN 4004304571
  30. ^ 佐々木力 1996, pp. 3-4.
  31. ^ 辻哲夫『日本の科学思想 - その自立への模索』1973年
  32. ^ 佐々木力 1996, p. 20.
  33. ^ 佐々木力 1996, p. 15.
  34. ^ 佐々木力 1996, pp. 14-17.
  35. ^ a b 佐々木力 1996, p. 17.
  36. ^ 丸山眞男『日本の思想』1961
  37. ^ 伊勢田哲治『疑似科学と科学の哲学』、名古屋大学出版会、ISBN 4815804532 など
  38. ^ 佐々木力 1996, p. 7.
  39. ^ 池田清彦 2006, pp. 150-152.
  40. ^ 『科学の社会科シンドローム』p.3-5
  41. ^ 池田清彦『科学とオカルト』p.182
  42. ^ 池田清彦 2006, pp. 179-, 「巨大科学の問題点」.
  43. ^ 池田清彦 2006, p. 181.
  44. ^ 池田清彦 2006, p. 179.
  45. ^ 池田清彦『科学とオカルト』p.182「問われる市場価値」
  46. ^ 石黒武彦 2007, p. 5.
  47. ^ 池田清彦『科学とオカルト』p.184-p.185
  48. ^ 石黒武彦 2007, pp. 6-7.

参考文献

  • 佐々木力 『科学論入門』 岩波書店、1996年ISBN 4004304571
  • 池田清彦 『科学はどこまでいくのか』 筑摩書房、2006年ISBN 978-4480422811
  • 石黒武彦 『科学の社会化シンドローム』 岩波書店、2007年ISBN 978-4000074711
  • 三浦於菟 『東洋医学を知っていますか』 新潮社、1996年
  • Weil, Andrew 『心身自在』 上野 圭一訳、角川書店、1999年
  • ハーバート・バターフィールド著、渡辺正雄訳 『近代科学の誕生』、講談社学術文庫、1978年
  • 石黒武彦『科学の社会化シンドローム』岩波書店、2007年 ISBN 4000074717
  • トーマス・サミュエル・クーン著、常石敬一訳 『コペルニクス革命―科学思想史序説』、講談社学術文庫、1989年
  • アラン・チャルマーズ著、高田紀代志・佐野正博訳 『科学論の展開―科学と呼ばれているのは何なのか?』、恒星社厚生閣、1985年(新版)
  • ジョン・デスモンド・バナール著、鎮目恭夫訳 『歴史における科学』全4巻、みすず書房、1966年
  • 村上陽一郎編 『現代科学論の名著』、中公新書、1989年
  • ハンス・ライヘンバッハ著、市井三郎訳 『科学哲学の形成』、みすず書房、1985年

関連項目

外部リンク

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国際PPP連合問題解決案~太平洋TPP連邦【思考】~
極北開拓合衆国~極東防災防衛府体政~人間生活府【基本原案】~
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うたわれるもの - W(保存)【中編】

うたわれるもの - W(保存)【前編】 

登場人物

※担当声優は「日本語」は日本語版アニメおよびPS2版ゲームでの声優、「英語」は日本国内版Blu-ray Disc BOXにも収録されている英語版アニメでの声優を記載。なお英語版声優のリンクは、片仮名書きは日本語版ウィキペディアの、アルファベット書きは英語版ウィキペディアの記事へリンクしている。

トゥスクル

ハクオロ
- 日本語:小山力也、英語:ジョン・グレミリオン
本作の主人公。大怪我をして倒れていた所をエルルゥ達に助けられる。助けられる以前の記憶を失っており、なぜか外すことの出来ない仮面を着けている。「ハクオロ」とは、トゥスクルの計らいでエルルゥ達の実父(故人)から借りうけた名前である。開発スタッフによれば、イメージ的な年齢は27歳〜28歳とされる[5]。カミュに「おじ様」と呼ばれた時にショックを受けたり、アルルゥから父親の面影を重ねられたときに内心複雑な心境であるような言動を見せたりと、記憶喪失であることも相まって自分自身の年齢を気にしている。時に優しく、時に厳しい父親のような性格。自らの胸の内や悩みは人に話さず自分で解決する傾向にあり、それでいて大抵の逆境は自力でどうにか出来てしまうという難儀な性をしているが、それでも安定した人格者であり、宿命から逃げない人物[6]
その正体は遥か過去から存在する神の如き存在『うたわれるもの』。人間達からウィツァルネミテアと呼ばれ崇められる存在である。ハクオロはそのうたわれるものの半身が顕現した姿、「空蝉」である。かの時代で認知外の高位存在と同化してしまった末の意識が彼であり、「創成期」でのアイスマンとは彼のことである。彼の被る仮面は、幾千本もの未知の繊維で直接脳髄に縫い付けられており脱着は完全に不可能である。その繊維はそれぞれが脳の各部に作用し、身体機能や免疫力などを向上させる機能を持つ。その効果を研究するための実験体が亜人間たちの祖先であり、彼は遺伝子的な意味で「現代」に生きる全人類の父であると言える。
「ハクオロ」とは前大戦でウィツァルネミテア(空蝉)がトゥスクルに告げた名前で、トゥスクルはそれを自分の息子に貰っていたが、大怪我をして担ぎ込まれた当初に彼の正体に気付き、その名前を「返還」した。つまりハクオロという「白き皇」を意味する名前は、借り物ではなく彼の真名である。オンカミヤムカイ最深部にて精神の統合後、大神である自身がこの世に相容れぬ災いであることを認識し、自ら封印されることを選ぶ。自身の存在に悩み苦しみながらも、自分が封印される瞬間まで自身の意思を貫き通した。エピローグでは、誰かの気配に気づいたエルルゥが背後を振り返るところで物語は幕を閉じるが、ハクオロが帰ってきたのかどうかは謎のままである[注 3]
ゲームの戦闘フェイズでは毒液・刃を仕込んだ鉄扇を操り、既存の概念にとらわれない采配を振り、先頭に立って一軍を率いる。
ウィツァルネミテアに変身した状態で戦う場面もあるが、ムツミとディー(変身後)との戦いの時のみであり、任意での変身は不可。装備・道具・蒐集品をコンプリートした状態で挑める特別戦闘では、ハクオロが戦闘不能になった場合のみウィツァルネミテアに変身することができる。
エルルゥ
声 - 日本語:柚木涼香、英語:キラ・ヴィンセント=デイヴィス
本作のメインヒロイン。大怪我をして倒れていたハクオロを助けた少女。面倒見が良く、村人に慕われる心優しい性格だが、自分の胸が小さいことにコンプレックスを抱いており、ハクオロが他の女性と親しくしている時に不機嫌になるなど嫉妬深く「やきもち焼きが唯一の欠点」とされ[7]、怒らせると誰もとめられない[注 4]。家事全般が得意。酒が入るとすぐ酔うが、そこから一向に潰れない[8]。薬師の卵で、祖母であるトゥスクルには薬の調合法などを教わっている。薬草や薬石を採りに行くのが好きで、しばしば森まで通っている。トゥスクルの遺言でアルルゥとともにハクオロに預けられ、建國後はトゥスクル國の薬師となり、以後ハクオロの御付として体調管理を任され彼を見守り続ける。建国後はハクオロが「家族」と説明したこともあり、当初ウルトリィからは皇后と勘違いされたこともある。ハクオロの周りにいる女性たちが皆見目麗しい者たちばかりなのを気に病んでいる。エルルゥの名前はトゥスクルの姉と姉妹草から取られている。
本編開始前、地震で木から落ち、瀕死の重傷を負ったアルルゥを救うため、ハクオロとの間に自らの存在を明け渡す契約を結んでいる。ハクオロへの愛情はその契約による部分もあり、本人にもその自覚はあるが、それを抜きにしてもハクオロ個人へ本当の愛情を抱いている。その旨を声に出すことが出来なかったが、その苦難に耐えながらも別れる時までハクオロを精一杯支え続けた[9]。その後は薬士として村のために尽力し続け、アルルゥと共にハクオロの帰りを信じて待ち続けている。
髪飾りに輪っかをつけているが、ヤマユラの村の習慣で成人した女性が貰うものとされる[注 5]。これはエルルゥの家に代々長女伝わるもので[注 6]、実はエルルゥの持つ輪っかがオリジナルであるミコトの輪っかであり、それ以外の人間が持つ輪っかは、そのレプリカである[10]
その契約は後に破棄されている(アニメ版では第25話、ゲーム中ではムツミ戦の前に「契約を破棄する」と言っている)のでハクオロが封印されてもエルルゥ(アルルゥ)には影響がなかった[注 7]
ゲームの戦闘フェイズでは相手に直接ダメージを与える攻撃はしないが、祖母仕込みの薬術で傷薬や戦時麻薬、果ては毒薬までもを生成し(PC版は回復のみ)、一軍の要として尽力する。アニメ版では戦闘に参加することはないが、主にハクオロにとって精神面での補助に尽力していると言える。
アルルゥ
声 - 日本語:沢城みゆき、英語:Sasha Paysinger
エルルゥの妹。無口で人見知りが激しいが、一度懐くと甘えたり悪戯をしたりする。ハクオロを「おと〜さん」と呼び慕う。動物と心を通わすことができ「ヤーナ・マゥナ(森の母)」ともよばれる。ユズハとカミュとは親友であり、「アルちゃん」と呼ばれている。食欲旺盛な育ち盛りで、皆からは小動物の如く可愛がられ、よく餌付けされている。はちみつが大好物で、カルラに便乗して倉から盗み出すほど。無邪気な性格の割に頭の回転が早く勘が鋭い(ヌワンギにエルルゥの居場所を聞かれた時に、彼のひねくれた性格を利用してわざと本当のことを言って追い払ったり、ドラマCDではつまみ食いを阻止しようとしたエルルゥが、ハクオロと同じ戦術を使ったことに気付くなど)が、無謀な行動を取ることもあり、実際何度か死に掛けている(内二回はウィツァルネミテアの契約により蘇生した)。アルルゥの名前は姉妹草からとられている。エルルゥと共に最後までハクオロの精神を支え続け、たとえ異形の者と化してしまっても、ハクオロのことを「お父さん」と呼ぶことをやめることはなかった。ハクオロにとっては正真正銘の「」と言える存在。
動物たちと心を通わす能力は、家に代々遺伝として伝わるもので、亡きトゥスクルの姉の他、この世界では同じ能力を持った人間が他にもいるものとされる(エルルゥやトゥスクルにも遺伝はしたが、この能力は使えないとされる)[10]
ゲームの戦闘フェイズではムックルとガチャタラを従え、ハクオロとエルルゥを守るために、矢も矛も恐れず戦場を駆け巡る。後述のムックルの体毛硬化の能力から、戦闘メンバー随一の物理防御能力を誇っているが、水辺や雨が降るステージなどでは弱体化してしまう。
ムックル
声 - 日本語:下山吉光、英語:モニカ・ライアル
エルルゥ達が住む村の近くの森で『ムティカパ様(森の主)』として恐れられハクオロ達に退治された、ムティカパ(白虎)の子供。成長した時のことを考え始末されそうになるが、ハクオロが「産まれてきた命は元来無垢なものだ」と説得したため、事なきを得た。その後は、アルルゥが面倒を見ている。人の言語を解するほどの高い知能を持つ。時間が立たずに巨大な白虎に成長するが[注 8]、まだまだ子供で、アルルゥにとてもなつき甘えている。だがアルルゥが危機に陥った際は、凶暴なムティカパとなって戦う。しかしエルルゥだけには敵わない。ガチャタラが来てからは、母親代わりのアルルゥの関心を奪われてしまうことに対して、ムックルはやきもちを焼いている[注 9]
親のムティカパと同様の刀も通さぬ程硬い体毛を持つが、水に濡れると非常に脆くなるために水辺や雨を極端に嫌う。
ガチャタラ
チキナロが商品として連れてきた「ミキューム」と呼ばれる、オコジョやリスに似た白色の霊獣。その肝はあらゆる病気に効くと言われており、ユズハの治療のためにとオボロに仕留められそうになるが、ユズハが「そんなことをしてまで私は生きたくない」と言ったため、事なきを得る。名付けた者に対する刷り込みが起こるため、アルルゥのことを既に親だと思い込んでおり、買い取らざるを得なくなってしまったため、以後アルルゥが面倒を見ている。小さくて可愛いらしいので、女性陣の評判が(特に可愛い物に目がないトウカに)とても良い。
ガチャタラが加入すると、ゲームの戦闘フェイズでアルルゥの必殺連撃が成功するようになる(未加入の状態だと必ず失敗)。
オボロ
声 - 日本語:桐井大介、英語:Chris Patton
ユズハの異母兄。義賊として活動をしており、最初はハクオロを敵対視していたが、ケナシコウルペとの戦を通じて彼を「兄者」と呼び、最初に彼に心酔する忠臣の1人となる。部下としてドリィとグラァを従え、彼らからは「若様」と呼ばれている。性格は「熱く」、「優しく」、「真っ直ぐ」で、落ち着いた性格のハクオロと対になる「もう一人の主人公」であると評されている[12]。酒は強い方ではないが、周りに大酒飲みが揃っていることに加えて、負けん気の強さからコンプレックスを抱えており、よく飲みすぎて二日酔いの薬をエルルゥに作ってもらっている。また、野菜が嫌いなことをユズハに指摘されたために、無理をして野菜を口に詰め込んだ結果、気絶してしまう場面もあった。妹であるユズハのことを溺愛しており、それゆえ後先が見えなくなることもある。
皇族の出身であり、祖父はケナシコウルペの先代皇だったため、オボロはケナシコウルペの正統後継者でもある。しかし祖父が前大戦で敗北し、その結果インカラの先祖に権力闘争でも負け、皇の地位を奪われ没落してしまった[13]
戦後、ハクオロから戦前に自身の後継者として任命されていたが、「俺はまだ未熟でオゥロ(皇)としての器じゃないし、何より柄じゃない」としてベナウィに託し、ハクオロが残していったさまざまなものに想いを馳せつつ、ユズハの遺した子を連れて[注 10]修行の旅に出た。またオボロの祖父とトゥスクル、ワーベは前大戦で共に戦った戦友である[14]
ゲームの戦闘フェイズでは弐刀流を操り、軽業師のような身のこなしを生かした戦法を見せる。
ユズハ
声 - 日本語:中原麻衣、英語:モニカ・ライアル
オボロの異母妹。盲目であり生まれつき病弱。大病を患っておりしばしば発作で苦しむ。トゥスクル曰く体に複数の「澱神(おりがみ)」を宿している特異体質で、彼女の病は複数の澱神の相反の負荷によるものであるため不治とされる。寝所という狭い範囲の世界が彼女の生活圏であり、兄オボロの極端な過保護により純真無垢のまま育ったため、色々な方面の知識が欠けている。そのためハクオロがオボロに対して「ユズハという名の愛玩動物を飼っている」と苦言を呈する場面もあった[注 11]。一種の浮世離れした雰囲気をまとい、凛とした芯の強さをものぞかせる。トゥスクルで過ごすようになってからは、元気な姿を見せるようになり、親友となったアルルゥとカミュからは「ユズっち」と呼ばれる。苦党。自分の存在が、周りの者達に迷惑をかけているのではないかと危惧している節があり[注 12]、また自分の命が長くないために「自分が生きた証」を残したいと思いハクオロとの子供を作った(PC版でハクオロは複数のヒロインと関係をもったが、子供ができたのはユズハのみである[注 13])。アニメ版では子供を産むことはなく最終回で他界。しかしエルルゥに対して、ウルトリィと同様「自分の意思でハクオロの傍に居て良い」という考えに至らせる大切な役目を担った。
ドリィ、グラァ
声 - 日本語:渡辺明乃、英語:Brittney Karbowski(ドリィ)・ナンシー・ノヴォトニー(グラァ)
オボロの部下の双子。共に弓の名手。常に二人一組で行動し、見た目も思考パターンもほとんど同じ。瞳が紫で袴が藍色なのがドリィ、瞳が青で袴が朱色なのがグラァである。オボロに対して尊敬以上の感情を持っているらしく、オボロに記憶がなくなるまでお酌をし、撃沈させることもある。少女と見間違えるほどかわいらしい外見で、ハクオロも勘違いしていたが、実際は二人とも男の娘である[注 14]。二人ともオボロを「若様」と、ハクオロを「兄者様」と呼び敬愛する。隠密活動も得意であり、しばしば諜報活動も担当する。隠密活動時は通常より小さめの弓を使用する。ペリエライ(弓衆)隊長を務めており、ドリィが蒼組隊長、グラァが朱組隊長。戦後、オボロが修行の旅に出る際「若様にお仕えできないのならディネボクシリ(地獄)に堕ちたほうがマシです!」と言い切り、後を追っていった。
ゲームの戦闘フェイズではやはり両者とも弓を操り、敵対するものを容赦なく射抜く。
ウルトリィ
声 - 日本語:大原さやか、英語:Kelly Manison
オンカミヤムカイの第1皇女であり、カミュの姉。本来はカムナギ(巫、巫女)であり外交特使として活動することはないが、本人たっての希望によりトゥスクルのヨモル(國師)として派遣された。美しい白翼を持ち、慈愛に満ちた立ち振る舞いでさまざまな人々から尊敬と畏敬の念を集めている。妹であるカミュのことは心から大切に思っており、常々心配している。また、カルラとは旧知の仲(幼馴染)であり、かつてラルマニオヌが存在していたころ、親交を深めるためにやってきた使者の一団の中にいたことがきっかけで出会い、友情を育んでいた[16]。神々しい聖女のような女性ではあるが、預けられた捨て子に感情移入しすぎてしまい、親元に帰す際に手放すことが出来ずに我を見失い、悪鬼のごとく変貌するなど人間的な面も見せる(その際、法術の力が暴走したのか、頭上に天使の輪が出現していた[注 15])。ハクオロに想いを寄せている。当初からハクオロがウィツァルネミテアに関係があることに感づいていたようで、トゥスクルのヨモル(國師)に自分から名乗り出たのはそのためである。のちにワーベからオルヤンクル(賢大僧正)の地位を譲り受け、正真正銘の皇女となる。また、アニメ版では立場上の問題から進んで戦場に立つ描写はないが、アンクァム(傭兵)という扱いでナ・トゥンクに出向いた際にだけ攻撃法術を使用する場面を見ることができる。
ゲームの戦闘フェイズでは、オンカミヤリュー独自の法術を駆使して戦う(風と水、そして光の術法)。
カミュ
声 - 日本語:釘宮理恵、英語:Serena Varghese
ウルトリィの妹で第2皇女。人懐こく、とても元気で活発な少女。一族の始祖の力を特に強く受け継ぐその羽は黒色。ゆえに畏怖をもって別格視され、皇女であることも重なりトゥスクルに来るまで友達と呼べるような者がいなかった。最初は興味本位で付いて行っただけだったが、再度ウルトリィがヨモルとして派遣された際には、正式に補佐としてトゥスクルで過ごすこととなる。積極的に関わっていった結果、アルルゥやユズハとは仲良しとなり、アルルゥからは「カミュちー」と呼ばれる。アルルゥとは年はあまり変わらないがウルトリィの妹であるだけに姉に負けないほどの巨乳で今でも成長しているらしく、年上であるエルルゥはそのことにショックを受けた。ハクオロのことを「おじ様」と呼び、父のように慕っているが段々それ以上の想いを寄せるようになる。『この世ならざるもの』と対話することが可能な、オンカミヤムカイの中でも特異な存在(ムツミの項参照)。カミュの名前は、神を結ぶ者と書いて「神結-カミ・ユウ-[17]」となる。物語が進むに連れて前述の始祖の血を受け継いでいる影響から、お腹を痛めるまで水を飲み続けたり、吸血行為をしてしまったりした。物語終盤、ディーの手によりムツミへと変貌してしまうが、自ら眠りを選んだハクオロの意思に従い、ムツミが人格を変換(返還)したため最終的に元に戻ることができた。その後ウルトリィと姉妹2人でウィツァルネミテアの封印を成功に導き、人の手で「」を封じるという罪を共に背負うこととなった。
アニメ版ではウルトリィと同様、戦場に立つことはなく、こっそり戦場へ助っ人へ行こうとしウルトリィとムントに見咎められるシーンがある。またカミュもナ・トゥンク編でのみ攻撃法術を使用する場面が見られる。
ゲームの戦闘フェイズでは、姉のウルトリィ同様の法術を駆使して戦う。ただし、ウルトリィとカミュでは使用できる術の属性が異なっている。カミュは火と土、そして闇の術法である。
ベナウィ
声 - 日本語:浪川大輔、英語:ヴィック・ミニョーニャ
ケナシコウルペのオムツィケル(侍大将)であり、ラクシャライ(騎兵衆)隊長。國への忠義のため戦う生粋の武人。槍の達人であり、カルラとの本組手で全力の攻撃を受け流せていることから、相当な実力の持ち主であることが窺い知れる。その冷静沈着さと知性で政務の補佐においても優れた手腕を発揮する。國を蝕むインカラ皇の圧政に心を痛めながらも、己の気持ちを押し殺し命令に従っていた。ついに「国の基盤は民であり、それを蔑ろにして国に明日はない」と進言するも聞き入れられることはなく、牢に入れられてしまうが、ケナシコウルペ陥落寸前に最期の戦と称して、クロウと共にハクオロ逹と一戦を交える。その後インカラ皇を殺害(介錯)し、追って自害しようとするがハクオロに止められ、以後彼に仕える。表には出さないがハクオロの人柄に惚れており、彼に心酔する忠臣の1人。持ち前の容姿と性格から女官たちの憧れの的であり、恋文も多数受け取っていたようだが、本人は無自覚。そのため後述のノポンから一方的にライバル視(嫉妬)されている。上司も同僚も部下も気ままな行動をする者が多いため気苦労と小言が絶えず、恐らくトゥスクル國内では一番の苦労人。一見旧人類(普通の人間)のように見えるが、長く尖っている耳がたまに見えるので、彼もまた亜人間である。年下のカミュには『ベナウィ兄様』と呼ばれている。
オボロとは親戚の関係にあるが、小さな頃のことだったためオボロはそのことを覚えておらず、オボロのことを「危なっかしくて見ていられない(放っておけない)」と武術のライバルであると同時に、親のように見守り続けてもいる[18]。オボロが元皇族の人間であることは、オボロが城に盗みに入って出会った際にオボロが名乗った際に気付いたとされる[13]
ゲームの戦闘フェイズでは鉾槍(ほこやり)を自在に操り、「シシェ」という名の白色のウォプタルに騎乗して俊敏に敵兵を駆逐する。
クロウ
声 - 日本語:小山剛志、英語:ジェーソン・ダグラス
ベナウィ率いるラクシャライ(騎兵衆)副長。ベナウィと違い、叩き上げの軍人[13]で、言葉使いも行動も少々粗野だが礼節は弁えた、頼りになる屈強な武人。「平和を望まないわけではないが、戦場を駆けることこそ生きがい」と豪語する。縁の下の力持ち的存在で、また意外と細かい気配りも出来る好漢である。口癖は「ういっス」。かなりの酒豪で、自分の周りに健啖な飲み仲間が増えて喜んでおり、豪放磊落な彼曰く「酒は競わず、楽しむもの」。オボロとはじゃれ合いめいたいがみ合いが絶えない。隊長であるベナウィとは強い信頼関係で結びついており、ベナウィを小馬鹿にした態度をとったヌワンギに対して手を上げたり、ケナシコウルペ陥落寸前の際には、それとなくベナウィに謀反を勧める場面もあった。ベナウィを「大将」、ハクオロを「総大将」と呼び心酔する忠臣の1人。インカラ皇の娘であるカムチャタールから好意を寄せられているが、当の本人は気づいていない。
前述のカムチャタールに対して「老けた」と発言したり(実際には大人びて見えるだけ)負傷した際、アルルゥに「傷は舐めると治る、舐めてあげる」と言われて嬉しいと言っていたりと(実際に舐めたのはムックルだが)少し怪しいところがある。
ゲームの戦闘フェイズでは、通常より一回り大きい緑色のウォプタル[19]に騎乗し、さらに規格よりも少々大きめな太刀を操る。
カルラ
声 - 日本語:田中敦子、英語:Shelley Calene-Black
本名:カルラゥアツゥレイ。戦闘に特化した肉体を持つギリヤギナ族のナクァン(女剣奴)。鎖つきの大きな首輪が特徴の怪力娘で、男5人がかりでないと運べないほど重い巨大な剣を片手で軽々と振り回す。この剣は、通常の剣ではカルラの怪力に耐えきれず折れてしまうため、「決して刃こぼれせず、折れず、曲がらない」という注文によって作られた特注品。「刃こぼれせず、折れず、曲がらない」ことを前提に作ったため、切れ味は二の次でモロロ(芋)一つ切れないナマクラ。カルラの怪力を以ってはじめて威力を発揮し、敵を薙ぎ払うか、もしくは叩き潰すようにして斬る。この常識外の強靭な力はカルラ生来の(ギリヤギナ族としての)素質もあるが、彼女の父親が大神と契約し得た力が引き継がれているためでもある。一流の戦士であると同時に酒と風流を嗜む生粋の自由人でかなりの酒豪。まじめな人をからかうのが好き。奔放な言動と行動でハクオロを翻弄するが彼に心酔する忠臣の1人であり、同時に彼を心から愛している。髪の毛の一本から血の一滴まで捧げるという「ウィツァルネミテアの契約」をハクオロと交わし、彼を「あるじ様」と呼ぶ。ウルトリィとは幼馴染で、かつて皇女だったころに親交があった。アルルゥ同様、つまみ食いの常習犯である。他人からはいい加減で捻じ曲がった精神の持ち主のように思われがちだが、後述のスオンカス曰く「自らの痛みは我慢できても、他人の苦痛には耐えられない」性格で、いざとなれば自己犠牲も厭わない。一人のまだ幼さの残る少女が剣奴の闘覇者として君臨し、そのあまりの強さのために恐れられ、死ぬことを前提とした過酷な戦に常に駆り出されていた、という噂話があり、ベナウィがそのような話を耳にしたと語る場面があるが、その少女がカルラだったのかどうかは明言されていない。
アニメ版ではカルラの強さがとても強調されており、登場してからというもの「素手で奴隷船の乗組員を全滅させる」「一薙で地面を大きく抉り、兵士を激しく動揺させ、戦意を喪失させる」「橋と城門を一撃で叩き壊す」「三位一体の高速攻撃に対して、二人を完全無視し一人だけを狙って叩き斬る(その際、無視した敵の刀が腕を貫通していたが血を流さず)」「裏拳一発だけで相手の頭を吹き飛ばす」など破天荒な強さを存分に見せつけ続け、相対した者に化け物と言わしめ、恐れられた。
ゲームの戦闘フェイズでは前述の重剣を使用して眼前の兵士を暴風の如く薙ぎ倒す。
トウカ
声 - 日本語:三宅華也、英語:Sofia Mendez
武術に優れ、義を重んじ、高潔なる魂を持つといわれるエヴェンクルガ族で、流浪の女武人。始めはクッチャ・ケッチャに与してハクオロと敵対していたが、誤解が解けた後は彼に心酔する忠臣の1人となった。ハクオロのことを「聖上」と呼びお傍付(護衛役)を務めているが、他の女性に対抗してか皇妃の地位を狙いハクオロの子を欲しがっている。生真面目な性格なのだが、ひとつのことに集中すると周りが見えなくなるため、それが災いし自滅したり失敗することもあり「某としたことが」を口癖にうっかり色々なことをやらかす。別名「うっかり侍」。 生真面目ゆえに、たびたびカルラにいじられる。酒に対する耐性はなきに等しく、一献あおると朝まで起きない。可愛いものに目がなく、特にアルルゥに対しては戦場ですら本音が出るほどで、彼女との協撃があったり、アルルゥ絡みのイベントもある。一人っ子であるため、武人を模した玩具の人形を宝物として、とても大切にしており、壊してしまったオボロ(実際に壊してしまったのはハクオロ)をその場でボコボコに殴り続けるほどだった。その後、人形は修復されたものの、速荷の馬車(隣国まで止まらない)に「うっかり」乗っかってしまった時には、鬼神の形相で「ヲイデゲー!」と叫びながら追いかけ続け、街道にヌグィソムカミ(禍日神)が出ると街の噂になったこともある。エヴェンクルガ族の中で生ける伝説とされているゲンジマルに憧れを抱いており、彼との会話から親の名前がウンケイであることが判明した。
アニメ版ではゲーム版と違い「うっかり」している描写が少ないために、終始落ち着いている印象となってしまった。このことについて「私がオーディションを受けたのはこんなキャラじゃないんですけどー!(笑)」とは三宅華也の談[20]
OVAでは原作やTVアニメなどでは見せなかったスポーティな下着姿を披露した。
ゲームの戦闘フェイズでは日本刀で居合い切りを連続で放つ離れ技を見せ、ハクオロに手向かう者を斬り捨てる。
左利きであるが、アニメやゲームのシミュレーションパートでは右利きで描かれることがある(ユニットの向きによって反転している場合がある)。

ヤマユラ

トゥスクル
声 - 日本語:京田尚子、英語:Marcy Bannor
エルルゥとアルルゥの祖母で、ヤマユラ村の村長。各地で知られる高名な薬師で、村人から絶大な信頼を寄せられる人格者。倒れていたハクオロを治療する。祖母として優しく孫たちに接するが、怒ると怖い。オボロからも実の親のように慕われている。「アルルゥはわしの若い頃にそっくりじゃ」とは本人の談で、かなりやんちゃしていた模様。幼い頃のヌワンギを育てていたこともあり、現在のヌワンギに対しては、変わっていく姿を見るのは忍びないとしてエルルゥを心配しつつも、少しは骨のある男だと思っていたと落胆の色を見せていた。
ヤマユラが戦乱に巻き込まれた際、ヌワンギの部下の凶刃からアルルゥを庇って重症を負う。その際エルルゥやアルルゥ、村の者の運命をハクオロに全て委ね、安心し息を引き取った。これが村人の怒りを爆発させる原因となり、この大きな戦いの火付けとなった。
スタッフによれば、ハクオロがウィツァルネミテアであることを最初から知っており、過去の「白い神」と「黒い神」の戦いの時にトゥスクルは白い神側について戦い「ハクオロ」の名前を知ることとなる。トゥスクルは後に生まれた自分の息子にその名前をつける。作中冒頭で、エルルゥが正体不明の仮面の男を保護して家に連れて来た際に、男が「白い神のハクオロ」であることに気づき、記憶を失った仮面の男に本来の名前である「ハクオロ」与えたとされる[5]。トゥスクル亡き後、その名前は国に受け継がれることとなり、若い頃、親交のあったワーベは新興国の名前の報告を受けた際、驚きを隠せなかった。
テオロ
声 - 日本語:石川ひろあき、英語:Mike Vance
辺境の村ヤマユラの男。村人からは「おやっさん」または「親父」と呼ばれており、「頼りにされている」と自分では言っているが、実際は子供の頃から親父くさい顔をしていたからだという。ハクオロを「アンちゃん」と呼び慕っている。
ハクオロがケナシコウルペ皇都を制圧した後に、エルルゥとアルルゥを除き全員ヤマユラに戻った。だがその後、クッチャ・ケッチャからの突然の襲撃に際し、ハクオロへとその報を伝えて体制を整える時間を稼ぐために全員で応戦し、そのために皆殺しの憂き目にあった。背中に致命傷となる傷を受けながらもハクオロの元へと向かったテオロは襲撃を報告するという役目を果たし、皆が出撃して誰も居なくなった部屋で、ソポク達が迎えに来て[注 16]ヤマユラの村に戻るという情景の中、静かに息絶えた。
ゲームの戦闘フェイズでは斧を武器として豪快に戦場を駆ける。参加はトゥスクル建国までだが、家庭用機版の演習モードでは、作中で死亡するまで使用出来る。死亡する際にレベル10以上に達していると形見としてテオロの斧を入手可能。
ソポク
声 - 日本語:雪野五月、英語:クリスティーヌ・オートン
テオロの妻。姉御肌で、親を亡くしたエルルゥ達から身近な女性として家族のように慕われ、また接している。クッチャ・ケッチャの侵攻の際、死亡。
ウゥハムタム
声 - 日本語:下山吉光、英語:John Swasey
ヤーやターと一緒にいる三人組の一人で、「ウー」と呼ばれている。大柄の男で無口。主に後方支援として戦うが、戦闘場面には登場しない。クッチャ・ケッチャの侵攻の際、死亡。
ヤァプ
声 - 日本語:加藤将之、英語:Christopher Ayres
ウーやターと一緒にいる三人組の一人で、「ヤー」と呼ばれている。老人で、よく語尾に「〜ダニ」と付く。主に後方支援として戦うが、戦闘場面には登場しない。クッチャ・ケッチャの侵攻の際、死亡。
タァナクン
声 - 日本語:雪野五月、英語:Christopher Ayres
ウーやヤーと一緒にいる三人組の一人で、「ター」と呼ばれている。緑の服の若い少年。耳はトゥスクル兵が耳部につけた布のようだが、タァナクンの場合はこれが耳である。主に後方支援として戦うが、戦闘場面には登場しない。クッチャ・ケッチャの侵攻に遭い、死亡。
ハクオロ(故人)
エルルゥとアルルゥの父親[注 17]。ゲーム開始時点で故人であり、作中では一切登場しない。ハクオロが当初記憶を失い名前がなく、ハクオロ(故人)から名前を取ったものとされるが、実際はハクオロ(故人)の母親であるトゥスクルがハクオロの本来の名前にちなんで生まれきた息子につけたものである(詳細はハクオロとトゥスクルの記述を参照)。
開発スタッフによれば、至って普通の人間で、体型はハクオロに似ており、トゥスクルを補佐して村の発展に尽力してそれなりに名前の知られた人物とされる[5]

カムチャタール一味

コンシューマ版の追加シナリオに登場するキャラクター達。OVAにてアニメ版に初登場した。タイムボカンシリーズの三悪がモチーフであることが制作サイドから公言されている。

カムチャタール
声 - 日本語:田口宏子
歓楽街の女主人。実はインカラの娘で、ある理由から裏で盗賊稼業をしていた。ベナウィ、クロウとも元は主従関係にあり、顔馴染み。特に、クロウに対しては何か含むものがあるようである。(後に好意を寄せていることが判明したが、当のクロウは気が付いていない)その美しい容姿はエルルゥですら羨ましがるほどで、父親には全く似ていないが、たまに本音が出たりすると父親と同じ「にゃも」と言うことがある。歓楽街で働く同年代や年上の娘から「お姉様」と呼ばれ慕われていることに苦悩しているが、まんざらではない様子も見せる。
クロウに「老けた」と指摘されたことは相当気に障ったらしく、戦後は、なんとか自分に振り向かせるためと若返りの薬を調合するために奔走している(ノポンには「これ以上若くなったら幼児になってしまう」と呆れられていた)。
ゲームの戦闘フェイズでは鞭を得物として戦っている。
ノポン
声 - 日本語:下山吉光
ひょうきんな髭面と言葉遣いが特徴のオンカミヤリュ-族。一人称は「僕ちん」。地脈を利用した転移術など、本来なら僧正級の身分でないと使えないような高位の術を会得しているが、オンカミヤリューの戒律を嫌って出奔した破戒僧。また金を塩に変えたり、取れたてのモロロに命を吹き込んだり出来る。インカラ皇の時代にはベナウィ、クロウと同僚であった。主であるカムチャタールの幸せを誰よりも願っており、「お嬢様のためなら、たとえ火の中、水の中」の言葉通りに尽くしに尽くす忠臣。しかしそれが裏目に出てはきつくお仕置きされている。
ゴムタ
声 - 日本語:間島淳司
脳天が禿ているのが特徴で、人間の言葉を理解出来るほど高い知能を持つキママゥ。キママゥではあるが自分のことを人間と思っているらしく、キママゥ扱いされると怒る。好みのタイプであるらしく、ドリィとグラァに懸想[注 18]した。OVAではエルルゥに薬の材料を持ってくるよう頼まれた際、アルルゥと仲良くなる描写があり、アルルゥも彼の知能の高さに驚いた。

ケナシコウルペ

ヌワンギ
声 - 日本語:吉野裕行、英語:Greg Ayres
藩主ササンテが下女[注 19]に産ませた子供。インカラ皇の甥。権力を笠に身勝手に振舞うプライドだけ高い若者。母親の故郷であるヤマユラの集落で子供時代を過ごすが、ササンテの嫡子[注 20]が夭折[注 21]したため、代わりに跡継ぎとして城へ戻される。幼馴染のエルルゥに好意を寄せている。エルルゥ達と暮らしていた頃は純朴で優しい少年[注 22]だったが、欲と権力に塗れた父親の元で長い間過ごしたことで性格が歪み、ひねくれてしまったため、村人たちから嫌われてしまう。父であるササンテ亡き後はインカラの下で侍大将となったが、ハクオロたちとの戦闘に敗れ捕えられる。その後解放、エルルゥに諭され改心したものの、戦をやめるよう進言しに都へ行く途中で、運悪く落武者狩りに遭って生死不明となり[21]、以後の消息を絶つ。アニメ版では解放された後、エルルゥの「さようなら」という重い一言を背中で受け止め、半ば放心状態のままおぼつかない足取りで霧の中へと消えていき、以後の消息を絶った[注 23]
アニメ版ではゲーム版では見られなかったオムツィケル(侍大将)の甲冑姿を見ることができ、専用のウォプタルは目つきが悪いなどの特徴がある[23]
ゲームの戦闘フェイズでは段平(だんびら)のような得物を使用しており、コンシューマ版では数いる敵キャラクターの中で唯一ササンテとの「協撃」が用意されている。
ササンテ
声 - 日本語:大川透、英語:John Swasey
エルルゥ達の村とその周辺を治める藩主で、ヌワンギの父。横暴な性格をしており、重税をかけて村人を苦しめる。喋る際、語尾に「にゃも」がつくのが特徴。鈍重そうな見かけによらず、武人としての実力は高くそれなりに強い。ハクオロたちの反乱に敗れ、ヌワンギを囮に自分だけ逃げようとしたところ、母親と一緒で役に立たないと言われ、逆上したヌワンギに殺されてしまう。アニメ版と漫画版では戦う描写がなく、ハクオロに鉄扇を喉に突き立てられあっさりと殺されてしまった。
ゲームの戦闘フェイズでは鉤爪のような得物を袖から出して戦っている。コンシューマ版ではヌワンギとの協撃が敵で唯一追加された。
インカラ
声 - 日本語:大川透、英語:Andrew Love
エルルゥ達の國のケナシコウルペの皇でササンテの兄、ヌワンギの伯父。やはり弟同様、語尾に「にゃも」がつく。ユーモラスな外見とは裏腹に、弟ササンテ以上に狡猾かつ残虐な性格で、民からの収穫を私事につぎこみ、「民あっての国ではなく、国あっての民、そして国はこのインカラ自身」とまで言い切る愚皇。自分の髪の毛(アフロ)には並々ならぬこだわりを持っている。皇都陥落の際、皇の最後の務めを拒否し、最後の最後まで贅沢と我侭を通そうとしたため、それを良しとしないベナウィに殺害(介錯)される。しかしインカラ亡き後、トゥスクル国内では叛意を持つ残党が未だに活動を続けている。
チキナロ
声 - 日本語:太田哲治、英語:Andy McAvin
旅の商人。薬や武器や装飾品から他國の情報まで、人身売買以外のありとあらゆる物を売り買いしている。護身のためか仕込み武器を持っており、忠告と称して「自分が刺客なら命を頂戴していた」と発言したり、ユズハの病の治療のために必要なムイコーハ(紫琥珀)を欲していることを知っている(そもそも治療に使うものが紫琥珀だとわかっていた)など、あまりにも底が知れない人物。また、ハクオロについても「惹かれる」のだと、本質の一端を見抜いていた。人身売買は決して請け負わないが商人としてのプライドを貫くために、自分自身の命ならば平気で質に入れる。ケナシコウルペに服従しているわけではなく、ケナシコウルペの滅亡後はトゥスクルと取引を行なっており、ノセシェチカとも取引している場面がある。
スタッフによれば、実はディー(ウィツァルネミテア分身)側の人間である設定があるが、それを説明するシナリオが入れられなかったことが心残りであったとされる[14]

オンカミヤムカイ

ワーベ
声 - 日本語:大木民夫、英語:John Swasey
宗教國家オンカミヤムカイの皇で、教祖たるオルヤンクル(賢大僧正)でもある。ウルトリィ、カミュの父親で、性格は温厚かつ厳格。
トゥスクル建国の際、使節団を派遣しようとするが、カムナギ(巫)であったことに加え、思うところがあると言うウルトリィたっての願いにより、ウルトリィをトゥスクルに派遣させることを了承する。オンカミヤムカイにクンネカムンが進軍した際、シャクコポル族が種の運命に翻弄されていることを嘆きながらも、オンリィヤーク(大封印)にて対抗する。成功したと思われたが、突如ディーの手によりオンリィヤークは打ち破られてしまい、このような芸当が出来る者は他にはいないと、ディーがウィツァルネミテアであることに気づく。オンカミヤムカイ陥落後、生死不明とされたがサハラン島に幽閉されていることが判明し、これをハクオロ逹が救出。後に、逸早くウィツァルネミテアのことを感じ取り、ハクオロのことを見守り続けたウルトリィにオルヤンクル(賢大僧正)の地位を譲る。
また、お茶目な面もあり、救出された後、「思い残すことはない」と発言し息絶えてしまったかと思われたが、疲れて眠ってしまっただけで(その際、大いびき)ハクオロは「殴ってもいいかコレ」と呆れ半分、怒り半分の感情を覗かせていた。
ムント
声 - 日本語:白熊寛嗣、英語:Jay Hickman
オンカミヤムカイのヤンクル(僧正)にして皇女ウルトリィ、カミュのお目付役を務める老人。ウルトリィとカミュがヨモル(國師)としてトゥスクルに派遣された際、共にトゥスクルへやって来た。ウルトリィやカミュのことを心から心配しているが、気合いが空回りする事もあり、色々と気苦労が絶えない。DVD特典のショートエピソードでは、勉強を放りだして遊びに行ってしまったカミュを必死の形相で追い回し続ける、愉快なムントを見ることができる(カミュに対してもっと年寄りを労わってくだされとも言っていた)僧としての位はウルトリィよりも高い。ゲームとアニメの両方とも戦闘には参加しない。

クンネカムン

アムルリネウルカ・クーヤ
声 - 日本語:富坂晶、英語:Luci Christian
三大強國の1つであるクンネカムンの若き女皇で、数ある種族の中で最弱と言われ迫害され続けているシャクコポル族。ハクオロに興味を持ち接触してくる。言葉遣いは尊大だが、非常に愛らしい容姿をしている。また年若い皇であることも相まって、臣民や忠臣たちからは密かに軽く見られがちなため、人前では常に外套で素顔を隠している。戦場では白のアヴ・カムゥを駆って戦う。戦場にて初めて人を殺めたことで戦争の恐ろしさを自覚し始め、自分の中の理想との齟齬を感じ始める。自分に与えられた力の大きさと、自身の未熟と非力の落差に苦悩している。攻め滅ぼされ続ける自国の民逹の無念の声や、臣下の強い要望から、ついに自分の意思で(ハウエンクアを筆頭とした扇動の影響はあるものの結果的に)シャクコポル族の権威の確立のため、全土統一に乗り出す。しかし、ゲンジマルが謀反を起こしたことでアヴ・カムゥの弱点[注 24]が露呈したことに加え、多数の同盟を従えたトゥスクルに敵うはずもなく、ハクオロとも刃を交えることになるが敗退。その後、突如戦闘に割り込んできたディー達に国土を焼かれ、敬愛する忠臣であるゲンジマルを目の前で殺されたショックから、精神崩壊を起こし幼児退行してしまう。以後、トゥスクルにサクヤと共に預けられ、作中では、ついに精神が復帰することはなかった。それでもハクオロのことだけは記憶に残っていたようで、何度も名前を呼んでいた。なお作中では部下に恵まれているハクオロと、そうでないクーヤとが対照的になっており、悲劇性が目立つ要因となっている[注 25]
また、クーヤを演じた富坂晶は「演じるのがとても大変な役で、辛く、悪戦苦闘した。(暗に声優人生を試されているかのような気分だったとも)自分にとって絶対に忘れることができない役になると思う」と語っている[24]
サクヤ
声 - 日本語:水橋かおり、英語:Allison Sumrall
クーヤの世話係で、ゲンジマルの孫でありヒエンの妹。性格は大人しく、とても純粋で、ひたむき、そしておっちょこちょい。主であるクーヤに振り回されるがクーヤのことをとても大切に思っており、クーヤにとっては親友ともいえる存在。床上手(布団を敷くのがうまい)。しかしクーヤにトゥスクルとの友好のためと、ハクオロの室にいつの間にか入れられそうになっていたりもしたが、当のハクオロにそのことを指摘され、事なきを得た。この世界では母親の遺伝子を強く受け継ぐため、ゲンジマルと違いシャクコポル族。本来は腰まである長髪(原作では見せなかったがアニメではその姿が描かれていた)だったが、ハクオロを呼びに禁裏に忍び込んだ際衛兵に見つかり、逃げている最中に髪を斬られ、短髪になってしまった。この際、ゲーム版だと、堀に落ちたせいでハクオロから泥田坊呼ばわりをされたり、アニメ版だと運動神経はないが天井に張り付いて移動するという離れ技を披露したりしている。ワーベ救出の際にゲンジマルの人質として逃げ出さない証のため、自ら願い出てゲンジマルに足の腱を切られており(アニメ版では切られていない)、走ったり強く力を入れることが出来なくなっている。終盤以降、幼児退行してしまったクーヤの親代わり兼世話役として共にトゥスクルで過ごす。
ゲンジマル
声 - 日本語:飯塚昭三、英語:Charles Campbell
先代のクンネカムン皇の頃よりクンネカムンに仕えているタゥロ(大老)でクーヤの腹心。そのクンネカムンに対しては、まずは国を盤石にするべきとの思いを常に抱いている。エヴェンクルガ族の中でも稀代の英雄であり、生ける伝説といわれており、アヴ・カムゥを苦もなく倒し、カルラとの一騎打ちではカルラの大剣を剣技で叩き斬るほど。一族の名に恥じぬ忠義に厚い性格で、クンネカムンが全土統一に向けて動き出してしまった際には「真の忠義とは、君主の道を正すことにございます」とまで言い切り、謀反を起こしてまでクーヤのことを案じ続けた。ウィツァルネミテア(ディー)と契約して彼の眷属となっている。そのためディーに仇なすことは許されていなかったが、クーヤ達の身を守るため自身の命を代償として、ディーが先代の皇と交わした契約の破棄を願う。「心友」のその最期に心動かされたディーは先代からクーヤに渡っていた契約の破棄を認める。かつてカルラの父を長年に渡る決闘の末、打ち倒している。[25]
ゲームの戦闘フェイズでは、大太刀から繰り出される究極の剣技で相手を蹴散らす。
ハウエンクア
声 - 日本語:渡辺明乃、英語:Blake Shepard
右耳のピアスが特徴のクンネカムン右大将。人を人とも思わず、「戦いの火を撒き散らし、大勢の人間を殺したい」という己の欲望のために大義名分でクーヤを扇動しようとする、「手段」のためなら「目的」を選ばない残虐な人物。戦場では赤いアヴ・カムゥを駆り、無力の相手をも容赦なく皆殺しにする。クンネカムン滅亡の(わざわい)を作った男。手帳に瞋恚(しんい)[注 26]を書き溜めており、その歪んだ一面を垣間見ることができる。ヒエンとは考え方の違いから口論になることが多い(統一も支配も大差ないなど)。契約の影響のため生き返りはしたもののアルルゥを殺している。最期は憐れにもハクオロに恐怖して精神を病み、未練がましく命乞いをしたため、それを良しとしないヒエンにより介錯され、そのまま奈落の底へと落ちていった。アニメ版ではクンネカムン皇都にて、ディーの術により心を解き放たれ、完全な狂人と成り果てる。その際、変身したハクオロから原型を留めない程に殴られ続け、狂気的な笑い声をあげながら絶命した。シャクコポル族として生まれ、虐げられ続けてきた凄惨な過去に起因し、今の残虐な性格に繋がったと推測でき、クンネカムンの負の一面を一手に担い、体現した人物と言える。
上述のような精神面であるにもかかわらず、何故大将としての立場にいることができた(なることができた)のかは作中で明言されていないため不明である。
また、演じている渡辺明乃は、ドリィ、グラァとのダブル(トリプル)キャストで、正式な持ち役でないハウエンクアの出番のほうが多いことに葛藤していたとされる[27]
ヒエン
声 - 日本語:野島裕史、英語:Clint Bickham
鉢金が特徴のクンネカムン左大将。ゲンジマルの孫でサクヤの兄。仁義に厚く、義を重んじる人格者であるゲンジマルの孫らしく、彼の影響を顕著に受けた武人で、ゲンジマルが居ぬ間はクーヤの御側付きを務めようとする、責任感の強さも持ち合わせる。しかしゲンジマルと違って自分が貧弱なシャクコポル族であることや、目標であるゲンジマルが到底自分では追いつけないほどの英雄であることに強烈なコンプレックスを抱いており、功をあせる一面も。そのため、ハウエンクアとはまた違った理由で戦争を、そして強さを望む。ハウエンクアに対しては、全土を統一(支配)するという望みに関しては一致しているものの、扇動するやり方が気に食わないとした。戦場では青いアヴ・カムゥを駆り、厳格に、しかし慈悲無く敵兵をなぎ払う。ゲームでは、ディーと契約し力を得るに至るが、敗退。その後ハクオロ達を進ませるために、ムツミと戦って絶命する。アニメ版ではクンネカムン皇都で変身したハクオロと相対し果敢に挑むが、終始劣勢。その際「お前を殺す理由はない」と言われるも、声が届くことはなく、そのままコックピットにハクオロの拳が撃ち込まれる結果となり息絶える。双方とも最期はゲンジマルの血を受け継ぐ者として、誇り高い武人として散った。

その他の諸國および勢力

ニウェ
声 - 日本語:秋元羊介、英語:Christopher Ayres
三大強國の1つであるシケリペチムの皇。武と知を兼ね備えた皇で元は狩猟部族の長だった。各地に散らばった部族達を統括し一代で國を三大強國の1つと言われるようにまで成長させた。非常に好戦的な性格で大変気性が荒く、戦うために生まれ、戦うために生きる武人なのだと自ら認めている。妖兵という「強いものと戦いたい」という欲求を満たすためだけの軍用ではない兵士(攻め滅ぼした国の有望な武将)を幾人も所有し、潜在能力を引き出しては争わせている[28]。ハクオロに『最高の獣』としての素質を見抜き、獲物と定め執拗にトゥスクルに攻め込む。しかしトゥスクルに軍勢の大半を送り込んでいる隙にハクオロを含む少数の精鋭に城を襲撃される(「狩りは獲物を追い込むのではなく、誘い込むものだ」という発言をしており、ハクオロと戦いたいがためにわざと軍勢の大半を送り込んだ可能性もある)。その際、自分の欲を満たす為だけに多くの命を弄び続けたニウェに対して、怒りを露わにしたハクオロがウィツァルネミテアへと覚醒し、無惨に解体された。しかしその最期の時まで『最高の獣』を見出した自分の目に狂いはなかったと満足していた様子。
ゲームの戦闘フェイズでは薙刀を得物として戦っており、初登場の際には大木を一刀両断するなどの芸当を見せた。
シケリペチム三人衆(エムロ、イナウシ、イコル)
声 - 日本語:白熊寛嗣、近藤孝行、加藤将之
アニメ版にのみ登場するシケリペチムの武将で、三人揃った時に真価を発揮するとされる。大柄なのがエムロ、中背で髪を編んでいるのがイナウシ、小柄で目つきが悪いのがイコルである。ベナウィ、クロウ達が対等に戦える相手として設定され[29]、一度はクロウを追い詰めるも、決着がつくには至らなかった。シケリペチム侵攻の際、カルラに対して三位一体の攻撃を繰り出すも、圧倒的な力の前に、為す術もなく敗れてしまう。
オリカカン
声 - 日本語:小形満、英語:John Swasey
北方の騎馬民族國家・クッチャ・ケッチャの皇。ハクオロを裏切り者の義弟ラクシャインと呼び、同胞と妹の仇としてトゥスクルに攻め込んだ。しかしハクオロに対する憎悪は実はディーによって精神操作された偽りのものであり、トゥスクルへの進攻もハクオロを追い詰めるためにニウェとディーによって仕組まれたものに過ぎず、最期はハクオロがラクシャインでないことには気づくが、用済みとされ暗殺(毒殺)されてしまう。スタッフによれば「騙されちゃった悲劇の武将」[30]
アニメ版では「オリカカン皇もニウェとその手の者による不幸な被害者だった」と、遺体を故郷の土へ還してやるようにトウカへ命じるシーンが追加されている。オリカカンの死後、国が滅びたわけではなく、別の人物が皇となって存続している模様。
ゲームの戦闘フェイズでは黒いウォプタルを駆り、棍棒の両端に棘のある鉄塊の付いた得物を使用している。
ラクシャイン
声 - 日本語:小山力也
オリカカンの義弟。オリカカンやトウカの台詞によれば、己の欲望の為に自分の妻と子、クッチャ・ケッチャの多くの同胞を殺めたとされる男。精神操作されたオリカカンが、ハクオロのことをラクシャインだと思い込んでおり、それが原因でクッチャ・ケッチャとの戦争に繋がった。いずれも他キャラクターの台詞のみで、実際には作中での登場はなく「ハクオロと同時期に行方不明になった」となっている[7]。アニメ版12話のアバンタイトル(オリカカンの回想)では仮面を着けている人物であることが描写されているが、上記の精神操作のため実在している人物なのかどうかも定かではなく、ミスリードの可能性も含めて、依然として謎の人物のままである。
スオンカス
声 - 日本語:近藤孝行、英語:Josh Grelle
奴隷の売買を國益とするナ・トゥンクの皇。生きた人間を苗床にすることで綺麗な花を咲かせる「ラルマニオヌの花」を栽培するなど、倒錯した美的感覚をもつ残忍な性格。カルラに異様なまでの執着心を抱いており(彼にとってのラヤナ・ソムカミ(日天之神)であるらしい)、昔から手に入れたいと思い続けていた。その愛は本物であり、当のカルラもそのことだけは認めていた様子。実はカルラに男性としての機能を破壊されているが、本人はむしろそのことを「汚い雄の呪縛から解き放たれた」などと言って感謝しており、オカマ言葉で喋る。得物として投擲用のナイフを袖の下に隠し持っており、その腕前は確かなもの。最期は愛するカルラの腕の中で「今この時だけ、誰よりも愛してあげる」と言われながら息絶えた(当のカルラも「嫌いではなかった」と発言している)。アニメ版ではカルラが守りの兵を薙ぎ倒した隙に、デリホウライから痛恨の一撃を顔面に喰らい、そのまま絶命した。
ゲームの戦闘フェイズでは上述のナイフを操る上、柵(檻)を有効に利用して戦うなどの戦技を見せつける。
デリホウライ
声 - 日本語:加藤将之、英語:Nomed Kaerf
滅亡した超大國ラルマニオヌの皇子でナ・トゥンクの解放軍「カルラゥアツゥレイ」のリーダー。ギリヤギナ族。当初はその強さゆえに傲慢な性格で自分の力に溺れていた。カルラに「弱い者の気持ちというものを教えてあげますわ」と自分よりも強い力を見せられたのをきっかけで丸くなり、彼女を生き別れになった姉と面影を重ねる。その幼い頃に生き別れた姉を今でも慕っているが、かなり美化して記憶しているようで、話を聞いたハクオロは「それは正反対だ」と心の中でツッコんだ。ちなみに「カルラゥアツゥレイ」とは彼の姉の名前で、新国「カルラゥアツゥレイ」建国後は皇となり、トゥスクルと同盟を結ぶ。「相変わらず威勢が良い」とはハクオロの談。戦後、ハクオロからカルラの様子を聞き、安心し、晴れやかな表情で自国へと帰っていった。
クンネカムン侵攻の際、トゥスクルの同盟国として参戦していたがために「浄化の炎」から逃れる様子が見られたが、無事であったかどうかは不明のままである。
ゲームの戦闘フェイズでは、やや大きいトンファーのような武器を駆使して戦う。
カトゥマウ
声 - 日本語:白熊寛嗣
幼い頃からデリホウライの面倒を見てきた忠臣の老人。デリホウライについては「大器を持つであるが、未だその器は完成せず、むしろこのままではその器が歪んでしまう」と語っている。デリホウライに体術を教えたのも彼であるとされる[注 27]
カンホルダリ
声 - 日本語:最上嗣生、英語:John Swasey
三大強國の1つ、ノセシェチカの皇。屈強の肉体を持ち傲慢で自己中心的性格。明確な描写がないため種族は不明だが、シャクコポル族に対して偏見があり、憎悪にも近い嫌悪感を抱いている。戦の才はあっても、視野の狭い独裁者。ポナホイにクンネカムンへの侵攻を命じたが、その後、自身も返り討ちにあいディーによって生きた操り人形にされてしまう。アニメ版では、アヴ・カムゥに為す術もなく蹂躙される自軍を目の当たりにした結果「俺様が負けるなどありえない」と特攻し、クーヤのアヴ・カムゥによってあっさりと一刀両断され死亡する。その後、死体をハウエンクアが回収し、ディーが仮面兵を作り出すための研究材料とされてしまった。
ゲームの戦闘フェイズでは、仮面兵と共にディーの傀儡として登場する。
ポナホイ
声 - 日本語:近藤孝行、英語:ジェーソン・ダグラス
ノセシェチカと同盟を結んでいる小国、エルムイの皇。本人が皇になりたかったわけではなく、カンホルダリが自らの支配欲を満たすために傀儡として祭りあげた元漁師で、カンホルダリの言いなりになっている。都合の良い下僕として扱われ、民からは弱腰の無能者とそしられている自分に苦悩している。カンホルダリの死後、「脅されて仕方なくクンネカムンに攻め入った」とトゥスクルに助けを求めたものの、結果は虚しく、後日クンネカムンによってエルムイは滅ぼされてしまう。その際ハウエンクアから「生き続けて苦しめ」等と言われているが、その後の消息は不明。

ストーリー上の重要なキャラクター

ディー
声 - 日本語:池田秀一、英語:Nomed Kaerf
凛とした涼やかな容貌のオンカミヤリュー族の青年。終始無表情で、畏怖・重圧さえ感じるような気配をまとっている。さまざまな國に現れ、意図的に戦火を拡大せんとする。元はオンカミヤムカイの哲学士で、ウルトリィと師弟関係にあった。自分逹が崇拝している「」に対しての好奇心が抑えられず、オンカミヤムカイの宗廟に侵入した結果、ウィツァルネミテアを発見。用もなく眠りを妨げたとして逆鱗に触れる。その際、知識を求めていることを見透かされたために、一方的な契約の代償として自分の肉体を差し出すこととなり、多量の知識(意識)が一度に流れ込んだ影響でディー本人の精神は崩壊してしまう。そのため、憑代とさせられる前の面影はもはや霞ほども残っていない。
その正体はハクオロと起源を共にするウィツァルネミテアの半身が顕現した姿であり、精神は「分身」である(「ディー本人」からすると「分身」に憑代〈よりしろ〉として肉体を奪われた状態)。オンカミヤリュー族であるため、憑代として「しっくりとくる良質な躰」であると発言している。さまざまな陰謀に関わりハクオロとは度々敵対した。闘争こそが進化の本道であるとし、戦乱を通じて自らの「子供達」をより高い存在へと導こうという超越的な「愛情」を見せる。闘争の過程で抑圧され、あるいは滅びていく種に対しては「必要な犠牲」と冷酷に切り捨てる姿勢であり、その手段や思想、またそれを「愛情」と呼ぶことそのものも含めて全く相反する思想を持つ自身の「空蝉」であるハクオロとは対立している。ストーリー終盤でハクオロ側から強引に意識の統合を行われ、『うたわれるもの』へと回帰する。
ゲンジマルに対しては「」と呼んでおり、契約を反故にしたために命を奪う結果となってしまったが「お前まで先に逝くのか」と悔やむ様子も見せていた。
ウィツァルネミテアは「無限の孤独から解放されることが願い」だと発言しており、種を昇華させる行為は最終的にこの目的を果たすためである。化石として存在していた時から、この行動原理は引き継がれているようであるが、オンヴィタイカヤン(旧人類)もこの産物であったかは劇中で明言されていないため不明。空蝉と分身が出会ってしまった際に争う衝動が抑えられないのは、自分と同じ次元の存在に飢えていたウィツァルネミテアにとって、もう一人の自分が目の前にいることは歓喜の極み(または憎悪)であり、その存在を確かめたいがために争ってしまうとされている[31]
ゲームの戦闘フェイズでは刀を得物としており、強力な光の法術も使用する。
ムツミ
声 - 日本語:釘宮理恵
ディーの側に控える、黒翼・血眼の女性。現行の法術・術者の水準を遥かに超越した力を操り、法術とは明らかに別物である不可思議な現象までをも行使する。ディーのことを「お父様」と呼び、ハクオロに対しても何らかの含みのある態度を見せる。
その正体は、遠い過去(創成期)にハクオロの遺伝子から複製された彼の子供たち「実験体」の内、最もハクオロに近い性質を持った一体。強大な力を発現させてしまったため、研究者たちによって肉体を分解・破棄処分されたロストナンバー、『製造番号欠番No63』。『No63』の語呂合わせで『ムツ (6) ミ (3)』と付けられた。その名前の意味するところは「[注 28]」。アニメ版では肉体が存続している描写が存在するが、原作では脳髄のみの存在となって『父親』であるアイスマン(ハクオロ)にコンタクトを試みた。ディーとハクオロを同一視し「お父様」と呼ぶ。彼女の行動はすべて父の望み(我を滅せよ、出来ぬならば封ぜよ)を叶え、父を安らかに『眠らせる』という理由に起因する。名前が『ムツミ』に決定する前に『ムーミン』やら『ムツゾウ』などという名前を付けられかけ、そのたびにサイキックウェーブをアイスマンに叩き付けて激しい異議申し立てを行う場面が見られた。オンカミヤリュー族の生物学的始祖である。また、カミュはムツミの中に存在するいくつもの人格のうちのひとつであり、ストーリー終盤でディーの呼びかけに答えてムツミへと変貌する。オンカミヤムカイ最深部でカミュの意識に立ち戻るが、ムツミとはある程度意識を共有している状態である。数々の能力の他に、太古の人類が衛星軌道上に創った衛星レーザー兵器「アマテラス」と直接リンクすることができ、衛星軌道上から超出力レーザー「浄化の炎」で標的を跡形もなく破壊することができる。クンネカムン皇都を破壊し尽した他、過去にウイツァルネミテアを滅するためにも使用されたが、それには至らず封印という形となった。
アニメ版では前述のアイスマンとの関係の描写が省かれてしまったため、ハクオロのことを「もう一人のお父様」と呼ぶのは何故なのかなど、ゲーム版を未プレイの視聴者にはわかりづらい部分が出てきてしまっている。
ゲームの戦闘フェイズでは強力な闇の法術に加え、分身しながらの連続攻撃など、始祖の名に恥じない力を見せる。
ミコト
声 - 日本語:柚木涼香
時折、ハクオロの脳裏に涼やかな鈴の音と共にフラッシュバックする幻影に出てくる女性。
その正体は、ムツミと同じくハクオロの複製体の内の一体、『製造番号No3510』。ミコトの名付け親もまたアイスマン(ハクオロ)であり、『No3510』にちなんで『3(ミ)5(コ)10(ト)』と付けられた。その名前の意味するところは、「[33]。また、『No3510』という製造番号もミコトにとっては、「博士がつけてくれた名前」なのであると語っている。ムツミのような特殊能力は見られなかったため、彼女は大勢居る実験用モルモットの内の一体として扱われていた。アイスマンと共に研究施設を脱走し、彼との間に子をもうけるが、後にアイスマンを追ってきた研究者達に捕獲され、「人との間に子を成した貴重なサンプル」として解体・惨殺される。エルルゥが髪飾りにしている輪っかのような物は、古代の研究施設のリング型のマスターキーであり、アイスマンとの接触でミコトに微かな父性的愛情を持ち、彼らの逃亡を幇助した研究者ミズシマがミコトに与えたものである。マスターキーはミコトの「父」からの贈り物としてアイスマンとミコトの間に産まれた子供に贈られ、その後は直系の子孫の長女に引き継がれていった。トゥスクルの代では彼女の姉が死んでしまったためにトゥスクルが受け継ぎ、その直系の長女であるエルルゥに授けられた。また、研究過程では発覚しなかった様だが、ミコトは「動物の声を聞く」という特殊な感応能力を持っており、彼女の子孫には希にその能力が発現する。そうした存在は、動物達と心を通わせるその様から『ヤーナ・マゥナ』(森の母)と呼ばれている。
アイスマン
声 - 日本語:小山力也
隠蔽されていたウィツァルネミテアの化石を発見したために、射殺されそうになった考古学者。朦朧とする意識の中、自身の返り血によって目覚めた「化石」の声を聴き、「眠らせてくれ」と頼んだ結果、化石と同化(契約の代償)し、氷の中で長い眠りにつくこととなった。後にミズシマをはじめとする研究者達に発見され、研究材料のためとして蘇生させられる。ミコトを解体したことに加え、肉体を強化する作用のある仮面のレプリカが完成したことを研究者の口から聴いた結果、怒りからウィツァルネミテアの力に目覚め、研究者達を次々と赤いゲル状の謎の物体へと変貌させる(強い肉体が欲しいという願いを歪めて叶えた)。その際、ウィツァルネミテアの凄まじい力に愉悦を感じる心と、こんな残酷なことはしたくないという心がせめぎあい、ムツミの手によって封印されるも、長い年月が経ち封印が弱まるにつれてその心は二つに分かれ、戻ることなく、やがてそれぞれが自我を持つようになった[34]
ミズシマ
声 - 日本語:加藤将之
生命の創造の研究を進めていた科学者の一人で、主にアイスマンの仮面についての秘密を探っていた。オンヴィタイカヤン(旧人類)。地下での生活を続けている間に、地上の環境に耐えられない肉体となってしまった。そのため新たな生命を創造するという研究を続けていたが、気の遠くなるような時間の中で研究を続けていくうちに、罪の意識が麻痺していき何も感じなくなることを恐れていた、良識ある人物(ミズシマが危惧していたことは後に現実となってしまった)で、「神の真似をし、生命の臓器を弄ぶことなど人の身には余りにも大それていること」だと考えている。実験体であるミコトに対しては、「研究者である自分が名前をつけることはできない」としてアイスマンに名前をつけてあげるように頼み、後に逃亡を幇助した際には、いい名前をつけてもらったと満足していた様子。逃亡を幇助した後の処遇は描写されていないため詳細は不明である。
ゲームの中ではミズシマの他にもマツオなどの日本の名字を持つ研究者が登場している。
虎馬:うたわれるもの - W 
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